1181. 天使の分け前
ネタバレ スコットランドの世相は、いろんな映画を観てきたがいつも不景気で大変だ。若者の失業率の高さ、はびこるドラッグ、天気まで悪い。実際、階級社会であるところのかの国で、社会の底の方にいるとそれはそれは這い上がることがキビシイそうだ。わが国と比べて社会構造がずっとシビアなのだと聞いたことがある。 ケン・ローチという人は、そういう苦労している階層の人々に寄り添う作品を撮る監督だが、今作はまたかなりの力技に持ち込んでいて、一種のカタルシスみたいな感興もわきます。 ”自然と無くなる”2%のウイスキーを天使の分け前とは美しいネーミング。たかが酒樽に、とてつもない額を出せる人間がいる。そんな人たちにとっては ほんのわずかの”分け前”を頂いたところで、それこそ天使の采配のうちでありましょう。頂いた”ギフト”を元手に、それぞれが健全な道をゆくことを祈る気持ちでいっぱいだ。 世話になったハリーに一瓶進呈する律儀さ、半分を”うっかり”で失ってしまう奥ゆかしさ、ケン・ローチのこんな演出が好きだ。 ロビーがこの先醸造所で働いて、障害を負わせた相手に少しでも償おうとしてくれればなあ。してほしい。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-07 00:11:53)(良:1票) |
1182. パンチドランク・ラブ
ネタバレ ああなんてシュール。序盤から道に転がり出るピアノ。しかもこの楽器、最後まで引き取り手も現われず何かの事件のきっかけにもならんという不思議な存在。何を言わんとしているのか分かる方、教えてください。 7人ものモンスターシスターズに自律神経をやられちゃってるA・サンドラーのやや瞳孔開き気味の面構えと、何故その色を?と誰もが思う真っ青のスーツとか、この妙な感性がツボにはまるかがミソ。 私はとても面白かった。こういう作品は脇もシブイ。ルイス・ガスマンとP・S・ホフマンですもん、すばらしい。ガスマンがあの顔で画面中央に陣取るあの場面、なんでまた彼女がアダムを食事に誘っているとこにあの配置。思い出すだけで笑える。執念全開のアダムが散髪中のホフマンと対峙するシーンなど、馬鹿馬鹿しくも勇ましい。こんなけち臭い役を(おそらく友情で)引き受けるホフマン、人間がでかい。 さえない人生を送っている男に、母性あふれる彼女が降ってわく。なんか男性にとってはおとぎ話みたいな展開だ。破壊衝動と、マイレージがたまるプリンの山が背景のおとぎ話。シュールでキュートなこんな傑作を、この監督以外、誰に撮れようか? [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-06 00:05:40) |
1183. トランス(2013)
ネタバレ ”失った記憶の中には何があるのか?!”との釣り文句にひかれたけれど、あんまり大したもんが入ってなかったなーというのが率直なところ。マカヴォイが粘着質な暴力男で,女医の催眠術?で絵を盗みましたというオチ。アンタのせいで苦しんだんだから私のために絵を盗んでこい、とはこの女医もケッコーな逸脱ですなあ。それにラストのけろりとした明るさは頂けない。赤い車の女の子が可哀想すぎるでしょうが。 ヴァンサン・カッセルは良かった。色っぽくて。うん。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-04 23:45:46) |
1184. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
ネタバレ うーん、オスカー受賞の呼び声につられたお客さんの7割ほどは「ビミョー・・」と思って映画館を後にするんじゃなかろうか。けっこうな難物でしたこれは。 かなり強烈な”内面掘り下げ型”映画で、この「うーん・・」という感覚、昔「バートン・フィンク」を観たときのに似ている。 M・キートンの脳内映像と、外からの客観描写が混じって描かれるので、人によって見解が分かれそうだ。 舞台で実弾を放った後は昏倒しているキートンの脳内での出来事なのだろうな。ラストの娘の視線でそうかな、と思ったのだが親切とは言い難い脚本だ。彼だけは自己完結的に救われた体で終わるけど どうなのかなこれは。個人的にはあの観てもいない作品をこきおろす犯罪的に無責任な大物の批評家のばあさんをとっちめたかったけど。 ブロードウエイに散らばる群像劇としても見ごたえはあり。みんな相当なクセ者で。ただドコドコいいっ放しの音楽はちょっと苦手。 [映画館(字幕)] 6点(2015-06-30 00:30:38) |
1185. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
ネタバレ アラン・チューリング。浅学にして”コンピュータの父”と呼ばれるこの人のことを知らなかった。人類の発展にこんなにも寄与し業績を残したのに、大戦中の軍事機密に関わったゆえ秘匿扱いにされた。挙げ句 彼に対する国家の余りに不当な仕打ちにはこの映画の製作に立ち上がったスタッフのみならず、作品を観賞した外国の一市民のワタシも憤激のあまり涙が出そうになった。 B・カンバーバッチの精魂込めた丁寧な演技が素晴らしい。変わり者でクセがあって協調性は皆無だが、悪意なく正直で生真面目なアランの人物像を見事に立ち上げていると思う。ちなみに彼の少年時代の役者さんもなかなかの好演だった。 K・ナイトレイも知的でウィットに富んで素敵な女性だった。”仲間に頼る”ことの大切さをアランに説き、傍にいてくれた。どうしても添い遂げることの叶わぬ二人だったけど、アランの人生に彼女がいてくれたことに感謝したくなった。 エニグマの暗号を解くまで、解いた後、さらにその後のアランの人生を周囲の人間模様と絡めて重厚なドラマにまとめあげた。胸にずっしりと溜まって、忘れ難い作品だ。 [映画館(字幕)] 10点(2015-06-28 23:56:34)(良:1票) |
1186. ワールド・ウォー Z
はて、一体なんでもはや大物ブラピがこんなありきたりな(失礼)ゾンビものに出んのかな。集客したい映画会社のえらい人に頼まれたのかなーとか想像してたら、ブラピ本人が制作したがったんだとか。マジか。ブラピ、ゾンビパニックが好きだったんか。 なんせお金がかかっている画だなあとは思う。でもゾンビが物量で迫ってくるパターンは”ドーン・オブ・ザ・デッド”で経験済みなので二度もびびらないのだ。 やっぱりこんな映画には(いやすいません何度も)新顔の役者さんが良かったんじゃないかなあ。 ブラピだとなんか堂々としちゃって、「勝つに決まってんじゃん」オーラが嫌でも出ちゃうんだよなあ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-06-28 01:15:30)(笑:1票) |
1187. エイリアン2
エイリアンの一作目は私にとって別格だ。何度観たか分からない。そして二作目も好きだ。エイリアンの全体像が良く見えるから、という理由ではない。前作を上回るべく、物量作戦でいこう、という潔さが成功しているからだ。ヤツらの数もねばねばの粘着度も性質のひつこさも増している。一作目は ああどうしよう、と手に汗握りながらきょろきょろしつつ逃げる。二作目は半泣き絶叫で猛ダッシュだ。素晴らしく良くできた続編だ。 庭でせっせと雑草を取る。狭い範囲の視野からふと頭を上げて周りを見回すと、それはもうおびただしいスギナやらハコベやらに取り囲まれていることに気付く。こんな時いつも脳内でシンクロするのは、2のクライマックスにて巨大巣に入り込んだことに気がつくリプリー、あの場面。しゅんしゅんしゅんと効果音が静かーに響き、ワタシもゆっくりと首を回しておもむろに火炎放射器をぶっ放す、というわけにもいかず、またこつこつと作業を再開するわけだが。つまんないこと言ってすいません。 [DVD(字幕)] 8点(2015-06-25 00:04:00)(笑:1票) |
1188. 声をかくす人
ネタバレ 米映画には、自らの歴史や政治の誤りを正面切って問うという、正義心を支柱にした系譜があってほんとに感銘を受ける作品も多いのだけど、これもそんな作品のひとつ。 米国史上初の女性死刑囚であるメアリー・サラット。彼女の量刑は明らかに不当であり、裁判はことごとく証人が買収されるインチキぶりで、北部の軍将校たちによる報復心のみで決裁された。 レッドフォードの筆致は淡々として、静かに事実を追ってゆく。しかし彼の怒りははっきりと伝わる。 正当な裁判が行われなかった人権の蹂躙、アメリカ史の恥部。聖書に手を置いて真実のみを述べると誓う行為など何の意味も無い。ここまで描くのは勇気のいることだったのではないか。 声高に叫びすぎないことも、メアリーの人物像を敬虔な、息子を思うごく普通の母親として誠実に描いてあることも好感が持てる。 レッドフォードは立派な監督だなあと思った。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-24 00:14:05) |
1189. ミスト
ネタバレ かつて職場の上司が言った。「災害時には主人公のそばにいろ」。一昔前は確かにヒーローとその周辺は元気に生き残ったもんだった。しかし今作ではそのセオリーが覆される。本作はパニック時における人間心理の描写も秀逸であるけれど、やはり強烈なのはショッキングなラストだ。無慈悲な不条理。他のラストがあれば、できれば希望が残る終わり方が良かったとは思う。だけど、あの場面であの父親に「もっとがんばれ」と言えるのは助けが来ることが分かっている客の立場だからじゃないだろうか。凄惨な絶望を骨の髄まで叩き込まれて、あの時大人4人は誰もが心が折れていた。この世は終わったんだ 頭上をゆく巨大な異界の生物を見てごらん。気色悪い虫どもに生きながら引き裂かれるよりは、とわが子に銃を向ける父親のぎりぎりの決断を私は責められん。 せめて誰か一人でも生者に会えていたら、と思う。奥さんの死体が見えない所にあったなら。逃げ延びたかも、と思えていたら。 やり切れない結末ではあるけれど、そもそも世の中は不条理に満ちている。大嫌いな奴が何故か異性にモテるといった小さいことから、天災や事故に至るまで。 考えうる“最恐の不条理”を叩きつけてきた制作サイドの胆力に、ひるみつつ おお、と妙に感心した。してしまった。 この映画が真のクソ映画になるエンディングがあるとすれば、あの宗教家気取りの扇動女が生き残って、カルト集団の教祖に納まるという筋書きだ。こんなオチがついていたら私は迷わず0点をつける。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-23 00:12:58)(良:3票) |
1190. 切腹
ネタバレ 邦画史上まれに見る陰惨な話でなかろうか。おまけにグロテスクだ。 突如井伊家にやって来た(ように見える)津雲半四郎、彼の語りによって徐々に来訪の真相が明らかにされてゆく展開はスリリングで、のどが渇いてくるようで、近年のサスペンス・ホラーでも滅多にお目にかかれないほどの緊迫感だ。 語りのクライマックスに彼の目的が復讐であることが明かされ、さらに介錯人として指名した三人の現状が露わになった時の、老獪な家老 三国連太郎の顔色の変わるさまといい、激情を押し殺した無骨な浪人仲代の一本気の迫力といい、凄い芝居を観た。特に仲代の発声、動と静の表現を声だけでよくもあんなに。近頃の俳優さんで真似できる人がいるだろうか。 脚本も演技も演出も凄いのだが、話がどうしても好きではない。こうも非道にしなくても、と思う。 武士道の鑑を謳う井伊家、実のところは不祥事隠蔽体質の巨大組織でマズイ物件はさっさと片付けるべく、一人の浪人に鉄砲を向けるんだ。しかもラストに跡取りが幕府から褒められるというしつこき後味の悪さだ。なんて話だ。 こら井伊家、あんたんとこだってな、後年には安泰でいられないんだぞ、いばってんじゃねえと後世から遠吠えする小市民のワタシであった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-20 00:48:20)(良:1票) |
1191. アメリカン・ハッスル
C・ベールは体重を20kg増やしたそうだ。イケメンをぶっ壊すハゲ頭にぶよついた身体。CGでなんとかなりそうなご時勢にあっぱれな根性ではある。もっとも私は”太ってない”のに”太っている”と思わせることができるのが巧い役者だと思うが。ま それはいいけど。 イケてないパンチ頭で嬉々として嫌なFBIを演じたB・クーパーもえらいが、一番良かったのはJ・ローレンスかな。なんだかじわっと情念が滲み出るような女優さんですね。 ちょっと話は弱いかなー。詐欺師が主人公なのだから、こちらをも煙に巻く仕掛けが、いかに鮮やかに決まるかが肝だと思うんだけど。その辺の驚きが小さかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-06-17 00:29:37)(良:1票) |
1192. シャロウ・グレイブ
ネタバレ まあなんて感じの悪い三人でしょう。「何こいつら」と客に思わせる監督の狙いは何だろう。感情を移入させず、完全に傍観させるためかな。監督自身、突き放した視線で描いてるし。 冒頭のルームメイト探しからもわかる通り、性根の良くない三人であるので根が自分勝手な者同士、真の友情なんて育つはずもない。それにしても、こうもむき出しになるとは。おそろしや。さっさと三等分しとけば良かったものを。 会計士くんの奇行を幕開けに徐々にひずみの入る三者の関係、そもそも男2人に女1人というのが友達バランスを取るのに絶妙に難しい配置なんですよね。危うい危うい。女が美女ではない、というキャスティングもバランス重視のためでしょう。欲のために瓦解してしまうわけですが。 オチが意外でした。あ、そうなるの?と単純に驚いた。ダニー・ボイルって人はなかなか皮肉屋なのねと思ったデビュー作。独特な味わいで個性的です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-08 00:16:17) |
1193. クローズド・サーキット
ネタバレ 国家謀略に個人が巻き込まれるサスペンス。パターンが従来のものと変わりばえしなくて(証人や弁護士が狙われる・怪しげな上級役人が絡んでくる等)、なんかいまいち。英国の司法制度のなじみの無さもとっつきにくくしている。エリックの抱える個人的な家庭事情もほとんど筋に絡んでこないし、だからどうなのと思うような雑な描き方。防犯カメラの映像がちょくちょく使われるけど、緊迫感を煽るどころか逆に観づらいな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-03 00:09:01)(良:1票) |
1194. ワイルド・スピードX2
ネタバレ “クルマ愛”というべき制作姿勢が一作目より明確になりました。そしてポールの相方のキャラもあって、よりライトで楽しい仕上がりになった感じです。ポールもT・ギブソンも本当に楽しそうにエンジン吹かすのね。トミカのミニカーみたいなカラフルな車がなんとホンモノなんだ。あのピンクのスポーツカーが浮かずに公道を走れるアメリカってすごい。ちょっと運転してみたい。 今作はクルマが心底魅力的。色とりどりの車たちが一斉に倉庫から走り出る、マーブルチョコを撒いたようなこの楽しさ、わくわく感。 それにですね、なんとこの映画ではクルマがヒロインに勝っちゃうのだ。主人公が美女とデキちゃわないんである。前面に押し出されるのは美人よりクルマ。徹底したクルマ愛に7点献上だ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-01 00:05:39)(良:1票) |
1195. カイロの紫のバラ
ネタバレ アレン作の中でも評価の高い本作を初めて観たのは20代の頃だった。好きじゃなかった。先行きに希望を持って生きたい若い年頃にとって、この作品の背景の不景気のやり切れなさや、ミア・ファローの薄幸な雰囲気・顔立ち・細い身体なんもかもが気を塞いだ。 映画スターと銀幕の中で夢を見る。でもたったひととき。その儚さが美しいとは思えなくて、むしろ気を持たせただけのように感じて、こんな思いさせるなよ、と思った。だってラストの彼女の呆けたような表情に現実と立ち向かう意志があるようには感じられない。映画にうっとりした後は、ああこの人、また現実世界に戻るんだ、あの暴力亭主のいる安アパートに。パートの職も失って、ほぼ詰んでしまっているセシリアの現実がひりひりと心に痛くてカンベンしてくれ、と泣きたくなったものだ。 霞を食って人は生きてゆけない。その霞が養分となっていればまだしもだけど、セシリアのその後はどうだったろう。 最近、また観た。やっぱり苦かった。映画からちょっと元気をもらったくらいでは、セシリアの現実はきつすぎる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2015-05-31 01:50:34) |
1196. ビッグ
誰も腹の立たないキュートなファンタジー。画が明るいし、人物みんなのキャラも立っている。 何をおいてもこの作品のキュート度を上げているのはトム・ハンクスがもー、すんごい仕事をしているからだ。童顔が手伝っているとはいえ、この演技は凄い。13才より幼く見えなくも無いけど、いい年をした大人が子供の演技をするというのはとても難しいと思うんだ。外見が大人のままで子供じみた真似をするだけでは単なる奇行と見られかねない。ところがトムは顔つきまでが小学生なんですな。治安の悪い安モーテルで心細さのあまり半べそをかく、あるいは女性に「私のことどう思ってるの」とオトナの質問をされて困惑ののち照れてごまかす。その表情はティーンエイジャーになりたてのそれそのもので、この時トムは32才だとは信じ難いくらいの繊細な思春期顔になってて感嘆した。 安定した仕事をずっと続けている俳優さんだけど、役者としての並ならぬ力量を印象づけたのはやっぱりこの映画だと思う。 [映画館(字幕)] 9点(2015-05-29 00:11:57)(良:1票) |
1197. ザ・マスター
ネタバレ 相変わらずP・S・ホフマンは凄い芝居をするなあ。この作品でもほれぼれ。新興宗教の教祖様であるこの役、催眠術を使ったイカサマ師に見えなくもない。けれど人を引きつける包容力があったり、批判意見にはかっとなったり、ヨメの尻に敷かれてたりなど人間臭さが実にリアルな教祖っぷりだ。 で、ホフマンの独壇場になるかと思いきや、P・フェニックスがこれまた堂々と渡り合ってる。社会生活はアルコールが原因で破綻しちゃってるダメ男。しかしなんと彼は精神の自由といった部分だけは生命力が強くて、さしもの洗脳教祖も飛び立つフレディを止められなかった。フレディの、ぐだぐだでいながらも自己決定力が強いというキャラクターは演じるのがとても難しいと思う。身体全体からささくれた空気を発散し、目の据わった演技は見事だった。 役者二人はすごい仕事をしてるんだけども、お話はいかんせんおっさん二人とやり手ばばあの三すくみが陰気にだらだら続くばかりなので正直面白くはなかったっす。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-05-26 00:07:33) |
1198. ザ・プレイヤー
本作は若い頃に観た。「全然面白くない」と力強く思った。でも巷の高評価に触れて、きっとまだ自分の映画鑑賞スキルが低いからわかんないんだろうと思っていた。で、数十年後の今もう一度観てみたけども、これはアルトマン節になじめるか否かなんだろうな、と思う。犯人探しをしてはだめなんだ。 この不条理かつ不愉快な結末。観てるワタシたちはボニーとおんなじ。「こんなのリアリティが無い。ひどいエンディング」と抗議したところで完無視されるボニー。私もアルトマンに訴えたい。「この鼻持ちならないエグゼクティブに落とし前をつけないのか」と。それこそ監督の思うつぼ。作品と現実が互いに入れ子式になってるような皮肉な脚本は高度なテクニックなのか知らんが、万人受けはしないだろうなあ。 [ビデオ(字幕)] 4点(2015-05-25 00:01:46)(良:2票) |
1199. ワイルド・スピード
B級スピード馬鹿映画には違いないんだろうけども、一応謎解きの要素もありますし話のテンポも良くてそれなりに真面目に脚本作ってるなー、という好感度はあります。 もちろん全力を注入して撮ったであろうカーレースの場面はアドレナリン全開、スタッフすべてのこだわりや愛や楽しさが集結しているようで、「俺はクルマが好き!」という ひし、という想いがぐわんぐわんいうエンジン音にのって炸裂してます。 門外漢にとってはうるさい・危ない・バカな車だなー、とあきれちゃいそうになりますが、皆がとても幸せそうなのでやっぱり男子には車好きでいてほしい、とも思ったりします。 [DVD(字幕)] 6点(2015-05-23 00:31:31) |
1200. キングコング(1976)
コングがリアルになったら、なんかつまんなくなっちゃいました。人間的な感情なんか入れなくたって良いよ。モンスターだからこそ良かったんだよコングは。 なんだかヒューマニズムな描き方が鼻について、ことさらにコングを可哀想に描いているみたいで好きじゃないです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-05-20 00:00:33) |