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 > かたゆき さんの口コミ一覧。58ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1141.  クワイエット・プレイス 破られた沈黙 《ネタバレ》 
音を出したらすぐ即死!!という極限の恐怖を描いたモンスターパニック第二弾。完全なる出オチ映画だった前作は、設定こそ荒唐無稽で突っ込みどころ満載だったけれど、勢いと見せ方でそこそこ面白かった記憶があります。対して続編となる本作はどうなんでしょうね。アクション、映像、脚本、どれもが前作よりパワーダウンしているような印象を拭えませんでした。もっとラスボス的なやつを登場させるとか、人類が反転攻勢に出られる画期的な武器を手に入れるだとか、そういった新しい要素が欲しかったところ。これじゃ前作の二番煎じにすぎませんやん。ま、前作同様、絶対に音を出せない緊張感というのは充分伝わったし、モンスターのCGとかはそこそこ迫力があってそこらへんは良かったと思います。
[DVD(字幕)] 5点(2022-06-24 03:45:55)
1142.  Mr.ノーバディ 《ネタバレ》 
彼の名は、Mr.ノーバディ(誰でもない男)。毎日同じ時間に起きて同じ時間にゴミを出し、同じ時間にバスに乗って会社に行き、そして仕事を終えると同じ時間に帰宅してご飯を食べ、同じ時間にベッドに入る。そんな単調で平凡な毎日を過ごす、何処にでもいるような普通の男だ。妻との関係もマンネリ気味で長いこと夜の営みもなく、高校生の一人息子からも疎んじられている。そんな鬱屈した毎日を過ごしていたある日、彼の家に強盗が入る。ゴルフクラブで犯人を倒す機会があったのに、彼は反撃を恐れその場で立ち尽くすのみだった。さすがに息子からも失望のまなざしを向けられる彼。だが、そのことが彼の中に眠っていた過去を目覚めさせるのだった――。そう、彼はアメリカ諜報機関の元凄腕工作員だったのだ!!すぐに強盗の住処を割り出した彼はすぐさま反撃に向かう。そればかりか、彼は偶然バスに乗り合わせたロシアンマフィアのボスの息子を半殺しの目に遭わせるのだった。当然、そのことを知ったマフィアのボスが黙っていない。ぶちギレした平凡な親父と凶悪なマフィアとの血で血を洗う抗争の火蓋が今、切って落とされる……。ごく普通の平凡な中年男のそんな怒りの暴走を終始ハイテンションで描いたエンタメ・アクション。と、もう潔いくらいベッタベタな内容なのですが、その分安定して観てられますね。家族から舐められまくりのお父さんも実はキレたら怖いんだぞ!という世の中年オヤジの皆様の願望をものの見事に叶えてくれる内容でございました。本作のちょっと新しい点は、そんな覚醒したぶちギレ親父が完全無双ってわけではなく、マフィアからけっこう反撃を喰らうところ。バスの中のアクションシーンなんかだいぶボコボコにされた後に、ぎりぎりで勝利するとか今までにない感じでした。クライマックスの畳み掛けるようなアクションシーンもけっこうキレがあって大変グッド。ただ、それに対して脚本がイマイチ。ちょっとこの主人公が行き当たりばったり過ぎて僕はそこまで嵌まれませんでした。肝心のロシアンマフィアとのいざこざに巻き込まれるきっかけが、偶然乗り合わせたボスの息子とトラブったからというのは弱い。やぱ過去の因縁やら現役時代のアレコレが絡んできた方が絶対盛り上がると思うんですけどね。ここらへん、もっと頑張ってほしかったです。あと、冒頭の取り調べのシーンで出てきた猫も何処で登場するんだろうと思ったら、まさかの一番最後にちょこっと出てくるだけって、「ここまで引っ張っといてそれかよ!」と思わずずっこけそうになっちゃいました。うーん、アクションシーンとかは普通に良かっただけに、ストーリーの方でももっとカタルシスが欲しかったです。惜しい!
[DVD(字幕)] 5点(2022-06-22 08:48:29)
1143.  ジェントルメン(2019) 《ネタバレ》 
引退を決意した麻薬王の資産を狙って、それぞれに蠢き始めた暗黒街の〝紳士たち〟を終始軽快に描いたクライム・サスペンス。マシュー・マコノヒーやコリン・ファレル、それに懐かしのヒュー・グラントなど豪華な面々がそんな個性豊かなワルたちをのびのびと演じております。監督は、この手のジャンルを得意とするガイ・リッチー。と言う訳で今回期待して鑑賞してみました。うーん、期待が高すぎたのか、なんかイマイチな出来でしたね、これ。とにかくテンポが悪い!探偵と麻薬組織の幹部がボスの秘密をめぐってひたすら駆け引きを繰り返す会話劇が物語の縦軸となり、そこから過去の話が回想形式で再現されるという本作の構造。これがうまく機能してないんじゃないかな。この先面白くなりそう!ってところでいちいち現在のシーンに戻るので、なんか集中力が途切れちゃうんですよね。演技派でならしたマシュー・マコノヒーだけにタメの演技を多用しているのもテンポの悪さに拍車をかけているような?お話自体はそこそこ面白かっただけに、もう少し見せ方を頑張ってほしかったです。うーん、次作に期待!
[DVD(字幕)] 5点(2022-06-17 02:48:01)
1144.  アオラレ 《ネタバレ》 
現在別居中の夫と離婚協議真っただ中のレイチェルは、年頃の一人息子を女手一つで育てるシングルマザー。何かと難癖をつけてくる夫やうまくいかない仕事など、彼女の日々抱えるストレスはもはや限界に達しようとしていた。そんな折、寝坊して慌てて息子を学校へと送り届けようとしていたレイチェルは、青信号なのに一向に走り出さない前の車に思わずクラクションを鳴らしてしまう。それでも動き出さない車に、彼女は悪態をつきながら乱暴に追い越すのだった。だが、レイチェルは知らなかった。その車を運転していたのは、浮気した妻を殺して現在逃亡中の凶悪な犯罪者であることを――。「運転マナーがなっていない」とレイチェルの後を執拗に付け狙い始める男。無事に息子を学校へと送り届けたレイチェルだったが、自分の車をずっとあおり続ける男の運転に次第に恐怖を抱いてゆく。思わずガソリンスタンドへと逃げ込み、店員に助けを求めるレイチェル。だが、もはや自暴自棄と化した男は、そんなことなどお構いなしに更なる暴走を開始するのだった……。些細な理由で鳴らしたクラクションをきっかけに、サイコパスな男に様々な面で追い詰められてゆく母親の恐怖を描いたサスペンス・スリラー。近年日本でも問題となっているあおり運転の常習者を名優ラッセル・クロウが演じているということで今回鑑賞してみました。ラッセルさん、久々に見ましたがいつの間にこんなに太っちゃったんですかね。グラディエーターの頃の筋骨隆々の精悍な体形はどこへやら、もはやメタボを軽く飛び越えた太り具合にビックリです。これを役作りのためにしたのなら凄いですけどね。ただ、それがこの暴走おじさんの気持ち悪さを倍増させることに一役買ってます。こんないかついおっさんに執拗に煽られるなんて考えただけでも恐ろしい!不安を煽るカット割りや不穏な音楽、何よりスピード感溢れるカーチェスシーンもあって、これはなかなか面白くなりそうじゃん!と僕の期待はバンバン上昇。でも、それも中盤まででした。ずっとこのサイコ男と主人公のカーチェイスだけにクローズアップしてくれたら良かったのに、なんか途中からこの男が車を降りて主人公の家や弁護士のところへとやってくる辺りから、徐々に冷めてゆく自分がいました。いや、さすがにリアリティなさすぎでしょ、この脚本。わざわざ車からスマホを盗み出して主人公のプライベートを調べるとか、さすがに回りくどすぎちゃいまっか。対する警察も無能すぎ!男の運転している車も分かってるんだから、ヘリなり白バイなりを出せばすぐに見つけられるはずでしょ。レストランで弁護士を殺すシーンも、悠々と男が店から出てゆくのを周りの店員や客が大人しく見てるだけってさすがにおかしい。警察もはよ来いって!もっとあおり運転の恐怖に焦点を絞ってくれたら、良質のスリラーになったかもしれないのにね。
[DVD(字幕)] 5点(2022-06-09 04:42:49)
1145.  ピーターラビット2 バーナバスの誘惑 《ネタバレ》 
イギリスの児童文学の名作を最新のCG技術で映像化したファンタジー・コメディ、第2弾。一見子供向けのように見せかけながら、内容はかなりブラックでハチャメチャな前作が大好きだったので、続編である本作も期待して今回鑑賞してみました。うーん、前作が賛否両論あったからなのか、今回はだいぶ大人しくなっちゃいましたね、これ。ウサギたちの毛の一本一本の質感さえも分かりそうなモフモフ具合だとか、ロンドンの街中を縦横無尽に駆け回る動物たちの躍動感とか、映像面は文句なしに素晴らしかったんですけど、内容が余りに道徳的になりすぎて僕はイマイチ楽しめませんでした。子供と一緒に安心して観たいお母さん世代にとっては良いんでしょうけどね。
[DVD(字幕)] 5点(2022-05-15 04:38:00)
1146.  モーリタニアン 黒塗りの記録 《ネタバレ》 
世界を震撼させた米中枢同時多発テロ。その直後にアルカイダとの関係が疑われ、アメリカの情報機関に拘束されたとあるモーリタニア人は、何の裁判も受けることなくキューバのグアンタナモ米軍基地に送られ、そのまま何年も拘束されることになる。しかもその取り調べは過酷な拷問を伴う非人道的なものだった。本作は、そんな理不尽な運命に翻弄されたとある青年の苦難の日々を弁護士と米軍検事双方の視点から見つめた実話ドラマだ。人権派のベテラン弁護士を演じたのは本作でゴールデングローブ賞を受賞したジョディ・フォスター、正義感に燃える米軍将校役には人気俳優ベネディクト・カンバーバッチ。監督は、社会性の強いエンタメを得意とするケビン・マクドナルド。と言う訳で今回鑑賞してみたのだが、正直自分は最後まで嵌まれなかった。一言で表すなら、「ザ・事実の羅列」。過酷な運命に翻弄されながらも決して希望を失わなかったこの一人のモーリタニア人のドラマは確かに凄いと思うのだが、それが映画的な面白さに繋がっているかというと自分は否と言わざるを得なかった。何故なら肝心のこの裁判の過程が何とも分かりにくいのだ。ジョディ・フォスター演じる弁護士が、結局この青年を無罪にしたいのか、それとも不当な拘束を今すぐ止めるように訴えたいのか、あるいはブッシュ大統領をはじめとする政権幹部を訴えたいのか、その目的がいまいち分かりにくい。なので法廷劇としてのカタルシスを最後まで得られることなく、淡々と終わってしまった。また、悪名高いグアンタナモ収容所での主人公の拷問の日々もシュルレアリスム風に描いているのだが、その映像も単純にセンスが感じられず何とも残念。これをもしデビッド・リンチやダーレン・アロノフスキーが撮ったら、悪夢的なイメージが炸裂する強烈なシーンになっていたであろうに。あの時代、テロとの戦いという美名の裏で、こんな理不尽な事実がまかり通っていた。そのことをより多くの人に知ってもらいたいというこの監督の思いには好感が持てるだけに、惜しい。
[DVD(字幕)] 5点(2022-04-01 01:40:14)(良:1票)
1147.  007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 《ネタバレ》 
超一流の諜報部員にして稀代のプレイボーイ、政府から唯一殺しのライセンスを許され、様々なハイテク武器を駆使して何度も世界を救ってきたエージェント、その名もジェームズ・ボンド。そんな彼の最後?のミッションを描いたシリーズ最新作。正直、自分は本シリーズとは昔から相性が悪いんですけど、何かと話題だったので今回鑑賞してみました。結果は……、残念ながら今回も全く嵌まれませんでした。映像やアクションシーンなどはどれもセンスがあってスタイリッシュで良かったとは思うんですけどね。特にオープニングの歌のシーンはかなり格好良かったです!でも、それ以降はどんどんと気持ちが離れてゆくばかり。やはり自分はこのジェームズ・ボンドというキャラクターが好きになれませんでした。こればっかりは好みの問題なので如何ともしがたい。
[DVD(字幕)] 5点(2022-03-24 05:54:47)
1148.  フェアウェル 《ネタバレ》 
アメリカで鬱屈した日々を送る中国系移民の学生ビリー。ある日、彼女の元に本国の親戚から哀しい知らせが届く。子供のころから優しくしてくれたお祖母ちゃんが、癌で余命幾ばくもないというのだ。両親とともにすぐさま中国へ帰ろうとするビリーだったが、何故か両親はお前は残れと言ってきかない。何故なら、中国では末期の癌と診断された者は告知せずに逝かせてあげようという伝統があり、すぐに感情を表に出してしまう彼女が来たらすぐお祖母ちゃんに悟られてしまうと親戚たちに判断されたらしい。到底納得いかないビリーは、両親とは別の便で密かに中国へと向かうのだった――。そうして帰って来た実家では、お祖母ちゃんに悟られないよう孫息子の結婚式という名目で親戚一同が会していた。戸惑いながらも彼女を迎え入れてくれる親戚とビリーの両親。そして、久しぶりに会ったお祖母ちゃんも心の底からの笑顔でビリーを出迎えてくれるのだった。孫息子の結婚式という建前で、形だけは和気藹々と進む一家団欒。そんな親戚一同の優しい〝嘘〟の行方は?末期癌を患う祖母とその家族の悲喜こもごもを終始淡々と綴ったファミリー・ドラマ。確かに、この大してドラマティックでもない平凡なお話を最後まで見せ切った監督の演出力の高さは素直に認めます。美しい映像に気品あふれる音楽、最後まで流れるように続くセンスのいい編集の仕方、そしてお祖母ちゃんをはじめとする役者陣のナチュラルな演技……、完成度の高さとしてはかなりの水準に達していると言って間違いはないでしょう。ただ、自分としては全く嵌まれませんでした、これ。正直、さして仲良くない知り合いの結婚式のビデオを延々見させられたような感じで、後半からは退屈で退屈で仕方なかったです。末期癌を患うお祖母ちゃんのために内緒で家族が集まるという肝心の設定も、物語として活かされていたかというと特にそんなこともなく、最後までひたすら普通。おじさんおばさんがただ飲んで喋って笑って泣くだけです。そして、最後に明かされる衝撃のオチ。いやいや、ここまで引っ張っといてそれかい!!と、僕は不謹慎を承知の上で突っ込んじゃいました。こういう『100日後に〇ぬワニ』みたいな手法は勘弁してもらいたい。というわけで、自分には全く合わない作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2022-02-25 03:30:20)
1149.  グッド・ネイバー 《ネタバレ》 
お調子者の目立ちたがり屋でとにかく今が楽しければいいという、今時の若者コンビ、ショーンとイーサン。再生回数を稼ぎたいあまり人に迷惑かけたり嫌がらせしたりする動画を面白おかしく撮ってそれをネットで公開する彼らは、いわゆる〝迷惑系ユーチューバー〟だ。今回彼らが目を付けたのは、向かいの家に独りで暮らす偏屈なお爺さん。町の噂によると、酒を飲んで暴力を振るい奥さんに捨てられたんだとか。しかも犬の散歩をしている人やゴミ出ししている近所の奥さんにことあるごとに暴言を吐いたりと、もはや町の厄介者扱い。こいつになら何をしても大丈夫――。そう確信した彼らは、爺さんが買い物に出ている間に家中にカメラを取り付け、様々ないたずらを仕掛けてはそのリアクションに大笑いするのだった。だが、しばらく見てゆくうちに彼らは言いようのない違和感を覚え始める。急にバッドを持って暴れだしたり、何もないはずの地下室に何時間も閉じこもっていたり……。もしかしてこの爺さんはとんでもないサイコ野郎なんじゃないのか。少しでもフォロワー数を稼ぎたい彼らは、格好のネタに徐々に暴走してゆくのだった。今時の迷惑系ユーチューバーと孤独な老人とのそんな息詰まるような駆け引きをスリリングに描いたスリラー。というお話を聞いて、まず真っ先に思い浮かべるのは、同じくワンアイデアのみで撮られたものの、そのエッジの効いた描写でスマッシュヒットを飛ばした『ドントブリーズ』でしょう。ここで思いっ切りネタバレすると、観客にそう思わせといて、最後の最後にそれを根底からひっくり返すあのオチは確かに秀逸。伏線の張り方も巧いし、裁判のシーンを差し挟むことで観客にミスリードを誘う見せ方もいい。まあそのオチありきの映画なので、問題となるのはそこまでの過程。正直、それが僕にはちょっと微妙に感じてしまいました。主人公の青年とこの爺さんとのやり取りが最後まで地味で一向に盛り上がらない。ここらへん、もっと面白く出来たんじゃないでしょうか。また、奥さんとの過去を描く回想シーンが随所に差し挟まれるのも、この爺さんの得体のしれない不気味な感じを半減させてしまっている。スリラーとして、これでは勿体ないと言わざるをえません。アイデア自体は秀逸だっただけに、何とも惜しい作品でございました。
[DVD(字幕)] 5点(2022-02-02 05:01:43)
1150.  ウィッシュ・ルーム 《ネタバレ》 
そこはどんな願いも叶う部屋――。売れない画家の夫を支えながら、翻訳ライターとして働く妻ケイト。夢を求めて頑張ってはきたのだがそれでも夫婦の収入はずっと不安定で、今もぎりぎりの生活を強いられていた。少しでも支出を減らそうと、二人は郊外に佇む古い一軒家を購入し、そこに引っ越してくる。都会のしがらみを全て捨てて、夫と夫婦水入らずの生活を満喫するケイト。そんなある日、二人は新居で壁紙に隠された謎の部屋を発見するのだった。不審に思い、その謎めいた部屋を調べた夫は、その後驚きの事実をケイトに告げる。なんとその部屋の中では欲しいと願ったものが、一瞬の停電の後に必ず現れるというのだ。ゴッホやダビンチの名画、飲みきれないほどの高級ワイン、そして一生遊んで暮らせるだけの大量の現金……。部屋の力で夢のような生活を手に入れたケイトは、やがてずっと諦めていたある願いを口にすることに。それは、二人の赤ちゃん。だが、ケイトはまだ知らなかった。この部屋から得られた全てのものは、家の外へと持ち出すとすぐさま灰になってしまうことを――。なんでも願いが叶う部屋を手に入れた若い夫婦が迷い込む、そんな悪夢のような世界を描いたスリラー。文字通り、ただそれだけのお話でしたね、これ。星新一のショートショートか笑うセールスマン(古い!)の1エピソードを無理やり90分の映画に引き延ばしたような感じです。なんかこれ、あまりにも捻りがなさすぎじゃありせん?これじゃ脚本の第一稿をそのまま映像化したようなもんで、普通の脚本家ならここからさらにストーリーを練ってゆくもんでしょう。例えば、この夫婦のことを怪しんだ知人が家にやってきたり、部屋を守るクリーチャーみたいなんを登場させてみたりとか。最後まであまりにも想定通りに進む展開に正直、あくびが止まんなかったです。まあ映像的には若干センスを感じたんで、+1点しときましょう!
[DVD(字幕)] 5点(2022-01-25 05:47:30)
1151.  トゥルーノース 《ネタバレ》 
実話を元に、今世紀初頭の北朝鮮で政治犯強制収容所に送られたとある少年の過酷な半生をフルCGで描いたアニメーション。監督が多くの脱北者から実際に聞いた話を元にしているため、非常に重く全編にわたって生々しいリアリティに溢れている。それまで普通に生活していた平凡な家族がある日突然、理由もわからぬまま捕らえられ極寒の地へと送られる。来る日も来る日も重労働を課せられ、配給される食料もごく僅か、しかも何か問題を起こせば過酷な拷問が待っている……。こんな酷いことが今もこの世界で続いていることに戦慄せざるをえません。それがピクサーのような明るいCGアニメで描かれているため、その重さが良い感じに中和され最後まで見やすくなっているのも新しい手法なのかもしれません。ただ、映画としての出来は正直「微妙」と言うのが僕の率直な感想。誤解を恐れずに言えば、そんな事実の重みに対してフィクションとしての物語が完全に負けてしまっている。お話がシンプルすぎるうえに演出もきわめてオーソドックスなため、物語としてはいまいち印象に残りにくいのだ。北朝鮮の強制収容所の実態を暴くのであればドキュメンタリーや再現VTRでいいわけだし、フィクションで勝負するならもっと見せ方を考えてほしかった。またCGアニメとして見ても、そのクオリティは恐ろしく低いと言わざるをえません。人物の顔などどれもモデリングで継ぎ接ぎしたのが丸わかりだし、その動きもカクカクしていてまるでCGが登場したころの初代プレステレベルでちょっとこれはきつい。今もなお苦しむ北朝鮮の人々の実態を世界に知らしめたいという、この監督の熱意には素直にエールを送りたいのですけどね。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-11-11 10:02:58)(良:1票)
1152.  レフト 恐怖物件 《ネタバレ》 
若手人気女優を妻にもち、可愛い盛りの一人娘にも恵まれた、裕福な資産家中年男性が、とある民泊に泊まったことによって不条理な世界へと迷い込む姿を描いたホラー。主演は、個性派俳優ケビン・ベーコンと人気女優アマンダ・セイフライト。まあやりたいことは分かるんですけど、演出の切れがいまいちだったかな。何とも間延びした展開の連続に終始睡魔が……。でも、後半からのまるでこの主人公の精神世界を表したかのような迷宮的映像はなかなかスタイリッシュでそこは見応えありました。ま、そんな感じです、はい。
[DVD(字幕)] 5点(2021-09-28 01:42:32)
1153.  カポネ 《ネタバレ》 
暗黒街の顔役として史上最も恐れられたギャングスター、アル・カポネ。だが、その晩年は長かった刑務所生活と梅毒による記憶障害、そして肉体的な衰えとで非常に寂しいものだった。本作は、そんな彼の知られざる最晩年を描いたもの。かつて残虐非道なギャングたちのボスとして恐れらたもの、今や下の世話も自分でできずおしめが手放せなくなるほど衰えた彼を演じるのは、人気俳優トム・ハーディ。という訳で今回鑑賞してみたのですが、正直微妙な出来でしたね、これ。ストーリーなんてほとんどあってなきが如し、ただひたすらボケ老人の妄想に付き合わされただけの二時間弱でした。こういうのって普通、全盛期のかっこいい主人公の姿を回想シーンで描くなりすれば、より衰えた現在の悲哀が浮き彫りになるものだけど、予算の都合か本作はずっと落ちぶれてしまった主人公の今を描くのみ。それもことあるごとに漏らしちゃったり、妄想から暴言を吐きまくったりでまったくもって不愉快というしかありません。クライマックスで主人公がいきなりマシンガンをぶっ放すのもやはり妄想で、「結局だからなんやねん!」と思わず突っ込んじゃいましたわ。ありきたりの伝記映画にはしたくなかったのか知れませんが、どうにも退屈と言わざるを得ない内容でありました。悪夢のような妄想シーンに若干センスを感じたのと、トム・ハーディの熱演に+1点。
[DVD(字幕)] 5点(2021-08-16 23:38:05)
1154.  博士と狂人 《ネタバレ》 
制作に約70年もの月日を費やして完成された世界最高峰とも呼ばれる辞書「オックスフォード英語辞典」。その完成の裏には、博士号を持たない異端の言語学者と精神を病んでしまい妄想から人を殺めてしまったアメリカの元軍医という二人の存在があった。実話を基に、世界最大の辞書を編纂したそんな二人の天才の友情と交流を描いた歴史ドラマ。ベテラン俳優ショーン・ペンとメル・ギブソンがそんな博士と狂人を演じたということで今回鑑賞してみました。率直に言って、題材は凄く良かったとは思うんですよ、これ。世界でも有名な辞書完成の裏に隠された秘話、しかもそこには統合失調症を患った精神病患者の尽力があったなんてとても興味が惹かれるテーマじゃないですか。なのに、最後まで付き纏うこの微妙な空気感。きっと話を詰め込み過ぎたんじゃないですかね。いろんなエピソードが展開されるんですけど、どれもこれも踏み込みが非常に甘い。特に、狂人博士の方に殺された男の奥さん。この人が最初は当然、この夫を殺しながら病のせいで罪に問われず精神病院への処置入院で済んだ男へと物凄い憎悪を募らせるんです。でも、お金を貰って何度か優しくされると簡単に許しちゃう。いやいやそんな訳ないでしょ。もし事実がそうだとしても、そこに至る過程にもっと鋭く切り込んでもらわないと。これでは深みに欠けると言わざるを得ません。また、同じようにこの狂人とはぐれ者の言語学者との交流も一面的でなんとも浅い。題材は良かっただけに、もう少し脚本を練って欲しかった。イカれた孤高の天才を熱演したショーン・ペンの迫力に+1点!
[DVD(字幕)] 5点(2021-08-09 06:00:44)
1155.  CURED キュアード 《ネタバレ》 
人間を狂暴化させる新型ウィルスが爆発的に蔓延し、大混乱へと陥ってしまったヨーロッパ。感染した者たちは見境なく人々を襲い、そしてその肉を喰らうという常軌を逸した行動へと走るようになるのだった。自らの親や子供、友人たちを容赦なく襲う感染者たち。世の中がそんな地獄絵図へと化す中、ここ、アイルランドも例外ではなく、社会は壊滅的な打撃を受けてしまう――。だが、人々はその後、治療法を開発し、感染者の七割以上が無事に回復するまでになっていた。残りの回復しない感染者をどうするのかという問題に直面するなか、回復した元感染者たちの社会復帰が開始される。ここでもう一つの問題が浮き彫りとなる。回復した元感染者たちは皆、狂暴化していたときの記憶を何一つ失ってはいなかったのだ。無事に日常生活へと戻ってきた元感染者であるセナンもまた、狂暴化していた時期の自らの記憶により、心に深い傷を負っていて……。パンデミック後の混乱した社会に生きる人々の苦悩を、とある一人の男の姿を通して描いたサバイバル・スリラー。という内容を聞いて、もっとエンタメ寄りの作品だと思って今回鑑賞してみたのですが、意外にもこれって社会派寄りのシリアスなドラマだったのですね。だとしたら、いまいち深みが足らないように僕は感じてしまいました。貧富の格差や移民問題、それによって拡がる社会の分断のメタファーとしてゾンビを扱うというアイデア自体は悪くないんです。異物を排除しようとする社会的多数派と暴力によって自らの主張を認めさせようとする社会的マイノリティ、そしていつまで経っても反社会性を失わない者どもを密かに抹殺しようという権力の暴走……。911から続くそんな深刻な社会状況をゾンビという分かりやすい要素で捉えようというのは非常に興味深い試みだったとは思うんですよ。更生したテロリストたちの社会復帰という問題もメタファーとしてよく効いている。ただ残念ながら彼らの思想的対立がいつまで経っても深まっていかず、ただ淡々と物語が進んでゆくので僕は正直中盤から退屈に感じてしまいました。エンタメ映画として観るには圧倒的に娯楽性に欠けるし、社会派映画として観るにはいかんせん深みに欠けるという、なんとも中途半端な作品でございました。
[DVD(字幕)] 5点(2021-07-23 05:06:49)
1156.  ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を 《ネタバレ》 
定年を迎えた初老の鉄道員がある日、電車の車体に引っ掛かっていたあるものを拾う。それはなんと、青いブラジャー。持ち主である素敵な女性はきっと今頃、困っているに違いない。なんとか返してやろうと思い立った彼は、小さな町の中で持ち主探しを開始する。欲求不満気味のマダムや茶目っ気たっぷりの素敵なお嬢さん、色んな人たちに聞いて回ってみるものの、いつまで経ってもその女性は見つからない。果たして彼はその青いブラジャーをちゃんと持ち主に返してあげることは出来るのか?小さな町の中で繰り広げられる、平凡なおじさんのそんなささやか冒険を全編セリフなしで描いたほのぼの系コメディ。まあやりたいことは分かるんですけど、僕はイマイチ嵌まらなかったですね、これ。90分あるこの映画で全編セリフなしにしちゃったのはやはり失敗だったんじゃないでしょうか。アニメとかなら観ていられるんでしょうけど、実写でましておっさんが主人公でこの手法はちょっとキツい。最初はこの『アメリ』っぽい独特の世界観に浸っていたんですけど、僕は途中から飽きてきて何度か寝落ちしそうになりましたわ。それに、こういうちょっぴりお下品な内容のコメディって、主人公が如何に気持ち悪くなるぎりぎり手前のラインで踏みとどまれるかがポイントとなると思うんですけど、本作の主人公はそのラインをぎりぎり越えちゃってるような。だって拾ったブラジャー片手に女性宅をひたすら廻るおじさんってやぱ気持ち悪いって(笑)。全体に漂うほのぼのした雰囲気とキレイな映像に+1点!
[DVD(字幕)] 5点(2021-07-05 22:36:31)
1157.  野性の呼び声 《ネタバレ》 
ゴールドラッシュに沸く19世紀アメリカを舞台に、一人息子を亡くし失意の中に生きていた老人と悪徳業者にさらわれ流転の身となってなってしまった大型犬との友情を描いた冒険ドラマ。主演を務めるのは、大御所俳優ハリソン・フォード。まず特筆すべきなのは、やはり主役となる大型犬を最新のCG技術を駆使して生き生きと描いているところでしょう。鼻の濡れた感じだとか微妙に汚れた毛並みなどもはや本物としか思えません。犬が水から上がってきたときの全身の毛の濡れた質感なんてあまりにもリアル。そんな犬たちが雄大な大自然を背景に躍動的に駆けまわる姿は癒し効果抜群でした。ただ、それに対してお話の方は正直微妙。飼い犬としてのほほんと生きていた主人公バックが突然、弱肉強食の大自然の中に放り出され、様々な出会いと経験を経るうちに逞しく成長してゆくというが本作のおおまかなストーリー。率直に言ってこれがさっぱり面白くない。主人公のバックが大した苦労もないままに困難を易々と乗り越えてゆくものだから、最後まで説得力というものが皆無なのです。それに、郵便物を運ぶためにそり犬となって雪山を駆け抜ける前半部分と老人とともに金脈を求めて山の中へと分け入ってゆく後半部分が全く繋がっておらず、一編の物語としては散漫というしかありません。映像技術的は文句なしに素晴らしかっただけに、もっと脚本を練って欲しかったですね。
[DVD(字幕)] 5点(2021-06-26 02:19:33)
1158.  グレタ GRETA 《ネタバレ》 
始まりは、電車の中で拾った小さなバッグだった――。NYの片隅で友人とともにルームシェアをしている若い女性、フランシス。レストランでウェイトレスをしながらそれなりに充実した毎日を過ごす彼女だったが、それでも一年前に病気で亡くなった母のことを未だ引きずっていた。そんなある日、彼女は電車の中に置き忘れられた小さなバッグを拾う。中にあった身分証を確かめてみると、持ち主はグレタという名の初老の女性。たまたま家が近所だったので、フランシスはバッグを返すために彼女の家を訪ねてみる。するとグレタは素直に喜んでくれ、お礼に一緒にお茶でもしないかと誘ってくるのだった。特に断る理由もなかったフランシスは、そのまま彼女の身の上話を聞くことに。愛する夫を亡くし、一人娘もパリへと留学して今はしがない独り暮らしだという彼女に、フランシスは思わず同情してしまう。犬を飼うよう勧めてみたり、一緒に食事をしてみたりと次第に距離を縮めてゆく二人。だが、フランシスは知らなかった。実はグレタは日常的に嘘をつき、しかも娘と同じ年頃の若い女に異常なまでの執着を示すサイコパスであることを……。都会で暮らす平凡な女の子が、偶然知り合った初老の女性に執拗なまでに付き纏われ恐怖のどん底へと叩き落とされる姿を描いたサイコ・スリラー。人気若手女優クロエ・グレース・モレッツとフランスのベテラン女優イザベル・ユペールの豪華共演ということで今回鑑賞してみました。監督は、この手のサスペンス映画を得意とするニール・ジョーダン。率直な感想を述べさせてもらうと、もう全く新味のない最初から最後まで既視感満載のベタベタな内容でしたね、これ。母親を亡くした若い女性が、同じく娘を亡くした女性にストーカーされ、挙句監禁されて強制的に娘代わりにさせられてしまうというお話。それ以上のものはなんにもありません。おまけに話のテンポが悪く、主人公が間抜けな行動を取り続けるので観ていて若干イライラしちゃいました。見所と言えば、やはりベテラン女優イザベル・ユペールの恐怖のストーカーおばさんっぷりかな。神経症資質なサイコパスを見事に演じ切っていて、さすがの貫禄。ショパンのレコードに合わせてダンスを踊りながら、クロエちゃんを痛めつけるさまはなかなか気持ち悪かった。チョンバされた小指の切断面に注射器を刺すシーンはさすがにやり過ぎ感あったけども(笑)。という訳で彼女の熱演に+1点って感じです、はい。
[DVD(字幕)] 5点(2021-06-15 00:30:14)
1159.  ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ 《ネタバレ》 
サンフランシスコの一等地に建つ、とある豪華な一軒家。そこには現在、仲の良い老夫婦が穏やかな余生を過ごしている。だが、そんな瀟洒な家を路上から見上げる、ある一人の貧しい黒人青年がいた。彼の名は、ジミー。なんとその家は、彼の祖父が戦後すぐに手持ちの材料のみを使い自らの力だけで建てたというのだ。父から教えられたそんな話を素直に信じ、次第にその家へと執着を強めてゆくジミー。友人の力を借り、彼は老夫婦が留守の間に勝手に外観をリフォームするなどどんどんと常軌を逸した行動を取り始める。そんなある日、金銭トラブルから老夫婦が家を手放さざるを得なくなるのだった。それを知ったジミーは、ここぞとばかりに家へと忍び込む。祖父が遺した荷物を勝手に運び込んだり、自宅と称して友人たちを招き入れたりと、まるで自分の家であるかのように振舞うジミー。だが、そんな彼の傍若無人な行動は当然のように不動産会社に見つかってしまい……。サンフランシスコに建つ豪華な一軒家を自分のルーツだと偏執的なまでに信じ込んだ、ある黒人青年の異常な行動を終始淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。恐らくこの作品を撮った人って恐ろしく頭の良い人だとは思うんですよ。奴隷として長年虐げられてきた黒人としてのアイデンティティをマジック・リアリズム的に描こうという試みは、なんとも知的好奇心を刺激するもの。静かに淡々と進めつつもときおり印象に残るシーンを挿入してくるところなど、この監督のセンスの良さを感じさせます。でも、それが面白さに繋がっているかというと、僕は「否」と言わざるを得ませんでした。あまりに淡々と進むうえにときおり意味不明とも捉えかねないエピソードをぶっこんでくるものだから、最後まで観るのが少し苦痛に感じてしまいました。恐らく何らかの精神疾患を抱えているであろう主人公にも別段同情を感じるわけでもなく、彼の友人との関係性もいまいちよく分かりません。極めつけは、二人がこの家でチープな芝居を演じるのですが、そこに何故こんなにもたくさんの観客が集まるのか意味不明過ぎる。まぁ作品として二重の意味で観客を煙に巻こうというのがこの監督の意図だとは思うんですけどね。要は、このシュールな世界観に僕の感性が合わなかったということ。なかなか人を選ぶ作風なので、好きな人には嵌まるのかも知れません。
[DVD(字幕)] 5点(2021-05-17 03:01:54)
1160.  ブック・オブ・ライフ 〜マノロの数奇な冒険〜 《ネタバレ》 
メキシコでもっとも重要な祝祭、その名も死者の日。国中が先祖の霊を思い、家族の安寧を願うこの厳かな日を背景に、神々の賭けの対象となったある三人の男女の恋の行方をファンタジックに描いたCGアニメーション。ギレルモ・デル・トロが制作を務めているということで今回鑑賞してみたんですけど、なんか自分が思ってたのとだいぶ違ってました。彼お得意のダークでグロテスクな世界観は何処へやら、全編に渡ってもうやり過ぎなくらいポップ&ゴージャス&ドタバタ。印象としては、レゴムービーのメキシコ版って感じですかね。お話の方もとにかく色んなキャラがたくさん出てきてひたすら小ネタを繰り出してくるので、その度に集中力が途切れ、自分はいまいち入り込めませんでした。うーん、こればっかりは個人的な好みの問題なので如何ともしがたいですね。ただ、映像は終始キレイでクオリティが高く、そこは充分楽しめました。のちのピクサーの名作『リメンバー・ミー』に少なからぬ影響を与えたのかな。まあそんな感じです、はい。
[DVD(字幕)] 5点(2021-04-30 00:34:31)
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