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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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641.  笑の大学 《ネタバレ》 
面白かった。心から笑ったことがない人が、自分が理解できていない笑いを説明されて、それを理解して、実際自分が人を笑わせる手伝いをする(結果になる)。そこには検閲を通すためのヨイショもあるんだろうけど、向坂のダメ出しを見事に笑いに組み込む椿のセンスは、強引ながら大したものだと思えて、5日目の向坂が警官役をやらされる辺りまで、テンポも良く、作家と検閲官のお互いの距離が近づくようで、とても楽しかった。 6日目、向坂が坊主の格好している辺りから、若干クドさが出てしまったように思えた。好みの問題かもしれないけど、5日目までの距離感が一番絶妙だったような気がして、それ以上距離が縮まるのは、やりすぎなような… 向坂が上演許可を出さないために嫌がらせを告白は、それはそれとして黙って飲み込んで良いと思うんだけど、その後の椿の本音が、観ている私も聞きたくなかった。これは戦地帰りの兵隊に『人殺しは間違いだよね、あなた人殺したことある?』ってのと同じくらい、言っちゃいけないことのような。向坂がちゃんと「聞きたくなかった!!」と言ってくれてよかった。でもここまで積み上げたものがぶち壊しになり、修復は無理と思われた翌日の、赤紙。ある意味反則だけど、すべて持っていく上手な結び方。 あぁ、でも向坂に廊下で叫んでほしくなかったかな。もっと、あの部屋の中だけで、二人の中だけで認め合うような結末が相応しい関係だったように思う。 舞台版だとそういう所も含めて、完成度高いのかな?でも充分楽しめたよ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-07-06 23:45:07)
642.  天地創造 《ネタバレ》 
~The Bible: in the Beginning ...~聖書。初めに・・・。邦題も悪くないけど、あまりにカッコイイ原題。 世界一のベストセラー『旧約聖書』の、創世記の、だいたい半分くらいまでを映像化した物語。面白いとか面白くないとかでなく、聖書という物語を、あの当時の最新鋭技術と壮大なスケールで映像化して、後世に残そうという意図があったと思われる。 原作を忠実に再現するのが目的と思われるので、新しい解釈や流行の取り入れ、オーバーリアクションなどは極力避けて、ベッタベタな内容に仕上がっていると思う。 アダムとイヴ。いかにもな美男美女を用意したものだ。リンゴを噛じる効果音がないのが良いと思う。多分あのリンゴとは、フジとか王林とか私たちが知っている林檎ではなく、神の作った神聖な実だと思う。ので、私たちの知るリンゴを噛じる音はしないんだと思った。 効果音と言えば、戦闘の剣が当たる音『カキーン』とか『ズバーッ』とか、大げさな効果音がないのも、当時なりのリアリティを追求した結果だと思う。 ノアの方舟の象やトラ、ラクダはともかく、キリンやシマウマ、陸亀はスタッフの遊び心だと思う。旧約聖書の時代に発見されていたのかなぁ?でも方舟のスケールと内部の賑やかさは面白かった。肉食獣の食料の謎。一応、説得力のある回答。 ソドムとゴモラ。アブラハムの『正しく生きるものが50人なら?45人なら?20人なら?』は、神の使いに対し謙虚ながら自分の気持を伝えていて、良いなぁ。 ロトが“処女の娘二人を差し出すから客人には手を出すな”は、価値観が違いすぎる。こんなお父さんイヤだ。振り向いてしまったお母さん怖い。何になったかと思ったら、塩の塊にされたんだ。「振り向いたら塩にするよ」って、先に言ってあげようよ。 もちろん息子を生贄に捧げるお父さんもイヤだ。アブラハムとイサクがソドムに立ち寄るんだけど、イサクが言う「子どもたちも悪いことを?」ここはスタッフの創作かどうか?なんか原爆や絨毯爆撃の跡地みたいな破壊されようで、反戦メッセージっぽく見えた。当時あそこまで徹底的に街を破壊する火力があったのって、たぶんアメリカとソ連くらいなんだよね。神の力に匹敵する火力。 イサクの件に限らず物語全体として言えるけど、神様厳しすぎる。 旧約聖書はイスラムの歴史でもある一方、登場人物にスポットを当てた物語なんだから、主人公にはいろんな困難があってこそだけど、なぜ神様が人間にそこまでさせるのか、わからない。…暇つぶしなのかなぁ?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-29 19:20:36)
643.  ドリームガールズ(2006) 《ネタバレ》 
~Dreamgirls~実在したポップ・グループ、ザ・スプリームスを題材とした架空のグループ名。 ロックを遡っていくと、黒人音楽が大きな影響を与えていることが解るけど、案外浅い知識しかないもので、よく知らなかったダイアナ・ロスの過去を扱ったフィクションとして、興味深く観させてもらった。 地方の黒人音楽を、白人の大手プロモーションがパクって大金を稼ぐ図式が音楽業界の闇を感じさせる。でもリスナーの多くはそんな裏事情なんて知らないから、ラジオで何度も耳にする良い歌を買ってしまうんだよな。 白人主体の音楽業界で対抗していくため、ルックスの良さと耳障りの良い声のディーナを前面に売り出そうというカーティスのやり方も理解できる。エフィとカーティス達の亀裂は起こるべくして起こったものだけど、それよりこんな中盤から突然ミュージカルになってびっくりした。エフィがクビになる時のミュージカルは歌詞と状況のシンクロ具合が絶妙で見事。 エフィがディーナとカーティスの仲を疑ってたけど『それは誤解でしょ?』って思ってたけど、数年後結婚してるのは、え??って感じ。どこか2人の関係を描いたシーンを見逃してたろうか? ザ・ドリームズのプロフィールビデオの、ミシェルの切り貼り感が良かった。 エフィの歌をドリームズがパクる。白人のやり方で黒人同士潰し合う。 独立を決意したディーナの"Listen" の観せ方が凄い。闇の中1人で歌うディーナ。徐々に明るくなるとそこが収録スタジオで、ガラスに反射したカーティスが映る。どれだけ独立を願っても事務所が権利を握っている構図を一発で表現している。回想風に秘密の証拠書類を盗むシーンと、エフィの"One Night Only"のシングルを見つける瞬間を入れる。 解散コンサートでザ・ドリーム・ガールズとして4人で歌う爽快感。カーティスも何かに気がついたようで(何で?)エフィの子の隣へ。満足度の高い大団円。エンディングの絵コンテもなんか嬉しい。 ノリノリのエディ・マーフィがまた実に良いし。ジャクソン5も出てきてお得感満載。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-27 23:46:48)
644.  ラストエンペラー 《ネタバレ》 
~The Last Emperor~末代皇帝。300年に渡る清朝の最後の皇帝となった溥儀の生涯を描いた映画。溥儀は満州国の初代と末代の皇帝でも、あるね。 日曜洋画劇場で2週に渡って放送されたの(当然吹き替え版)以来、久々の鑑賞だったけど、まず驚いたのがみんな英語で話していること。最近は現地人は現地語で再現されることが多いから、一昔前の映画に感じられた。 セットの豪華さが凄い。西太后が崩御する部屋の豪華さ。即位式のスケール。お隣だけど異国の文化感、大陸の王朝の大きさが良く出ていた。…もっとも、映画撮影のための想像や創作の部分もかなりあるんだろうけど、ただただ装飾の美しさと様式美に圧倒される。 溥儀の皇帝として我儘と権威っぷりを観せて、実は紫禁城の中だけの皇帝だと知らされ、国内で最も力ある存在から、乳母のアーモ1人すら奪い返す力がないことを見せ付ける“一瞬にして突き落とす”観せ方が酷い。 溥儀が力(当然の権利)を示そうと、宝物庫の目録作成を指示しながら、辮髪を切る時の目ヂカラ。西洋人に劣らない貫禄と美しさのジョン・ローンだからこその名場面。カッコイイ。 これが子供向けの偉人伝だったら『紫禁城を追い出された溥儀は、天津で楽しく自由に過ごしましたとさ。』で終わりそうなもの。その後は何とも不幸の連続のような人生。ここまでで17年。ここから戦犯としてハルビン駅で自殺を図るまで25年くらい。前半に比べ後半が短い気がする。もっとも、辛い内容が多いので映画的なバランスを考えると微妙だけど。 老人になった溥儀が子供にコオロギの壺を渡すシーンが、何とも幻想的で忘れられない。
[地上波(吹替)] 7点(2021-06-27 19:39:57)
645.  ファンタスティック・プラネット 《ネタバレ》 
~La Planete sauvage~野性の惑星。ソヴァージュって野性って意味だったんだ、へえぇ~~。 「うん、大丈夫。」最初の10分くらい観ての感想。 面白いとか以前に、この独特な絵と不気味な登場人物を受け入れられるかどうかが大事。 青い肌と瞬きしない赤い目。魚の宇宙人だろうか?10分もあればこのビジュアルにも慣れる。 けどダメな人は無理すること無いし、大丈夫な人は、あと60分くらいだから観てみると良い。  瞑想が怖い。特に4人の男が並んで、体のカタチが溶け合うのがグッと来た。ベァ~~ン!!って独特の効果音、ピヨォ~~ン…ピヨォ~~ン…ペポパポ♪怖わ!!怖っっっっわ!!! 赤い目の瞳が無くなり、青くなるのも怖い。 でもこの音楽が癖になる。というかずっと聞いていられる。70年代の懐かしさが漂っていて、全く不快感がない。サントラほしい(※個人の感想です) この世界はドラーグ族の1週間が人間(オム族)の1年だそうだから、人間は年に52歳年を取るのかな?コッチで言うハムスターやネズミみたいな?リアル・ハム太郎。知能に差があって、野性のオム族はドブネズミみたいな生活をしている。  学習器が言っていたクリスタル季だろうか?ピキピキとダイヤモンドのような物質ができる。歩いていくテールを無言で見るティバ。チラチラ見返すテール『良いの?このまま行って良いの?』「・・・」足がダイヤモンド化、不安なテール『え?動けない!怖いんだけど…』「・・・」『全身が覆われてきた!怖い死んじゃう!!』「・・・(助けてやるか)ぴゆう~~ぴい~~」なんか、こういうノリ。ペットがトラップにハマるのを敢えて黙って見る感覚。理解できる気がする。  ティバのその後も気になるけど、世界観や人間の文化もきっちり作られていて、闘獣の闘いとか最後勝った方も殺すのとか、なんかリアル。性交の時に儀式をするの、ドラーグ族の頭蓋骨?ナウシカの巨神兵の化石みたい。 人間絶滅計画の、カルミンみたいな毒ガス弾を飛ばす機械の見た目と音が印象的。その後の原始的な害獣駆除兵器(ボール、掃除機、怪光線)も、非効率で残酷で不思議。 72分でこの密度。なんか癖になる。暫くしたらまた観てみよう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-25 20:09:51)(良:1票)
646.  見知らぬ乗客 《ネタバレ》 
~Strangers on a Train~電車の中の見知らぬ人。邦題のままでよいです。 二人の男の靴(足もと)から始まり、靴がぶつかって話が始まるオープニングがスタイリッシュ。 何度も出てくる小物『ブルーノのタイピン』よりも、この時締めてた可愛いロブスターのネクタイが気になったわ。 テニスコートで一人首を振らないブルーノの不気味さ。 パーティでバーバラ(ヒッチコックの一人娘だったんだ)を視ながらカニンガム夫人の首を絞める異常さ。 証拠のライターで自分のタバコには火を着けるけど、他の人にはわざわざマッチを使う変なこだわり。常人じゃないところが上手く表現できていたと思う。 名前のあるちょい役と思ったヘネシー刑事が、主人公といい感じに友達感を出して、バーバラにもバラバラ殺人のネタ話で怖がらせたりと、とても魅力的なキャラクターになっていた。 アントニー家に侵入。懐中電灯と地図の見せ方はダンジョン感があり、途中の犬も怖くてハラハラ出来る。 高速回転のメリーゴーラウンド。ガイとブルーノの格闘より、下をくぐる刑事さんの方が観てて怖かった。 全体的にゆるい感じはあるけど、ぼや~っと観ているうちに、その世界観に引き込まれる。 ヒッチコック作品は、後年のカラーの方が有名な作品が多い気がするけど、モノクロの方が若干、私自身の評価が甘めになっている気がする。掘り出し物を見つけた感があるからか?単に初期→中期作品のほうが私の好みに近いからか?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-24 23:57:33)(良:1票)
647.  北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 
~North by Northwest~…北北西じゃないんだよ。北の大都市ニューヨークからイリノイ州、サウスダコタ州と、どんどん北西へ移動しているので、『北部から北西部に向かって移動しますよ。』的な?ノースウエスト航空がスポンサーだから説は面白い。 オープニングの緑バックと白線がビルに変わる画。国連ビルから逃げるロジャーをビルの上から撮る画。だだっ広い農道で帽子の男と向かい合うロジャー。印象的なカットが結構ある。 ちょっとしか出てこないロジャーのお母さん。50ドルのお小遣いでホテルの鍵を取りに行くとことか、殺し屋相手にエレベーター中を笑いに包むなんて素敵だ。再び殺し屋が来た時、お母さんが使った“笑いを起こして目立てば逃げられる”を、オークション会場で実践するのも親子らしくて良い。このお母さんの活躍をもっと見たかった。 旅のさなかに出会う美女ケンドールの大人の落ち着き。特にマッチの火に手を添えるところがセクシー。 最後の舞台がラシュモア山、観光地ものの2時間サスペンスっぽい。今回久しぶりに見て、こんなにラシュモア山のシーン長かったっけ?って思った。 この映画で観光地としての魅力は出し切った感があるせいか、ラシュモア山が舞台の映画はしばらく無かったと思う。 落ちそうなケンドールの手を掴むロジャーの唸り声が、急に優しい声と笑顔に変わるエンディングが印象深くて好き。
[地上波(吹替)] 7点(2021-06-24 23:13:20)(良:1票)
648.  アンダー・ユア・ベッド 《ネタバレ》 
大学の授業中、千尋に名前を呼ばれたときから、期間を開けて交番で千尋に名前を呼ばれるときまでが、三井が存在できた期間。 それ以前もそれ以降も三井は忘れられた存在になる。 大学時代、彼女のアパートに水槽を置く時、腕に胸が当たって驚く(シチュエーションそのまんま)。千尋を暴力的な彼氏から守るため、サーモスタットで電気ショックを充てる(スタンガンを旦那に充てる)。夕焼けの部屋で千尋を抱く(風呂場から救出して温めた事がモトだろうか?)…これら思い出は、自首して以降、千尋との接触をモトに三井が創り出した妄想なんだけど、千尋と(例えば出所後の)自分の未来を想像するとかでなく、あくまで幸せだった過去の瞬間を徐々に盛って美化していく作業しか出来ないのが、この主人公の闇の深さ。 ベッドの下に潜り込む変態なんだけど、ドン引きするような突き抜けた変態さより、香水の香りとか引き伸ばした千尋の顔写真のコピーの美しさとか、哀愁と純愛も感じさせるところで、この主人公の行く末を最後まで見守る価値のあるものにしている。 風呂上りの千尋の裸はけっこう綺麗で、ここ最近、痣が出来るほどの身体的なDVが激しくなっていったんじゃないかな?って思う。 突然リビングに置かれたグッピー水槽に文句を言わないDV旦那の謎。ああ言うのは許せる人なのか? ちょっと残念なのは最初の盗聴の、アレしてる時の生々しい音。喘ぎ声は構わないけど、何というか、アダルトビデオじゃないんだから。これは映画なんだから、安直に生々しい音を垂れ流すのではなく、何かもっと別の表現方法を思いつかなかったものだろうか。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2021-06-22 22:47:46)
649.  ダイ・ハード/ラスト・デイ
~A Good Day to Die Hard~『頑強に抵抗するには良い日だ。』インディアンの死生観を表すことわざをもじったもの。ちょっと陽気でハッピーな原題を、なぜわざわざラスト・デイという邦題にしたのかは疑問。作品の出来のイマイチさから、最終作を印象付けて観客動員を稼ごうとしたのか…  5年くらい前にTVでやってるのを観ました。せっかく1~4まで見直したのに、5は手元にないし、借りたり買ったりするほど面白かった記憶もないので、なにか余程の機会に改めて見ることがあれば、きちんとネタバレでレビューしたいと思います。 3でスピードやリーサル・ウェポンっぽさを取り入れ、4で-24-っぽさを取り入れ、今作では007やミッション・インポッシブル、ボーン・シリーズっぽさを取り入れようとしたのかな?って思いました。そのせいでダイハードっぽさが相当薄まった印象です。 1と5だけ観ると、同じ設定上のキャラクターとは思えません。
[地上波(吹替)] 4点(2021-06-20 22:39:38)
650.  Wの悲劇 《ネタバレ》 
ダブリューの悲劇。アメリカの推理作家の『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』のオマージュとして、日本の作家が作った推理小説『Wの悲劇』を劇中劇とした、舞台女優の悲劇を描いた映画…へえぇ~~。 薬師丸ひろ子の脱アイドル、本格的な映画女優を意識してか、処女喪失というショッキングなオープニングから始まる。彼女が感情の微妙な変化を、声と表情の演技で出そうと頑張っているのが伝わる。…良く言えば今の薬師丸ひろ子の演技は、この時ほぼ完成されている。 オーディション後に落ちたと知らず、静香に花束を渡す昭夫。その花束でバシバシ叩かれたあとの、キラッキラの笑顔と優しい言葉が印象的。なにか思っていた世良公則のイメージと違って違和感を感じなくもない。脱いだパンツ挟んでの昭夫と静香の電気のひもバトル。何とも青春していて良いね。 こんな過去のアイドル映画の集大成っぽい内容が1時間弱続き、いきなり物語が動き出す展開は見事。 羽鳥翔の自分を語りつつ、静香に頼んでいるようで、逃げ道を作らせない有無を言わせぬ圧。演技の勉強を頑張りすぎたせいで、役と事件を天秤にかけ、事の重大さを故意に鈍らせる静香。記者会見で女優として現実の自分を演じ通す静香の姿は痛々しくもリアル。一方、翔がかおりを摩子役から下ろすためのいびり方は演技とは思えないくらい、本当にありそうで怖かった。 昭夫が刺されてからが駆け足で、主要メンバーのその後が気になって仕方ない。特にかおりは、あんな事件を起こさなかったら実力から再起は確実だったろうし、可愛そうでならない。 でもそういう、蛇足になりそうなところを敢えて描かないで、静香と昭夫の別れでアッサリした終わりも悪くないと思えるようになった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-06-20 21:48:46)
651.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
~The Man Who Knew Too Much~(余計なことを)知りすぎた男。 邦題だと“聞いた以上のことを以前から知っていた”風にも取れるかも? 30年くらい前、日曜洋画劇場で見て、すごく楽しかった記憶がある。 今回久しぶりの鑑賞だけど、あらら?名作だったって記憶に比べて、思ったよりシンプルと言うか、あっさりテイストというか。  これ旦那さんが悪いわ。ベルナールにべらべら素性を喋るベン。それをじっと聞いて牽制のジャブを入れるジョー。ベルナールと別れてから旦那にダメ出し。旦那の面目を潰さない出来た奥さんだ。 ドレイトン夫妻に警戒心を抱くジョー。ちょっと疑り深い気もするが、結果論として相手は誘拐犯。何も感じない鈍いベン。 レストランでベルナールを見つけて、ジョーに指摘されて火がつくベン。それほど怒ってなかったのに、ジョーへの当て付けのように怒り出すし… 最初ベルナールのメッセージをジョーに教えなかったり、ハンク誘拐を説明する前に薬を飲ませたり、ベンはジョーをパートナーと言うよりお荷物に思っているようだ。 ロンドンの警察に誘拐の話をしても暗殺の話はしない。アンブローズ・チャペルに単身乗り込む、しかも勘違い。チャペルでも策もなしに姿を見せて捕まるし…冴えているのはジョーの方で、ベンが余計なコトして事件を複雑にしている気がしてならない。 この当時だから、女は男を立てる存在。って感じだろうか。今リメイクしたらジョーとベンの立場がガラッと変わってそう。  ベルナールの黒塗りメイクが指の形に落ちるところ、ドレイトン氏が電話中、不安で電話帳をいじる手などは、画で見せて意味や感情を説明する名場面。女性のベール取っちゃいけないとか、食事の時左手は使っちゃいけないとか、異国モロッコの習慣を今でも覚えてる。映画は勉強になるなぁ。 当時は淀川長治氏の解説で、ケ・セラ・セラの歌とか、劇中のシンバルとか名画の楽しみ方を教えてもらって、それを確認して楽しんでいたのもあったかも?記憶の中ではヒッチコックの作品の中でも、かなり上位の名作だったと思っていたので…  追記)知りすぎていた男とは、主人公ベンではなく、殺されたベルナールの事を指しているのだとしたら、ちょっと納得出来ました。
[地上波(吹替)] 5点(2021-06-20 19:02:31)
652.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 
高校の頃、牧師さんと映画の話をすることがあって、『ベン・ハーの監督はキリストに否定的で、キリスト批判な中身だったけど、制作しているうちに“私はなんて罰当たりな事を”と改心し、今の映画になったそうだよ』と。原作アリだしどうかな?とは思ったけど、ワイラー監督はユダヤ教の家庭に生まれてるし、案外本当だったりするのかもしれない。 今回初鑑賞。てっきりグラディエーター的な映画かと思っていたけど、これほど宗教色の強い映画だったとは。 ハッキリと顔を見せず、佇まいで表現されたイエスがとても神々しい。ユダに水を飲ませたあと、ローマ兵の前にスッと立つ後ろ姿。物語後半、群衆の中で丘の上に立つ姿。あんな遠景なのにどれがイエスかハッキリ解る撮り方。神の子の表現としてこれ以上無いくらいの表現方法に思う。 奴隷となり神の子キリストから水をもらうユダ。ローマ司令官アリウスから水をもらい養子になるユダ。磔にされるキリストに水を与えるユダ。キリストの血が雨とともに流れ、母と妹の病を治す。他にあったかな、誰かに水を与えることが物語の転機になってるみたいだ。 衣装とセットの豪華さ。当時の大作ってお金の掛かり具合が凄い。 海戦。特撮も陳腐にならない上手いバランスで撮れていたし、ガレー船の漕手の悲惨さも伝わる。 戦車戦。4頭の白馬と4頭の黒馬が並んで走る姿は映画とは思えない迫力…変な書き方だけど、スタントの安全性はもちろん、32本の馬の脚がどこかで絡んでしまわないか、心配になる。こんなナマの映像は今後絶対撮れないと思う。 あと最初のMGMのライオンが動かないの。初めて観た気がする。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-20 13:56:09)(良:1票)
653.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
~Die Hard 4.0 Live Free or Die Hard~『自由に生きる、さもなくば頑強に抵抗を。』モトはニューハンプシャー州の標語だそう。サイバーテロ映画なため、単純に4でなくプログラムとかのVer.4.0ってのが国際標準タイトルとのこと。 ナカトミビルの活躍から早いもので19年。前作から12年。ホリーと髪を失ったマクレーンが、筋肉ムキムキになって帰ってきた! マクレーンと言えば、経験と知恵で敵に喰らいつき、ゴキブリのように隠れて、油断した敵を仕留めるイメージだったのに、トレーラーからヘリの操縦までこなし、正々堂々真正面から打ち勝つような、戦車みたいな男になってしまった。コンピューターを駆使する戦いだから、頭を使うのはハッカーの役目に。 独立記念日前日だけに、歴代大統領の演説を繋げた犯行声明はシャレが効いていて怖くて、発想がスゴイ。 敵も女カンフー使いやパルクール使いと、格闘アクション色を強くしている。日本人が見ても綺麗なマギーQをマクレーンがバッキバキ殴るのは、なかなか容赦なくて見応えがある。 1で「きょうパパはくるの?」と可愛かった子どもが、こんなに大きくなって…夫婦愛から家族愛に広がったのは良いけど、この人危機がないと日常生活はダメダメ。何が決定打でホリーと離婚したのか、なぜルーシーはあそこまでジョンを嫌うのか。せっかくルーシーの家で始まるなら、何やかや大事にされてる1のクマのぬいぐるみがチラッと…なんて思ったり。 過去3作との大きな違いが場所と時間。ダイハードと言えば限定された空間での活躍が特徴だったけど、シリーズ毎に活躍範囲は広がっていき、今回はニューヨークからメリーランドへと州すら跨いでの活躍に。そして1と2は一晩の戦い。3は朝から夜中。今作は一日半不眠不休の戦いと長い。当時人気だった-24-の影響を大きく受けたんだろう。 電気が止まっているのに夜中に車が結構普通の速度で走っていたり、朝は走っている車がなく、どういう訳か道路の真ん中で立ち往生している車が多かったり、暴動が起きてても不思議じゃないのに歩いてる人が居なかったりと、なんか不自然。 メインがF-35だけど、単独飛行なのがちょっと変。そもそもあんなに接近する必要性ある?ぜんぶ生身のマクレーンと戦わせる話の都合上の演出なのが…。市街地の被害関係なしでトレーラーの足止めにミサイル使うし、あんな危ないパイロットを最新鋭機に乗せちゃマズい。CGで珍しい画が撮れるのは良いけど、リアリティは大事にしてほしかった。面白いんだけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2021-06-17 11:43:33)
654.  グラン・プリ(1966) 《ネタバレ》 
~Grand Prix~大賞。その年その国で一番権威あるモータースポーツに付けられる。4輪の最高峰がF-1ワールドチャンピオンシップだから、自国開催の時に(国名)+グランプリって呼ぶそうな。 とにかく、この時代にどうやって撮ったんだ?って迫力満点の映像が満載。80年代後半のF-1ブームの時、最先端技術としてオンボード(車載)カメラが登場したと思っていたけど、66年にこんな綺麗で滑らかな映像があったなんて。 それでいてレース中の空撮にはカメラ搭載車が写ってない(見分けがつかない)。87年のカメラでさえ、牛乳パックくらいの大きさだった事を考えると、レースの空撮と車載映像は別撮りということか。 車載映像だけでモンテカルロほぼ一周ノーカット撮りっぱなし。スパは雨のレース映像。空撮は空撮で上空からの俯瞰だけでなく、横からかなり寄りで撮ってるから迫力があり、観客席に人が溢れてるのも、あれ実際のレースシーンなのかな。映画の撮影だとしたらスゴイとしか言えない。 そして一番驚くのが主演俳優が本当に運転していること。こんな撮影、今だったら考えられない。  まだシートベルトが無い葉巻型のF-1の時代。写真でしか見たことがなかった当時のF-1の映像が資料価値満点。 グラハム・ヒル発見!他にジャック・ブラバム、ヨッヘン・リント、ギ・リジェ…数枚の写真と文字資料でしか見たことがない伝説のドライバーたちが活躍…してるようだ。ウイングカーの時代(70年代後半)なら多少解るかもだけど、ここまで古いとデーモン・ヒルのお父さんしか解らなかった。 アロンが主役かと思ったら途中からサルティ中心になり、メインの4人にそれぞれ女性が絡んでと、どうもストーリー的には絞りきれていない感じがした。 世界で活躍するヤムラ・レーシングの扱いが大きくて嬉しいのと、三船の横に本田宗一郎っぽい、つなぎを着た眼鏡の日本人が居て、何か嬉しい。当時それだけインパクトが有ったんだろうな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-14 23:20:46)(良:1票)
655.  恋人たちの予感 《ネタバレ》 
~When Harry Met Sally...~“ハリーがサリーに出会った時は…”。 劇中いろんな老カップルの“私たちが出会った時は…”が流れるので、ハリーとサリーもその中の一つ。みたいな意味かと。 『恋人たちの予感』って邦題はかなりの変化球。“たち”って言うほど主人公たち以外に焦点が当てられて無く、何を持って“予感”なのかもイメージできない。ぶっちゃけ、意味はないけど語呂が良くてロマンチックな言葉を充てがってみました。じゃないか? 『恋人~』『愛と~』なんかを使ったタイトルにすることで、ターゲットを女性客とカップルに限定して、男性一人客の足を鈍らせることに成功している。男友達同士なんて完全にシャットアウトだ。 確かに女性客が、セックスを連呼し、ダイナーで喘ぎ声を出すメグ・ライアンに共感できても、男性客が大勢いる中で笑ったり頷いたりは、やりにくいだろう。そう考えるとこの『男性客避け』なタイトルも、よく考えられてるのかもな?って思えてしまう。 男女間の友情(セックス抜き)は成立するか?がテーマみたいに見えて、ふとしたキッカケで長い期間腐れ縁から友人関係になった男女がついには結婚することになった。というお話で、男女間の友情は彼らの話題の一つに過ぎないようにも思う。 ハリーは一線を越えてしまったために大切なものを失ってしまうような感覚に襲われたけど、ハリーの結論「一日の最後に話をしたいのは君なんだ」は、とてもパァッとなる告白。 ビリー・クリスタルが魅力的だって声は聞いたこと無いけど、メグ・ライアンの可愛さとニューヨークの四季の美しさ、エンディングのハッピーさを素直に楽しむのが良いかな。セックスの有り無しより、相性の善し悪しは大事だよねって思った。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-14 17:07:40)
656.  キリング・フィールド 《ネタバレ》 
~The Killing Fields~クメール・ルージュによる大量虐殺が行われた処刑場の総称。 中学生の頃ゴールデン洋画劇場で見て、とんでもなく怖かった映画。 戦争(アクション)映画は大好きだったけど、ここに描かれている世界は、私の知るカッコイイ戦争とは違っていた。日常的に目の前で起きる処刑。どうすれば許されるのか、意味も解らず脅かされる命。子供の判断基準で殺される大人。国政が不安定で常識の通じない世界。人間が家畜のように扱われ、教養があれば殺される、逃げ道のない世界への恐怖を、まざまざと見せつけられた。  そしてイマジンの美しさ、インパクト。賛否両論あるみたいだけど、私たち世代の多くにはきっとイマジン=キリング・フィールドのテーマソングだ。 『処刑のシーンでポール・マッカートニーの曲が掛かり、再会のシーンでジョン・レノンの曲が掛かる』当時は監督が“悪の場面と善の場面で意図的に両者の曲を掛けた”なんて思っていたっけ。 ポールの曲“Band On The Run”は、ビートルズ時代、世間に追われて自由が無く、バンド活動に拘束されていた当時の、逃げ出したい気持ちを歌ったものと知った。一般人はもちろん、兵士であっても地獄と化したカンボジアから逃げたい気持ちを表現したんだろうな。 曲を聞いているのは捕虜を処刑する政府の側の兵士。ヘルメットに黄色い花を刺した女の子で、まだ子供のようだ。英語の歌詞などわからないだろう。 彼女はその後、腹部に助かりそうにない重傷を負って運ばれていく。何があったのかは描かれてなかった。後日病院でシドニーが捕虜になる際、ポケットから彼女のと同じ様な花を取り出すが、何か繋がりがあったのかな。  放映の翌週、クラスの反応は様々だった。心にズシンと来た者。途中で見るのをリタイアした者。口数が少ない者もいれば、娯楽として楽しめたのか、喜んでる者もいた。みんながTVで映画を観て、翌週話し合う、盛り上がる、それぞれの反応を知るのって、何かとても貴重な体験で、とても素晴らしい文化だったように思う。 『永六輔の誰かとどこかで』ってラジオ番組のコーナーで“アルハンブラの思い出 ”が流れると、映画の恐怖がフラッシュバックしたのも今では良い思い出。 あの時は突然ラジオ消して、ごめんねママン。
[地上波(吹替)] 8点(2021-06-14 15:19:04)
657.  ラ・ブーム 《ネタバレ》 
~La Boum~ホームパーティ。 ソフィ・マルソー(13)の可愛さをひたすら堪能するアイドル映画。41年も前の映画なのに、ソフィの顔つきもスタイルも今の目で見ても全然可愛いから驚きだ。もっと言えば出てくる女の子も男の子もみんな今の基準で可愛い。…そりゃホームパーティにダサい子やヲタクは呼ばれないのかもしれないけど、オシャレの最前線おフランス恐るべし! この『ブーム』というパーティの文化。日本のお誕生会なんて可愛いものでなく、タバコもキスもハグもあり(お酒までは行かないか?)で、13歳の子が集まって、夜な夜なこんな事をしているなんて日本だとPTAが黙っていない。親が車で送り迎え。「見つかったらブチ壊しだから出てこないでね」そう言われてこっそり隠れる親。なんて理解がある親というか、親公認の文化なんだろう。 良い意味で子どもと親の距離が近いんだな。日本だと親に隠れてコソコソするところを、ある程度オープンにやっている感じ。日本に比べ、罪悪感の境界線がもう少し緩いんだろう。でも親に言えない一線『デート』はキスの隠語とか、フレンチ・キス発祥の国(知らんけど)おフランス恐るべし!! 「ウチの女房に手を出すな!」間男を助けて殴れるお父さん(お父さんがフランソワ、お母さんがフランソワーズとややこしい)、そこより学校の前で娘の彼氏マチューを殴れるの、カッコイイ。時代もあるけど日本だと難しいアクション。 エンディングの男の子が誰だったっけ?ってなったけど、ヴィックがマチューのハートをメロメロに掴んだら、もう次のイイ男に照準合わせてるって意味だったのね。性の先進国おフランス恐るべし!!!
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-12 15:50:05)(良:2票)
658.  ダイ・ハード3 《ネタバレ》 
~Die Hard: With a Vengeance~すさまじい勢いで頑強に抵抗する。“3”と銘打たないことから、某シリーズのように前作を抜きにして正当な続編として作られたとか、仕切り直しの意図があったのかもしれない。確かに2はあまりに1の出来事を踏襲していて、その部分が今後のシリーズ化には足枷になったと思うし、マンネリ化を避ける意味でもこの方向転換は良かったと思う。 今作ではいよいよマクレーンの所属署のあるNYが舞台で、ホリーはロスで単身赴任だという。 なんか自分の勘違いか、ジョンはロスからNYに出戻り、ホリーはジョンのもとに戻ってきてたと思っていたけど、1のままの設定のようだ。 謹慎中で朝方まで二日酔いのダメ親父っぷりを見せるマクレーンが良い。普段がこんなだと、几帳面な会社人間のホリーは嫌になるだろう。 マクレーンの味方の警察側は、いつも足を引っ張るか、役立たずが多かったけど、今回は刑事仲間がいるのも嬉しいし、みんな結構責任感が強く頼りになる。 敵は金儲けのテロリストと職業軍人の混成チームみたいで、無口なカティアが怖カッコイイ。 何回も見てるのに、マシアスの奥さんだったって今回知ったわ。奥さんに撃ち殺されるなんて… スタイリッシュな真夏のNYの風景からデパートの大爆発。タクシーでセントラルパークを激走(クレイジータクシーってゲームに大きな影響を与えている)。地下鉄、ハーレム、ウォール街。遠くにツインタワーも見える。あちこちで起きるテロ行為が、金塊強奪事件に結びつくストーリーも、よく練られている。 旧作より舞台が広がり、NY市全体が舞台(しかもCGではなく本物)となっていて、観光する楽しみと、知っている風景が破壊される楽しみが味わえる。…こんな表現も、今使って良いのかわからないけど、9.11同時多発テロ以前だから出来た作品で、もうこんな規模の爆発ロケものは作れないかも? 大都会で火薬とガソリンの臭う、人類史上最後の超大作かもしれない。 出来れば最後、タンカー爆発から間を置かずに解決編に。そして国境の町(州はずれ?カナダ?)でなくNY市内で終わらせてほしかったかな。 2までのお約束を排除し、シリーズらしさが薄いからか評価は低いみたいだけど、単品としても面白いし、シリーズとしても好きな作品です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2021-06-12 14:40:01)
659.  聖の青春 《ネタバレ》 
将棋素人の私が村山聖という人物を何となく知っていたのは、羽生の効果だろう超有名・大人気だったもんな。 村山は少女漫画が好きで、爪や髪を切らない。少女漫画の主人公のようなサラサラヘアになりたかったのかな? 上京の時、女子向きマンションを選ぶけど、似合わないと言われムッとする。内面は女性的で繊細なのかもしれない。  羽生と村山の食堂のエピソード。店主の反応がまさに私のような一般人のそれだろう。 この食堂は竜王戦の会場から歩いていける距離にあるから、将棋関係者もよく来ると思う。 “よしのや”。牛丼の前フリもあるから、村山は前日、適当に店の名前で選んでたんだな。 全然趣味の話が合わない二人。会話が積んだとき、食堂のおばちゃんのお尻をぼんやり見てから結婚の話に流れるくだりはとても上手いな。 畠田理恵との結婚が話題になった羽生に、その話ではなく『結婚して死ぬまでに一度で良いから女を抱いてみたい。』と自分の本音を話す村山。  お金はあるんだろうが、風俗とかでなく大好きな少女漫画のような恋愛をしたかったんだろう。そしてゴールは結婚。 古本屋の店員さんとのエピソード。金はあるだろう彼が、ちょくちょく古本屋に通った理由。残念ながらもう一歩先には進めなかった奥手の村山。 いや現実はもっと、それ以前の関係でしか無かったかもしれない。 手術を拒んで(ゴネて?)いたのも、彼の気持ちを表していたように思う。 将棋は出来ても男性機能は失う怖さ。結婚したいから手術は嫌だって言えない繊細さ。  食堂で本音を話す村山に「あなたに負けて死ぬほど悔しい」と本音で応える羽生。…羽生さんこんな事、人に言うんだな。 手術を受け、結婚・女を抱く事を諦める。二つの夢の一つ、彼の青春への思いを捨て、爪と髪を切り、名人を目指す決心。 羽生との対局。破れてからの最後の5局。どれほど凄かったことだろうか。 丁寧に作られた映画だから、対局の優劣が将棋盤を見て分かる人と、当時の棋士に明るい人なら、より楽しめる映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-06-11 09:53:30)
660.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
~Nuovo Cinema Paradiso~新パラダイス劇場。 今回が初見。にもかかわらず、以前テレビのバラエティで、このエンディングシーン“だけ”を見て知っていたのよ… もちろん見たくて見た訳でなく、交通事故。それは不幸なことなのよ… この映画を何の予備知識も無しに観ていたとしたら、きっと涙が溢れ出ていたに違いない。  なぜエレナは音信不通になったのか。 アルフレードはなぜ、トトに厳しく『帰ってくるな』と言ったのか。 トトはなぜ、30年も村に帰らなかったのか。 99日目、兵士はなぜ最後の夜に立ち去ったのか。 なぜ?当然だけど、それぞれ事情や考え、簡単なものから複雑なものまで、本人にしか解らない理由があったんだろう。 その理由を知ること無く過ぎ去った過去。神さまでもない人間には、答えを想像する事くらいしか出来ない。 『キスシーンを見せろ!もう20年も見てないぞ!』ラブシーンを見られるのは、検閲する司祭と技師のアルフレードだけ。 休みなく映画を上映し、見せられないフィルムをカットし、ある時は映画館の外に劇場を作るアルフレードは、トトにとって神さまのような存在だったろう。  アルフレードからの最後のプレゼント。劇場で流されなかったラブシーンの詰め合わせ。それはカットされた理由≠答えの詰め合わせ。 肝心なところ、見たいところ、本当の理由≠答えが見えないのは、人生も一緒じゃないだろうか。 エレナが去った事情、アルフレードの最後の言葉の意味、兵士が立ち去った理由…神さまでもないトトに、それを知る術はない。 『理由なんて、カットされた映画のラブシーンのようなもの。そこにこだわって、これからの人生を無駄にするほどの、大した事じゃ無いんだよ。いくら思ったところで、過ぎ去った人生は、映画のフィルムのように、集めて繋ぎ合わせて見ることなんて出来ないのだから。』  映画のタイトルが最初の劇場『シネマ・パラダイス』ではなく、建て直された方の『“ニュー”シネマ・パラダイス』なのも、そしてそれさえも最後解体されるのも、過去よりこれからの新しい人生を大事にしてほしいと言う、トトへのメッセージに思える。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-06-09 22:05:51)(良:2票)
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