801. 殺人の追憶
ネタバレ 見始めるともう目が離せなくなり、あっという間の130分だった。実際の未解決事件を基にしているため、勝手に犯人を作り出すわけには行かないが、逆に逮捕されていない恐怖を強調したラストにゾクッ。少女の言葉に集約されるが「普通の顔」…なるほど(これは人によっては狙いすぎと感じるだろうけど)。改めてポン・ジュノは凄い監督だな。 [DVD(字幕)] 8点(2011-10-08 13:30:24) |
802. もしも昨日が選べたら
ネタバレ 「もしも昨日が選べたら(こうなる)」じゃなくて「もしも昨日が選べたら(いいのにな~)」ってことか。誤解を招きそうな邦題…。それはともかく内容としては、まずコメディとしてしっかり笑える。その上で切なくなったり、感動したりということで非常に良かった。作風は違うが、いわば21世紀版「素晴らしき哉、人生」にめぐり合えた喜びを感じている。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-10-07 17:12:43) |
803. 銀河鉄道の夜(1985)
アニメでテンポが悪いときつい。独特の世界観は悪くないけれど、物語が大きく動き出すまで30分超。ようやくかと思ったら、そこからまたダラダラと…。あァ… 自分がせっかちな性分だと今さら気付いた。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-10-06 18:00:44) |
804. 座頭市物語
座頭市って意外と紳士的なんだな~。勝新だからか、もっとやんちゃなイメージを持っていたけど、情に厚く、争いは好まない。女、子供には優しいし、剣の腕を自慢したりもしない。それでいて盲目を逆手にとって丁半で儲けるあたり、面白い存在だ。その市と戦うことになる平手造酒も魅力ある人物。勝新太郎と天知茂のかっこ良さにしびれた一本。面白かった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-05 19:31:09) |
805. 男はつらいよ
ネタバレ 下品な言動でお見合いをぶち壊しておいて、今度は逆ギレで妹に手を上げる…。はじめは寅さんってこんなにひどい男だったのね…と思いながら見ていたが、だんだんこの人を好きになっていく自分がいた。冬子に婚約者がいると知って落ち込む寅次郎を見てたら、もうかわいそうでかわいそうで…。うん、男はつらいよ。さすがに長く続くことになるシリーズの第一作目だけあって、素晴らしい出来だった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-10-04 21:20:47) |
806. 赤線地帯
ネタバレ 誰しも好きで娼婦になった訳じゃない。かといって売春防止法が通れば生きていけない。高度経済成長? もはや戦後ではない? 「子供のミルクひとつ買えないで何が文化国家よ!」 時代が変わりゆく中でもがく女たちの様々なドラマを派手に飾ることなく描く。誰が主人公という訳でもないが、京マチ子、若尾文子、木暮実千代ら有名女優を抑えて、しづ子がすべてを持っていった印象…。あのラストシーンは強烈な一撃だった。 [DVD(邦画)] 7点(2011-10-04 21:16:24)(良:1票) |
807. パコと魔法の絵本
映像に驚かされた100分間。邦画も何でもできる時代になったようだ。しかし、泣かせようと頑張っている感じのストーリーに関しては特に魅力的には思わず。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-09-30 18:32:41) |
808. デルス・ウザーラ
ネタバレ これは第一部と第二部に分かれていて、第一部ではアルセーニエフ、デルス、二人の出会いから、大自然の厳しさや、それを知恵と努力で乗り越えていく様が描かれる。そして、しばしの別れ。第二部で二人は再会するも、デルスは視力の衰えに直面し、山を離れる決意をする。しかし、街では生きていけないデルス。再び山に戻るが、皮肉な事に…。ってな話。いや~良かった。黒澤映画はモノクロ→カラーの分かれ目で「赤ひげ」がひとつの区切りではあるんだけど、カラー時代にもこんな素晴らしい映画を撮っていたのか。一人の猟師の人生を通して、人間が文明社会の中で失ったものを思い出させるようだ。そしてなんといっても二人の友情。「カピタン(隊長)!」「デルス!」… 別れのシーンは特に感動的。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-28 18:08:54) |
809. 特攻野郎Aチーム THE MOVIE
<TV版未見>派手にやってはいるけど、面白いとは思わなかった。戦車が落ちていく場面などはCGの悪い面が出た感じ。それから吹き替え版を選んでおけば良かったかな~、と後悔している。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-09-27 18:30:13) |
810. キック・アス
ネタバレ 痛快。とても面白かったが、R-15指定の意味もよく分かった。少女が何の躊躇もなく、軽快に、そして惨たらしく大人を殺していくのは恐ろしい。洗脳という言葉も出てきた通り、それは本当に自分の意思なのかい…と思っちゃう。組織への恨みから、娘を殺人マシーンにように育てたビッグ・ダディはやはり異常者。復讐は自分だけでやりゃーいいのに。続編も作られるようなので、ミンディをどういう方向に持って行くか見守りたいところ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-26 17:34:36) |
811. テキサスの五人の仲間
ネタバレ 自分から入っていったギャンブル中毒の旦那はともかく、完全に巻き込まれた形の奥さんには同情してしまった。どんでん返しについては加点もしないし減点もしない。驚かされた反面、しらけた面もある。とにかくポーカーが面白かった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-26 17:32:10) |
812. ジャッカルの日
ジャッカル、ルベル、双方のキャラが立っていたという事だろうか、「追い詰められていく」「追い詰めていく」、どちら目線で見ればいいか迷ってしまったが、とにかく見応えがあって面白かった。満足、満足。杖にもなる銃、ほしいな~。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-25 18:02:38) |
813. イエロー・ハンカチーフ
ネタバレ 思ったより忠実なリメイクだったが、オリジナルで武田鉄也が演じた役に当たるゴーディが若干危ない人っぽくなっている。ゴーディは軽いとはいえない悩みを抱えているし、性格も明るくは無い。盛り上げ役を欠いた結果、オリジナルより静かで、スマートな映画になったという印象。ウィリアム・ハートは高倉健のような渋さは無いが、役から考えると悪くない出来。悩みを抱える者同士が旅を通してそれぞれ良い方向に進めたということで、爽やかな映画ではあった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-24 15:31:53) |
814. 抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
ネタバレ 初ロベール・ブレッソン。脱獄ものだが、穴を掘るのではなく、ドアを解体していく…。地味な感じがするが、これがリアルというものか。ジョストを信じるか、殺すか、というフォンテーヌの迷いにもドキドキさせられた。少し中だるみしているのが残念だが、いよいよ脱獄決行となってからは圧巻。見事だと思ったのは歩哨を殺す場面。襲いかかった後、カメラをあえてそちらに移さない。数秒なのだが直接見る事ができず、待たされていると、その間、不安な気持ちが一気に増幅される。こういうところ、上手いな~と思う。ラストも余韻を残す素晴らしいものだ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-23 00:00:21) |
815. この森で、天使はバスを降りた
ネタバレ すごく雰囲気がいい映画で、途中までは傑作に出会えた気がしてたのに、終盤のトンデモ展開にはびっくりした。実話なのだとしたら受け入れざるを得ないが、やはりフィクションらしいので、これを得意げに書いた脚本家がいるかと思うと寒気までしてくる。某証券会社の昔のCMで「人は未来を予測する時、最良と最悪の出来事ばかり思い出してしまう」「滅多に起こらない出来事は、滅多に起こらないのに」というフレーズを目にしたが、この脚本を書いた人は強引だと言われようと何だろうと、どうしても最悪の結末にしたかったようだ。それで泣かせようたって、そうはいかん。あの「コンテスト」も本当に合法なのかどうか気になるところ…。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-21 00:16:52)(良:1票) |
816. 幸福の黄色いハンカチ
山田洋次監督で、高倉健、倍賞千恵子コンビ+武田鉄也といえば「遥かなる山の呼び声」があるが、「遥かなる~」の方が高倉健の使い方としては正しい気がする。こちら「幸福の黄色いハンカチ」の高倉健は欽也から「女々しい」と説教されるくらい煮え切らないところがあって魅力は劣る。欽也もいけ好かない奴だが、だからといって車に乗せてもらっている立場で、態度がでかいのも何か違う気がするし。まぁ、何だかんだでハンカチには感動させられたんだけども。倍賞千恵子の幸薄女役は本当に上手いな~。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-20 20:31:38) |
817. 泥の河
原作者にとっても監督にとっても1950年代は少年時代に当たるが、懐古ではなく貧困の悲しみを描いている。そして少年が好むと好まざるとにかかわらず世の中の影の一部分を知り、成長していくという事だろうか。何ともいえない余韻を残す…。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-20 20:30:17) |
818. L・B・ジョーンズの解放
ネタバレ ウィリアム・ワイラー監督の遺作。ある黒人夫婦の離婚問題…、妻の浮気相手である白人警官が裁判沙汰になる事を恐れ、二人に圧力をかけていく。スリルな展開もあり、退屈せず観られる一本。オーマン弁護士は味方になってくれるかどうか最後まで分からなかったが、恐ろしい結果になってしまった。後味は悪いが、この後味の悪さこそ人種差別の愚かさを表しているのだろうか。これはこれでしっかり受け止めなきゃいけないと感じた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-18 23:00:21) |
819. 禁じられた遊び(1952)
ネタバレ ブリジット・フォセーの演技が神がかり的で涙腺を刺激してくる。「遊び」については少し難しい。考える余地を残したような感じ。最後、ポレットはミシェルと引き離されたことで、急に孤独感に襲われ、死の意味について感じ取ったような、悲しい表情を見せる。改めて戦争は惨い。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-17 14:02:15) |
820. パラレルライフ
この映画を見て思ったのは映画監督や脚本家のつらさ。既存の映画とは違いを出さなきゃならない、しかし新しいものを生み出すのはそう簡単じゃない。ならば組み合わせて…というような、変な例えだけど「肉じゃが」と「焼きそば」を混ぜて、「新しいメニューが完成した」と言っているかのような、つまり「パラレルライフ(平行理論)」だけでも十分面白くなるはずなのに、他の要素を複雑に絡ませて、逆に損してるんじゃないかと…。この複雑さが楽しい人もいるだろうが、自分は混乱してしまい、驚きどころ?でもあまり驚けなかった。残念…。しかし、俳優陣の演技、映像等は高いレベルにあると思う。5点で。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-09-14 19:01:22) |