1061. ミツバチのささやき
ネタバレ 私にとっては高評価ですが、観る人を選ぶ作品です。 純粋無垢の少女がいろいろな物を感じとって形に見えない新しい何かを発見するという、詩的情緒溢れる作品です。 冒頭は「フランケンシュタイン」のフィルム鑑賞から始まりますが、少女アナにとっては映画も毒キノコも姉のいたずらも逃亡者も同じレベルの衝撃です。 小さい頃、私もチャップリンの映画を観て夢中になった記憶がありますが、今もう一度鑑賞して同じ気持ちを味わうことができません。 「監督はこの子に何をさせたかったのか?」なんて疑問に思ってはいけません。 生も死も関係ないのです。 私たちにも記憶の奥底にあるはずです。それは特にパソコンもテレビゲームもなかった世代ほど共感できるのではないかと思います。 目に見えない何か…それを描き出すのは自分自身で作り出したイメージだけ。 子供部屋の窓はまるでミツバチの巣の様だが、その子供のシーンに重なる父親のミツバチの解説は全くマッチしていない。ラストはフェイドアウトまでしてしまう。 子供が映るのシーンと大人の映るシーンが水と油のように混ざってないのは、子供には子供にしかわからない世界があるということだと思います。 少女アナの前に現れたフランケンシュタインがそれを証明しています。 アナはこれらの経験を通して「死」が何であるのかなんて考えているはずありません。 むしろ新しい何かを発見して感動を見つけたのでしょう。 補足。レーザーディスクの字幕は縦書きの上、字が汚くて読みづらい。 [レーザーディスク(字幕)] 8点(2009-02-16 17:02:40) |
1062. つぐない
ネタバレ キーナ・ナイトレイと言われても知らない私にとっては何故このジャケット、このクレジットの順番なのかさっぱりわからない。 この映画は主人公は明らかに妹のブライオニーである。 13歳のブライオニー役を演じたシーアシャ・ローナンは「ペーパームーン」のテイタム・オニールに匹敵するほど魅力ある女優である。(モー娘の加護ちゃんに似てなくもないが…) シーアシャ・ローナンが出ているシークエンスだけ判断すれば間違いなく10点あげたいところ。 原作未読なので何とも言えないが、姉カップルと妹の人生が途中からつながらなくなってしまうため、特に男の戦場シーンには倦怠感を覚える。 タイトルの「つぐない(贖罪)」は妹の気持ちと判断していいと思うが、それなら全編妹の目線で話を進めないと、謝罪する気持が伝わらないと思う。 前半はモタついていてついていけない。早く本題入れよって思った。監督の音声解説を聞いてみたが、冒頭から「そんなの分かる訳ないじゃ~ん!」と言いたくなったのが率直な感想。 最近観る映画は偶然か、時間軸をずらして、先に結果を見せておいて後から「実はこうだったんですよ」というシーンを作るケースが多い。流行りなのか?本作もそうだ。なんだか誤魔化されているようで気分がよくない。ストレートに見せてほしかった。 似たような作品で、松本清張の「天城越え」(映画は田中裕子主演)を思い出した。あちらのほうが人間の本質をついていると思う。 [DVD(吹替)] 4点(2009-02-16 16:19:37) |
1063. サラエボの花
ネタバレ ボスニア紛争を知らなければ理解できないのではないかという、観る前から勝手な偏見を持つ人がいるかもしれないが、内容は世界中に通用する母と娘の親子愛、シンプルな話しである。 娘は男にも真っ向から喧嘩を買って出るほどの強気な性格で、母親の仕事ぶりからも二人が共に人生を乗り切ろうとしている姿が重ねて強調されている。 皆と一緒に修学旅行へ行く。父はシャヒード(殉教者)である。この国ではごく普通の人間でありたいと思う娘に母親は娘の出生の秘密を打ち明けることができない。教えたくない母親の気持ち。だが彼女もやはり女であり一人の人間、打ち明けてしまったことで本当に大切なものが何なのか悟る。その告白シーンがハイライトで胸を締め付ける。 全体を通して、娘の修学旅行が娘にとっても母親にとっても人生の岐路になったところに真のドラマを感じた。 娘は一見わがままで身勝手ではあるが、母への愛情を誰よりも必要としており、ラストのバスのシーンで、皆の合唱に合わせて少しづつ口ずさむシーンは、観客の誰もが「頑張って!」と応援したくなると思う。 登場人物全てがこの腐敗した国の現状から抜け出そうと必死に生きている。一見悪そうな大男まで真剣に生きようとしているところに人間の綺麗な部分が見える。 後で知ったが、監督は30代の女性。紛争経験がある。娘は12歳の設定だが、日本人でいえば高校生くらいにも見える。これは戦争というものが老若男女関係なく強く生きなければならないことを訴える姿勢で、とても自然に表現されていると思う。 「戦争待望論」という言葉が日本でも言われているが、戦争を起こした国ほど心から平和を願う人が多いことに皮肉めいたものを感じてしまう。 「あ~、いい映画観たなぁ~」と思える作品。沢山の人に鑑賞してもらいたい気持ちを込めて9点。 しかし、この邦題のセンスのなさ、なんとかなんないのか…(悲) [DVD(吹替)] 9点(2009-02-16 09:00:24)(良:1票) |
1064. アメリカの友人
ネタバレ 満足した「都会のアリス」に続いて鑑賞し、期待してしまったせいか、イマイチパッとしなかった。 展開の変化とクライマックスの盛り上がりに欠ける。 ストーリーは死の宣告を受けた主人公が家族のために殺しを引き受けるといったところだが、つかみどころのないシーンの連続に退屈する人が多いかと思う。 一応、西ドイツ映画でフォルクスワーゲンも使われるが、英語のやりとり(デニス・ホッパー)もあるせいか、ヨーロッパよりアメリカの雰囲気が漂っている。 クレジットではデニス・ホッパーが主役のようにみえるが、実際は「イージーライダー」と同じようなポジション。次元大介である。 殺しのシーンは敵の抵抗もほとんどなく淡々と実行されていく過程が冷酷さを増してアクションとは違うスリルを味わった。しかし、一つ言わせてもらいたい。本作を観て「太陽がいっぱい」の続編と気付く人間がどこにいるというのだ?! [レーザーディスク(字幕)] 5点(2009-02-16 08:25:14) |
1065. 都会のアリス
ネタバレ 未見の方には「ペーパームーン」の亜流と思われがちだが、中年男(31)と少女、モノクロ映像以外、共通点はあまりありません。 それにしても能書きばかり並べて、気に入らない事の全てを社会や周りのせいにするこの主人公、会社の上司、挙句の果てには元カノの家に押し入って愚痴を吐き散らし迷惑がられ…こんなジメジメした男、日本にもいますよね?(笑)女に絶対モテないナンバー1ではないでしょうか? そんな男でもさすがに小さな子供相手にはおとぎ話しかさせてもらえない。 映画の主観はライターもどきの男側ですが、そんな情けない男相手に小生意気な少女アリスがどう対応していくのか見方を考えると面白さも変わってきます。 画面いっぱいに映るアリス、たまに鼻なんか弄ったりしながら。おばあちゃんの家を探す気なんか毛頭ないといった表情がたまらなく可愛い。このアリスに魅力を感じないと映画自体失敗作と判断されてしまうでしょう。 結局二人は自分たちの力ではおばあちゃんの家にたどり着くことが出来ず、警察が加わるのですが、そう考えるとこの旅はいったい何だったのか?…でも間違いなく二人に変化があって…なんだか可笑しくてしかたありません。 アリス役の女の子は今頃は40代半ばでしょうか、どんな成長を遂げたのか気になるのは私だけではないと思います。 ヴィム・ヴェンダースは映画とロックが大好きなんですね。 ラストシーンは「夜の大捜査線」のオマージュに見えました。反対に証明写真のシーンはヴィンセント・ギャロが「バッファロー66」でオマージュしているように感じました。 それとチャック・ベリーの演奏ですが、あれはDVD「スウィート・トロント」からの抜粋です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-11 08:35:58)(良:1票) |
1066. イースタン・プロミス
ネタバレ 評価が高いので期待したが、それほど傑作というほどのものではない。 フレンチ・フィルムノワール、香港ノワールに加え、タランティーノが好きそうな日本の任侠映画が混ざったかのようだ。悪く言えば全てハリボテである。 それらを観たことがない者にとっては斬新かもしれないが、中盤で裏切る床屋のオヤジなんかは、どう見ても「仁義なき戦い」の金子信夫だ。 物語は始めにナオミ・ワッツに感情移入させている。しかし川から上がった死体と運転手が娼婦に金を工面するシーンで、運転手が組織に潜入しているという複線だとわかってしまい、サスペンスの焦点が彼の方にズレてしまう。だからそれから先のナオミ・ワッツに全く危機感がなくなっている。 勢いあるファーストシーンの割には終盤さほど盛り上がらず、情だけに押されてしまう展開に物足りなさを感じる。 鑑賞後に、このクローネンバーグっていう人、どっかで聞いたことあるなぁ…と思ったら、「スキャナーズ」「ヴィデオドローム」「フライ」の監督じゃないですか? この人の映画久しぶりに鑑賞した。編集が上手く、観客を惹き込む独特の雰囲気は過去の作品と全く変わっていない。 これがスコセッシみたいに2時間半くらいだと減点だが、1時間40分で終わるので疲れなくていい。 本作を満足された方に「ギャングスター・ナンバー1」という映画をお勧めしたい。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-10 14:23:15) |
1067. ランボー/最後の戦場
ネタバレ 上映時間90分とありますが、80分でエンドロールが流れ始めます。「えっ、もう終わり?」って感じです。 中身なんてありません。頭を空っぽにして下さい。 スタローンは裸を見せないせいか「ロッキー・ザ・ファイナル」よりずっと若々しいです。 以前タレントのデイブ・スペクターさんが「アメリカで子供を殺す映画なんて絶対にありえない。もし、あったとしたらアメリカ国民が黙っていません!」と言ってました。 この映画では誰も殺されないのでご安心を。あれは白人ではないので残虐行為としてはカウントはされません。 金髪女は拉致されても指一本触られませんのでご安心を。レイプされるのは地元住民だけなので、これも残虐行為としてカウントはされません。 この映画のテーマはイラク戦争と同じ、「殺(や)られる前に皆殺し」です。 さあ、ポテトチップスとコーラを横に置いて、最高のホームシアターでお楽しみ下さい。 [DVD(吹替)] 1点(2009-02-10 08:38:45)(良:5票) |
1068. 暗戦/デッドエンド
「男たちの挽歌」以上、「インファナル・アフェア」以下に位置していると思う。 どちらか一方でも満足された方は必見の娯楽作品。 いかにも「香港!」という感じのコミカルな要素もあるが、小道具や伏線がかっこよく、スピード感あふれる展開に観る者を退屈させない。 アンディ・ラウが香港の映画祭の金賞を取っただけあって、やはり見どころは彼の存在と言っていい。 それから90分でまとめた監督の実力を付け加えたい。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-09 15:02:50) |
1069. ストレンジャー(1996)
「ゆりかごを揺らす手」のレベッカ・デモーネイがあまりに美しかったので期待したのですが、観る前に、ここのレビューを確認しなかったことを後悔しています。 サスペンスなのに開始30分経っても事件が起こらない。 小道具やはっきりとした伏線が全くない。 どんでん返しの結末って、いつもこのパターン…。 90分もない映画ですが時間を無駄にした気分です。 [地上波(字幕)] 3点(2009-02-08 05:08:14) |
1070. グロリア(1980)
ネタバレ 伊丹十三監督が生きていたら、宮本信子を主演にして、これと同じような映画作っていたかもしれない。 カサヴェテス監督って人間ドラマは得意かもしれないけど、ジャンルによって向き不向きがあると思う。 私がここ数年観た、勘違いアクション映画No1に決定! 昔の角川映画を観ているようで、正直70年代前半の作品かと思った。 全てご都合主義。ギャングはマヌケすぎ! 観ていてイライラした。「早く殺しちゃえよ」って中盤まで悪役の方を応援していたが、3度も4度もドジばかり踏んでるので、最後は「もうどっちでもいいや…」って気分だった。 ジーナ・ローランズ演じるグロリアが、ギャングの中でどういう立場なのか全くわからない。娼婦にしては歳取り過ぎているし、一人暮らしのようだから、ボスの二号さんって事? 拳銃は平気で撃ちまくるし…おばさん一人に殺される方もどうかと思うけど…。 ラスト、グロリアとギャングはどうなったのか、銃撃戦でも何でもいいから、そこんとこ描かなきゃダメでしょう? その中でも、一番不快だったのが子役の演技力。アキバ系アニメ声の、調教されたようなあのセリフ回しに、気持ち悪くてどうしようもなかった。 映画の悪口ってあまり言いたくないんだけど…これだけボロクソ書いて、ようやくちょっとだけスッキリした。どうもスミマセン。御拝読ありがとうございました(苦笑) [DVD(字幕)] 1点(2009-02-07 15:06:10)(笑:1票) |
1071. 4ヶ月、3週と2日
完全予備知識0(ゼロ)で観たせいか、なんだか銀河鉄道999で、どこかよその星に行ったような気分になった。 この映画を日本へ持ってきた配給会社は凄い賭けをしたと思う。 全編主人公追っかけの雰囲気は、どことなく「バッファロー66」に似ているが、本作は限りなくリアリティを追求している。DVDに吹き替えを入れなかった理由が分かる。 親友じゃなければ絶対に成り立たない会話のやりとりは、国、時代を越えて、今の日本のどこかでも聞こえてくるような気がする。 でもタイトルの「4ヶ月、3週と2日」って……やっぱりズルいよ、嘘ばっかついて! もうじき5ヵ月じゃん?!(←半分冗談) [DVD(字幕)] 8点(2009-02-07 12:06:07) |
1072. ナイロビの蜂
ネタバレ トップシーンで弱々しい主人公とずる賢い妻を描くことで、観客を騙していくやり方は上手いなぁと思いました。 吹き替えが特に上手いです。英語がわからないならオリジナル音声より感情移入出来ます。 主人公が動き回る間、終始ハラハラドキドキさせられ、後半、飛行機から手紙を残し、着陸をお願いするところで、この男の最期を予告させられます。 ただ、事件発生から主人公が動き出すのが中盤過ぎてからなので、展開の早さと登場人物の名前の多さに眉間に皺をよせてしまいました。 「少しくらいわからなくてもいいや」って感じで、思い切った編集がされています。観ていてダルさを感じません。 これが製薬会社のアフリカに対する現状なんですか?日本では永遠に作られないでしょうね。スポンサーなんか絶対つかない。 でも私たちの世界は、今、目の前に存在するものだけ…この映画を観せられて何も出来ないでいる自分に憤りを感じてしまいます。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-07 07:16:24) |
1073. 21グラム
ネタバレ ひき逃げした男とその妻の心境以外はほとんど感情移入できない。 娘二人と夫を殺されたナオミ・ワッツがショーン・ぺンとベッドインするところなんか特にわかんない。乳首立たせてまで興奮するセックスを求めるのは、アメリカ人が性欲旺盛な肉食大国だから??? ど~も日本人との感性の違いを覚えてしまう…。 ショーン・ペンって、いつもそうだけど、何考えているのかわからない役柄がとても多い。結局あの人何がしたかったの? それとシーンをパズルのようにバラバラにすることで、無駄が一つもないことが証明されそうだけど、改めてシャルロット・ゲンズブールの存在はいらないような気がする。 [DVD(吹替)] 4点(2009-02-04 22:09:22) |
1074. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
17年前に上映された作品なんですね。予備知識なしに観たのですが、冒頭から主演二人のやりとりに惹きこまれて時間を忘れてしまいました。 障害者を演じると何故か必ず賞をもらえる…以前から「アカデミー賞」というものに偏見を抱いていましたが、もうそんなことどっちでもいいです。 それにしてもタイトルで損してますよね。このタイトルじゃ、あんまり観ようとは思わない。 比較する訳じゃないけど、観終わって「ショーシャンクの空に」と同じ充実感をを味わいました。「希望」です。 92年のバブル期よりも今、この最悪の社会情勢のほうが価値を見いだせるのではないかと思います。 フィクションを馬鹿にする人たちがいますが、自分を見つめ直すきっかけが出来れば、それは価値のあるものだと思います。私にとって本作がそれに当たります。 [DVD(吹替)] 10点(2009-02-03 09:37:32)(良:1票) |
1075. ブラックブック
ハリウッドの制約を受けずに作ったバーホーベン監督、「ショーガール」や「インビジブル」は、よほど制約を受けていたのだろう…。 世界で成功した外国人(日本人は特に…)は、自国に帰ってくると必ずといっていいほど自分だけの世界に浸っていく傾向にあるが、本作を見る限り、バーホーベンはしっかりと観客のことを考えているのがわかる。 話しは淡々と進んでいくが、2分に1度は必ず何かが起こる。長々と続く俳優のセリフなんか全くない。どこから観たとしてもスリルとサスペンスが描かれている。 日本の映画は、この映画を教科書にして本物の映画を作ってほしい。 しかし、この辺の国で作られる映画って、半分以上がナチス物に思えてしまうのは、私の偏見だろうか…? (笑) [DVD(吹替)] 8点(2009-02-03 03:38:23)(良:1票) |
1076. 山桜
ネタバレ レビューの点数が高かったので期待したのですが、何というか…テンポが悪いというか、否、テンポがゆっくりなのはいいのですが、歯切れが悪くてストレスを感じました。 東山紀之さんは、かつらが似合ういい役者ですが、セリフがほとんどなく、もったいない気がしました。 どうして普通に作ってくれないのでしょう? 絵だけで見せようとするところに無理があります。 主人公二人の接点もファーストシーンだけなので、それだけで二人の愛を最後まで押し切ってしまうのは感情移入しづらいです。桜の効果があまり感じられません。回想を使ってでも、二人のシーンを増やすべきではないでしょうか。 一青窈の主題歌はなかなかマッチしていたようだけど、語りの部分だけはカットすべき、エンドロール直前、いきなり現代語のセリフが聞こえた時は正直ひいてしまいました。 [DVD(邦画)] 4点(2009-02-02 10:40:10) |
1077. 悪魔スヴェンガリ
ネタバレ タイトル、ジャケット共に損してる感じ。悪魔といっても、子供だけが楽しむような話ではありません。こういう悪魔だったら誰の周りにも何人か必ずいます。 ヒロインの女の子は、ジャケットの横顔は顎がシャクレていますが、実際はメチャクチャ可愛いです。シャクレてなんかいません、絶対に。それからヌードまで披露しています。 このヒロインのトリコになり催眠術で洗脳するのが、気色の悪い髭のおじさんなんです。 本題はどちらかといえば「決して叶わぬ恋の話し」なんですが、戦前の作品とは思えないレベルの特撮とスリラーを味わうことができます。 「天井桟敷の人々」の雰囲気もあります。 [DVD(字幕)] 6点(2009-02-01 06:56:17) |
1078. 鶴は翔んでゆく
期待しなかったせいかわかりませんが、大当たりの映画です。主役の女優さん(タチヤナ・サモイロワ)、メッチャ綺麗です!ジャケットとまるっきり顔が違います。スタイル、表情、歯並びの良さまでカメラはしっかり捉えています。DVDはデジタル処理が徹底的になされているせいか、「アンナ・カレーニナ」より綺麗に撮れてます。 外見だけではなく役者としても最高に輝いています。疾走する戦車の行列に、まるでお豆腐でも買いに行くかのように平気で横切って行ったり、燃え盛る炎の中に飛び込んだりと、全てスタントなしでやってます。世界中探してもこんな女優さん見たことありません。聞いたことありません。もうビックリです。っていうか普通やらせないでしょう。 内容は反戦映画に思われがちですが、普遍的な「愛」を、たった91分で表現しているだけの物語です。愛し合い、愛され、そして愛を与え…もう本当に胸がつかえ涙が出ます。 この時代のソビエト映画は、小道具、伏線、シャレードと、世界の映画界の先陣を切っています。観客を充実させるテクニックが満載です。 [DVD(字幕)] 10点(2009-02-01 02:34:42)(良:2票) |
1079. マネキン
80年代の代表的な作品。DVDが入手困難なのが不思議なくらい。 キム・キャトラルが最高に可愛かった。彼女にとっても宝物のような作品でしょう。 それからお馴染みの警備員のおじさん、今、何やってんだろう…。 この時代のハリウッド映画は何でも面白かった。「ビッグ」「マネーピット」「ショート・サーキット」…知らない子供がいたら、どんどん教えてあげましょう。 [レーザーディスク(字幕)] 8点(2009-01-31 12:50:16) |
1080. こわれゆく女
妻役のジーナ・ローランズが、朝食シーンから、いつブッ壊れるか、ドキドキハラハラしながら観ていました。 小道具や伏線も特にないまま、役者たちの繊細な演技で心理を押し出していく世界は、観ている側も気を引き締めないと受け入れられないかもしれません。 147分という長時間でありながら、シンプルな「序・波・急」の三部構成。アッという間に終わってしまいました。 因みにキャストの順番がバラバラです。 主役がジーナ・ローランズです。 [レーザーディスク(字幕)] 8点(2009-01-30 14:55:14) |