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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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981.  スカイライン-征服- 《ネタバレ》 
ハリウッドデビューを果たし、乗りに乗っている友人が高層ビルの自室でパーティーを開催するというのでロスへとやって来たジャロット。妊娠している恋人らと酔い潰れてそこで眠っていたら、突然、凶悪な宇宙人が襲来!容赦なく地球を征服しようという宇宙人と人間たちとの、種の存亡を賭けた世界規模の攻防が開始されたのだった!という壮大な設定なのに、何故かずっとその高層ビルの一室のみでお話が展開されるという、「どうだ!これがB級パニックSF映画だ!」と高らかに宣言するかのようなB級パニックSF映画。いやー、なんなんですか、このいったい何がしたいのかよく分からない頭の悪い宇宙人は。人間の脳を集めて何故か泥人形(?)へと移植して、案の定、簡単に反乱されちゃってるし。対する主人公たちもずっと部屋のなかに閉じこもって窓から外を覗いてるだけという薄っぺらさ。そして最後は「すんません!頑張ったんですけど、話を纏めきれませんでしたー!」と言わんばかりのやっつけ感MAXなオチ。は、ははは…。映画を観終わってこんなにも失笑してしまったのは久し振りです。でもまあ、ここまで徹底的にお馬鹿なストーリーをここまで真面目に映像化した、社会の無駄だと言われかねないスタッフたちのお馬鹿な情熱に敬意を表して5点。
[DVD(字幕)] 5点(2015-04-25 06:42:58)
982.  きっと ここが帰る場所 《ネタバレ》 
かつて栄華を誇った、ショーン・ペン演じるロックスター・シャイアン。だが、若いころの自堕落な生活がたたってか、いまや精神的に不安定なしょぼくれたジジイとなってしまった。ある日、彼の元に30年間音信不通だった父親が死去したという知らせが届く。単身、葬儀に参列するためにアメリカへと向かったシャイアンは、そこで父のアウシュビッツでの秘められた過去を知り、そのまま父の無念を晴らすためにナチ残党を捜す行き当たりばったりな旅へと出ることに。いかにも天才肌で変わり者のそんな主人公の、目的は高尚なのに実際はゆるーい一人旅をユーモラスに描いたへんてこなロードムービー。こういう「どうだい?このユーモアとペーソスとシリアスが不思議に入り混じったセンス溢れる世界観はなかなか新しいでしょ」と観客にことさらひけらかすような映画って(確かに多少はセンスあることは認めますけど!)あんまり好きじゃないです!ホロコーストの扱い方もこれじゃ実際の被害者の方に失礼なんじゃないかと思いました。でもまあ、ショーン・ペンの今までのキャリアとは掛け離れた演技をいまだアグレッシブに追及するその姿勢には好感が持てたけどね。実際、彼にはこういう趣味があるんじゃないかとさえ思っちゃいました(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2015-04-25 06:40:51)
983.  ボディ・ハント 《ネタバレ》 
かつて娘による両親惨殺事件が起きた屋敷の隣に位置しているため割安で手に入れることが出来た郊外の新居に、母親と共に越してきた女子高生エリッサ。当然、隣家は無人だと思い込んでいたら、実はそこには唯一生き残った犯人の兄ライアンが独りで暮らしていることを知る。最初は当然のように警戒心を露わにするエリッサだったが、ふとしたきっかけでミステリアスな影を背負う彼に次第に心惹かれていく。だが、彼は地下室に誰にも言えない暗い秘密を抱えていたのだった。という、おれ好みのごりごりのサイコサスペンスだとけっこう期待して観始めたのだけど、何故か途中からティーンエイジャーの青臭いラブストーリーがだらだらと続き、ようやくサスペンス展開に戻ったと思ったら、いまいち盛り上がらないままラストを迎えてしまいました。うーん、全く違うジャンルのテーマを一本の映画として融合させようと頑張ったのは分かるのだけど、あんまり成功してないかなー。結局、サイコサスペンスなのか青春ラブストーリーなのか、どっちつかずのなんとも中途半端な映画となってしまいました。残念っす。それにクライマックスも、もろ「羊たちの沈黙(劣化版)」だったし。あと、あの木の幹がどうしても顔に見えなかったんですけど、それっておれだけ?!
[DVD(字幕)] 4点(2015-04-25 06:38:31)
984.  ボーダー・ラン 《ネタバレ》 
シャロン・ストーン演じるテレビ局の女性キャスター、ソフィー。メキシコ国境地帯で劣悪な環境下におかれる不法移民の支援活動を行う弟と連絡が取れなくなった彼女は、単身現地へと向かう。そこでソフィーは、密入国と麻薬取引を巡る非情な現実へと容赦なく巻き込まれてゆくという社会派サスペンス作品。なんだけど、いやぁー、とにかく稚拙。映画としての最低限の水準をぎりぎり保っている程度の作品でありました。ソフィーさん、決死の覚悟で弟を捜しにここまで来てるんだろ~、イケメンと酒飲んでチークダンス踊ってキスしてるヒマあるんだったらとっとと出発しろっつーの!それに、後半のいかにもお涙頂戴な薄っぺらいストーリー展開にも苦笑するしかなかったです。それにしても、シャロン・ストーン…。これ、老けたってレベルじゃないでしょー。一時代を築いた希代のセックスシンボルもいまや昔、あの頃の光り輝いていた華やかさはものの見事に枯れ果て、学生時代のバイト先によく居た嫌味なパートのおばちゃんくらいにしか見えなくなってしまいました(泣)。いったいシャロンに何があったのでしょーか?途中で、ちょっぴり彼女のおっぱいが見えますが、こんなに女性のおっぱいを見て、「い、いまさら……」と思ってしまったのは恐らく初めてっす…(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2015-04-25 06:33:55)
985.  ドリームハウス 《ネタバレ》 
出版社を円満退職し、新たに手に入れた郊外のマイハウスで、かけがえのない家族と共に幸せを満喫しながら執筆活動にいそしむウィル・エイテンテン氏(変な名前!)。しかしそこは過去に、気の狂った父親による一家惨殺事件が起きたいわく付きの物件だった。精神病院を退院した犯人と思しき謎の人物によって、エイテンテン氏のそんな幸せな家庭は音を立てて瓦解してゆく。最初はよくあるドメスティックスリラーなんだろーなと思って観ていたら、中盤、あっと驚くどんでん返しが待ち受けておりました。最近、ほんとにこの手の設定の映画が多いけれど、今回もやっぱり見事に騙されちゃいました。びっくり!冒頭の幸せ家族描写がクドイくらいに延々と続いた訳もそれで納得(あと変な名前のこともね)。それにしても、なんて切なくて哀しいお話なんでしょー。最後、燃え上がる〝ドリームハウス〟のなかに飛び込んで、所詮は〇〇に過ぎない家族なのにそれでも別れを告げざるを得なかったダニエル・クレイグの哀切な表情がいつまでも忘れられない。
[DVD(字幕)] 7点(2015-04-25 06:31:43)(良:1票)
986.  リンカーン/秘密の書 《ネタバレ》 
誰もが知るアメリカ大統領リンカーンが、実はヴァンパイアハンターだった!という、同時期に公開されたスピルバーグの超真面目な伝記映画に真っ向から喧嘩を売るような、ベクマンベトフらしい荒唐無稽なお馬鹿映画(間違って観た人、ご愁傷様です笑)。毎回毎回、観終わるころには確実にIQが2~3%は下がりそうなこの監督のお馬鹿な世界観には、いくらそんな映画が嫌いじゃない僕でもやっぱり付いていけないっす!味も情緒もへったくれもなく、ひたすらゴリゴリの力技のみで押し切るアクションシーンの連続に、もうゲンナリ。それに、ここまでリンカーンの生涯を追ったのなら、彼の最期である暗殺の真相にも触れとかなきゃ駄目でしょー。結局、リンカーンを殺したのはヴァンパイアだったの?その部分が描かれてないから、なんとも締まりの悪いラストになっちゃってるし。確かに、相変わらず全編に横溢するなんだかよく分からないテンションの高さは認めるけど、さすがにこれではねー。観終わって、今回もやっぱりIQが2~3%下がった気がします(笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2015-04-25 06:27:13)
987.  キック・アス 《ネタバレ》 
前に、「スーパー!」っていう映画を観終わって本サイトを覗いてみたらやたらとこの映画のことが引き合いに出されていて、気になってずっと借りたいと思っていたのだけど、いくら探しても近所のビデオ屋さんには置いてなくて、この度たまたま立ち寄ったツタヤで偶然発見。ツタヤだけといううたい文句に「なんだよ、ツタヤ限定だったのかよー。そりゃゲオでいくら探したってないはずだよー」とちょっぴり不貞腐れながら鑑賞。うん、正義と独善の差をシニカルに取り上げた「スーパー!」と違い、こちらは何処までもオタクで童貞の冴えないティーンエイジャーの妄想力爆発のエンタメ作品でした。こういう馬鹿馬鹿しい映画って昔からけっこう好きなのだけど、ちょっとおれの好みとはずれてるかなー。もっとハチャメチャしてくれても良かったと思うのだけど、ビックダディ&ヒットガールに比べて肝心の主人公のキックアスがおとなしすぎるのがおれには物足りなかったです。それでも、紫頭にアイマスク姿で屈強な男どもを次から次へと薙ぎ倒すヒットガールのポップでキュートな可愛さには、ちょっぴりロリコンの気があるおれとしては完全にノックアウトされちゃいました。ヤバい、可愛すぎるって、ヒットガール!あぁー、おれもヒットガールちゃんに無茶苦茶にされたい!!ということで+2点(笑)。スピンオフで、彼女を主人公に一本映画を撮って欲しいなー。ってもう彼女は成長してしまってるから無理なんだろうけど。そんな女の子の成長の速さが、ロリコンとしては辛いところっす(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2015-04-25 06:24:32)(良:1票)
988.  MUD -マッド- 《ネタバレ》 
怖がらなくていい、俺の名前はマッド。この川の中州で何をしているかだって?人を待っているのさ。違う違う、男じゃない。俺のガールフレンド、ジュニパーさ。そう、彼女は最高に良い女なのさ――。森と川に囲まれたアーカンソーの田舎町。貧しい家庭に育つ14歳の少年エリスは、ある日、川の中洲に隠れ住む怪しげな男、マッドと出会う。別居騒動に揺れる両親から逃れるように、エリスは大の親友ネックと共に、怪しげな魅力を放つ彼の元へと足しげく通うことになる。やがて、彼の本当の目的を知ったエリスは、そんなマッドの恋焦がれる相手であるジュニパーが町のモーテルに泊まっていることを知るのだった。二人の恋の駆け引きの連絡役となるエリス。だが、彼は次第に男と女の複雑な心の機微に打ちのめされてゆくことに。やがて、彼が警察やマフィアから追われる身であることも明らかとなり、エリスは更なる現実の理不尽さに翻弄されてゆく…。豊かな自然に恵まれたアメリカ南部の田舎町を舞台に、思春期を迎えたばかりの多感な少年と愛する女性を一途に追い求める孤独な男との交流を丹念に描いた青春物語。最近、何かと大活躍のM・マコノヒーが主演ということで、殆ど予備知識もないままにこの度鑑賞してみたのだけど、うーん、はっきり言って僕には本作の魅力がさっぱり分かりませんでした。取り敢えず、監督の過去の作品を調べてみて納得。なるほど、世間ではけっこう高評価なものの僕にはただ単純につまらない映画だとしか思えなかった「テイクシェルター」の監督だったのですね。「テイク~」よりは格段に観易くなったとは言え、この人の映画ってやっぱり僕の感性とは対極に位置するのか、僕は今作においても良い観客となることが出来なかったようです。何が合わないかって、まず第一にこのマッドという男の女性に対するストーカーまがいの独り善がりな愛情表現でしょう。男を振り廻すビッチな女に翻弄され、中州でただひたすら彼女が来るのを待つ男…。僕には、ただ愚かで気持ち悪いとしか思えません。第二に、その〝蛇〟やら〝手造りで船を造る〟というあからさまな宗教的メタファーの扱い方。最後までなんだか妙に鼻について仕方ありませんでした。これはもう相性の問題なのでしょうが、世間でどれだけ高評価されようと僕は断固としてこれは「つまらない映画だった」と言わせてもらいます。
[DVD(字幕)] 4点(2015-03-28 20:42:19)(良:1票)
989.  サラの鍵 《ネタバレ》 
1942年、ナチス占領下のフランス、パリ。ヒットラーによるユダヤ人狩りが猛威を奮い始めていた。家族と共に、これから幸せな人生を送ると信じて疑わない無垢な少女サラもそんな歴史の荒波へと巻き込まれてしまう。突然、家へと押し入ってきたフランス警察によって連行されそうになったサラは、機転を利かせて幼い弟を納戸に隠すのだが、奇しくもそれが悲劇へと繋がってしまうのだった――。そんなサラの哀しい人生と現代を生きる女性ジャーナリストの姿を交互に描いた哀切なヒューマンドラマでした。とにかくサラを演じた子役の演技が素晴らしく、理不尽な現実に翻弄されながらも弟のために必死にパリへと戻ろうとする彼女のひたむきな姿に涙せずにはいられません。極限状況に追い込まれ全く頼りにならない周りの大人たちを尻目に、サラは共に逃げ出した少女の助けもあってなんとかパリの元自分の部屋へと辿り着きます。だが、大事に守り続けてきた鍵を使って開いたドアの向こうには…。惜しむらくは、ここでこの作品がピークを迎えてしまったこと。そこから物語の焦点がぼやけてしまったのか、散漫な展開となってしまった面は否めない。後半、もっと罪悪感から鬱とアルコール依存で苦しむサラの姿をちゃんと描くべきだったと思う。それでもそれを補って余りある、茫漠とした歴史の闇に消えざるをえなかったサラの哀しい人生には深く胸打たれました。あの時代、暗黒のヨーロッパ大陸で、こんな子供たちが果たして何人いたのだろう。観終わったあと、ナチスがいかに人間として許されないことをしたかをあらためて思い起こさせてくれる秀作であったと思います。これから新たな時代を生きていく、彼女と同じ名前をつけられた幼い少女サラには、決してこんな哀しい人生を歩ませてはいけない。
[DVD(字幕)] 8点(2015-02-14 10:03:43)
990.  セッションズ 《ネタバレ》 
僕が裸になるとき、たとえば着替えや入浴の介助を受けるとき、周りの人はいつも服を着ていた。それがいま、裸の君と一緒にベッドにいるのが僕は本当に不思議なんだ――。マーク・オブライエン、38歳、子供のころに患ったポリオが原因で全身に麻痺という障害が残ったものの、電動ストレッチャーで大学に通い、今では詩人兼ジャーナリストとして立派に生計を立てている。とはいえ、彼は一日の大半をベッドの上で過ごし、ヘルパーの介助なしでは外出することも出来ず、一人では食べることはおろか排泄の処理をすることも出来ない、そしてもちろん「童貞」。そんな彼がヘルパーの若い女の子に失恋したことをきっかけに、とある決心をするのだった。それは「死ぬまでに、人間として一度でいいから誰かとセックスしたい!」。障害者仲間のつてを伝って、セックス・セラピストをしている人妻シェリルとコンタクトを取るマーク。彼女との計6回のセッションを通じて、彼は初めて人間としての喜びを全身で味わうのだった…。重度の障害を抱える実在の詩人が著した体験記を基に、障害者と性という極めて重いテーマを終始ほのぼのとした軽妙なタッチで描いたヒューマン・ドラマ。こういう主題を扱うのって、結局「障害者だって一人の人間なんだ」という誰も反論しづらい説教じみたお話になるか変に露悪的になりがちで極めてリスクの高い選択だと思うのだけど、本作ではそんなリスクを監督の絶妙のユーモア感覚で飄々と取り払い、素直に笑って泣けて主人公マークの「童貞卒業」を心から応援したくなる人間ドラマの佳品へと仕上がっておりました。「神も君なら許してくれるだろう」と仕方なく応援してくれる神父さんや、無表情に淡々と手助けしてくれる中国人の女性ヘルパー、そして何より深い愛情でもってマークとセックスしようとするセラピスト…、そんな個性豊かな魅力に満ちた登場人物たちも物語を優しく彩っています。そして本作が何より優れているのは、〝障害者と性〟という問題から出発しながら、次第に〝性欲と恋愛〟という人間本来の普遍的なテーマへと見事に昇華させたところでしょう。セックスから始まる恋愛、恋愛の過程で交わるセックス、いずれにせよ互いの身体を必要とし合うことで自分の価値を確認したいと願う男と女…。軽妙でありながら、人間のコミュニケーションのあり様を優しい目線でもって見つめた良品。お薦め。
[DVD(字幕)] 7点(2015-02-11 18:54:28)(良:2票)
991.  ダークスカイズ 《ネタバレ》 
育ち盛りの二人の子供とまだまだ残る住宅ローンを抱えながら、失業してしまったダニエル。不動産の営業をしている妻の稼ぎで何とか生活している彼とその家族たちに、追い討ちをかけるように不気味な出来事が起こり始める。壁に描かれた謎の模様、夜中にキッチンへと幾何学的に並べられた食品、一斉に無くなってしまう家族写真、さらには愛する二人の息子たちにまで黒い影が忍び寄る…。人智を越えた存在によって、どんどんと追い詰められていくそんな平凡な家族の恐怖を描いた、とっっってもシンプルでベタベタなホラー作品でした。いやー、つまんなかったっすね~、これ。何処かでさんざん見尽くしてきたような既視感満載の怖がらせ映像(たいして怖くないけど)が、まるで切り貼りしたような繋がりの悪い編集で描かれておりました。お口をあんぐり開けた主人公が、突然鼻血をぼとぼと垂れ流すってシーンには思わず失笑です。それに無駄なエピソードも多すぎます!失業中の主人公がようやく採用されたとか、思春期を迎えた長男の淡い初恋とかのエピソードも、最後まで何の意味があったのかいまいちよく分かんなかったし。そして、最後にとうとう姿を現す宇宙人の造形もびっくりするぐらいチープな代物で唖然としちゃいました。どうでもいいけど、女の子とチューして軽く胸を揉んだだけで、思いっ切り童貞のまま宇宙人に連れ去られちゃった長男くんはかなり可哀相だね。最後、通信機から聞こえてくる彼のメッセージは「最後までヤっとけばよかった…」だったりして(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2015-01-23 13:00:04)
992.  コンプライアンス 服従の心理 《ネタバレ》 
「こちらは警察官のダニエルだ。いいか、お宅の若い女性従業員のことで話がある。実は彼女は客の金を盗んだらしい。私がそちらに着くまで、店長の君には協力してもらう。逆らうことは許されない。まずは彼女の服を全て脱がして身体検査するんだ、そう、念入りにな…」。アメリカのとあるハンバーガーショップに掛かってきたそんな一本の電話によって、ある一人の少女が全裸にされ、あまつさえ幾多の男たちによって嬲りものにされたという、実際にあったセクハラ事件。これは、そんな胸糞悪くなるような信じがたい事実を忠実に再現してみせた作品である――。なんだけど、とにかく出てくる登場人物の誰も彼も――被害女性をも含む――が、あまりにも頭悪すぎて最後まで本当にイライラさせられる最低の映画でしたね、これ。ちょっと頭を巡らせて考えればすぐにおかしいと気付きそうなものなのに、どいつもこいつも犯人の言葉を簡単に信じちゃって結局こんな愚かしい事件へと発展してしまった。確かにそれはそれで悲劇ではあると思うのだけど、それをわざわざ映画として再現してみせ、さらには人々からお金を取って不特定多数のお客さんにあらためて見せる必要性ってなんですか?実際に被害に遭った少女にとっても何の得にもならないし、事件があまりにも特殊すぎて自分もこうならないために気を付けようという啓発の意味にもならないし、お馬鹿な人間を笑い飛ばそうというブラックジョークが利いているわけでもないし、ましてや胸を打つ人間ドラマがそこにあるわけでもないし…。誤解を怖れずに言えば、これって男性週刊誌の三文記事のなかの「世界の驚くべき実話」みたいなコーナーで取り上げられているのを読んで「なんてケシカラン事件なんだ!」と息巻きながら、それでもちょっぴり羨ましいと股間をもっこりさせている醜い中年男性の下品な需要に応えた下劣極まりない三流ポルノ映画だと僕は思います。こんな露悪趣味にまみれたくだらない映画を撮って、これで社会問題を告発したと得意になっているだろうこの監督の品性の卑しさに、僕ははっきり言って反吐が出そうです。うん、あらためて言わせてもらおう、これは〝はきちがえた正義感〟を隠れ蓑にして撮られた、極めて趣味の悪い「セカンドレイプ映画」だ、と。
[DVD(字幕)] 1点(2015-01-21 23:59:24)(良:1票)
993.  15歳、アルマの恋愛妄想 《ネタバレ》 
Hなことにとっても興味津々、思春期真っ只中の女の子、アルマ。一人になったらすぐにHな妄想ワールドへと突入し、色んなものを股間へと擦り付けハアハアしちゃう。そんな彼女が、友達のパーティーで前から気になっていた男の子に突然おち〇ちん(何故かでっかくなってる!笑)を突き付けられたからさあ大変。閉鎖的な小さな村の中で〝チンチンアルマ〟というあだ名を付けられるわ、みんなから無視されるわ、お母さんはヒスをおこしちゃうし、これからどうなっちゃうの、あたし?という思春期ラブコメだと思って鑑賞してみたら、まさかの普通の青春ドラマでした。恐らく、ハルストレムの初期作品のような世界をちょっぴりお下品に描いてみたかったという狙いは良いと思うのだけど、主人公アルマにあんまり魅力を感じず僕はいまいち乗り切れませんでした。うーん、こんな女の子居るかな~。これってもろ思春期童貞男子の発想じゃん。思春期女子はもっとうれしはずかし系の妄想に走ると思うんだけど。なんだか、きっと女の子だっておれたちと同じくエロいに違いないというドブロック「もしかしてだけど~」的男目線で描かれた、童貞男子のエロ妄想映画だと僕には思えました。それならそれでもっと無茶苦茶してくれても良かったと思うんだけど、最後まで中途半端に抒情的という、なんともどっちつかずな作品でありました。もしかしてだけど~、もしかしてだけど~、女もオナニーしまくってんじゃないの!そうゆうことだろ!←いや、違うし(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2015-01-12 06:57:00)
994.  死霊のはらわた(2013) 《ネタバレ》 
若き日のサム・ライミがその迸るような才能を全て注ぎ込んで創り上げた、あのスプラッタホラーの新たな礎を築いたと言っても過言ではない伝説のカルトムービーを無謀にもリメイク!どうせ、こんなもんじゃろーという僕の予想を一切裏切らない、前作とは比べるべくもないフツ~~~のホラー映画でしたね(笑)。兄と妹の長年にわたる確執とか、その妹が麻薬中毒でそこから立ち直ろうとする人間ドラマとか、「死霊のはらわた」にそんなんいらんねん!とにかく、主人公たちが復活したゾンビによってぐちょぐちょドロドロに(精神的にも肉体的にも)されるシーンをひたすら描いてくれたら、それでええねん!と、最後まで不満爆発でした。あの一度見たら忘れられない、唯一無二のきったな~い映像で描き出された、あまりにもやり過ぎててホラーなのに何故かそれが笑いにまで昇華されていた、あの前作はやっぱり偉大だなぁとあらためて再確認っす!それに比べて、こちらはただグロ痛いだけで特に記憶に残りそうなシーンも出てこず、中盤で主人公が入れ代わるって設定も意味不明だし、結果として凡庸なよくあるB級ホラーってだけの作品でありました。でもまあ、割り切って観ればB級ホラーとしてそこそこ楽しめるとは思いましゅ。
[DVD(字幕)] 5点(2015-01-07 06:12:09)
995.  愛、アムール 《ネタバレ》 
子供たちも独立し長年仲睦まじく暮らしてきた老夫婦ジョルジュとアンヌ。ところがある日、妻アンヌに不穏な病の兆しが現れる。診断の結果は軽い脳梗塞。だが、簡単に成功するはずだった手術は失敗し、アンヌには半身不随の後遺症が残ることに。失意のうちに妻を自宅へと引き取り献身的に在宅看護する夫ジョルジュだったが、アンヌの病はどんどんと悪化の一途を辿ってゆくのだった――。都会の片隅で次第に追い詰められていく老夫婦の姿を淡々と描いた哀切な人間ドラマ。かつて「ファニー・ゲーム」という、観終わった後に強烈な不快感だけが残り、しかも観客に強烈な不快感を残してやるというこの監督の意図にまんまとハメられたと思うと二重の意味で腹が立つ最低最悪な映画を撮ったミヒャエル・ハネケ監督。もうこいつの映画は二度と観まいと心に誓ったのだけど、一作だけでそう判断するのはフェアではないと思い、カンヌでグランプリを取ったという今作をあらためて鑑賞してみました。舞台は何処にでもあるようなアパートの一室のみ、登場人物もほとんど老夫婦二人のみという挑戦的な演出、そして内容の方も老々介護というとてもじゃないが胸踊るような楽しいテーマとは言いがたい作品なのに、最後まで観客の興味を持続させ2時間強という長い上映時間を淡々と見せ切るところは、悔しいけど彼の才覚を認めざるをえませんね。特に主演俳優2人の真に迫った熱演には素直に圧倒されました。とは言え「ファニー・ゲーム」同様、今回も見れば見るほど気が滅入るような理不尽な現実をひたすら観客の前に提示するという、この監督の(ラース・フォン・トリアーとはまた違ったタイプの)圧倒的な負のエネルギーは確かに凄いとは思うし、その芸術的価値も充分に認めるけれど、やっぱり積極的に次を観たいとは思えません。どうぞご自由にやっててくださいといった感じです(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-03 22:24:20)
996.  ノルウェイの森 《ネタバレ》 
あぁ、やっぱりこうなっちゃうんですよね~。この日本人なら誰もが知ってる世界的ベストセラーで映画化したら一定の興行収入が確実に見込めるはずなのに、日本人映画監督が誰も手を出さなかったのはこうなるのが分かってたからだろうね。村上春樹の、あの気取った主人公とオシャレな会話文は小説のなかだから成立する世界観なのであって、これをそのまま映像化しちゃったら、もう見てられないくらい気取った気持ち悪い主人公になっちゃうという典型的な例。監督は、ベトナム系フランス人らしいからこういう日本語的微妙なニュアンスとかあまり分からなかったんだろうなー。やっぱり、村上作品は映像化に不向きってことが改めて分かりました。それに、「人間は皆、いずれ死ぬために生きている。愛したり愛されたりという人の想いもいつかは記憶という暗い井戸の底で朽ち果てて消滅してしまう。そんな残酷な現実の前に打ち震える恋人たち」という、原作の切ないテーマも巧く映像化できていたとは到底言い難かったです。あと、療養所で主人公が直子に手で抜いてもらう原作でも白眉といえる美しいシーンは、やっぱり原作通り草原のなかで二人で横たわった姿で描いて欲しかった。というわけで、原作ファンとしてはいろいろと不満の残る作品でありました。生きることの切なさから次第に狂気へと捉われるヒロイン、直子を演じた菊池凛子はまさにはまり役でなかなか良かったけどね。
[DVD(字幕)] 4点(2014-12-08 19:52:53)
997.  アメリカン・ハッスル 《ネタバレ》 
でっぷりとしたお腹にざんばらハゲを隠すためのバレバレの一九分けヘアがトレードマークの生粋の詐欺師アーヴィン。彼の仕事上でも私生活でも名実共にパートナーである男にだらしない女イーディス。自分の出世のことしか頭にない自己中心的な俗物FBI捜査官リッチー。鬱からくる情緒不安定でネイルアートだけが生き甲斐の現在別居中のアーヴィンの妻であるロザリン。一癖も二癖もあるそんな彼らの本音と建前、嘘と真実、愛と憎しみが複雑なタペストリーのように絡み合うコメディタッチの社会派ドラマ。このデビット・O・ラッセルって監督、前々から感服しいてたことだけど役者を使うのが実に巧い!!「あんた、何処まで肉体改造したら気が済むねん!」ってくらい今回も役者魂を見せ付けてくれる胡散臭さ爆発なクリスチャン・ベール、絶対に友達になりたくない“ザ・やな奴”を見事に演じたブラッドリー・クーパー、いつおっぱいポロリするか分からないような露出狂ファッションで常に男を振り回すビッチを生々しく演じたエイミー・アダムス、関わり合いになりたくないけど客観的に見る分には面白いイタいお騒がせ女ジェニファー・ローレンス…、他にもほんのチョイ役ながら相変わらず存在感抜群のデ・ニーロやらおバカな市長役のジェレミー・レナーやら、そんな豪華な役者陣が織り成す見事な熱演の数々は見応え充分でした。ただ…、ストーリー的にちょっと弱いかな~と感じたのも事実。実際にあった事件を元にしたからか、いまいちカタルシスに欠けるという印象が拭えない作品でもありました。個人的には、同監督の前作「世界にひとつのプレイブック」の方がドラマティックで好きですね。それにこの監督って良くも悪くも優等生なんですよね~、作品としてもう少しアクの強さみたいなものが僕は欲しかったですかね。それでも、最後まで安定して観ていられるエンタメ映画の佳品に仕上がっていたと思いまーす。
[DVD(字幕)] 6点(2014-11-13 08:44:19)(良:1票)
998.  ペーパーボーイ 真夏の引力 《ネタバレ》 
60年代アメリカ、うだるような暑さが続くマイアミの片田舎で保安官が鉈で殺されるという残虐な事件が起こる。ほどなく、沼地に住みワニの皮を剥いで生活していたヒラリーという粗暴な男が逮捕され、裁判の結果電気イスへと送られることに。そんな無事に解決したはずの事件に疑問を抱いた敏腕新聞記者ウォードは現地へと向かい、真実を求めて取材を開始するのだった――。正義感の強いウォードの相棒ヤードリー、彼の弟でいかにも童貞の青臭い青年ジャック、獄中のヒラリーと手紙を遣り取りし彼と獄中結婚したがっているアバズレの40女シャーロット、そして全てを客観的に見守る黒人メイドのアニタ…、それぞれの視点から事件の真相が炙り出されてゆくなか、彼ら各々の隠された思惑から事態は意外な方向へと向かい始めるのだった。かつて、劣悪な貧困家庭に生きる少女の哀切なドラマをエネルギッシュに描いた「プレシャス」という作品で鮮烈なデビューを飾ったリー・ダニエルズ監督の二作目となる今作、豪華な俳優陣も出演してることだしとけっこう期待して鑑賞してみました。相変わらず猥雑で残酷な現実社会をゴージャスで極彩色な映像で描き出すその手腕は今回も健在でしたね(いま冬だけど、ちょっぴり汗ばんじゃいそうなほど暑苦しかったっす笑)。社会の底辺で、貧困や矛盾から無尽蔵に生まれくる暴力という荒波に押し流されそうになりながらも、必死に踏み止まって生きてゆく人間たちの群像をあくまで黒人的感性でソウルフルに描いた作品としてなかなか見応えありました。ただ、後半テーマがいまいち搾りきれておらず、なんだか散漫な展開となってしまったところがちょっぴり残念でしたけど。それでも、刑務所の面会室でのニコール・キッドマン&ジョン・キューザックのいかにもイヤらし~い遣り取りとか普通に面白かったっす。あと、ずっとニコール・キッドマンのケツばっか目で追いかけてた童貞野郎ジャックの熱い想いには、股間が痛くなるくらい共感できました(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-11-10 17:57:50)
999.  パニッシュメント(2013) 《ネタバレ》 
それはいつものように平凡な一日になるはずだった――。PM2:00、自堕落な母親とまだ生まれたばかりの病弱な赤ん坊と共に暮らしている少年コリーは、とても手が出そうにない高額な赤ん坊の薬を手に入れるため銃を手に薬局へと向かっていた。2:02、違法な荷物ばかりを扱うバイク便の女運転手アレクサは、ギャングに追われていた謎の青年をひょんなことから後ろに乗せて助けてやるのだった。2:01、政府のテロ対策捜査班として相棒と共に任務を遂行中のマーティは、爆弾テロを計画中と思しき容疑者のアジトへと乗り込んでゆくのだった。2:03、元全国ネットのニュースキャスターだったもののいまや落ちぶれてホームレスとなってしまったドークは、同じくホームレスの友人と共にヒマ潰しに警官の銃を盗むのだった。2:04、小さな街で、そんなまったく関係なさそうな人々の物語が、「口の中を噛んだことがある?」と何度も問い掛ける黒人の太った女の子フューによって、とある奇跡へと収斂されてゆく。明らかにデビュー当時のタランティーノの影響を色濃く受けていることが丸分かりの、独特の猥雑な雰囲気が全編に漂う群像劇。なんだけど、残念ながら本家に比べてセンスがあほみたいに不足しているせいで、奇をてらっただけの単なる凡作どまりの出来でしたね、これ。まず、音楽が超ダサい。タランティーノ目指すなら、これは致命的っしょ(笑)。そして小さな街の中で様々な人々のくだらない物語が、最後、キリストの奇跡へと繋がってゆくといういかにも「パルプ・フィクション」な展開も完全に無理ありありで、見事なまでに破綻しております(あははッ笑)。でもね、頑張ってるのは分かるんだよ。全編にわたって、タランティーノを少しでも追い越せるような映画を創りたい!という意欲はビシバシ感じます。ただ、残念なことに監督に才能がなかっただけなんだよね~、残酷なようだけどさ。うーん、まあそんな監督の頑張った感と髭もじゃクリスチャン・スレーターの最近の半端じゃない落ちぶれた感にエールを込めて5点っす!
[DVD(字幕)] 5点(2014-10-01 10:35:24)
1000.  クラウド アトラス 《ネタバレ》 
1849年、太平洋諸島、奴隷商人の青年がひょんなことから一人の迫害された奴隷を助けようとしていた。1936年、ケンブリッジ、同性愛者の青年が高名な老作曲家の指導のもと荘厳な楽曲を書き上げようとしていた。1973年、サンフランシスコ、正義感の強い女性ジャーナリストが原発を巡る醜聞をスクープしようと奮闘していた。2012年、ロンドン、冴えない編集者が借金のせいで悪辣な老人ホームへと監禁されようとしていた。2144年、ネオ・ソウル、クローン人間の少女が自由と愛を求めて立ち上がろうとしていた。崩壊後、106度目の冬、悪魔の幻影に脅かされる男は一人の女性を女神の神殿へと案内しようとしていた。輪廻転生をテーマに、一見、全く関連性のなさそうな6つのお話が同時並行的に描かれる壮大な群像劇。ほとんど予備知識もないままに観始めたのですが、複雑怪奇なそんな世界へと圧倒的な映像美と壮麗な音楽とで観客をぐいぐい引き込む冒頭部分から、「これはもしかしたら凄い映画になるかも!」といやが応にもテンション上がっちゃいました。綿密に考え抜かれて構成されたであろう編集は本当に見事で、3時間という長い作品なのに最後まで退屈させずに一気に見せ切るこの監督たちの手腕は素直に素晴らしいと思います。トム・ハンクスを初めとする実力派の役者陣が織り成す、怪演といってもいいくらいの芸達者ぶりにも楽しませてもらいました。ただね~、ここまで大風呂敷を拡げたお話をどう纏め上げてくれるのだろうとワクワクしながら観ていたら、「え、これで終わり?」というラストを迎えてしまい、ちょっぴり肩透かし感は残念ながら否めなかったですね、これ。最後、クラウド・アトラス六重奏が荘厳に鳴り響き、6つの物語が互いに共鳴しあう、壮大なラストを期待してたんだけどなー。うーん、なんとも竜頭蛇尾。とはいえ、この唯一無二とも言えるスタイリッシュで壮大な世界観には素直に圧倒されました。よって7点!
[DVD(字幕)] 7点(2014-09-01 23:30:19)
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