61. 金閣寺
篠田三郎のキャラクターがやや軽いので、本作は全体にちょっと重みにかける印象がある。原作の世界を、耽美的に、カラーで見せてくれたことは良かった。市川崑作品の「炎上」と比較されるのはやむを得ないだろう。 [映画館(邦画)] 5点(2008-02-16 23:35:35)(良:1票) |
62. ウイラード(1971)
《ネタバレ》 「恨みを晴らす」ことについて、いろいろと考えさせられる映画でした。続編ができるだけのことはある出来映えです。「ソクラテス」が良い白ネズミ役、「ベン」が黒ネズミでちょっと嫌われ役と、わかりやすく上手に描き分けられていたと思います。俳優陣も良いです。続編の「ベン」を先に鑑賞していたので「ウイラード」がてっきりネズミの名前だと思いこんでいました。 [地上波(吹替)] 6点(2008-02-16 22:49:16) |
63. ベン
《ネタバレ》 「ウイラード」の続編です。私は多感な幼少のみぎりに本作から鑑賞することとなりました。そのせいか、病弱な主人公に思いっきり感情移入し、いたく感動した覚えがあります。まずまず良くできた作品で、マイケル・ジャクソンの主題曲も良いです。ベンは少年と仲良しですが、明晰な頭脳を持つスーパー・ラットで、人間にとって脅威的な存在です。単なる動物パニックものではなく、ちょっと考えさせられるものがあります。見る順番としては、やはり1971年の前作から鑑賞されることをお勧めします。 [地上波(吹替)] 6点(2008-02-16 22:34:25) |
64. グリズリー
俺の最大の敗因は、動物好きの彼女との初デートに選んじまったことだ。 [映画館(字幕)] 4点(2008-02-10 22:23:41) |
65. ドーベルマン・ギャング
《ネタバレ》 その昔、名画座で他の映画と抱き合わせでたまたま鑑賞しました。タイトルのとおり、ドーベルマンを使って銀行強盗する話です。このアイデアひとつで勝負した本作のコンセプトは実に筋が一本通っています。しかし、予定調和的な結末までは全然筋が通っていなくて、全体の完成度はとっても低いです。なお、ドーベルマン諸君は十分に健闘して良い演技を見せてくれております。驚くべきは、続編(日本公開)、続々編(日本未公開)が作られたことです。漫画「ドーベルマン刑事」のタイトル決定に本作は影響を与えたと私は睨んでいるのですが、全くの個人的な意見であって、確証はありません。 [映画館(字幕)] 4点(2008-02-10 22:14:12) |
66. 嗚呼!!花の応援団(1976)
大人気漫画の「花の応援団」の映画化とあって、当時劇場へ足を運びました。そこは、ふだんポルノ映画を上映している劇場でした。まだケツの青いガキだった私は、映画館に張ってあるポスターや予告編(ポルノ!)に赤面したり興奮したり、場違いなところに足を踏み入れた気がしておろおろしました。上映中の館内は熱気ムンムンの満員で、たいへんなヒット作ぶりでした。肝心の映画はと言えば、なかなか原作に忠実な仕上がりで、期待を大きく裏切ることなく、そこそこの満足感がありました。時代が立って、忘れ去られるタイプの映画だと思いますが、ブームの波に実にうまく乗った成功作品だったと思います。 [映画館(邦画)] 5点(2008-02-10 21:49:00) |
67. 処刑遊戯
これにて映画の遊戯シリーズは完結。といっても、三部作というほどの一貫性は希薄で、松田優作で三つ作っちゃいましたってノリです。前二作のコメディ色が排除され、本作はハードボイルドに徹しているのが特徴です。アクションシーンでは実験的手法に挑戦し、いっちょやってやろうじゃん、という気概が伺われ好感が持てます。低予算ゆえの宿命か、チープな味わいがありますが、かえってレトロな感じがして良いと思います。 [DVD(邦画)] 5点(2008-02-10 08:32:18) |
68. デリンジャー(1973)
ギャング映画の金字塔ですね。本物のデリンジャーに風貌の似ているウォーレン・オーツが主役に抜擢され、見事に演じきりました。他の俳優陣も素晴らしいです。史実を巧みにエンターテインメントにした秀逸なシナリオ、哀愁溢れる音楽と、美しい撮影。どれをとっても、一級品のレベルと思います。暴力描写すら実に小気味よいタッチで「死に様の美学」を十分に見せてくれます。拳銃、マシンガンの銃弾の嵐が好きな方々、これこそが知られざる埋もれた名作です。DVD化が望まれますね。追記; 2012年にDVD化されました! [映画館(字幕)] 10点(2008-01-26 12:38:40) |
69. 殺人遊戯
とにかく作りが荒いです。ま、それを言っちゃ、おしまいってところもありますが。緊張感の乏しい銃撃戦や、しっかり見せきらないベッドシーンなど、不完全燃焼部分が多々あります。しかし、松田優作の魅力は出ているし、他の役者陣の顔ぶれを見るだけでも楽しいところがあります。目くじら立てず、DVDやビデオなら、鑑賞してもOKってところです。 [DVD(邦画)] 5点(2008-01-26 09:16:36) |
70. Tommy/トミー
公開当時、劇場で鑑賞しました。私の当時の感想は、音楽は◎、映像は○、ストーリーは△、総合的には、期待度をやや下回るものでした。多分、歴史的名作になるのではないか、という強烈な期待感があったからだと思います。70年代のロックが再評価されている今、この映画は貴重な映像記録だと思います。未見の方は、良い音響環境で、ぜひどうぞ。「ピンボールの魔術師」が最高! [映画館(字幕)] 7点(2008-01-14 08:53:33) |
71. おかしなレディ・キラー
《ネタバレ》 「ウォーレン・ベイティがストッカード・チャニングの遺産目当てに結婚したいのだが、自身の離婚が成立していないので、悪党仲間のジャック・ニコルソンがとりあえず彼女と結婚して、、、」、といった内容のコメディだった。しかし、コメディと言うにはお粗末な出来で、笑うに笑えないしょぼい映画。禁酒法の頃の時代考証など、それなりに金をかけ、「卒業」のマイク・ニコルズが監督したにも関わらず、である。その昔、たまたま当たった試写会を見に行ったのだが、時間を無駄にしたと思うほどではないが、見て得した気分にはちっともならなかった。埋もれた珍作。 [試写会(字幕)] 3点(2008-01-14 08:39:33) |
72. 怒りの日(1975)
《ネタバレ》 「、、、の日」とくれば、暗殺映画のタイトルです。妻と娘をイギリス軍に殺された元IRAの戦士が復讐を誓い、イギリス女王陛下をねらいます。この映画の着想は、暗殺決行の場面に、イギリス国会の実写フィルムを使用することにありました。その瞬間、エリザベス女王(ご本人)が演説を中断し、議会がどよめくではないですか。一見の価値のある作品と思いますが、作品としてのクオリティはそれほど高くありません。「夜の大捜査線」の見事な演技でアカデミー賞を受賞したロッド・スタイガーですが、残念なことに、本作を魅力あるものにするべきオーラがちょっと欠けています。 [試写会(字幕)] 5点(2008-01-10 22:20:50) |
73. キラー・エリート(1975)
《ネタバレ》 公開当時劇場で鑑賞。ペキンパー監督で、ジェームズ・カーン、ロバート・デュバルときて、サスペンスなのだから、どんな名作になるやと大変な期待をもって見たが、こんな超ド級の裏切られ方をされようとは。腰が砕けましたよ、ほんと。どうしちまったんだペキンパー? 話はつまらない、テンポは悪い、おまけに忍者ですよ、ニンジャ。どこか私に不理解、見落としがあったりして、正当評価できていないのではないかと思い、その後テレビで見て、さらにビデオで見たが、やっぱり面白くないぞ! イングラムを連射しながらスローモーションで果てるボー・ホプキンスに、合掌。でもVHSを中古で手に入れてしまいました。DVD出たら買います。なぜ自分がこういう映画にお金を使うのか、もう自分でも分かりません。 [映画館(字幕)] 4点(2008-01-05 00:39:45)(良:1票) |
74. 砂漠の流れ者
《ネタバレ》 「砂漠の定住者」の物語でしたね。主人公が何を目指しているのかが私には最後まで不明でした。土地に根ざしたいのか、復讐を遂げたいのか、新天地を目指したいのか。そう思って見ていたら、仇敵はひょっこり現れるわ、自動車が現れるわ、さあこれからと言うときにあっさりと終わるわ、びっくり仰天の連続でした。ちょっとコミカルなタッチの異色ペキンパー映画です。 [DVD(字幕)] 5点(2008-01-05 00:25:50) |
75. 最も危険な遊戯
この頃の邦画って、ほんと、作りが荒いと思います。しかし、強引な展開ながらも、松田優作の若さで、最後まで引っ張っていく勢いはあっぱれです。冒頭の麻雀のシーンが印象に残っています。 [DVD(邦画)] 5点(2007-12-31 09:47:00) |
76. かもめのジョナサン
《ネタバレ》 原作はベストセラー。私、読みました。映画も、ニール・ダイアモンドの主題曲もヒットしました。ただ、見終わった後では、なんじゃこりゃ、という感じでした。ジョナサンがより早く飛ぶために修行する前半はごきげんでしたが、後半は観念的になりすぎて、ストーリーが迷走。ブームに便乗して即席に作った感が否めない作品です。ま、カモメの映像は綺麗なものがあり、これをゆったりした気持ちで見るのは悪いことではないです。 [試写会(字幕)] 5点(2007-12-28 01:42:17) |
77. 地獄の逃避行
《ネタバレ》 キットがなぜホリーに惹かれたのか不明。そしてキットがなぜ連続殺人を犯すような人間になったのかも不明。そこを描く意図は、もともとなかったのだろうが、見ていて不満感があった。また、ホリーの独白は、描写不足を補うために挿入されている感じがして、効果的とは思えなかった。この頃の映画は、犯罪を絡めたストーリーで、バッド・エンドに終わるものが結構好まれたと思うが、本作は出来映えとして一枚か二枚落ちると思う。 [DVD(字幕)] 4点(2007-12-28 01:25:52) |
78. エロス+虐殺
《ネタバレ》 難解にして実に手強い作品。細川俊之演じる大杉栄は社会運動家。岡田茉莉子演じる伊藤野枝は女性解放運動家。二人は1923年、関東大震災後まもなく憲兵に連れ去られ、惨殺される(甘粕事件)。この歴史的事実を核に、二人を巡る人間の愛憎を描いている。良い点;(1)撮影。モノクロ作品だが、光の使い方、構図、どのシーンもまるでスチール写真であるかのように、考えられ、作り込まれている。これが吉田喜重作品が高く評価される一つの理由だと思う。(2)細川俊之の存在感。彼の演技が、作品を一本筋の通ったものとしている。悪い点;(1)二重構造。現代の若者が過去を検証する形で話が展開する。ねらったものだろうが、これが奇異にして珍妙。現代編を無くし、大杉・伊藤にエピソードを絞り、描くべきだった。(2)タイトルに偽りあり;秀逸なタイトルだと思うが、エロスも虐殺もしっかり描かれていないので肩すかしを食らう。大杉・伊藤の情事すら描写無し。関東大震災、連行・取り調べも映像はなく、実に消化不良だ。総じて、観念的セリフの飛び交う前衛的舞台劇を映画で見せられた感じで、監督の意図がまことに伝わりづらい。3時間半にわたるロングバージョンの鑑賞には多大なエネルギーが必要だった。 [DVD(邦画)] 4点(2007-12-22 14:28:14) |
79. 続・猿の惑星
《ネタバレ》 まったくもってダメダメな続編なのだが、それなりのインパクトがあり、印象には残るという不思議な作品だ。チャールトン・ヘストンが前作に引き続き出演してくれたことで、一貫性が保たれ、大いに救われている。ダメさ加減の責任は主に監督のテッド・ポストにあると思うのだが。それにしても、このロー・コストにして手抜きバッド・エンドは、二度と同じ手は使えぬ空前絶後の一発芸といえよう。 [地上波(吹替)] 6点(2007-12-04 02:46:15)(良:1票) |
80. カッコーの巣の上で
ニコルソンの演技にやられました。 邦題の意味がわからず、長年疑問に思っていましたが、エピソード・小ネタ情報で判明し、合点がいきました。どうもありがとう。 [映画館(字幕)] 7点(2007-11-08 00:40:16) |