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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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661.  スーパー! 《ネタバレ》 
試みとしては面白いと思うのだけど、やはりどうしても既視感が強い。正義のヒーローが現実の世界にいたらというテーマは、古くは藤子不二夫の漫画『ウルトラスーパーデラックスマン』でも描かれていたし、最近では『ウォッチメン』もそうだ。でも、あくまで最後まで駄目男として描かれる主人公と頭のイカれたヒロインという組み合わせは、辛うじて新しい。グロテスクな暴力とCGの使い方もなかなか。余談だけど、アメリカにも触手系アダルトアニメってあるんですね(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-08 21:05:02)
662.  ガフールの伝説 《ネタバレ》 
あの奇才ザック・スナイダー監督が初めて挑んだ、ファミリー向けファンタジー映画。所々にこの監督ならではの映像センスを感じるけど、ちょっとその才気が十分に活かしきれていないような印象が残った。やはり、この監督のセンスは(色々と制約のある)大衆受けするようなエンタメ作品には合わないんだって。それでも最後まで飽きずに観れるところはさすがです!
[DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 19:47:19)
663.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 
北野武の映画って、個人的に苦手だったのだけど、これはけっこう観ていられた(それでもその〝イタイ〟暴力描写は、やっぱり自分には合わなかったけれど)。どうしようもないヤクザ者たちの暴力の応酬が、次第にエスカレートしていって、最後はほとんどの登場人物たちが自滅していく姿を、独特のドライな映像で描く。なんだか花村萬月のある種の小説の世界を思い出してしまった。
[DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 18:58:52)
664.  プリースト 《ネタバレ》 
まぁ、これくらいの出来だろうと自分のなかで勝手にハードルを下げて観たせいか、そこそこ楽しめた。色んな映画(ブレードランナーやらアンダーワールドやら)の良いところをどうにかこうにか繋ぎ合わせて無難な出来に仕上がっている。後で知ったことだけど、監督は『レギオン』を撮った人だった。そのデビュー作では、人類の存亡を賭けた戦いが、最後まで田舎のレストランで繰り広げられるというお馬鹿な設定だったけど、今作ではそこまで破綻した設定は出てこなかったように思う(勝手にハードルを下げて観たせいかもですけどね)。
[DVD(字幕)] 6点(2012-08-27 19:04:01)
665.  コンテイジョン 《ネタバレ》 
丁寧に作られたパンデミック・スリラー映画。豪華な俳優人の抑えた演技が緊迫度を増していて、ソダーバーグの手堅い演出が光っている。映画が始まってから約二時間、緊張の糸が途切れないのがすごい。ただ、それが余りにも優等生なつくりに仕上がっていて、幾分物足りないようにも感じる。この群像劇のなかにもっと一人くらい人間的な壊れたキャラクターが欲しかった。監督が過去に撮った傑作「トラフィック」に出てくる、子供のために麻薬を売り捌く母親のような。
[DVD(字幕)] 6点(2012-08-12 10:49:28)(良:1票)
666.  グリーン・ランタン 《ネタバレ》 
なーんにも期待しないで観たせいか、そこそこ楽しめた。これまで手堅いアクション映画を手掛けてきたマーティン・キャンベル監督らしく、今作もまぁ突っ込みどころは多いけれど二時間飽きずに楽しめる。宇宙規模の大戦争と、いけてない科学者の横恋慕を同列に扱うのはさすがにどうかと思うけど。
[DVD(字幕)] 6点(2012-07-29 17:10:16)
667.  BIUTIFUL ビューティフル(2010) 《ネタバレ》 
二時間半という長い物語なのに、その悲惨なあまり幸せとはいえない環境にめげず必死に生きる人々のエネルギーを生々しく描くことで、一気に見せきる監督の手腕はさすが。でも、ちょっと神秘主義に流れすぎているのではないか?
[DVD(字幕)] 6点(2012-07-14 21:25:31)
668.  クレイジーズ(2010) 《ネタバレ》 
昔からよくある既視感満載のゾンビ映画。新しいところと言えば、感染した人たちが単純にゾンビになるのではなく、ちゃんと記憶や感情を有したまま、文字通りクレイジーになってしまうというところか。それでもこの手の映画に絶対必要なセオリーは手堅く押さえているので、とても好感の持てる映画に仕上がっている。
[DVD(字幕)] 6点(2012-06-28 23:15:37)
669.  サンクタム 《ネタバレ》 
まあ、冒頭から最後まで既視感満載なんだけど、それでもパニックアクション映画としてはそこそこ楽しめました。ずっと洞窟のなかだけで話が進んでいくので、中盤だれるきらいがあるものの、親子の絆に焦点を絞ったところは(ベタですけど)良かったんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2012-05-25 21:16:40)
670.  レポゼッション・メン 《ネタバレ》 
まあ、アイデア勝負な映画なんだけど、この殺伐とした雰囲気、嫌いじゃないです。最後のお互いの身体のなかに手を突っ込みながら愛を確認しあう二人の姿は(少々やりすぎな感もあるけれど)なかなかなエロティックでした。夢オチが許容できるか否かが、この映画の分かれ目だろうけれど、僕はぎりぎり評価できました。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-25 11:33:36)
671.  リセット(2010) 《ネタバレ》 
良いですね、このワンアイデアで押し切る低予算映画。セット代を極力うかせるために腐心した感がビシバシ伝わってきます。クリステンセン主演と最初の飛行機墜落で、もう予算をほとんど使い果たしたのでしょう、後はずっとどこにでもあるようなバーと意味深な闇、エキストラもほとんど出てこず、盛り上がるべきラストもわざと結論を曖昧にしてなんだか深いのかなぁと一瞬錯覚させるところ、けっこう嫌いじゃないです。でも過去に作られた、この手の映画の成功作(キューブや一番初めのソウ)に比べると、あともう一捻り欲しかったかな。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-25 11:23:27)
672.  パラレル 多次元世界 《ネタバレ》 
最近立ち上げたITベンチャー企業の経営に奮闘する4人の若者。ところがかつての従業員の裏切りに遭い、経営の危機に直面してしまう。1週間以内にソフトを完成させ取引先に納入しなければ倒産するのは明らか。そんな絶体絶命の状況を救ったのは、とある小さな鏡だった――。オフィスとして借りていた古い一軒家の屋根裏部屋にあったその鏡には、驚くべき力が宿っていたのだ。なんとその鏡の向こうには、こことは違う別の世界が拡がっていた。自分たちが住む現実とは微妙にずれた世界、しかも入るたびにその世界は刻々と変ってゆく。そこでは今とは違う職業に就いた自分がいたり、見ず知らずの他人と結婚していたり、さらには死んだ人間が生きていたりする……。そう、この鏡は幾つもの時空を越えた別世界へと繋がる、いわゆる多元宇宙への扉だったのだ。鏡の力を使い経営の危機を脱した彼ら。やがて彼らはそのパラレルワールドへと頻繁に出入りし、自分たちの世界にはない発明品や芸術品を持ち帰ると、あたかも自分たちが作り出したかのように世間に発表する。鏡の力で充実した日々を送る彼らだったが、次第に自らの欲望を止められなくなって……。さまざまなパラレルワールドへと繋がる鏡を偶然見つけた今どきの若者たちの驚愕の体験をノンストップで描いたSFスリラー。監督は、『ダークレイン』や『パラドクス』でスマッシュヒットを飛ばしたイサーク・エスバン。確かにこの監督らしい独自の世界観は構築出来ていたと思います。突っ込みどころは満載ながら、スピード感あふれる演出とぶっ飛んだユーモアセンスで最後まで突っ走るところはこの監督ならでは。どうせ別の世界だからと金を盗んだり嫌な奴をボコボコにしたり、さらには他人の絵画や発明品を盗んだりと主人公たちがやりたい放題するシーンはけっこう楽しい。ただ、そーゆーワンアイデアを勢いとノリだけで一本の映画に仕上げてしまったのはどーなんでしょうね。過去作では、そういう荒唐無稽な設定も「これは映画ですよ」という寓話的な枠組みがバッチリ嵌まっていたからこそ観ていられたと思うんです。本作のように、現実と地続きの世界でこれをやられるとさすがに違和感が凄い。この多元宇宙という設定をもう少し詰めるべきだったのでは。例えば、この鏡がどのようにして出来上がったのかとか、別の世界からものを持ち帰るとその元の世界ではどうなるのかとか、別世界でもう一人の自分と出会うとどうなるのか等々。ここら辺のルール設定をもう少ししっかり描いて欲しかった。これでは物語としてあまりにふわふわしすぎていて、後半のサスペンスがいまいち盛り上がらない。監督の過去2作はそこそこ気に入っていただけに、惜しい。
[DVD(字幕)] 5点(2023-06-05 06:35:29)
673.  ほんとうのピノッキオ 《ネタバレ》 
イタリアの児童文学の名作を最新の映像技術を駆使して実写化したファンタジードラマ。監督は『五日物語』などで独自の世界観を構築するイタリアの鬼才、マッテオ・ガローネ。うーん、自分はいまいち嵌まらなかったですね、これ。絶妙にグロテスクなこの唯一無二の世界観は確かに凄いとは思うんですけど、脚本がいまいちな印象。考え抜かれたプロットや胸躍るような起承転結などはほぼ皆無、ひたすらこのピノッキオ少年があっちにいったりこっちにいったり、何の脈絡もなく出てくるキャラクターに翻弄される様を延々見せられるだけ。もう少し一本筋の通った物語があればよかったんですけどね。ねちょねちょナメクジ婦人(あ、カタツムリか!笑)や正反対の判決を下すサルの裁判官など、登場するキャラクターはけっこう魅力的だっただけに惜しい!
[DVD(字幕)] 5点(2023-02-07 06:03:21)
674.  ナラタージュ 《ネタバレ》 
演劇部に所属する真面目な女子高生が、顧問だった教師への片思いに何年も悩まされる姿を描いたラブストーリー。自分、原作者である島本理生さんはデビュー当時からの大ファンでして、若い女性の恋心を瑞々しい文体で描写するその繊細な世界に魅了されておりました。で、当時「島本理生が新境地を拓いた新たなる代表作」と宣伝されていた本作、もちろん期待して読んだんですが……、その余りにもそれまでの作風と違う内容に大いに落胆させられた記憶があります。だってこれ、「思わせぶりなキザ教師にひたすら振り回される根暗女子」の話としか思えず、その最後までウジウジクヨクヨした後ろ向きな内容に読めば読むほどげんなりさせられちゃいました。でもたまたまネットの観放題にこの映画化作品があったので今回鑑賞してみました。だって監督によって、まったく違う内容になることもあるしね。んで観終わった感想は……、やっぱり「思わせぶりなキザ教師にひたすら振り回される根暗女子の話」でした(笑)。こんな可愛い女子高生に迫られてるのに手を出すでもきっぱり振るでもなくただただ思わせぶりな態度を取る葉山先生は男として理解できないし、そんな身勝手な男に何年も片思いを寄せるこの主人公も意味不明だし、彼女に想いを寄せる同級生の男も愛情表現がひたすら気持ち悪いし、僕が「ムリ!!」と思った要素がここまで揃ってるというのはある意味、原作に忠実な映画化だったんじゃないでしょうか。こればっかりはもう生理的な好みの問題なので如何ともしがたいですね。あと、僕の大好きな名作『ダンサー・イン・ザ・ダーク』をメンヘラ女子のバイブルみたいな雑な扱いするんじゃねー!!と、好みの問題で自分的には低評価となりましたが、それでも映像はキレイだったのと音楽の使い方も品があって心地良かったので、総評としては5点ってところですかね。ちなみに自分はこの『ナラタージュ』という本が嫌いなだけで島本理生さんは今でも好きですよ。特に『七緒のために』という作品は傑作なので機会があれば是非読んでみてください。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-01-10 18:05:09)
675.  ビーチ・バム まじめに不真面目 《ネタバレ》 
かつて一冊だけ出した詩集が大成功を収め、天才の名をほしいままにした詩人ムーンドッグ。だが、それ以降は酒とドラッグと女に溺れ、新著も出せぬまま無駄に時間だけが過ぎていった。それでも本人は来る日も来る日もパーティー三昧、毎日酒浸りで娼婦たちと面白おかしく暮らし、生活費は資産家の妻に頼りっぱなしという自由気儘な日々を過ごしている。そんなある日、妻が交通事故であっさりと帰らぬ人になるのだった。遺された遺産は、彼が新しく本を出さなければ相続させないという妻の遺言により、彼の手に渡ることはなかった。新作を書かなければ明日にも無一文になってしまう――。窮地に陥ったムーンドッグは、娘の助言もあり、ひとまずアルコール依存症のリハビリ施設に入ることを決意するのだったが……。フロリダののどかな港町を舞台に、社会のルールに捉われず自由に生きる放蕩の詩人の破天荒な日常をコミカルに描いたヒューマン・ドラマ。この作品の評価のポイントとなるのは、主人公であるこの詩人を「社会の既成概念や倫理観に縛られることなく自由に生きることを選んだ反骨の詩人」と捉えるか、それとも「全ての社会的責任から逃げた、どうしようもない社会不適格者」と捉えるかで大きく変わってくるのでしょうね。残念ながら自分は後者でした。もうとにかくこのマシュー・マコノヒー演じる主人公が、身近にいたら絶対関わりたくない人間ナンバー1で、観ていて不快感しか湧いてきません。仕事もせずに朝から晩まで酒浸り、フロリダの港をふらふらと歩き回って、気が向くととにかく女とやりまくり、肝心の生活費は妻に頼りっ切りで結婚を控えた娘のことなど自分には関係ないとばかりに麻薬にふける。これで太宰治のように文学史に残る傑作を書いていれば受け入れられるのですが、こいつ、新作を書く気なんてさらさらなし。いまだ過去の栄光にすがるだけというこの主人公に過剰移入なんて一切できませんって!それにリハビリ施設から逃げ出した後にやってることは、もはや明らかな犯罪です。警察、早く捕まえろっつーの!悲愴感を一切出さず、ほのぼのとした雰囲気を最後まで貫き通したのは新しいといえば新しいですけど、自分はそういったわけでさっぱり楽しめませんでした。編集の仕方や音楽の使い方などにはそこそこセンスを感じたし、マシュー・マコノヒーの肩の力が抜けた演技などは観ていて心地良い部分もあったので、5点。
[DVD(字幕)] 5点(2022-08-12 03:42:07)
676.  聖なる犯罪者 《ネタバレ》 
様々な犯罪に手を染め、少年院へと投獄された青年ダニエル。そこは更生とは名ばかりの理不尽な暴力が支配する無法地帯だった。そんな過酷な獄中生活の中での唯一の慰めは、週に一度やってくる牧師の存在だけ。彼の説教に感銘を受けたダニエルはいつしか神の教えに目覚め、出所後はその道に進みたいと決意するのだった。だが、当然前科のある人間は聖職に就くことは出来ない。煩悶を抱えながらも少年院を出所したダニエル。偶然立ち寄った田舎町で彼は、たまたま視察に来る予定の司祭と勘違いされ、そのまま日曜礼拝に参加することに。そしてアルコール依存症に苦しむ町の司祭に頼まれ、彼はしばらく代理としてミサを執り行うことになってしまう。信者たちを前に神の教えを説くうちにダニエルは高揚し生きる実感を得てゆくのだった――。そんなある日、飲酒運転で町の若者6人を巻き添えに事故死した男がまだ葬儀も埋葬も行われていないと知ったダニエルは、社会の分断を取り除くために奔走する。それぞれの心の葛藤に寄り添った彼の言葉は、喪失感に苦しむ事故の遺族たちからも賛同を得てゆくのだった。そんな折、同じく少年院を出所した彼の過去を知るチンピラが現れ……。実話を元に、身分を偽り聖職者として人々の信頼を勝ち取っていった男の運命を描いたヒューマンドラマ。アカデミー外国語映画賞ノミネートということで今回鑑賞。確かに全編に横溢する異様な熱量には圧倒されるものがあります。神の教えに目覚めた元犯罪者がどんどんと村人たちを魅了し洗脳してゆく過程は、新興宗教誕生の瞬間に立ち会った感さえある。それらしい言葉とカリスマ性のみで、身元不詳の怪しげな男に村人たちがここまで翻弄されてしまうのかと思うと空恐ろしい。宗教とは人を救い社会を安定させる側面を持つ一方、指導者次第では危険な道へと突き進む場合もあることを改めて実感させられました。彼の過去を知る少年院仲間や本物の司祭が現れてからは、この先どうなるのかと目が離せません。ただ残念だったのは、後半息切れしたのか、ラストがかなり尻切れトンボに終わってしまったような印象が拭えない点。これら興味深いテーマが最後まで一つに収斂されることなく、何とも散漫なまま終わってしまいました。事実を元にしたとは言え、もう少し脚本を練るべきだったのでは。題材は良かっただけに、何とも惜しい。
[DVD(字幕)] 5点(2022-07-01 08:10:21)
677.  ジェントルメン(2019) 《ネタバレ》 
引退を決意した麻薬王の資産を狙って、それぞれに蠢き始めた暗黒街の〝紳士たち〟を終始軽快に描いたクライム・サスペンス。マシュー・マコノヒーやコリン・ファレル、それに懐かしのヒュー・グラントなど豪華な面々がそんな個性豊かなワルたちをのびのびと演じております。監督は、この手のジャンルを得意とするガイ・リッチー。と言う訳で今回期待して鑑賞してみました。うーん、期待が高すぎたのか、なんかイマイチな出来でしたね、これ。とにかくテンポが悪い!探偵と麻薬組織の幹部がボスの秘密をめぐってひたすら駆け引きを繰り返す会話劇が物語の縦軸となり、そこから過去の話が回想形式で再現されるという本作の構造。これがうまく機能してないんじゃないかな。この先面白くなりそう!ってところでいちいち現在のシーンに戻るので、なんか集中力が途切れちゃうんですよね。演技派でならしたマシュー・マコノヒーだけにタメの演技を多用しているのもテンポの悪さに拍車をかけているような?お話自体はそこそこ面白かっただけに、もう少し見せ方を頑張ってほしかったです。うーん、次作に期待!
[DVD(字幕)] 5点(2022-06-17 02:48:01)
678.  フェアウェル 《ネタバレ》 
アメリカで鬱屈した日々を送る中国系移民の学生ビリー。ある日、彼女の元に本国の親戚から哀しい知らせが届く。子供のころから優しくしてくれたお祖母ちゃんが、癌で余命幾ばくもないというのだ。両親とともにすぐさま中国へ帰ろうとするビリーだったが、何故か両親はお前は残れと言ってきかない。何故なら、中国では末期の癌と診断された者は告知せずに逝かせてあげようという伝統があり、すぐに感情を表に出してしまう彼女が来たらすぐお祖母ちゃんに悟られてしまうと親戚たちに判断されたらしい。到底納得いかないビリーは、両親とは別の便で密かに中国へと向かうのだった――。そうして帰って来た実家では、お祖母ちゃんに悟られないよう孫息子の結婚式という名目で親戚一同が会していた。戸惑いながらも彼女を迎え入れてくれる親戚とビリーの両親。そして、久しぶりに会ったお祖母ちゃんも心の底からの笑顔でビリーを出迎えてくれるのだった。孫息子の結婚式という建前で、形だけは和気藹々と進む一家団欒。そんな親戚一同の優しい〝嘘〟の行方は?末期癌を患う祖母とその家族の悲喜こもごもを終始淡々と綴ったファミリー・ドラマ。確かに、この大してドラマティックでもない平凡なお話を最後まで見せ切った監督の演出力の高さは素直に認めます。美しい映像に気品あふれる音楽、最後まで流れるように続くセンスのいい編集の仕方、そしてお祖母ちゃんをはじめとする役者陣のナチュラルな演技……、完成度の高さとしてはかなりの水準に達していると言って間違いはないでしょう。ただ、自分としては全く嵌まれませんでした、これ。正直、さして仲良くない知り合いの結婚式のビデオを延々見させられたような感じで、後半からは退屈で退屈で仕方なかったです。末期癌を患うお祖母ちゃんのために内緒で家族が集まるという肝心の設定も、物語として活かされていたかというと特にそんなこともなく、最後までひたすら普通。おじさんおばさんがただ飲んで喋って笑って泣くだけです。そして、最後に明かされる衝撃のオチ。いやいや、ここまで引っ張っといてそれかい!!と、僕は不謹慎を承知の上で突っ込んじゃいました。こういう『100日後に〇ぬワニ』みたいな手法は勘弁してもらいたい。というわけで、自分には全く合わない作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2022-02-25 03:30:20)
679.  グッド・ネイバー 《ネタバレ》 
お調子者の目立ちたがり屋でとにかく今が楽しければいいという、今時の若者コンビ、ショーンとイーサン。再生回数を稼ぎたいあまり人に迷惑かけたり嫌がらせしたりする動画を面白おかしく撮ってそれをネットで公開する彼らは、いわゆる〝迷惑系ユーチューバー〟だ。今回彼らが目を付けたのは、向かいの家に独りで暮らす偏屈なお爺さん。町の噂によると、酒を飲んで暴力を振るい奥さんに捨てられたんだとか。しかも犬の散歩をしている人やゴミ出ししている近所の奥さんにことあるごとに暴言を吐いたりと、もはや町の厄介者扱い。こいつになら何をしても大丈夫――。そう確信した彼らは、爺さんが買い物に出ている間に家中にカメラを取り付け、様々ないたずらを仕掛けてはそのリアクションに大笑いするのだった。だが、しばらく見てゆくうちに彼らは言いようのない違和感を覚え始める。急にバッドを持って暴れだしたり、何もないはずの地下室に何時間も閉じこもっていたり……。もしかしてこの爺さんはとんでもないサイコ野郎なんじゃないのか。少しでもフォロワー数を稼ぎたい彼らは、格好のネタに徐々に暴走してゆくのだった。今時の迷惑系ユーチューバーと孤独な老人とのそんな息詰まるような駆け引きをスリリングに描いたスリラー。というお話を聞いて、まず真っ先に思い浮かべるのは、同じくワンアイデアのみで撮られたものの、そのエッジの効いた描写でスマッシュヒットを飛ばした『ドントブリーズ』でしょう。ここで思いっ切りネタバレすると、観客にそう思わせといて、最後の最後にそれを根底からひっくり返すあのオチは確かに秀逸。伏線の張り方も巧いし、裁判のシーンを差し挟むことで観客にミスリードを誘う見せ方もいい。まあそのオチありきの映画なので、問題となるのはそこまでの過程。正直、それが僕にはちょっと微妙に感じてしまいました。主人公の青年とこの爺さんとのやり取りが最後まで地味で一向に盛り上がらない。ここらへん、もっと面白く出来たんじゃないでしょうか。また、奥さんとの過去を描く回想シーンが随所に差し挟まれるのも、この爺さんの得体のしれない不気味な感じを半減させてしまっている。スリラーとして、これでは勿体ないと言わざるをえません。アイデア自体は秀逸だっただけに、何とも惜しい作品でございました。
[DVD(字幕)] 5点(2022-02-02 05:01:43)
680.  ウィッシュ・ルーム 《ネタバレ》 
そこはどんな願いも叶う部屋――。売れない画家の夫を支えながら、翻訳ライターとして働く妻ケイト。夢を求めて頑張ってはきたのだがそれでも夫婦の収入はずっと不安定で、今もぎりぎりの生活を強いられていた。少しでも支出を減らそうと、二人は郊外に佇む古い一軒家を購入し、そこに引っ越してくる。都会のしがらみを全て捨てて、夫と夫婦水入らずの生活を満喫するケイト。そんなある日、二人は新居で壁紙に隠された謎の部屋を発見するのだった。不審に思い、その謎めいた部屋を調べた夫は、その後驚きの事実をケイトに告げる。なんとその部屋の中では欲しいと願ったものが、一瞬の停電の後に必ず現れるというのだ。ゴッホやダビンチの名画、飲みきれないほどの高級ワイン、そして一生遊んで暮らせるだけの大量の現金……。部屋の力で夢のような生活を手に入れたケイトは、やがてずっと諦めていたある願いを口にすることに。それは、二人の赤ちゃん。だが、ケイトはまだ知らなかった。この部屋から得られた全てのものは、家の外へと持ち出すとすぐさま灰になってしまうことを――。なんでも願いが叶う部屋を手に入れた若い夫婦が迷い込む、そんな悪夢のような世界を描いたスリラー。文字通り、ただそれだけのお話でしたね、これ。星新一のショートショートか笑うセールスマン(古い!)の1エピソードを無理やり90分の映画に引き延ばしたような感じです。なんかこれ、あまりにも捻りがなさすぎじゃありせん?これじゃ脚本の第一稿をそのまま映像化したようなもんで、普通の脚本家ならここからさらにストーリーを練ってゆくもんでしょう。例えば、この夫婦のことを怪しんだ知人が家にやってきたり、部屋を守るクリーチャーみたいなんを登場させてみたりとか。最後まであまりにも想定通りに進む展開に正直、あくびが止まんなかったです。まあ映像的には若干センスを感じたんで、+1点しときましょう!
[DVD(字幕)] 5点(2022-01-25 05:47:30)
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