61. タクシードライバー(1976)
なんてダサい音楽だろうかと思いました。これがアカデミー作曲賞ノミネート?いやいや、この音楽は明らかに作品の質を落としています。 主人公がマグナムを構えてカメラに向かって銃口を向けてみせるシーンが何回かありますが、『ダーティハリー』の影響でしょうか?なんだか作品全体のムードから浮いていて、悪い意味でひどく印象に残りました。 ストーリーはどうも消化不良です。大統領暗殺を企てるまでの経緯がよく分かりません。髪型を変える理由もよく分かりません。最後男が刑務所に入らずに新聞で賞賛されているのもよく分かりません。突き詰めていくと、結局主人公の男がよく分かりません。あいつはいったい何なんだ?つかみ所の無い男の役柄を演じきったという意味でデ・ニーロは演技を評価されているのだと思いますが、全編ほとんど主人公の視点で描かれていながら実は主人公が一番謎、というのはいかがなものでしょう。主人公の行動のそういう理不尽さや謎めいたところが作品の焦点なのかもしれませんが、だとしたら僕はついていけません。26歳になったら分かるんでしょうか? 4点(2004-02-25 16:12:53) |
62. レイジング・ブル
可も無く不可も無い作品です。『タクシードライバー』に比べて音楽のセンスは格段にいいです。「ブルーベルベット」が流れてました。 5点(2004-02-25 16:07:08) |
63. π(パイ)
フィボナッチ数列ごときで世界の全てを解き明かすなんて大法螺は、インチキ宗教でも言いません。 3点(2004-02-25 16:04:43) |
64. ケンタッキー・フライド・ムービー
日本人の笑いのセンスとはちょっとずれてますね。ああいう馬鹿なことをする人は大好きですが、自分のツボとは違いました。 2点(2004-02-25 16:02:20) |
65. ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!
パペットアニメ独特の動きや質感はとても興味深いですが、ストーリーはありがちで新鮮味はありません。 5点(2004-02-25 15:59:43) |
66. 駅馬車(1939)
戦闘シーンの撮影はどれくらいの方が怪我されたんでしょうか?あれほど危険なスタントをして無事だとは思えません。これだけのものはもう二度と撮れないんでしょうね。 7点(2004-02-25 15:57:56) |
67. 切腹
22人投稿して平均9点というのはちょっと過大評価のような気がします。ストーリーはよくできてはいますが、サスペンスとしてもミステリーとしても一流半だと思います。映像は平凡ですし、確かにへちょちょさんやSTING大好きさんのおっしゃるとおり、橋本忍の映画と言ったほうが正しいでしょう。個人的にこういう脚本先行映画はあまり好きではないので、この点数を付けさせていただきました。 3点(2004-02-25 15:54:38)(良:2票) |
68. エド・ウッド
演技にしても映像にしても、何から何までディズニー映画みたいでした。巧いといえば巧いんですが、対象年齢はかなり低いんじゃないでしょうか。 4点(2004-02-25 15:47:44) |
69. 惑星ソラリス
映像は綺麗といえば綺麗だけど、ただ綺麗なだけで、『ノスタルジア』に比べるとやはり訴求力は落ちる気がします。前半部分に降った雨が、実際には画面の手前しか降らせていなく、奥にいる人物には雨がかかっていないのがみえみえという雑さはわざとなんでしょうか? 7点(2004-02-25 15:44:59) |
70. 晩春
小津の最高傑作だと思います。始めの数カットで魅了されます。「北鎌倉駅」の看板のフェードインから始まって、電線と線路、信号、瓦屋根、そして廊下の奥からのぞく女性達と移っていくのですが、この構図が本当に素晴らしくて、始まってたった10秒でうっとりしてしまいました。どこか『丹下左膳餘話 百萬両の壺』のオープニングを思わせました。 この作品の全編の魅力を語りだすと本が一冊出来上がってしまいそうなので、多くは心に留めておくことにしますが、まあもう皆さん見てくださいとしか言えません。笠智衆がつぶやく「明日はきっといい天気だな」という何気ない一言に、決してその言葉面だけでは捉えることのできない父親の心境を巧みに映し出した素晴らしい脚本と、あえて椅子を不自然に並べてまで構図にこだわった最高の映像を、是非堪能していただきたいです。 10点(2004-02-25 12:35:03)(良:1票) |
71. ミツバチのささやき
《ネタバレ》 草原の一本道をトラックがやってくるファーストショットからやられました。最高です。再生して1分で9点決定してしまいました。あとの99分はただただアナ・トレントの超越的可愛らしさを瞳にとどめるだけで充分! 映像しか見ていなかったのでストーリーはあまり把握できませんでしたが、プロットで固めていくタイプの映画ではないので話についていけなくても辛くはありません。それでも、100分間できっちりストーリーを消化しているなということだけは分かってとても好感を持てました。 父親が毒キノコを踏み潰したとき、それを見つめるアナ・トレントの哀しげな瞳がなにか自分にも向けられているような気がして辛かったです。 9点(2004-02-23 11:48:15)(良:2票) |
72. ベルリン・天使の詩
小津、トリュフォー、タルコフスキーをファーストネームで呼んだところに感動した。 「驚く」というのは生きている証だと作品内で語られるが、とすると僕はこの作品の鑑賞を通して「生きていること」を確認したことになる。悩むことも愚痴をこぼすことも生きているからこそ、と天使の視点から暴かれる生の実感。悩める人への救済の映画。人生に絶望している人はこの映画を見て、そして聞いてほしい、ピーター・フォークの言葉、「You are not the only one.」を。 9点(2004-02-20 08:11:41)(良:3票) |
73. 散り行く花
守ってあげたい女性NO.1 リリアン・ギッシュ。彼女なくしてこの作品は成り立ちません。 9点(2004-02-19 09:24:05)(良:2票) |
74. HANA-BI
文句無しに9点(事実上の最高評価)。日本映画史上屈指の作品。 9点(2004-02-19 09:16:30) |
75. 犬の生活
《ネタバレ》 「わずかなパンとささやかな勇気と大きな愛」チャップリン生涯のテーマが作品に顔を出し始めた最初の作品といわれています。また「チャップリンスタジオ」での最初の作品でもあります。チャップリン扮するいつもの放浪紳士が、他の犬にいじめられていた一匹の野良犬を助け出してともに行動し、いじめられていた酒場の店主に横暴な扱いをされる歌手(エドナ・パーヴィアンス)を救うために奮闘するというお話です。途中、酒場でのパントマイムが見事なのはまったく至芸ですが、最後のシーン、郊外の小屋でゆりかごを見つめる二人の笑顔がいつまでも心に残ります。 8点(2004-02-16 19:19:40)(良:1票) |
76. 非情の罠
これが商業映画デビュー作、27歳時の作品だなんてにわかに信じがたいです。構成力がとんでもなく洗練されています。一時間強の作品にサスペンス、ロマンス、アクション、ミステリーの要素が絶妙に配置されており、登場人物には語るべき部分は語らせ、それ以外のときはカメラが雄弁にそしてシャープに語ります。老獪ですね。 7点(2004-02-16 16:35:31) |
77. 突撃(1957)
結末はキューブリックらしいです。1957年ですからニューシネマの10年前ですよね。アメリカ人はけっこうビックリしたんじゃないでしょうか。しかしこの人の冷たい撮り方は徹底してますね。これでは観客はカーク・ダグラスにすら感情移入するのをためらいます。 6点(2004-02-16 16:28:16) |
78. ミスティック・リバー
名作。数年に一本というレベルの作品です。100年後、『世界名作劇場』とかなんとかで放映されるんでしょう。イーストウッドが人物を撮ることに全てを賭けただけあって、役者陣は皆監督の期待に応える演技をしています。ピントを役者の顔だけに合わせた背景無効の撮り方は、単純にスター俳優のアップに頼っているだけの他の凡百のハリウッド作品とは全く別物。ベランダ、階段、ドアなどの映画的空間要素の使い方は非常にうまいです。ティム・ロビンスやショーン・ペンが暗闇からぬっと顔を表すシーンもありがちな手法とはいえ、効果的。また、アメリカ国旗や十字架が画面の端などに何度も姿を見せるのはイーストウッドらしい。アメリカ映画的アメリカ映画の最高峰の一つだと思います。 9点(2004-02-16 16:23:14) |
79. ブルース・ブラザース
お金はけっこうかけているみたいだし、キャストは超豪華。でも作りがB級なのはこの監督ゆえかな。僕は『ケンタッキー・フライド・ムービー』では全く笑えなかった口なのですが、この映画は何度も爆笑させてもらいました。また音楽はもちろん最高だし、ベルーシとエイクロイドのかっこ良さもこの上ない。見終わった爽快感も『ショー・シャンク』より上でした。僕はどちらかというとダン・エイクロイド派です。この映画はジョン・ランディスでもジョン・ベルーシでもなく、ダン・エイクロイドの作品だと思ってます。クールで熱い最高の娯楽映画です。 8点(2004-02-15 23:27:36) |
80. 突然炎のごとく(1961)
見終わってまず感じたのが、「女ってよく分かんねーや」。女性から見ると逆に「こんな女に振り回される男って分からない」となるんでしょうか?それとも単に僕が未熟者なだけでしょうか?とにかく男と女の関係がグルグル動く、いかにもフランス的な映画でした。 ひとつのシーンが印象に残りました。まだ戦争前、三人が遊んでいて、海岸に着き男二人が組み合っているときにジャンヌ・モローが白いパラソルをひらきます。右上から左下に走る海岸線、じゃれあう二人の男、浜辺に咲いた白いパラソル、とても美しい映像でした。 6点(2004-02-15 23:14:09) |