881. 星に願いを。
《ネタバレ》 美しい函館の風景と竹内結子以外特筆すべきものがない凡作でした。何というか、それ以外のストーリー展開や設定とか全体的に投げやりな感じを受けてしまいました。特に、天からのメッセージが流れるシーンはちょっと雰囲気をぶち壊してましたね(低予算のテレビドラマじゃないんだから・・・・)。 竹内結子が好きな方であれば、彼女の魅力をたっぷり堪能できると思いますが、そうでなければ、別の作品に時間を費やした方が良いかと思います・・・・。 [地上波(邦画)] 5点(2008-02-18 19:28:49) |
882. しとやかな獣
《ネタバレ》 人間の欲深い醜悪な部分を、あるトンデモ家族を通して描いたブラックコメディの傑作です。 とにかく、登場人物が皆しょうも無い悪党ばかりで、もう滑稽すぎて笑うしかないです。 その中でも、伊藤雄之助と山岡久乃夫婦のすっとぼけたやり取りが最高にシュールで素晴らし過ぎます。 ラストも破滅を直接的に見せることなく、表情や雨に濡れるカバン等で表現していて巧さを感じましたね。 まあ昨今の「昭和ブーム」に乗って「三丁目の夕日」なんぞ観ながら、「ああ、あの時代は皆貧しかったけれども希望があったんだな!あの美しい夕日はその象徴だ!」なんてノスタルジーに浸ってしまった方に是非、この作品に出てくる夕日の破滅的な美しさを観てもらいたいですね。(誤解の無いように言うと、私は三丁目の夕日は2作とも金払って映画館で観ましたし、好きな作品です。) [DVD(邦画)] 8点(2008-02-18 19:26:36) |
883. 台風クラブ
《ネタバレ》 誰が言ったのかは忘れましたが「考えるな!感じろ!」という台詞がピタリと合う映画ですね。まあ、内容を言葉で説明するのが非常に難しいです。 急激な成長期を迎えている中学生なら誰しも持っているであろう激しい衝動のようなものを、台風とともにアヴァンギャルドに描いています。(しかし、「オカリナは朝吹くもののなんです」のシーンは何だったんでしょう?) ハチャメチャなんだけれども、不思議な魅力を持っている作品でした。 [DVD(邦画)] 7点(2008-02-18 19:25:30) |
884. キムチを売る女
《ネタバレ》 非常にアートな映画です。とにかく、整然とした構図や色彩等が緻密に構築されていて映像に全く隙が無く本当に素晴らしいです。 ロケーションもまるでこの世の果て(見たことはありませんが)のような荒涼とした雰囲気を醸し出していて非常に惹きこまれましたね。 内容的には、音楽やセリフも少なく非常にシンプルではありますが、我々の想像力を大いに刺激してくるものになっています。 個人的には主人公にああいうラディカルな行動をとらせない方が良かったように思いますが、素晴らしい作品であることには間違いありません。 チャン・リュル監督は今後も注目していきたいです。 [DVD(字幕)] 8点(2008-02-15 19:16:25) |
885. コマンダンテ
《ネタバレ》 アメリカでは上映禁止になったようですが、まあ当然でしょうね・・・。これだけ、敵国の親分を魅力的に映し出しているんですから。ただ、人間的な魅力だけでなく、オリバー・ストーンの直球勝負的な質問の投げかけのあしらい方などを見ていると非常にしたたかさも感じられましたね。 アメリカとキューバの関係の裏話的なものも聞けて非常に興味深い作品でしたね。大国アメリカと対峙する小国であるキューバでなぜ50年近くも革命政権を維持し続けることが出来たのか、ほんの少しですが理解できたような気がしました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-15 19:13:07) |
886. さらば愛しき大地
《ネタバレ》 非常に生々しい人間ドラマでしたね。まあ、素晴らしい作品であることは間違いありませんが、あまりにもリアルなタッチ(覚醒剤を打つシーンまでリアルです)で描かれているので、見ていてちょっと身につまされるものがありましたね。 出演者たちが本当に素晴らしかったですね。根津甚八演じる主人公なんて本当にいそうですし。あと、秋吉久美子の茨城弁が非常に自然な感じだったので調べてみたら、福島のいわき育ちなんですね・・・納得です。 [DVD(邦画)] 8点(2008-02-12 18:22:24) |
887. 魚からダイオキシン!!
《ネタバレ》 前半は内田裕也の都知事選挑戦のドキュメンタリー、後半は1979年の「餌食」のリメイクとなっています。相変わらず内田裕也のロケンロールな姿は格好良すぎますね。 ただ都知事選のドキュメンタリーは非常に面白かったんですが、後半のリメイクがちょっといマイチでしたね・・・・。やはり「餌食」のあのラストを見てしまうと、このリメイク版はどうしても霞んでしまいます。あと、音楽については1979年だからこそレゲエの衝撃や「アイドルズ」へのアンチテーゼが説得力を持つのであって、この作品のクルド音楽と「アイドルズ」の設定はやや無理があるような気がします。 まあ、当時の旬の人たちが多数出てきて非常に懐かしかったですね・・・(長渕似の男には笑ってしまいました)。 [ビデオ(邦画)] 6点(2008-02-08 18:10:27) |
888. 絶対の愛
《ネタバレ》 しかしまあ、挑発的で意地の悪い作品ですね。「美容整形」を取り上げ、「絶対の愛」とは何かを問いかける極めてありがちなテーマの作品なのですが、キムギドクはそこにホラー・サスペンス・ブラックユーモアの要素を交え、その卓越した映像センスで仕上げることにより「並じゃない」映画を作り上げています。 本当にキムギドクのセンスは凄いですね。特にお面のシーンなんかは本当に巧いなと思いましたね。一歩間違えれば「トンデモ映画」になってしまうところですが・・・・・。 この作品に出てくる男女は徹底的に滑稽に描かれています。これは「姿形で愛を得ようとするなんて滑稽なことだ」ということなのか、はたまた「愛を捜し求めること、さらには愛自体が実は滑稽なものだ」ということなのか・・・・いろいろと考えさせられます。 [DVD(字幕)] 8点(2008-02-06 12:15:57) |
889. 砂と霧の家
《ネタバレ》 ストーリー展開の巧さ、ベン・キングスレーをはじめとする出演者達の素晴らしい演技、美しい映像と良く出来ている映画です。ただし、非常に後味の悪い作品でした。 内容については、ドライで利己主義的な他民族国家であるアメリカならではの物語であるなと感じましたね(日本もだんだんこういう風になっていってしまうのでしょうか・・・・・)。また、あのアホの保安官はまさにアメリカを象徴するような人物でしたね。 個人的には、やはり役所のミスで不幸にも競売になったのだから、大佐は役所から購入金額と諸費用(改築費や引越し費用等)を受取り、家を元の所有者に返すべきだと思うんですけどね。まあ、イランで偉い人だっただけに面子を保ちたかったんでしょうが・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2008-02-04 18:38:12) |
890. ペルセポリス
《ネタバレ》 自分の国に自由は無く、自由なはずの外国には居場所が無い・・・・。非常にジレンマを抱えながら生きているイラン人の女性の姿をユーモアを交えながらモノクロでスタイリッシュなアニメーションで描いている作品です。 イラン革命以降のイランの生々しくリアルな社会状況を描いていて非常に興味深かったです(特にイスラム圏の女性の姿は文字とおりベールに包まれている訳ですから・・・・)。 [映画館(字幕)] 8点(2008-02-03 00:32:19) |
891. 天然コケッコー
《ネタバレ》 非常に心地よい時間を過ごせる映画でした。美しくどこか懐かしい自然の風景に癒されましたね。 夏帆をはじめとしてキャストも素晴らしかったです。しかし、山下監督は日常のリアルな空気を映し出すのが本当に巧いですね。 [DVD(邦画)] 8点(2008-02-03 00:00:58) |
892. さくら隊散る
《ネタバレ》 原子爆弾投下がいかに非人道的な行為であったかを痛感させられるドキュメンタリーでした。原爆症に苦しめられ死んでいく隊員達の姿の再現シーンはあまりにも悲惨で強烈な印象が残りました。特に園井恵子については「無法松の一生」を見たばかりなのでその死は衝撃的でした。 [DVD(邦画)] 8点(2008-02-02 23:45:09) |
893. 無法松の一生(1943)
《ネタバレ》 三船版に引き続き阪妻版を観ました。キャスティングについては阪妻版を観てしまうと、正直三船版は霞んでしまいます(もう松五郎は阪東妻三郎、吉岡夫人は園井恵子の印象しか残っていません)。ただ、惜しむらくは検閲等でフィルムがズタズタにされているので、映画としての完成度では私は三船版の方が上だと思います。 今後、この作品を観ようと考えられている方は三船版と阪妻版を両方観る事をお勧めします。 [DVD(邦画)] 8点(2008-02-02 23:04:08) |
894. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 「人種問題」という非常にデリケートなテーマを、ファンタジーの要素を交えながら練りに練られたほとんど無駄の無い脚本と幻想的な映像で描いた良作です。 無知や無理解からくる他民族に対する恐れや不安に対する過剰反応、社会的に抑圧された弱い人間が更に弱い(と判断した)人間を叩いてしまう構図等、結局差別を引き起こしているものは、人間の持つ弱さなんでしょうね(まあ、権力がそういった足の引っ張り合いを利用している部分もあるのでしょうが)。 この映画は、人種問題について「同じ人間同士なんだから絶対に分かり合える」といった理想論を伝えようとしているわけではなく、差別を引き起こす人間の様々な弱い部分をストレートに描写し伝えることによってこの厄介な問題についてもう一度冷静に考え直すきっかけを観ている我々に与えてくれているのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 8点(2008-02-02 22:38:58) |
895. 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
《ネタバレ》 宇野重吉・太地喜和子・岡田嘉子といった名優たちの演技を堪能できる作品です。特に岡田嘉子は自身の「恋の逃避行」を思わせるような意味深な台詞があったりして面白かったですね。 ただ、ストーリーに金銭の絡むシリアスな詐欺話がからんでいるのが個人的にはちょっとダメですね・・・。やはり、「男はつらいよ」にシビアな金銭や法律の話は合わないですよ。 [DVD(邦画)] 7点(2008-01-31 18:36:28) |
896. 無法松の一生(1958)
《ネタバレ》 無償の愛を、今見ても全く色あせていない美しい映像(特に松五郎が行き倒れる間際の映像の素晴らしさはまさに日本の美という感じで非常に印象的でした)で描いた哀しくも素晴らしい映画でした。 松五郎の粗野でありながら純粋な姿は本当に心を打ちますね。 [DVD(邦画)] 8点(2008-01-31 18:19:54) |
897. オリヲン座からの招待状
《ネタバレ》 ストーリーを追うというよりは、時代の雰囲気を味わう映画という感じですね。その中で、宮沢りえの不思議な存在感が非常に光っていました。 しかしまあ、原田芳雄も普通に老け役を演じる年になってしまったんですね・・・・・。 [映画館(邦画)] 7点(2008-01-29 18:18:25) |
898. 普通の人々
《ネタバレ》 「普通の人々」というタイトル通り、まさに誰もが向かい合っているであろう「家族関係」について描いているので非常に見入ってしまいました。また、カウンセリングのシーンも結構心に響くものがありましたね(ずっと後の作品ではありますが、「グッド・ウィル・ハンティング」を思い出してしまいました。)。やはり家族といえども他人な訳ですから、(いろいろな面での)限界を受け入れながらやっていかなければならないんだなと感じましたね。 [地上波(吹替)] 8点(2008-01-29 12:41:24) |
899. 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ
《ネタバレ》 まあ、『柴又慕情』の続編ということもあって、ややインパクトは弱いです。宮口精二の存在感・演技が見事なので1点プラスです。 [地上波(邦画)] 7点(2008-01-28 12:59:11) |
900. 大阪物語(1999)
《ネタバレ》 大阪と池脇千鶴のイメージビデオとして見れば良く出来ていると思います。特に大阪の街の描写は、良くテレビドラマ等で見られるような変なデフォルメも無く、実際の大阪の雰囲気を上手く伝えていると感じました。 ただ、観終わった後印象に残ったのが大阪の街の風景と池脇千鶴とミヤコ蝶々だけでしたから、ストーリー自体はちょっとインパクトが弱いですね。 [地上波(邦画)] 7点(2008-01-28 12:38:03) |