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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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101.  ガンファイターの最後 《ネタバレ》 
これは、「アラン・スミシー監督」の実質的なデビュー作、と言っていいんですかね。ダメか。 リチャード・ウィドマーク演じる主人公の保安官が、とにかく周りから嫌われまくってて、もうほとんど笑っちゃうくらいに嫌われてるんですが、なにせこんな怖い顔だから、それも仕方がないのです。また、多少の誤解もあるとは言え、もちろん本人も悪い。やたら短気だし。顔は怖いし。 という嫌われ者なもんで、映画が始まって間もなく、襲撃を受けてしまう。この夜の馬小屋の場面、二階の暗闇から襲撃者の声だけが聞こえてくる不気味さが印象的です。 はたまた、若造の襲撃に始まりクライマックスへと繋がっていく終盤の一連の流れ。ドア越しの銃撃がバイオレンスを感じさせ、さらにクライマックスの追跡などは、ダーティ・ハリーの執念なども思い起こさせます。ダーティ・ハリーと本作との間に何か関係があるのかどうかはさておき。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-28 08:37:33)
102.  誇り高き男
ベテラン保安官と若者との組み合わせ。鉄板ネタという感じですが、中でも、二人が射撃の練習をするシーンにおける不穏な空気、緊張感は、出色と言っていいでしょう。何かが起こりそうな、何も起こって欲しくないような、いや何か起こらなきゃツマランだろ・・・。 作品自体は多少、スロースタートなところがあり、序盤はもう一つノレないのですが、ジワジワと盛り上がってくる。主人公がしばしば視覚に異常を感じるあたりの展開もちょっとユニーク。主演のロバート・ライアンはそんな歳でもないと思うんですが、単なる老眼じゃないの、と思えてしまったりはするのですが(いやこれ、人間、歳食ったら、びっくりするほど見えなくなるもんなんですよ!)。 主人公のイマイチ煮え切らないところも、若造の単細胞ぶりも、クライマックスに向けて盛り上げるため。いっそ『狂った野獣』の渡瀬恒彦なみに視覚がメチャクチャになったらさらに盛り上がったりして? いえいえ、品があるのが、こちらの作品の良さですから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-07 08:26:21)
103.  燃える平原児 《ネタバレ》 
エルヴィス・プレスリーが、白人を父、先住民を母に持つ主人公を演じた西部劇。これを見ても、何ゆえエルヴィス・プレスリーがあんなに大スターとしてもてはやされていたのやら、さっぱりわかりませんが、それは必ずしも悪い意味ではなく、あくまでこの大作とは言えない西部劇の出演者の一人として、複雑な境遇の青年の役を好演しています。一応はファンサービスなのか、歌声も披露しており、言われてみれば、スターらしい色気が無くも無いような気もしてきますが、おそらく気のせいでしょう。ということで。 この作品、何ともまあ、救いのないオハナシでして。主人公一家の周りでは、白人と先住民たちが、ひたすら対立しまくっていて、襲撃シーンなどもなかなか容赦のない描写。この一家はその家族構成ゆえ、できればこの対立に巻き込まれたくない。だけどそれを周りが許す訳もなく。そして周りが許さなければ、この一家を軸とした新たな対立の種が生まれてしまうことに。 最後まで何も解決することはなく、ラストシーンの別れが対立の終着点として描かれるこの悲劇、それをアクションを交えつつテンポよく描いていく手際の良さ。スターが主演だろうと何だろうと、B級西部劇の香りがいたします。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-07 07:45:13)
104.  メトロポリス(2001) 《ネタバレ》 
終盤のカタストロフィ、結局は物語をここに持っていくのであれば、何もこんな込み入ったオハナシにしなくても、と思わなくもないけれど、一方では、収斂する物語の快感、というのもある訳で、やっぱり引きこまれてしまいます。 もちろん引き込まれる理由というのは、中盤に盛り込まれた雑多なエピソード(例えばロボットたちと人間との関係)がクライマックスに向けて収斂していく過程、にもあるとは言え、やはり最大はこの、緻密を極めたアニメーション、その細部へのこだわり。CGもかなり使われているけれど、CG部分に負けないだけの驚くべきアニメ表現がこれでもかと詰め込まれていて、CG部分が浮いて見えちゃうようなことは全くありません。 ケンイチくんは昭和感丸出しのキャラで、こんなクリクリ目玉の少年はもはや、ビッグボーイの看板くらいでしかお目にかかりません。ティマちゃんは、普通の美少女キャラとは一線を画したようなところがありますが、イヤミなほど足がスラリとしてます。ケンイチくんの昭和な足とは全く違う。しかし一部の作画では、さすがに足が長すぎる気もしましたが、どうでしょうか。 それはともかく。終盤、「私は誰?」と問うていたティマに対し、残酷な答えが突きつけられ、内側がむき出しとなっていく彼女の要望にもそれが表れるのですが、結局彼女はその問いを最後まで抱いたまま、彼女を救おうとするケンイチの手を離れ、墜落していく。自分は誰なのか、という問いへの答えが得られることは決してないのですが、その問いを抱えている者こそが、すなわち人間なのではないか、と。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-05-06 08:44:39)
105.  テンダー・マーシー
ロバート・デュヴァルがすっかりグダグダになってしまったカントリー歌手の役、ということで作中で歌声を披露しており、これが実にお見事なんですが、ラストのクレジットを見ると、彼自身が作った歌なんだそうで。いやはや、能ある鷹は爪を隠す。 カントリーソングってのは、日本でいうところの演歌みたいなもんなんですかねえ。しかし舞台を日本に置き換え、カントリーソングを演歌に置き換えたのでは、この物語は成立しないような気もします。演歌だともっと未練タラタラの内容の方が似合いそう。アメリカが舞台だと、離婚も再婚も当たり前。一見、わりとサバサバしているんだけど、やっぱりどこかで過去を引きずっている。引きずっているんだけど、流されていくしかない。忘却したくてもできない過去。未来なんて所詮、諦めの先にしか無いのよ。 元妻がステージで歌うシーンでは、映画の尺を割いてこれまた見事な歌声をしっかりと聴かせ、夢も希望もあった過去を思い起こさせもするけれど、歌が終わればそこには、過去には戻る事のできない現実がある。数少ない過去との繋がりは、古い友人であったり、娘であったり。でも娘との間にはやはり、埋めようにも埋めきれない歳月というものがあって。 一方で主人公は、ある母子と知り合い、新しい生活を始めようともしている。何でしょうねえ、この、「流されてます感」みたいなもの。我々もまた、流されながら、この映画の終わりとともにアメリカの片田舎の景色の中に消え去っていく彼らと別れを告げる・・・。
[インターネット(字幕)] 9点(2023-05-06 06:42:24)
106.  新・網走番外地 吹雪のはぐれ狼 《ネタバレ》 
網走番外地シリーズの懐の深さというか、デタラメさがよく表れた一本です。もはや完全にコメディ路線。だけどラストだけは突然、任侠指数がまさに指数関数的にハネ上がる、という謎の構成。よくもまあ、こんな企画が通ったもんです。網走番外地だからこそギリギリ可能なのであって、昭和残侠伝ではこんなこと、できません。 冒頭、刑務所内でイザコザがあり、あわや命を奪われそうになった健さん、それをすんでのところ岡田真澄神父が救う。というところまではいいのだけど、晴れて出所した健さん、何をどうトチ狂ったか、この神父こそ我が親分、と言う訳で親子の盃を交わし、教会での神のしもべとしての生活を始めることに。 この勘違いぶりだけでも充分、寅さん級の暴走なんですが、さらに教会のシスターに一目ぼれしてしまうに至っては、いやこれも寅さん路線ですけれども、後の東映で言えば、いかにも菅原文太向けの役どころ。それを健さんが演ってる、というのが、見てて可笑しくもあり、気恥ずかしくもあり。 シリーズの持つ暴力指向みたいなものは、この作品では比較的健全な路線に置き換えられ、ボクシングを通じて表現されます。教会に対し敵対するグループも登場しますが、教会の運営するボクシングジムの若者(谷隼人)に目をつけたり、彼に八百長を強要したり、まあ、そんなところです。 一体この作品のどこが「吹雪のはぐれ狼」なんだよ、という訳ですが、ここでの健さんは「迷える子羊」ではなく「迷える狼」、ではあるかもしれません。はぐれてはいない気もしますが・・・。そして「吹雪」。実際、いくつかのシーンではひどく吹雪いています。別に物語の上では、わざわざ吹雪の中で撮影する必要はなかったかもしれませんが、でもこういうシーンがあると雰囲気が出て、いいではないですか。 ここぞというシーンで長回しを用いているのも印象的。健さんと谷隼人がリングで向かい合うシーンでは3分近くを一気に見せ、それを見守る岡田真澄とのやり取りのカットを挿入した後、また長回し。 ボクシングのシーンで本格的なファイトを期待するのはさすがに無理がありますが、谷隼人の搾り上げられた肉体もあり、違和感の無い、迫真のシーンになっています。 終盤、いきなりとってつけたような悲劇が彼らを襲い、殴り込みを決意する健さんの姿をまた長回しで捉えた後、いよいよ敵の本拠地に乗り込むと、そこに待ち受けるのは若山富三郎。ひとりストーブにあたりながら餅を焼いてるその姿が、哀愁があって良いんですよねー。 こういう、作品のあちこちに突然現れる「良さ」が、また本作を珍作たらしめているような気もしますが。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-05-06 05:53:36)
107.  星のない男
カーク・ダグラスの魅力。というか、チャラさ、ですね。チャラ男。 陽気に歌って見せたり、曲芸のごとき見事なガン捌きを見せたり。器用で調子よく、天真爛漫。こういうヒトは、合コンの席では一番目立つけど、最終的にはモテないタイプだと思う。いや、最近の合コンがどんな雰囲気かは知らないので適当な事を言ってますけども。髪型もバッチリ決まっていて、鋼鉄のごとくガチガチに髪を固めているかのように見えますが、頭を掻きむしると一応ボサボサにはなるんだなあ、と。 そんな彼にも一応は暗い過去、とまでは言わなくとも、体と心にかかえた古傷があるらしい。そんなとってつけたような弱みなんか、どうでもいいでしょ、と言いたくもなるのですが、これはこれで重要な物語のポイント。有刺鉄線に対する嫌悪感。 そんでもって、彼を取り巻く2つの勢力がそこにはあるのだけど、この両者、どっちもどっち、という感じ。管理経済をとる有刺鉄線派か、それとも自由経済を標榜しつつ傍若無人に牧草を食い荒らす反・有刺鉄線派か。主人公にしてみれば、前者の有刺鉄線は嫌いだし、後者の連中はさらにイケ好かないし、と言う訳で、勧善懲悪路線ではない、微妙な力学の上に物語が成り立っているのがユニークなところ。ラストは元祖(?)有刺鉄線デスマッチへ。 この作品、画面に「遠景」がダイナミックに取り込まれていて、広大な牧草地帯、牛の群れ、といった光景がまた、大きな見どころになっています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-03 10:24:20)
108.  クワイエット・プレイス
静寂を守らないとモンスターに襲われる、という設定が、意欲的ではあります。手話を交えた会話は最小限に絞り、俳優たちの表情、そして静寂の不気味さで物語を描く。我々も自ずと、映画の中における「音」に敏感になり、そこに生まれる緊張感。 ってなところではあるのですが。 そうは言っても、やっぱり難しい設定ではあると思います。「音を立てちゃダメ」となると、やっぱり「にも関わらず音を立ててしまった」という禁則破りこそがサスペンスのスタートとなるところ。あるいは『ドント・ブリーズ』のように、「音を立てるのを待ち構える相手」というものを画面で見せつけるところをスタートとするか。しかるに、この『クワイエット・プレイス』では、音を立てたら即死、なもんで、基本的に「それでも音を立ててしまう」というサスペンス上の行為に対し、物語上の制約がかかってしまう。しかも、モンスターはどこからともなく急に襲い掛かってくるもんで、「だんだん迫ってくる」風のサスペンスにもなかなか繋がらず、これも制約として感じられてどうもまどろっこしい。もっとも、この点に関しては、無闇にモンスターの姿を画面に出さない、という別の魅力に繋がっているとも言えるし、映画後半は姿を露わにしたモンスターがジワジワ迫ってくるタイプの描写も取り入れられているけれども・・・。 実際に聴覚に障碍のある女性が娘役を演じている、というのがここではおそらく、いい方向に出ていて、普通に幅広くオーディションなんかしたら、こういう素朴で、しかし独特の雰囲気の娘役は生まれなかったんじゃなかろうか、と思えてきます。制約がうまく働く場合もあるのです、たぶん。 しかし、この主人公家族の、親子関係の描き方って、こんなもんでよかったんでしょうか? ちょっと踏み込みが足りない気もします。かつて起きたある事件により、関係がギクシャクしている(あるいは本人がそう思い込んでいる)、というのはもっと鮮明に描かれていてもよいと思うし、それでこそ、クライマックスで互いに離れ離れになった家族が何とか集まろうとする姿にも繋がってくると思うんですが。静寂というルールが家族関係の描写に対して制約になったのであれば残念ですが、それとて、工夫の余地はもう少しありそうな気が。 言葉より表情で描く。それは悪くないと思うけれど、それを補強するエピソードがもう少し欲しくなるし、それより何よりこれは恐怖映画なのだから(少なくとも、恐怖映画として面白くなりうる映画なのだから)、俳優の表情ばかりでなく、まずこの、不気味な森、と言うヤツを、画面上にしっかりと出して欲しかったなあ。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-05-02 08:06:35)
109.  網走番外地 悪への挑戦 《ネタバレ》 
高倉健が主演で、アラカンの鬼寅さんも出てくるもんで、確かに一応はコレ、「網走番外地」には違いないんでしょうけれど、それにしてもまた随分極端な路線変更。今回はほとんど、スクールウォーズです。熱血健さんと、尖ったナイフのごとき、若き谷隊長(@たけし城)との、心の交流。 さすがにストーリー上、さいぶ無理があるなあ、と思いながら見るのもまたオツなものですが、それにしてもちょっと無理が。変に義兄弟になったりするもんだから、あーたぶん谷隊長、この後どっかで殺されるんだろうなーと誰しも思うのですが、こんなあっけなく殺されるとは。映画途中からやや影が薄くなってしまってたので、死んでもあまりインパクトが。 スクールウォーズ路線から、ハードボイルド風味を漂わせつつ、ラストはしっかり任侠路線になって、かなりノリノリにドスを振り回す健さん。無理はあるけれど、イロイロ楽しめたから、まあ、いいかな、と。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-04-16 17:04:41)
110.  遠い太鼓
まるで、アフリカの奥地を探検して原住民と戦う、みたいなノリの映画ですが、舞台はアフリカではなくってフロリダ。秘境感はやや薄いけど、ワニはいるわ、毒蛇はいるわで、一応、冒険チックに盛り上げます。西部劇ならぬ、南部劇、といったところでしょうか。 映画前半、30~40分くらいでほぼ任務は完了。あとは帰るだけ、なんですが、そこに先住民やらワニワニやらが襲い掛かってくる。これがまあ、正直、さほど盛り上がらないんですけどね。ワニワニに襲われる場面の叫び声が、後にさまざまな作品に流用されて、この作品を有名にしているらしい、のですが、むしろこの場面におけるヒロインのおマヌケな叫び声の方にこそ、私は軍配を上げたいなあ。 作品全般にわたって、劇伴の音楽(マックス・スタイナー)が過剰に鳴り響き、これもあまり感心しないのですが、終盤の先住民との戦いで、劇伴が止み、先住民の太鼓の音だけが響いてくるのは、これは効果的でした。 あとは、水中撮影の活用なんかが、目を引きますかねえ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-04-16 16:31:18)
111.  不死身の保安官
不死身の保安官、というと、いわゆる「マニアック・コップ」ですかね。別名、地獄のマッドコップ。違うか。 何がどう不死身かというと、こういう作品を見てると地球上最強の生物は「イギリス紳士」なんじゃないか、と思えてくる。世界のどこへ行こうが、誰が相手だろうが、我が道を行くのみ。 我らが主人公がポンコツなら、ヒロインは輪をかけてポンコツ。まさに、割れ鍋に綴じ蓋。 と、まあ、ハチャメチャなコメディ調の作品ではあるのですが、内容はというと、町が二つの勢力に二分されていて、そこに主人公がやってくる、という、意外にも『用心棒』の先駆けのような作品でもあります。さらには何と、『タクシードライバー』のトラヴィスもびくりの仕込み銃(?)まで登場。何と言う先見性。先見性はあるけど、ハチャメチャ。 いや、楽しかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-15 12:11:09)(良:1票)
112.  牛泥棒 《ネタバレ》 
これは怖い。もはや、一種のホラー映画です。 なにゆえ怖いかと言うと、作品の主要な部分を占める一連のシーンが、夜だから、ですね。人の理性を狂わせる闇。何が起きるかわからない、何が起きてもおかしくない、不穏な時間の流れ。モノクロ映像が不気味な迫力を醸し出しています。 本来ならヒーロー役であるところのヘンリー・フォンダ、後の某作品で他の11人の陪審員に立ち向かって見せたヘンリー・フォンダなら、この事態を何とかしてくれるんじゃないか、とつい思っちゃうのですが、彼の正義感もここでは無力。彼の存在が一抹の希望を抱かせるけれど、その対比によって、絶望の闇はさらに深くなる。 では彼は一体、この作品に何のために登場したのか、何のために彼に相棒がいたのか、というと、相棒へ読み聞かせるという名目で、「手紙を読みあげる」ためにこそ、この主人公は存在したのだ、というラスト。 ただ、この手紙、人の心を動かすどれほどの内容が書かれていたのだろうか、と作品自身がだいぶハードルを上げてしまったので、正直、割とフツーの内容だったかな、と思わなくもないのですが(ゴメン)、映画を貫く緊迫感と迫力は、それを補って余りあると思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-04-15 11:41:20)(良:1票)
113.  夕陽に向って走れ
確かに異彩を放つ映画、には違いないのですが、、、だからと言って映画に引きこまれるかというと、それは別の話。主張が強すぎて、個人的には、ちょっとついていけないかな、と。すみません。 アウトサイダー的な先住民の青年が追い詰められていく姿、彼を追い詰める人々と微妙な距離を保ちながらも、彼と対峙するロバート・レッドフォード。特にクライマックスにかけての対決は、他の映画と一線を画す独特の描写となっています。 でも、独特ではあるけれど、技あり、という感じはしなくって。ちょっと、狙いすぎ? キャサリン・ロスの演技も、手持無沙汰のあまり、無理に行間を埋めようとするかのような、ムダな所作がちらほら。これを自然な動きというのか、演出力不足というのか。 ヘタウマと、単なるヘタとの差異って、どこにあるんでしょうね?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-04-01 03:32:43)
114.  アーノルド・シュワルツェネッガーの鋼鉄の男 《ネタバレ》 
このシュワちゃんという人はこれまで、映画の中でさまざまな敵と戦ってきた訳ですが、このドキュメンタリ作品に出てくる彼のライバルたちこそ、最強最大の相手、のように思われてきます。 映画開始から、筋肉、筋肉、また筋肉。体の隅々まで怒張しまくった、全身デカマラ状態のこのライバルたちの、非常識なまでに凄まじい肉体を目の当たりにすると、あのいつもニコニコシュワちゃんが彼らに勝てそうな気は、まったくして来なくなります。。。が、ある意味、彼の本当のピークの時期を映像に捉えたのがこの作品。我々になじみのある80年代のシュワは、もはや彼の余生と言ってよいのかも。後の映画スター時代以上にニコニコしながら、最強の肉体美で(「美」かどうかはもはやよくわからんが)しっかり優勝をかっさらってしまう。優勝を争っているのが3人しかいないというこの状況がよくわからんと言えばわからんけど、まあ、ボディビル界における全世界の頂点、なんでしょう。見れば納得の、この肉体。 ムキムキと、実際に音を立てていそうな筋肉パフォーマンス。非現実感すら感じさせ、どこかユーモラスでもあるのですが、裏では苦痛に耐え続けた壮絶なトレーニングがそれを支えている。どうしてここまでやるのか、何が彼らを支えているのか、どうして他のことにこの情熱を向けられないのか(?)。そのアンバランスさが、不思議な感動に繋がります。人間が到達できる限界の世界、常人が理解できるかできないか紙一重の世界。 肉牛の品評会みたいにも見えてきますが・・・
[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-01 03:12:05)(良:1票)
115.  胸に輝く星 《ネタバレ》 
風来坊のごとき主人公がふらりと町に現れ、「何かを残して」またふらりと去っていく。いいですね~。これぞ西部劇の醍醐味。 その主人公が、ヘンリー・フォンダ。無精ヒゲの顔に、人生経験というか、積み重ねてきた過去が、窺われます。基本的にはこの主人公、自分の過去はあまり語りたがらなくって、西部劇のヒーロー像としては王道、なんですが、会話の節々で、つい自分の過去を漏らしてしまうのが、ちょっと脇が甘い(笑)。要するに、そういう口の重い主人公が、断片的ながらもついつい過去を語ってしまうように水を向ける、脚本の構成になってるんですね。上手いと言えば上手いんですが、でもちょっと脇が甘いと言えば脇が甘い。 それはともかく。「何かを残される側」として登場するのが、若き保安官アンソニー・パーキンス。一本気でいささか頼りなく、こういう役に似合いそうな俳優としてはロック・ハドソンあたりが思い浮かぶのですが、アンソニー・パーキンスが演じることでやや神経質な感じも出ています。意外なことに、銃捌きも見事だったりするのですが、いや、早撃ちならいいってもんじゃないんだよ、ということを彼に教える、ヘンリー・フォンダ。影響を与える側、与えられる側。一方通行のようでいて、実は双方向なのが、これまた西部劇の(に限らないけど)醍醐味ですかね~。 リー・ヴァン・クリーフが出てたりして、やっぱり悪役なのか、というと、案の定、いいヒトではないのですが、あくまでチンピラ風情であって、この町にはもっとやっかいな真の悪役がいる。それがネヴィル・ブランド。え、誰かって? あの『殺人ブルドーザー』のたった6人しかいない登場人物の一人ではないですか。周囲の人間を扇動し、町を牛耳ろうとする彼と、若き保安官との対峙。 その二人の対峙するシーンが映画では二度描かれ、どちらも巧みな構図で印象的に描かれますが、その二度の対峙における、ヘンリー・フォンダの立ち位置の違いが、さらにこのシーンの印象を深めています。一度目はこの対立から少し身を引いた位置からの助太刀。それが、クライマックスである二度目のシーンでは保安官と並んで立っていて、胸には星のバッジが。いやホント、痺れるんです、このシーン。 リー・ヴァン・クリーフたちが起こした事件のために町は大騒動となり、奴らをリンチにかけろ、とばかりに町民の一部が暴走。縛り首にすべく準備されたロープが、これ見よがしに揺れてたりする演出が、焦燥感を煽ります。 そんでもって、上述の対決へ。前回は主人公が銃で助けたけど、今回はあくまで保安官が対決に挑む。彼がこの町を守っていくための通過儀礼。主人公は彼の側に立って、それを見守る。 ラストシーンは、町を去る主人公の馬車のそばへ保安官が歩み寄り、やがて二人が離れていく様を、移動カメラのワンカットで見せており、作品自体の縮図というか、総まとめのように感じられるワンカット、でもあります。 充実のラスト。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-03-26 03:34:05)(良:1票)
116.  遠い空の向こうに
炭鉱の町を舞台に、スプートニク・ショックのさなか、ミニロケット作りに熱中する高校生4人組の物語。次第に改良されていくロケット、だけどすべてが順調という訳ではなく、石炭採掘は斜陽産業、さまざまな紆余曲折が描かれます。映画のテンポの緩急の付け方が、お見事。 ロケット打ち上げの成否をじっと見つめる4人の視線、その姿の描き方は、まさにスピルバーグ的。人知れずロケット打ち上げを繰り返す彼らも、やがて町の人たちから「見つめられる側」となる。我々もまた、彼らを見つめ、そして煙の尾を引いて上空へとひた走るロケットを見つめる。いやもう、これだけで充分に感動的。 ジェイク・ギレンホールの人懐っこい顔が、映画にとてもマッチしています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-03-19 18:24:18)
117.  パラサイト 《ネタバレ》 
要するにこの映画が何を言っているかというと、生徒から見たら学校の先生ってのはホント、得体の知れない人たちだ、ということでして。何せ学校の先生ってのは、いつ何をキッカケに怒り出すやら、訳がわからんもんね。どうやら先生たちのみに通じる価値観みたいなものがあるらしい。いやあくまで「生徒から見たら」、って事ですけれども。 特に体育教師ってのは、得体が知れない。ましてやその教師がターミネーターそっくりだったりなんかしたら、もう。。。 不良生徒からすれば、先生たちは勿論の事、他の生徒たちだって充分、得体が知れない。信用できるのは、一緒にヤクをやる、仲間だけ。この映画、そういうオハナシ。 しかしさらに映画の先を見ていくと、一緒にヤクをやってる連中だって結局、信用できないことがわかってくる。よくできたオハナシです。いや、映画の製作者にそういう意図があったかどうかは知りませんが、よくできた映画は結果的によくできたオハナシになる、ということですね。 走って逃げろと教師に言われたイライジャ・ウッドは、クライマックスにおいて走って逃げることになる。「攻撃は最大の防御」か、それとも「防御は最大の攻撃」か。 『スクリーム』みたいな一種のパロディというか(同じ脚本家ですしね)、作品自身のジャンルに対する自己言及が取り入れられていて、「盗まれた町」が再三、言及されるのですが、登場人物たちは『遊星からの物体X』のことをもっと気にしなくてよいのだろうか?と心配になってくる。案の定、クライマックスには『物体X』的な危機が待ち受けるのですが、ああいうハリボテではなく、ちゃんと動くヤツが襲ってくるのが嬉しいではありませんか。クライマックスにおけるプールを舞台とした一連のシーンは、出色だと思います。この作品、前回観たのはずいぶん前ですが、このシーンは強く印象に残ってて、また嬉しくなっちゃいました。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-03-19 17:30:32)
118.  網走番外地 決斗零下30度 《ネタバレ》 
網走番外地シリーズってのは、続きモノだとすると相当に無理があるので、一種のパラレルワールドものなんだろうと思ってたのですが、この作品の冒頭に回想シーンがあるのを見るとどうやら、続きモノだったようですね。いや、回想を含めてのパラレルワールドかもしれませんが。 もしも続きモノであるなら、邦衛さん演じる大槻とは、今回でお別れ・・・今回もお別れ? いややっぱりこれ、どういうシステムなんでしょうか。 それはともかく、今回は「決斗零下30度」ですから、シリーズ屈指の寒そうなタイトル。実際は、見ててそこまで寒そうには見えませんが、でも充分に雪景色が広がっています。そこそこ、寒そう。 冒頭、健さんがマセガキ、じゃなかった、少女と知り合って、さらには胡散臭い手品師とも知り合って、何かとユーモラスですが、例によって、たどり着いた地にはびこる悪へ立ち向かい、クライマックスは雪原での銃撃戦。雪中に展開される西部劇です。音楽もそんな感じ。マカロニ風味。 当然のように都合よく現れるアラカンは、今回は「八人殺し」というよりは、どこからどうみても普通に地元の老マタギ。ただし残念ながら銃を構えるともうひとつ、サマになってません。それもまた、味と言えば味。武器を投げ渡すのに、いくら何でも抜き身の刀を投げ渡す人がありますか。それもまた一種の味わい深さ。 撮影のために馬が本当に棒で殴られてたのか、気になる・・・。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-03-18 10:13:57)
119.  明日なき追撃 《ネタバレ》 
主演のカーク・ダグラスが製作・監督を務めた意欲作、とは言ってもヒーローものの超大作を目指すでもなく(ジョン・ウェインとの違い)、皮肉が効いたイキな小品に仕上がってます。小品とは言え、機関車を使ったちょいとスペクタクルなシーンもあり。 まず冒頭のタイトル前の夜のシーン、思わせぶりに、セリフを最小限に絞り、ツカミは上々。 ブルース・ダーンが酒場で銃撃する場面なども、ほとんど表情を変えない彼の顔と、テーブルを銃弾が突き抜けるアップの映像とを交互に描くスタイリッシュな演出で、こういうのもなかなか気が利いてます。 その後、「ちょっとした場面」が描かれます。酒場の誰もがブルース・ダーンに恐れをなして何も言わずに黙り込む中、ワンちゃんだけが彼に吠え掛かるのですが、彼がエサを投げると、たちまちエサに夢中に食らいつく。これだけだったら、ユーモラスな1シーンの挿入、に過ぎないのですが、その後の映画の展開を見ていると、実はこの作品を象徴するシーンであったりもします・・・・ 映画は中盤に、カーク・ダグラスが演説する夜のシーンを長くとり、その後はブルース・ダーンを護送する機関車のシーンからクライマックスへ。映画が描くシチュエーションを、欲張らずに数を絞って、じっくり描く。こういうのも、シャレてます。詰め込まないで、しっかり、じっくり描く。何かが起こりそうな雰囲気が、徐々に高まっていく。 クライマックスでは機関車を舞台にしたアクションで盛り上げて、見どころも充分、だけどラストで変化球も見せ、いやあ、なかなか心憎い作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-03-11 05:32:04)
120.  南部の反逆者 《ネタバレ》 
最初の方の、邸宅を背景にしたシーンで、邸宅の煙突から「煙が出ている」ことに、意味も無く嬉しくなっちゃいました。いや、本当に意味は無いんですけど、その演出のひと手間が嬉しいというか。 南北戦争のころのアメリカ南部が舞台。主人公の女性は、見た目はどう見ても白人なんですが、実は黒人の血を引いている。と聞くと、フォークナーの小説「八月の光」に登場するジョー・クリスマスを思い出したりもしますが、こういうのが作品の深刻なテーマとなるあたりが、南部という場所の難しさ、でしょうか。しかしでは、北部なら問題にはならないのか? 日本では? 主人公の女性の場合は、父の死をきっかけに、突然、奴隷として売られてしまう悲劇。この映画、「八月の光」のような難解さは無く、あくまでストレートに差別の問題を突きつけてきますが、こうやって「見た目は白人なのに奴隷にされることの理不尽さ」という形で提示されると、じゃあ見た目が黒人なら奴隷でOKなのかよ、とも言いたくなっちゃいます。 しかし、言いたくなっちゃうとは言え、これが、歴史、というヤツでもあります。主人公は、見るからに胡散臭い大富豪(と思うのは私だけ?)に買われていくのですが、その大富豪を演じるのが、見るからに胡散臭いクラーク・ゲーブル(と思うのは私だけ?ではないはず)。この大富豪もまた、人種差別には反対の立場をとっているようでいながら、暗い過去、彼なりの歴史を抱えている訳で。 しかし自身の過去を語る彼は、一見、悔悟に苛まれているようには見えず、むしろ堂々としているように見えます。おいおい、本当に反省しているのか? 表情からは見えないけれど、歩き回る彼の落ち着かなさが、やはり一種の葛藤を表現しているのかも。 クラーク・ゲーブルの内面を直接的に描くことを避ける代わりに、シドニー・ポワチエが黒人の立場からの視点を作品に加えているのが、この作品のユニークなところ。ただ、悔悟を表情に出さないどころかむしろ自信満々に見えてしまうクラーク・ゲーブルの余裕の表情の背景には、また別の彼の過去が・・・というあたり、ポワチエの押しの弱さ(品がある、とも言えるけど)と相俟って、今の視点で見るとちょっとヌルいと言うか、踏み込みが浅く感じる部分もあるのですが、今の観点を過去の作品に押し付けても仕方がない。逆に言えばそれも含めた、作品のユニークさ、ですかね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-02-25 05:44:29)
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