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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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121.  さようなら、コダクローム 《ネタバレ》 
決定的なミスを犯し、長年勤めてきた会社から解雇を言い渡された音楽プロデューサー、マット。首を繋ぎとめるために会社から提示された条件、それはライバル会社から二週間以内に人気バンドを引き抜いてくることだった。生活のために、その人気バンドと何とかコンタクトを取ろうとするマットだったが、どうにもうまくいかない。そんな折、思いもよらぬ知らせが彼の元に届くのだった――。過去に色々あって長年疎遠にしていた彼の父親ベンが、末期の肝臓癌を患い余命幾ばくもないというのだ。高名な写真家でもあった父は、息子に最後の願いがあるらしく、それはもうすぐサービスが終わる古い写真フィルム「コダクローム」を現像するために、カンザスまで運転してほしいというものだった。母親とのかつての辛い日々を思い、頑として首を縦に振らないマット。そんな彼にベンのマネージャーは、驚きの条件を提示してくる。なんとその人気バンドに会わせてもいいというのだ。仕方なく願いを引き受けた彼は、父の専属看護師である女性とともにカンザスへと旅立つことに。だが、偏屈な父は何かというとトラブルを引き起こし……。長年の葛藤を抱えた父子が、最後の旅路をきっかけにお互いの人生を見つめなす姿をノスタルジックに描いたロード・ムービー。名優エド・ハリスが、そんな口数の減らない偏屈爺さんを演じているということで今回鑑賞してみました。なんですけど、僕はものの見事に嵌まらなかったですね、これ。とにかく登場人物誰もに魅力がなさ過ぎます!特に、エド・ハリス演じるこの爺さん。人の嫌がることばかりして自らトラブルを招いているのに一切反省の態度を見せないとこに、もう見れば見るほど嫌悪感が湧いてきちゃいました。これがロード・ムービーの名手とされるアレクサンダー・ペインの作品なんかだと、この爺さんに何処か憎めない魅力がでるものだけどそんなのは一切ありません。もうひたすらクソじじい(笑)。また、展開もベタ過ぎます。長年憎み合ってた父子が数日旅しただけで最後にはすっかり和解して、女性看護師ともいい仲になっちゃうって都合がよすぎますわ。主人公も目的の人気バンドとようやく会えたのに、それを父をちょっとからかわれただけでキレて帰るってあまりにもアホ過ぎます!いやいやプロなんだから、それぐらい我慢しろよ!んで肝心のそのフィルムに映っていた写真も、これだけ引っ張んだからさぞかし驚きのものが映ってるんだろうなと思ったら、まさかのそのまんまの家族写真…。捻りがなさ過ぎだっちゅーの。エド・ハリスの渋さに惹かれて最後まで観ましたが、僕にはどうにも退屈なだけの作品でありました。
[インターネット(字幕)] 4点(2021-01-16 22:30:27)(良:1票)
122.  ハスラーズ 《ネタバレ》 
彼女の名は、デスティニー。何処にでも居るような平凡な女の子だ。大して特技があるわけでもなく、容姿も学歴もそれなり、人に自慢できるような経歴もない。そんな彼女が生活のために見出した職業。それは文字通り裸一貫で出来る、ストリッパーだった。夜の街で繰り広げられる男たちの喧騒を乗りこなし、徐々に頭角を露わにしてゆくデスティニー。そんな彼女はある夜、お店のトップに君臨するベテラン・ダンサー、ラモーナと出会う。彼女とコンビを組み、お店の主な顧客であるウォール街の金融マンたちを相手に荒稼ぎしてゆく二人。高級住宅や車、豪華な食事に飲み切れないほどの高級ワイン、そして煌びやかな宝飾品の数々……。こんな生活が永遠に続くと信じていた。そう、あの日を迎えるまでは――。2008年、突如として巻き起こった世界的な金融危機によって、彼女たちは一夜にして全ての顧客を失ってしまうのだった。折悪く子供も生まれ、すぐさま生活に困窮するデスティニー。そんな彼女たちが、生活を立て直すために取った方法とは?実話を基に、追い詰められ犯罪に手を染めるストリッパーたちを描いたクライム・ドラマ。主人公とタッグを組む先輩ストリッパーを演じるのはベテラン女優ジェニファー・ロペスなのですが、とにかく今年で50歳になるとは到底思えない、彼女の圧倒的な存在感に尽きると思います。年齢を全く感じさせないパーフェクトなボディに、ステージを縦横無尽に駆け回る驚異の身体能力、そして何よりむちゃくちゃエロい(笑)。彼女が超セクシーなコスチュームを着て、客が投げる札束の海で踊りまくる冒頭のシーンには思わず痺れちゃいましたわ。僕はかねてより、ある種の水着は裸よりもエロいと思っていたのですが、それを改めて実感させられるようなほぼ線でしかないコスチューム姿の彼女、ナイスですね~。ただ、肝心のお話の方は正直ありきたり。追い詰められたストリッパーが、かつての顧客である金融マンを相手に金を騙し取る内容だと聞いて、もっと緻密に計画された知的犯行だと思ったら、まさかの単なる昏睡強盗。色仕掛けで客を泥酔させて近くのお店に引っ張り込んではカードの暗証番号を聞き出すという、なんだかミナミの帝王あたりに出てきそうなみみっちいお話でした。でもまぁ追い詰められた女たちの開き直りっぷりはなんとも潔く、そんな彼女たちがスケベな男どもを次々とターゲットにしてゆくとこはけっこう爽快だったかな。まさにゴージャス&セクシー。パワフルでエネルギッシュで猥雑で、目の保養にもなったし、まあぼちぼち面白かったですかね。教訓。夜の酒場で近寄ってくるエロい女には充分注意しましょう。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-12 01:33:12)
123.  デビル(2010) 《ネタバレ》 
それは、何処にでもあるような日常のとある一コマだった――。大都会の一等地に聳え立つ超高層ビル。上層階へと向かうエレベーターの一室に、偶然乗り合わせた五人の男女。年代も人種も職業も違い、まったく共通点のない彼らはただ偶然そこに居合わせただけだった。だが、その狭い筐体は動き出した直後、原因不明の不具合を起こし、すぐに動かなくなってしまう。どのボタンを押してもうんともすんとも言わず、唯一のドアはどれだけ力を加えても一向に開かない。警備員室へと繋がるマイクにいくら訴えても、向こうはただ落ち着いてくださいと繰り返すばかり。室内には不穏な空気が流れ始め、徐々に混乱してゆく彼ら。一瞬の停電のあと、とうとう第一の犠牲者が出てしまうのだった。果たして犯人は誰なのか?やがて彼らは気づくことになる。この事態の裏側には、超自然的な力が動いていることを……。とあるエレベーターの一室に閉じ込められた、何の関連性もなさそうな人々の駆け引きを描いたシチュエーション・スリラー。明らかに低予算で作られたであろう、いかにもB級なそんな本作、制作を務めるがとにかくアイデア一発勝負で映画を撮り続けるM・ナイト・シャマランということで、さして期待せずに今回鑑賞してみました。ところがどうして、これがなかなか見応えのあるスリリングな密室劇に仕上がっていて、僕の先入観はいい意味で裏切られましたね。とにかく緊迫感の煽り方が抜群に巧い!!こーゆー映画にありがちな、舞台はこの密室の中だけ、ストーリーを登場人物のやり取りのみで強引に押し進めたりせず、ちゃんと外部の視点も取り入れているのが大変グッド。おかげで物語にメリハリがつき、最後まで飽きさせません。がっつりオカルト要素を取り入れているのも最初はどうかなと思ったんですが、それも自然であまり違和感を感じませんでした。物語の焦点となる、密室内に閉じ込められたこの五人のうちの誰が悪魔なのかというミステリーの見せ方も巧い。ビル内に徐々に混乱が拡がってゆくとこなんて、なんだかパニック映画のような趣さえありました。この五人のキャラもそれぞれ個性的でちゃんとキャラ立ちしているところも良かったですね。あのおばちゃんが急に立ち上がってきたときは、「どひゃあ~」と思わずのけぞっちゃったし。最後のオチは若干強引で力技で押し切られた感はありましたが、総じて満足度は高い。うん、なかなか面白かった。7点!
[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-05 01:04:29)(良:1票)
124.  ベル・カント とらわれのアリア 《ネタバレ》 
1996年、政情不安に揺れる南米のとある小国。まだまだ発展途上のこの国で、商談のために訪れた大手企業の幹部ホソカワは、その夜、副大統領の官邸で開かれたパーティーへと胸を高鳴らせながら出席した。何故なら、昔から大ファンであるオペラ歌手のロクサーヌ・コスも招かれ、彼女の奇跡のような歌声が聴けるからだ。宴も佳境に入り、舞台に立った彼女の美しい旋律に聞き惚れていた矢先、思いもよらぬ事態が巻き起こる――。なんと大統領の政策に反発する左翼ゲリラが密かに官邸へと侵入し、瞬く間に館を占拠してしまったのだ。多くの人質の命と引き換えに仲間の釈放を要求する犯人グループ。だが、政府は簡単には要求に応じる気配を見せない。事態は膠着状態に陥り、ホソカワやロクサーヌ・コスをはじめとする人質たちは、長い拘留生活を余儀なくされることに。すると、犯人や人質たちの心境に思いもよらぬ変化が訪れて……。多くの日本人にとっては今だ記憶に新しいペルーでの大使館占拠事件。左翼ゲリラによって、多数の民間人が何か月にもわたり監禁状態に置かれた挙句、軍による強行突入によって多数の犠牲者を出したというこの悲劇をモデルにした本作、日本人としてはいたく興味を惹かれ今回鑑賞してみました。まあやりたいことは分かるんですよ、これ。犯人グループと人質が長らく生活を共にすることによって、いつしか友情に近い関係を育んでしまうという、いわゆる「ストックホルム症候群」。ただ、物語の見せ方と言うか演出があまりにお粗末で、非常に残念な出来になってしまってます。まず、犯人グループがこの建物を占拠する冒頭部。観客の心を摑むためのとても重要なシーンなのに、あっさりと何のとっかかりもないまま終わっちゃいます。その後人質たちと犯人グループもけっこう簡単に打ち解けちゃって、気付いたらもう和気藹々。いやいや、ここらへんもっと丁寧に描くべきでしょう。おかげで渡辺謙演じる主人公とジュリアン・ムーア演じるオペラ歌手の恋愛要素がなんとも薄っぺらく、加瀬亮演じる通訳とゲリラの少女の恋愛に至っては取って付けたようでさっぱり心に響かない。いくらでも面白くなりそうな題材で、しかもこんなにも魅力的な俳優陣を揃えておきながら、この体たらく。監督には猛省を促したいところ。最後の強行突入によって次々と射殺されてゆくゲリラたちにはなかなか悲愴感が漂っていて、彼らにいつしかシンパシーを感じていた人質たちの複雑な思いもうまく表せていただけに、なんとも勿体ない出来の作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2020-12-29 02:30:41)
125.  ホンモノの気持ち 《ネタバレ》 
高度なAIを搭載した人型ロボット〝シンセ〟が社会の隅々にまで浸透した近未来。開発者であるコール・エインズリー博士は、更なる高みを目指して日々研究を続けていた。その目標とは、「人生の最愛の伴侶となる相手を人工的に創り出すこと」――。彼の元で働く研究員ゾーイは、ともに過ごすうちにそんな彼の信念や人柄に徐々に惹かれてゆくのだった。次第に心を許しあい、いつしか一線を越えてしまう二人。お互いをなくてはならない存在だと感じ始めていた矢先、ゾーイは衝撃の真実を知ってしまう。なんと彼女自身もまた彼に創り出された〝シンセ〟だったのだ。心を深く傷つけられたゾーイは、彼の元を離れ、一人で生きてゆく決心をするのだが……。高度に発達した近未来を舞台に、自我を持ったアンドロイドと孤独な中年男との恋愛をリリカルに描いたSF・ラブストーリー。ベテラン俳優ユアン・マクレガーがそんな人造人間に恋をするこじらせおじさん役を演じているということで今回鑑賞してみましたが、正直、これがさっぱり面白くなかったです。ストーリーなんてあってなきが如し、とにかく雰囲気に頼りすぎで、全体的にふわふわダラダラした印象しか残りませんでした。これで映像なり音楽なりにセンスがあれば観ていられたんでしょうけれど、それもソフィア・コッポラもどきの凡庸な代物で退屈極まりない。だいたい人工知能と人間との恋愛というテーマ自体、今となってはさして目新しくもないですし。それに後半に唐突に出てくる恋愛ドラッグの扱いもなんとも中途半端。最後の「やっぱり愛って偉大だね」みたいな結論に至っては、あまりに薄っぺらすぎて思わず失笑しちゃいましたわ。という訳で僕はさっぱり楽しめませんでした。映像的にはそこそこキレイだったので、+1点。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-12-18 21:45:08)
126.  オフィーリア 奪われた王国 《ネタバレ》 
言わずと知れたシェイクスピアの古典的名作『ハムレット』を、ヒロインであるオフィーリアの視点で描いた宮廷劇。主役であるオフィーリアを今やハリウッドのトップ女優となったデイジー・リドリーが務め、脇を固めるのはベテランのナオミ・ワッツとクライブ・オーウェンということで今回鑑賞してみました。が、正直さっぱり面白くなかったです、これ。とにかく演出がお粗末すぎ!なんとも分かりにくいうえにさして面白くもないストーリー、揃いも揃って魅力に乏しい登場人物たち、シェイクスピアの元ネタを全く活かしきれていない凡庸な台詞回しの数々……。もう最後までずっとあくびが止まらなかったです。いやー、久々にここまでレベルの低い作品に出会ってしまいました。
[インターネット(字幕)] 2点(2020-12-18 21:39:09)
127.  ジェミニマン 《ネタバレ》 
引退を決意したばかりの超一流殺し屋が逆に命を狙われた!世界トップクラスの腕を誇る彼を追い詰めた者とは果たして誰なのか?その正体は、実は最新鋭のクローン技術で作り上げられた若き日の彼そのものだったのだ!長年の経験を最大限に活かしたベテラン殺し屋と粗削りながらも才能豊かな若手殺し屋。お互い超一流の自分との命をかけた闘いの火ぶたがいま、切って落とされる……。という、いかにもB級なぶっ飛び設定のSFエンタメ・アクション。最新鋭のCG技術で再現された若き日の自分と戦う主人公には、これまたいかにもな人選のウィル・スミス。これで監督がポール・W・S・アンダーソンやリュック・ベッソンといった〝いかにも〟な人だったらたぶん観なかったんでしょうけど、本作の監督はなんと何度もアカデミー賞の栄誉に輝く名匠アン・リーということで今回鑑賞してみました。なんですが、正直イマイチな出来でしたね、これ。とにかく最後までテンポが悪すぎ!こういう頭空っぽにして観るべき荒唐無稽系SFアクションは、もっとサクサク進んでくれないと。だって肝心のクローン殺し屋クンの正体が分かるのは、映画の中盤を過ぎたあたりってさすがに遅過ぎですわ~。あとアクション・シーンが全体的にどれも地味だったのも物足りなかったです。やはりアン・リー監督の丁寧で品の良い演出は、こういうB級作品には不向きだったってことでしょうね。けっこう期待していただけに残念でした。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-12-13 00:02:25)
128.  グッド・ライ いちばん優しい嘘 《ネタバレ》 
長びく内戦の影響により、難民キャンプで過酷な生活を余儀なくされていたスーダンの少年少女たち。先の見えない生活に希望を見失いかけていたある日、政府の救済処置によってアメリカへと移住することが決定する。それまでアフリカの狭いエリアしか知らなかった彼らが、いきなりボストンの大都会で暮らし始めることに――。今まで電話もスーパーマーケットもマクドナルドすら知らなかった彼らは、突然の豊かな生活に戸惑いを隠せない。それでも親切な支援者の協力により、住むところも仕事も見つけることが出来た彼らは、アメリカでの生活に少しずつ馴染んでゆく。だが、長く続いた内戦の苦しい記憶は簡単には彼らを解放してくれない。そう、彼らには自分たちの命を守るために自らを犠牲にして兵士に囚われた仲間の存在があったからだ。そんな彼らが過去を乗り越えるために吐いた〝優しい嘘〟とは?実話を基に、そんな過酷な境遇で育った少年少女たちの人生を淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。冒頭から展開される、兵士たちによって両親や兄弟を殺された彼らの苦難に満ちた半生にはただただ圧倒されるばかり。その地で平穏に生きていただけなのに、たったそれだけで銃を向けられ愛する者を殺されてしまった子供たち。人間の愚かさに、改めて戦慄させられてしまいます。それでも前を向き、ただ「生きていたい」という切実な想いだけを頼りに希望を捨てなかった彼らの姿には心揺さぶられるものがあります。ただ、肝心のアメリカに辿り着いてからの後半部分には僕は残念ながらそこまで嵌まれませんでした。実話を基にしたから仕方ないのかも知れませんが、なんとも地味。事実を改竄しろとまでは言いませんが、それでももう少しドラマティックに脚色しても良かったのでは。それに主要登場人物たち誰もが紋切り方で魅力に乏しいのも残念。もう少しそれぞれのキャラクターに個性を与えて欲しかった。社会の片隅で声にならない悲鳴をあげている社会的弱者たちに寄り添って映画を創ろうという監督のその思いには好感が持てるだけに、なんとも惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2020-12-01 02:30:52)
129.  マリッジ・ストーリー 《ネタバレ》 
情熱的な恋の果てに結ばれたはずの夫婦が迎えた離婚の危機を、ほろ苦いユーモアを交えて描いたヒューマン・ドラマ。監督は僕とはどうにも相性のよくないノア・バームバックだったのだけど、アダム・ドライバー&スカーレット・ヨハンソンという今ノリにノッてる人気俳優が豪華共演ということで今回鑑賞してみました。先に結論を述べさせてもらうと、やはり今回も僕の好みとはどうにも合わなかったですね。確かに、全編に散りばめられたユーモアはどれもセンスがあって大変良いし、ときおり見せる機智と警句に富んだセリフにもハッとさせられるし(特に、キリスト教圏の女性は常に聖母マリアと比べられるというセリフには唸らされました)、役者陣のナチュラルな演技も素晴らしいしで、完成度はむちゃくちゃ高いのは僕も認めるところなんですけども。離婚どころか一度も結婚すらしたことのない自分としては、この離婚あるあるにいまいち嵌まれなかったのも要因の一つかな。まあでも最終的には、好みの問題。僕は本作のいい観客にはなれなかったようです。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-24 00:30:59)(良:1票)
130.  心のカルテ 《ネタバレ》 
摂食障害に苦しむ少女たちが、型破りな精神科医が営むグループセラピーを通して徐々に立ち直ってゆく姿を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。キアヌ・リーヴスがそんな破天荒な精神科医を演じているということで今回鑑賞してみましたが、正直、さっぱり面白くなかったです。とにかく脚本がゆるゆる過ぎます!!最後までダラダラダラダラどうでもいい話が延々と繰り返され、僕はもう退屈で退屈で眠気が止まりませんでした。拒食症の実態も上辺をなぞってるだけの薄っぺらい代物。僕が昔読んだ摂食障害をテーマにした本によると、ある拒食症患者は買い込んできた大量の食糧を夜中中食べては吐き食べては吐きを繰り返すことを止められないそうなのですが、ここにはその悲惨な現実の片鱗すらありません。もう、終始、キレイごと。それにこの少女たちのグループホームに一人だけ少年が混ざっているのもなんか不自然で、これって無理やりラブストーリーの要素を入れたかっただけちゃうんって思っちゃいました。んで、最後はお母さんの腕の中で赤ちゃんごっこしたら、過去の確執も無事解決ってあまりにも浅はか過ぎるっしょ!主役を演じたリリー・コリンズのもはや本当の病人にしか見えないメンヘラ女子っぷりに+1点!
[インターネット(字幕)] 3点(2020-11-21 03:01:49)(良:1票)
131.  ディストピア パンドラの少女 《ネタバレ》 
そこでは最後に残された唯一の希望さえ、今にも消え去ろうとしていた――。謎の伝染病が蔓延し人類の大半が狂暴な化け物〝ハングリーズ〟と化した近未来。人々は強固なフェンスを張り巡らせその中で何とか身の安全を確保していた。軍部が管理する完全に外部と隔離されたその施設内で暮らす11歳の少女メラニーもまた、深い絶望の中に生きていた。彼女をはじめとする十数人の子供たちは常に独房に監禁され、外へと出る際は完全拘束された状態でしか許されなかった。何故なら彼女たちもまた謎の病原菌に汚染されているから。そう、彼女たちは〝ハングリーズ〟でありながらも思考能力を残している新種なのだ。彼らこそワクチン開発の決め手となるかも知れない唯一の希望だった。だが、優秀な科学者のもともう少しで人類の未来を取り戻せそうになっていた矢先、とうとうハングリーズたちによってフェンスが破られてしまう……。滅亡の危機に瀕したそんな未来社会で、明日の光を求めて彷徨う人々を描いたサバイバル・スリラー。といういかにもベタな設定の典型的なB級ゾンビものだと思って観始めたら、意外や意外、なかなかしっかりとした内容でけっこう面白かったです。特にこの人々がゾンビ化する謎のウィルスの発生源がある種のキノコというのは良いアイデアですね~。最後、このゾンビたちを栄養源としていた菌が発芽し、巨大なキノコとなって今にも胞子を撒き散らそうとしているというシーンは絶望感マックスで大変グッド。それに、大量のゾンビたちが徘徊する世界でのアクションもちゃんとツボを押さえていてなかなか楽しい。主人公であるメラニーも保菌者なので、いつゾンビ化してもおかしくないというのも緊迫感があって良かったです。ただ惜しいのは、ここまで徹底的に考えられた設定で始まったお話なのに、後半から徐々にその設定に綻びが出ちゃうところ。まず、日中立ったまま寝ている彼らの近くで間違って音を出しちゃったのに、それに気づくゾンビと気づかないゾンビがいるというのはおかしい。後半、普通に思考能力が残った子供ゾンビが急に出てくるのですが、彼らの存在に一切説明がなかったのも残念。ここら辺の脚本上の詰めの甘さをもう少し何とかしてほしかったかな。とは言え、最後のパンドラの箱の暗喩もばっちり決まってたし、絶望的な世界観もしっかり作り込まれていたし、主人公もけっこう魅力的だったしで、まずまず満足の内容でありました。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-19 23:37:41)
132.  ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 《ネタバレ》 
次期大統領候補として充実した日々を送る美しき女性国務長官と、現在失業中の超イケてない小太りの元ジャーナリストのおっさん。全く違う世界に生きる彼らの人生がある日ひょんなことから交錯し、いつしか恋に落ちるまでをスラップスティックに描いた格差恋愛コメディ。普段、こういった大人の女性向けのちょっぴりお下品なロマンティック・コメディ?は全く観ないんですけど、監督がかつて『50/50』や『ウォームボディーズ』というポップな作品でスマッシュヒットを飛ばしたジョナサン・レヴィンということで今回鑑賞してみました。しかも、お年を召してますますその美貌に磨きがかかっているシャーリーズ・セロン姉さんが主演を務めているというのですから、これは観ないわけにはいきますまい。うーん、確かの彼女の魅力は充分堪能できたものの、肝心の内容の方は僕の好みとはやはり全く合わなかったですね、これ。全編に渡って、とにかく下品!妙に生々しい下ネタ満載で、しかもさして笑えないという、ね。特に後半、主人公がオ〇ニーしてるとこを政敵に盗撮されるシーンなんてあまりにも下品すぎて、もはや嫌悪感すら湧いてきちゃいましたわ。唯一笑えたのは、ネオナチに無理やり彫られたカギ十字のタトゥーが棒人間になってたとこくらい。あと、主人公のこのおっさんがひたすら癇癪ばかり起こしてずっと怒鳴り散らしているのも不愉快千万!どうしてこんなウザイおっさんにこのバリバリのキャリア・ウーマンである国務長官が恋に落ちたのかという肝心の部分も理由づけがかなりテキトーなので、僕は物語に一切入り込めませんでした。そして最後、このおっさんのオ〇ニー動画がネット上に拡散して一大スキャンダルになったのをどう落とし前つけるのかと思えば、ヒロインが「誰だって一人エッチすることあるじゃない。私はそれでも彼を愛しています」と国民に語り掛けたら無事丸く収まって、それで次期大統領の立場も安泰って……。どんなけテキトーなんですか(笑)。そんなわけで、シャーリーズ・セロンの美魔女っぷり以外は一切観るべき部分のない凡作でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2020-11-02 02:02:30)(良:1票)
133.  荒野の誓い 《ネタバレ》 
1892年、いまだインディアンの脅威が去らぬアメリカ南部の田舎町。退役を間近に控えた、かつての戦争の英雄ブロッカー大尉に、恐らく最後となるであろう任務が下される。それは、過去に仲間を惨殺したアパッチ族の首長イエロー・ホークを故郷まで連れ帰るというものだった――。末期の癌を患い、長年囚われの身だった彼を人道的な見地から故郷に帰そうというのだ。殺された仲間のことを思い、当初は断ったものの、軍人としての義務と年金のために仕方なく任務を引き受けるブロッカー大尉。信頼する仲間たちを集め、首長とその家族を連れ荒野へと旅立つのだった。ところが初日、彼は荒野で悲嘆に暮れるある一人の婦人と出会う。話を聴いてみると、彼女はなんと凶悪なコマンチ族に幼い三人の子供たちと愛する夫を目の前で殺されたらしい。絶望の淵に立たされた彼女をそのままほっておくことも出来ず、大尉は彼女を連れて旅を続けることに。だが、目の前に拡がる広大な荒野は彼らに何処までも無慈悲だった……。雄大な大自然を背景に、そんな恩讐の中に生きる人々を冷徹に見つめた西部劇。監督は、『クレイジー・ハート』でアカデミー賞の栄誉に輝くスコット・クーパー。この監督らしい細部にまで拘った丁寧な演出は本作でも健在で、一つ一つのエピソードの見せ方などは相当巧い。特に、家族を殺され天涯孤独となってしまった未亡人が自らの手で家族を埋葬するための穴を掘るシーンなど、その絶望感がひしひしと伝わってきて僕は思わず涙してしまいました。彼女を演じたロザムンド・パイクの素晴らしい熱演は特筆に値します。彼女を助ける寡黙な軍人役のクリスチャン・ベールも渋さ爆発で大変グッド。彼らが大自然の中を旅するシーンは全てが美しく、まるで優れた絵画を観ているようで非常に良かったですね。ただ、残念だったのは後半の展開。てっきりこの凶悪なコマンチ族を彼らが復讐のために追い詰めるのかと思いきや、呆気なくこいつらは第三者に殺されてしまいます。そこから物語としての強度が明らかに弱まってしまったのが惜しい。この家族を殺したコマンチ族との対決をクライマックスに持ってこないとやはりカタルシスが得られませんって!それに、入植者である白人たちとアメリカ先住民族の和解のドラマもかなり唐突でいまいち説得力が感じられない。前半の展開がすこぶる良かっただけに、なんとも勿体ない作品でございました。
[DVD(字幕)] 7点(2020-10-29 00:20:42)(良:2票)
134.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
半地下と呼ばれる、低所得者向けの賃貸住宅に住むとある四人家族。長びく不況のあおりを受け、揃いも揃って失業中の彼らは先の見えない困窮生活を続けていた。便所コウロギや酔っ払いの吐くゲロに囲まれ、スマホも近隣住民の飛ばすWi-Fi頼み、唯一の収入源であるピザ屋の内職も何かと理由をつけて買いたたかれるような屈辱的な毎日。そんな彼らが這い上がるために見つけたとっておきの方法。それは、小高い丘の上の豪邸に住む金持ち家族に〝寄生〟することだった――。浪人中の長男は、娘の英語の家庭教師として。同じく浪人中の美大志望の長女は、幼い息子の美術教師兼カウンセラーとして。失業中の父親は、主に金持ち主人の運転手として。そして母親は、住み込みで働く家政婦として。世間知らずの夫人に取り入り、もともと居た人間を追い出すようにして徐々に家族の中へと入り込む〝寄生虫〟たち。だが、異常を察知したもともとの家政婦が舞い戻ってきたことから、事態は思わぬ方向へと転がり込んでゆく……。韓国映画界を牽引するポン・ジュノ監督の最新作にして、外国語映画として初めてアカデミー作品賞を受賞した本作を今回鑑賞してみました。冒頭から流れるように続く、徹底的に考え抜かれたであろうストーリー構成は本当に素晴らしかったです。貧困に喘ぐ四人家族が、徐々にこの金持ち家族の中へと入り込んでゆく一連の流れはもはや神がかってました。細部にまで拘ったカメラワークに計算されつくした脚本、変幻自在な音楽の使い方など全てに監督の才気が漲っております。そして元々の家政婦が舞い戻って来てからのあっと驚くどんでん返しも見事にやられました。まさか寄生虫に先客がいたなんて!そこからのドタバタも皮肉が効いていて、ベタながらなかなか楽しい。そして最後はポン・ジュノらしく、貧富の格差という普遍的な社会問題へと落とし込む手腕もお見事。貧困家族がどんなに頑張っても消せなかった「臭い」の扱いなど、監督の視線は何処までも鋭く、そして切ない。エンタメ映画として観客を徹底的に楽しませておいて、最後はちゃんと社会問題についても考えさせられるという、アカデミー賞受賞も納得の良品でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2020-10-24 00:06:10)
135.  アマンダと僕 《ネタバレ》 
彼女の名は、アマンダ。何処にでも居るような7歳の平凡な女の子だ。シングルマザーの母親と二人で暮らす彼女は、叔父でその日暮らしの気儘な青年ダヴィットに助けられながら生活している。たまには厳しいこともあるけれど、それでも彼女は大好きなお母さんとこれから先もずっと幸せに暮らしていけると信じていた。そう、あの日を迎えるまでは――。イスラム系のテロリストによって引き起こされた凶悪なテロ。アマンダの母親はテロリストの凶弾に倒れ、呆気なくこの世を去ってしまうのだった。急に独りぼっちになってしまったアマンダは、突然のことに哀しむ間もなく、ダヴィットとともに暮らし始めることに。だが、失ってしまったものの重みは徐々に7歳の女の子の心にも重くのしかかってきて……。常にテロの脅威にさらされる現代のフランスを舞台に、そんな凶悪なテロによって母親を亡くした女の子の心情を淡々と綴ったヒューマン・ドラマ。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、最初は延々と続くこの女の子の日常描写に退屈さが勝り、思わず眠気に襲われそうに。でも、中盤でそんな日常の延長線上に混ざり込んでくるテロ描写にその意図が分かり、そこからは徐々に物語に惹き込まれてゆきました。何気なく自転車を走らせていたら、遠くの方から聞こえてくる救急車のサイレン音、そして公園に血だらけで横たわる被害者たち……。テロがいかに日常を破壊してしまうかが分かり、改めてこの残酷な行為に怒りを覚えます。そして7歳にして、愛する人を突然失ってしまったアマンダ。彼女の哀しみを思うとどうしようもなく切なく、そんな彼女を徐々に受け入れ、ともに一緒に生きてゆこうと決意するダヴィットの心情描写も丁寧でなかなか好感の持てるお話だったと思います。ただ、最後まであまりにも淡々としているため、どうしても一個の物語としては弱いと言わざるを得ませんでした。圧倒的な悲惨な現実に立ち向かうためには、やはりそこには優れた物語がなければならないと僕は思うのです。誤解を恐れずに言えば、これならテロの被害者を追った密着ドキュメンタリーを観た方がいいのではないか。アマンダ役を演じた女の子をはじめ役者陣のナチュラルな演技も良かったし、大切なものを失った人々に寄り添うそのスタンスにも好感が持てるものだっただけに、監督にはもっとフィクションの力で勝負してほしかった。
[DVD(字幕)] 6点(2020-10-19 09:00:52)
136.  ハイ・ライフ 《ネタバレ》 
新たなるフロンティアを求めて、太陽系から遠く離れた外宇宙へと片道飛行を続ける元死刑囚たちを描いたハードSFドラマ。正直、クソつまんなかったんですけど、これ。まず、冒頭のチープな宇宙描写に思わず苦笑い。だって宇宙船の船外で作業をする乗組員が、がっつり宇宙服を着てるのに無重力感がゼロなんですもん。んで、船内に戻ってきた彼が宇宙服を脱ぐと申し訳程度に手袋が宙に浮くんですけど、それも明らかにテグスで引っ張ってる感ありまくり。え、これはエド・ウッドが制作した知られざる作品とかですか(笑)。んで内容の方も変に芸術を気取った独り善がりな代物で、ちっとも面白くもなければ深みもない。無駄にエログロ描写が多いのにも辟易です。あの謎のオ〇ニーマシンに跨るおばさん描写は、演じるジュリエット・ビノシュ含め誰得なの?最後はよー分からんまま、主人公親子がブラック・ホールに突っ込んで終わり……。あまりのテキトーぶりに僕は思わず怒り狂いそうになっちゃいました。そばかす美少女ミア・ゴスちゃんのおっぱいに+1点!
[DVD(字幕)] 2点(2020-10-19 08:01:01)
137.  モーガン夫人の秘密 《ネタバレ》 
1945年、まだ戦争の傷跡が色濃く残るドイツ、ハンブルク。戦後処理のためにこの地へとやって来たイギリス人将校モーガン大佐の妻レイチェルは、現地で接収した民間人の館で暮らすことに。館の持ち主は、戦前ナチスに協力した疑いが持たれている建築家のルパート。かつてナチスの空爆により、幼い息子を亡くしてしまった過去を持つレイチェルは、当然、ルパートを追い出すよう夫に頼むのだった。だが、彼もまた妻を連合軍の空爆で亡くし、しかも幼い娘も抱えているということで、モーガン大佐は彼らと一緒に住むことを決断する。広い屋敷の中でお互いの居住区を決め、極力互いに干渉しあわない生活を心掛けるレイチェルとルパート。子供を亡くした女と妻を亡くした男――。最初は反発しあっていた二人だったが、互いに大切な人を亡くしたことを知った時、彼らはいつしか惹かれ合い、そして越えてはならない一線を越えてしまう……。終戦直後の混乱したドイツを舞台に、許されざる恋に身を焦がす男女を描いた大人のラブ・ストーリー。そんな二人の男性の間で揺れ動く人妻を演じるのは、人気女優キーラ・ナイトレイ。まあ一言で言ってしまうと、いわゆる不倫映画なのですが、正直イマイチな出来でしたね、これ。こういう不倫映画にとってもっとも重要な要素って、「ここでもし私が一線を越えてしまうと後々大変なことになる。でも私、自分の気持ちに正直でいたい……」という、多くの男女が思わず感情移入してしまうであろう背徳感にあると僕は思うのです。対して本作、肝心のこの人妻と男やもめのドイツ人が一線を越えてしまう描写が圧倒的に弱い!だってこれじゃ、夫に寸止めされたこの妻が火照った身体の疼きをどうにも我慢できなくなって思わずしちゃいましたくらいしか理由になってませんもの。せっかくお互い大切な人を亡くした男女というお膳立てが揃っていて、しかも映画の半分近くを費やしていながらのこの体たらく。この監督って実は恋愛経験に乏しい人なんじゃないかしら?そして最後はご都合主義全開、結局誰も傷つかないような甘っちょろいラストに僕は思わず苦笑しちゃいましたわ。うーん、なんとも残念な不倫映画でございました。
[DVD(字幕)] 4点(2020-10-19 07:23:29)
138.  誰もがそれを知っている 《ネタバレ》 
美しい田園風景が何処までも拡がる風光明媚なスペインの田舎町。親戚の結婚式に出席するため、二人の子供たちとともに久しぶりに故郷であるこの地へと帰ってきたラウラ。アルゼンチンで事業をしている夫は急用のため出席することは出来なくなったものの、ラウラは久しぶりに会う家族たちとの再会を楽しんでいた。中には、若いころに情熱的な恋に落ちたかつての恋人パコの姿もあった。そうして始まった結婚式当日。式はつつがなく終わり、皆はそのまま二次会へと雪崩れ込んでいた。だいぶ酒が廻って、盛大に盛り上がる宴席。ところがその夜、ラウラは予期せぬ事態に見舞われることになる――。15歳になったばかりの長女イレーネが何者かに誘拐され、莫大な身代金を要求するメールが携帯に届けられたのだ。突然のことにパニックへと陥るラウラ。元恋人パコの力を借りて、彼女は娘の行方を決死の思いで捜しはじめる。だが、閉鎖的な田舎町では様々な噂や憶測が飛び交い、事態はどんどんと混迷を深めてゆくのだった。果たして娘を誘拐したのは誰なのか?そんな折、ラウラが今までひた隠しにしてきた過去の秘密が明らかになり……。ある誘拐事件をきっかけに炙りだされる、とある家族の秘密を濃厚に描いたミステリー。監督は、前作でアカデミー賞の栄誉に輝くイランの俊英アスガー・ファルハディ。主演を務めるのは実生活でも夫婦である人気俳優ペネロペ・クルスとハビエル・バルデム。僕とはどうも相性のよくない監督の最新作だったのですが、この二人の共演に惹かれて今回鑑賞してみました。確かに、考え抜かれた緻密な脚本や謎が謎を呼ぶミステリアスな雰囲気、役者陣の熱のこもった演技等によって非常に完成度の高い作品に仕上がっていたことは僕も認めます。最後まで観客をぐいぐい惹き込むこの演出力の高さは相当なもの。でも、やっぱりこの監督の作風は個人的に苦手でした。この人って、とにかく登場人物同士をひたすら罵り合わせるのが好きなんですよね~。どんどんと深まる疑心暗鬼から、もう全編に渡って激しい痛罵の応酬。どんなけ喧嘩したら気が済むねん、この家族(笑)。そう言ったわけで僕は今回もやっぱり嵌まれませんでした。こればっかりは好みの問題なので如何ともしがたい。
[DVD(字幕)] 6点(2020-10-17 01:08:49)
139.  ホテル・アルテミス 犯罪者専門闇病院 《ネタバレ》 
2028年、各地で暴動が多発し極度なまでに治安が悪化したロサンゼルス。長年この地で犯罪者専門に営業を続ける闇病院、ホテル・アルテミスはその夜も大忙しだった。銀行強盗に失敗し、警察の手を逃れて駆け込んできた兄弟。謎の組織から依頼を受けてこの病院へとやって来た女アサシン。違法な手法で財を成した、口だけは達者な大富豪。そして、この病院のオーナーで闇社会の大物の息子……。酒が原因で身を持ち崩し、以来この病院の経営を一手に担っている〝ナース〟は、続々とやって来る彼らの対応に手を焼いていた。そんな折、彼女の過去を知るという謎の女性警官がこの病院へと駆け込んでくる。「会員である犯罪者以外は決して入れてはならない」――。長年守ってきたそんな厳格なルールを破ってまで、彼女を迎え入れるナース。果たして彼女は何者なのか?外では暴動の嵐が吹き荒れる中、閉ざされたこの空間でそれぞれの思惑を抱えた彼らの駆け引きが思わぬ事態を引き起こすのだった……。近未来のアメリカを舞台に、そんな閉鎖的な闇病院で繰り広げられる犯罪者たちを描いた密室劇。ジョディ・フォスターが久しぶりに主演を務めたということで今回鑑賞してみましたが、正直、さっぱり面白くなかったですね、これ。だってストーリーが全く意味不明なんですもん。闇病院という設定を全く活かしきれていない演出、そろいもそろって魅力に乏しい登場人物たち、説明不足なまま最後まで取っ散らかったストーリー。もはやすべてが素人レベルだと言っても過言ではありません。どうしてこんなレベルの低い作品に、わりかし有名どころの役者陣が揃っているのかもう意味不明過ぎます。それにしてもジョディ・フォスターは老けましたね~。もはやすっかりお婆ちゃんになっててけっこうショックなんですけど。という訳でいろいろと残念な映画でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2020-10-14 16:46:24)
140.  ヘルボーイ(2019) 《ネタバレ》 
あの地獄のスーパーダークヒーロー、ヘルボーイが帰ってきた!!ギレルモ版前2作の大ファンの自分としては、こりゃ観ないわけにはいきますまい。監督は、その拘り抜いた独自の世界観は素晴らしかったもののお話の方がかなり残念だった『ドゥームズデイ』のニール・マーシャル。いやー、この人の細部にまで徹底的に拘ったであろう唯一無二の世界観は今回も大変素晴らしかったですねぇ~~。何処までもダークでグロテスクなのに、何処かコミカルなこの感じ、めっちゃツボでした。冒頭、悪役の魔女がアーサー王にバラバラにされ、箱に入れられて各地に埋められるシーンからもう摑みはばっちり。特に中盤に出てくる、ヘルボーイを捕える魔女バーバ・ヤーガのあの超絶気持ち悪いフォルムは出色の完成度!!こいつとヘルボーイがキスするとこなんて、数ある映画のキスシーンの中でも屈指の気持ち悪さを誇ってました(笑)。地獄から復活した魔物どもが無茶苦茶するクライマックスもグロさマックスでサイコーでしたし。まあストーリーの方は相変わらずしっちゃかめっちゃかでもう訳分かんなかったですけど。でも、このヘルボーイ君が出てくるとそんなに気にならずに観ていられるから不思議です。それだけこのヘルボーイ君のキャラが立ってるってことですね。うん、面白かった!7点!!
[DVD(字幕)] 7点(2020-10-14 15:55:38)
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