81. ゲームの規則
侯爵夫妻の元に集まった飛行家を初めとする客人たち、そして侯爵に仕える従者たちの入り組んだ人間関係と恋愛劇、それが衣装によって人違いになるところなどまさにボーマルシェの「フィガロの結婚」だ。といっても私は原作を読んだことはなく、モーツァルトのオペラで知っているだけのことなのだが・・・。原作は上流社会批判の風刺が痛烈に込められているのだが、この映画は果たしてどうであろうか。モーツァルトの歌劇では美しい音楽と歌で楽しめるのだが、映画はドタバタがひどすぎるように思う。それに動物愛護協会からクレームが出そうな狩りのシーンもあるし、コメディとして笑える結末でもないし・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2014-07-17 20:50:14) |
82. ニノチカ
コチコチ頭の女性軍曹のニノチカにまずびっくり、レオンと会って大笑いをするのにまたびっくり、そしてその後の変わりっぷりにまたまたびっくりさせられた。ストーリーもおもしろく資本主義国では良い映画だろう。だけどソ連では上映禁止になるのももっともだ。映画はお互いの国の良さを認め合うものであってほしい。 [DVD(字幕)] 5点(2014-06-22 07:15:28) |
83. 罪と罰(1935)
「罪と罰」を読んだのは学生の頃だから、もう何十年も前。記憶があやしくなっているのは仕方ないことだが、どうもイメージが違う。(主人公は貧乏な苦学生とばかり思っていたし、心の葛藤部分が多く映画にするのは難しいと感じていた)ロシア文学ということにこだわらなければ見られるのかも。 [DVD(字幕)] 5点(2014-04-29 16:59:40) |
84. チャンプ(1931)
フランコ・ゼフィレッリのチャンプが良かったので、こちらも見たがいまいち。オリジナルの良さが見出せなかったし、チャンプという人間もあまり好きになれない。子役もこっちの方がちょっとませている。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-15 15:27:11) |
85. マタ・ハリ(1931)
有名なグレタ・ガルボの「マタ・ハリ」だが、私にはのんびりしすぎてどうも好きになれなかった。スパイ映画というより、ロマンス映画に近いかも・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2012-03-24 15:19:01) |
86. 勝利の朝
「女優志願」のオリジナルということで見たが、映像が古いせいもありあまり好きになれなかった。スーザン・ストラスバーグの方がかわいいし、カラーのリメイク版の方が良かったと思ったのは、私だけではないらしい。 映画の終盤になって、これは舞台劇なのだと改めて実感する。ならばもっと舞台劇らしく撮った方が良かったのではないかと思う。そうすれば、昼にはしぼむ花(朝顔)のようにというのが、もっと生きてくるのではなかろうか。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-27 20:26:20) |
87. 駅馬車(1939)
昔見たときはおもしろい映画だと思ったが、今見るとつまらないし、首をかしげることが多々ある。 まずは、アパッチ=悪と決めてかかっているところ、なぜジェロニモが駅馬車を襲うのかがわからないし、この映画では単に暴れ回っているとしか描かれていない。 次に、脱獄囚が決闘を目的にやってくるのに周りが止めないし、容認している。殺し合いこそ悪であるはずなのに。 その他、命令一つで駅馬車の護衛を放棄するし、アパッチは鉄砲の対して弓で対抗するし、ラストは安易だし・・・。 前半の、駅馬車に乗り合わせた客たちの人間模様はおもしろいのだが・・・。(特に酒飲みの医者) [映画館(字幕)] 5点(2011-10-15 07:02:07)(良:1票) |
88. ピグマリオン
《ネタバレ》 見るとすぐわかるが、何から何まで「マイ・フェア・レディ」と同じ筋書きであり、登場人物も同じである。そして例の「the rain in spain stays mainly in the plain」も出てくる。 違うのは、配役とカラーがないこと、ミュージカルでないことだろう。(アスコットもない) 「マイ・フェア・レディ」と比べたら見劣りするのは仕方がない。華やかな衣装も素晴らしい歌もないし、主役が何と言ってもヘプバーンのように魅力的でないからだ。 したがってこの映画はミュージカルが嫌いな人と原作を追求する人のみの推薦である。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-20 17:38:23) |
89. 無敵艦隊
英国の貴公子ローレンス・オリヴィエと世紀の美女ヴィヴィアン・リーを結びつけた曰く因縁付きの映画である。主役はもちろん英国女王エリザベス1世であるが、この二人は女王陛下の前だろうと人目をはばからず抱き合いキスをする。どこまでが演技でどこからが不倫の恋かはわからないが・・・。 もとの映画は92分だったらしいが、フィルムの劣化のためビデオやDVDでは短く編集され、私の持っているものでは84分しかない。そのためかどうかわからないが、話がどんどん省略され、特に後半はあっけない。 フローラ・ロブソンのエリザベスは格調が高く威厳に満ちている。一度見たら忘れることができない顔である。それと「あるスペインの婦人がイギリスの紳士に求愛しました」という歌詞で始まる歌も、とても印象的。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-12 21:26:48) |
90. 赤ちゃん教育
《ネタバレ》 映画そのものは好きではないが、スクリューボール・コメディという時代の流れに沿ったものだから、否定はしない。むしろグラントやキャサリン他、役柄をよくこなしていると思う。私も見終わった後疲れてしまい、お互いご苦労様と言いたくなった。 ところで、この問題となる動物は赤ちゃんのペットと動物園から脱走した凶暴なのと2頭もいたとは驚き。それと一見ハッピーエンドで終わるようなラストシーンも、苦労して築き上げた模型が崩れ落ちるのを見て、これからもデヴィットは大変だろうなとご同情申し上げたい。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-04 14:55:16) |
91. うたかたの戀(1936)
原作がどのように書かれているのか知るよしもないが、映画ではオーストリア皇太子と令嬢の悲恋として描きたかったのかもしれない。しかし、周囲から見るとスキャンダルな事件としか受け取られないだろう。事実原作の元になった事件も、様々な諸説や隠蔽があり、真相は明らかではない。 映画のダニエル・ダリューは若くとても美しい。しかし皇太子ルドルフは、王室育ちのせいかどうしても好きになれないばかりか、二人の愛にも切実なものが感じられない。 ただ王室の華やかさはよく描かれており、J・シュトラウス、モーツァルト、チャイコフスキー、ウェーバーら有名な作曲家の数々の曲が聴けるのはすばらしい。 [DVD(字幕)] 5点(2011-04-24 22:49:33) |
92. アメリカの悲劇
セオドア・ドライサーの小説で1951年制作の「陽のあたる場所」より先に映画化された作品。原作と同名の「アメリカの悲劇」となっている映画なのだが、どこがアメリカの悲劇なのかこの映画では分かりづらい。これでは米国資本主義の悲劇を描いた原作者が怒るのも無理はないだろう。物語の中心となる主人公と女性二人も後年の映画と比べて魅力がない。ただ、裁判シーンは迫力がある。 [DVD(字幕)] 4点(2017-11-10 17:09:00) |
93. 暗殺者の家
うーむ、確かにおもしろくない。知りすぎていた男とは雲泥の差。 [DVD(字幕)] 4点(2015-04-05 07:12:32) |
94. 西部戦線異状なし(1930)
死にに行くための戦争が断片的に延々と続く。死ぬのが一瞬の者もいれば、足を切断され苦しみながら死ぬ者もいる。映画は戦争のそういった現実を描いていて、当時としてはかなり貴重なものだったろう。なおDVDでの上映時間は発売年によってまちまちだが、おおむね130分前後である。 [DVD(字幕)] 4点(2012-11-12 19:17:40) |
95. バルカン超特急(1938)
《ネタバレ》 どこが良いのかよくわからない映画。ご都合主義というか、ヒッチコックらしくない。ミセス・フロイ失踪の謎解きあたりまではおもしろかったが、その後は列車もストーリーもあらぬ方向へ、まるで米国西部劇のような撃ち合いとなる。安物のスパイ映画になってしまったのが惜しまれる。 暗号のメロディも結局何だったのかわからずじまい。 [ビデオ(字幕)] 4点(2011-05-25 13:52:30) |
96. モロッコ
日本初のトーキー映画ということで、評判が高いがそれだけのことで、内容がどうなのかが問題だろう。男は浮気好きの遊び人であり、女は薬物中毒(原作)の歌手兼娼婦、まったく好きになれないタイプである。しかも男女とも煙草をふかしまくって格好だけをつけるのも見苦しい。またそれがどうして惹かれ合うようになるのかも、心理描写が乏しい。 問題のラストシーンだが、サソリが多く過酷な砂漠の中を何の準備もせず素足で歩くなどとは非現実的。それに朝の間は気持ちよいが、日中は砂が高熱になってしまう。 [DVD(字幕)] 3点(2011-07-07 20:36:22)(笑:1票) |