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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2374
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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101.  ディボース・ショウ 《ネタバレ》 
日本でも大竹しのぶで『後妻業の女』なんてストーリーがあったけど、本家ともいえるコーエン兄弟作品ではセレブの世界のお話しとは言っても潔いまでカネがすべてでカラッとしています。ゼタ=ジョーンズの亭主も殺されたり病死するわけでもなく別れるわけですが、考えてみれば夫側弁護士のジョージ・クルーニーおかげで一銭も得られず、この映画の中ではそのあくどい戦略は成功したとは言い難かったんじゃないかな。まるで下手なラブコメみたいな終わり方といい、けっきょく彼女は悪女というキャラではなかったという事ですね。ゼタ=ジョーンズはこの頃はその美というか魅力が頂点に達していたので、こういう役作りは正解だったんじゃないでしょうか、コメディですからね。これをマジで撮ったら、『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイクになっちゃいますよ(笑)。 まあこの映画は、ジョージ・クルーニーの顔芸を愉しめるかが評価の分かれ目と言えるかもしれません。コーエン兄弟はその後に『バーン・アフター・リーディング』や『ヘイル、シーザー!』などでクルーニーの顔芸コメディをエスカレートさせるわけですが、本作のような初期のころはまだバランスがとれていたような感じですね。やたらと歯並びを気にするところがまた傑作で、やはり彼はこういう気取ったセレブのような役柄が似合っているみたいです。所々にヘンテコなキャラが登場するのはいかにもコーエン兄弟らしいのですけど、驚いたのは冒頭でサイモン&ガーファンクルの『ボクサー』を口ずさみながら爽やかに(?)登場するジェフリー・ラッシュの使い方で、いやはや、なんと豪華なムダ遣いでしょうか。まあ所々でチクチク刺さるものがありましたが、コーエン兄弟らしくないラブコメだったというのが感想です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-05-31 21:50:15)
102.  ガメラ対宇宙怪獣バイラス 《ネタバレ》 
製作時は大映の終焉カウントダウンが完全に始まっていた68年で、バジェットも前作の三分の一まで削られちゃあ、そりゃスタッフもテンションが下がりますよね。それにしても、まるで子供が書いたのをそのまま採用したんじゃないかと思えるほどの酷い脚本には呆れます。東宝もゴジラにシェーをさせたぐらいに日和っていた怪獣映画業界でしたが、ここまでお子様路線に舵を切った大映のヤケクソぶりはなんか痛々しい。怪獣映画界隈の長男が円谷特撮だとすると、後発で変な縛りやしがらみのないガメラシリーズは、やんちゃな次男坊ということなのかな。そうは言ってもあまりにツッコミどころが多くて、この歳で観返してみるとかえって愉しくなっちゃうぐらいです。ボウリングの球を四つくっつけたような宇宙船、テレパシーで操作できるというのにいちいち言葉にして命令しなくちゃいけないって、どうなってるの?どう見てもイカが元ネタのバイラスに腹からブスッと串刺しにされたガメラ、いくら何でもふつう死ぬでしょ。正夫たちが宇宙船の中を移動するシーンで「でもこの円盤の中、何もないなあ」というセリフがあるけど、これは低予算でまともなセットが組めなかったことへの自虐が込められてるんじゃないかな。でもいちばん唖然としたのは、80分の上映時間のうち15分以上が過去作の特撮シーンの引用というところでしょう。最初はバイラス星人がガメラを研究するためにガメラの記憶を再現するというのは上手いへ理屈を考えついたなと思いましたが(それでも過去三作のシーンを10分ぐらいただ流すだけ)、バイラスに操られたガメラがダムや東京を破壊するという見せ場ですら過去作を流用している。つまり本作で組まれたセットは、海辺のただ砂浜があるだけのものだったみたいです、嗚呼、低予算の悲しさよ… 実は渥美マリはこの作品がデビュー作、翌年にはオッパイ丸出し路線に猛進することになろうとは、本人も予想してなかったでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2023-05-28 23:09:03)
103.  すくってごらん 《ネタバレ》 
奈良の大和郡山や橿原でロケしたそうですが、こんな風情のある街並みが残っているとはさすが奈良県です。また主要キャストの名字が奈良の地名になっているところにも、原作者の奈良県愛が感じられます。ダンスがないのでハーフミュージカルというそうですが、それを補って余りある出演者たちの歌唱力の高さよ!ももクロの百田夏菜子が上手いのは周知の事実ですけど主演の尾上松也の歌唱力の高さよ、この人は歌舞伎役者だと遅まきながら知りましたが並みのポップスシンガーを凌駕するスキルの持ち主、やっぱ歌舞伎役者は技量が半端ないですね。セリフがラップ調になったり心情を二字単語でオーヴァーラップさせたりといった演出も、洒落ていて良かったです。彼はエリート銀行員という設定ですけど、栄転と銀行員生活を捨ててこのハートフルで不思議な町に残る選択をするというありふれた結末にしなかったところも、夢の世界と現実世界との境界をきっちりと線引きしているところがイイ感じでした。百田夏菜子はももクロメンバーで唯一NHKオーディションに合格した演技力の持ち主、これからもっと映画出演が増えるといいですね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-05-25 22:05:57)(良:1票)
104.  アス 《ネタバレ》 
『ゲット・アウト』は自分としては愉しめたし「おっ、これは新しい俊才が登場したか」とジョーダン・ピールの活躍を期待していたのに、「こいつは実はM・ナイト・シャマランの再来なのかも…」というのが観終わった感想です(笑)。しょうじき、これほど訳が判らないホラーには久しぶりに出会った気がします。だいたいからして全編の三分の二は夜間か照明のない場所の上に主人公の四人家族が黒…(ポリティカルコレクトネスに抵触しそうなので、以下自粛)なので余計に何が起こっているのか判りにくい。たしかに家族のドッペルゲンガーが庭に現れるところは稀に見る不気味なシチュエーションなんですが、その後はキ〇ガイ殺人鬼とのタイマン勝負を延々と見せられただけだった気がします。私は説明のつかない不条理とかはホラーには需要なファクターだと思っているんですけど、せっかく映像的には理解しがたい絵面を所々に挟んでいるのに、ネタばらし(というほどには筋が通っていない)みたいなことを最後に持ってくるから余計に印象が悪くなったんですよ。母親と息子が見つめ合うラストカットには、「オチはそれかい!」と思わず突っ込んでしまいました。 こういう方向に進むのなら、最新作の『NOPE/ノープ』もあまり期待出来ないなぁ…
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-05-22 21:50:49)
105.  オフィサー・アンド・スパイ 《ネタバレ》 
時は1894年、日本では日清戦争が勃発した明治27年、フランス参謀本部はドイツへの機密情報漏洩を捜査し、ユダヤ系将校アルフレッド・ドレフュス大尉を逮捕する。普仏戦争後の第三共和政のフランスでは “ドイツ憎し”の国民感情が強く、政治情勢も反動的な勢力が台頭して反ユダヤ主義も声高に叫ばれる時代だった。大した証拠もないままに軍法会議はドレフュスを有罪と断罪し、あのパピヨンで有名な南米の孤島・悪魔島での終身刑を宣告した。しかし諜報部のピカール中佐はドレフュスが無実である決定的な証拠をつかんで上層部に訴えかけるが、軍の威信に拘る首脳は黙殺してピカールを逮捕する始末。だがこのスキャンダルは世間に漏れて文豪エミール・ゾラや後の首相クレマンソーが立ち上がって糾弾し、フランス世論を二分する大事件になってゆく。 世界史の教科書には必ず載っているドレフュス事件を、定期的にユダヤ人迫害がテーマの作品を撮るロマン・ポランスキーが監督しています。冒頭で有名なドレフュスの軍位剥奪の儀式が描かれますが、本作はあくまでピカール中佐=ジャン・デュジャルダンが中心のストーリーテリングで進みます。彼は根っこには反ユダヤ感情を持ち友人の妻と不倫関係を続ける(でも独身なのに結婚指輪をつけている!相当な遊び人であることが暗示されている)ある意味俗っぽい男でもある。こんな彼が事件の真相に気づいてゆく前半は、とくに良質なミステリーのようで面白い。映像も重厚で、奥行きに拘った構図が絵画的で美しさが感じられます。登場人物は将校軍人が圧倒的に多いのですが、彼らのコスチュームの赤いズボン=パンタロン・ルージュは印象的ですね。第一次世界大戦までこんな派手な色使いのままでしたから、そりゃあ機関銃の良い的になりますよ。後半にはゾラも登場してクレマンソーの新聞に掲載された「私は弾劾する!(J'accuse本作の原題)」のエピソードもありますが、総じて冷静で淡々とした語り口なのもポランスキーらしいです。 物語はドレフュスの再審が行われるけど判決は覆らず減刑にとどまり、恩赦を受けるところまでで終わります。字幕で1906年にやっと判決が取り消されて軍に復帰したことが記されます。そして陸軍大臣に出世したピカールのもとにドレフュスが訪ねてくるところで幕を閉じますが、そこで彼はピカールに自分の昇進が不公平だと不満をぶつけるんです。特別扱いは政治情勢からも出来ないと拒否するのですが、ここでは決してただの善人ではなくてプライドと野心を持った狷介な人物としてのドレフュスと、言葉には出さないけど根っこにある反ユダヤ感情が湧きだしてくるピカールが観られて、なんか虚無感すらある良いラストだったなと思いました。同じ法廷劇でも、ハリウッド映画とはえらい違いだなと感服する次第です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-19 22:42:36)
106.  ロックンロール・ハイスクール 《ネタバレ》 
ロジャー・コーマン製作総指揮、ノン・クレジットながらジョー・ダンテも演出に参加した、あの伝説のNYパンクの雄ラモーンズが唯一出演した劇場映画、もっともラモーンズの面々は演技するんじゃなくて演奏しているだけなんだけどね。まあストーリーはよくある学園モノといっちゃあ観も蓋もないけど、ラモーンズが登場してからはノリまくったパーティ・ムーヴィー状態。ラストは高校生たちが校舎を爆破してしまうという超アナーキーな展開。生徒たちを管理して締め上げようとする女校長が悪役だけど、彼女の側近というかしもべのような二人組(ヘンゼルとグレーテル!と呼ばれているが、男です)の変態ぶりが強烈でしたね。あと唯一の生徒たちの理解者である音楽教師を、やはりコーマン一家のポール・バーテル(『デスレース2000年』の監督)が演じています。校内で妖しい企業を運営している男をロン・ハワードの実弟クリント・ハワードが怪演していますが、この兄弟って恐ろしく似てないですね。まあラモーンズ好きなんて今はけっこうなお歳の方々が多いんでしょうが、ファンにはたまらない一編であることは確かでしょう。しかし現在はオリジナルメンバー四人(つまりこの映画に出ている四人)は皆他界してしまっているとは、残念なことです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-16 22:50:47)
107.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 
恐るべきパラレル・ワールド、ニッポン!ここでは超豪華シンカンセン・ゆかりが東海道をリニア新幹線の様にぶとっばしている!でも東京駅を夜に出発して京都駅に着くころには夜が明けているけどね(笑)。ここは海外のサブカルマニアが妄想しているニッポンそのものって感じです。主演が日本カルチャー大好きなブラピを起用しているのは、さすが製作者たちは判ってらっしゃる、なんせ『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』のことをインタビューで熱く語る人ですからねえ(笑)。 伊坂幸太郎の小説が原作らしいけど、私は未読。でもこの列車に乗り込んでくる魑魅魍魎たちの関係が恐ろしいまでにややこしい。とくにホワイト・デス(マイケル・シャノン)長老(真田広之)殺し屋ウルフの三人もがかつて妻が殺されて復讐を企んでいてその回想シーンが挿入されてくるので、余計にストーリーを把握するのに苦労させられました。まあこの映画全編が伏線だらけみたいなものですから、最後に(けっこう強引だけど)綺麗に回収してくれたのは快感でしたけどね。京都についてからのブラピたちとホワイト・デス一味の対決が始まるともうほんとに何でもあり状態、新幹線同士がなぜか正面衝突までするという滅多に見れない光景まで拝めるんですからね。そんなカオスの中でも、狭い車内で見せる真田広之の刀裁きはさすがに見事でした。ラストでチラッと登場するサンドラ・ブロック、『ザ・ロストシティ』に続いてのブラピとの共演、でも『ザ・ロストシティ』とは逆で彼女の方がカメオ出演みたいな感じだったのが面白い。そしてなぜかノン・クレジット出演のチャニング・テイタム、あれはもう彼のパブリック・イメージを逆手にとったセルフ・パロディって感じですかね、そういやこの人も『ザ・ロストシティ』に出演していたなあ… 余談ですが、Bulletをブレットと表記するのはいかがなもんですかね、発音はどう聞いてもバレットなんですけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-13 23:44:35)
108.  Back Street Girls -ゴクドルズ- 《ネタバレ》 
私は原作コミックもTV放映アニメも未見で、「ヤクザ三人組が下手打って指ならぬアソコをつめて地下アイドルデビュー!」なんて超バカバカしいプロットなんで期待せずに観ましたが、けっこう真面目に撮っていて面白かったです。女性化した三人はなかなか魅力的で、だいいち彼女らの披露する楽曲が極道ネタを巧みに取り入れた歌詞で、しかもちゃんとアイドルソングとして成立しているのが凄い。聞けば三人はゴクドルズとして劇中楽曲をフューチャーしてアルバムリリースまでしているそうで、この楽曲の出来具合ならアイドルファンも納得できるんじゃないかな。挿入されているライブ映像も実に楽しそうで、コロナ流行以前のアイドルライブの盛り上がりがなんかすごく懐かしい感じがします。終盤のアイドルフェスに出演している他の架空アイドルのパフォーマンスも手抜きなくそれらしくて、良く創りこまれていると思います。女性化した三人のかつての荒ぶる男性としての内面との葛藤を男優との掛け合いとして見せる演出も秀逸、でもそれが彼女らが便所で便座に腰かけているときに扉ごしというのは、どういうもんですかね(笑)。岩城滉一の何を考えているのか理解不能な親分も、彼の貫禄で振りきったという感じですかね。そう言えば友情出演でちょっとだけ顔を見せた大杉漣は、これが遺作というか最後の映画出演だったと思うと感慨深いです。 ラストにはまさかの多幸感まであって掘り出し物でした、これなら続編製作もありなんじゃない?
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-05-10 23:03:30)
109.  大怪獣のあとしまつ 《ネタバレ》 
ぶっちゃけますと、私は怪獣映画もおバカ映画も大好物です。でも近年まれにみる罵倒と酷評にまみれてしまった本作、まあ覚悟を決めて観ましたよ。 “死んでしまった怪獣の死骸はどう処理をするのが正解なのか?”という視点は、古今東西のモンスター映画にはついぞなかったもので、このアイデアを基に映画を一本撮ったということはそれはそれで快挙だと言えるでしょう。とくに前半は『シン・ゴジラ』を彷彿させるような真面目にリアリティを追及しているようにも感じます。怪獣の出現自体がリアルな世界での新型コロナの暗喩なのかとか、怪獣の腐敗ガスが爆発的に噴出する絵面は福島原発事故の水素爆発を想起させようとしているのかとか勘ぐりましたが、どうもそれは買いかぶりすぎだったようです。それは内閣の対応ぶりと西田敏行総理を始めとする大臣たちのキャラが、観ていて寒くなるほどの低レベルなギャグを繰り広げてくれるのが決定的でした。つまり山田涼介や土屋太鳳が見せるシリアスな芝居と、ムダに豪華なキャスティングの内閣の面々が見せてくれるギャグ芝居との乖離があまりに大きいわけです。たしかに『シン・ゴジラ』でも緊張感を緩める息抜きのような芝居もありましたが、庵野秀明にこの監督ののセンスは足元にも及ばないんですからどうしようもない。いっそのことこの小劇場的なセンスのギャグで全体を統一しちゃえば良かったのかというと、「それならこんなに予算をかけて劇場映画にする必要なくね?」ということになるんでしょうね。 とは言ってもそこそこに愉しんで観ていた私ですけど、あのまったく意味が判らないラストにはさすがに呆れました。もし劇場で観ていたらそれこそ「金返せ!」と暴れたかもしれません。「せっかく良い食材が手に入ったのに、なんちゅう料理をしてくれたんじゃ!」というのが私の感想でございます。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2023-05-07 22:45:02)(良:1票)
110.  兵隊やくざ 大脱走 《ネタバレ》 
本作まで常に部隊からの脱走を繰り返してきた有田と大宮なんですが、ソ連軍が満洲に侵攻してきたご時世となり身の安全を図るために自ら部隊に紛れ込むようになったのが面白い。まあその部隊はソ連軍に急襲されて全滅、生き残った彼らが今度は将校コスプレして通りすがりの部隊に潜り込むという展開。つまりサブタイトルに『大脱走』と銘打っているけど、本作では彼らはお得意の部隊脱走はやらかさないという新パターンで、『大脱走』とはクライマックスの保護した避難民を連れての脱出劇のことなのかと思います。 ソ連侵攻が始まっているとはいえ平常時と変わらない兵営生活を送っているところは「そんなのあり?」と違和感がありましたが、玉砕前提の捨て駒兵力として残置されているのでみな達観していると受け取ることもできるでしょう。本作では有田=田村高廣の存在感が高くなっているストーリーテリングのような気がして、偽中尉・有田の堂々たる指揮ぶりは惚れ惚れさせられました。でも “有田と大宮=勝新太郎の同性愛的な関係”というこのシリーズの裏テーマは健在で、慰問団の娘=安田道代と一夜を共にして帰ってきた大宮に嫉妬ともとれる視線を注ぐ有田の姿に象徴されていました。 そしてシリーズ前半の最大の悪役である青柳=成田三樹夫が再登場するわけですが、なんと脱走目的で憲兵から歩兵の上等兵に化けているというサプライズ。「お前らはバカか、脱走するには兵士が最適なのにわざわざ士官に化けるなんて」と嘲笑する青柳の言葉は、なるほど真理を突いていますね(笑)。この偽兵士・将校の三人組が今度はどんなバトルを見せてくれるのかと思えば意外にも最後にはすっかり善人と化してしまった青柳、拍子抜けさせられました。 本作は前半と後半ではストーリーの繋がりが悪い感じがするのが難点。どうせ成田三樹夫を再登場させるなら、もっと絡ませる脚本にしたら良かったのにねえ。
[試写会(邦画)] 5点(2023-05-04 17:31:09)
111.  マトリックス 《ネタバレ》 
作品は観たことなくても“マトリックス”という言葉は知っている人が多いという、二十世紀を閉めるに相応しい『2001年宇宙の旅』なみにSF映画を変革させた金字塔じゃないですかね。その世界観はサイバーパンクの思想が色濃く反映されていて、ウィリアム・ギブソンの『ニューロマンサー』の影響がやはり大だと思います。そこにジャン・ボードリヤールの哲学と東洋哲学およびメシア思想をぶっこんだって感じですけど、続編からアドバイザーを打診されたボードリヤールからは「君たちの私の哲学理解は浅い」と断られちゃったそうです。この東洋哲学思想も色濃い世界線にキアヌ・リーヴスを抜擢したのは大正解で、彼の表情表現力の低い当時の演技力(まあ大根役者ってことです)が返って謎めいた雰囲気があっていいんですよね。ストーリーに組み込まれている世界線や表現は確かにアニメや過去作からの引用が感じられますけど、あのバレットタイムの創りだす映像の凄まじさには初見の当時の観客が度肝を抜かれて熱狂したことはムリもないです。 この第一作ではネオが目覚めるというか神の領域に踏み込んだところ終わるわけですけど、シリーズ始めのキャラ紹介的な位置づけとしては手堅いかなと思います。そして『2001年…』と並んで多大な影響を及ぼしたのは、「この世界は闇の勢力やディープステートに操られているんだ」と唱える陰謀論者に対してじゃないでしょうか。出来の良い映画の影響力は、恐ろしいものがあります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-04-29 23:12:20)
112.  悪魔のような女(1996) 《ネタバレ》 
アンリ=ジョルジョ・クルーゾーの傑作が、40年の時を挟んで無謀にもリメイクされたわけです。シモーヌ・シニョレをシャロン・ストーンにヴェラ・クルーゾーをイザベル・アジャーニというキャスティングは、とくに“悪女=エロ”という路線を疾走していた90年代のシャロンにはドンピシャといえるし、アジャーニだって気弱でメンヘラ気味な元修道女という役柄には適役かと思います。オリジナルの尺を約15%カットしているのでチャズ・パルミンテリが浴槽に沈められるまではサクサクとストーリーが進行しますが、ここから先がストーリーが徐々にオリジナルから乖離してゆき、思わず絶句してしまう最悪のラスト改変になってしまうのです。 クルーゾー版と決定的に違うのは、オリジナルのオカルト的な要素を残したまま“誰かが二人を脅迫しようとしているのでは?”というサスペンス要素を強めてしまった脚本のヘボさにあるでしょう。二人を探る探偵がキャシー・ベイツとなるわけで、オリジナルと違ってこの探偵が活躍するのが余計にサスペンス要素が強く感じてしまうのかな。またシャロンがオリジナルと違って大した悪女ではなかったというオチになり、誰が“悪魔のような”なんだよ誇大広告じゃ!と暴れたくなります(笑)。これはオリジナルから引き継がれているこのストーリーの弱点みたいなものですが、ネタバレが過ぎちゃうんであまり詳しくは言及しませんけど、実は最後になるまで犯罪が成立していないんですよね。どちらもラストで犯罪が成立してそこを探偵が見届けるわけですが、「見てないでお前が止めろよ!」と突っ込みたくなるところが弱点でもあります。まあこのリメイクでは傍観していた探偵に正当防衛という逃げ道を与えているとも言えますが、なんかもうグダグダ感しか残らなかったです。 これはもう、オリジナルを観てなくて予備知識を持たずに鑑賞したとしても、高評価を得るのは難しいでしょう。若き日のまだペーペーだったころのJ・J・エイブラムスが、ビデオカメラマンとして出演しているのは興味深いかな。あとイザベル・アジャーニの惜しげもない脱ぎ(冒頭だけですが)には一点献上いたします、脱ぎおしみしやがったシャロン・ストーンよ、少しは見習え!
[CS・衛星(字幕)] 3点(2023-04-22 23:04:03)
113.  悪魔のような女(1955) 《ネタバレ》 
有名な作品だけどほとんど題名だけしか知らず予備知識なしで観ましたが、これがなんと驚愕レベルの大傑作であることに気づかされました。 小規模なブルジョワ家庭の男児だけを預かる全寮制の私立学校(小学校か)。教師は四人しかいなくて女性教師は二人、そのうち一人(ヴェラ・クルーゾー)は実質学校のオーナーで、そのいけ好かない夫が校長だが彼は実業家タイプで教師ではない。もう一人の有能な女教師(シモーヌ・シニョレ)はなんと校長の愛人、つまり妻妾同居というわけです。生徒はともかく他の男性教師や使用人はその関係を知っているという、実に不思議な空間というか学校なんです。横暴極まりない校長は二人の女性を日常的に虐待していて、二人は共謀して校長殺害を計画して実行する。首尾よく彼を溺死させて水死を装うべく学校のプールに沈めますが、自然に発見されるはずの死体はプールの底から消えてしまった… 心臓病を患っていて終始弱気なヴェラ・クルーゾーと、颯爽とした金髪ボブカットで沈着冷静なシモーヌ・シニョレのキャラ造形の対比が見事です。この映画は死体が消えてしまった後半からの展開は、まさに息も尽かさぬという表現がドンピシャリなんです。「これはサスペンス映画のはずだ」と判っているはずなのに、クリーニング屋や集合写真の背景の窓に映る影の件などが続くと「まさかオカルトもの?」と劇中のヴェラ・クルーゾーと同様に観てるこっちまで疑心が湧いてきてしまいます。このストーリーテリングの特徴は、絶対にこれは伏線だと思うようなシークエンスを散りばめているのに、それがみな観客を惑わす地雷になっているところでしょう。こうなると、騙すテクニックに関してはヒッチコックをクルーゾーが凌駕していると考えざるを得ません。 ラストのどんでん返しの展開も、近頃の映画で観られるしつこい説明過多が無くて余韻が強烈です。それにしてもヴェラ・クルーゾーの死にざまは、実際に自分は見たことはないけど、心臓麻痺で死ぬ人はこんな感じなんだろうな、というリアルさでした。そしてラストシーンの子供の言葉、これはホントにゾッとしますね。このテイストはやっぱヒッチコックには無いものなんだよなあ。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-04-19 22:44:53)
114.  悪魔のシスター 《ネタバレ》 
ほとんど実績のなかった若造のデ・パルマに、彼のヒッチコック趣味全開の作品を撮らせたプロデューサーには敬意を表したくなります。なんせ音楽はバーナード・ハーマンですからねえ。ヒッチコックじゃないけど「凶器はナイフがいちばん!」という拘りの殺人シーンはかなりの生々しさです。そして『ファントム・オブ・パラダイス』の“ウィンスロー”ウィリアム・フィンレイの怪演というかその気持ち悪さ、この映画のヤバさのかなりの部分を彼が持って行ってくれました。スプリット・スクリーンの使い方もセンスの良さが感じられます。でも正直言って精神病院にヒロインが忍び込んでからのラストまでの二十分間の展開を理解するのは、自分には無理でした。特にあのラスト・シーンは、主演のジェニファー・ソルトですら「私には理解不能」とインタヴューに応えているぐらいですから。それでもヒロインが見る悪夢のシークエンスは、『ローズマリーの赤ちゃん』を思い出す不気味さ、ブニュエルの映画のワン・シーンみたいな感すらあります。 死体を隠した長椅子に血が染み出ているカットは普通は伏線のはずなのに放置されて終わったのは「なんじゃ、こりゃ?」感が拭えませんが、本当は長椅子の周りでもっとしつこく捜索するところを撮ったけど、尺の都合で切られてあのカットだけが残ったということらしいです。とすれば、かなり雑な仕事だよなあ、まあこの頃のデ・パルマにはそこまでプロデューサーに歯向かう権限はなかったでしょうけど…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-04-16 22:55:56)
115.  影なき狙撃者 《ネタバレ》 
先にリメイク版の『クライシス・オブ・アメリカ』の方を観ているのでだいたいのストーリーは把握していましたけど、『クライシス…』の方では副大統領候補になるのがレイモンドで母親は上院議員の設定、そしてラストで引き金を引くのは操られたマーコ少佐だったと思います。まあ確かに、レイモンドが立候補していなければ『満洲人の候補者』という原題に意味がなくなってしまいますからねえ。陰謀をたくらんだ黒幕もソ連・中国から巨大国防企業コングロマリットに、そしてマーコやレイモンドを操るのは埋め込まれたチップという違いも時代を感じさせてくれます。 そうは言っても、このオリジナルの洗脳シークエンスもけっこう怖いですよ。洗脳された面々が階段教室みたいなところでソ連・中国の軍人にお披露目されているけど、彼らの眼にはヴィクトリア朝風のドレスを着こんだオバンたちが園芸学の講義を受けているところに紛れ込んでいると映っている。ご丁寧に黒人兵士にはそのオバンたちがみんな黒人女性として見えている。どことなくシュールで不気味な絵面なんだけど、フランケンハイマーが後に撮った『セコンド』に通じるところがあって興味深い。こういうぶっ飛んだところのある脚本だけど、ある意味けっこう雑なところがあります。だいいち、わざわざ政界の黒幕的な女性の息子レイモンドを手間暇かけて洗脳し、勲章をもらえる軍功をでっちあげてまでして何がしたかったのかが判りづらい。大統領候補をレイモンドに暗殺させて木偶の棒の義理の父親を大統領にする、この男が大統領になってソ連にどんな利益があるんでしょうか?そもそもソ連の関係者は中盤以降は全くストーリーに関与しなくなっちゃいますけどね。マーコ少佐がソリテアを使って尋問するところでも、洗脳状態のはずなのに自分のしてきた殺人を客観的に説明するなんのも、なんかおかしい。 というわけでいろいろと粗も目立つ作品で公開当時は不評だったのに、近年になってじわじわと評価が上がってきたのはやはりケネディ大統領暗殺があったからかな。レイモンドがライフルを組み立てて銃弾を装填してゆくところは、やはりボルトアクションのカルカノライフルでケネディ大統領を狙撃したオズワルドの姿みたいに見えてしまいます。あと大統領選挙にソ連が謀略を仕掛けてくるというところも、トランプ当選のときのロシア介入の疑惑を彷彿させてくれるのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-13 22:57:46)
116.  THX-1138 《ネタバレ》 
ジョージ・ルーカスという人は、『スター・ウォーズ』シリーズ以外では長編映画第一作である本作と二作目の『アメリカン・グラフィティ』しか監督していないんですね。その記念すべき商業映画初監督作なんですが、正直言って退屈な学生映画のレベル(実際のところルーカスが学生時代に撮った短編がもと)としか言いようがないけど、その映像イメージは71年製作とは思えない斬新性に満ちていると言えます。この若造の才能を見抜いて出資したコッポラはさすがです。でも駆け出しの頃とは言っても、ルーカスがこんな作家性を持っていたとは驚きですね、まるでゴダールが撮ったみたいな感じすらしますからね。でも登場人物が男女問わず全員スキンヘッド、顔面がミラーマスクになっている白バイ隊員みたいなアンドロイド警官などのイメージは、後世に少なからぬ影響を与えているんじゃないかと思います。「これじゃあハリウッドでは稼げない」と賢明に判断して作風をガラッと変えた『アメ・グラ』、そして『スター・ウォーズ』という大金脈を掘り当てるんだから、やはりルーカスはただ者じゃなかったわけです。彼のこの後の作品では“THX”や“1138”が隠しワードみたいに使われているし、これって「初心忘るべからず」という彼なりの戒めなのかな。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-04-10 21:39:12)(良:1票)
117.  ウインドトーカーズ 《ネタバレ》 
まー、その、なんと言うか、ジョン・ウーに戦争映画を撮らしたのがそもそも間違いだったという事だけは判りました。ジョン・ウー印ともいうべき派手な爆発は嫌というぐらい見せられました、でもスローモーションは意外と控えめでしたね。そう言えばワンカットだけ彼の大好きな鳥のスローモーション飛翔もありましたね、もっともこれは定番の鳩じゃなくてカモメでしたが。戦闘シーンは意外と武器などの考証はしっかりしていた印象ですけど、日本軍が使っていた擲弾筒(米軍呼称ニー・モーター)の着弾・爆発シーンはいくら何でも派手すぎです、あれじゃまるで155ミリ榴弾ですよ。まるで虫けらのごくバッタバッタと殺されてゆく日本兵の姿は見るに堪えないものですが、まあ史実でもこんな感じだったみたいです。でも海兵隊もけっこう討取られているのでそこは耐えねばなりません。私はサイパンに渡航したことはないので推測ですが、あの島はガダルカナル島のような密林ジャングルの植生ではなく戦前から日本が統治していてけっこう開発されていたので、地勢的にはあんなもんじゃないですかね(ロケ地はハワイだったみたいです)。あとこの映画でほんとに鬱陶しかったのはニコジーの陰鬱な演技で、冒頭で部下を全滅させた負い目ずっと引きずっているで、途中からは完全に死亡フラグが立ちっぱなしでした。でもその負傷で聴力半減して平衡感覚までおかしくなっているのに、普通に動き回ってガンガン撃ちまくっているのはどういうもんでしょうかね。 この映画のプロットは考えてみれば『プライベート・ライアン』とは真逆なんですね。トム・ハンクスは自身や部下を犠牲にしてでもライアン一等兵を生還させるのが任務だったのに、ニコジーは敵に利用されそうになったらコードトーカーを殺すことが使命なんですから。でもこれは史実通りだったらしくて、米国という国家の有色人種に対する非情さには慄然とさせられます。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-04-07 23:20:08)
118.  兵隊やくざ 脱獄 《ネタバレ》 
前作のラストでサイドカーを奪って脱走した大宮と有田、冒頭からそこはきっちりと繋がっていて、けっきょく追手に捕まって陸軍刑務所にぶち込まれる。たぶん史実通りなんでしょうけど、作業に駆り出される以外は囚人は日中ずっと壁に向き合って正座していないといけない。もちろん私語は禁止、ちょっと自分には耐えられそうもない苦行です。けっきょく脱獄には失敗したわけで、『兵隊やくざ 脱獄』とは看板に偽りありです(笑)。そこで有田の大学時代の旧友の法務中尉と出会ったので死刑は免れてソ満国境の最前線部隊に転属される。「俺たちは帰国したいばっかりに脱走を繰り返してきたのに、とうとう日本からいちばん遠いところにまで流されてしまったなぁ…」という有田の嘆きが胸を打ちます。 本作は今までの三作と較べてコメディ要素がほとんどなくもっともシリアスなストーリーです。ここで出会った上官の下士官が大宮=勝新太郎曰く「今までの軍隊生活で出会った中で最悪の上官」となります。なんせ終いには、せっせと現地民から貴金属を買い集めていた兵士=田中邦衛を殺害して宝石を横取りしちゃうんですからねえ。そして最後には有田=田村高廣に射殺されて果てるのですが、このシリーズで初めて(大宮でさえやってないのに)有田が人を殺めることになりました。すでに時は昭和20年8月9日、ソ連が国境を破って攻め込んで来てしまって、避難民をトラックで避難させた大宮・有田のコンビの運命や如何に… ということでシリーズ半分弱のところでソ連参戦、実際には満洲における戦いはあと一か月は続くんですけど、そこにあと五作も詰め込むんですからどういう展開になるのか心配というか愉しみです。でもシリアスなテイストの本作ですが、私にはこのシリーズ中いちばん見応えがありました、暫定一位です。初めて大宮・有田が脱走しないラストでしたが、小川真由美を捨てて田村高廣のもとに戻ってゆく勝新太郎の姿を見ると、男の友情・戦友愛というよりも同性愛的なニュアンスを感じるという批評にも一理ありかなと感じた次第です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-04-04 22:59:00)
119.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》 
なんかこのシリーズ、回を重ねるごとに脚本が酷くなってきましたね。ゴジラとコングが対決しても、東宝特撮の『キンゴジ』の例もあり勝負つかず引き分けというという予測通りの結末でしたが、ここにメカゴジラを登場させてゴジラ&コングvsメカゴジラの変則タッグマッチが用意されていたとは期待を良い感じで裏切ってくれました。でもそのメカゴジラを操縦するのは小栗旬、芹澤蓮なんて名前だから芹澤博士の遺児であろうと当然予測しますが、劇中このキャラについては一切説明がないのでわざわざこのキャラ名にしたのか意味が判りませんでした。「それだけはやって欲しくなかった…」と思わず呻かされたのは唖者の少女とコングが手話だかテレパシーだかで会話が出来るという設定で、これじゃあ昭和のガメラ・シリーズと一緒じゃんか!日本では『シン・ゴジラ』などから始まる『シン…』作品群が現実世界にシンクロさせたリアル路線であるのとは対照的です。そして頭を抱えたくなるのは真面目に“地球空洞説”を取り入れているところで、空洞内の原始的な世界がコングとゴジラの生誕の地なんだそうです。何故かその世界に埋まっていた化石みたいな銅剣をコングが見つけて振り回し始める、これまた何の説明が無いので事情が理解できませんが、これはコングがエクスカリバーを見つけたと解釈すればいいんですかね(笑)。またまたチャイナ・マネーの御威光か三怪獣の決戦の地は香港でしたが、どうせなら北京でゴジラが荒ぶって中南海あたりを廃墟にする画が観てみたい(笑)。 またエイペックスなる悪の秘密結社みたいな企業の内部告発者という役柄の男、こいつイルミナティまで持ち出すバリバリの陰謀論YouTuberなんだけど、こういう陰謀論者が真実を探り当てたみたいなヒーローにするのは、ほんと止めて欲しい不快です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-04-01 23:23:18)
120.  ベイビーわるきゅーれ 《ネタバレ》 
期待しないで観始めましたが、JKコンビがヒットマンで高校卒業とともに二人で自炊生活を始めるという世界線には思わず引き込まれてしまいました。二人が属する組織はなんか芸能事務所みたいな感じで、周りに客がいるのに殺しのビジネス打ち合わせを喫茶店でやっているところは、アイドルとマネージャーにしか見えなません。この二人の元JKがまた対照的なキャラで、とくにコミ障の金髪ショートの伊澤彩織はその聞き取りにくいボソボソ・セリフとキレッキレのアクションには引き付けられてしまいました。聞けば彼女はハリウッドでも活躍しているアクション・スタント・ウーマンなんだそうで、きっとこれから日本のゾーイ・ベルみたいな存在になるんじゃないかな。相方の高石あかりとともに卒業したばかりのJKを演じているわけですが、伊澤の方が9歳も年上だと言うから驚き、違和感が全然ない!彼女らが立ち回るバイト先などもなんかシュールな世界感で、冒頭のコンビニなんて店員がみなナイフを持ってるヤクザか半グレが運営しているような不思議なお店でした。組織には死体の後始末をしてくれる専属の掃除屋がいるんですが、このイケメン君がビジネスライクに徹しているのが面白い。「お願いですから眉間を撃ちぬくのだけは止めてください、少しは後始末する身になっていただけたら幸いです」なんて愚痴をこぼすのですが、やっぱ頭の中から色んなモノが出てくるのはプロにもしんどいところがあるみたいですね(笑)。本宮泰風が演じるヤクザの親子も面白いキャラで、あの『日本統一』の本宮ですからてっきりラスボスとして彼女らに立ちふさがるのかと思いきや、息子と二人でメイドカフェに行ったばかりに遭えなく退場。まあ仇を獲るべく娘が大暴れはしてくれますけど、ほとんど彼はギャグ・キャラでした。 こうやって見るとこの映画のテーマは「殺し屋の社会適応」という感じだったと言えますが、ぶっ飛びすぎている設定とヒロインたちの生活が不思議と噛み合っていて、なかなかの良作かとお見受けいたしました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-03-31 23:21:20)
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