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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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61.  ブルース・ブラザース
レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、ジェームズ・ブラウンという大御所くらいしか知らない、はっきり言ってこの手の音楽ジャンルが趣味でない私でもそれなりにノレてしまうのだから、R&Bに精通した人ならたまらんでしょうねえ。実はこの映画を音楽映画として観たことがなく、ひたすらおバカなコメディとして観てずっと満足していたのだが、今観たら、歳の功ってやつで音楽映画の部分も楽しめるような気がする。なんとなく。最後に観たのもずいぶん前なのだが、ド派手なカーチェイスや高速道路からの落下中の告白の面白さも印象に強いんだけど、一番印象的、というかむしろ私にとっての今のところの『ブルース・ブラザース』ってのはジョン・ベルーシとキャリー・フィッシャーの恋物語なのだ。かなりシュールだけど。ここでのキャリー・フィッシャーってばレイア姫よりもずっと謎に満ちてて、それでいてストレートな眼差しがキュートで、出演時間はけっこう短かったかもしんないけど、彼女の演じた役柄の中ではダントツで好き。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-02-04 15:30:10)
62.  Wの悲劇
デビュー作『野菊の墓』でその才能をいかんなく発揮した澤井監督の第二作は大ヒットが約束された薬師丸ひろ子主演の映画。原作「Wの悲劇」を舞台劇「Wの悲劇」にし、それらを演じる役者たちにスキャンダラスな事件が降りかかるというまさに「W」なシナリオは一見複雑そうでありながら実にわかりやすく違和感の無いドラマに仕上がっている。ただ、舞台劇の芝居じみた展開が舞台劇以外でも引きずっている感があって、とくに高木美保の最後の登場シーンの大声でセリフを言ってからナイフを取り出し走ってくるってのは、いかにもすぎて、その唐突感も安っぽい。冒頭の夜明け前から世良公則との出会いを介して徐々に明るくなってゆく背景は撮影自体をその時間帯で行っているのだろうか。そうでなきゃあんなにもリアルな光の移ろいは出ないだろう。もちろんそれでも照明による調整もいるわけだから、その時間帯の一発勝負の撮影に拘った監督はやっぱり凄いなあと思う。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-01-21 16:55:34)
63.  カクテル
バスで都会へと向かう主人公の様は80年代版『真夜中のカーボーイ』といったところ。たしかナントカドッグとかいう犬のマークのバスで、車窓から主人公が見る景色にも犬が登場していたと思うのだが何か意味があるのか当時気になっていたことは覚えているんだけど、実際なんか意味があったんだろうか。中身は一人の男のサクセスストーリーを強烈なまでの省略を伴って進行させてゆく。その結果、なんの苦労も無しにプロフェッショナルなカクテルさばきを獲得し、唐突な出会いと別れが描かれるというご都合主義もいいところのトレンディドラマになってしまったのだが、アイドル映画としてトム・クルーズを際立たせようとしなくとも、トム・クルーズって人は勝手に輝いてくれる絵になる男なわけだから、もうちょっとトム寄りでないものにしてくれたほうが良かったような気がする。ま、でも巷で言われるほどの駄作でもないと思う。
[ビデオ(字幕)] 5点(2007-12-11 12:55:50)
64.  ミスティック・ピザ
デイモンが出てきて笑った。デビュー作ですかね。ジュリア・ロバーツもデビュー作とか。無名の若手俳優を配した80年代青春映画にしてはすごくあっさり作られてるなぁと思った。3人の女の友情を描いてはいるけど、そこばっかり強調するわけでもなく、恋愛ドラマもくどくなく、一人だけ突出して描くわけでもなく。なので浅いんだけどチープ感がない。一応アナベス・ギッシュがメインなような気もするけど、ジュリア・ロバーツとリリ・テイラーの個性が際立っていたのでバランスがうまくとれたのかも。配役は絶妙かもしれん。他の女優だったらもっと地味な映画になってたと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-30 11:58:12)
65.  幻の城/バイロンとシェリー
詩人バイロンと詩人シェリー、シェリーと駆け落ちしてきたメアリーとバイロンの愛人でありメアリーの妹であるクレア、そしてバイロンの主治医のポリドリ。この男女5人がバイロンの別荘にて、暇をもてあましそれぞれが怪談話を創作しようということに。不屈の名作「フランケンシュタイン」と「吸血鬼」が誕生する歴史的一夜である。映画はその文学史上最も重要なこの史実を発端にその後それぞれに訪れる不幸とメアリーが生み出したフランケンシュタインを結びつけて物語ってゆく。もともとバイロンやシェリーはもちろんメアリー・シェリーのこともよく知らないので配役云々は違和感を覚えることなく鑑賞できました。フランケンシュタインをメアリーの幻想として描かずに、メアリー以外の人物にも見える、ほんとうに想像上の怪物が一人歩きしてゆくような実態を伴っているのが独創的。ただ、それぞれの葛藤がストーリー上でなぞられるだけなので感情移入の余地など全く無いし、そもそもいったい誰を中心に話が進んでいるのかが話が進行するたびに変わってて全体的に散漫な印象。もっと長尺にするかメアリーの描写を中心とした短いお話にするか、どっちかにしてもらわんと。
[ビデオ(字幕)] 5点(2007-11-21 13:45:31)
66.  日陽はしづかに発酵し・・・
荒唐無稽なファンタジーともいえるが、単純にそう言ってしまってイメージできる範ちゅうを超えている。旧ソ連から現ロシアと近隣の小国に連なる歪んだ近代史が原型としてあるだろう、その独特の終末世界観は、荒唐無稽でありながら実に生々しく、登場する人間も生々しくもありながら実に「死」に満ちている。映される舞台は閉鎖的だが、画面は恐ろしいほど奔放である。そして色彩・・ソクーロフの何が凄いって、ソクーロフの作品それぞれが別個の独創性を持っていることだ。色彩はその独創性に大きく貢献している。これを観たときは、処女作『孤独な声』に衝撃を受け、その余韻も冷めやらぬうちに続けざまで観たせいで、また、あまりに異にする作風に戸惑いながら観たせいで、作品よりもソクーロフの才能に驚愕してしまったのだが、それゆえにもう一度観直したい映画。
[映画館(字幕)] 7点(2007-10-15 15:01:45)(良:1票)
67.  野菊の墓(1981)
もっぱら評判の高いこの作品。いや、だまされんぞ。アイドル映画なのにちゃんと撮っているってぐらいじゃ。と、変な気合を入れて観たのだが、まず夕暮れ時の薄暗い空をバックにほのかな逆光で映される二人の描写という美しい画が飛び込んでくる。まあ、こうゆう画が一つや二つ無いとお話にならんでしょ、とか思っていたのだが、一つや二つじゃない。引いた位置から捉えた画が何度も挿入され、それらはことごとく美しく、もちろん単に情景が美しいだけではなく、ちゃんとそこに二人がいて、その二人は必ずといっていいほどに背景にあった逆光を浴びている。松田聖子は木下版のヒロイン以上にヘタクソなのだが、木下版もそうだったが、そのヘタクソさの中に純朴さがにじみ出てるような錯覚を覚える。アイドル映画とは思えないあの“おでこ”もこの純朴さに一役買っている。白を効果的に使っているという↓レビューに大いに納得しながらも、私はりんどうの紫がその色の鮮やかさとともに鮮烈に刻み込まれました。カラーであることがなんの優位性も見出せない映画が多々あるなかで、見事にカラーの優位性を見せ付けている。
[DVD(邦画)] 7点(2007-10-05 11:05:40)(良:3票)
68.  お葬式
誰も扱わなかった隙間の題材を使い、その内幕とノウハウを面白おかしく見せるその手腕は、その後の伊丹映画の特色として継承されパワーアップされてゆく。パワーアップされてゆくごとに映画から離れてゆく。この伊丹十三初監督作である『お葬式』は、いわばテレビ的ともいえるその作風の中にあって必至で映画たらんとしていることが見てとれる。流れの中で実に浮いているシーンが2ヶ所ある。ひとつは浮いているゆえの違和感が鼻につき、ひとつは浮いているゆえの違和感が感動にも似た感慨を与えてくれる。おそらく映画たらんとするためにあえて浮かしているのだろう。前者は運転しながらのサンドイッチの手渡しシーン。意味不明でバカバカしいだけ。『新幹線大爆破』のパロディのつもりだろうか? 後者は宮本信子が丸太のブランコに乗って延々と揺れているシーン。これももしかしたら何かのパロディなのかもしれないが、そんなこと以上に、けして画面には映らない夫婦の人となりを垣間見てしまったような、あるいは見てはいけない恐怖の対象が延々と映されているような、目を見張らずにはおれないシーンでした。冒頭のホラー映画のような別荘地の描写なんかも好きですが、山崎努の声が邪魔してる。
[ビデオ(邦画)] 5点(2007-10-03 14:58:50)
69.  十階のモスキート
内田裕也ってなんにもしなくても映ってるだけで映画になっちゃうんだもん、ずるいなあ。まじめな顔してるだけなのに、ただ立っているだけなのに、普通に電話してるだけなのに、アナーキー。彼の顔が映っているとバックで流れる絶対古臭いはずのコンピューターミュージックがロックに聞こえる!ってのは大袈裟だけど、存在感が勝っているからなのか、音楽が気にならない。さらに脇にアン・ルイスにビートたけしに横山やすしに小泉今日子って・・内田裕也然り、みんな素人俳優なのに胡散臭いオーラだけは一人前以上。キョンキョンのお友達二人のセリフはなんとかしてほしかったけど。喫茶店でお金せびるところ。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-02 14:46:12)(良:1票)
70.  ハンガー(1983)
ミュージッククリップ風の獲物物色シーンから獲物を頂いちゃうまでの細かい切り替えしと、切り替えされる各カットに乗っかるメリハリのある音の出し入れは、まさに今のトニー・スコットの演出。なんでもこのデビュー作のせいで彼はしばらく干されていたらしいのだが、それゆえに自らの特徴であるこだわりの演出を食っていくためにしばらく封印し、ある程度の自分の位置を確保した数年後に(『トゥルー・ロマンス』あたりか?)徐々に自分を出してきたのかな、と思った。とにかくこの作品は美しい。中でもカトリーヌ・ドヌーヴの非人間的美しさは格別。吸血鬼の物語である以上に男と女の物語であり、永遠の若さを手に入れるか老いることが必至の人間でいるかの葛藤のドラマである。だからこそ、あのラストシーンは納得がいかない。繋がってないし。
[DVD(字幕)] 6点(2007-09-20 15:39:57)
71.  パーマネント・バケーション
「青春」という言葉の響きから連想するのは、眩しく輝かしいもの、あるいは反対に怒りと反抗に満ちたもの、だったりするが、この作品で描かれる孤独と葛藤もまた「青春」の代名詞。人生の方向がままならない10代の心の放浪はやたらとリアルでもある。主人公の放浪は、無意識的に未来を模索しているようにも見える。冒頭で交互に映される、いつもの喧騒のニューヨークと、けして表立たないゴーストタウンのようなニューヨーク。賑やかに見える街にも孤独があるということだろうか。出会う人々もまた孤独を抱えている。パリに行っても同じこと。同じような理由でパリからニューヨークにやってきた若者がいるから。でも行かずにはおれない。若者の性分であり特権である葛藤が永遠に続くかのように感じる、それもまた青春。若きジャームッシュがここにいる。そんな気にさせてくれるから好き。 
[映画館(字幕)] 7点(2007-09-14 16:24:31)
72.  紅いコーリャン
野生のコーリャンが画面いっぱいに映される様は圧巻。広大なコーリャン畑をアップで撮るだけなら誰でもできるだろうが、強い風と巧みな光をもって映し出されるその様はまさに野生の強さを、自然の驚異を雄雄しく表現していて、さすがは撮影監督出身というだけのことはあると感嘆する。そして強さの象徴のように映されたからこそ、あっけなく平らに均されてゆくシーンの無残さもまた最大の効果をもって目に飛び込んでくる。ただしこれだけ印象的な画面を撮りながらもストーリーもそれ以上の大きな顔をして前に前に出ようとする。前半は画面が勝っているが後半はドラマが勝っている。ラストはスローモーションでドラマを際立たせる。不満である。芸術映画と商業映画のせめぎあい。芸術の中に商業的価値があり商業の中に芸術的価値があればそれでいいのだから、どっちがいいとか言っているわけではない。私にとってはこれらがうまく融合しているようには見えなかったというだけのこと。前半は本当に凄いんだけどなぁ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-13 11:41:56)
73.  細雪(1983)
公開当時は宣伝にも力が入っており、かなり話題になっていたことを覚えています。なんといっても四姉妹の豪華な顔ぶれ。そして豪華な衣装。四姉妹それぞれにスポットが当てられ、しっかりと個性豊かに描かれている。大阪弁の中でも船場ことばが使われていますが、四女にまとわりつく桂小米朝の言葉がまさにその船場ことばなのですが、はっきり言って浮いている。例えば吉本新喜劇でしゃべっている言葉はまぎれもなく大阪弁なわけですが、あれはあくまで劇場で観客に聞かせる言葉であって、普段の会話ではあんなにはっきりとした言葉にはなりません。小米朝のしゃべりもまさに観客に聞かせる言葉で、実に不自然。本物の大阪弁と微妙にニュアンスがずれている他のキャストの「なんとなく大阪弁」に合わせてくれたほうがかえって良かったように思う。テレビCMでも使われていたと記憶する冒頭の京都を歩く四姉妹のシーンは絶品ではないが、なかなかに美しいのだけれど、それ以外は全体的に薄暗く、それは戦争前を暗示した暗さというにはあまりにメリハリのない暗さで、もう少し光の出し入れに気を使ってくれればと思うのは酷な注文だろうか。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-08-31 13:21:21)
74.  卍(1983)
関西のことばを文学に美しく溶け込ませた谷崎の世界観というものだけをとってみれば、若尾文子(増村版『卍』)の関西弁よりもこの樋口可南子の関西弁のほうが、人を誘い、惹きつけ、惑わす女の使う甘ったるい関西弁をはるかにうまくしゃべっている。だから関西弁の魅力が出ているかどうかで見れば、断然こちらの作品に軍配が上がる(というか、増村版は関西弁の必然が全く無い)のだが、いかんせんストーリーも、その展開のさせかたも面白くない。樋口と高瀬の関係の始まりもかなり無理やりだし、原田が警察官であることから導かれるものも弱い。「殺人現場」という魅力的な展開を予想させる絶好の「場所」もただの「場所」でしかなく「殺人現場」である必然が無い。現代に置き換えているといっても、母が妊娠したとかいうエピソードになんの意味があるのか。梅宮辰夫は何しに出てきたのか。面白くないうえに無駄が多すぎる。当時けっこう好きだった樋口可南子のハダカはキレイでした。
[DVD(邦画)] 3点(2007-08-30 11:38:12)
75.  ホンジークとマジェンカ
これまで様々なトリック映像を見せてきた幻想の魔術師カレル・ゼマンは、晩年まるでアニメーションの本質を悟ったかのように紙芝居的な切り絵アニメーションを世に送る。子供に絵本を読み聞かせる際に、あまりセリフを感情豊かにせずに淡々と読んだほうが、子供の想像力を促して良いというのを聞いたことがあるが、表情や背景に変化の無い切り絵というのはまさに観る者の想像力との共同作業にて作品をより豊かなものへと変えてゆく。この『ホンジークとマジェンカ』は彼の遺作となるが、そのストーリーも実に奇を衒わないシンプルかつストレートなおとぎ話。クロニクル(年代記)は偉大な英雄を語り継ぐが、けしてそこに語られることのない愛の物語は、童話として、おとぎ話として語られなければならず、そしてその物語こそが、真に大切なことを語っている、というゼマンの思想を感じることができる。子供たちのために視覚からくる情報量をなるべく減らす。実写映画にも当てはまる映画の真理です。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-20 12:04:59)(良:1票)
76.  カリフォルニア・ドールス
硬派な男性映画を作る人、といったイメージのアルドリッチの遺作が女子プロレスラーの話ってのが面白い。もちろん結果としての遺作でありますが。女性がメインで出ていても、やっぱり硬派で骨太な映画。ところどころで女性らしさがフッと出てきてハッとさせられたりもするから尚ニクイ。アルドリッチの映画はどれも娯楽に徹している。しかし数多のハリウッド娯楽映画とは何かが違う。面白いけどやりすぎない。感動するけど大袈裟じゃない。楽しいけど哀愁がある。高尚なものには絶対見せない。こういうのが高尚な娯楽映画なんだと思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-08-06 15:28:25)
77.  4番目の男
ヴァーホーヴェンがオランダ時代に撮った『氷の微笑』です。『氷の微笑』のほうがシンプルで洗練されていて楽しみやすいが、こちらは宗教がらみということもあって、悪魔的な色合いがあって、より心理的に迫ってくるものがある。ただ、アルコール依存の男が見る幻想がエグイわりに「いかにも」なものばかりで、とくに宗教がらみの幻想がそのエグさも含めてありがちなものにしか見えない。「いかにも」な部分を大切にするのが娯楽映画に徹するヴァーホーヴェンなわけで、その徹底ぶりがときに幼稚に見えるのだろう。この「いかにも」なものを如何に楽しむかがヴァーホーヴェンの作品を楽しむコツなのだ。
[DVD(字幕)] 5点(2007-07-23 11:42:24)
78.  刑事ジョン・ブック/目撃者
アーミッシュといえばやはり去年の銃乱射事件が記憶に新しい。【DADA】さんも追記していらっしゃるけど、13歳の女の子が他の子供を守るために「私を撃って」と言ったこと、その子が撃ち殺されたら今度は11歳の妹が同じようにして前に出たこと、アーミッシュは犯人を許し、犯人の家族を招きいれたこと、殺された女の子の母親が犯人の妻を慰め、その後も交流があること。なかなか出来ない。もし皆が出来るなら戦争なんて起こらないのに。こんな衝撃的なニュースの後では、この映画で描かれる、よそ者と仲良くする女が疎外されるという描写がなんかいかにも小さなコミュニティにありそうな展開をむりやり入れたって感じがしないでもない。まあ、アーミッシュに対する知識がメディアが伝えたものだけしかないし、また一人一人の人間をアーミッシュというひとくくりで考えるのも短絡的ではありますが。それにアーミッシュを描いた映画ではなく、貧乏人の子供が大富豪にもらわれてきたとか、反対にお姫様や王子様が庶民の生活をするとか、大昔の人が現代にタイムスリップするとかと同じように、あくまで異文化に身を置くことで生まれるカルチャーショックと人間同士の交流を描いているわけで、ドラマの見せ方としては悪くないし、草原の中から黒い帽子がひょっこり現れるシーンの美しさや相手を思いやる視線の優しさなんかは非情に心地が良い。強いて言えば、クライマックスへの持っていきかたが強引。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-07-20 18:32:56)
79.  セブンス・コンチネント 《ネタバレ》 
これはデビュー作になるのかな?ハネケの作品の中では一番面白かったかも。面白いという表現が極めて不似合いな作品ではありましたが。身の回りの何もかもを捨て去って心中した家族、という実際にあった事件を描いてはいるが、なぜ心中に至るのかその原因は描かれない。その原因を誰も知らないから。知っているのは何もかも捨て去ったという事実だけ。映画はその事実だけを映す。つまり捨てられ、壊された物を。あるいは捨てられ、壊される以前の物を。扉を開ける人は映されず、廻されるドアノブだけが映される。朝食をとる人は映されず、スプーンで運ばれるフレークが映される。生活はひたすらシステマチックに見え、画面は常に無機質で無感動を装う。しかしいよいよ最終局面というところで死のうとするその「必死さ」が痛々しく飛び込んでくる。意図されたものかは知らないが、機械的な生と人間的な死が豊かなコントラストをもって描かれている。痛々しく描写する、、、ということは、第七の大陸を目指したこの家族をこの映画は否定していると言えるのだと思う。救いを見出すとすればそれだけである。
[DVD(字幕)] 7点(2007-06-25 13:56:33)(良:1票)
80.  戦場のメリークリスマス
デビッド・ボウイ、トム・コンティ、坂本龍一、ビートたけし、この4人の男たちを軸に話は展開されていく。それぞれの文化や神の違いに興味や尊重する気持ちを抱きつつも戦争と戦争の中でのそれぞれの立場がそれを許さない。そのあたりの精神描写をすればするほど小難しいものになっていくのだが個人的にはまだ足りない気がする。とは言うものの解かりやすさとのバランスを考えれば上出来かも。4人とも演技がうまいとは言い難いが、その代わり一種異様な雰囲気をかもし出してはいる。この雰囲気が好きな人にはたまらないのかもしれない。坂本龍一のメイクも異様である。 //追記// トム・コンティをビル・コンティと書いてた(汗)、、書き直しました。ついでに追記すると、大島監督はよく素人俳優を好んで使ってますが、監督の要求する雰囲気さえ出ていれば演技はどうでもいいんでしょうね。むしろ演技の巧さは邪魔なんだと思う。もう撮らないのかなぁ。
[映画館(邦画)] 6点(2007-06-13 16:59:53)
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