101. 舞踏会の手帖
一つ一つのエピソードが変化に富んでいて味わい深く印象に残る映画だった。ジョルジュの母親を含め20年ぶりに再会した相手が個性的で名優の集まりにも思える。Valse Grise(灰色のワルツ)のメロディーがいつまでもこころに残る。 [DVD(字幕)] 8点(2015-06-02 20:57:47) |
102. ボビー・フィッシャーを探して
「ほとんどの人にとってチェスはゲームに過ぎないが、一部のある人たちにとっては人生そのものであり芸術でもある」というようなことが語られていたが、それはチェス以外のどんな競技にもあてはまるだろう。ゲームとして楽しみかつ天才的に強ければ言うことないのだが・・・。ジュシュの両親の考え方の違い、ブルースとヴィニーの戦術の違いと対比が非常におもしろいし、何と言ってもジョシュ少年のつぶらな瞳がとても印象的だった。それにしても手合い時計を押しながらあんなに早く駒を正確に動かせるものだろうか、驚異的。 [DVD(字幕)] 6点(2015-05-31 21:03:45)(良:1票) |
103. 刑事コロンボ/断たれた音<TVM>
チェスの最短詰み手は開始からわずか4手(フールズメイト)、もちろんわざとやらないとそういうことは起こりえないのだが、これをチャンピオンをやることは絶対にありえないし、動揺による見落としと言うのは無理というものだろう。それに驚くべき記憶力というのはチェスの世界のことであって、薬に縁がなければそう簡単に薬品名を覚えられるものではないだろう。それとも薬にもある程度知識があったのだろうか。ワンちゃんと獣医さんの登場で思わせぶりな演出になっているところがおもしろい。 [地上波(吹替)] 5点(2015-05-30 09:40:33) |
104. 初春狸御殿
歌と踊りの和製ミュージカルでストーリーも極めてシンプル。雷蔵、若尾文子、勝新太郎を初め出演者もなかなか良く、プロの歌手も混じっている。音楽が吉田正なので歌謡曲調なのが気になるが、民謡はいい。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-05-28 19:32:40) |
105. きみがぼくを見つけた日
タイムトラベルものとなると都合の良さや矛盾の指摘などあらさがしをしたくなるものだが、この映画そういうことが気にならずロマンスものとして楽しめた。また幼い頃のクレアや5歳と8歳の二人のアルバも登場し、切なさのなかに家族愛を感じることができる。子役が皆かわいいし、「タイムトラベラーの妻」を「きみがぼくを見つけた日」に変えたのは夢とロマンがあってとても良かったと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-27 06:28:24) |
106. スノーホワイト(2012)
シャーリーズ・セロンの悪女ぶりを見たくて見た映画なのだけど、原作やファンタジーアニメのイメージから思い切り脱皮したアクション映画。それにしても戦闘シーンが多く、後半は退屈でおもしろくなかった。 [DVD(字幕)] 3点(2015-05-25 10:22:04)(良:1票) |
107. シャーロットのおくりもの(1973)
どんなに小さくても弱くても生きものには皆命があり、その命には限りがあることを子供たちにもやさしくそっと教えてくれる良い映画。限りある命だからこそ、やさしくいたわり助け合うことが大切になってくる。母親が子どもといっしょに見るアニメとしては最適であり、子どもが大人になっても優しい気持ちは忘れないでいてほしいと思う。それにしても蜘蛛を主人公にする発想など思いも寄らぬことだ。豚を主役にした映画はいくつかあったけど・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2015-05-23 07:40:03) |
108. スノーホワイト/白雪姫(TVM)
7人の小人の名前が曜日だったり怪物が出てきたり、ここまで原作を変えるかという気はするが、それはそれでおもしろい。ただし主役級のキャストにあまり魅力がないので少し残念。ところでウェンズデーだけはどうして大きいのだ? [DVD(字幕)] 5点(2015-05-22 07:54:41) |
109. 春琴抄(1976)
脚本がよくしっかりした構成で「春琴抄」という小説がわかりやすく表現されている。しかし百恵友和によるこの映画は純愛映画であって、新藤兼人監督の「讃歌」を見た後では肩すかしを食らった感じだ。奉公人の三浦友和が立派すぎで百恵の師匠は貫禄不足。昔この役は田中絹代、京マチ子、山本富士子という名だたる女優が演じたそうだが、見ていないでいうのも何だが、京マチ子が一番ではないかと思う。津川雅彦の利太郎はさすがにいい。 [DVD(邦画)] 5点(2015-05-16 07:37:36) |
110. 讃歌
原作は春琴抄だが、作者が春琴の家で働いていた女中にインタビューするというおもしろい形で作られている。わがままな娘とひたすら尽くす男という点は痴人の愛とも似通っている。いわゆるSとMと言ってしまえば通俗的になるが、それを耽美な世界として表現しているのが谷崎文学。渡辺督子の裸体は非常に美しい。 [映画館(邦画)] 7点(2015-05-15 11:00:51) |
111. 我等の町
サム・ウッドの映画だが誰が為に鐘は鳴るなどの他の作品と比べると地味で目立ちにくい。モーガン氏という進行役によって、グローヴァーズ・コーナーズの日常が語られるわけだが、断片的でしかも淡々としすぎて少しも盛り上がらない。もしかするとこれが演劇調なのかもしれないが私の肌にはちょっと合わない。若いウィリアム・ホールデンにはびっくり。 [DVD(字幕)] 4点(2015-05-12 20:26:35) |
112. 不都合な真実
大変わかりやすく説得力のあるプレゼンテーションだろう。地球温暖化はもはや人類だけの問題ではもなく、地球に住むすべての生きものの生存に関する問題とすら言っていいだろう。そして私たちの子どもや孫、そのまた子どもや孫の代まで住みよい地球を守らなければならない。多くの人に見てもらいたい映画だが、問題(ツケ)を先送りし、地球の悲鳴が聞こえない政治家と経済人にまずは見てもらいたいと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2015-05-08 04:29:29) |
113. 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
相思相愛の男女であっても結ばれるとは限らない。寅さんとリリー、誰が見てもぴったりと思える仲なのにちょっとした食い違いですれ違う。その心理のあやがうまく描かれた映画だと思う。だがたとえ夫婦にならなくても、寅さんとリリーはしっかりした絆で結ばれている。男女間の友情というものだろうか。この映画の終盤はすがすがしく後味良い。 [DVD(邦画)] 7点(2015-05-07 06:26:20) |
114. カーネギー・ホール
この映画の評価は大変難しい。クラシック音楽ファンならば満点に近い高得点をつけるかもしれないし、そうでなかったらどんな点数になるのかわからないからである。というのも映画全体の半分いやそれ以上かもしれないと思えるほどの膨大な演奏シーンがあるからだ。(一部途中省略されている曲もあるが、ほとんどが一曲丸ごとだったり一楽章丸ごとの演奏)そして純然たる俳優のサレルノ父子を除くと演奏者はすべて本物、当時の世界一流の音楽家ばかりで、モノラルや初期のステレオレコードでしか聴けなかったブルーノ・ワルターらが映像として鑑賞できる。映画はカーネギー・ホールで働くノラという女性が主人公であり、その夫とジュニアの物語であり、音楽映画としてもなかなかのものである。またカーネギー・ホール設立に貢献した指揮者ウォルター・ダムロッシュを初め、何人もの演奏家がサレルノ父子と共演したり、アドバイスを送るなど映画と一体になっているので、常識的にはキャストでなく出演とするところかもしれないが、台詞のあるなしに関わらずすべてキャスト扱いにしていいのではなかろうか。ちなみにストコフスキーは指揮をした後、サレルノジュニアと曲目を紹介する役を演じている。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-05 18:22:39) |
115. シャーロットのおくりもの(2006)
最初に「シャーロットのおくりもの」のオリジナルアニメを見たときは大変感動した。これはすばらしい物語であり、原作がたくさんの国のことばに翻訳されベストセラーになるわけだと思ったのだが、この映画ではそれがまったく感じられない。ひとつにはCGが発達したせいか、蜘蛛は蜘蛛、豚は豚であまりにもリアル過ぎて愛着がわかないからかもしれない。蜘蛛が巣をはるようすなどは教育テレビの生物の時間みたいだし、かと思うとストリーは非常に幼児っぽく見えたり、アンバランス。 [DVD(吹替)] 4点(2015-05-05 15:21:05) |
116. バツイチは恋のはじまり
ダイアン・クルーガーの映画は何本か見たけど、こんなにおもしろいラブコメは初めて。ダニー・ブーンとは「戦場のアリア」以来の共演だそうだが、記憶に残っていない。もちろんダイアン・クルーガーの印象は強烈でこんなに美人過ぎる美人がいることに大変驚いたものだ。その美人のラブコメともなればもう私にとっては・・・。パリからケニア、そしてモスクワとひとっ飛び、ライオンが出てきたり無重力になったり・・・、とにかくお勧め。 [DVD(字幕)] 8点(2015-05-01 18:47:46) |
117. マーティ
嫁と姑、親離れ子離れなどの家庭問題はいずこも同じ、これをリアルでコンパクトにまとめた脚本は誰が見てもわかりやすく素晴らしい。女性に縁のなかったマーティがクララという女性に巡り会えて本当に良かった。最終バスで彼女を送り自分はタクシーで帰る、その晴れ晴れしい気持ちがよくわかる。 [DVD(字幕)] 8点(2015-05-01 07:45:22) |
118. 同胞
テレビや映画が受け身一方なのに対し演劇はまったく違う。役者の息づかいが観客に伝わり、観客の笑いや感動がまた役者に伝わる、俗に言う舞台と観客席の一体化である。その他にも演劇ならではのものは多々あろう。しかしそういったものは演劇を見た者でなければ感じ取ることができない特別なものだ。この松尾村のような田舎ではまったくの未知の世界。おもしろいかどうかもわからないし、採算が取れるかどうかもわからない。そもそもどれだけの人が見に来てくれるかもわからない、二の足を踏むのは当然のことである。そうした松尾村青年団を相手に、熱く誠実に説いて回る倍賞千惠子の河野さん熱意、なんとすばしいことか。団長の心を動かしそして青年団の一人一人に伝わっていく感動の物語だ。これがまた実話をもとにしているからなおすばらしい。私個人としては河野さんの他には青年団長を密かに慕い影ながら支えた岡本茉利演じる愛子さんに拍手を送りたい。 [DVD(邦画)] 9点(2015-04-26 20:15:58) |
119. 陽だまりのグラウンド
バクチ好きで投げやりの男が急に子ども思いのコーチになるとは信じられないのだけど・・・。黒人の子どもたちの純粋さは良かったし、彼らがサミー・ソーサに憧れる気持ちもよくわかる。 [DVD(字幕)] 5点(2015-04-23 21:58:46) |
120. 「わたし」の人生(みち) 我が命のタンゴ
認知症や介護問題など現代社会の側面を描いた社会派映画だが、監督自身が現役医師だけにリアルで怖い。一見する価値は十分にあるが感動映画とまでは行かず、たどたどしい感じがしないでもない。浮かぬ顔を通した秋吉久美子だが最後にはもっと笑顔がほしかった。松原智恵子は年を取っても美しい。 [DVD(邦画)] 5点(2015-04-21 14:01:32) |