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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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121.  影武者
たまたまテレビをつけたら信玄の骸を入れた瓶を湖に捨てるシーンだったんだけど、ただ朝靄のかかった湖が映されているだけのその画を見てすぐ黒澤明の映画だなと思った。前に観てるからとかではなく、そのだだっ広い湖一面を覆い尽くす朝靄の人工的でありながら嘘っぽくない、美とリアルを同居させた画づらと、このなんでもないシーンをたっぷりじっくり堂々と映し続けるその迷いの無い画面の厳かさに黒澤明を感じたのだ。そうして見ると全てのシーンにものすごく時間とお金をかけていることが伺えてシーンごとにため息が出てしまう。撮影時を想像して感動するなんて映画の見方としては適当ではないだろうけど、間違いなく画の中にそれらは現れている。カラーになってからの黒澤時代劇は絵画的な芸術色を濃くしているように思うが、それらが顕著に表れる合戦シーンなんかはさすがに圧巻の画の連続。一方、その反動か、人が会話をするシーンがどうにも浮いて感じてしまう。外国人のためなのかもしれないけど 説明セリフも多い。
[DVD(字幕)] 6点(2009-01-14 12:08:43)
122.  ウォー・ゲーム(1983)
冒頭の緊迫したシーンからB級感が漂う。最先端なものを映しているはずなのにセットがことごとくチープ。場面が変わって音楽が鳴り出すと画面はもうB級感で満たされる。けして時代のせいではなくてあきらかなB路線。そのうえシナリオはちゃんとしてるから気楽に楽しめる。ちょっとダラダラしてる部分があって、そのダラダラしてる無駄なシーンにはいつもバカ女がいるのだが、こいつの能天気なキャラにはイライラさせられる。こいつさえいなければ90分くらいの最良の上映時間に収まったのに。それかもっとB級にありがちな学園一の美人かクールな才女かエロ専門かにしてくれたほうが良かったぞ。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-14 12:38:42)
123.  ことの次第 《ネタバレ》 
見るからにSFと解かる画が長々と続いたかと思うと唐突にカット!の声。SF映画を撮影するスタッフたちが映される。その海に面したロケ地にゴダールの『軽蔑』を思い出したのだが、続いて監督がドイツ人で名前がフリッツ(『軽蔑』ではフリッツ・ラングその人が出演している)、プロデューサーがアメリカ人、そして商業主義への批判と、まさに『軽蔑』の映画製作部分が模倣されてゆく。さらにはだいたい時を同じくして作られたであろうゴダール『パッション』の映画内映画製作に描かれる物語の有無における対立、あるいはトリュフォー『映画に愛をこめて アメリカの夜』のようなハプニングに会いながらも仲間内のなごやかで、どこか楽しげな撮影風景が映し出される。映画は後半、アメリカに舞台を移したところから全く別の色合いを帯びてくる。言い換えればヴェンダースらしくなっているのかもしれないのだが、前半に登場した魅力的な面々がことごとく置いていかれてそのまま忘れ去られてしまって、なんだかなあという感じ。ラストの銃声と銃声に反応してカメラを構える姿がかっこいい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-19 12:52:46)
124.  ドラッグストア・カウボーイ
ガス・ヴァン・サントはキレイな顔の男にそのキレイな顔に見合った哀愁を漂わせることに長けている。精一杯の虚勢と優しい瞳。マット・ディロンがいい。ドラッグストアの襲撃も病院襲撃も警官だらけのモーテルからの脱出もイマイチ盛り上がらず、ひたすら同じトーンを維持する。物足りなさはあるけれど、スタイリッシュとかクールとか言うんだろうか、そんなちょっとシャレた感覚を生んでいる。ドラッグと共生しているかのようなジャンキー神父にあまりにもはまり役すぎなウィリアム・バロウズ。なんか、うわぁ~本物だ~って感じ(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2008-05-08 17:13:00)
125.  恋におちて
なんのひねりもない不倫ドラマを名作の域にまで持ち上げたのは、デ・ニーロとストリープの演技力によるところが大きいと思う。とくにストリープの一種の癖のように、そして相槌のように意味無く漏れる笑いの自然さは完全にデ・ニーロを食ってる。二人ともがどこにでもいる普通の人を演じているのだが、その二人が飛びぬけて演技が巧いのでかえって二人以外の人たちが異常に映っているのが面白い。恋愛を勧めておきながら本当にそうなっちゃうと戸惑いの表情を見せる女の友人が妙に物語から浮き始め、女の旦那はサスペンス映画の犯人のように悪者顔に見えてきて、男の妻もえらく現実離れしたドラマチックな表情になり、もともと浮いた存在のハーベイ・カイテルは最後まで馴染まない。誰かが映画の中で浮いた存在になるというのは作品として失敗なのだと思うんだけど、これに限っては偶然か計算かわかんないけど、けっきょく不倫という非常識な行動をしている二人だけが映画の中で普通の人として安定した存在であり続け、二人以外が浮いてしまうことでどこかブラックユーモア的な世界観が出来上がってしまい、そこがかえって私をそそる映画になっている。不倫というよりも普通の恋愛映画のような爽やかさを感じるのは、二人に裏切られた人たちがあっさりと画面から消え去った後出てくる気配さえ感じさせないからなのだろう。とにかく良くも悪くもデ・ニーロとストリープあっての作品。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-04-07 19:49:32)(良:2票)
126.  Wの悲劇
デビュー作『野菊の墓』でその才能をいかんなく発揮した澤井監督の第二作は大ヒットが約束された薬師丸ひろ子主演の映画。原作「Wの悲劇」を舞台劇「Wの悲劇」にし、それらを演じる役者たちにスキャンダラスな事件が降りかかるというまさに「W」なシナリオは一見複雑そうでありながら実にわかりやすく違和感の無いドラマに仕上がっている。ただ、舞台劇の芝居じみた展開が舞台劇以外でも引きずっている感があって、とくに高木美保の最後の登場シーンの大声でセリフを言ってからナイフを取り出し走ってくるってのは、いかにもすぎて、その唐突感も安っぽい。冒頭の夜明け前から世良公則との出会いを介して徐々に明るくなってゆく背景は撮影自体をその時間帯で行っているのだろうか。そうでなきゃあんなにもリアルな光の移ろいは出ないだろう。もちろんそれでも照明による調整もいるわけだから、その時間帯の一発勝負の撮影に拘った監督はやっぱり凄いなあと思う。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-01-21 16:55:34)
127.  ミスティック・ピザ
デイモンが出てきて笑った。デビュー作ですかね。ジュリア・ロバーツもデビュー作とか。無名の若手俳優を配した80年代青春映画にしてはすごくあっさり作られてるなぁと思った。3人の女の友情を描いてはいるけど、そこばっかり強調するわけでもなく、恋愛ドラマもくどくなく、一人だけ突出して描くわけでもなく。なので浅いんだけどチープ感がない。一応アナベス・ギッシュがメインなような気もするけど、ジュリア・ロバーツとリリ・テイラーの個性が際立っていたのでバランスがうまくとれたのかも。配役は絶妙かもしれん。他の女優だったらもっと地味な映画になってたと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-30 11:58:12)
128.  十階のモスキート
内田裕也ってなんにもしなくても映ってるだけで映画になっちゃうんだもん、ずるいなあ。まじめな顔してるだけなのに、ただ立っているだけなのに、普通に電話してるだけなのに、アナーキー。彼の顔が映っているとバックで流れる絶対古臭いはずのコンピューターミュージックがロックに聞こえる!ってのは大袈裟だけど、存在感が勝っているからなのか、音楽が気にならない。さらに脇にアン・ルイスにビートたけしに横山やすしに小泉今日子って・・内田裕也然り、みんな素人俳優なのに胡散臭いオーラだけは一人前以上。キョンキョンのお友達二人のセリフはなんとかしてほしかったけど。喫茶店でお金せびるところ。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-02 14:46:12)(良:1票)
129.  ハンガー(1983)
ミュージッククリップ風の獲物物色シーンから獲物を頂いちゃうまでの細かい切り替えしと、切り替えされる各カットに乗っかるメリハリのある音の出し入れは、まさに今のトニー・スコットの演出。なんでもこのデビュー作のせいで彼はしばらく干されていたらしいのだが、それゆえに自らの特徴であるこだわりの演出を食っていくためにしばらく封印し、ある程度の自分の位置を確保した数年後に(『トゥルー・ロマンス』あたりか?)徐々に自分を出してきたのかな、と思った。とにかくこの作品は美しい。中でもカトリーヌ・ドヌーヴの非人間的美しさは格別。吸血鬼の物語である以上に男と女の物語であり、永遠の若さを手に入れるか老いることが必至の人間でいるかの葛藤のドラマである。だからこそ、あのラストシーンは納得がいかない。繋がってないし。
[DVD(字幕)] 6点(2007-09-20 15:39:57)
130.  紅いコーリャン
野生のコーリャンが画面いっぱいに映される様は圧巻。広大なコーリャン畑をアップで撮るだけなら誰でもできるだろうが、強い風と巧みな光をもって映し出されるその様はまさに野生の強さを、自然の驚異を雄雄しく表現していて、さすがは撮影監督出身というだけのことはあると感嘆する。そして強さの象徴のように映されたからこそ、あっけなく平らに均されてゆくシーンの無残さもまた最大の効果をもって目に飛び込んでくる。ただしこれだけ印象的な画面を撮りながらもストーリーもそれ以上の大きな顔をして前に前に出ようとする。前半は画面が勝っているが後半はドラマが勝っている。ラストはスローモーションでドラマを際立たせる。不満である。芸術映画と商業映画のせめぎあい。芸術の中に商業的価値があり商業の中に芸術的価値があればそれでいいのだから、どっちがいいとか言っているわけではない。私にとってはこれらがうまく融合しているようには見えなかったというだけのこと。前半は本当に凄いんだけどなぁ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-13 11:41:56)
131.  細雪(1983)
公開当時は宣伝にも力が入っており、かなり話題になっていたことを覚えています。なんといっても四姉妹の豪華な顔ぶれ。そして豪華な衣装。四姉妹それぞれにスポットが当てられ、しっかりと個性豊かに描かれている。大阪弁の中でも船場ことばが使われていますが、四女にまとわりつく桂小米朝の言葉がまさにその船場ことばなのですが、はっきり言って浮いている。例えば吉本新喜劇でしゃべっている言葉はまぎれもなく大阪弁なわけですが、あれはあくまで劇場で観客に聞かせる言葉であって、普段の会話ではあんなにはっきりとした言葉にはなりません。小米朝のしゃべりもまさに観客に聞かせる言葉で、実に不自然。本物の大阪弁と微妙にニュアンスがずれている他のキャストの「なんとなく大阪弁」に合わせてくれたほうがかえって良かったように思う。テレビCMでも使われていたと記憶する冒頭の京都を歩く四姉妹のシーンは絶品ではないが、なかなかに美しいのだけれど、それ以外は全体的に薄暗く、それは戦争前を暗示した暗さというにはあまりにメリハリのない暗さで、もう少し光の出し入れに気を使ってくれればと思うのは酷な注文だろうか。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-08-31 13:21:21)
132.  刑事ジョン・ブック/目撃者
アーミッシュといえばやはり去年の銃乱射事件が記憶に新しい。【DADA】さんも追記していらっしゃるけど、13歳の女の子が他の子供を守るために「私を撃って」と言ったこと、その子が撃ち殺されたら今度は11歳の妹が同じようにして前に出たこと、アーミッシュは犯人を許し、犯人の家族を招きいれたこと、殺された女の子の母親が犯人の妻を慰め、その後も交流があること。なかなか出来ない。もし皆が出来るなら戦争なんて起こらないのに。こんな衝撃的なニュースの後では、この映画で描かれる、よそ者と仲良くする女が疎外されるという描写がなんかいかにも小さなコミュニティにありそうな展開をむりやり入れたって感じがしないでもない。まあ、アーミッシュに対する知識がメディアが伝えたものだけしかないし、また一人一人の人間をアーミッシュというひとくくりで考えるのも短絡的ではありますが。それにアーミッシュを描いた映画ではなく、貧乏人の子供が大富豪にもらわれてきたとか、反対にお姫様や王子様が庶民の生活をするとか、大昔の人が現代にタイムスリップするとかと同じように、あくまで異文化に身を置くことで生まれるカルチャーショックと人間同士の交流を描いているわけで、ドラマの見せ方としては悪くないし、草原の中から黒い帽子がひょっこり現れるシーンの美しさや相手を思いやる視線の優しさなんかは非情に心地が良い。強いて言えば、クライマックスへの持っていきかたが強引。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-07-20 15:48:49)
133.  ドレミファ娘の血は騒ぐ
何故「。」とか「、」を言葉にするのか?何故ブラームスなのか?何故戦場と化すのか?意味があるのか無いのか解からんが変態教授曰く「何故?と問うてはいけない」らしい。意味を求めてはいけない。しかしどの描写も意味ありげなもんだからもう一度観たいという欲求に駆られる。まあでも、解からなくたっていい。オープニングの洞口依子のアップと語り、そしてエンディングの洞口依子の歌がめちゃくちゃいいんだもん。黒沢清と洞口依子の出会い、それだけで価値がある。黒沢映画に頻繁に登場するアキ子という名の女と吉岡という名の男。この作品の吉岡はサイテー野郎だったのだが、それ以前にキャラクターに古さを感じずにはおれず、そこんところが残念。
[映画館(邦画)] 6点(2007-06-12 17:50:09)
134.  天国の門
冒頭の卒業式のシーンが要らないというご意見もわからなくはないが、たしか(正確には覚えてませんが)「移民を守ろう」という類の言葉が校長からあったような気がするのですが、その後の主人公の「信念」とさえいえる行動の原点がこのシーンにあるわけですからやっぱり端折れないでしょう。しかもオープニングの長回しで見せる時間の経過とともに色が移ろう美しい情景は作品中でも最も美しいシーンでもあり、これを端折るなんてことは誰にも出来ません。時代が変わって映し出される町並みがまた圧巻。駅ごと作ったという本物の町並みはお金をかけただけの満足感は十二分に達成されている。不評なのは物語に起伏がないからでしょうか。大規模な戦闘の後の急な収束はたしかにやっと訪れたクライマックスがいつのまにかうやむやになったという感じがします。この作品に関しては長いということがネックなのではなく、むしろもっと長くてもいいから物語としての見せ場が欲しかったような気がする。長尺の史劇にはそういうサービスも必要だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2007-06-04 13:33:48)(良:1票)
135.  ガキ帝国
関西を舞台に中高生を描かせたら井筒和幸の右に出るものはおらん。たぶん監督自身の経験が反映されているのだろうと思うのだが、いちいちリアルなのだ。在日朝鮮人の存在は在日朝鮮人がいる風景が日常だから。喧嘩も日常。喧嘩の仕方も虚勢のはりかたもゲーム喫茶も商店街もものすごくリアル。そんな世界から暴力の行き着く先、ヤクザの世界がクサイ虚構性をもって描かれはじめると途端にガキたちは非リアルなかっこよさを身に着ける。こうなってくると後半はどこかチープ。同じチープでもそのチープさが前半は魅力でもあったのだが。とくにラストあたりには人が死にすぎてついていけない。ドラマチックすぎて面白さが激減している。井筒監督の本領は前半の大阪ヤンキーの日常にこそある。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-02-26 17:57:11)
136.  バンデットQ
発想が幼稚。でもそのことを微塵も隠さずに、むしろ前面に出しながらお金をかけて堂々と映画にする。主人公の少年がいい子すぎて面白みに欠けるけど、少年の心を持って観ればぜったい楽しめる。けど少年の心を持ったままラストシーンを見ると泣きたくなるので要注意。いや、意外と大人の感性でラストを迎えるより子供の感性で迎えたほうが楽しめたりして。
[DVD(字幕)] 6点(2007-02-22 16:23:52)
137.  レディホーク 《ネタバレ》 
愛し合う二人が人間として会えるのは昼と夜が入れ替わるときの数秒というその設定が残酷ではあるけれどなんともロマンチック。昼は女が鷹に、夜は男が狼に。あんたらいったいいつ寝るねん、てな疑問は愚問。つっこむほうがバカらしいほどにファンタジーで覆われている。すべてが収束を向かえる皆既日食のシーンはもうちょっと盛り上げてほしかった気もする。あと、音楽は聴いてて恥ずかしくなる。80年代独特の軟弱な音。あーゆう音楽が確かに溢れていた。新しい音楽として。そんな音楽がほぼ全編で流れる。この種の映画にはこの種の音楽というキマリみたいなものが崩壊した時代でもあったと思う。その中での挑戦だったのかもしれないけど、これは失敗だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2006-11-15 12:09:55)
138.  XYZマーダーズ
脚本にコーエン兄弟が参加してますが、まさに『赤ちゃん泥棒』に似た流れ。悪党二人組みの馬鹿笑いが全く同じで極悪人といえどもどこか愛すべきキャラクターとなっている。ただし『赤ちゃん泥棒』のほのぼの感は当然なく、徹底的に残酷で、その残酷さを笑いへと転化させるためのおバカエッセンスが大量に降りかけられる。B級ネタにチープな画作り、そしてホラー、ロマンス、アクションとなんでもありの節操の無さがおバカを加速させる。とろい主人公がヒーローになるってことで『スパイダーマン』の原型を見ることが出来る・・なんてことはない。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-11-08 11:15:09)
139.  ブレードランナー
核戦争後、空は雲で覆われ酸性雨が常に降り注ぎ、メイド・イン・ジャパンが世界を席巻する。猛烈なスピードで経済大国となった日本の世界躍進を多くの学者が予想していても、欧米人が持つ日本のイメージと未来世界のイメージというあまりにもかけ離れたものの融合というのはかなり想像しにくいものに違いない。この映画は強引ではあるがその融合を見事に成し遂げ独特の世界観を構築することに成功している。この世界観だけは原作をも超えていると思う。さらにこの作品がカルト的人気を得た要因となっているだろう信号機や道路標識といったディテールへの拘りが、独特の世界観を奥深い世界観へと押し上げている。その中で人間とアンドロイドの攻防を通して「生」への執着が描かれるわけですが、「デッカードVSロイ」を視覚的最大の見せ場とするありきたりな展開がちょいと不満。あとディレクターズカット版で確認するまでもなくナレーションは不要。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-10-16 15:51:33)
140.  翔んだカップル オリジナル版
薬師丸ひろ子主演のアイドル映画だが相米監督の拘りが随所に垣間見られる。後に描き続ける子供から大人への通過点が偶然にもこの映画でも描かれ、相米の主要な記号となる雨が効果的に登場し、的確な照明と相米印の長回しで綴られる。しかしなんといってもこの映画の異質な点は、薬師丸ひろ子主演のアイドル映画のはずなのにどっからどう見ても鶴見辰吾の映画になっているところ。物語は常に鶴見辰吾の視点。二人がお互いに田舎に帰ったときも鶴見辰吾しか映さない。それどころかオープニングもエンディングも鶴見辰吾の独り舞台。このオリジナル版しか見ていないのでなんとも言えないけど、よく会社が許したなあと思う。それでも、『ションベンライダー』同様に親の存在が消え去った相米ワールドの中で大人への渇望を幼い薬師丸ひろ子がじゅうぶん体現してくれている。ラスト、リングに向かう鶴見辰吾の顔はいいんだけど、バックに流れる歌、あれはちょっとねえ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-08-22 16:08:33)(良:1票)
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