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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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661.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
~Nuovo Cinema Paradiso~新パラダイス劇場。 今回が初見。にもかかわらず、以前テレビのバラエティで、このエンディングシーン“だけ”を見て知っていたのよ… もちろん見たくて見た訳でなく、交通事故。それは不幸なことなのよ… この映画を何の予備知識も無しに観ていたとしたら、きっと涙が溢れ出ていたに違いない。  なぜエレナは音信不通になったのか。 アルフレードはなぜ、トトに厳しく『帰ってくるな』と言ったのか。 トトはなぜ、30年も村に帰らなかったのか。 99日目、兵士はなぜ最後の夜に立ち去ったのか。 なぜ?当然だけど、それぞれ事情や考え、簡単なものから複雑なものまで、本人にしか解らない理由があったんだろう。 その理由を知ること無く過ぎ去った過去。神さまでもない人間には、答えを想像する事くらいしか出来ない。 『キスシーンを見せろ!もう20年も見てないぞ!』ラブシーンを見られるのは、検閲する司祭と技師のアルフレードだけ。 休みなく映画を上映し、見せられないフィルムをカットし、ある時は映画館の外に劇場を作るアルフレードは、トトにとって神さまのような存在だったろう。  アルフレードからの最後のプレゼント。劇場で流されなかったラブシーンの詰め合わせ。それはカットされた理由≠答えの詰め合わせ。 肝心なところ、見たいところ、本当の理由≠答えが見えないのは、人生も一緒じゃないだろうか。 エレナが去った事情、アルフレードの最後の言葉の意味、兵士が立ち去った理由…神さまでもないトトに、それを知る術はない。 『理由なんて、カットされた映画のラブシーンのようなもの。そこにこだわって、これからの人生を無駄にするほどの、大した事じゃ無いんだよ。いくら思ったところで、過ぎ去った人生は、映画のフィルムのように、集めて繋ぎ合わせて見ることなんて出来ないのだから。』  映画のタイトルが最初の劇場『シネマ・パラダイス』ではなく、建て直された方の『“ニュー”シネマ・パラダイス』なのも、そしてそれさえも最後解体されるのも、過去よりこれからの新しい人生を大事にしてほしいと言う、トトへのメッセージに思える。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-06-10 01:58:58)(良:2票)
662.  サムライ(1967) 《ネタバレ》 
とにかく黙って立ってるだけでカッコいい。油絵のような背景と相まって何ともアランとしててドロンとなる。 武士道から一文を引用しているのに、何故タイトルは侍にしたのかな。 コステロの殺し屋としての腕前がどれ程かは、作中だけではちょっと解りかねるが、凄腕なんだろう。 ゴツい鍵束を持ち歩いて車を盗むコステロ…アレはやはり、車の修理屋から借りるんだろうかね?当時のシトロエンは今の日本ではプリウスみたいにどこにでもあった車らしい。あのオヤジは表向きはシトロエン専門の修理屋で、裏で殺しの仲介していると。で、直すついでに合鍵を作ってたのかな?それかシトロエンの鍵パターンが全部であれしか無いとか?フランス人は合理的だって言うし… 暗殺後を目撃されたコステロ。そりゃ、サイレンサーも付けない銃で撃っちゃ… その後盗んだ車を捨ててタクシー移動。でもアリバイは作ってても暗殺時の格好のままアッサリ捕まり思いっきり怪しまれるコステロ。 適当に捨てた血の付いた紙袋も警察の手に渡り、部屋に盗聴器まで付けられるコステロ。 その盗聴器を泳がしておかずスイッチ切っちゃうコステロ。 メトロで尾行されて走って逃げるコステロ…そうこの時のガムのお姉さんがやたらと格好良かった。 今のパリのメトロに居ても全然違和感無いくらい美しい。 修理屋のオヤジから『これが最後だ』と言われたコステロ…単に拳銃はもう無いという意味か、危なっかしいコステロの今後を心配してくれたのか? コステロの実力が見えてきたところで、彼は自分を殺そうとした依頼人を殺す。最後の依頼は依頼人本人の愛人であり、依頼人を守るために嘘の証言までした目撃者のヴァレリー殺し。足がつかないように殺し屋の自分だけでなく、愛人まで殺そうとする依頼人。 武士道とは死ぬことと見つけたり。凄腕の殺し屋がミスをしてから、自分の死に場所を見つけるまでの物語か。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-07 16:20:50)(良:1票)
663.  モスラ対ゴジラ 《ネタバレ》 
小美人が常にハモってるのが神秘的。あまりに有名なセリフ「「卵を返してください」」そもそも人間に許可を取らなくても、モスラならあんな鉄柵は壊して卵を持ち出せそうだが…あくまで平和的に話し合いで返して貰おうとする小美人とモスラ。どっち側からの提案だったんだろう。 台風の影響で卵だけでなくゴジラまで日本に来てしまった。名古屋タワーは尻尾が引っ掛かり、名古屋城はお堀でカクンとなって壊してしまった。人間は困ってるけどあまり悪気のないゴジラ。 「モスラにゴジラをやっつけて貰おう」無茶を言う。大きいけど蛾だよ。トカゲと蛾を同じ虫籠に入れたらどうなるか?誰でも解りそうだが、余命短いモスラは小美人やインファント島島民の反対を押し切り「俺は、やるぜ…」と戦いに行く。なんて人間想いな蛾なんだろう。 一方ゴジラは海に戻ってきた。何故か卵を壊そうとするゴジラ。まぁ本能で敵と判断したんだろうけど「街壊しちゃってすみませんね、ご迷惑でしょお?コレも片して置きますね」とも見えなくも無い。 モスラに勝って以降は卵に執着しないゴジラ。人間に攻撃されて仕方なく反撃するも、海に帰っていくゴジラ。故意に人を襲う訳でも無さそうだし、幼虫モスラが追い討ちを掛けなくても、勝手に帰っていったんじゃ…
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-06-07 16:18:47)
664.  ミスト 《ネタバレ》 
街が霧に覆われたら?霧の中から人を襲う怪物が次々と現れたら?スーパーだから怪物さえ居なければ、暫くは生き延びられるけど…さぁどうしよう?ゾンビに代表されるサバイバルホラーとして、とても良く出来た設定だと思う。 そこで繰り広げられる人間模様がまた生々しく、よく解らない状況からカーモディのような狂人がそれらしい言葉を連呼していたら、自分も正気を保ち続けるのも難しいと思う。 子供を心配する奥さんに自分だったらどう接するか?一緒に付いていくか、アレコレ言い訳を考えて見捨てて居残るか…後者かもしれない。とか。 平凡を絵に書いたようなおっさんのオリーが、射撃の名手でイザというときに助けてくれる存在なのが心強かった。 ダラボン監督はスティーブン・キング原作のラストにひと手間加えるのが好きなのかな?今回はあまりに衝撃的なエンディングが追加されている。 原作『霧』では超巨大生物が登場し、ガソリンもほとんど無く、我々はどこまで行けるだろうか?って所で終わる。絶望しか無いけど、もしかしたらとワクワク感もあったんだけど。 映画のエンディング、デヴィッドの行動は、物語の可能性の一つだが、やりきれない終わり方。 その後の州軍と避難バスの登場は、デヴィッドのやり切れなさに追い打ちをかける。あんまりな終わり方だ。
[DVD(字幕)] 7点(2021-06-07 16:17:37)(良:1票)
665.  ビッグ・リボウスキ 《ネタバレ》 
~The Big Lebowski~登場人物の大富豪のあだ名。 大昔にビデオで借りて観て、今では中身を全然覚えて無くて、何が面白いかって説明できないんだけど、とてもツボにハマった映画。 ボーリングしてるのと、ドニーの呆気ない最後、灰を撒く、灰を被る。ここだけしか覚えてないけど、自分の中では何故か神格化された存在だった。 以降なかなか見る機会がなく、この度近所で中古DVDを安く手に入れ、久しぶりに鑑賞。 面白かったけど、こんな映画だったか?ってのが第一印象。 部屋でくつろぐような格好のまま、外をブラブラする、見たまんま無職のデュード。危ない親友。邪険にされてるようで大事にされてる友達。あぁ、こういう友達関係良いな。幼馴染だから許される間柄と言うか。 本人にしか解らないカーペットのこだわりとか、何故かそれを理解して(ダシにして騒ぎたいだけ?)一緒に動くとか。なんか良い。 ジーザスの意味不明な格好良さ。気持ち悪いけどカッコイイ。 ジュリアン・ムーアが裸で空を飛ぶとか、彼女のそんな役見たことなかったので驚いた。かなりインパクトがあるのに覚えてないのは、当時ジュリアン・ムーアを知らなかったんだろう。 デュードが薬を盛られて見る幻覚がまた楽しそう。CGの無い時代、結構お金の掛かった幻覚だ。 巻き込まれ型のミステリ犯罪。変化球のハードボイルド。事件の解明はなかなかの説得力でストンと落ちた。 しかし、大金のために足の小指を切るなんて…って、その小指切ったのがエイミー・マンだ。ちょい役とはいえ映画に出てたなんて知らなかった。 当時この映画の何がそんなにツボだったのか、今回観ても解らなかったけど、面白かった。 コーエン兄弟の別作品で、ビデオで大爆笑して、DVDでイマイチだった作品があった。 字幕の細部が違うだけで、なんか面白さがパワーダウンしてたんだよ。今回もしかしたら、それかもしれない。 出来るなら当時のビデオの字幕版で、もう一度見たいものだ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-06-07 16:14:06)
666.  127時間 《ネタバレ》 
127時間…後に助かったんだな。実話ベースだそう。 アーロンは、なんか家の古いルンバ君みたいだ。 通常なら自分たちが外出中、家の中を自由に動き回り、疲れたら充電器に戻ってくる。 時々、頼んでもいない風呂場を見に行って廊下を水浸しにしたり、玄関マットを食べて力尽きていたりする。  一人で岩場に行って自由を満喫するアーロンだが、その手には常にビデオカメラがあり、自撮りをしている。 やはり、帰ってからそれを見る(誰かに見せる)為に撮っているんだろう。結局他人と関わらなければ生きていけない。 岩に挟まったアーロンは人間社会から孤立してしまうが、彼の孤独な生き方がテーマになっている。 考え事で別れた元カノのことが多く出てくる。別れた理由も束縛感とか自由が減ったとか、自分勝手な理由だったんだろう。 毎日決まった時間に上空を飛ぶ一羽のカラスを見て、孤独を紛らわせるアーロン。 でも最後、実はそのカラスはツガイだった。 当たり前だけど、独りだけで生きていけないのは、人間だけじゃなかった。  痛いからもう見ない。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-07 16:13:52)
667.  ライフ・イズ・ビューティフル 《ネタバレ》 
~La Vita è Bella~人生は美しい。どんな生涯であっても、その人の捉え方、与え方次第なんだな。 息子ジョズエに優しい嘘を言い続けるグィド。ドーラと付き合っていた時からそうだった。人を楽しませる嘘。 空から鍵が降る、乾いた帽子に取り替えられるなど、種明かしをすれば『なぁんだ』ってなる。 映画では描かれていないけど、ドーラも後々、あれがどうして起きたか知るんだろうけど、起きたその瞬間に奇跡を感じることが、人生の美しさなのかもしれない。 それは収容所での優しい嘘にも言えて、映画では描かれてないけど、ジョズエも後々、あれがどうして起きたのか知ることになるだろう。 子供と老人が粛清された収容所で、本当に息子を隠し続けて生きられるのか?とかリアリティを追求されると、冷めてしまう人も出るかもしれないが、ホロコーストを後年に伝える手段として、この作品は例えるなら伝記や小説ではなく絵本のような作品だ。 若い子がこの作品をキッカケに、後々映画やドキュメンタリーなどで、なんでホロコーストが起きたのか知ればいい。興味があるなら。  今は戦中とかではないけど、コロナとか仕事とか色々大変みたいなんだけど、今日は何をしても良い休日で、いま私は素晴らしい映画を観て、こんな駄文をノンキに書いている。 もしかしたら後々「あの日あのとき、実はね…」『え!そうだったの?』なんて種明かしがあるかもしれない。 どんなカタチであれ、きっと人生は美しいんだな。  ところで、なぞなぞの答えは何だったんだろう?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-06-07 16:13:18)(良:1票)
668.  忠臣蔵(1958) 《ネタバレ》 
忠臣蔵の映画は二作品ほど見ていると思う。そしてこの作品が忠臣蔵の決定版と言える映画とのこと。 原作に忠実というか、捻りの無い標準的な物語に仕上がっているため、忠臣蔵の面白さが直接的に伝わってくる。 約六十年前の作品ということもあり、この映像自体の美しさ、当時の俳優の動き、舞台の作りこみ等に価値を感じてしまう。 台詞が、いわゆる現代語ではないため、ちょっと頭の中で訳しながらの拝聴となるが、映像と構成で充分に分かる仕組みになっている。  庶民が常に赤穂側の目線で語るのが、この物語の善悪を明確にしている。 世の中が太平だと「もっと派手な事にならんかな…自分に影響がない範囲で」なんて思ったりする。湾岸戦争や某宗教団体の事件がそんな風潮だった記憶がある。庶民にとっての赤穂事件は、そんな感じだったかもしれない。 垣見五郎兵衛が自分を騙る大石の正体と目的を知った時の対応。岡野が図面を受け取る際のお鈴の父の言葉。赤穂浪士を応援する庶民たちの反応がとても心にしみる。 気になったのは吉良の行列の罠。赤穂浪士の結束が乱れるかと、はらはら出来たのは大変良い演出だが、笠を被った大石があっさり間者るいに見つかり、多勢に囲まれての大立ちまわり。扇子でひらりとかわして、捕えられる事無くゆるりと引き上げる…それでは罠の意味が無いのでは。 罵られ、蔑まれてきた赤穂浪士達がいよいよ決起し、見事本懐を遂げて引き揚げる姿が美しく清々しい。これぞお約束といったところか。  先に忠臣蔵映画を見て、後に史実を知って驚いたのが、このあと四十七人全員が切腹していたこと。 過去二作品でも書かれていなかったが、歴史に明るい人には常識かもしれないし、事の重大さから避けられない結末だと思うけど、これを知っているか知らないかで、大石内蔵助達の見え方も変わってくると思う。 そう考えると、本作では吉良の嫌がらせに右往左往する浅野内匠頭。あと一日の我慢だったのに、辛抱出来なかったのか、お家を取り壊しになってでも、切らなければ済まない心理状態が気になるところ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-06-07 16:11:55)
669.  スケアクロウ 《ネタバレ》 
~Scarecrow~カカシ。カラス(crow)を怖がらせる(scare)からスケアクロウ。あと、みすぼらしい人って意味も。 姉が学校からLDを借りて来て観たのが最初。淡々としたロードムービーだけど、気持ちの描写が深い。  フランシスの過去に何があったのか判らない。陽気で人を楽しませる才のあるフランシス。 彼はマックスと友だちになり、ライオンと呼ばれるようになる。 フランシスは生まれ変わって、人生をやり直そうとしていたのかもしれない。 ライオンが大事に抱える赤いリボンの白い箱。性別もわからない子供へのプレゼントのランプ。 デトロイトまで行って、散髪して正装して、アニーに電話。 アニーが会わないのは解るが、なぜ子供は死んだと言ったのか?それも生まれる前に流産。天国にも行けないなんて。 意味も解らず泣く母を見上げる子供。ライオンそっくり。 マックスにバンザイして「男の子だった!」と喜ぶライオン。車の上に置きっぱなしのプレゼント。 何も言わないけど、ライオンが倒れたとき「アニーに何を言われた?」と気がついてるマックス。  枕の下に隠すくらい大事なマックスの靴。カカトにはちょっとした隠し財産。 10ドルだろうか?何かワケがって、使ってはいけないお金だったんだと思う。 それを使ってまでピッツバーグの往復チケットを買う。片道なら靴のお金がなくても行けた。 ピッツバーグの銀行には大金があるはずだから、向こうでもう片道を買っても良い。 そうしなかったのは、友達のために大事な財産を使って、いつか帰ってくるという決意。 最後のマッチ一本を惜しげもなくくれた友達。 このデトロイトまでの片道チケットが、これからのマックスの大事なお守りになるんだろう。
[レーザーディスク(字幕)] 8点(2021-06-07 16:10:08)
670.  予期せぬ出来事 《ネタバレ》 
~The V.I.P.s~重要人物たち。…としか解釈できず、豪華キャストを考えると、これまた思い切ったタイトルだなって思ってしまう。 オープニングのゴージャスさから、何かもう序盤でお腹いっぱいになりそうなところ、良い意味で関心を持たせる、良い邦題だと思う。  空港に集まった主要人物、そこに至る簡単な経緯。これぞメロドラマって感じの出だしだけど、霧のせいで先行きが悪い方向に向かうなか、深夜から翌朝にかけて、霧とともにスカッと晴れ上がる展開が心地良い。 ミス・リードの献身的な捨て身の活躍。失意の中、彼女の話をしっかり聞いてポンと小切手を切るアンドロスの格好良さったら無いね。マングラム社長と一緒に飛び跳ねたくなる。 元ネタがありそうなブーダ監督とグロリアの偽装結婚。興奮剤、鎮静剤、ブランデー、眠気覚まし…死んじゃダメだ公爵夫人。 適当に順調な人生のシャンセル。フランセスを本当に愛してたなら、今回の失恋が彼の人生に大きな成長を与えるだろう。 主役は愛の逃避行のフランセスだけど、序盤にシャンセルに言う「あなたの言う一生って、長いのかしら?」何かもうこの時点で、彼女のやりたかったことが達成してる感があった。ポールと一生を共にする決意を固めるフランセス。良かった、良かった。  影の主役は、毎日こんな要人たちをおもてなしする空港職員たちだろう。破産した公爵夫人を要人として扱い、種痘証明探してあげたり、最後は伝達のない要人プープーをしっかりエスコート。グランドホテル形式の映画らしい締め方。 そんな要人が集う空港カウンターに、一際目立つ、日本航空の鶴のマークが誇らしい。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-07 16:08:53)
671.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 
~Die Hard~頑強に抵抗する。思いつくイメージはゴキブリ。テロリストが悠々と通路や部屋を動くのに対し、マクレーンはダクトの中やエレベーターの隙間を煤まみれになって這いずり回る。ピッタリなタイトルだ。  リムジンに初めて乗るジョンが助手席に乗るのが面白い。この映画を単体作品と考えると、話し相手が欲しくて寂しいから助手席に乗ったと解釈できるし、シリーズものとして考えると、頼んでもいないリムジンに警戒している用心深い性格にも見える。最後はホリーと後部座席に乗るのも、どちらに解釈しても納得できる結末。上手いな。  そもそもホリーとの関係はどうなのか?私は悪いのはジョンだと考える。 日本の社風だからとジェナロ姓で働くが、本社はともかく直属の高木社長にはきちんと「夫はジョン・“マクレーン”」と伝えている。高木は彼女の立場を理解しているし、不仲の夫にリムジンを用意するくらいの立派な人物だ。 ちなみにナカトミの会長の名前はオズ。日本の古風な映画監督・小津安二郎と、エコノミックアニマル・日本だけに金の単位のOzも掛かっていると思う。…ってオズの魔法使を観て思いついた。 よりを戻したいホリーに対し、ジョンはカリフォルニアに着いても家に連絡入れてない。パーティだと言うのにラフな格好で来るし、パーティ中はシャワー浴びて部屋で一人でくつろいでる。なんか高木社長に失礼だ。家に泊まるよう誘うのもホリーから。ホリーも夫より仕事を選んだ負い目もあるんだろうけど。ジョンは卑屈で心の狭い内弁慶な人みたいだ。 ハンスの最後、会社からもらった腕時計をジョンが外す結末も、仕事より夫婦愛を選んだ象徴的なシーン。シリーズ化して2人は別れたが、単体として観ると、とても素敵なハッピーエンド。  ジョンのヒーローらしくない口の悪さ。窓際の自分に気が付かないパウエルに「スティービー・ワンダーかよ!」は酷いけど面白い。 この時パウエルが「雪よ降れ~雪よ降れ~」って歌ってる時に死体が降ってくる演出、これも酷いけど面白い。 音楽繋がりで、もしかしたらだけど、この映画の音楽は全部、クリスマス・ソングやニューイヤー・ソングがベースになってる?今回初めて気がついたけど、トニーが電話線を探すシーンの不気味な音楽、よく聞くと『Winter Wonderland』なんだ。…他のは知らんけど。 今回気がついたもう一つ、ジョンがガラスの散らばる部屋から逃げるけど、ダメージを減らすため片足だけを犠牲にしてる。片足ケンケンしたのか、大ジャンプしたのか…  TVの学者「これをヘルシンキ・シンドロームと言います」キャスター「スウェーデンの?」学者「…フィンランドです」ディレクター「…(ストックホルム)」ボインのポスター。違うほうのジョンソン。トゥインキーの味。こういう小ネタも面白い。 今から33年前の映画で、当時はタバコ喫煙やカセットテープが現役なのと、携帯がない事を除けば、時代を感じさせない映像とアクション。 ちなみに戦後43年目の作品となると、公開からどれだけ年数が経ったか、思い知らされる。 たぶん今から10年後も、アクション映画の代表作として君臨しているだろう。
[レーザーディスク(字幕)] 10点(2021-06-07 16:07:51)
672.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
~Bohemian Rhapsody~伝統や習慣に囚われない狂詩曲。クイーンという独創的なバンドと、フレディ・マーキュリーの生涯を表すに相応しい曲名にして、映画タイトルだと思う。  ロックが世界の音楽の最先端だった60年代。クイーンが活躍した70年代は、アルバムと世界ツアーが成功の証だった。パンクやテクノが馴染んできた80年代、売れるロック(産業ロック)とポップスが音楽の中心となり、映像と歌が両方楽しめるMTVが登場。 日本ではヘビメタ、ハードロックが大ヒットし、90年代グランジとブリットポップが登場し、音楽の好みが細分化。 世界中誰でも知っているロックバンド・シンガーは消えた2000年代以降。レディー・ガガがポップアイコンとして登場。現在、EDMがそこそこ流行。EDMとか最近の音楽はパソコンで作るものもあるそうで、楽器が弾ける人が流行りのPCの音楽を聞くと、腕がもう一本無いと弾けない音が出てたりと、なんかちょっと、気持ち悪いらしい。 でも、クイーンが今もバリバリ現役で活躍していたら、ラップやPCの音楽も積極的に取り入れたんだろうなって思う。 前置きが長くなったけど、この映画はクイーンのデビューから最盛期(末期)まで、ロックが社会現象になった最後(?)のイベント、世界同時中継のライブ・エイドまでを描いている。 ロックシンガーが社会的影響力を持ち、カリスマ化され、演奏と歌の良し悪しで評価されていた時代。音楽がアナログな手法で作られ、全てに人の手が入り、人が演奏し、人が操作するライブの生々しさと手作り感、当時の熱気、観客のロックへの情熱がよく伝わる。  クイーンとフレディの実話を、ノンフィクションではなく、整理・ディフォルメして描かれた作品で、実際の出来事の順番が前後してたりするそうで、違いを探すのも面白いかもしれない。特にポールがかなりの悪人として描かれていて、実際はどうだったのか?とか。 当時はエイズに関する知識も広まっていなくて、まだ“変態行為の代償”くらいの間違った認識も強い時代。フレディが仲間にエイズを公表したあと、映画みたいに頬にキスやハグが出来たのかなと、気になったりした。  だけどこの映画は、クイーンのロック映画として、スカッと楽しむのが一番正解だと思う。 『Bohemian Rhapsody』『We Will Rock You』『Another One Bites the Dust』名曲誕生の秘話。手作り感。 何よりぽかんと口を開けたブライアン・メイのブライアン・メイらしさ。良い意味でジョン・ディーコンの普通の人っぽさ。 当時ハイランダー観て感動して、アルバムまで買ってしまった『Who Wants to Live Forever』が結構長く掛かって嬉しかった。 大好きな『Killer Queen』は制作秘話とか一曲垂れ流しで30分くらい流してほしかった。 足が長く長髪で、少女漫画の王子様みたいなクイーンは、当時の日本で人気が爆発。特に女の子に人気だったそう。映画ではヒットするまでが短く、フレディもすぐ短髪ヒゲ顔になるけど、ビッグ・イン・ジャパンの先駆けとして、やはり日本は入れてほしかったな。 …そんな事言ってたら映画一本に収まらないか。良いなぁ。やっぱりロックは良い。
[映画館(字幕)] 8点(2021-06-07 16:04:43)
673.  追想(1956) 《ネタバレ》 
~Anastasia~ロマノフ王朝最後の大公女の名前。 それを『追想=過去を思い出すこと』なんて邦題にしてしまったのは勿体無い。アナスタシア。神秘的で格調高いタイトルだったのに… 「赤毛だったら良かったのにな」「なかなか上手いじゃないか」大金目当てに下地がそれっぽい偽物を探し、本物に仕立て上げる。 作る側も最初からアンナを偽物として見ている。頭の良いアンナは教えた以上の知識を披露したりする。 人にタバコを注意しておいて、裏ではタバコをプカプカ。ポール公とシャンパンを泥酔するまで飲むなんて、いかにも偽物臭い。  マリア皇太后の存在感、迫力と気品がよく描かれている。見る側もアンナは偽物として観ているため、面会の緊張感が凄まじい。 「一族の名を気安く口にしないで、偽物!」たくさん偽物を見せられてきた皇太后の、うんざりした気持ちが良く出ていた。 皇太后は咳から彼女を本物だと認めるが、一言「でもあなたでないとしても、私には言わないで」老い先短い皇太后の本心だろう。  記者会見で病院の隣室の者が現れて、偽物疑惑が再浮上。ドレスのままアンナはタバコをプカプカ。 ※色々調べるとニコライ2世にタバコを吸わされるアナスタシアの写真が見つかる。「あ、本物も吸うんだ」って思った。  リーベンバウム夫人「舞踏会場を御覧ください、昔に戻ったみたいですわ」無関心なマリア皇太后「防虫剤が臭うわ」 最初の面会と違って、アンナにおばあ様として話すマリア「結婚相手はポールでいいの?」 「私たちは過去と一緒に朽ちるけど、未来はあなたのものなのよ」それを受け、マリアに何かを耳打ちするアンナ。 説明や経緯をすっ飛ばして駆け落ちしてしまうアンナとボーニン。 ポールの「皆になんて説明を?」に「“芝居は終わった、帰りましょう”と」と答える皇太后。 ロマノフ朝の亡霊たちが踊る舞踏会場に掛かる“THE END”の文字。  神秘的なアナスタシア生存説。 高級なお菓子の箱に描いてそうな美しい生前の写真。次々現れる自称アナスタシア(偽物)。 オープニングで石の壁にロマノフ王朝の紋章の影。真っ赤な“Anastasia”の文字は、彼女が銃殺されたことを大前提としている。 この映画は『もし本物のアナスタシアが生きていたなら、きっとこうしただろう。』として描かれた作品だと思う。 財産には手を付けず、無粋な恋愛描写も抜きに、将軍と忽然と消える。とても神秘的で美しい終わり方。 だからタイトルは、ロマノフ王朝最後の大公女の名前『アナスタシア』だったのに…
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-07 16:03:54)
674.  バンド・ワゴン(1953) 《ネタバレ》 
~The Band Wagon~『時流(に乗れ)』って名前の劇中の舞台劇。 この一年くらい、過去にあまり見てこなかったミュージカル映画を観るようになったけど、この映画を見てアステアのダンスの凄さが伝わった気になった。 靴磨きのダンスがいきなり凄い。前半は磨き台の上だからほぼ足の動きだけで踊って見せる。その動きの多彩さ・華麗さに驚いた。 アステアの身体の使い方を観ると、特に足もと、大きな動きの前に小さな予備動作?が入ってるんだけど、一連の動作に無駄がなくて美しい。相当体幹が優れてないと出来ない動き。 それを涼しい顔してやってのける。細かく大胆に動く下半身に対し、上半身は優雅で滑らか。公園でガブリエルとのダンスの美しいこと…こんな書き方しか出来ないけど、とにかくスゴイなって思えた。  当時のゲームセンターって手作り感が面白い。あの“?”の箱にあんな仕掛けがあったなんて。 公園で社交ダンス(無料参加イベント?)してるのも、当時はそういう文化があったのかな? コードバのキャラが魅力的。なんかスポンサー相手に、熱心にファウストを説明するコードバに声を出して笑ってしまった。良いキャラだなぁ。 最悪の初対面をしたトニーとガブリエルがだんだん仲良くなって、吸えないタバコを勧められてぷかぷか吹かすガブリエル可愛い。 大失敗の公演初日のあと、無人のパーティ会場と、若い団員の打ち上げの対比。そこからの方向転換、仕切り直しで盛り上げるトニーと、舵取りをトニーに譲るコードバの柔軟さが良い。最後のプログラムをめくる毎にミュージカルナンバーを流す演出も良かった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-07 16:00:21)(良:1票)
675.  ダイ・ハード2 《ネタバレ》 
~Die Hard 2: Die Harder~もっと頑強に抵抗する。こんなサブタイが付いていたなんて知らんかった。 NYに転属したのにワシントンが舞台。マクレーンもポケベルを持つようになった。 乗っけからスチュアート大佐の謎の裸踊り。きっと『今回はこんな引き締まった、強そうな敵と戦いますよ』って伝えたかったんだろう。マクレーンはトドみたいだからな… ホリーの隣、スタンガンお婆ちゃんの読んでる雑誌の裏表紙はリーサルウェポン?「シャンパンいかがですか?」と終始粋なスチュワーデス、言われたら言い返す。 今回は途中からグラント少佐の特殊部隊が味方について、観てるこちらもホッと一安心。…と思いきやまさかの裏切り。これには当時驚いた。 当時は気にならなかったけど、プロの軍人相手に一人で渡り合うマクレーン。ちょっと余裕もありそうで、テロリストの知識も豊富で、今思うと強すぎかもしれない。空砲とは言え署長に撃つのはやりすぎか。 コンベアにズルルッ!つららグサッ!エンジンでドビャッ! 前作に比べて、結構痛そうな死に方が多かった気がする。ホラー出身のレニー・ハーリンだからだろうか? それでも観ている最中はあまり気にならなく、最後の悪党どもをまとめてドカン!はスカッとする。 その炎が誘導灯になって、ピンチの飛行機がまとめて助かるのも胸のすく展開。次々着陸する飛行機のジェット気流が煙に渦を巻くシーンが好き。 リポーターのコールマン。ジョンが思い出せないスチュアート大佐がパッと出てくるとか有能だけど、最後ジョンとホリーが抱き合うところを撮らない人だから、いつまでも出世しないで現場走り回るんだろうな。違法な情報収集と出世欲のカタマリのソーンバーグとは対照的。 空港のFAXはサンヨー、悪者の無線機はケンウッドだ。まだまだ日本強いぞ。  前作から一年後の、またまたクリスマス。管轄外で孤立無援、限定空間での戦い(空港だから広いけど)。同じ名前ネタは兄弟ネタに。 前作に引き続きホリーのピンチ、同じ飛行機にソーンバーグ。パウエルの援助はともかく、クリスマスとは言えこんな偶然ってあるか? 最後はリムジンでなくカートの後部座席で帰るジョンとホリー。エンディングはおなじみ『Let It Snow』 かなり強引な設定。あまりに前作を意識していたので、当時『面白かったけど、次回作を作るの大変そうだな』って思ったわ。 これが2ではなく、シリーズを経て20年後くらいに作られていたら、それはそれで同窓会的にホンワカと観られたかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-06-07 11:11:12)
676.  グーニーズ 《ネタバレ》 
~The Goonies~グーンドックスという地元の地名と、垢抜けない(goony)とかバカ(goon)とかを合わせた造語。練マザファッカーみたいなノリだろうか? シンディ・ローパーの主題歌が印象的な本作だけど、サントラ以外、彼女が売れてた頃のベスト盤にグッドイナフは入ってない。子供向けで中身のない歌は、彼女にとって黒歴史だったみたい。 子どもが冒険する映画ってことで、当時(11歳か)は“自分より小さい子が楽しむもの”の印象が強くて正直そんなに興味が無く、私にとってグーニーズというと、コナミのゲームだった。きちんとエンディングがある名作だったわ。 映画はTVで初めて観たけど、何かの手違いで最初の部分(十数分くらい?)が、2回流れるトラブルが起きたっけ。どうでも良いことだけど印象深い。  小さな子供向けと言うにはバランスが微妙で、データの発明はリアリティに乏しい割に、言葉は汚いし、刑事の射殺体は出てくるし、骸骨は容赦なくリアル、アンディはお色気担当だし…何歳くらいの子どもを対象に作られたものか気になる。 劇中いわゆる“ピタゴラスイッチ”が多く出てくる。洞窟以降の罠はともかく、最初の家の柵を開ける仕組みを観て『面白い!』って思える歳の子は楽しめると思うし、『手で開ければいいのに…』って思うおマセさんには幼稚な内容に思えるかも。 でも今の私くらいの歳になると何でも許せてしまうので、家の屋根裏部屋に宝の地図なんて、もうワクワクしてたまらない。 みんなで自転車で出発とか、地図をもとに100歩進むのが途中からいい加減になるのとか、捕まったチャンクが過去の悪事をべらべら喋るのとか、子供らしくて可愛い。 フラッテリー一家(今回観たDVDではフラテリーだった)。迫力あるママは後のラピュタのドーラ一家に影響を与えたと思ってる。 兄が最近見た顔だと思ったら、ダイ・ハードの“違うほうのジョンソン”だった。 願い事の井戸のコインのシーン。手を付けて良いものとダメなもの。手をつける理由。こういう考え方って大事だよなって思う。 海賊船の神秘性。物言わぬ海賊の死体が、航海の最後に何が起きたのかを語る。金銀財宝の山。やっぱり最後は宝にたどり着かないと。 海賊船が出向するのもロマンがあるし、冒険の代償が立ち退き料を賄えるくらいの僅かな宝石というのも綺麗な終わり方。  今度金曜ロードショーでやるそうで、こういう懐かしい映画をどんどん放映してくれるのは嬉しい限り。 この映画を純粋に楽しめるか微妙な年齢の子には、家族みんなで観るよりも一人で観せたら、きっと食い付くと思う。 …個人的にはダビデ像ネタが地上波でどう放映されるか楽しみ。
[地上波(吹替)] 5点(2021-06-06 17:01:55)
677.  時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 
初見、淡々と映画を見て「ふぅぅん。大林監督の、当時の角川アイドル映画だね」と、それ以上広がらない感想を持った。 角川春樹が原田知世に“この映画をプレゼントして芸能界を引退させたい”という想い。大林宣彦の“プライベート・フィルムとして好きにやりたい”という想いが、筒井康隆の原作(未読だからどれだけ弄ったか解らないけど)と、上手い具合にマリアージュしていた…って事は、後から調べて解ったこと。 …こういう話がパンフレットを買わなくても、検索すれば誰でも見られるんだから、便利な世の中だわ。  そのへんを踏まえて再視聴。土曜日の実験室。深町くんが芳山和子の記憶を消して、未来に帰る話をしている。 引退するアイドルのプライベートフィルムとしてみると、芳山くんを角川春樹(&原田知世のファン)。深町くんを引退する原田知世。そこには出てこない吾郎ちゃんを渡辺典子辺り(本来、事務所としてプッシュしなきゃいけないアイドル)として観ると、二人の会話からして、まぁ面白い。 芳山(角川)と吾郎(角川アイドル)が積み重ねてきた記憶(映画の主演ワク)を、訳あって深町(原田)がちょっとお借りして、お互いに好きになってしまった。 時をかける少女は、原田知世主演だから出来た映画。彼女でなければ、このワクは他のアイドルの違う原作の映画になっていただろう。 数年後のある日、偶然に再会する二人。深町(原田=一般人)は相手が芳山(角川=業界人)だと気づくが、芳山は気が付かない。あれ?どこかで…ってなるけど、別々の方向に歩き出す。引退から数年後、角川は原田とこんな再会が出来れば幸せかな?と思ったんだろう。 そこからあの楽しいエンディング。 「あなた わたしのもとから♪」主題歌(の歌詞)もベストマッチ。この映画と原田知世への愛が溢れた素晴らしいエンディング。  こんな映画が撮れるのは、大林監督だけだと思う。 モノクロとカラーの合成、アニメーションと実写の融合、コマ撮り、興味がある斬新な技術はどんどん入れてくる姿勢。大学の映研が楽しんで作った、とても出来の良い自主制作映画みたい。 ハリウッドのSF大作なんてお金無いから作れないけど、大林監督の技法なら頑張れば出来そうだ。 「あれシクラメンぽいけど、ラベンダーって言えばラベンダーに見えるんだ!(※調べたら造花でした)」 どう撮るかは工夫次第。そう思って映画制作を諦めなかった、未来の映画監督のタマゴも多かったんじゃないかな? でも数年後の老夫婦の会話に、そこそこの時間を割いているところとかが、やっぱり素人とプロの違い、本物の監督のハードルの高さを魅せてくれている。素晴らしい監督だ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-06-05 17:50:11)(良:1票)
678.  ネバーエンディング・ストーリー 《ネタバレ》 
~Die Unendliche Geschichte~果てしない物語。 オープニングの美しさ。リマールのテーマソングがまた良くて“懐かしいあの頃”に引き戻す。 さぁ!ファンタジーの世界に旅立とう!…って、小さい頃に何回か観たはずなんだけど、アトレイユがどんな冒険をしたか全然覚えてなかった。 ロックバイター、暴走カタツムリ、象牙の塔には顔が幾つもあるやつ、魚人間?魅力的なクセの強いクリーチャーたちがたくさん出てくる。…でも特に何もしてなかったんだな。 異世界“ファンタージェン”や世界を滅ぼす無“ザ・ナッシング”の素晴らしいネーミングセンス。日本語訳も頑張っていて、極め付けは女王“幼心の君”こんな綺麗な名前どこから思いつくんだろう?透き通るような容姿とともに忘れられない。 美しいという表現が相応しいアトレイユ。戦士というには若すぎるけど、暴力(武器)を使わない冒険物語にはベストマッチだったと思う。最初から孤独な旅だっただけに、相棒のアルタクスが沼に沈むときは悲しかったな。 ラッキードラゴン・ファルコン。パペットは表情豊か。でも今見ると特撮がかなりキツい…と言いたいところだけど、当時から微妙な出来の特撮だった。 空を飛ぶ爽快なシーンだけにちょっと残念。邪道かもだけど、ここは今の技術で上手いことしたほうが良いのに。って思う。 母親の死とイジメで気持ちが沈んでるバスチアンが、ファンタージェンの滅びゆく現状とリンクしているようで面白い。 多感な時期に出会う物語って、結構すんなりとその世界に入り込めたりするんだけど、バスチアンが飛び込んだ本屋のご主人が、本の世界の面白さを伝えてくれる。 最後の、ファルコンでいじめっ子に仕返しするところはよく覚えていて、綺麗な音楽をバックにバスチアンがファンタージェンを飛ぶまでは良いけど、なぜ現実世界にも来たのか、子供心にあのシーンをどう整理をつけようか困った記憶がある。 リアルタイム世代じゃなければ、もう少し評価が下がったかも。
[地上波(吹替)] 6点(2021-06-02 13:36:37)
679.  ネバダ・スミス 《ネタバレ》 
~NEVADA SMITH~架空の人物。 西部劇はあまり詳しくない私だが「西部劇のタイトルを挙げよ」と言われたら、10番目くらいには出てきそうな本作。クチコミ件数の少なさから、そんなに有名な作品ではなかったのかな?銃を真横に担いだマックイーンのポスターが思い浮かぶ。 『大いなる野望』という映画の登場人物・映画俳優ネバダ・スミスの前日譚…らしい。この作品の主役がジョナス・コード・ジュニアとのことで、本作のコード本人か、息子だろうか?どんな話か気になる。 “ネバダ・スミス”を名乗るのは後半で、本名“マックス・サンド”の名が頻繁に出てくる。 インディアンとのハーフの少年の成長物語。家族を惨殺されたマックスの執念と怒りの孤独な復讐劇。西部をあちこち旅しながら、そこに住む人々との一期一会の交流が描かれている。 勘違いから襲った三人組に親切にされ、翌朝身ぐるみ剥がされてる絶体絶命から、救いの手を差し出すコードの優しさがホッとする。社会を知らないマックスに父親のように教えるコード。薬莢は高価だから拾わせるのが生活感がある。『この恩は返しきれない』コードに感謝の意を表す。 「西部中の酒場や売春宿を回れ。教会にドブネズミ共はいないぞ。お前もドブネズミにならなきゃ捕まえられん」コードの言葉通りドブネズミとなって酒場や売春宿、果ては刑務所の中にまで行く。ついには自分が町の厄介者になってしまう。 神父に命を助けられ、初めて教会に行く。荒んだマックスに復習の無意味さ、良心を教える神父。『この恩は返す』と神父に上辺の言葉を残し復習に旅立つ。 トム・フィッチとの心理戦が丁寧で面白い。仲間を物陰に隠れて配置し、2階から撃ちやすい位置の椅子に座らせるトム。椅子をずらすマックス。インディアンを侮辱し、母親の服で作ったタバコ入れを見せ、「マックス!」と声を掛けるが、ピクリとも動揺しない。観てるコッチがドキドキする。後にコードが出てきて声を掛ける時もギクッとした。 遂にトムを殺すチャンスが来るが、思いとどまるマックス。ここにきて神父の言葉が心に届いたんだろう。 コードと出会った頃の、少年らしい素直さがマックスにまだ残っていた。 銃を真横に担いだマックイーンのポスター。あれ、十字架に架けられたキリストを表してたんだな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-02 12:19:01)
680.  夜の訪問者 《ネタバレ》 
~De La Pert De Copains~仲間から。…で良いのかな?なんか間違ってそうだけど、英題は~Cold Sweat~冷や汗。 去年BSで観たのを忘れて録画、ついまた観てしまった。  夜の攻防から死体処理。船上や空港のアクション。美人のモイラに可愛いコンパクトなオープンカー。後のコマンドーみたいで結構面白い。 けど何でジョーが、悪党2人を殺さなかったか疑問。最初の奴(坊や)はアッサリ殺してるのに。 流れ弾でファウストが死ぬ辺りからストーリーが変になってくる。設定上ロスの部下をもう2人くらい増やせば、簡単に解決したんじゃないか?いやきっと、1台の車に乗り切れる5人で、過去の犯罪メンバーをまとめたかったんだろうか。  その流れ弾でロスが怪我をする。ジョーが車で往復して医者を連れてくると言い出す。…いやどう考えても車で片道病院まで連れて行ったほうが早いのに。 でもこの小屋にいるのが①ジョー・マーティン②その妻ファビエンヌ③その娘④怪我人ロス⑤悪いカタンガ⑥ロスの愛人モイラで6人。 1台の車には乗り切れない。いやいや、カタンガを縛って物置にでも閉じ込めて、みんなで病院行けば良いんでない? それかファビエンヌに小屋で待ってもらって、5人で行っても良いんでない?なんか、モイラさえいなければ… 最初監督の考えてた話と、何か色々と違ってきたんだろうな。誰かがカーチェイスやりたいとか、もっと格闘アクション入れたいとか、ジル(嫁)出したいとか、ジル(嫁)殺したくないとか、なんか色々。  町に馴染んでるジョー。医者のツテでもあるのかと思ったら、普通に銃で脅して連れてくる。もう絶対ロスを病院連れてきたほうが早かったって。 無駄に格好良い白バイとのヒルクライム・カーチェイス。悲鳴一つ挙げない先生に注目。さすがジョー、良い先生知ってるわ。 一方、意地でもファビエンヌには銃を渡さないロス。出血で真っ白な顔が乱の仲代達矢みたいだ。その後出血死。 ライター1つで山火事発生。仲良くカタンガに捕まるマーティン一家。 ジルじゃなくてモイラは山小屋でフェードアウト。先生も小屋に置いてけぼり。あの後どうやって帰ったんだろう?先生のハイウエストなズボンに注目。 山火事で火だるまは避けたカタンガだけど、結局照明弾で火だるまに。この時、照明弾を拾うジョーのパントマイムみたいなアクションが滑稽なのと、家族のいる方向に躊躇なく照明弾を撃てるジョー怖い。 最後は白バイ警官がヒルクライムの車を確保して逮捕もされず、マーティン一家が笑っておしまい。 …これだけ書いておけば、間違ってこの映画を観ることはもう無いだろう。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2021-05-30 22:33:00)
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