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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2374
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1061.  魚が出てきた日 《ネタバレ》 
これは『その男ゾルバ』を観たときにも感じましたのですが、監督マイケル・カコヤニスの同胞ギリシャ人に対する眼差しは痛烈なまでに辛辣です。ぶっちゃけて言うと、孤島の欲の皮が突っ張ったギリシャ人たちがパンドラの箱を開けてしまったために世界が滅亡の危機に瀕するというお話しで、最近のギリシャ危機問題のことを考えますと鋭い予言じゃないかと思います。 ブラック・ユーモア仕立てなのでストレートな緊迫感を与える撮り方はしてないですが、昼も夜も狂ったように踊る観光客たちが迫りくる危機のメタファーになっています。この観光客たち、とくに女性たちのファッションと化粧がまた奇抜で、まるでパリからファッションモデルの団体客が押し寄せてきたみたいです。考古学者という役柄のキャンディス・バーゲンもあんなぶっ飛んだファッションで発掘調査に来る学者なんて世界中どこ捜したっていませんよ。この映画はなんとコスチューム担当が監督マイケル・カコヤニスで、それだけあの突飛な衣装には彼の思いがこもっているんでしょうね。それにしてもキャンディス・バーゲン、スタイルはいいのに凄い貧乳なのにはちょっと驚きました。 でも福島原発で苦しんでいる今の日本人には、核物質が海で拡散して魚が死滅して浮いてくるという絵は、ちょっと現実的過ぎてシャレになりません。
[DVD(字幕)] 6点(2015-08-30 00:19:00)
1062.  絞殺魔 《ネタバレ》 
リチャード・フライシャーの実録犯罪もの映画は本作と『10番街の殺人』の二本だが、どちらも怖い。職人監督としてあらゆるジャンルを手掛けた彼だけど、実は犯罪ものがいちばん得意だったんじゃないかな。 前半はスプリット・スクリーンを多用(乱用とも言える)して斬新な撮り方をしていますが、正直あまり効果があったとは思えません。ところが上映時間のほぼ半分あたりでやっとトニー・カーチスが登場してからはスプリット・スクリーンは使われなくなります。そしてヘンリー・フォンダの尋問が始まると前半の小細工感が満載だった撮り方はどこかに吹っ飛んでしまいます。とくにラスト20分、長回しを多用してトニー・カーチスに密着してゆき、カーチスもそれに応えるように彼の生涯一の演技で観る者を引きつけてしまいます。 実際の事件と比べると経過も単純化されアルバート・デサルヴォのことも家庭的な人間として若干美化していますが、事件を再構築して映画化するにはデサルヴォが二重人格だったというのは合理的で最良の脚本だったんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2015-08-28 20:49:09)
1063.  殺し屋ハリー/華麗なる挑戦 《ネタバレ》 
リキテンスタイン風の思いっきりポップなタイトル・ロールと続く“水中墓場”のオープニング・シーンは、この映画がカルトと呼ばれる所以です。そこに被さるTV放映版の藤村俊二のナレーションもいまや伝説となっていますが、残念ながら私は観たことがないので判りません。でも原語版ではリチャード・ハリスのちょっと諧謔味がするモノローグでして、これを藤村俊二にナレーションさせるってのは吹き替え版スタッフのセンスも大したものです。 実はジョン・フランケンハイマーは「この映画は私の生涯で最悪の仕事だった」とインタヴューで語っているんです。たしかに所々に散見されるナンセンス調のギャグ・シーンとフランケンハイマーらしいアクションがなんか上手く融合していない感じも有りますが、この全篇に漂うアンバランスさがいい味になっているんですけどね。脇を固めるのもくせ者俳優ばかりで、とくにブラッドフォード・ディルマン、いつも悪役か卑劣漢ばかり演じているイメージの彼が強烈で、「ウヒヒ」なんて感じで笑う脂ぎった敵ボスなんです。 散りばめられているギャグはナンセンス系で、片腕マシンガールみたいなチャック・コナーズがアタッチメントにガジェットをつけかえて娼婦を脅かすところ(『カジノロワイヤル』でピーター・セラーズがやったギャグのパクりです)や下水道に入ったら捨てられたペットのワニが巨大化してウロウロしているとか、センスが良いのか悪いのか良く判りません(笑)。でもラストのリネン工場での対決は自分には大受けでしたね。周りでハリーとギャングたちが銃撃戦を繰り広げているのに平気な顔で作業している従業員たちが、お昼のベルが鳴ったらこれまた平気な顔して食事に行っちゃうんですからね。 万人向けとは思えませんけど、毛色の変わった映画をお求めの方には超お奨めしたくなります。アクションからミュージカルまでこなした芸達者リチャード・ハリスの、唯一のコメディ(?)演技をご堪能ください。
[ビデオ(字幕)] 7点(2015-08-26 20:54:51)
1064.  エディ・コイルの友人たち 《ネタバレ》 
何と言うか、とてつもなく地味な映画です。ですけどその人間描写はリアルでぐいぐいと引き込まれてしまうところがあります。 ロバート・ミッチャムが演じるエディ・コイルという犯罪組織の末端にうごめく中年男が主人公です。こいつは若造には見栄を張ってでかいこと言うけど、実際には仲間の悪事を当局に売っている情けない男なんです。でも彼は妻子をこよなく愛しゴミ出しまでしてあげる様な人間なので、観ていて切なくなってくるしとても憎めないキャラです。ロバート・ミッチャムはタフガイ役が多かった役者ですが、意外と彼は物静かで弱さが表面に出るようなキャラを演じさせたら上手いんです。『ライアンの娘』なんかも良かったですよね。実はタイトルの『友人たち』というのがまた痛烈な皮肉になっていて、類は友を呼ぶじゃないけど仲間たちもろくでもない連中ばかり、中でもいちばん親しそうなバーテンはライアンが垂れこんでいるのと同じ捜査官に彼のことをチクっている始末です。 冒頭からライアンが銃を調達してやった仲間たちが繰り返す銀行強盗が平行して描かれますが、これがけっこう緊迫したシーンの連続で引き込まれます。同時にライアンたち小物の悪党の生態を見せられるのですけど、この緩急をつけた撮り方が実に巧みです。この頃はピーター・イエーツの技量が円熟期を迎えていたのですが、彼は俳優から演技を引き出すのがほんと上手です。 けっきょくエディ・コイルは自分が犯した凡ミスで組織に疑われてしまい“友人”のバーテンダーに命を取られてしまうんですが、この死にざまもドラマチックな演出はまるでなく「えっ、これが殺しなの?」と言う感じなんです。でもね、このエディ・コイルの生きざま・死にざまを観て身につまされる人は多いんじゃないかと思いますよ。カタルシスは皆無ですが、そんだけリアルな映画だったということです。
[DVD(字幕)] 7点(2015-08-24 23:08:08)
1065.  ゴースト・イン・京都 《ネタバレ》 
珍品映画ながら日本の描写はしごくまとも、東映が協力しているみたいで日本ロケまでしてます。そしてスーザン・ジョージと服部まこという東西セクシー女優の共演ですから、二人ともきちんと脱ぎを見せてくれます。スタッフも手堅い人選で、音楽なんてケン・ソーンですからね。でも肝心の監督が『地獄のモーテル』のケヴィン・コナーだというのが致命的でした(笑)。 まあ突っ込みどころは満載ですけど、いちばん可笑しいのは三人の幽霊たちの意味不明な行動でしょう。不貞を見られて殺された妻と間男、そして自害して果てた武士なのに死後は妙に仲が良い三人組になっているんです。因縁の屋敷に住んだスーザン・ジョージ一家を脅かしていじめるのは判りますけど、ほんとにやりたかったことは彼らにそれぞれがとりついて、かつて自分たちが最期を遂げた事件の再現ドラマを演じることだったと最後に判って驚いてしまいました。後半のほんらい緊迫したシーンのところで、この半透明な幽霊たちが画面をうろうろしているとしか見えない光景も笑っちゃいます。娘を怖がらせる怪奇現象が沢蟹の大群の出現だというのも突っ込むところでしょうけど、その中に二匹だけいる異様にでかい蟹がまるで巨大タランチュラみたいだったのはちょっと不気味でした。 まあB級(かろうじて)ホラーとして観れば愉しく突っ込める作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-08-23 17:44:18)(良:1票)
1066.  地球爆破作戦 《ネタバレ》 
自分は今までTV放映で観たことはなく、と言うよりまったく予備知識もなく観てしまいましたけど、けっこう面白いじゃないですかこの映画は。 確かに本作はいろんな映画に影響を与えていますね、スパコン(?)・コロッサスは『ターミネーター』のスカイネットの原型と言えますし、なにより『フェイズⅣ/戦慄!昆虫パニック』にラストに味合わされる絶望感を含めて良く似ているなと感じました。低予算だったと思いますけど冒頭のコロッサスの全景は良く造りこまれたセットで美術スタッフのセンスを感じます。その後はサインボードに流れる電光メッセージだけで驚異のコンピューター・システムを表現してしまうのですから、製作当時としては素晴らしいアイデアだったと思います。科学者とコンピューターの心理戦も良く練られた脚本だと思いますけど、ちょっとコンピューター君は性格悪すぎ・趣味悪すぎです(笑)。最後にコロッサスが全世界に発するメッセージも、確かに理屈はあっているけどとても普通の人間には耐えられないといった類の理論で、なんかヒトラーが唱えたナチスの人種理論に通じるところがあります。 さすが職人監督ジョセフ・サージェント、いい仕事してます。
[DVD(字幕)] 7点(2015-08-22 19:00:17)
1067.  脱走四万キロ 《ネタバレ》 
バトル・オブ・ブリテンで撃墜されて英軍の捕虜になったフォン・ヴェラ大尉の、まさに“脱走バカ一代記”といったところでしょうか。カナダにまで送られてそこで三度目の脱走に成功しオンタリオ湖を超えて合衆国にまでたどり着き、なんと本国にまで帰還して軍務に復帰したというんだから戦史に残る偉業です。これは当時まだ米国が参戦しておらず中立国だったから可能だったわけで、ドイツの大使館などがその後彼がメキシコやスペインを経由して帰国する手助けをしてくれたおかげでもあります。 映画ではもうフォン・ヴェラ大尉の三度の脱走以外の描写は極力省いていて、おかげで上映時間の四分の三近くが脱走と逃走の描写で占めるというストイックさです。脱走の仕方もいろいろで、トンネルを掘るオーソドックスなところから外出中に警備兵のすきを突いて塀を乗り越えるだけといった人を喰った方法とバラエティに富んでいます。二回目なんてもう少しで戦闘機を盗めるところまでいき、これがほぼ実話と言うんだからまさに“事実は小説よりも奇なり”です。彼がなぜここまで脱走に執着するのかは、そういう演出プランなのかもしれませんが、観る者にはさっぱり伝わってきません。でも演じているのがハーディ・クリューガーだから何となく納得させられちゃいます。こういうバカの次元にまで突き抜けちゃう様な行動をするキャラには、この人はピッタリなんですよね。 帰還後に英軍の尋問官に「俺は賭けに勝った、賞品の煙草をくれ」とだけ書かれた大尉からの葉書が届いてラストですが、これはたぶんフィクションだと思いますけどなんかヴェラ大尉という人物の本質を上手く表現しているのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-08-20 21:26:27)
1068.  サプライズ(2011) 《ネタバレ》 
配給会社の担当者は、この映画のどこを観て『サプライズ』という邦題を思いついたんでしょうかね?、やはりあの殺人マシーン・女ランボーの彼女のことだったんでしょうかね。彼女の口からサバイバル・キャンプのことが語られるのを聞いたときには、あまりのご都合主義な脚本に思わず感心してしまいましたが、良く知らないけどあちらのサバイバル・キャンプって殺し屋教室なんでしょうかね。でも敵があまりにも弱すぎかつ頭悪すぎなんでつまらなかったです。いちおうスプラッター・ホラーの定石を再構築したいという意気込みは認めますけど、種明かしするのがちょっと早かったのも失敗でした。前半の家族兄妹のやり取りをみただけでも犯人フラッグが立っている奴は判りますけど、それがほんとのフラッグでしたという展開はこの手の映画としては珍しく、自分にはこれこそがサプライズでした。 それにしてもあの女ランボー、殺し方がほんとエグ過ぎです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-08-15 22:00:44)(笑:1票)
1069.  暁の7人 《ネタバレ》 
ハイドリッヒ暗殺とその後の報復虐殺事件の悲劇をストレートに映像化し、戦争映画史上に残るダウナー映画として名を残しています。本作と『ジョニーは戦場に行った』および『炎628』が私が選ぶ三大ダウナー戦争映画です。ティモシー・ボトムズはこのうち二本で主演しているというのはある意味凄いですね。 暗殺成功した後の報復を恐れる現地レジスタンスと、命令遂行しか眼中にないまるで青春物語のキャラみたいに脳天気な若い潜入組との対比が面白い。だいたい史実通りなんですけど、暗殺隊員たちのグダグダぶりはイライラさせてくれます。でも妻子持ちをメンバーに選ぶおえらいさん方もたいてい間抜けです。そんな杜撰な計画でも暗殺は成功してしまい、その後にメンバーたちとチェコのリディツ村の住民の悲惨な運命を見せられると、実に暗澹たる気分にさせられます。 映画ではハイドリッヒが全欧のナチ占領地の責任者になることを阻止するのが暗殺を急ぐ理由になっていますが、そんな事実はなくこれはウソです。本当は有能なハイドリッヒが飴と鞭の占領政策で労働者階級を味方につけるような情勢になって来たので、チェコ亡命政府が住民を虐殺される危険を承知のうえで決行した作戦でした。この政治感覚は、ヴェトナム戦争のヴェトコンと相通ずるところがあります。冷戦時なのにプラハでロケさせてもらえたぐらいですから、そこら辺の機微に触れる様な部分は改変せざるを得なかったんでしょうね。
[映画館(字幕)] 6点(2015-08-13 20:54:12)
1070.  大脱出(2013) 《ネタバレ》 
いやはや、還暦を過ぎた二人の元気なお姿を拝見出来るだけでも満足です、と言いきれる人ならこの映画は堪らないんでしょうね。『エクスペンタブルズ』シリーズで顔合わせはしてますけど、タイマンで拳ファイトまで見せてくれるとはちょっと感激ものです。スタローンが頭脳キレまくりというキャラは実に珍しいんだけど、後半になってからの暴れっぷりはシュワちゃんの方に軍配が上がりそうです。でも意識してるのかどうかは判りませんが、シュワちゃんが銃をぶっ放すスタイルは『コマンドー』や『プレデター』のシーンを再現してるみたいで可笑しかったです。シュワちゃんが何者かなんて誰にでも推測がつく様な単純な脚本、でもこの二人を共演させるのに複雑なドラマと言うのはあり得ないことは確かです。でもプロットはなかなか秀逸なんだから、監獄の正体が判ったときのサプライズをもっと盛り上げる脚本の方が良かった気がします。「脱出不可能な洋上の刑務所」というところを強調したパブを展開しちゃってたのは、ちょっとネタばれだったと思いますよ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-08-10 22:40:19)
1071.  デンジャラス・ラン 《ネタバレ》 
もう最近は安定品質のデンゼル・ワシントンですから、安心して観れますね。イイ奴でも悪人でもどっちでもOKなんですから頼もしい俳優ですね。でも製作までこなした本作は、ちょっと脚本でしくじっちゃったみたいです。 すでに皆さまからご指摘の通り、今回のデンゼルはまさに“黒いジェイソン・ボーン”と呼ぶに相応しいキャラです。強いのは良いとしても、“稀代まれなる説得の名手”というCIA時代の特殊技能がほとんど活かされていないので平凡なタフガイって感じで終わってしまっています。どうしても引っかかるのが冒頭の彼の行動で、いくら敵に追われて窮地に陥ったとはいえアメリカ総領事館に逃げ込むというのはどうなんでしょうか。ストーリーは途中からCIA内部の裏切り者は誰かという謎解き要素が加味されますけど、その辺りはなんの捻りもなくて拍子抜けしちゃいました。ヴェラ・ファーミガがもっと活躍するかと思いましたが、そうしたらジェイソン・ボーン・シリーズのジョアン・アレンとそれこそまるで同じになっちゃうので、これが正解なのかな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-08 20:38:10)
1072.  L.A. ギャング ストーリー 《ネタバレ》 
もう、どこから観ても『アンタッチャブル』へのオマージュというかパロディなのかもしれません、この映画は。ジョシュ・ブローリンがエリオット・ネスというわけなんですが、それなりに工夫して『アンタッチャブル』をパクったという努力のあとは感じられますね。チームのメンバーを選ぶのが奥さんと言うのは笑っちゃいましたが、『アンタッチャブル』でネスの奥さんがひたすら一歩引いた位置で夫を心配するだけの存在だったことを考えると、なかなか現代的な脚本だと思います。 ジョシュ・ブローリンのゴリラみたいな風貌と知恵のない暴れっぷりはなかなかのものです。まあミッキー・コーエンという実在の大ギャングを引っ張り出してきてこれだけの史実無視の展開は、ある意味で清々しいぐらいです。メリハリだけで物語を紡いだという印象で、どうせ事実を脚色するならこれぐらいオーバーにやらないといかんと言うことです。ショーン・ペンも額の血管が切れそうな熱演で、共感するところが皆無の男になりきってました。でもそんな二人を出し抜いて美味しいところを持って行っちゃったのがライアン・ゴズリングで、この人こんなに色気のある男優だったのかと見直しました。 ラストにいたる展開と登場人物たちのその後はあまりに類型的で、これもパロディのつもりだったのかしら。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-04 22:50:31)
1073.  ズールー戦争/野望の大陸 《ネタバレ》 
ズール戦争の映画と言えば64年製作の『ズール戦争』がポピュラーですが、本作は64年版の前日譚というか前半戦を描いたという位置づけなんでしょうか。『ズール戦争』は40対1の劣勢ながらもズール人を撃退した伝説のロルクズ・ドリフトの戦いを描いた英雄物語ですが、その前日におこったこのイサンドルワナの戦いでは大英帝国軍はほぼ全滅という『遠すぎた橋』どころではない大敗北を喫しています。主演はバート・ランカスター、有能だけど反抗的な軍人を演じたらやはりこの人の右に出る人はいませんね。対する気ぐらいは高いが無能な将軍はピーター・オトゥールでこれもまた適役です。 冒頭のズール族の若い男女たちの群舞(求婚の踊り?)はなんか凄い迫力です。対照的に描かれるのが英国植民地人たちのスノッブぶりで、ヨーロッパでもっとも貴族的だった英国陸軍将校たちの生態も観れて興味深かったです。お話自体は淡々とすすみいつの間にか戦争が始まったという感じです。でも大量のエキストラを動員した戦闘シーンは迫力満点で、ロングショットを多用した撮り方は戦闘の雰囲気を余すところなく伝えてくれます。 ピーター・オトゥールの他はほとんどの出演者が戦死しちゃう悲惨な幕切れですが、全体にあまり盛り上がるところもなく終わってしまったという印象です。この映画は英国じゃなくアメリカ資本で製作されていますが、観る者がベトナム戦争の失敗を重ね合わせることを期待している様な感じがしました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-01 22:39:24)
1074.  終身犯 《ネタバレ》 
今まで自分が観た中で最良の刑務所映画、『ショーシャンクの空に』なんてこの映画の足元にも及びません。また、主人公が脱獄しようとしない唯一の囚人映画でもあります。だからこの映画では一生を刑務所暮らしする人間とはどういう存在なのか、また更生とはいったい何なのかということを鋭く問題提起しています。 囚人が苦労してその道の達人にまでなったというのは日本人好みのいわゆるイイ話になっちゃいそうですが、そんな単純な撮り方をしてないところが監督フランケンハイマーの凄いところです。バート・ランカスターの演じるストラウドからしても、映画の前半では狂信的なまでに反抗精神が強いあまり共感を呼ばないキャラです。そんなランカスターが「お前には人に感謝する気持ちがない」と看守に指摘されてハッと気づき、「今まですまなかった」と謝り生まれ変わった様になるシーンには心を打たれました。ほんと人間には感謝の気持ちを他者に持つことが大事なんですね。彼は『真昼の暴動』でも囚人暴動のリーダー格でしたが、本作では非常に抑えた演技が光ってました。 このランカスターを取り巻く刑務所の人間たちがいい味出してます。初めは嫌っていたが生涯の友となる看守のネヴィル・ブランドや、粗暴ながらもカナリヤ飼育によって人間味が増してゆく囚人テリー・サヴァラスがいい演技を見せてくれます。主人公ストラウドにしても常に突き放した様な客観的な演出で通しており、決してハッピーエンドではない終わり方にも納得させられます。 「更生とは尊厳を取り戻すことだ」というランカスターのセリフは、キリスト教的な意味合いもあるんでしょうけど考えさせられます。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-07-29 22:12:23)
1075.  東海道四谷怪談 《ネタバレ》 
怪談映画のマエストロ中川信夫の最高傑作、クズ映画を量産して消えていった新東宝も本作を残せたことで映画史に名を残すことが出来ました。 とにかく役者・スタッフたちの気合いが映像の端々にまで行き渡っている感じです。冒頭の伊右衛門がお岩との婚儀を断れたため義父を斬り殺すところからワンカットで押し通してしまうぐらいで、歌舞伎の様式美に拘りながらも斬新なカメラの動きは時代劇の枠を超えています。要所で見せる赤色の使い方が鮮やかで、低予算ながらも色彩設計は凝ってます。怪談と言えば音響が重要なのは当然熟知しているうえでの効果音の使い方がまた巧緻で、お岩・宅悦殺しのシーンにかぶさる花火の音やカエルの鳴き声が印象深い。 天地茂の伊右衛門は、三島由紀夫が絶賛したのも納得の名演です。こういう極悪非道ながらも人間的な苦悩を見せる伊右衛門像は、それまでの四谷怪談にはなかった演出なんだそうです。お岩さんの若杉嘉津子は言うまでもなく彼女の女優人生で最高の演技、ラストの我が子を抱いて昇天してゆく姿は涙を誘います。 四谷怪談の映画化作品でおそらく本作の上映時間が最短だと思いますが、実に濃密な70分余りです。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2015-07-26 22:43:37)(良:2票)
1076.  呪われたジェシカ 《ネタバレ》 
この映画はむかしTV放映されたことがあり、今までソフト化されてませんでしたがTVで観た人たちの間ではカルト化していた幻の映画です。私は本作を観るのは初めてですが、果たしてどんなもんでしょうか。 いかにも70年代という雰囲気のアメリカの田舎町にNYからドロップ・アウトしてきた夫婦とその友人の男が引越してきます。新居の田舎家にはヒッピー娘がねぐらにしていて、共同生活することになります。妻はどうも精神を病んで入院してたみたいで、外出する度に不思議な少女を見かけるのですが、周囲の人たちはまた病気かと相手にしてくれません。 不思議とどの紹介でも触れられていないんですが、この映画の元ネタはレ・ファニュの怪奇小説『吸血鬼カーミラ』なんですよ、と言うことはロジェ・ヴァディムの『血とバラ』の子孫(?)ということになりましょうか。『血とバラ』の方もソフト化されていない幻の傑作なので、観たことある人はほとんどいないというのが現状でしょう。でも本作のプロットには明らかに『血とバラ』を彷彿させるところがあります。幻想的な主人公のモノローグを冒頭とラストに持ってくるところはそっくりですし、物語が現実か主人公の妄想なのかをあえて曖昧にするドラマツルギーも一緒ですね。でも『血とバラ』の特徴である強烈な幻想性にはとても敵わないのですが、これは舞台がアメリカの田舎で陽光降り注ぐ昼間にストーリーが展開しますのでしょうがないですね。 でも説明描写をとことん排除した撮り方は不気味さを増幅させますし、謎の少女の扱いがちょっと予想外で驚きました。そういう面ではかなりアメリカ映画らしくないホラーであることは確かで、子供のころに観たらトラウマになったかもしれません。
[DVD(字幕)] 5点(2015-07-23 20:47:49)
1077.  ウディ・アレンのバナナ 《ネタバレ》 
ギャグは『SEXのすべて』と双璧のくだらなさ、いやひねりがなくベタですからこれはウディ・アレン版『みんな~やってるか!』なのかもしれません。いちおう革命を茶化すというプロットみたいですけど、途中からもう話がどこに行くかさっぱり判らなくなりますからねえ。とにかくアレンらしさが炸裂しているのが裁判のシークエンスで、ここがうけるかどうかがウディ・アレン耐性のリトマス試験紙みたいですね。アレンが嫌いな人にはもう耐えられないでしょうね(笑)、個人的には証人J・エドガー・フーバーには大笑いさせて頂きました。 ヒロインというか相手役は当時の奥さんルイーズ・ラサーですけど、どうしてもダイアン・キートンと比べてしうと落ちますね。キートンはスラプスティックのコメディエンヌとしての才能も抜群だった気がします。そうそう、スタローンもチョイ役で出てましたね、若いけど彼だと一目で判ります。それにしてもウディ・アレンの映画にスタローンが出演するなんて、今じゃ絶対あり得ない(笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2015-07-21 22:29:06)
1078.  迷探偵シャーロック・ホームズ/最後の冒険 《ネタバレ》 
“名探偵”じゃなくて“迷探偵”となっている邦題がミソのシャーロック・ホームズのパロディもの。私は別にシャーロキシアンじゃありませんので大して気になりませんでしたが、名探偵は実はワトソン博士でホームズは彼が見つけてきた三文役者だったという、熱狂的なファンたちの神経を逆なでする様な挑戦的なプロットです。でもこの飲んだくれでアホなホームズをマイケル・ケインにやらしているので安心して観れました。ワトソンはベン・キングズレーで、この二人の名優の掛け合いは観ていて実に愉しいものです。敵役にはおなじみモリアティ教授も登場で、ストーリー自体はオリジナルながら色んなお約束ごとは盛り込んでいるみたいですね。ヘンリー・マンシーニが音楽担当ですから洒落た雰囲気も愉しめます。 で、肝心のストーリーなんですが、これがちっとも印象に残らない薄味でした。ラストの劇場でのアクションもちょっとは大掛かりなんですが、何と言うか平均的な凡作としか言いようがないですね。ここは二大名優のボケ・突っ込みを漫才として愛でるのが正解でしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-20 22:06:19)
1079.  スピード(1994) 《ネタバレ》 
「もっとも純粋なノン・ストップ・アクション映画は?」と人に聞かれれば、私は迷わず『スピード』だと答えるでしょう。ひたすら暴走バスをメインにした脚本は潔いまでにシンプルで、キアヌ・リーブスやサンドラ・ブロックを始めとするメイン・キャラクターたちの私生活などはいっさい無視されています。アクション映画にはご都合主義的な展開や脚本の穴が大なり小なり存在するものですが、優れたアクション映画になればなるほどそれが気にならなくなってくるものです。もちろんこの映画で最大の穴は単独犯のくせにあれだけ手の込んだ爆破プランを仕掛けることが出来る犯人ですけど、そこはデニス・ホッパーを起用して大成功じゃないでしょうか。この頃は映画にCGが使われる様になった初期ですけど、いっさいCGに頼らず実物バスを暴走させ旅客機に突っ込ませて大爆発させるという撮影が遂行された最後の映画だったんじゃないかな。最後は地下鉄車輌がチャイニーズ・シアターの前の路上に飛び出し、良くこんな撮影が許可されたもんだと感心させられました。もっともこの地下鉄シークエンスは脱線シーンがミニチュア特撮がもろバレなうえ、映画の構成を崩す蛇足なシークエンスだった思いますけどね。そう言えばデニス・ホッパーが首を吹っ飛ばされた最期の後で、キアヌが言う「俺の方が背が高くなった」と言うセリフは、彼の自虐ネタかと思うぐらい可笑しかったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-18 23:21:26)(良:1票)
1080.  ピラニア リターンズ 《ネタバレ》 
“バカがおバカ映画を撮ると悲惨なことになる”という定説を見事に実証してくれました。前作の監督アレクサンドル・アジャのおバカ・センスには足元にも及びません、彼が巨匠に思えたぐらいです。前作に比べるとグロなパワーはダウンしてしまったので、エロのネタで挽回しようとしたみたいですが単なる下品な下ネタだけと言う感じです。アソコからピラニアが飛び出してくるというのは、どう考えてもその理屈が判りません。デヴィッド・ハッセルホフのネタになると、自分はこの俳優の出ていたTVシリーズのことなんか知識皆無なので全然面白くもない。前作から登場のクリストファー・ロイドとヴィング・レイムスだけは少しクスッとさせられました。でも理解不能なのがラストの生意気小僧を襲う惨劇で、さすがにこれは監督の趣味を疑いたくなりました。そしてやっぱり出てきました駄作の証明・エンド・タイトルに流れるNG集、これがまた長いんだ10分以上あります。正味の上映時間が70分少々ですからねえ、こんなに長いNG集は珍しいんじゃないですか。
[DVD(字幕)] 3点(2015-07-17 23:31:13)
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