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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3865
性別 男性
年齢 53歳

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1301.  エイリアン
コワい映画を、ちゃんとコワく不気味に作ってる、というまさにその点で、称賛に価する作品だと思います。 まずタイトルの出し方がやけにカッチョいいんです。というのはさておき。 ノリはオバケ映画で、まず冒頭の無人のノストロモ号がどう見てもオバケ屋敷。実に不気味でヤな感じですね。誰もいないのに勝手にチャカチャカ動き出すのがまた気持ち悪い。で、別に無人だった訳ではなくって、長期睡眠中だった乗組員がポツポツと起きてくる。彼らは何事もなかったかのように会話を交わしながら食事をとり、まるで映画のカメラも無視してるみたいな白々しさ、朝のボンヤリした雰囲気。 ノストロモ号はどこもかしこも古びた感じでオバケ屋敷っぽい。蛍光灯が頼りなくパチパチッて灯ったり。しかし「マザー」の中だけはきらびやかで、神秘的というか、怪しい宗教を思わせるような。で、やはりといった感じで、「マザー」のご神託は乗組員に危機をもたらすことになります。 この映画、子どもの頃は「映画全編にわたり、エイリアンが宇宙船の中で殺戮を繰り返す」という印象を持っていましたが、実際には、ショッキングなチェストバスターのシーンまでで、すでに映画のほぼ半分が経過してます。前半、次から次に変なモノばかり見せられるから時間の経過が早く感じられたんですね。未知の生物のグロテスクさ、その一方で体液がメチャクチャ強い酸、だなんて、急に理系チックなところを見せたりして。勿論、この生物を簡単には倒せない、という秀逸な設定でもあるけれど、床を溶かして見せるだけならともかく、下の階までブチ抜いて溶けていくところを見せつけるのが、念が入っててこれまたイヤらしい。 後半は、まさにオバケ屋敷同然のノストロモ号の中で、オバケそのもののエイリアンが襲い掛かってくる展開。映画も残り半分ですから(ラストに少しお時間を頂くので、まあ、半分弱ですね)、実にスピーディに展開していきます。エイリアン以外に、ロボットのオバケも出てきますから、なかなか忙しい。ノストロモ号内部、ただでも迷宮のような廃工場のような不気味さなのに、さらに船内は実にヤな感じのノイズ音にあふれていて神経を逆なでし、そこに登場人物の緊迫した息遣いの音なども加わって、聴覚からも不気味さを訴えかけてきます。ああ、ヤだね。コワい映画たるもの、こうでなくては。 ラストの思わぬオマケの展開も秀逸。超自然的なオバケ映画だった作品を、気持ち悪さマックスまでいったん高めた後、合理性でスパッと終わらせる。これ、何となく気持ちいいのです。ただ、ここでなぜかハワード・ハンソンの交響曲第2番が流れてくる(全3楽章のいずれにも登場するメロディですが、第一楽章終盤かな?)。ちょっと和やか過ぎる音楽で、張り合いが無い気もするのですが。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2016-10-31 14:33:35)
1302.  宇宙からの脱出 《ネタバレ》 
アカデミー視覚効果賞、とは言え、昨今の急速なCG技術の発達で、いささか古めかしい印象は否めないでしょう。本物のホンモノ感と、偽物のニセモノ感が、どうしても乖離してしまいます(笑)。昔の映画をそんな風にイジメないでおくれ、というご意見には賛成です。でも、前年のオスカーが『2001年宇宙の旅』ですからねえ。アレを超えてくれると、気持ちよかったんですが。 オハナシはというと、宇宙滞在を終えようとしている3人の宇宙飛行士が、宇宙船の故障により地球に帰れなくなってしまう。彼らを地球に帰す方法はあるのか?という訳ですが、はい、ほとんどやることが無いんですね。だもんで、地味~な展開。ウソでもいいから何か万策を尽くした感じを出して欲しいところですが。ただ、狭い船内でただ待つしかない宇宙飛行士たちの焦りとか、地上で指揮をとりながら時に非情なる決断を下すグレゴリー・ペックのシブい顔とかが、かろうじて見どころになってきます。パトカーに追われてみたりする微妙な盛り上げ方も一応、してくれますけれども。 この不自由な救出劇という制約が、これぞという見せ場をなかなか提供できないつらさ。地上の妻との通信による会話シーンで涙が目ににじむけど、決してそれを頬に流して見せることができないつらさ。無重力という設定だもんね。 しかし、いったんは諦めた救出作戦が、ちょっとトンチのきいた展開により再開されるあたりから、相変わらず地味ではあるものの、見せ場がやってきます。酸素欠乏による時間との闘い、えらく唐突なソ連宇宙船の登場。互いに言葉が通じない救出劇の中で、米ソそれぞれから救出にやってきた宇宙飛行士が目を合わせる瞬間、えらく感動してしまうのでした。 この瞬間のために地味さを貫いてきたんだな~と思いつつ、でもちょっと、制約の多い映画でありました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-31 13:21:42)
1303.  ラッシュ/プライドと友情
静と動、硬と軟、まるで正反対の二人のレーサーが、しのぎを削り合う。物語の構成は一見、エピソードの寄せ集めみたいでありながら、そういう雑多な印象は無く、我々を捉えて離さないのはやはり、二人のライバル関係からくる緊張感が映画を貫いているからでしょう。二人は正反対のようでいて、無鉄砲で破天荒なハントもレース前には緊張から嘔吐を繰り返すし、一方のラウダについても、自分の運転に、同乗する女性やファンが喜んでくれると満更でもない顔をする。二人とも、自分の生き様に自信を持っていながらなお、相手の生き様に対する共感を心のどこかに持っている、そういうライバル関係であるように感じられます。 迫真のレースシーンは、実際のレースと見紛うばかりだし、主演の二人も役になりきっていて、モデルになった実際の二人の写真らしきものが登場しても、違和感がありません、いや、違和感無さすぎ。 と、実話に多くを取材しつつも、最後まで二人のライバル関係を、馴れ合い抜きで描き切ったこと、この映画の勝利と言えるでしょう。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2016-10-29 10:33:59)
1304.  じゃりン子チエ
見事なマンガを、見事にアニメーション化。何度見ても最高です。笑えます、感動します。 とにかくキャラクターが活き活きしている点、アニメに限定せずともこれを超えるものはなかなかないんじゃないですかね。キャラの設定が秀逸なら、細かい動き、表情や仕草の描き方も見事。複数のキャラクターのセリフと表情の変化が同時並行的に描かれるうまさ、いや、単にうまいんじゃなくって、そこにひとヒネリもふたヒネリも加えてきて、絶妙の可笑しさを醸し出します。 声優陣は映画版とテレビ版で一部(いや大半か)違っていて、芸人さんが大量動員されてます。テレビ版の方がしっくりくる半面、この映画版での芸人さんの起用の仕方が、すべて「なるほど」と思わせる配役で、これもちょっとした楽しさ。いやホント、このメンツでそのまんま舞台化できたんじゃないかと思わせるくらい。 『ゴジラの息子』が実写のまま挿入されるシーンなど、テレビ版との違いは声優以外にもありますが、背景画も映画版の方が凝っているようですね。チエちゃんのホルモン屋に、バクチ屋時代の「お好み焼き屋のオッチャン」が子分を連れてやってくる直前の場面で、テツの噂話をする客の一言にチエちゃんがズッコケると、そこで映し出されるカウンター下の背景画、テレビ版では特にこれと言ったものは描かれていなかったように思うのですが、映画版では遠近感をもった深みのある背景になっていて、こういう部分にもしっかり手をかけているんだな、と。 母と会う場面、天王寺の風景は今では変わった部分もありますが、やはりこれはまぎれもなく天王寺公園。 もう一度言いますが、最高です。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2016-10-28 15:20:37)(良:1票)
1305.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 
前作でナチスをコテンパンにやっつけたけど、オレは別に何のこだわりもないんだぜ、ってことなのか、この作品ではドイツ人のナイスなオヤジが登場。マカロニウェスタンがベースかと思わせて、実は何でもアリアリ。 主人公のジャンゴは黒人で、物語の背景には奴隷制度というものがあるけれど、別に人種差別を批判しようってな意気込みがあるようにも思われなくって(ホントはあるのかも知れんが)。単に「ヒーローは虐待を受けねばならぬ」「敵は理不尽でなければならぬ」「最終的に敵は徹底的に殲滅されなければならぬ」「だってその方が面白いもん」というサドマゾ的お楽しみのためには、うってつけの題材が奴隷制度だった、ってな感じですね。 後半は(終盤を除き)会話が中心になりますが、そんなにスピーディーなものではなく、ディカプリオがネチッこい。で、たまりかねたのかクリストフ・ヴァルツ演じるシュルツがこれを射殺し、「すまん、ガマンできんかった」などとアッサリのたまうのが絶妙。前半において、あくまで自分は法に基づいた処刑を行っていることを強調していたこととの対比。あるいは、ジャンゴが3兄弟に「つい」手をかけてしまったこととの連関。 おそらくは「派手な死」ほどオイシイ本作の中で(だって、ねえ、カントク)、せっかく頑張っていた(頑張り過ぎていた)ディカプリオにも、もう少し盛大な死をプレゼントしてあげて欲しかった気もしつつ。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-10-28 14:31:44)
1306.  ローマの休日 《ネタバレ》 
オードリー・ヘップバーンがキラキラ輝いている。もちろん、主演女優を美しく撮ろうとしていて、実際に美しく撮られているんですけれども、それ以上に、あの無垢な感じが、まるで、好奇心いっぱいの子供のような輝きをもたらしていて。彼女が逃げ出す道程での、彼女視線のカメラが、いかにも、観るものすべてが目新しい、といった彼女の好奇心をよく表しています。 だからこの作品、ラブロマンスという枠にはまらず、何だか大人の目線で子どもを見守っているような作品のようにも感じられてきます。お小遣い握りしめて街に出る、楽しそうなその姿。初めての場所に連れて行ってもらって夢中になる姿。 だからといって、グレゴリー・ペック演じる記者は、良き彼氏とも良き父親ともいう訳ではなく、腹に一物。あのシブい眉毛の端がクッと上がると、ホレいかにも打算が絡んでそうな表情に。 記者の彼にとって、家出王女との出会いはまたとない僥倖、まさに楽勝の展開で、周囲の人間とも色々とよからぬ約束事をしてしまう。ただ唯一の誤算は、王女に惚れてしまったこと。勿論、成就する訳のない恋愛。いや、どうせファンタジーなんだから、別に無理やり成就するオハナシにしたっていいんですけどね、でもそうはならない、彼には何も残らない。 それは王女とて同じこと、そっと身を引く美しさ。そんな中でもかすかな接点を互いに感じあう、ラストの謁見の場面がお見事です。と同時に、たいがいヒドイ目にしかあってないヒゲの友人アーヴィングの存在が、何ともいい味を出しているのでした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-10-28 12:30:00)(良:1票)
1307.  クレイジーズ(2010)
ロメロの元映画の方を観てみたいのですが、レンタルビデオ屋さんに置いてないので、代わりに、っちゃあ何ですが、リメイクの方を観させていただきました。代替品扱いでゴメンなさい。いや、面白かったです。まずそもそも、適当にカメラを揺らして臨場感出しとこう、みたいな安直な事をしてないのがうれしいところ。見せ方へのこだわり、という映画が本来持っているべきものを、ちゃんと感じさせてくれます。 ある小さな田舎町を突然襲う異変。人々の挙動がおかしくなり、他者を襲い始める。いくら映画だからって、ただ病気に感染してしまっただけの気の毒な人たちを、ゾンビ扱いしていいのか~っっってのは、もともと、ロメロのゾンビ映画が持っていた毒、というか、後ろめたさ。「人間そっくり」だけど人間ではないと「信じられる」何か(=ゾンビ)を虐殺する、虐殺してもよいと考える、その後ろめたさ。この作品でも、人が人を襲う、というその構図において、もはや、襲う側、殲滅される側が、もはや感染者かどうかは問われなくなっていく。身近に迫る感染者の襲撃の恐怖、その一方で、遠目に目撃される、非感染者を含めた虐殺の恐怖。 感染者を「クレイジーズ」などと呼んだりしているけれど、このラストシーンの後では、一体、真の「クレイジーズ」は誰のことなのか、と言いたくなる訳で、しっかりと皮肉も込められたホラー作品でした。
[DVD(字幕)] 8点(2016-10-27 13:28:39)(良:1票)
1308.  赤垣源蔵
忠臣蔵モノの一本。主君の仇討ちに立ち上がることもなく、長屋で呑んだくれている赤垣源蔵、その彼を取り巻く人々が描かれます。 討ち入りの場面も終盤に少しだけ描かれますが、作中の大半、主人公はグータラ状態。その代わりと言っては何ですが、映画中盤に、仲間の浪士を助けて源蔵が立ち上がり、海岸を舞台に目の覚めるようなチャンバラを繰り広げる場面があります。 無論、ただ呑んだくれている訳ではなく、討ち入りの日まで身を潜めるためのものですが、そんな事を理解してくれるのは忠臣蔵ファンくらいのもんで、周りの人間にとってはあずかり知らぬこと。自分を慕ってくれる女性はヨソへ嫁いでしまい、兄家族にも疎んじられる。しかし源蔵は言いたい事もグッとこらえ、ただ耐える。耐えてナンボの忠臣蔵、だから耐えねばならぬ。 討ち入り前夜、一目逢っておきたかった兄を訪れるも不在、という「徳利の別れ」のエピソードが本作の中軸となりますが、弟に逢いそびれた兄の、弟への想いが切々と語られる場面が、見せ場になっていて、愁嘆場を演じることなく、あくまで節度ある演技と演出でこれだけの情感を出している。口うるさい忠臣蔵ファンでもご満足いただけますことでしょう。ラストシーンは、『モロッコ』の影響を受けているような、いないような。 それにしてもこういうお話に触れていると、要するに人間、自分が他人に理解されないことを嘆いているようでは、ダメなのね。だって、そんな「他人からの理解」など元々、あり得ないのだから。「理解」ではなく、「情」が、自分と他者との接点、なんですね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-10-27 12:48:09)
1309.  マダムと泥棒
5人組の強盗一味が、超マイペースお婆ちゃんに翻弄される、というコメディで、後半はかなりブラックな展開になりますが、そもそもこのお婆ちゃんのマイペースぶりが、5人にとって結構、残酷だったりする。冒頭、お婆ちゃんが通りすがりの乳母車の赤ちゃんをあやそうとすると、乳母車が激しく揺れて赤ちゃんが大泣きする、というナンセンスなギャグが、後半の毒を予告してたりもします。お婆ちゃんの家が奇妙に歪んでいるのも、バカバカしくも何だか妖怪屋敷のようでもあり。アレック・ギネスもここでは不気味な相貌で登場してますが、このお婆ちゃんには勝てません。 お婆ちゃんが増殖しちゃったりした日にゃあ、もう・・・。 悪党一味、「教授」(!)とか「少佐」とか、もっともらしく呼び合ってるけど、お婆ちゃんチのオウムが「将軍」だから、もともと勝てる訳が無いんです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-25 17:28:24)(良:1票)
1310.  アイアン・ホース
アメリカ大陸横断鉄道の敷設という壮大な事業が、本作のベースになっています。しかし日本だって、狭い国土ながら、よくもまあこれだけの鉄道網を完成させたことよ、と思いますけれど。 この鉄道建設に情熱を抱く主人公、その情熱は亡き父の遺志を継ぐものであるけれど、父の命を奪った「2本指の男」の行方は杳として知れない。という訳で、大自然の厳しさや、先住民の襲撃といった危機にさらされつつも雄々しく進められる鉄道建設の姿に、「2本指の男」への主人公の復讐譚、あるいは主人公と幼馴染の女性との恋愛などが絡められて、見応え満点。脇を支える3人のポンコツオヤジたちの存在も忘れられません。 アメリカ開拓史の実際を映画に取り入れようとして、やや解説調なところもありますが、ラストでは当時の機関車実物を登場させてみたり(ジュピター号と116号、だそうです、すみません不勉強なもんでどのくらい貴重なのかワカリマセンが、きっと貴重なんでしょうフムフム)して、ちょっとワクワクしてしまいます。また、盛り沢山の内容を2時間ほどにまとめ切っているのも、字幕による最低限のセリフしか使わないサイレント映画ならでは、といったところでしょうか。馬に乗った先住民が列車に襲い来るその姿を、列車の壁面に映る影として描く、なんていう演出でも、これ見よがしにやることなく、サラリと流して見せる。 畳みかけるようなクライマックスに、これぞ大団円といいたくなるラスト。お見事です。
[DVD(字幕)] 9点(2016-10-25 13:59:30)
1311.  テルマエ・ロマエ
もう、バカバカしくって楽しくって。風呂ネタ(一部トイレネタ)でここまで楽しませてくれるなんて、いやはや、想像を絶する世界ですよこれは。 古代ローマの設計技師ルシウスが、なぜか現代の日本にタイムスリップしてきて、騒動を巻き起こす前半。すべて一人合点で勘違いしまくってるのだけど、日本の爺さんたちも負けじと勘違いしまくってる楽しさ。究極のすれ違いの果てに、「おフロ最高!」というキーワードを接点にした奇妙な意気投合が垣間見える、アホらしさ。 ときどき現れる謎のオペラ歌手(歌ってるのはアイーダの第3幕終盤ですかね)。ははは、もうこれ以上、笑わせないでください。 そんでもって、中盤からは、上戸彩が「ラテン語を勉強してきた」とか言っていきなりペラペラと阿部寛演じるルシウスと話しだす。そんなアホな、と思うけど、しかし実際、ここで物語がギアチェンジしたような印象があり、グッと我々を引き込んでくれます。 で、ドラマチックな盛り上がりを見せたのち、最後は、前半で互いに勘違いしまくりだったルシウスと日本の爺さんたちとの、お風呂好きパワーが見事に融合するという大団円。 一体、何ちゅう作品なんでしょね。
[DVD(邦画)] 9点(2016-10-25 12:59:38)(良:1票)
1312.  ディパーテッド
インファナル・アフェアをアメリカに持っていったら、アンディ・ラウの役は、マット・デイモンの優等生顔になっちゃうのね。え、これが優等生顔なの?と改めて言われると困っちゃうけど、どうもこのヒトはそういうイメージがある。アンディ・ラウとマット・デイモン、サルっぽい感じだけが共通か(失礼)。 トニー・レオンのビンボー臭い顔(またまた失礼)の代わりに、こちらはディカプリオ。レオ様なんて呼ばれてたけど実はオレ、結構目つきが悪いんだぜ、とばかりに、凄みのあるところを見せて、これはなかなかのハマリ役ではないかと。実際、この二人のうち、ディカプリオの方に映画の力点が置かれているように感じられます。 ジャック・ニコルソンは、万年シャイニング。万年ジョーカー。もう、どうぞ、お好きにしてください。ただ、本心を掴みかねるキャラクター、という意味では、一応、役柄を全うしてはおりますが。 マーチン・シーンとマーク・ウォルバーグのコンビが、なかなかナイスでした。有能なのか無能なのか、お互いに性格が合うのか正反対なのか、どう受け止めていいのかわからないけど、何せ物語のカナメになる存在だから、ディカプリオも我々もこの迷コンビを受け入れざるを得ない、という、絶妙の役どころ。 もともと、オモロくて盛り上がる映画をリメイクしている、というアドバンテージもあるでしょうけど、概して、なかなかうまく作られたリメイク作ではないかと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-25 12:25:28)
1313.  スペシャリスト(1994)
主人公はかつて、麻薬王を爆殺する任務の中、無関係の子供まで巻き込んでしまい、心に傷を負っているらしい。だったらどーしてそんな主人公をよりによってスタローンが演じているのか。似合わないにも程がある。 いやいや心配ご無用、この冒頭の場面、本人は気に病んでいるかどうか知らぬけど、我々が見る限り、悪いのはどう見てもジェームズ・ウッズただ一人、こいつが殆ど変質者と言いたくなる極悪人。スタローンは悪くありません、ヒーローですから、という安心感。 そんな安心感、この物語の中で、邪魔なだけだと思うのですがねえ。 さらにスタローン、空気が読めないのか、これも俳優の仕事だから仕方ないのか、役柄にまるでそぐわぬ筋肉パフォーマンスをわざわざ披露してくれる。どうもありがとう、できれば遠慮したいところだけど。 ジェームズ・ウッズはノリノリで悪いヤツを、時に図太そうに、時に神経質そうに、要するに何とも楽しそうに、演じている。やや暴走気味。 シャロン・ストーンも、もう少し神秘性を出してくれればいいんですけどね。むしろ何となく、哀しき「下り坂」感が感じられて。 でもスタローンと頑張って絡んで見せ、肉体派系「失楽園」といったところでしょうか。 チグハグで奇妙で、あまり楽しめない娯楽作品でした。
[CS・衛星(吹替)] 3点(2016-10-24 15:42:00)
1314.  ボビー・フィッシャーを探して
ボビー・フィッシャーを探してもそりゃおらんワケだ、まさか日本に行ってたなんて、ね。 ってのはさておき、チェスという頭脳戦を、映画にどう描くのか。どうしても、こんな風に、むやみに速い駒の動きと駒の音、って事になってしまうのでしょうか。こういうの見てると、どうしてもそんなにアタマ使ってないように見えちゃうんですけどね。 子供を主人公にして、その子供にあまり目立った演技をさせない、これは、成功しているように思えます。 できれば、その目立たない表情の中に、チェス盤に向かう視線をもっとしっかりと(その力を信じて)描いてくれれば、あんなチャカチャカしたチェスの動きでは描ききれない、そのゲームの持つ深み(って言っても私はサッパリ馴染みがないので、どのくらい深いのか想像もつかないけど)を、我々にもっと感じさせてくれたのでは、という気もします。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-24 15:04:58)
1315.  トゥルー・グリット
作品の最初の方で、「この娘はしたたかなんです」というのをやたらと強調するように、そういう描写を繰り返すので、ちょっと心配になったのですが、その後はちゃんと、それっぽい雰囲気に仕上げてくれました。 ラビーフ役がマット・デイモンだなんてまるで気づかず、いや、いまだに騙された気分。でも成程、劇中の存在感が高い役柄でした。 多分、『勇気ある追跡』ほどギクシャクしてなくって、こちらの方がキレイに作られた映画だとは思います。が、あのギクシャクが魅力であって、その中心にジョン・ウェインがどっしり構えているのがこれまた魅力ではあったのですが。そして、ジェフ・ブリッジスがたまにジョン・ウェインを思い起こさせた瞬間に魅力を感じてしまうのも事実なのですが。 本作、ちょっとキレイ過ぎたのかも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-24 14:55:25)
1316.  郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)
原作の魅力を支えているのは、粗暴・粗野・素朴で、教養があるとは言えない主人公の一人称の語り(巧みな文章というよりも、ストレートで、であるが故にハードボイルドな語り)にあるのでしょうが、本作、どういう魅力をここで表現しようとしているのやら。多少のアレンジがなされているとは言え、一通りストーリーをなぞってみただけ、という印象。ついでにタイトルにも強引に意味を持たせてみて、その努力、涙ぐましくはあるけれど。 暴力性も感じさせず、虚無感も乏しく、総じて、張り合いのないくらいにおとなしい映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-24 14:37:31)
1317.  国士無双(1932)
もともと84分ほどの作品、とされるうちの、一部しか映像が残っていないもんで、冒頭の「だいたいこれで登場人物出揃ったのかな」という、いよいよこれから、ってタイミングで終わってしまいます。ただ、この現存部だけでも、大いに笑わせてくれます。意外にシュールなギャグが楽しめます。 剣豪・伊勢伊勢守がこの近くにいるとの噂を聞いた二人の浪人が、その辺の田舎者をニセ伊勢伊勢守としてデッチ上げ、従者と名乗ってオイシイ思いをしようと企む。白羽の矢が立てられた通りすがりのボーっとした男、これが千恵蔵。若い! 痩せてる! で、その千恵蔵が、たまたまある娘さんを助けるのだけど、その父親が当の伊勢伊勢守本人。娘の恩人である千恵蔵が、今度は不届きなニセモノということになり、本物と偽物が対決することに。なぜか千恵蔵、ボーっとしてる割には滅法強くって、本物を打ち負かしてしまう。ショックを受けた本物の方、仙人のもとで修業することになるが、この仙人というのがさらにポンコツで。 ってな所で、終わっちゃう。オハナシだけ聞いたら何とも他愛ないですが、バカバカしい笑いに彩られており、続きが見たくなること請け合い。こんなナンセンスギャグが、こんなに昔にも、あったんですねえ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-10-24 14:15:59)
1318.  冷たい熱帯魚
劇中しきりに日時が提示されるのが、「実話を元にしてます」というドキュメンタリっぽさを出そうとしたのかと最初は思われたのだけど、どうやらそうではなくって(いやもしかしたらそれもあるのかも知れないけれど)、むしろ、(プラネタリウムのシーンとの対比として)この地球なり宇宙なりの歴史に比べりゃ、この凄惨な事件も、一瞬の出来事に過ぎないし、でんでん演じる大言壮語(有言実行?)の規格外オヤジもちっぽけな存在に過ぎない、ましてや究極の小市民のようなこの主人公なんて・・・ということを表しているように思えてきました。まあ、人間、行き詰った時には、ふと宇宙の大きさを考えたりするもんですし。 かつて、愛犬家ばかり(でも無いだろうけど)が次々に失踪する奇怪な事件が、さらに奇怪な事には連続して発生し、大きな騒ぎとなったものでした。本作は埼玉の事件の方を元にしたらしい。 当時、逮捕前の被疑者がマスコミに登場していたこともあり、犯人・村田の役は難しいものがあっただろう、と思います。ひたすら異常一辺倒ならともかく、時には磊落に、また必要があれば卑屈にもなって見せる、というさまざまな表情の持ち主。実際、熱演だと思います。ただ、「熱演」だけでは、ちょっと足りない部分もあるように思えて。村田が主人公の前で突然本性をむき出しにする場面など、いくつかのターニングポイントがあったはず、そしてそれを「熱演」によって演じ分けようとしたはず、だけど、映画の雰囲気まではうまく切り替わらない。刺激的な場面がいくら挿入されても、いまいちピリッとした刺激にならない(浴室の中での死体の解体シーンそのものよりも、外にいる主人公に浴室内から声を掛けられる事の恐怖を描いた点、これは印象的でしたが)。で、作品の流れがやや平板に感じられてしまう。そんな中で「オッ」と思ったシーンは、ラスト近くで、陽光を背に浴室に立つ黒沢あすかの姿、これはさすがに映画の印象を一変させるものでしたが・・・このシーンから先の展開、もう、ムチャクチャだしなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2016-10-24 13:36:22)
1319.  三人の騎士
オムニバス作品、というか、個々のエピソードにストーリーが無くなっていって、もはやドナルドダックが悪いクスリやってトリップしてしまったような作品です。と思って観れば(そんな事思う必要ないですが)、賑やかに歌って踊ってドタバタして、楽しい作品。手描きした線路を汽車が走ったりする、アニメーションならではのハチャメチャな世界をスピーディに見せたり、はたまた一方では、実写とアニメとが絡み合い、のんきにじゃれ合って見せたり。 さすがにコレは脈絡なさすぎでしょう、と思わんではないけれど、楽しけりゃ脈絡なんて無くってもいいじゃないの。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2016-10-23 08:24:07)
1320.  機動戦士ガンダムII 哀・戦士編
「哀・戦士編」というタイトルが、内容によくマッチしていて確かに上手いんですが、上手すぎるのも考えもの。何だか「この第2作のテーマは『別れ』です」ってわざわざ念押ししてるみたいで、実際、ここでは「名前をもった登場人物」の何人もの死が描かれます(第3作もだってそうやんか、と言われれば、そうですが)。しかしそこにもうちょっと意外性があってもいいのにな、と。 それも含め、テレビシリーズのダイジェストであることが、一番悪く出たのがこの第2作じゃないでしょうか。かなり雑多な印象で、多少は目をつぶるとしても、中盤でいったん映画が完全に終わっちゃったよ、というニコイチ感が。 であれ何であれ、第2作を見ておかなくては、第3作も楽しめません。だから必ず見ておかなければいけません。 【それにしても、3部作続けて見たのも随分久しぶりなんですが、主人公であるはずのアムロの出番って、途中からこんなに少なくなってたのか、というのがオドロキでした。今まで見ててそんなこと、一度も気にならなかったんですけどね。それだけ各登場人物に感情移入して見てたということなのかも】
[DVD(邦画)] 6点(2016-10-20 13:42:04)
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