Menu
 > レビュワー
 > かたゆき さんの口コミ一覧。64ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
8182838485868788899091929394
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
8182838485868788899091929394
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
8182838485868788899091929394
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1261.  アップサイドダウン 重力の恋人 《ネタバレ》 
これから僕が語るのは、宇宙で唯一の〝二重引力〟が存在する太陽系での世界を変えることになったある愛の物語だ――。特殊な磁場が働き、上下双方の重力が存在する特異な双子惑星。上に位置する世界には何不自由なく暮らす富裕層が住み、下に位置する世界には貧しい人々が鬱屈した毎日を過ごし、そしてお互いの世界の交流はタブーとされていた。だが、二つの惑星を結ぶ賢者の山でエデンという女の子と運命的な出逢いを果たしたアダムは、そんな禁忌とお互いの重力を乗り越え愛を育んでいくのだった。しかし、世界を牛耳るトランス社によって引き離されてしまう2人。10年後、トランス社で働く彼女と再会を果たすため、アダムはそんな重力の壁を乗り越えうる画期的な発明品を手にとうとうトランス社に踏み込んでいくのだが、悲しいことに彼女は過去の記憶をすっかりなくしていたのだった…。上と下からの二つの重力に支配された特異な世界を独創的で美しい映像で創り込みながらも、ストーリー自体は超古典的な「ロミオとジュリエット」風純愛ラブストーリー。もう徹底的にアイデア勝負のこの独特の世界観は確かに秀逸だと思うのだけど、さすがにちょっとストーリーがおざなりに過ぎますね、これ。都合よく記憶をなくしたヒロインが物語の途中でこれまた都合よく記憶を取り戻したり、強大な権力を持っているはずのトランス社がかなり甘々なセキュリティだったり、そしてかなり投げっ放し感MAXな強引なオチだったり…。うーん、もうちょっと脚本を練って欲しかったっす。それでも、今までになかった斬新な映画を創ってやろうというこの監督の迸るような情熱は、その画面の端々にまで拘り抜いた出色の映像からビシバシ伝わってきました。ようやく相思相愛になれた2人が空中をクルクル廻りながら抱き合ったりとか、こんな変てこなラブシーン初めて見たし(笑)。そんなわけで、この設定は斬新なのにストーリー自体は青臭い恋物語、突っ込みどころ満載ですけどけっこう楽しめました。文字通り、身体がホントに燃え上がりそうになりながらそれでも彼女の前ではスマートなデートの終わり方をしたかったアダムの童貞っぽい感じとかも、素直に共感出来たしね。どんな世界でも男ってやっぱりアホだなあ~(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-28 00:18:03)
1262.  ローン・レンジャー(2013) 《ネタバレ》 
1869年、ゴールドラッシュに沸くアメリカ・テキサス州。自らを法と正義の番人と自負する、頭のお固い新人検事ジョンは、故郷へと帰る列車の中で、偶然、顔に妙な模様を描き常にカラスの死骸を頭に乗っけているはぐれ者のインディアン・トントと出会う。その外見以上に頭のネジが何本も抜け落ちたような変わり者の彼に、当然のように反発するジョンだったが、ひょんなことから一緒に凶悪な犯罪者を追ううちに、何故かマスクマンとなって、奇想天外な冒険の旅へと出発することになるのだった。男前で正義感の強い超オーソドックスな主人公と、そんな彼と全く正反対な超へんてこキャラがタッグを組み、コメディとシリアスの狭間を絶妙なバランス感覚で描く、いかにもヴァービンスキーらしい冒険活劇。と聞くと、やっぱりあの「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを思い起こさせるのだけど、残念ながら今作は「パイレーツ~」に比べて魅力的なキャラクターに乏しいせいか、冒険活劇にもっとも大切な要素であるワクワクドキドキ感が全体的に下がった感が否めなかったですね。特に、一番の悪役が誰かよく分からないせいでストーリー展開が最後までいまいち盛り上がりに欠けるってところが残念でした。うーん、もっとファンタジックな設定にして、悪役たちをあの骸骨海賊ばりにグログロ集団にしてくれた方が作品世界にアクセントが利いて良かったと思うんだけどな~。監督があまりにも西部劇に拘りすぎて、彼お得意の遊び心がいまいち空回りしちゃってる印象が強かったです。それでも最後の、列車二台を並走させながらの様々なキャラクターたちが入り乱れて大活躍する、もう王道まっしぐらなクライマックスシーンはやっぱりさすがの出来でしたね。そこは素直に楽しめました。あと、ジョニー・デップ&ヘレナ・ボナム・カーターの共演シーンで、いつ彼が彼女を殺すのかとハラハラしちゃうのは、確実にティム・バートンの悪影響っす(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-27 00:02:03)
1263.  シェルタリング・スカイ 《ネタバレ》 
この美しい空を見上げてごらん、この茜色の大空はね、僕たちを守ってくれているんだ、宇宙という無限の虚空から――。結婚生活10年目にしてお互いの愛の微妙な擦れ違いに悩む夫婦キットとポートは、若い共通の友人ターナーを伴ってアフリカの大地へと降り立つ。「無計画こそが私たちの計画なの」と、原生的な生きるエネルギーに満ち溢れたアラブ人たちに混ざり、広大なサハラ砂漠をただ刹那的な愛を求めて彷徨うそんな夫婦の姿を雄大な大自然を背景に描き出す、ある愛の物語。赤を基調とした暖色系の美しい映像と情熱的で壮大な音楽(全盛期の坂本龍一教授の生み出す旋律が胸に染みます)とで、この倦怠期の夫婦が若い男を媒介に冷めた愛を再び燃え上がらせようとするというなんてことないストーリーなのに、なんだか哲学的で深い映画に仕上げてしまうところは、さすがベルナルド・ベルトルッチですね。とにかく砂漠の映像が美しいです。風が吹けばそこら中に砂砂砂、市場に行けば肉にたかる蝿蝿蝿、アラブ人はみんな髭髭髭、このひたすら濃ゆ~いのに何故か知的で高尚な雰囲気を漂わせる美しい世界観には、素直に酔いしれることが出来ました。ただ、そんな映像で綴られるストーリー自体はあまりにも淡々と進むため少々退屈なところはちょっぴり残念でしたね。それでも、このどんなに情熱的な愛であろうと崇高な人間の魂だろうと最後は何もかも無機質な砂へと呑み込まれて無くなってしまうんだと言わんばかりの無常観に必死で抗おうとする人間たちの根源的な苦悩を、ラクダが闊歩する雄大な砂漠のなかに象徴的に描いた、いかにもベルトルッチらしいなかなかの良作でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2014-04-24 08:46:40)
1264.  レイチェルの結婚 《ネタバレ》 
かつて麻薬という魔物にどっぷりとはまり込み、様々な人を傷つけ、大切なものをたくさん失ってしまったキム。更正施設での長年にわたる治療の末、何とか立ち直ることが出来た彼女は、姉レイチェルの結婚式に出席するために久し振りに実家へと帰ってくる。だが、幸せいっぱいの姉の姿を見ているうちに、キムはやっぱり問題行動を起こし、周りの人々や家族たちに迷惑をかけまくってしまうのだった。人生の節目を迎え幸せになろうとする姉と、人格的に問題のあるその妹との、家族や友人たちをも巻き込んだ葛藤を、まるでホームビデオで撮ったようなリアリティ溢れる映像で綴るファミリードラマ。「羊たちの沈黙」や「フィラデルフィア」でその名声を欲しいままにしたものの、その後はパッとしない印象のジョナサン・デミ監督の作品なのですが、あの頃のもう画面の端々にまで漲っていた不穏な緊迫感は完全に雲散霧消してしまい、なんだか知り合いの大して面白くもない結婚式の映像を延々と見せられたような退屈な作品でありました。「結婚式ってホント大変!」そりゃそうかも知れませんけど、それを延々と映画として観せるには、もっと新しい切り口がなきゃ駄目だと思うんですけど、この作品はどうにもそれが弱いと感じます。まるでホームビデオで撮ったような手振れ映像をそのまま使っているにもかかわらず最後までストレスなく観られるところや、軽快でノリの良い音楽、「結局、家族は仲良くなれませんでした…」な印象的なラストシーンなどは良かったとは思うんですけど、もっと映画として突出したところが欲しかったですね。ジョナサン・デミ作品なんだし、この結婚式にレクター博士がやってきてそんな家族の葛藤とか知るかぁ!って感じでえらいこっちゃ展開を見せてくれるとか(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-04-22 00:32:25)
1265.  リリィ、はちみつ色の秘密 《ネタバレ》 
1964年、公民権法が成立したものの、まだまだ人種差別の病根が色濃く残るアメリカ南部。農場で働く父親と二人で暮らす14歳の少女リリィにはとある秘密があった。それは4歳のときに、銃の扱いを誤って母親を殺してしまったという哀しい過去だった。以来、酒に溺れる父親の暴力に怯えながら暮らしてきたリリィだったが、とうとう我慢の限界を迎え、黒人の使用人ロザリンと共に家を飛び出すことに。ヒッチハイクしながらそんな二人が向かった先は、個性豊かな黒人姉妹たちが営むのどかな養蜂場だった。そしてそこは、リリィの母親が子供時代を過ごした地でもあったのだった――。美しい田園風景が拡がるアメリカの田舎町を舞台に、理不尽な現実に翻弄されながらも必死に生きる市井の人々の姿を瑞々しく描き出すヒューマン・ストーリー。いやー、この監督さん、予想だけどラッセ・ハルストレムの影響をかなり受けてますよね。彼の作風をこよなく愛する自分としては、この田舎の養蜂場を舞台に描き出された詩的で瑞々しい世界観はけっこう堪能できました。特にそれぞれ個性的な黒人姉妹たちの恋や葛藤やトラウマを優しい視線で描き出すこの手腕はなかなかのもの。ただ、ちょっとエピソードを盛り込みすぎてちょっぴりテーマが散漫となってしまったところが残念でしたね。母親を殺してしまったというトラウマを必死に乗り越えようとするリリィの物語なのか、はちみつをこよなく愛する姉妹たちの愛情物語なのか、人種差別と戦う黒人たちの葛藤の物語なのか、どれか一つに軸をしぼって描いた方がもっと良かったと思います。あと、ダコタ・ファニング、確かに美少女ではあると思うんだけど、世間の多くの老若男女に愛されるだろう子供の頃の安達祐実風優等生的美少女なので、残念ながら僕のロリコンレーダーにはそんなに響きませんでした。このころのクロエ・グレース・モレッツが主演してたらもっと点数上がったんだけどねー。クロエちゃんが、黒人青年の指に付いたはちみつをねっとり舐め取るシーンが個人的に見たかったっす(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-20 00:15:18)(笑:1票)
1266.  シャンドライの恋 《ネタバレ》 
政情不安にゆれるアフリカの何処かの貧しい国。反政府活動を疑われた夫が理不尽にも投獄されて独りぼっちになってしまった若く美しい人妻シャンドライは、身の安全を図るため難民としてローマへと移り住むことに。親戚が遺した遺産で悠々自適の生活を送るピアニストのキンスキーのアパートで、投獄された夫のことを気遣いながらも、シャンドライは看護婦を目指して新たな生活を始めるのだった。そんなある日、突然大家のキンスキーから愛の告白をされる。あまりにも違うお互いの境遇に、最初は反発を覚えたシャンドライだったが、彼の無垢な心と優しさに触れて次第に気持ちが揺れ動いてゆく…。映画監督としてノリにノッていたベルナルド・ベルトルッチが、ラスト・エンペラーやシェルタリング・スカイといった大作映画の後に、良い意味で肩の力を抜いて撮っただろう、小品ながらも愛すべき作品でした。まるで絵画のように美しいローマの街並みを背景に紡がれる、極端なまでに無駄を削ぎ落としたシンプルでありながら深いストーリー、全編を彩る情熱的なのにあくまで上品で静謐な音楽の数々…、もうベルトルッチの素晴らしい才気が画面の端々に漲っています。そして、何より魅力的なのは主人公のシャンドライ。きれいで可憐な容姿にもかかわらず、胸には熱い情熱を秘めた彼女の魅力に最後まで惹き付けられました(僕がいままで見てきた黒人女性の中では一番と言っても過言じゃないくらい、笑顔がかわいかったっす笑)。そんな彼女の心に芽生えた小さな恋心が徐々に高ぶり、最後は官能的でとても美しいラストシーンへと導かれていく、その丁寧でスリリングな心理描写はもうさすがの一言。最後、シャンドライがあのドアを開けるのかどうか、それを明示しないまま終わるのも印象的な良い余韻を残してくれます。小品ではあるけれど、久し振りに「ああ、良い映画観たなぁ…」と心から思える作品に出会えました。お薦めっす。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-17 18:41:25)
1267.  白いリボン 《ネタバレ》 
第一次大戦前夜、ドイツ郊外にある平凡な田舎町。地主である横柄で嫌味たらしい男爵のもと、村人たちは日夜野良仕事に従事していた。ある日、そんな彼らの一見平凡に見える日常を不穏な出来事が襲い始める。木の幹に巡らせた針金によって村唯一の医者が馬から滑落し、小作農の妻が事故死し、復讐心から彼女の息子がキャベツ畑を無茶苦茶にする。そして、とうとう男爵の幼い息子が暴行されて磔の状態で発見されるという大事件まで発生してしまうのだった。激怒する男爵やおののく村人たちの間に次第に相互不信や悪意が侵食しはじめ、やがて更なる悲劇が村を襲う――。誰もが目を背けたくなるような、人間の悪意や理不尽な現実を圧倒的な負のエネルギーで映像化してきたミヒャエル・ハネケ監督らしい、そんな村人たちの隠された悪意や暴力衝動を美しいモノクロ映像で淡々と描き出すカンヌ映画祭グランプリ受賞作。ずっと僕とは感性が合わないと敬遠してきたハネケ監督の代表作で、しかも2時間20分もあるモノクロ作品ということで、あんまり期待せずに観始めたのだけど、予想外に良い映画でしたね、これ。中盤までは、あまりにも淡々と続くストーリー展開と誰が誰だか分かりにくい登場人物が織り成す複雑な人間関係に辟易していたのですが、どんどんと平穏だった村を侵食しはじめるそんな不穏な空気がモノクロ映像とばっちり嵌ってきて、最後は「なんて深く美しい映画なんだろう」と素直に感動です。男爵も医師も村人たちも、そして無垢だと思われていた子供たちも、それぞれに鬱屈した心を抱え込み、そんな誰かの暴力衝動がやがて酷い悲劇に繋がってゆくのに、その真相は誰にも分からない…。そんな第一次大戦前夜のドイツを覆っていたであろう暗い雰囲気を小さな村の中に象徴的に描き出すことに成功しています。第一次大戦敗北→屈辱的な国家賠償→社会の不安定化→ナチズムの台頭→日独伊同盟→第二次大戦勃発→そして、悲劇的なホロコースト…。誰も全体像を把握できないまま、何かとても悲惨な出来事が起こっていることを誰も正面から認識せずにそんなかつてない悲劇へと突き進んでいったドイツの、萌芽と呼ぶべきものがここにはある。正直、もう一度観るにはかなりのエネルギーがいりますが、淫靡で不穏な美しさに満ちたなかなかの良作。
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-15 19:48:44)
1268.  ランズエンド -闇の孤島 《ネタバレ》 
アルツハイマーを患う元刑事を父に持つ、兄弟ジョーとクリシー。彼らもまた現役の刑事として、多忙な毎日を過ごしていた。ある日、12歳の幼い少女が無残な惨殺死体となって発見される。すぐに容疑者として逮捕された男は、過去に猥褻事件を起こし、なおかつ被害者のベルトのバックルを保持していた。「こいつが犯人に違いない…」そう確信する兄ジョーだったが、決定的な証拠に欠けるため釈放されることに。人の親として我慢ならなかったジョーは、酒の勢いを借りて釈放された彼を夜の孤島へと連れ出し激しく問い詰めてゆくうちに激高して思わず殺害してしまう。裁きを下しただけだと自分を納得させ、弟と共に死体を処理したジョー。だが、その後、図らずも真犯人が発見されてしまうのだった――。罪の意識に次第に追い詰められてゆく兄弟の姿を丹念に描いた重厚なサスペンス作品。前半、ちょっぴり散漫で分かりにくい演出が続き、「うーん、これはどうなんだろ…」と思って観ていたのだけど、真犯人が逮捕される中盤辺りから徐々に緊迫感が増していき、なかなか良かったですね、これ。過ちを犯してしまう兄弟、崩壊の危機へと向かう彼らの家族や恋人たち、少しずつ疑いの目を向け始める同僚の刑事、そしてアルツハイマーによって意識を混濁させながらもそれでも息子たちを助けようとするお父さん…、各々の思惑が絡み合う先の読めないストーリー展開は見応え充分でした。特に印象に残ったのが、殺された容疑者の母親。かつて猥褻事件を引き起こした息子を、信じてやれなかった自分に自責の念を募らせてゆき、必死に息子を捜してビラを配る姿など見ていてやり切れないですね。次第に狂気じみてゆく兄の精神世界の描写もなかなか好みでした。主要テーマとなるだろう無人島描写が最後まで上手く効果を発揮していないところが、若干気になったけど、重厚なサスペンスドラマとしてけっこう面白かったっす!
[DVD(字幕)] 7点(2014-04-11 00:14:13)
1269.  アルバート氏の人生 《ネタバレ》 
19世紀、アイルランド。長年、ホテルの給仕として働いているアルバート・ノッブス氏には、とある秘密があった。それは、14歳のときに起きた悲惨な出来事をきっかけに女であることをひたすら隠し、ずっと男として生きてきたという悲しい過去だった。初老の域に差し掛かり、誰にもそんな事実を知られることなく、これから先も男として孤独に生きていこうとするアルバート氏。そんなある日、偶然にも同じような境遇で生きる男装の女性と出合い、彼女の幸せな生活に触れたことをきっかけに、アルバート氏は自分の孤独な生活を少しでも変えたいと願うのだったが…。数奇な運命を生きてきたある一人の女性の人生の晩秋を、淡々と描いた哀切な人間ドラマ。うん、地味ですけどなかなか良かったですね、これ。最初は多少の違和感が拭えなかったグレン・クローズの男装姿が、ストーリーが進むうちにどんどんと馴染んできてもう男にしか見えなくなってしまうのは彼女の熟練の演技力がなせる技なのでしょう(逆に中盤で見せる女もののドレスを着た姿の方が違和感ありまくりだったし笑)。そんな彼(女)が、ささやかな幸せを夢見て、騙されていることに薄々気付きながらそれでも必死で同僚をデートに誘おうとする姿は見ていて本当に切ないです。最後に、あの太った医者が思わず発する「アルバート、どうしてかくも哀れな人生を選んだのか…」という言葉に全てが収斂される、一人の女性の悲しい人生には深く胸打たれました。欲を言えば、もう少し彼女の悲愴感をドラマティックに描いてくれても良かったかなーとも思うけども、アカデミー主演女優賞候補も納得なグレン・クローズの抑えた演技が光るなかなかの良作だと僕は思います。アルバート、あなたの人生は決して哀れではなかったよ!
[DVD(字幕)] 7点(2014-04-10 19:01:39)
1270.  ファイヤー・ウィズ・ファイヤー 炎の誓い 《ネタバレ》 
日夜、消防士として市民の安眠を守り続けているジェレミーは、ある日、偶然入ったコンビニで凶悪な殺人事件へと巻き込まれてしまう。危うく殺されそうになりながらも、何とか逃げ延びた彼は、警察から裁判で証言台に立つことを要請されるのだった。持ち前の正義感から快諾するジェレミー。だが、犯人として逮捕されたのは、自分の利益のためなら簡単に人を殺す凶悪なギャングたちのボス・ヘイガンだった――。証人保護プログラム始動。身の安全を図るため、それまでの経歴や社会保障番号、運転免許やID、さらには自分の姓名さえ消去して潜伏生活を送ることになるジェレミー。しかし、蛇のように執念深いヘイガンによって恋人を殺されそうになった彼は、復讐のためにたった一人で行動を開始するのだった。最近、凡作への出演が相次いでいるブルース・ウィリス主演、しかもまるで安物のレスラーのプロレス技みたいなダサいタイトル(ちょっぴり偏見?ごめんなさい笑)だったので、全く期待せずに観たのだけど、それが効を奏したのか、地味にそこそこ面白いじゃん、これ。まあ、ストーリー展開がベタでかなり強引ってとこは否めないですけど、ぶち切れた主人公がギャングどもを時に拷問にもかけながら(ゲロ吐きながらギャングの指切っちゃうトコとか、僕的にけっこうツボでした)追い詰めていくところは、頭空っぽにして素直に楽しめました。最後も、消防士としての特技を活かしてギャングどもを火責めしちゃうなんて、なんてナイスな反撃(笑)。うん、タイトルが超ダサいですけど、ぼちぼち面白かったっす!
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-08 00:05:00)
1271.  フリーランサー NY捜査線 《ネタバレ》 
常に危険と隣り合わせの過酷な職場、NY市警。理想に燃える新人警官として、新たに配属されたジョナスは、同じく警官だった自分の父親のかつての相棒でもあるベテラン警官サルコーネに汚い現実を知らされる。正義と特権を隠れ蓑に、麻薬の密売、押収した金の横領、賄賂集めにいそしむ警官たち。「お前の父親もやっていたことなんだ。慣れろ」と言う先輩警官の指導のもと、いつしかそんな汚れた現実へとどっぷりはまり込むジョナスだったが…。ロバート・デ・ニーロ、フォレスト・ウィテカーという新旧実力派俳優が競演した、警察内部の腐敗を描く犯罪ドラマ。なんですが、そんな二人の熟練の演技が勿体ないくらいのクソつまらない作品でありました。紋切り型で魅力に欠けた登場人物たち、かなりテンポの悪いストーリー展開、どこかで何度も見尽くしてきたようなメリハリのとぼしいアクションシーンの数々、そしてあまりにも中途半端な人種差別の取り扱い方…。デンゼル・ワシントン主演の犯罪ドラマの佳品「トレーニング・デイ」を、極度なまでに劣化させたような、ここ最近観た中ではなかなかの駄作っす。二大オスカー俳優の完全なる無駄遣い(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2014-04-06 09:04:50)
1272.  魔女と呼ばれた少女 《ネタバレ》 
これから産まれてくるあたしの赤ちゃん、あなたには全てを知っておいて欲しいの。あたしがこの地で何をしてきたかを――。いつ果てるとも知れない泥沼の内戦が続くアフリカの何処かの貧しい国。両親と共に平凡に生きていた11歳の少女コモナもそんな現実の荒波へと巻き込まれてしまう。突如として現れた残虐な反政府ゲリラに捕まり、自ら両親を殺すことを強要されると、無理やり少年(女)兵として戦争へと駆り出されることに。そんななか、ジャングルの奥深くで出会った自分にだけ見える死者の精霊たちの導きにより、激しい戦闘から彼女一人だけが生き残るのだった。以来、ゲリラのリーダーによって魔女として崇められるコモナ。しかし、そこで知り合った同じく少年兵のマジシャンの無垢な性格に心惹かれていくという、彼女もまた普通の年頃の少女に過ぎなかった。だが、そんなコモナの初恋も過酷な現実によって容赦なく押し潰されてゆく。内戦に揺れるアフリカ最貧国を舞台に、少年兵たちの過酷なドラマを、ときに幻想的に、ときに青春ラブストーリーとして描く意欲作。一時、やたらと多作されたアフリカ内戦ものですが、今作は主人公が元はあくまで普通の少女というところがポイントですね。先行作品の例に漏れず、こちらも思わず目を覆いたくなるようなかなりショッキングなシーンが随処に出てきますが(冒頭から、いきなり11歳の少女に両親を殺させます)、途中で差し挟まれるコモナとマジシャンとの初々しい恋愛描写が良い対比となっていてとても胸に迫ります。そして、後半で妊娠してしまい(その父親が誰かもかなり悲惨です)母の顔を見せ始めるコモナの、残酷な現実に押し潰されそうになりながら、それでもここで必死に生きていこうとする力強い姿に感動を覚えざるをえません。若干、森の精霊描写がチープでいまいち意図が読み取りにくいところが残念ではありましたけれど、画面の端々に生きるエネルギーが横溢するなかなかの良作だと思います。コモナに、いつか平穏な日々をと祈らずにはいられません。
[DVD(字幕)] 7点(2014-04-05 19:21:36)
1273.  ザ・ワーズ 盗まれた人生 《ネタバレ》 
とある中堅作家が新作の発表に合わせて、自作を語る朗読会を開く。その内容とは――。主人公は作家志望の貧しい若者ローリー、ひたすら書いては出版社へと原稿を送るものの無下に断られる鬱屈した日々を過ごしていた。そんなおり、彼は偶然手に入れた鞄の中から、古びた小説の原稿を発見する。「これは傑作だ…」一読してそう確信したローリーは無我夢中で、それを一言一句漏らさずパソコンへと書き写し、駄目だと分かっていながら、長年自分を支えてくれた愛する妻を助けたい、何より自分のことを世間に認めてもらいたいと、それを編集者に読んでもらい出版へとこぎつけることに。本当の作者がどんな想いでこの小説を書いたかも、自分の才能を信じてついてきてくれた妻の信頼をどれほど裏切ることになるかも知らずに…。自作を語る中堅作家の物語と、彼の新作小説の内容として語られるそんなローリーの物語と、自作を盗用された年老いた男の過去の哀しい恋物語が、複雑なメタ構造で絡み合う哀切な人間ドラマ。そんな複雑な構造の作品なのに、極めて分かりやすいストーリーテリングのおかげで最後までストレスなく観ることが出来て、そこは素直に良かったです。それぞれの恋物語も実力派の役者陣の熱演(ブラッドリー・クーパーの目力は凄い!)のおかげでなかなか楽しめました。ただ、その作風に監督が溺れてしまい、どうしてこんなメタ構造で作品を描かねばならなかったのか、その意義を最後まで見出せなかったことが少し残念でしたね。特に曖昧でよく分からないこのラストは、かなり投げっ放し感が強くて大きくマイナスポイント。それでも、そんなラスト以外は、しっかりと創り込まれた人間ドラマとしてけっこう見応えありました。取り敢えず、もしかしたら大作家になれたかも知れないあのおじいちゃんの人生は本当に哀しいですね。うん、やっぱり盗作しちゃ駄目。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-05 00:39:52)
1274.  ポゼッション(2012) 《ネタバレ》 
妻と離婚し、愛する二人の娘と離れ離れに暮らすことになってしまった大学のバスケットコーチ、クライド。それでもそんな娘たちと共に過ごせる毎週末を楽しみに、それなりに充実した日々を送っていた。次女、エミリーがフリマで謎の箱を手に入れてしまうまでは――。夜な夜なその怪しげな箱へと語りかけるエミリー、心配するクライドをよそに、次第に彼女の周りでは不穏な出来事が起こり始める。突然寝室の中に乱れ飛ぶ蛾の大群、冷蔵庫の食べ物を漁る謎の生き物、そしてエミリーの喉の奥にはいつの間にか〝それ〟が潜んでいた…。という、極めてオーソドックスでベタベタなエクソシスト作品。うーん、もうちょっと新しい切り口が欲しかったですね。確かに、奇をてらうことなく正統派なホラー映画を創ろうと頑張ってるのは分かるのだけど、あまりにもこちらの予想通りの展開が続くため、現代の映画としてみれば少々古臭いという印象が否めない作品でありました。最後のオチも、後味の良さを優先したのか、次に誰がその箱を拾い悪魔へと取り憑かれてしまうのかも分からずじまいで、ちょっと物足りなかったです。ただ、悪魔に取り憑かれる次女エミリーを演じた女の子がびっくりするくらい美少女で、そんな彼女が身体をはって、蛾を呑み込んだり白目むいたり絶叫したり、果てはパンチラまで見せてくれると言う、体当たりな演技で頑張っていたので、彼女の努力に免じて+1点っす(え、誰がロリコンだって?笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-03 21:55:18)
1275.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》 
ポール・バーホーベンの映画って昔からけっこう好きで、その代表作はたいがい観てきたのだけど(特にスターシップ・トゥルーパーズは傑作!)、僕が個人的にロボットものがあんまり好きじゃなかったせいで、この彼のもっとも有名だろう今作だけはずっと未観賞のまま、いまに到ってました。しかし、最近ゲーリー・オールドマン主演でリメイクされたということもあり、今更ながらこの度鑑賞。うん、さすがバーホーベンのハリウッドデビュー作だけあって、後に開花する彼の才能の萌芽が見事に芽吹いておりました。さすがに特撮や画面の古臭さは仕方ないですけど、それを補って余りある、ドラマティックで深いストーリー展開、過剰なまでの暴力描写、シニカルで乾いた世界観、そして悪ふざけ一歩手前の絶妙なユーモア感覚…。覚醒したヒーローが巨悪へと立ち向かうという、言わずもがななスーパーヒーローものの古典的名作として、のちにCG全盛時代に突入し一大ブームを巻き起こすマーブルやDCコミックスの映画化作品の全てのルーツだと言っても過言ではないでしょうね、これ。特に、記憶を取り戻しつつあるロボコップが、かつて愛する家族と共に過ごした無人のマイホームへと訪れ、過去の幸せだった日々を徐々に甦らせてゆくという切ないシーンは出色の名シーンでした。一転して犯人たちとの激しい銃撃戦シーンでは、要所要所でばっちりきまっちゃうロボコップのキメポーズがいちいち格好良いし(笑)。あと個人的に良かったのが、ときおり差し挟まれるフェイクCM。スターシップでも多用されていた、この遊び心爆発の馬鹿馬鹿しい演出が、僕的にはけっこうツボでした。いやー、今更ですけど、やっぱり面白かったっす!ロボットだからって食わず嫌いは、やっぱ駄目だね!
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-02 19:05:47)(良:2票)
1276.  終戦のエンペラー 《ネタバレ》 
昭和天皇の戦争責任――。この日本人にとっては極めてポリティカルでナイーブなテーマを、戦争犯罪を調査するある一人の若いアメリカ軍人の姿を通して描くシリアスな歴史ドラマ。「天皇を絞首刑にしろ!」などという、日本人にとっては口にするのも憚られるような台詞がばんばん出てくる(特に昨今の右傾化する風潮の中では)作品をアメリカ人が撮ったということで、かなり危険な地雷を踏んでるんじゃないかという懸念を持ちながら、この度鑑賞してみました。だったのですが、スタッフたちがかなり入念にリサーチしてから撮影に臨んでいることが窺える丁寧な描写に最後まで違和感なく観ることが出来て素直に好印象です。日本が大混乱に陥ることを承知で戦犯として処刑すべきか、焦土と化した日本を再建させることを最優先に無罪とすべきか、ここまでぎりぎりの判断があったとは大変勉強になりました。そして、タイトルに「エンペラー」とつけながら、終始シルエットのみの描写でほとんど出てこない昭和天皇が、最後に全国民のために厳かにその姿を現すシーンには日本人として深く胸に迫るものがあり、やっぱり感慨深かったです。ただ、そんな政治ドラマを優先させたからか、主人公と日本人女性アヤとの恋愛パートがかなり薄味となってしまったのが残念でした。アメリカへと帰ろうとする彼の乗った車を、「待って!行かないで…」と叫びながらアヤが追いかけるという超ベタなシーンには、ちょっぴり失笑です。それでも、かなりリアルに再現された終戦直後の焦土と化した東京描写や、敢えて加害者であるアメリカ側からあくまで真摯にこのテーマへと取り組んだという意義に、敬意を表して7点。
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-30 11:25:46)
1277.  イノセント・ガーデン 《ネタバレ》 
謎の交通事故により、愛する父親を突然失ってしまい、哀しみに沈む18歳の多感な女の子、インディア。何故か哀しみの色をみせない母親と共に、葬儀へと臨んでいたらそこに長年疎遠にしていたチャーリーという叔父が現れる。怪しげな雰囲気漂うチャーリーとしばらく共同生活を送ることになったインディア。しかし、そこから彼女を取り巻く現実が徐々に歪み始めてゆくのだった…。人とはちょっぴり違う現実を生きる、精神的に不安定な少女の不穏な日常を詩的でとても美しく、だがどこか怪しい淫靡な映像で描き出した、まるでいびつな宝石箱のようなダーク・メルヘン。いやー、良いですね、これ。いままで履き続けてきた大小様々な靴に囲まれベッドに横たわるインディアや、床を這っていた小さな蜘蛛が彼女の脚を伝い、そしてそのスカートの奥に隠された領域へと忍び込んでいったり…。そんな、常に何処かで大切な何かが壊れてゆくようなセンス溢れる映像&音楽にかなり惹き込まれました。他にも、まるで作り物のような目をしたチャーリーの突発的に露わになる狂気描写や、何かをひた隠すように振舞う母親のいかにも不穏な行動とか(ニコール・キッドマンが良い感じ!)、そんな徹底的に現実感を排除した大きな洋館の中で繰り広げられる怪しいストーリーを、イノセントな少女目線で描き出したこの秀逸な世界観には、中盤、若干の中だるみがあるとはいえ、素直に酔いしれることが出来ました。欲を言えば、インディアがもう少し幼い年齢でも良かったかなーとも思うけど(え、誰がロリコンだって?笑)、もろ俺好みのこのダークで淫靡な作品、うん、なかなか良かったっす!
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-30 07:52:41)(良:1票)
1278.  ダークスカイズ 《ネタバレ》 
育ち盛りの二人の子供とまだまだ残る住宅ローンを抱えながら、失業してしまったダニエル。不動産の営業をしている妻の稼ぎで何とか生活している彼とその家族たちに、追い討ちをかけるように不気味な出来事が起こり始める。壁に描かれた謎の模様、夜中にキッチンへと幾何学的に並べられた食品、一斉に無くなってしまう家族写真、さらには愛する二人の息子たちにまで黒い影が忍び寄る…。人智を越えた存在によって、どんどんと追い詰められていくそんな平凡な家族の恐怖を描いた、とっっってもシンプルでベタベタなホラー作品でした。いやー、つまんなかったっすね~、これ。何処かでさんざん見尽くしてきたような既視感満載の怖がらせ映像(たいして怖くないけど)が、まるで切り貼りしたような繋がりの悪い編集で描かれておりました。お口をあんぐり開けた主人公が、突然鼻血をぼとぼと垂れ流すってシーンには思わず失笑です。それに無駄なエピソードも多すぎます!失業中の主人公がようやく採用されたとか、思春期を迎えた長男の淡い初恋とかのエピソードも、最後まで何の意味があったのかいまいちよく分かんなかったし。そして、最後にとうとう姿を現す宇宙人の造形もびっくりするぐらいチープな代物で唖然としちゃいました。どうでもいいけど、女の子とチューして軽く胸を揉んだだけで、思いっ切り童貞のまま宇宙人に連れ去られちゃった長男くんはかなり可哀相だね。最後、通信機から聞こえてくる彼のメッセージは「最後までヤっとけばよかった…」だったりして(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2014-03-29 00:39:15)
1279.  クロニクル 《ネタバレ》 
あまりイケているとは言いがたい青春を送っているアンドリューら3人の若者たちが、ある日、謎の穴の中にあった隕石によって特殊な力を授けられる。最初は、小さな物を遠隔操作できる能力を使って、街でくだらない悪戯を繰り返していた彼らだったが、そんな能力と悪戯はどんどんとエスカレートしていくことに。戸惑いつつも、自分なりにルールを設けて、能力の暴走を食い止めようとする彼らだったが、しかし理不尽な現実社会に喘いでいたアンドリューだけは、その心に溜めに溜め込んだ暗い澱のような感情をとうとう爆発させるのだった。手に、常に愛用するビデオカメラを持ちながら――。ストーリー自体は極めてありきたりでオーソドックスなサイキックSFなのですが、それをPOVというホラーやスリラーの分野でやたらと多用される手法を使って描いたところがなかなか斬新でしたね。特に、完全主観になってしまいがちで画面やストーリーの緩急が取り辛いというこの手法の欠点を、超能力を使ってカメラを浮かし自らを客観的に撮ることで、見事に三人称神視点を得るというアイデアは特筆ものでした。おかげで、彼ら各々の確執や暴走、空を飛ぶ爽快感やアンドリューが深い劣等感から街を破壊していく過程など、(素人が撮った映像に毛が生えた程度の凡庸なPOV作品とは一線を画する)一本の映画として充分に堪能できました。ただ…、最後はちょっと呆気なさ過ぎるかなとも思います。アンドリューがさらに一都市を壊滅させてしまうほど暴走しちゃうとか彼の暴走を食い止めるため軍隊まで出てきちゃうとか、そこまで盛り上げてくれたらもっと良かったかな~。って、さすがにそれしちゃうと映画として破綻しちゃうか。というわけで、ちょっとこじんまり纏まちゃった感も無きにしもあらずだけど、けっこう面白かったっす!
[DVD(字幕)] 6点(2014-03-28 21:19:13)(良:1票)
1280.  アイアン・フィスト 《ネタバレ》 
舞台はいつの時代かすら分からない、悪党どもが群雄割拠する中国の山村。X刀(X-ブレイド)という男が、父親を裏切り無残にも殺した男・銀獅子へと復讐を果たすため、村へと帰ってくる。迎え撃つ銀獅子も、身体を自由自在に鋼鉄へと変えられる殺し屋を雇い、さらには金塊強奪計画をも進めていた。そこに、様々な思惑を抱えた個性豊かな男や女が絡んでき、まさに無国籍な何が出るか分からない闇鍋のような濃ゆ~い世界が展開されていく。ラッセル・クロウ&ルーシー・リュウが出演、タランティーノが絶賛していた(?)くらいの情報のみで鑑賞しちゃいました。いやー、くだんなかったっすね~。個人的に、こういう中国の古臭いカンフー時代劇ってあんまり好きじゃないんで、最後までいまいち乗り切れなかったっす。つーか、いくらなんでも、ちょっとお馬鹿過ぎますね、これ。まるで中学生が学校の休み時間に考えたようなキャラクターがてんこ盛り(笑)。それに誰が主人公なのか最後までよく分かんないから、クライマックスも誰に肩入れすりゃいいねん!って感じでした。突然ですが、もうすぐ消費税増税(本日2014/3/27)ってことで、ゲオで買い溜めならぬDVDの借り溜めしたせいで、今週は仕事も忙しいってのにやたらと映画を観なけりゃいけない羽目に(泣)。というわけで、いま、この映画を「アホな映画やで」と非難できる立場かぁって自己突っ込みを入れつつ、ヘロヘロになりながらこのレビューを書いております。あと4日で5作品…。我ながら、アホだ~(笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2014-03-27 00:17:15)
010.05%
190.48%
2492.61%
31266.72%
424713.18%
532917.56%
648425.83%
732917.56%
821511.47%
9713.79%
10140.75%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS