61. 洲崎パラダイス 赤信号
《ネタバレ》 別れた方が良いのは十分わかっている。お互い仕事は見つかったし、自分をちゃんと支えてくれるパートナーも出来そうだ。それに流れ流れた恋の行く末が悲劇となってしまった例をこの眼で見てしまったのだから、、、、でも別れられない二人。本当に忸怩たる思いですなコリャ。それでも赤信号を越え深川の洲崎門を離れていく二人の乗ったバスは素敵な未来へ向かって行くと信じたい! 90分にも満たない小品ですが私も好きです。 [DVD(邦画)] 8点(2006-04-21 00:32:43)(良:3票) |
62. エデンの東(1955)
《ネタバレ》 皆様本当にごめんなさい、私にとってこの作品は合いません。レタスを積んだ列車で寝そべるジェームス・ディーンを見たときは感激しましたが、ちょっとそりゃないよの連続なのです。端的に申しますと夜の移動遊園地でキャルとアブラ(もうちょっと年の若い人、使えなかったのかな)が語り合うあのシーン、妙に明るい照明で映画館の「緊急出口」よりも目立ち、プロだからなんとかせぇよという天邪鬼的な心境になってしまったのです。また後日見た「理由無き反抗」「ジャイアンツ」の方がよっぽど屈折した人物を演じきっていた気がしたのです。いい話とは思うのですが。また出直してきます。 [映画館(字幕)] 4点(2006-04-16 23:51:34) |
63. 静かなる男
《ネタバレ》 「大らかな」という形容がぴったりな名作。野を越え山越え谷越え川を渡り、殴り殴られ話は進む。私のハートも殴られる(失礼)。名匠ジョン・フォードはアイルランドの緑溢れる地を映画ファンへの「桃源郷」として提供したのか。(私にとってはモニュメントバレーよりもここ)スクリーンで見る事の出来た人達、本当にうらやましい。文句なしの10点。 [DVD(字幕)] 10点(2006-04-16 22:08:00)(良:1票) |
64. 血槍富士
《ネタバレ》 私も少々戸惑った一人です。「東映映画チャンバラ」のルーティンを内田吐夢は壊してしまったと感じました。つまり勧善懲悪、公明正大、清廉潔白な雰囲気を売りとした東映時代劇の進行を突然主人とその家来の死で断ち切り、ラストの十分間は妙にリアルな殺陣を繰り広げるという展開はその当時の「時流」から離れたものだったのではないでしょうか。そしてそれは満州を理想郷として追い求めた彼の挫折感の投影であると同時に、「明るく希望に満ちた旅」とはまるっきり逆の状況で死んでいった兵士や犠牲者への鎮魂歌(ラストの「海ゆかば」に私はそう解釈しました)であったのではないか、と思いました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-16 03:09:36)(良:2票) |
65. 稲妻(1952)
書きたい事はたくさんあるけどとりあえず2つほど。1つ、「浮雲」では「泥沼の倦怠感」を感じたがこの作品から感じられるのは「気が重くなるほどのイライラ感」です。それは主人公の置かれている環境状況だけではなく、ちょっとした所作(妾の所へ行く際の姉妹の歩き方)とかショット(下の方も書かれていましたが窓から妾が覗いているロングショット)等といった演出力の高さがもたらしているという点。あとは役者さんが素晴しい。高峰秀子、小沢栄もしくは浦辺粂子も良いけど、生活感のないだらしない男を演じさせて植村謙二郎は絶品だ。10点に近い、9点ということで。 [DVD(邦画)] 9点(2006-04-15 16:23:11)(良:1票) |