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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1261.  戦略大作戦 《ネタバレ》 
文字通り画に描いた様な痛快戦争映画。思えば、こういう痛快戦争映画というジャンルは本作を最後に滅亡しちゃった感じですね。マカロニウェスタン顔負けに敵味方ともバタバタ死人の山が築かれますが、ケリーと仲間たちにとっては将軍の勲章稼ぎに狩りだされるぐらいなら、お宝を狙って敵弾に倒れる方が悔いのない死に方だということで、とても判り易い。それでもあのラストのオチは、今の眼で観ても新鮮というか奇想天外ですね。 ユーゴスラビアでロケされたというのも珍しいですが、そのおかげで色々レアな兵器が観れるのは貴重です。大戦型のシャーマン戦車も博物館に残っているのが大部分という頃なのに、稼働する実車を使ってるのが贅沢ですね。そしてあのタイガー戦車、ソ連のT‐34戦車を改造したものでかなり頭でっかちなプロポーションなんですが、正面から観るとまさにタイガーという面構えです。この改造車両は「戦略タイガー」と呼ばれるほどで、たぶん『プライベート・ライアン』に登場するタイガー戦車もこの「戦略タイガー」のアップデート版のはずです。このSS部隊の指揮官はチラッとしか画面に映りませんが、何とイヴ・モンタンなんです。ノン・クレジットなんですが、なんで彼がこの映画に関係しているのか謎です。
[映画館(字幕)] 8点(2014-07-01 23:39:03)(良:1票)
1262.  GODZILLA ゴジラ(1998) 《ネタバレ》 
私を含めた全世界のゴジラファンを激怒させた問題作。ゴジラを「核実験の死の灰を浴びて突然変異したイグアナ」と設定した時点で、もうこれはゴジラのリメイクじゃないですし、そもそもゴジラの名称を使わせたこと自体が間違ってます。 ローランド・エメリッヒが監督と聞いただけで危ないと心配してましたが、ここまでひどいとは予想を超越してました。元祖『ゴジラ』が名作と今でも語り継がれるのは特撮だけじゃなく本編の人間ドラマがしっかりしていたからで、ところがこの映画に出てくる人物はみんなバカばっかりでもううんざりです。その中でも特にひどかったキャラがこの二人です。一人はあのバカ女レポーター・オードリーです。演じたマリア・ピティロはこの役で見事にラジー賞をゲット。この人ここまでは割と順調にキャリアを積んでいたのに、本作以降はメジャーな作品どころか映画出演自体がほとんど無くなっちゃったのはちょっと可哀想かな。そしてもう一人はエバート市長。有名な映画批評家ロジャー・エバートがモデルで、『インデペンデンス・デイ』を酷評された腹いせに監督がコケにしたというのは有名なエピソードです。市長役の俳優はロジャー・エバートにそっくりですし、金魚のフンみたいな市長の側近ジーンもロジャー・エバートとコンビを組んでる批評家ジーン・シスケルに瓜二つという念の入れよう。この不愉快な市長が本作で唯一の悪役みたいなもんだけど、ここまでやるとはエメリッヒという人執念深くてけっこう嫌な性格みたいですね(笑)。 まあこの映画は怪獣映画じゃないですよ、笑えないコメディ映画だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2014-06-29 20:44:07)
1263.  アジャストメント 《ネタバレ》 
観始めてからしばらくすると最近観た映画にすごく良く似ている様な気がしてなりませんでした。良く考えたら、『ルル・オン・ザ・ブリッジ』でした。しかし比べてみると、主人公の行動が恋人に及ぼす影響が真逆なんですね。『ルル・オン・ザ・ブリッジ』は決して褒められる映画というわけではないですが、同じラブストーリーとして観ると文学的な香りが強くて本作よりははるかに出来が良かったと思います。 帽子を被ったおっさんたちが天使で神さまが“議長”というのは、判り易いというか単純な発想とも言えます。全ての人間の運命を管理して調整するなんて、何と言うか天使という仕事も超ハードワークですね。でもそんな苦労を無にしてしまうあのオチ、テレンス・スタンプ可哀そう(笑)。それにしても最大の?は、あのハリーなる天使がなぜマット・デイモンを手助けするのかということなんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-06-27 22:57:42)
1264.  ひばりが丘の対決 《ネタバレ》 
怪談映画のマエストロ中川信夫が撮った、ちょっと変なテイストの映画です。いちおうアクションというジャンルになるとは思うんですけど、なんかヘンなんですよね。 『カルメン故郷に帰る』をパクった様なプロットで、北海道の山奥が舞台という設定なんですが、たしかに山奥だけどどうも北海道らしくない風景で、本州のどこかでロケしている事は間違いない。新東宝の予算で北海道ロケなぞ出来るわけないでしょ(笑)。この“カルメン”が久保菜穂子で、この山奥が故郷というわけじゃなく失踪した兄を捜しに浅草からはるばるやって来ました。職業はもちろんストリッパーです。たしかにこの映画の久保菜穂子はすこぶるチャーミングでして、彼女の新東宝でのフィルモグラフィの中でもっとも輝いているキャラだと思います。彼女が歌い踊るシーンが2つありますが、湖畔で見せてくれるダンスは♪アンパーヌプリヌプリコ、エッパーウ♪なんて何語か判らん歌詞が妙に頭に残りました。 でもカップルは馬車で駅と村を往復する仕事に命をかける高島忠夫と郵便局長の娘矢代京子の方なんです、久保菜穂子は引き立てキャラなのに彼女の方が目立っちゃってます。高島忠夫はちょっとオツムが弱いのかと思うほど茫洋としたキャラで、なんかこの人の容貌にピッタリの役です。 三人組の脱獄囚が後半に登場、こいつら村の家に押し入って強盗殺人、おまけに矢代京子を人質にして逃走。そしてクライマックス、霧が立ち込める峠で三人組と高島忠夫の対決となるわけですが、ここで見せる高島のアクションが鈍重極まりないのはご愛敬です。 どうも『ひばりが丘』というのはこの峠の荒れ地のことみたいなんですが、劇中そんな地名はまったく出てきません。もちろん、西武新宿線の駅がある街でもありません。まあこの題名を見て、まさか北海道の山奥が舞台の映画だと思う人は誰もいないでしょうけど(笑)。 中川信夫の現代劇映画は、どのジャンルでも共通してなんかヘンなテイストを持っているんですよ。まあその頂点にあたるのが『地獄』なんでしょうけど。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-06-26 23:45:41)
1265.  アダムス・ファミリー(1991)
昔東京12チャンネルで放映してたアニメ版が好きだったので、「うわ―懐かしい、キャラそっくりじゃん」と感心したのですが、確認してみるとアニメ版にもオリジナルにも似ていない、それぞれのキャラををデフォルメしたって感じなんですね。周りのキャラはともかくとしてアダムス親子4人については、特殊メイクで顔を造ったというより単にメイクを濃くしただけでこれだけイメージピッタリになりました、というところでしょう。もうキャスティングの妙というか、たまたま同時代にこの4人がいたところに映画の神様が微笑んでくれたって言う感じです。だってもうラウル・ジュリアは死んじゃったしクリティーナ・リッチは成熟しちゃったしアンジェリカ・ヒューストンは・・・、つまりこのメンツではもう続編は撮りたくても撮れないってわけです。 ホラー・コメディとしては良く出来ていると思いますが、特徴的なのはミュージカル要素が濃厚だったことでしょう。ラウル・ジュリアの『マムシカ』をはじめダンスシーンがゴス調の舞台に良くマッチしています。近年、『アダムス・ファミリー』はブロードウェイでミュージカルになって大評判なんだそうです。それを考えると、この映画なかなか先見の明があったわけですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-24 20:09:02)
1266.  ザ・ディープ(1977) 《ネタバレ》 
さてこの映画、公開当時もロバート・ショウやニック・ノルティを目当てで観た人はまさかいないでしょう、そりゃジャクリーン・ビセットの透け乳目当てに決まってますよね。ところがこのお目当てのシーンは冒頭だけ、2時間の上映時間中でも彼女の水中シーンは二つしかないというのはがっかりだった事でしょう。せめて新東宝の海女映画ぐらいのサービスがあっても罰は当たらなかったでしょうにね。悪党が狙っているのが海底に沈んでいるモルヒネのサンプルというのも、ちょっとなんだかなあという感じです。サスペンスの盛り上げ方も冗長の一語で、鬼才ピーター・イエーツが監督してるとはとても信じられない凡庸な映画です。彼がここまでヤル気を無くしてしまったのも、ピーター・ベンチリーの原作小説自体がスカだったのが大きな原因でしょう。『JAWS』の原作者として一世を風靡したベンチリーだけど、『JAWS』にしたって小説としては凡庸で、歴史に名を残せたのもひとえにスピルバーグの天才の賜物です。しょせんこの人は一発屋だったということでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2014-06-21 21:49:37)
1267.  アダプテーション 《ネタバレ》 
“Adaptation”という言葉には“適応”の他には“脚色”という意味もあり、チャーリー・カウフマンが味わった既存の小説を脚色するという事の苦しみ、いわば脚本家版『81/2』というのがこの映画の醍醐味となるんでしょうね。それをスパイク・ジョーンズと組んで映像化しているのだから一筋縄でゆく訳がないです。この人の頭の中はどうなっているんだと感嘆させられるのは、双子の弟ドナルドはなんと架空の人物なんですよ。ライティング・クレジットに名を連ね、仲良くオスカ-にノミネートまでされた人物が実在していないとはちょっと凄いお話しですよね(アカデミー賞史上、架空の人物がノミネートされたのは後にも先にもこれだけ)。エンド・クレジットに“in loving memory”なんて弔辞まで出されたら、もう完璧に騙されます。 この双子をニコラス・ケイジが熱演というか怪演しており、こうやって観ると「ニコジーはヘンな奴だけど、やっぱ名優だよな」と再認識させて頂きました。性格が正反対の双子をメソッド演技で同一人物が演じる、やってるニコジーは頭がおかしくなりそうだったでしょう。ハゲで引っ込み思案のデブ中年、ハリウッド・スターでこんなキャラを演じられるのは、ニコジー、あなたしかいない! それにしても弟ドナルドが書いた『3』という脚本、なんか面白そうじゃないですか。映画化して欲しいな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-19 22:53:18)
1268.  アドレナリン(2006) 《ネタバレ》 
アドレナリンを噴出し続けていないと毒がまわって死んじゃうというプロット、シンプルですけどなかなか良いアイデアです。主人公のジェイソン・ステイサム演じる殺し屋、とてもインモラルで凶暴な奴なんだけどなんか憎めないんですよね。お尻丸出しの患者着姿で走り回るところなんか、女性ファンとその種の趣味をお持ちの男性ファンには堪らないでしょう。下ネタとグロ描写が満載のおバカ映画なんだけど、これが思いがけなく面白いんだから困ってしまいます。今はやりの手ぶれカメラ映像の多用ですけど、編集が巧みなのでほとんど苦にはなりません。“Everybody's Talkin”を白バイを乗っ取って突っ走るシーンでバックに流すなんて、この監督なかなか良いセンスしてると思いました。 そして問題のラスト・シーンですけど、ジェイソン・ステイサムが一瞬とはいえ死んだ(ように見える)シーンとは、おそらく彼のフィルモグラフィの中で初めてなんじゃないでしょうか。なんせ不死身のジェイソンですからね(笑)。しかしこんな終わり方してるくせに続編を撮っちゃうんだから、『アウトレイジ・ビヨンド』の北野武も裸足で逃げ出す厚かましさです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-16 00:43:11)
1269.  PLANET OF THE APES/猿の惑星 《ネタバレ》 
オリジナルの『猿の惑星』を単純にリメイクするのじゃなく、『スパルタカス』の様な要素を濃くしましたという感じでしょうか。これだけオリジナルが有名だと単純にリメイクするわけにもいかずいろいろとご苦労があったと推察しますが、それなら始めからリメイクなんかするなって言いたいです。この惑星の人間たちがサルと一緒に英語を喋るというところは、脚本書いた人のオツムの程度を疑いたくなります。英語を喋るサルが言語を持たない人間を支配している世界というのが、オリジナルが持つもっともショッキングなプロットだったって事を全く理解してないんですからねえ。 サルのメイクならこの人しかいないという第一人者リック・ベイカーですからもちろん見事な仕事ぶりですが、オリジナルでは明確だったサル同士の種族の違いを際立たせる演出がないのは残念です。ヘレナ・ボナム=カーターの属する種族が妙に人間くさい顔つきなのが気になりました、彼女が最初に登場したシーンではマイケル・ジャクソンが出てるのかと思ったくらいです(笑)。 チャールトン・ヘストンやリンダ・ハリソンといったオリジナルの俳優を使うというキャスティング上の遊びはありますが、ティム・バートンらしさがあまり感じられない映画でしたね。もし彼が雇われ監督じゃなかったら、『猿の惑星』ならぬ『フリークスの惑星』したかったんじゃないでしょうかね。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-06-14 22:37:58)
1270.  真夜中のカーボーイ 《ネタバレ》 
アメリカン・ニューシネマを語るにあたって、この映画を外すわけにはいかないでしょう。主人公が最後に死ぬのがニューシネマの半ばお約束みたいなもんですが、この映画のダスティン・ホフマン=ラッツォぐらい惨めでやるせない死にざまは空前絶後なんじゃないですか。 「俺、ションベン漏らしちゃったよぉ(泣)」、もうこのシーンはジョン・ボイトになり変ってラッツォを抱きしめてやりたいくらいです。でもこの結末には確かに深い虚しさが漂っているけど、私にはそこはかとない希望の光を感じられるのです。ジョン・ボイトも自分のアイデンティティだったカウボーイ衣装をゴミ箱にほうり込み、陽光あふれるフロリダで地道に働き新しい人生を始める事が暗示されている様に思います。他のニューシネマ作品とは違ってアナーキーさは薄くて、弱者への優しい視点が感じ取れるのも好きです。二ルソンの名曲“Everybody's Talkin”の使い方も良いですしね。
[映画館(字幕)] 9点(2014-06-11 21:04:51)
1271.  PARKER/パーカー 《ネタバレ》 
ジェイソン・ステイサムを起用したのが幸か不幸か、“悪党パーカー”ものとは思えない雰囲気の映画に仕上がったかなと思います。でもちょっといつものジェイソン・ステイサムとは違った雰囲気もあるキャラにもなっています。 まず冒頭の襲撃シーンで、変装姿ではありますが、彼の人並みに髪の毛を生やした姿という非常にレアな映像を見ることが出来ます。どんな役でもゴマ塩スキンヘッドと無精ひげで押し通すジェイソンの毛が生えている姿は初めて私は観た感じがします。でもその後のシーンではいつものジェイソンに戻っちゃったですがね(笑)。本作ではいつものように抜群に強いんだけどけっこう弾丸喰らったり刺されたりでもう血まみれジェイソンです。あのナイフを手のひらで受け止めるシーン、もう思いだすだけでゾッとします。 そしてジェニファー・ロペスのバカ女ぶりが強烈です。今までの彼女のイメージを覆すようなキャラに挑戦したというと聞こえがいいですが、単にもうこういう役しか回って来なくなったのかもしれません。この人、10年ぐらい前はアンジェリーナ・ジョリーといい勝負してた様な気がしますが、最近はほんと落ち目ですね。 まあアクション映画として観ればテンポの良いしアクションにキレもあり愉しめる映画だと思います。ただひとつ引っかかるのは、どういう意図でジェイソンがテーブルの裏に拳銃を張り付けたのか、そしてそれをジェニファー・ロペスが見つけるという超ご都合主義ですね。これでマイナス1点とさせていただきます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-06-08 22:37:50)
1272.  ターミネーター2 《ネタバレ》 
CG映像の底力を見せつけてくれ、現在に続くCG全盛時代を切り開いてくれました。もちろんT-1000型のリキッド・メタルの質感などの映像は今の眼で見ても全然見劣りしないけど、ゲーセンにあるゲームマシンやコンピューター・ディスプレイなどを見るとさすがに20年前の映画なんだなと実感させられます(そりゃまだウィンドウズ95すら登場してなかった頃ですからね)。そう考えると、この映画が見せてくれた映像がどれだけ時代を先取りしていたかが判るというものです。ターミネーターというストーリーは、元はと言えばキャメロンが観た悪夢がネタなんで、本作で彼は自分の熱い思いをすべてぶつけて完結させたはずなんですが、まさかまだ続編が撮られるとは計算外だったでしょうね(そのせいか、もう製作には携わっていません)。 ジェームズ・キャメロンの力量がピークに達しようとしていた時期なのでもう勢いで観客を魅了しちゃいますが、タイムトラベルに関してはけっこうボロが出ていることは確かです。どうもキャメロンは、現在タイムトラベルを考えるにあたって常識になっているパラレル・ワールド理論を端から無視しちゃっているのが苦しいところです。この映画で描かれる世界がパラレル・ワールドでないならば、ラストでT-800型の残骸とチップが溶鉱炉の中で蒸発した瞬間に未来が変わってシュワちゃんは製造されなかった事になり、その場でパッと消えてなくなるはずなんですがね。まあそれじゃあの号泣のラストが台無しになっちゃうので、あの展開で正解なんです。 この映画でのシュワちゃんは一世一代の男泣き演技です。“I’ll be back”などシュワちゃんのセリフは決めゼリフだらけですが、まさか“Trust me!”がアメリカ大統領と会談したとき某国首相に使われるとは思いもしなかったでしょうね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-05 18:34:48)(良:1票)
1273.  ブラック・ダリア 《ネタバレ》 
これはデ・パルマとジェームズ・エルロイ両方のファンを失望させたとしか言いようがないですね。聞くところによると、予算の関係かルーマニアでロケした映像にCGで厚化粧して撮ったのがこの映画のLAなんだそうですが、そこまで苦労というか手間暇かけた結果がこれではちょっと悲しくなっちゃいます。 そもそも、デ・パルマがこの映画を撮る意義が私には理解できない(もちろん生活のためでしょうが、それを言っちゃあ身も蓋もない)。彼らしい映像美はどこにもなくただやけに煙った様な黄色っぽい色調の映像が続くだけ、唯一デ・パルマらしさが感じられたのは懐かしのウィリアム・フィンレイにアーロン・エッカートが襲われるシーンしかありませんでした。 ヒラリー・スワンクはまさかCGは使ってないでしょうがコテコテメイクで彼女としては精一杯の妖艶さを出してますが、ストーリー上の事とはいえあのスカ・ヨハから男を奪うなんて観ていて白けてしまいます。それにせっかくスカ・ヨハ使ってんだから思い切って脱がせるぐらいしてみろよ、デ・パルマさん!(それにしても、ほんとに脱ぎそうで脱がない女優だ、スカ・ヨハは)
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-06-04 20:50:29)
1274.  巨人と玩具 《ネタバレ》 
主人公たちの会社が必死になって売っているのが、自動車でも半導体でもなくキャラメルだと言うのが今の眼で見るととても奇異に感じることでしょう。1950年代とはいえ大手製菓メーカーが単品販売のわけがなく、これは高度なカリカチュアだと思った方が良いのでは。とは言え何とかして子供たちにキャラメルを買わせようとする涙ぐましいまでの景品商法を見ていると、“ヴァレンタイン・デーにチョコレートを送りましょう”なんて言うのは誰が考えついたか知りませんが天才的な販促キャンペーンですよね。 増村保造らしいモダニズムに溢れた映像で、21世紀の私たちからは判りにくいところですが、街並みや風俗は5年から10年は先取りした雰囲気になっています。日本初のグラビア・ガールが実際に登場したのはこの映画の10年あとだったそうですから。 強烈な印象を残すのは高松英郎の宣伝課長で、彼がまくしたてる宣伝理論は的を射ているけど恐ろしいまでの大衆蔑視に満ちていて、高松英郎の姿がナチスの宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッべルスとオーヴァーラップしてしまうほどです。どの登場人物にも感情移入出来ない様な撮り方は上手いなと思いますが、安易なストーリー・テリングに走った部分も観られ、とくに川口浩の親友がいつの間にか野添ひとみのマネージャーになっているなんてちょっとクサ過ぎました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-06-01 17:10:36)
1275.  国際秘密警察 絶体絶命 《ネタバレ》 
さてこのシリーズもいよいよ最終作です。本家007が日本を舞台にして撮られるというシリーズ当初は予想もしてなかった事態もあり、東宝もこれ以上続けるのがしんどくなったんでしょうね。 お忍びで来日した東南アジアのブッタバルなる国の首相を暗殺から守ると言う、5作目ということもありちょっとマンネリ気味のプロットです。今回北見次郎とコンビを組むのは同じ国際秘密警察エージェントであるニック・アダムスですが、コミカルな芝居をけっこう巧みにこなしています。彼が東宝映画に出演したのはこれが三本目ですが、いずれも水野久美と共演してるのがなかなか意味深です。『怪獣大戦争』と『フランケンシュタイン対地底怪獣』は同年の製作ですので、来日したスケジュールで一緒に撮ったのが判りますが、今度は2年も経ってからオファーを受けてるんですからねえ。彼に執拗に口説かれて困ったという水野久美の回想はどうも本当みたいですね(笑)。 今回はけっこう小ネタにこだわりを見せる脚本になっており、国際秘密警察の支部が刑務所内にあると言うのは笑わせてくれました。可笑しいのは部屋の壁に「国際秘密警察 極東支部」なんてデカい看板がかかっているところで、まったくヤクザの組事務所じゃあるまいし苦笑するしかありません。ブッタバル国の首相である田崎潤もなんかヘンで、大の大人が嬉々としてジェット・コースターなんかに乗ってるんですから。ここで舞台となるのは今は廃墟となってしまった奈良ドリームランドで、本家ディズニーランドをパクったと言われた遊園地の全盛期の貴重な映像でもあります。 本作でもニック・アダムスと佐藤允の方が目立っちゃって、三橋達也がなんか影薄いんですよね。やっぱ40過ぎてた三橋にはこういうアクションは荷が重かったのかなと思います。やはり北見次郎というキャラは丹波哲朗や天地茂みたいな役者の方があっていたと思いますし、考えると当時の東宝にはこういう悪役までこなせるような二枚目スターがいなかったのが痛かったです。強いて言えば宝田明を起用するという手もあったんでしょう、彼には『100発100中』という大傑作もあるから可能性はあったと思うんですけどねえ。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-05-29 23:58:41)
1276.  鳥(1963) 《ネタバレ》 
低迷期だったヒッチコックの60年代の作品で、本作が最右翼の実験作と言えるでしょう。まず誰もが驚くのがミステリー・テイストのボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーだった前半に、まるでモンスター・パニックSFの様な鳥の襲撃がメインの後半を無理矢理くっつけたドラマツルギーを無視した様な荒技でしょう。そしてヒッチコックにしては珍しく劇中いっさい音楽を流さなかったことも指摘出来るでしょう。鳥の襲撃はやはりジェシカ・タンディとティッピー・ヘドレンの確執のメタファーなんだろうかとどうしても考えてしまいますが、どうもヒッチコック御大はあまりそのあたりは深く考えないで撮ったみたいですね。やはり彼がやってみたかったことは、ブニュエルみたいな不条理劇を撮ることだったんじゃないでしょうか。音楽を流さないところもブニュエルのスタイルを真似ている感じがします。まあそれが上手くいったかは観ての通りで、やっぱヒッチコックには合わないジャンルだったみたいですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-05-27 18:35:19)
1277.  悪徳(1955) 《ネタバレ》 
まず邦題にひとこと。この映画を観て『悪徳』という邦題をつけると言うのは、ちょっと凄いセンスですね、まったく意味が通らないし映画の内容が伝わってこない。もっとも原題の“Big Knife”というのも相当に意味不明なんですがね。 内容はハリウッド・スターの内幕もので、アカ狩りでハリウッドから追放されたクリフォード・オデッツの舞台劇が原作です。主役のチャールズ・キャッスルというスターをジャック・パランスが演じているのですが、このキャッスルのモデルはやはりアカ狩りでキャリアを潰された伝説の名優ジョン・ガーフィールドであることは明白です。自分が主演しているボクシング映画を観るシーンが有り、もうこれが『ボディ・アンド・ソウル』のラストシーンそのまんまなんですから判り易い。アルドリッチは『ボディ・アンド・ソウル』で助監督してましたから、ガーフィールドにはいろいろ思い入れが有ったのかもしれません。 芸術性を追求する映画を選ぶかカネを優先して安易なスター映画に出続けるか、あのいかつい顔のジャック・パランスが苦悶する芝居を見せてくれます。ロッド・スタイガーも海千山千のプロデューサー役で粘着質な演技でジャック・パランスを苦しめます。奥さん役のアイダ・ルピノも含めてみんな大芝居な演技なんですが、ほとんど同じ部屋での室内劇なので観ていてあまり苦にならないのはアルドリッチの腕もあるでしょう。イメージと違ってジャック・パランスがなかなか高度な演技力を持った俳優だったんだと再認識させられました。 この映画は色んなところでフィルム・ノアールと紹介されていますが、ちょっとそれは違うんじゃないかなと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2014-05-26 23:53:09)
1278.  国際秘密警察 鍵の鍵 《ネタバレ》 
シリーズもいよいよ佳境に入り、ウディ・アレンの伝説の初監督作『What's Up, Tiger Lily?』の元ネタがこの第4作目でございます。前作で大きくコメディ路線に舵をとったこのシリーズでしたが、本作では初期のハード・スタイルな撮り方も復活しており、コメディ調とのバランスがとれている感じがしました。監督が大ベテランの谷口千吉だと言うこともあるでしょうが、手堅くまとめたなと感じます。 初期二作に戻ったかの様に、オープニングはどうもブルネイをモデルにした様な東南アジアの某国から始まります。この国の大臣から横浜で船上カジノで稼いでいる反乱組織から1千万ドル強奪するのに協力して欲しいと頼まれます。つまり本作での北見次郎の活動は国際秘密警察本部からの指令が有ったわけじゃなくて、いわば彼のアルバイトみたいなものなんですよ。情報局長の浜美枝と金庫破りの達人である若林映子を引き連れ現地に乗り込むと、そこには反乱組織とはライバルの中国人組織が手ぐすねを引いていたと言うわけです。 本作では北見次郎は殴られて拉致されたり拷問されて顔傷だらけにされたり精彩があまりないのですが、その分敵役たちががんばってくれます。何と言っても“ハヤタ隊員”黒部進にご注目です。北見次郎と手を組んだり裏切ったりの中国人ボス、常に脇役に徹してきた彼としては珍しい目立ちっぷりです。そして「俺はコブラに噛まれて人が死んでゆくところを見るのが夢なんだ」なんて言ってのける、天本英世の拷問好きのド変態ぶりも強烈でした。このコブラ、アップはギニョールなんで良いですけど、ロングになると普通の青大将みたいなヘビになっちゃうのは失笑ものでした。中丸忠雄ももちろん出てますが、そういやどうも影が薄かったですね。 こうやって観ると意外と弾けるところは少なかった印象で、こうなるとますます『What's Up, Tiger Lily?』が観たくなると言うものです、出来れば日本語吹き替え版でね。個人的には、アレンのこの映画のおかげで浜美枝と若林映子がボンド・ガールに抜擢されたと睨んでいます。ということは、もし水野久美が本作にキャスティングされていたら彼女が『007は二度死ぬ』に出演していたわけで、惜しいことしました(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-05-22 22:47:33)
1279.  タッカー 《ネタバレ》 
『ワン・フロム・ハート』『コットン・クラブ』といった大コケ大作を連発して青息吐息の状態だったコッポラにプレストン・タッカーの伝記映画を撮らせるなんて、製作総指揮ジョージ・ルーカスの激励と友情をひしひしと感じました。まさに夢を追う男タッカーはコッポラの生きざまと重なるところが多く、彼自身も良く判っていたんじゃないでしょうか。もっともこの映画自体も興行的にはこけてしまったみたいですけどね。 でもわたくしはこの映画が好きですね。ジェフ・ブリッジスは山師みたいな要素もあるタッカーを好演しているし、何より脇を固める助演陣が素晴らしい。とくにマーティン・ランドー、オスカーノミネートも納得の名演です。彼の演じるエイブ・キャラッツがこう言います。「良く母に言われたよ、人に近づきすぎちゃダメ、夢がうつるから」、なんて含蓄のあるセリフでしょうか。タッカーを破滅させようとする上院議員はロイド・ブリッジスで、これがブリッジス父子の唯一の共演映画なんですね。終盤はお約束の法廷劇になるのですが、タッカーの最終弁論は格調高くてなかなか感動的でした。ジェフ・ブリッジスは演説するのが実に上手い役者です。 それにしてもタッカー・トーピードはほれぼれするほどカッコ良い車ですね。撮影当時にコッポラの所有する2台を含めて47台が残存していたそうですが、現在では何台が残っているでしょうかね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-05-21 23:23:35)
1280.  二つの世界の男 《ネタバレ》 
東ドイツのスパイとして西側から必要な人物を拉致してくるのが稼業のジェームズ・メイスンが主人公です。舞台となるのはベルリンでロケ撮影されています。この映画の見どころ(?)は、戦後まだ8年しかたっていない当時のベルリンの荒廃した街並みが生々しくフィルムに残されているところです。良く考えたらこの当時はまだベルリンの壁が出来る前で、東西の行き来が比較的緩かったみたいです。 冒頭、ベルリンに着いたクレア・ブルームを自転車に乗った12歳ぐらいの少年が尾行するところはちょっとサスペンス感が有りました。キャロル・リードは『第三の男』のウィーンからベルリンに舞台を移したサスペンスを撮りたかったみたいですが、メロドラマ色を強くしたためにどうも緊迫感が持続しないストーリーになってしまいました。 あと見どころとしてはヒルデガルド・ネフ。ドイツ映画で初めてヌードを見せた女優なんだそうですが、たしかにグラマラスでしたね。もちろん本作では脱いではいませんけど(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-18 21:48:35)
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