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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1301.  サラの鍵 《ネタバレ》 
1942年、ナチス占領下のフランス、パリ。ヒットラーによるユダヤ人狩りが猛威を奮い始めていた。家族と共に、これから幸せな人生を送ると信じて疑わない無垢な少女サラもそんな歴史の荒波へと巻き込まれてしまう。突然、家へと押し入ってきたフランス警察によって連行されそうになったサラは、機転を利かせて幼い弟を納戸に隠すのだが、奇しくもそれが悲劇へと繋がってしまうのだった――。そんなサラの哀しい人生と現代を生きる女性ジャーナリストの姿を交互に描いた哀切なヒューマンドラマでした。とにかくサラを演じた子役の演技が素晴らしく、理不尽な現実に翻弄されながらも弟のために必死にパリへと戻ろうとする彼女のひたむきな姿に涙せずにはいられません。極限状況に追い込まれ全く頼りにならない周りの大人たちを尻目に、サラは共に逃げ出した少女の助けもあってなんとかパリの元自分の部屋へと辿り着きます。だが、大事に守り続けてきた鍵を使って開いたドアの向こうには…。惜しむらくは、ここでこの作品がピークを迎えてしまったこと。そこから物語の焦点がぼやけてしまったのか、散漫な展開となってしまった面は否めない。後半、もっと罪悪感から鬱とアルコール依存で苦しむサラの姿をちゃんと描くべきだったと思う。それでもそれを補って余りある、茫漠とした歴史の闇に消えざるをえなかったサラの哀しい人生には深く胸打たれました。あの時代、暗黒のヨーロッパ大陸で、こんな子供たちが果たして何人いたのだろう。観終わったあと、ナチスがいかに人間として許されないことをしたかをあらためて思い起こさせてくれる秀作であったと思います。これから新たな時代を生きていく、彼女と同じ名前をつけられた幼い少女サラには、決してこんな哀しい人生を歩ませてはいけない。
[DVD(字幕)] 8点(2015-02-14 10:03:43)
1302.  セッションズ 《ネタバレ》 
僕が裸になるとき、たとえば着替えや入浴の介助を受けるとき、周りの人はいつも服を着ていた。それがいま、裸の君と一緒にベッドにいるのが僕は本当に不思議なんだ――。マーク・オブライエン、38歳、子供のころに患ったポリオが原因で全身に麻痺という障害が残ったものの、電動ストレッチャーで大学に通い、今では詩人兼ジャーナリストとして立派に生計を立てている。とはいえ、彼は一日の大半をベッドの上で過ごし、ヘルパーの介助なしでは外出することも出来ず、一人では食べることはおろか排泄の処理をすることも出来ない、そしてもちろん「童貞」。そんな彼がヘルパーの若い女の子に失恋したことをきっかけに、とある決心をするのだった。それは「死ぬまでに、人間として一度でいいから誰かとセックスしたい!」。障害者仲間のつてを伝って、セックス・セラピストをしている人妻シェリルとコンタクトを取るマーク。彼女との計6回のセッションを通じて、彼は初めて人間としての喜びを全身で味わうのだった…。重度の障害を抱える実在の詩人が著した体験記を基に、障害者と性という極めて重いテーマを終始ほのぼのとした軽妙なタッチで描いたヒューマン・ドラマ。こういう主題を扱うのって、結局「障害者だって一人の人間なんだ」という誰も反論しづらい説教じみたお話になるか変に露悪的になりがちで極めてリスクの高い選択だと思うのだけど、本作ではそんなリスクを監督の絶妙のユーモア感覚で飄々と取り払い、素直に笑って泣けて主人公マークの「童貞卒業」を心から応援したくなる人間ドラマの佳品へと仕上がっておりました。「神も君なら許してくれるだろう」と仕方なく応援してくれる神父さんや、無表情に淡々と手助けしてくれる中国人の女性ヘルパー、そして何より深い愛情でもってマークとセックスしようとするセラピスト…、そんな個性豊かな魅力に満ちた登場人物たちも物語を優しく彩っています。そして本作が何より優れているのは、〝障害者と性〟という問題から出発しながら、次第に〝性欲と恋愛〟という人間本来の普遍的なテーマへと見事に昇華させたところでしょう。セックスから始まる恋愛、恋愛の過程で交わるセックス、いずれにせよ互いの身体を必要とし合うことで自分の価値を確認したいと願う男と女…。軽妙でありながら、人間のコミュニケーションのあり様を優しい目線でもって見つめた良品。お薦め。
[DVD(字幕)] 7点(2015-02-11 18:54:28)(良:2票)
1303.  めぐりあう時間たち 《ネタバレ》 
1923年、英国、精神の病を患う人妻ヴァージニア・ウルフは閉塞感漂う田舎で「ダロウェイ夫人」という小説を執筆していた。1951年、ロサンゼルス、郊外の一軒家で一見幸せそうな生活を送る一児の母ローラは何もかも捨てて逃れてしまいたいという抑えきれない欲求に苦しんでいた。2001年、ニューヨーク、長年出版社で編集の仕事をしているクラリッサはエイズを患う初老の作家であり自らの私生活でも因縁浅からぬ関係があるリチャードの文学賞受賞記念のパーティーを開こうと奮闘していた。そんな時間も空間も超えた全く関連性のなさそうな3人の女たちの、人生の転機となったとある苦悩の一日を重層的に描く文芸作品。かつて文学青年だった時代に、世界の有名な文学はだいたい読んだつもりになってましたが、この「ダロウェイ夫人」はその名前はもちろん知っていたのだけど恥ずかしながら未読のままでした。確かに、そんな原作を読んだことのない僕のような人間でも、この綿密に考え抜かれた編集や、実力派の役者陣が織り成す熱演、全編に漂う上品で静謐な雰囲気とで、ちゃんとこの暗鬱な世界へと惹き込む監督のセンスはなかなか秀逸だと思います。ただ、この女を家庭という牢獄へと縛り付ける男社会の論理に必死に抗おうとする三者三様の女たちという、この全編を覆ういかにもなフェミニズム臭には若干辟易させられましたけどね。20世紀初頭のウルフは入水自殺し、近代を生きるローラはなんとか死なずに逃げ出し、そして現代を生きるクラリッサは逆に男を自殺に追い込む…。この、時代の変遷と共に強くなる女たちという、フェミニズムの戦いとそれがもたらした功罪を充分勉強させてもらいました。だからといって、映画として良かったかというと、まあ6点かなってのが正直な感想ですけどね。取り敢えず、こういう映画を観るとやっぱり結婚は人生の墓場だって思い知らされるんだよね~。うーん、やっぱ、いつの時代も女って面倒臭い(笑)。ただ、結婚しない人生はもっと墓場だったかもって、最近思い知らされることが多くなった独身生活38年目の僕なのでありました(泣)。
[DVD(字幕)] 6点(2015-02-02 18:07:16)(良:1票)
1304.  ダークスカイズ 《ネタバレ》 
育ち盛りの二人の子供とまだまだ残る住宅ローンを抱えながら、失業してしまったダニエル。不動産の営業をしている妻の稼ぎで何とか生活している彼とその家族たちに、追い討ちをかけるように不気味な出来事が起こり始める。壁に描かれた謎の模様、夜中にキッチンへと幾何学的に並べられた食品、一斉に無くなってしまう家族写真、さらには愛する二人の息子たちにまで黒い影が忍び寄る…。人智を越えた存在によって、どんどんと追い詰められていくそんな平凡な家族の恐怖を描いた、とっっってもシンプルでベタベタなホラー作品でした。いやー、つまんなかったっすね~、これ。何処かでさんざん見尽くしてきたような既視感満載の怖がらせ映像(たいして怖くないけど)が、まるで切り貼りしたような繋がりの悪い編集で描かれておりました。お口をあんぐり開けた主人公が、突然鼻血をぼとぼと垂れ流すってシーンには思わず失笑です。それに無駄なエピソードも多すぎます!失業中の主人公がようやく採用されたとか、思春期を迎えた長男の淡い初恋とかのエピソードも、最後まで何の意味があったのかいまいちよく分かんなかったし。そして、最後にとうとう姿を現す宇宙人の造形もびっくりするぐらいチープな代物で唖然としちゃいました。どうでもいいけど、女の子とチューして軽く胸を揉んだだけで、思いっ切り童貞のまま宇宙人に連れ去られちゃった長男くんはかなり可哀相だね。最後、通信機から聞こえてくる彼のメッセージは「最後までヤっとけばよかった…」だったりして(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2015-01-23 13:00:04)
1305.  コンプライアンス 服従の心理 《ネタバレ》 
「こちらは警察官のダニエルだ。いいか、お宅の若い女性従業員のことで話がある。実は彼女は客の金を盗んだらしい。私がそちらに着くまで、店長の君には協力してもらう。逆らうことは許されない。まずは彼女の服を全て脱がして身体検査するんだ、そう、念入りにな…」。アメリカのとあるハンバーガーショップに掛かってきたそんな一本の電話によって、ある一人の少女が全裸にされ、あまつさえ幾多の男たちによって嬲りものにされたという、実際にあったセクハラ事件。これは、そんな胸糞悪くなるような信じがたい事実を忠実に再現してみせた作品である――。なんだけど、とにかく出てくる登場人物の誰も彼も――被害女性をも含む――が、あまりにも頭悪すぎて最後まで本当にイライラさせられる最低の映画でしたね、これ。ちょっと頭を巡らせて考えればすぐにおかしいと気付きそうなものなのに、どいつもこいつも犯人の言葉を簡単に信じちゃって結局こんな愚かしい事件へと発展してしまった。確かにそれはそれで悲劇ではあると思うのだけど、それをわざわざ映画として再現してみせ、さらには人々からお金を取って不特定多数のお客さんにあらためて見せる必要性ってなんですか?実際に被害に遭った少女にとっても何の得にもならないし、事件があまりにも特殊すぎて自分もこうならないために気を付けようという啓発の意味にもならないし、お馬鹿な人間を笑い飛ばそうというブラックジョークが利いているわけでもないし、ましてや胸を打つ人間ドラマがそこにあるわけでもないし…。誤解を怖れずに言えば、これって男性週刊誌の三文記事のなかの「世界の驚くべき実話」みたいなコーナーで取り上げられているのを読んで「なんてケシカラン事件なんだ!」と息巻きながら、それでもちょっぴり羨ましいと股間をもっこりさせている醜い中年男性の下品な需要に応えた下劣極まりない三流ポルノ映画だと僕は思います。こんな露悪趣味にまみれたくだらない映画を撮って、これで社会問題を告発したと得意になっているだろうこの監督の品性の卑しさに、僕ははっきり言って反吐が出そうです。うん、あらためて言わせてもらおう、これは〝はきちがえた正義感〟を隠れ蓑にして撮られた、極めて趣味の悪い「セカンドレイプ映画」だ、と。
[DVD(字幕)] 1点(2015-01-21 23:59:24)(良:1票)
1306.  バタリアン 《ネタバレ》 
軽ーいノリのゾンビ・コメディ映画。初めて観たのは確か小学生の頃だったかな~、この作品に横溢する適度なグロとエロに当時の僕はハートを鷲掴みにされました。工場に勤める頭がパーな二人の男がある〝毒ガス〟を些細なことで噴出させてしまったことで、墓場の死体がゾンビとなって甦り、街がどんどんとパニックに。その過程がなかなかしっかりしているし、個々のエピソードも凄く面白い(特に、ゾンビにならないために自ら火葬場へと入っちゃうあの超かわいそうなお爺ちゃん!)。そして、墓場で唐突に始まるビッチな不良ねーちゃんのエロいストリップシーンには大きな衝撃を受けました。「大人には、こんな凄い世界があるのか…。僕も早く大人になりたーい!!」と小学生だった僕は、股間をもぞもぞさせながら本気でそう思ったし(笑)。なのに最後は無情にもミサイルでドカーン!もう衝撃的なくらい面白くてビデオに撮って何度も何度も観返したなー。大人になって改めて観てみると、「あのころは純粋だったよな~」と、なんだかえもいわれぬ懐かしさが込み上げてきて、思わずホロリ。画面では、ゾンビが脳味噌喰ってるんですけどね(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2015-01-16 20:22:08)(良:2票)
1307.  (500)日のサマー 《ネタバレ》 
これは運命の女性と出逢うまで幸せになれないと思っていたトムと、彼が一目見て運命の人だと信じてしまった美しい女性サマーとの500日にわたるボーイ・ミーツ・ガールな物語である――。何処にでもあるような平凡な男女の平凡な恋物語を時間軸を行ったり来たりする斬新な設定とセンス溢れる美しい映像と音楽とで見せる切ないラブストーリー。普段、こういう恋愛を真正面から取り上げた映画ってあんまり観ないのだけど、「キックアス」のヒットガール役で僕のロリコン魂に火を点けたクロエ・グレース・モレッツちゃんが出演、しかも最近はすっかり“女の子”から“女”へと成長してしまった彼女のまだ“女の子”だった時代の貴重な姿を是非ともこの目に収めておこうという超不謹慎な理由で鑑賞してみました。なんだけど、うーん、クロエちゃん、あんまり出てなかったぁ(泣)。と、冗談はさておき(?)、もっと女性向けの作品だと思っていたら、意外にもこれって男性目線な映画だったんですね。500日と言えば、ちょうど付き合い始めてからの天国気分から喧嘩や倦怠期やらで危機を迎えたものの、なんとか仲直りできたにもかかわらずやっぱり別れちゃって、でも彼女のことが忘れられなくて縒りを戻すために頑張ってみたり…という誰もが一通り経験するオーソドックスな恋愛のちょうどな期間。特に、300日を過ぎて彼女と別れちゃったトムのウジウジしたどうしようもない駄目な感じ、なかなか共感できました(笑)。男ってこんな時期あるよね~。僕も当時付き合っていた大好きだった彼女にフラれちゃって、それにその頃ちょうど仕事も上手くいかなくて、そのまま酒に溺れてどん底生活を送っていた時期があったので、観てるとその頃のことを思い出しちゃってなんだか無性に切なくなってしまいました。「海に魚はいっぱいいるわ。今は彼女しか居ないと思ってるんだろうけど、私はそうは思わない」トムの妹を演じるクロエちゃんのそんな優しい言葉に素直にジーンときちゃったっす(あー、またこれで僕のロリコン度が増してしまうだろーな笑)。と、またまた冗談はさておき(?)、辛い失恋を経験した全ての男たちに観てもらいたい佳品でありました。お薦めっす。
[DVD(字幕)] 8点(2015-01-12 12:43:08)
1308.  15歳、アルマの恋愛妄想 《ネタバレ》 
Hなことにとっても興味津々、思春期真っ只中の女の子、アルマ。一人になったらすぐにHな妄想ワールドへと突入し、色んなものを股間へと擦り付けハアハアしちゃう。そんな彼女が、友達のパーティーで前から気になっていた男の子に突然おち〇ちん(何故かでっかくなってる!笑)を突き付けられたからさあ大変。閉鎖的な小さな村の中で〝チンチンアルマ〟というあだ名を付けられるわ、みんなから無視されるわ、お母さんはヒスをおこしちゃうし、これからどうなっちゃうの、あたし?という思春期ラブコメだと思って鑑賞してみたら、まさかの普通の青春ドラマでした。恐らく、ハルストレムの初期作品のような世界をちょっぴりお下品に描いてみたかったという狙いは良いと思うのだけど、主人公アルマにあんまり魅力を感じず僕はいまいち乗り切れませんでした。うーん、こんな女の子居るかな~。これってもろ思春期童貞男子の発想じゃん。思春期女子はもっとうれしはずかし系の妄想に走ると思うんだけど。なんだか、きっと女の子だっておれたちと同じくエロいに違いないというドブロック「もしかしてだけど~」的男目線で描かれた、童貞男子のエロ妄想映画だと僕には思えました。それならそれでもっと無茶苦茶してくれても良かったと思うんだけど、最後まで中途半端に抒情的という、なんともどっちつかずな作品でありました。もしかしてだけど~、もしかしてだけど~、女もオナニーしまくってんじゃないの!そうゆうことだろ!←いや、違うし(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2015-01-12 06:57:00)
1309.  死霊のはらわた(2013) 《ネタバレ》 
若き日のサム・ライミがその迸るような才能を全て注ぎ込んで創り上げた、あのスプラッタホラーの新たな礎を築いたと言っても過言ではない伝説のカルトムービーを無謀にもリメイク!どうせ、こんなもんじゃろーという僕の予想を一切裏切らない、前作とは比べるべくもないフツ~~~のホラー映画でしたね(笑)。兄と妹の長年にわたる確執とか、その妹が麻薬中毒でそこから立ち直ろうとする人間ドラマとか、「死霊のはらわた」にそんなんいらんねん!とにかく、主人公たちが復活したゾンビによってぐちょぐちょドロドロに(精神的にも肉体的にも)されるシーンをひたすら描いてくれたら、それでええねん!と、最後まで不満爆発でした。あの一度見たら忘れられない、唯一無二のきったな~い映像で描き出された、あまりにもやり過ぎててホラーなのに何故かそれが笑いにまで昇華されていた、あの前作はやっぱり偉大だなぁとあらためて再確認っす!それに比べて、こちらはただグロ痛いだけで特に記憶に残りそうなシーンも出てこず、中盤で主人公が入れ代わるって設定も意味不明だし、結果として凡庸なよくあるB級ホラーってだけの作品でありました。でもまあ、割り切って観ればB級ホラーとしてそこそこ楽しめるとは思いましゅ。
[DVD(字幕)] 5点(2015-01-07 06:12:09)
1310.  愛、アムール 《ネタバレ》 
子供たちも独立し長年仲睦まじく暮らしてきた老夫婦ジョルジュとアンヌ。ところがある日、妻アンヌに不穏な病の兆しが現れる。診断の結果は軽い脳梗塞。だが、簡単に成功するはずだった手術は失敗し、アンヌには半身不随の後遺症が残ることに。失意のうちに妻を自宅へと引き取り献身的に在宅看護する夫ジョルジュだったが、アンヌの病はどんどんと悪化の一途を辿ってゆくのだった――。都会の片隅で次第に追い詰められていく老夫婦の姿を淡々と描いた哀切な人間ドラマ。かつて「ファニー・ゲーム」という、観終わった後に強烈な不快感だけが残り、しかも観客に強烈な不快感を残してやるというこの監督の意図にまんまとハメられたと思うと二重の意味で腹が立つ最低最悪な映画を撮ったミヒャエル・ハネケ監督。もうこいつの映画は二度と観まいと心に誓ったのだけど、一作だけでそう判断するのはフェアではないと思い、カンヌでグランプリを取ったという今作をあらためて鑑賞してみました。舞台は何処にでもあるようなアパートの一室のみ、登場人物もほとんど老夫婦二人のみという挑戦的な演出、そして内容の方も老々介護というとてもじゃないが胸踊るような楽しいテーマとは言いがたい作品なのに、最後まで観客の興味を持続させ2時間強という長い上映時間を淡々と見せ切るところは、悔しいけど彼の才覚を認めざるをえませんね。特に主演俳優2人の真に迫った熱演には素直に圧倒されました。とは言え「ファニー・ゲーム」同様、今回も見れば見るほど気が滅入るような理不尽な現実をひたすら観客の前に提示するという、この監督の(ラース・フォン・トリアーとはまた違ったタイプの)圧倒的な負のエネルギーは確かに凄いとは思うし、その芸術的価値も充分に認めるけれど、やっぱり積極的に次を観たいとは思えません。どうぞご自由にやっててくださいといった感じです(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-03 22:24:20)
1311.  ミミック 《ネタバレ》 
子供にだけ感染する致死性の高い伝染病がニューヨークに蔓延。未来を担う子供たちが次々と犠牲になるなか、菌を媒介するのは実はゴキブリであることを突き止めた政府は、女性昆虫学者スーザンに事態の打開を要請する。遺伝子操作を駆使し、ゴキブリの天敵となる新たな昆虫〝ユダの血統〟を作り出したスーザン。それを使って地下に蔓延るゴキブリどもを一掃し、街は再び平和を取り戻したのだった――。3年後、恋人と共に平穏な日々を過ごしていたスーザンだったが、ある日、繁殖能力がなく既に滅んでいるはずの〝ユダ〟の幼虫を発見してしまう。事実を確認するため、恋人と共に地下へと潜り込んだスーザンは、そこで“ミミック(擬態)”という特殊な能力を極限まで進化させたユダたちのグロテスクな真実を目の当たりにするのだった…。いまやハリウッドで大活躍する大物監督であるギレルモ・デル・トロが、まだほとんど無名だったころに製作したパニック・ホラー作品。低予算で作られたB級ホラーということで、さすがに画面のチープさは否めないですけど、その徹底的にグログロな巨大ゴキブリ(?)のみをテーマに映画を作りあげたその姿勢(アホかって声があがりそうだけどッッ笑)はなかなか良いっすね~。終始響き渡るカサカサという虫の羽音、粘液ぐちょぐちょの大量の卵、脂身たっぷりのテカテカ光る黒い翅…。そんな超気持ち悪いやつ等が群れをなして襲ってくるとこなんて、「ひ、ひええ~」って感じでした。もう、これまで僕がお金と愛情を惜しみなく貢いだお高くとまっている高慢ちきな性悪キャバクラ女たちに無理やり見せてあげたいわ(時計じかけのオレンジ風に!笑)。確かに、「一度迷い込むと二度と出られない広大な地下道というわりには主人公たち偶然に出会いすぎだろ!」とか「最後、火花で大爆発を起こしたのに水に飛び込んで逃げる暇なんてあるかー!」っていう、突っ込みどころはあるかも知れないけど、ギレルモ・デル・トロの記念すべきハリウッド・デビュー作ということで、甘めに8点!
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-10 08:54:08)
1312.  ノルウェイの森 《ネタバレ》 
あぁ、やっぱりこうなっちゃうんですよね~。この日本人なら誰もが知ってる世界的ベストセラーで映画化したら一定の興行収入が確実に見込めるはずなのに、日本人映画監督が誰も手を出さなかったのはこうなるのが分かってたからだろうね。村上春樹の、あの気取った主人公とオシャレな会話文は小説のなかだから成立する世界観なのであって、これをそのまま映像化しちゃったら、もう見てられないくらい気取った気持ち悪い主人公になっちゃうという典型的な例。監督は、ベトナム系フランス人らしいからこういう日本語的微妙なニュアンスとかあまり分からなかったんだろうなー。やっぱり、村上作品は映像化に不向きってことが改めて分かりました。それに、「人間は皆、いずれ死ぬために生きている。愛したり愛されたりという人の想いもいつかは記憶という暗い井戸の底で朽ち果てて消滅してしまう。そんな残酷な現実の前に打ち震える恋人たち」という、原作の切ないテーマも巧く映像化できていたとは到底言い難かったです。あと、療養所で主人公が直子に手で抜いてもらう原作でも白眉といえる美しいシーンは、やっぱり原作通り草原のなかで二人で横たわった姿で描いて欲しかった。というわけで、原作ファンとしてはいろいろと不満の残る作品でありました。生きることの切なさから次第に狂気へと捉われるヒロイン、直子を演じた菊池凛子はまさにはまり役でなかなか良かったけどね。
[DVD(字幕)] 4点(2014-12-08 19:52:53)
1313.  アメリカン・ハッスル 《ネタバレ》 
でっぷりとしたお腹にざんばらハゲを隠すためのバレバレの一九分けヘアがトレードマークの生粋の詐欺師アーヴィン。彼の仕事上でも私生活でも名実共にパートナーである男にだらしない女イーディス。自分の出世のことしか頭にない自己中心的な俗物FBI捜査官リッチー。鬱からくる情緒不安定でネイルアートだけが生き甲斐の現在別居中のアーヴィンの妻であるロザリン。一癖も二癖もあるそんな彼らの本音と建前、嘘と真実、愛と憎しみが複雑なタペストリーのように絡み合うコメディタッチの社会派ドラマ。このデビット・O・ラッセルって監督、前々から感服しいてたことだけど役者を使うのが実に巧い!!「あんた、何処まで肉体改造したら気が済むねん!」ってくらい今回も役者魂を見せ付けてくれる胡散臭さ爆発なクリスチャン・ベール、絶対に友達になりたくない“ザ・やな奴”を見事に演じたブラッドリー・クーパー、いつおっぱいポロリするか分からないような露出狂ファッションで常に男を振り回すビッチを生々しく演じたエイミー・アダムス、関わり合いになりたくないけど客観的に見る分には面白いイタいお騒がせ女ジェニファー・ローレンス…、他にもほんのチョイ役ながら相変わらず存在感抜群のデ・ニーロやらおバカな市長役のジェレミー・レナーやら、そんな豪華な役者陣が織り成す見事な熱演の数々は見応え充分でした。ただ…、ストーリー的にちょっと弱いかな~と感じたのも事実。実際にあった事件を元にしたからか、いまいちカタルシスに欠けるという印象が拭えない作品でもありました。個人的には、同監督の前作「世界にひとつのプレイブック」の方がドラマティックで好きですね。それにこの監督って良くも悪くも優等生なんですよね~、作品としてもう少しアクの強さみたいなものが僕は欲しかったですかね。それでも、最後まで安定して観ていられるエンタメ映画の佳品に仕上がっていたと思いまーす。
[DVD(字幕)] 6点(2014-11-13 08:44:19)(良:1票)
1314.  ペーパーボーイ 真夏の引力 《ネタバレ》 
60年代アメリカ、うだるような暑さが続くマイアミの片田舎で保安官が鉈で殺されるという残虐な事件が起こる。ほどなく、沼地に住みワニの皮を剥いで生活していたヒラリーという粗暴な男が逮捕され、裁判の結果電気イスへと送られることに。そんな無事に解決したはずの事件に疑問を抱いた敏腕新聞記者ウォードは現地へと向かい、真実を求めて取材を開始するのだった――。正義感の強いウォードの相棒ヤードリー、彼の弟でいかにも童貞の青臭い青年ジャック、獄中のヒラリーと手紙を遣り取りし彼と獄中結婚したがっているアバズレの40女シャーロット、そして全てを客観的に見守る黒人メイドのアニタ…、それぞれの視点から事件の真相が炙り出されてゆくなか、彼ら各々の隠された思惑から事態は意外な方向へと向かい始めるのだった。かつて、劣悪な貧困家庭に生きる少女の哀切なドラマをエネルギッシュに描いた「プレシャス」という作品で鮮烈なデビューを飾ったリー・ダニエルズ監督の二作目となる今作、豪華な俳優陣も出演してることだしとけっこう期待して鑑賞してみました。相変わらず猥雑で残酷な現実社会をゴージャスで極彩色な映像で描き出すその手腕は今回も健在でしたね(いま冬だけど、ちょっぴり汗ばんじゃいそうなほど暑苦しかったっす笑)。社会の底辺で、貧困や矛盾から無尽蔵に生まれくる暴力という荒波に押し流されそうになりながらも、必死に踏み止まって生きてゆく人間たちの群像をあくまで黒人的感性でソウルフルに描いた作品としてなかなか見応えありました。ただ、後半テーマがいまいち搾りきれておらず、なんだか散漫な展開となってしまったところがちょっぴり残念でしたけど。それでも、刑務所の面会室でのニコール・キッドマン&ジョン・キューザックのいかにもイヤらし~い遣り取りとか普通に面白かったっす。あと、ずっとニコール・キッドマンのケツばっか目で追いかけてた童貞野郎ジャックの熱い想いには、股間が痛くなるくらい共感できました(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-11-10 17:57:50)
1315.  キャリー(2013) 《ネタバレ》 
ねえ、ママ、どうして生理のこと教えてくれなかったの?あたし、みんなに笑われたんだよ。それとママがいくら反対したって、あたし、絶対にプロムに行くわ。たとえ、どんな目に遭おうとも――。狂信的なまでに保守的で厳格な母親に大事に大事に育てられた大人しい少女キャリー。クラスメートとうまく打ち解けることが出来ない彼女は、周りからの理不尽なイジメにずっと耐える生活を強いられていた。だが、キャリーには誰も知らない恐ろしい力が備わっていたのだった。そして…、プロムの夜、いじめっ子の思いついた些細なイタズラが恐ろしい惨劇を招くのだった…。スティーブン・キングの伝説のデビュー作をブライアン・デ・パルマが映画化した名作の誉れ高い作品を、クロエ・グレース・モレッツという人気若手女優主演で現代風にリメイクした青春モダンホラー。デパルマ版の過去作はずっと昔に観たという記憶はあるのだけど、僕の感性にはいまいち嵌らなかったのか、その内容はほとんど憶えていない状態でこの度鑑賞してみました。うーん、観終わってすぐの率直な感想を言わせてもらえば、「無難」という言葉に尽きると思います。ストーリーの盛り上げ方も、映像の見せ方もキャラクターの描き方も全てが予想の範囲内の及第点クラスなんですよね。だから、クライマックスのキャリーの暴走もカタルシスがあってけっこう見応えあるし青春ドラマとしてもなかなかセンスを感じるし決してつまらなくはないんだけど、こうもう一つ何かが足りないという印象が強いんですよ。あのジュリアン・ムーア演じるお母さんがもっとぶっ壊れてて一度見たら忘れられないくらい強烈なキャラクターだったりだとか、クライマックスの惨劇ももっとやり過ぎなくらい血みどろグチャグチャにしちゃうとか、そんなデパルマ版を少しでも追い越そうというようなエッジの利いた演出があればもっと良かったと思うんですよね~。クロエちゃんも頑張ってるけれど、彼女はもっと元気もりもりキャラを演じたほうがその魅力を発揮できると思います。という訳で、まあそこそこ面白いかなって感じっすね。うん、6点!
[DVD(字幕)] 6点(2014-11-03 08:48:22)
1316.  パニッシュメント(2013) 《ネタバレ》 
それはいつものように平凡な一日になるはずだった――。PM2:00、自堕落な母親とまだ生まれたばかりの病弱な赤ん坊と共に暮らしている少年コリーは、とても手が出そうにない高額な赤ん坊の薬を手に入れるため銃を手に薬局へと向かっていた。2:02、違法な荷物ばかりを扱うバイク便の女運転手アレクサは、ギャングに追われていた謎の青年をひょんなことから後ろに乗せて助けてやるのだった。2:01、政府のテロ対策捜査班として相棒と共に任務を遂行中のマーティは、爆弾テロを計画中と思しき容疑者のアジトへと乗り込んでゆくのだった。2:03、元全国ネットのニュースキャスターだったもののいまや落ちぶれてホームレスとなってしまったドークは、同じくホームレスの友人と共にヒマ潰しに警官の銃を盗むのだった。2:04、小さな街で、そんなまったく関係なさそうな人々の物語が、「口の中を噛んだことがある?」と何度も問い掛ける黒人の太った女の子フューによって、とある奇跡へと収斂されてゆく。明らかにデビュー当時のタランティーノの影響を色濃く受けていることが丸分かりの、独特の猥雑な雰囲気が全編に漂う群像劇。なんだけど、残念ながら本家に比べてセンスがあほみたいに不足しているせいで、奇をてらっただけの単なる凡作どまりの出来でしたね、これ。まず、音楽が超ダサい。タランティーノ目指すなら、これは致命的っしょ(笑)。そして小さな街の中で様々な人々のくだらない物語が、最後、キリストの奇跡へと繋がってゆくといういかにも「パルプ・フィクション」な展開も完全に無理ありありで、見事なまでに破綻しております(あははッ笑)。でもね、頑張ってるのは分かるんだよ。全編にわたって、タランティーノを少しでも追い越せるような映画を創りたい!という意欲はビシバシ感じます。ただ、残念なことに監督に才能がなかっただけなんだよね~、残酷なようだけどさ。うーん、まあそんな監督の頑張った感と髭もじゃクリスチャン・スレーターの最近の半端じゃない落ちぶれた感にエールを込めて5点っす!
[DVD(字幕)] 5点(2014-10-01 10:35:24)
1317.  路上のソリスト 《ネタバレ》 
LAタイムスという超一流新聞社で、多忙な毎日を過ごす敏腕記者ロペスは、ある日、路上でバイオリンを弾くホームレス・ナサニエルと出会う。その奇矯な言動と特異な格好とはうらはらに、彼の奏でる美しい旋律に興味を引かれたロペスは、思わずコラムで彼のことを取り上げるとそれが静かな反響を巻き起こすのだった。本格的にナサニエルの過去を調べ始めたロペス、するとそこにはかつてその才能を認められ将来を嘱望されながらも統合失調症によって悲惨な現実を生きざるをえなかった彼の哀しい人生があったのだった――。静かな正義感を胸に秘めた新聞記者と路上という自由で孤独な世界に生きる元ソリストとの、人生の再生をかけた友情を淡々と描き出すヒューマンストーリー。とにかく抑えた演出と全編を彩るクラシックの名曲群のおかげでとても美しい静謐な雰囲気に満ちた、ジョー・ライト監督らしい佳作だと僕は思いました。実話を元にしているということもあり、二人の友情物語が変にドラマティックに描かれていないところも好印象です。統合失調症を発症し、四六時中続く幻聴に次第に追い詰められてゆく若き日のナサニエルと、その後、心がすっかり壊れてしまいホームレスとなった現在の彼を見事に演じ分けたジェイミー・フォックスの熱演もなかなか見応えありました。それにしても、こういう適切な治療を受けられずホームレスとならざるをえなかった統合失調症患者は果たしてどれくらいの割合で居るのでしょう。ナサニエルのような哀しい人生を歩んでしまった人を少しでも減らすために、公的機関のサポートがもっと充実されることを願うばかりです。ただ、映画としては最後まであまりにも優等生な演出が続くためちょっとパンチに欠けるかなぁというところが若干気にはなったけど、この気品に満ちた作品世界に僕は最後までしっとりと浸ることが出来ました。ジョー・ライト監督とは、どうやら相性が良いようなのでこれからも観ていこうと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2014-10-01 10:31:39)
1318.  4ヶ月、3週と2日 《ネタバレ》 
1987年、独裁政権下のルーマニアでは、労働力確保を目的に一切の堕胎手術が法律により禁止されていた。望まれない妊娠をした女学生ガピツァは、その日、仕方なく街のとある産科医に依頼し、非合法の堕胎手術を受けることを決意する。彼女のルームメイトであるオティリアは心身ともに衰弱しきっていたそんなガピツァのために、「たった一日なら…」と全面的に協力することを約束するのだった。だが、依存心の強いガピツァの様々な不始末によりオティリアはことごとく振り回される羽目に。彼氏との約束も反故にされ、街を縦横に駆けずり回り、ホテルの予約も取り直し、そして足りなかった堕胎費用のためにオティリアは自らの身体まで…。長年の独裁体制の果てにあらゆる面で社会的に行き詰っていたルーマニアを舞台に、男たちの身勝手な性欲によって翻弄される若い女性たちのとある一日を冷徹に追ったカンヌ映画祭パルムドール受賞作。うーん、確かにこの監督の言いたいことや描きたいテーマは充分に分かるのだけど、この見れば見るほど気が滅入るような辛気臭いお話をひたすら映画として見せ付けられても正直僕はもう途中からゲンナリしちゃいました。自分の身体のことなのに終始他人事のようなガピツァもそんな彼女に何故か怒りもせずにひたすら尽くすオティリアも横柄で自己中心的な産科医も、もう出てくる登場人物どいつもこいつもこれっぽっちも魅力がなくてイライラするし、映像だって必ずしも綺麗じゃなく終始薄暗くて見辛かったし、挙句の果てに排泄された血まみれの胎児を画面いっぱいに映し出した日にゃ「もう、ええ加減にせい!」って感じでした。いやー、いかにもカンヌが好きそうな芸術嗜好の強い作品でしたね、これ。だからと言って、そんな胸糞悪い思いを観客に抱かせながらもやっぱり観て良かったと思えるほどの芸術的価値がこの作品にあったかと言えば、あくまで個人的意見だけど僕は「否」と言わざるをえなかったです。だって、このラストだと結局は現実からの逃避のような気がしてならなかったんだもん。愚かで醜い男たちの性欲に決然と立ち向かう女性たちの力強さ、みたいなものを僕は観たかった。5点!
[DVD(字幕)] 5点(2014-10-01 09:40:02)
1319.  パール・ハーバー 《ネタバレ》 
この映画を観ると、もう一度パールハーバーを爆撃したくなる。チュドーーーン!
[DVD(字幕)] 3点(2014-09-06 13:20:41)(笑:1票)
1320.  クラウド アトラス 《ネタバレ》 
1849年、太平洋諸島、奴隷商人の青年がひょんなことから一人の迫害された奴隷を助けようとしていた。1936年、ケンブリッジ、同性愛者の青年が高名な老作曲家の指導のもと荘厳な楽曲を書き上げようとしていた。1973年、サンフランシスコ、正義感の強い女性ジャーナリストが原発を巡る醜聞をスクープしようと奮闘していた。2012年、ロンドン、冴えない編集者が借金のせいで悪辣な老人ホームへと監禁されようとしていた。2144年、ネオ・ソウル、クローン人間の少女が自由と愛を求めて立ち上がろうとしていた。崩壊後、106度目の冬、悪魔の幻影に脅かされる男は一人の女性を女神の神殿へと案内しようとしていた。輪廻転生をテーマに、一見、全く関連性のなさそうな6つのお話が同時並行的に描かれる壮大な群像劇。ほとんど予備知識もないままに観始めたのですが、複雑怪奇なそんな世界へと圧倒的な映像美と壮麗な音楽とで観客をぐいぐい引き込む冒頭部分から、「これはもしかしたら凄い映画になるかも!」といやが応にもテンション上がっちゃいました。綿密に考え抜かれて構成されたであろう編集は本当に見事で、3時間という長い作品なのに最後まで退屈させずに一気に見せ切るこの監督たちの手腕は素直に素晴らしいと思います。トム・ハンクスを初めとする実力派の役者陣が織り成す、怪演といってもいいくらいの芸達者ぶりにも楽しませてもらいました。ただね~、ここまで大風呂敷を拡げたお話をどう纏め上げてくれるのだろうとワクワクしながら観ていたら、「え、これで終わり?」というラストを迎えてしまい、ちょっぴり肩透かし感は残念ながら否めなかったですね、これ。最後、クラウド・アトラス六重奏が荘厳に鳴り響き、6つの物語が互いに共鳴しあう、壮大なラストを期待してたんだけどなー。うーん、なんとも竜頭蛇尾。とはいえ、この唯一無二とも言えるスタイリッシュで壮大な世界観には素直に圧倒されました。よって7点!
[DVD(字幕)] 7点(2014-09-01 23:30:19)
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