821. ラスベガスをやっつけろ
《ネタバレ》 簡単に言えば、ドラッグでブッ飛んだおっさん二人が騒動を巻き起こしていく映画です。とにかく、終始イカれているので合わないなと感じた人は途中で観るのを止めた方が良いと思います(私自身は嫌いではないですが・・・)。 何というか、60年代後半から70年代にかけてアメリカという国に発生した病のようなものを映し出した映画という印象を受けました。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-06-23 16:59:04) |
822. サルバドールの朝
《ネタバレ》 重苦しいストーリーを淡々と描いておりやや地味な映画ではありますが、独裁政権により「合法的に」残酷な手法で殺された青年がいたという事実を映像作品として後世に残す事は非常に意義のあることだと思います。 [DVD(吹替)] 7点(2008-06-21 23:00:10) |
823. 大理石の男
《ネタバレ》 しかし、社会主義政権の時代にこのようなプロパガンダの裏側を描いた映画を作るとは・・・・・。人間を人間扱いせず、人間であろうとする人間を排除しようとする国家権力の姿は見ていて滑稽ですらありました。 現代(といっても30年以上前ですが)の女子学生が「作られた英雄」の末路を追うという設定は、予備知識があまり無い者が見てもわかりやすく、165分という上映時間も決して長く感じられませんでした。 ただ、バックに流れる音楽がなんか安っぽいB級映画みたいでちょっと酷かったですね・・・・。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-21 22:39:07) |
824. キャル
《ネタバレ》 北アイルランドの民族・宗教的対立の根深さに改めて愕然とさせられますね。ヘレン・ミレンも、プロテスタント系の夫と結婚したカトリック系女性の複雑な心情を上手く表現できていたと思います。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-19 19:44:09) |
825. Z
《ネタバレ》 「正義が勝てない」社会の恐ろしさを描いている映画ですね。途中までは、J・L・トランティニャン演じる予審判事が権力の陰謀を痛快なまでに暴き立てる政治サスペンスなのですが、予審判事が要人を告訴してからラストに至る展開こそがこの映画が伝えたい事であると言っても良い位重いです・・・・・。 最後の締めくくりの素晴らしさ、格好良さは特筆に値します(やや、プロパガンダ映画的ではありますが)。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-19 19:41:45) |
826. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 「なりたい自分」と「実際の自分」との葛藤、仕事や物欲等々様々なしがらみに支配されながらも中々断ち切れないもどかしさ、あらゆるものから解放されたいという衝動・・・・。現代人なら恐らく誰もが多かれ少なかれ心の中に抱えている問題を鮮やかに描き出していますね。 また、現代の物欲にまみれた資本主義、消費社会を批判するとともに、その行く末がどうなっていくのかをもやや戯画的に描いていて興味深かったです。 ラストは、何というか破滅的な美しさとピクシーズの曲が見事にハマっていて素晴らしいですね。 [DVD(吹替)] 7点(2008-06-17 11:34:01) |
827. ガスパール/君と過ごした季節
《ネタバレ》 南仏の美しい風景・ミシェル・ルグランの素晴らしい音楽に、いきなり姥捨てのシーンからスタートする等実は結構シビアな話なんですけれどもユーモラスな雰囲気が相まって心暖まる世界を作り出しています。 ラストのガスパールの姿には「男だねえ!」と声をかけてあげたくなりましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-13 18:20:01) |
828. 天国の本屋~恋火
《ネタバレ》 非常に勿体無い作品ですね。ベストセラー小説が原作で、キャスティングも良く、映像・音楽も美しい(クライマックスの花火とピアノ演奏のコラボは見事でした)・・・・なのに何でこんなにイマイチ感が漂ってしまうんでしょうか。 2つの異なる作品(シリーズは同じではありますが)をドッキングさせてストーリーを展開させているのでアンバランスな感じを受けましたし、多くのエピソードを短い時間で表現しようとしているためどうしてもダイジェスト的になってしまい、せっかくのキャスティングの良さが生かされていないんですよね・・・・。原田芳雄と新井浩文のコンビなんかもっと旨味を引き出せると思いますし、香川照之なんてあれじゃただの変人ですよ。まあ、竹内結子の魅力は存分に味わえますけど。 改めて言います「本当に勿体無い」 [地上波(邦画)] 6点(2008-06-12 18:51:23) |
829. FUCK ファック(2005)
《ネタバレ》 いわゆる「4letter words」について、かなり真面目に議論しているんですがこれがかなり面白いんですよね・・・・・。やはり、「言ってはいけない」と言われると無性に言いたくなってしまうのが人間ですから。 まあ、逆に言うと人間の欲望に大いに訴える魅惑(?)の言葉だからこそ、抑圧されているとも言えますね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-11 19:44:37) |
830. モンド
《ネタバレ》 詩的な絵本のようなシンプルな作品ではありますが、人の温かさや美しい景色、音楽が本当に心地よく非常に心が癒される映画でした。 観ていて、モンド少年は「あらゆるものを受け入れることのできる寛容さ」の象徴であるように感じました。それだけに、終盤の展開なんかは現代社会の不寛容さを批判しているようにも取れますね。 [ビデオ(字幕)] 8点(2008-06-10 19:18:13) |
831. ワン・デイ・イン・ヨーロッパ
《ネタバレ》 なかなかニュースやドキュメンタリーなどではお目にかかれない等身大のヨーロッパの姿を見ることができて非常に興味深く、楽しめる作品でした。4つのエピソード全てが良くできていて、旅行気分を味わえました。 フットボール好きは勿論のことそうでない人でも十分楽しめる作品です。(しかし、UEFAカップでなくCL決勝がガラタサライとデポルティボというのも渋いですね。) [映画館(字幕)] 8点(2008-06-10 17:33:53) |
832. サンダカン八番娼館 望郷
《ネタバレ》 こういう、汚点として「無かった」ことにされがちな歴史的な事実を記録として残すだけでも大いに意義があると思います。 しかし、演技を全く感じさせない田中絹代の演技は凄いですね。栗原小巻が完全に食われています。高橋洋子も、異国の娼館という過酷な状況で変貌していく少女の姿を見事に演じています。 ラストは非常にやるせなさを感じてしまいました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-07 22:56:03) |
833. スクラップ・ヘブン
《ネタバレ》 この映画の世界観は、大好きな長谷川和彦の「太陽を盗んだ男」(大傑作!)と共通するものがあって非常に面白かったです。この21世紀の世にこのようなアナーキーで骨太な作品を作り出した李監督には拍手を送りたいです。 平凡で「糞のような」人生を変えたいと願う男が行動に移す、確かに人生は変わっていき、その変化を楽しめるうちはいいけれども、徐々に「一体自分はどうしたいんだ?」という疑問に捉われてしまい、「世界を一瞬で消す」という破滅思考に陥ってしまう・・・・・・。 結局、オダギリ・ジョーの言うように「想像力」が足りないんですよね、人生や社会を変えるとどうなるのか・・・・・。 おそらく「世界を一瞬で消す方法」の「世界」とは、いわゆる「世界」ではなく自分自身とその意識の中にある「世界」のことなんだと思います。オダギリと栗山千明が消すことができた(と思われる)「世界」を、結局消すことが出来なかった主人公の虚無感が非常に胸に突き刺さってきました。 [地上波(邦画)] 8点(2008-06-04 10:11:59) |
834. ゼブラーマン
《ネタバレ》 あらすじだけ見ると非常にワクワクしてくるような設定なんですが、ちょっとグダグダ感が漂っていて、ちょっと残念でした。 何というか、全体的に中途半端なんですよね、もっと突き抜けた部分があっても良いかとおもったんですけど・・・・。 [地上波(邦画)] 5点(2008-06-03 19:04:08) |
835. アフタースクール
《ネタバレ》 前作もそうですが内田監督の映画って難解なパズルが解けたときのようなスッキリ感を与えてくれるんですよね。全部見終わってから脳内で作品を理解していく作業に移るという感じで、鑑賞中ははっきり言って監督の手のひらの上で泳がされている状態になってます(何度作品を脳内リピートしたことか)。でも、それが全然苦痛にならないんですよね、思い返すたびに新たな発見があるのでそこでまたスッキリな気分を味わえますから。 ストーリーを追うというよりは内田監督の発想力(ストーリーの構成等)と自分の想像力を戦わせるつもりで観るとより楽しめるのではないでしょうか。そして、思いっきり叩きのめされて下さいw [映画館(邦画)] 8点(2008-06-02 19:37:43) |
836. イラク -狼の谷-
《ネタバレ》 作品自体は、反アメリカ視点の勧善懲悪B級アクション映画なのですが、映画のところどころにイラク(とその周辺国)の国内事情やアメリカのイラク政策の問題点などが散りばめられており非常に興味深かったです(なぜ、悪の独裁者フセインから解放された筈のイラクが今もなお平和とは程遠い状況にあるのかが良くわかります)。 [DVD(吹替)] 7点(2008-05-31 23:43:39) |
837. おろしや国酔夢譚
《ネタバレ》 映画としての出来不出来はともかく、大黒屋光太夫という人物に非常に興味を持たせてくれる作品でした。映像的にもエカテリーナ2世時代のロシア帝国の栄華やロシアの過酷な冬の様子がリアルに伝わってきており非常に見ごたえがありました。 [DVD(邦画)] 8点(2008-05-31 23:42:48) |
838. 赤毛
《ネタバレ》 ユーモラスな雰囲気、独特のリズムとテンポの見事さで観客を映画の世界に引きずりこんでおいて、骨太なメッセージをガツンと食らわす岡本喜八監督の手法はお見事としか言いようがありません。キャスティングも非常に素晴らしく、三船敏郎は勿論のことニヒルな高橋悦史や岸田森の演技が印象的でした。 まあ、政権がどんなに変わろうとも権力というものの本質はそう変わることは無いということなんでしょうね・・・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2008-05-30 18:44:46) |
839. 海を飛ぶ夢
暗く重いテーマを扱ってはいますが、全体的にほんのりと暖かく、そして美しい映像に惹きこまれました。「生きること」は義務なのか、それとも権利なのか・・・・非常に考えさせられる映画でした。 [地上波(字幕)] 8点(2008-05-29 12:39:55) |
840. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 ファンタジックだけれども暗く、グロテスクなのは、不安や恐怖が入り混じっているからなんでしょうね・・・・・。非常に哀しい「大人のための童話」という印象を受けました。 第二次世界大戦の真っ只中で、内戦は終結したものの政情不安定であった当時のスペインの雰囲気が上手くこのダークファンタジーとマッチしていて非常に印象深い映画でした。 ラストについては、個人的には決してバッドエンドでは無いと思います。オフェリアは自ら選択し試練を乗り越え、その結果王国に戻れたことを確認できたわけですから・・・・。 [DVD(吹替)] 8点(2008-05-21 18:59:13) |