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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1441.  ラビナス 《ネタバレ》 
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』みたいに前半と後半ではテイストが変わってしまう映画。正統的なサスペンス・ホラーで始まったのに、途中からヴァンパイアかゾンビものみたいになっちゃいます。R・カーライルがまるで『28週後...』の高速ゾンビを先取りした様な暴れっぷりを見せてくれてなかなかの好演です。対するG・ピアースも彼が得意とするヘタれなヒーローと言うキャラなので安心して(?)観ていられます。 肝心のカニバリズム描写は特にグロいところもないのですが、実はいちばんグッときたのは冒頭の会食に出てくる妙に血なまぐさいレア・ステーキだったのは皮肉です。でもどうしても監督が『司祭』のA・バードなので、ラストなんかもカーライルとピアースのホモ的なイメージで閉めてきますし、もう彼女の趣味に走った感は否めなかったです。 そしてぶったまげたのはM・ナイマンの仕事とは思えない意表を突く陽気なサウンド・トラック、この先この映画はミュージカルになっちゃうんじゃないかと心配しましたよ。この辺りはD・アルバーンの色が濃く出ていたのかもしれませんね。
[ビデオ(字幕)] 5点(2013-05-29 21:20:27)(良:1票)
1442.  ピラニア 3D 《ネタバレ》 
元ネタがC級に近いB級ムーヴィーだから、これぐらい思う存分監督の趣味が爆発してもちゃんと観られる映画になっているところはお得です。エサになって喰われるのが男もいるけどほとんどが水着ギャルと言うのは実に豪華、なんせジジ・ババのたぐいはひとりも出てこないのがこれまたお得です。 R・ドレイファスの使い方からして遊び心が冒頭から全開ですが、個人的にはE・シューが三人の子持ちの保安官という設定にちょっと衝撃を受けちゃいました。そりゃ良く考えたら彼女も40代も半ばを過ぎた立派な熟女ですし、ティーンエイジャーの息子がいてもおかしくはないんですよね。『ベスト・キッド』や『B・T・F』シリーズの頃を知っているだけになんか複雑な気分です。まあ要は“そういうお前も歳をとっているんだぞ”と言うわけなんですね(涙)。その息子ジェイクを演じている若い役者、名前をスティーヴン・R・マックイーンと言います。そう、なんとS・マックイーンの孫なんです、まだ映画出演は少ないんですがこれからどう成長してゆくか楽しみです。
[DVD(字幕)] 6点(2013-05-27 01:09:45)
1443.  ザ・タウン 《ネタバレ》 
街の雰囲気が『ディパーテッド』に似ていると思ったら、そりゃそうですよね同じボストンでした。銀行強盗と現金輸送車襲撃の発生率が全米一だなんて、NYやロスよりも物騒なところなんでしょうか、ちょっと意外でした。 B・アフレックの『アルゴ』の一本前の監督作ですが、もう『アルゴ』の成功が約束された様なお見事な演出です。ラストの展開には賛否があるでしょうが、わたしはこういうのは好きです。氷が張られて子供たちがプレーしているスケートリンクを見せるラスト・シーンも、『トラフィック』と似ていますがなんか心がホンワカして良い後味が残りました。『ヒート』を強く意識していることは判りますけど、緩急をつけたストーリー・テリングは『ヒート』を超えているんじゃないでしょうか。もっとも花屋のボスを仕留めるところはさすがにご都合主義が目立つのは事実で、その直前のJ・レナーが射殺されるシーンが実に良かっただけに残念でした。 それにしても、レッドソックスのホーム・ゲームでの売り上げが一試合で350万ドルもあるなんて、凄くないですか?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-26 01:45:44)(良:1票)
1444.  バーチュオシティ 《ネタバレ》 
もっと考え抜いた世界観のプロットならば『マトリックス』に匹敵する様な映画になっていたかもしれなかったのに、惜しいことしましたな。そういう凝り方をしないのがB級たるところでしょうが無いと言えるけど、冒頭のヴァーチャル・シークエンスは色んな意味で面白かったのは確かです。 R・クロウのケツまで見せる怪演は楽しめましたね。彼は最近こういうサイコな悪役をやらないので、ちょっと新鮮な感じです。反対にD・ワシントンがこの頃は悪役や屈折したキャラばかり演じているのが面白いところですが、ヒーローばかりじゃなくヒールも演じきれるのが二人が名優の証しでしょう。 この二人以外の登場人物にまるで存在感が無いというのも困ったもので、こういう伏線を張ることに興味がない監督と言うのが時たまいるんですよね。この監督アイデアはいいのに、イメージがそれに追いついていないので色んな過去作から引用しちゃう人みたいです。R・クロウの最期なんて、もろ『ロボコップ2』でしたね。 まあ女性やその道の方々にはクロウのお尻でしょうが、私にはあの伝説の元ポルノ女優のT・ローズが観れたことが最大のインパクトでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-24 00:46:11)
1445.  ユー・キャン・カウント・オン・ミー 《ネタバレ》 
J・タチの『ぼくの伯父さん』を現代のアメリカに舞台を移した様なプロットですが、そこは『ぼくの伯父さん』がメルヘンだったのと対照的にリアルでほろ苦いストーリーに仕上がっています。まず伯父さんがタチの様な善悪を超越した善人じゃなくて、ぐうたらで衝動的な行動ばかりする男なのです。でも甥っ子にとっては彼が呼び寄せる騒動が、これから母親の庇護を離れて社会で苦労するためのちょっと早すぎるOJTなんでしょう。それにしても実の父親が少年にとった態度は、映画の中の出来事とは言え心が痛みました。 L・リニーはこれでオスカーにノミネートされただけあって、さすがの演技でした。このお姉さんが真面目で何事もキチンとして行かないと気が済まないタイプと思いきや、けっこうヒステリックだし裏では腹黒いこともするのが面白い。新任の上司のM・ブロデリックと寝て翻弄するところなんか、自分たちの身の回りにも必ずいそうなタイプの女性でリアルでした。 これまた決して善人ではない姉ですが信仰心は深く、牧師を自宅に呼んで正反対の弟に説教させたりします。妙に宗教臭いところがあるなと思ったら、製作総指揮はM・スコセッシでした(笑)。
[ビデオ(字幕)] 8点(2013-05-22 18:42:43)
1446.  ランブリング・ローズ 《ネタバレ》 
D・ラッドとL・ダーンの母娘共演と言うとどうしても『ワイルド・アット・ハート』を思い出してしまいますが、あんな怪演ではなくて二人とも落ち着いた演技なので安心して観れました。まあ何と言いますか、30年代のアメリカ南部を舞台にした大人のファンタジーと言ったところでしょうか。ローズは男にとっては都合のよいちょっとオツムの弱い可愛い女というM・モンローが得意としたようなキャラなんですが、あのL・ダーンがここまで上手く演れるとは意外でした。のっけからローズがR・デュヴァルのお父さんを誘惑しようとするのでこの映画はどういう方向に行っちゃうのかとハラハラしちゃいましたが、「俺はテルモピュライのレオニダスだ!」と実にシャレたことを言ってローズの色気を撥ね退けちゃうのはさすがです。まあそこら辺が『青い体験』とは違うところなんでしょうね。でもその光景を観て喜んでいるお兄ちゃんと妹のませガキぶりも大したものですよ。 イタリア艶笑喜劇の様なくどさはないけど愛すべき小品だと思います。 
[ビデオ(字幕)] 6点(2013-05-19 19:54:39)
1447.  愛の神、エロス 《ネタバレ》 
このエピソードがM・アントニオーニの遺作になるわけですか。残念ながらアントニオーニという映画作家は私には合わないまま終わってしまったというのが正直なところです。たしかに映像は綺麗なんですけどね、映像詩として観る分にはいいけどあの独特の臭みがダメなんです、私。強いて言えば、「貧乳vs豊乳、みごと豊乳女の一本勝ち!」と言ったところでしょうか。 ソダーバーグの『ペンローズの悩み』ですが、短編としてはまとまっているけど、いかんせん自分には途中でオチが判ってしまったので悪印象が残ってしまいました。 ひとりだけ45分も尺を取っちゃったW・カーウァイですが、この『若き仕立屋の恋』はびっくりする様な傑作なので許しちゃいます。主演はコン・リーだけど、劇中まったく裸体と言うか肌を見せずにここまでエロを表現できるなんて予想外でした。「エロスは手から生まれる」と言うわけなんですが、単なるエロだけじゃなくて、最後に胸に突き刺さる様な悲劇にまで昇華させてしまうところはお見事! 倍の尺にしてもっとじっくり撮って欲しいぐらいです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-15 22:52:59)
1448.  デュエリスト/決闘者 《ネタバレ》 
R・スコットの監督デビュー作にして、映画の神が降臨した傑作。観るたびにため息をつかされる荘厳なラスト・シーン、そしてデュベールがアデルに求婚するシーンで二人の馬までがまるでキスするかの様に頬をすりよせるカット、これらが偶然に撮れたなんてもう神のなせる業だったとしか言いようがないです。剣を使う闘いにはR・スコットのこだわりがよく出ています。特に馬小屋の中でサーベルを使って決闘するシーン、騎兵のサーベルがあんなに重たいものとは知りませんでした。まるでマチェーテか青龍刀を振り回している様な感じでド迫力です。 決闘が罪であるというのは近代市民社会を律する秩序の原点の一つであり、ナポレオン帝政のフランス社会がこの原則を受け入れてゆくのが二人の軍人の立身出世と没落を通して不思議な静謐感を持って描かれています。フェローはもともと決闘マニアだったので、デュベールと決闘を始めたころは大した理由づけは無かったのだが、最後の方では彼との決闘が皇帝ナポレオンとともに没落してゆく自身のレーゾン・デートルとなってしまう。そして王党派として新時代にも席が与えられるデュベールとは対照的に、骨の髄までボナパルティストだったフェローは生ける屍となってしまうのが痛々しい。三角帽をかぶって呆然と立ちすくむフェローの後姿は、過去の人となった廃帝ナポレオンそのものです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-05-14 21:04:48)
1449.  穴(1960) 《ネタバレ》 
冒頭で「この映画は私の体験を友人J・ベッケルが忠実に再現しました」なんて登場人物のひとりであるロラン(つまり彼が原作者J・ジョヴァンニということか)がシャバで語るからてっきり脱獄に成功したのかと思いこんでしまいました(笑)。それがいい意味でラストのサプライズに繋がるのでまあ良しといたしましょう。でもお勤めを果たして無事に出所出来るのなら、『パピヨン』の悪魔島とは違うんで何も無理して脱獄なんかしなくてもと思ってしまいます。このパラドックスを吹き飛ばしてしまうのが、床に穴をあけ地下水道に下り、さらに壁にトンネルを穿つまでのプロセスを見せる音楽をいっさい排した偏執的ともいえる演出です。同年に同様な演出技法を使ったR・ブレッソンの『スリ』も撮られているのも興味深い。 ラストの顛末にはいろいろな解釈が可能ですが、わたしはなんだかガスパールが裏切ったのではないと感じてしまいます。どうとも取れる様に色んな伏線を並べているのは監督の意図であり、このカオスそのものと言った終幕は仏サスペンス映画の良質な伝統を受け継いでいると思います。
[DVD(字幕)] 8点(2013-05-12 23:27:48)
1450.  ブラック・サンデー 《ネタバレ》 
プロットやドキュメンタリー調の映像を使っているところなど、『ジャッカルの日』に雰囲気が似ているなと感じました。『ジャッカルの日』ではターゲットはひとりなのと対照的に狙いは8万人の観衆を皆殺しとグレードアップさせていますが、クライマックスが大群衆の集まる場所で、そこに向けてサスペンスを盛り上げるというあたりはそっくりです。まあT・ハリスの原作自体がF・フォーサイスの『ジャッカルの日』をパクった様なものなので、こうなるのは当然と言えば当然でしょう。 でも映画の出来自体は、F・ジンネマンの『ジャッカルの日』には到底及ばなかったと言えるでしょう。まずスーパーボウルの会場をねらってテロを企む動機が良く理解できない。現在のアル・カイダじゃないんだから、アラブゲリラがイスラエルではなくアメリカ国内であんな大規模な無差別テロを計画するなんてちょっと不自然です。そのテロ自体にしても、しょせんは飛行船なんだからヘリから船体に銃撃されればあっという間に撃墜ですよ。でもなぜか誰も撃たない。この映画の脚本にはこの種のサスペンスに不可欠な緻密さが欠けていて、ちょっと荒っぽすぎます。ラストで飛行船が爆発するシーンも、あまりにチープな映像だったのはがっかりでした。 余談ですが、M・ケラーが看護婦に化けてR・ショーの病室に入りこもうとするシーン、思わずニヤリとさせられました。『キル・ビル』でD・ハンナがアイパッチを付けた看護婦コスプレをするシーンとしてタランティーノが見事にこれを再現しているからです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-11 20:59:36)
1451.  月曜日のユカ 《ネタバレ》 
『月曜日のユカ』の加賀まりこは今や伝説となって語り継がれていますが、これほんとヤバいです、加賀まりこのキュートさは。この映画の有名なポスターなんかは知っていましたが、今回初めて“動くユカ”を観てちょっと大げさですけど頭がクラクラしちゃいました。当時の彼女はB・バルドーと比較されていますが、いやー違うバルドーなんて眼じゃない、そう和製G・ホーンじゃないでしょうか。「男とは絶対キスをしない」なんてまるで風俗嬢みたいですけど、後半で明かされるその理由になんか心が痛むんですよね。ユカという娘はどういうオツムの構造してるんだろうと首をひねりたくなりますが、ぜんぜん悪女ではないというところもミソです。 トリュフォーやゴダールに『狂った果実』を絶賛された中平康が、「俺がヌーベル・ヴァーグを撮ったらこうなるんじゃ!」と啖呵を切っているのが眼に浮かぶ様なスタイリッシュな映像。チャップリンというか吉本新喜劇風のコマ送りコントまで登場しますが、トリュフォーの『ピアニストを撃て』を思い出してしまいニヤリとさせられました。圧巻だったのは中尾彬とユカが会話するシーン、ユカの表情だけを4分15秒の長回しで映し続けるのですよ。 黛敏郎の妙に耳に残る音楽もツボでした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-05-09 22:36:47)
1452.  みんな~やってるか!
今まで4~5回これ観ているけど、このたびやっと通して観ることに成功しました。だって最初のころは、もう30分ぐらいでギブ・アップでしたから。チャンバラトリオが出てくるあたりからは、今でもかなり観るのにしんどい思いをしてます。たけしもこれが監督第一作だったら、もう映画は撮れなかったでしょうね。 それにしてもこの映画、ロンドン映画祭で上演しちゃいくらなんでも拙いだろう…
[CS・衛星(邦画)] 1点(2013-05-09 00:23:19)
1453.  ラスト・タイクーン 《ネタバレ》 
S・フィッツジェラルドの未完の遺作にして最高傑作が、名匠E・カザンのこれまた遺作として映画化されたと言うのは何かの因縁でしょうか。でも残念ながらまとまりのない冗長な作品なのは確かです。脚色はH・ピンターですが上手い脚本とはとても言えない代物で、ラストなんかはピンターお得意の不条理劇風に持ってゆきたかったのは判りますが、上手くいかなかったみたいですね。D・プレザンスがシナリオ書きに行き詰ってクビになる英国人作家で登場しますが、これはまるでピンターのセルフ・パロディみたいです。 むかしからこの映画を一度は観たかったのは、デ・ニーロとJ・ニコルソンの唯一の共演作だったからです。実際ニコルソンが登場するのは後半で20分ぐらいですけど、同じフレームにデ・ニーロとニコルソンが収まって演技しているところが観られたと言うのは感無量です。そのほかにもこの映画は無駄に豪華と言ってよいほど俳優陣です(A・ヒューストンなんてびっくりするほどのチョイ役でした)。これもハリウッド俳優たちのカザンへのリスペクトの顕れだったかもしれません。
[DVD(字幕)] 4点(2013-05-09 00:01:54)
1454.  アレクサンドル・ネフスキー 《ネタバレ》 
チュード湖上の有名な氷上の大合戦は、さすがモブ・シーンが得意なエイゼンシュタインだけあって見応えがあります。ドイツ騎士団の悪逆ぶりも堂に入っていて、子供を次々と火に投げ入れて殺すなぞ、史実かどうかは知らないけれどやってくれます。騎士団の足軽(?)たちが被っているヘルメットがモロに20世紀ドイツ軍のシンボルである石炭バケツ型なのはちょっと露骨です。彼らに付き従うカトリック教会もまるでカルト集団みたいな悪役ぶりで、移動式パイプオルガンには笑ってしまいました。 対するネフスキー公側ですが、公をはじめみんな人間描写が薄っぺらというか無いに等しく、ここら辺はやっぱりプロパガンダ映画だなと感じます。思えば製作された1938年はスターリンの粛清が最高潮だった時期で、ドイツ騎士団の捕虜は解放されるのに内通したロシア人は民衆にリンチされて殺されるシーンなんかとっても意味深。ラストのネフスキー公の演説も、まあスターリンが映画を観ている大衆に説教している様なものでしょう。 この映画の三年後、ネフスキー公が守ったプスコフやノヴゴロドでソ連軍を打ち破って、ヒトラーのドイツ軍がレニングラードまで突進していったというのは実に皮肉なことです。
[ビデオ(字幕)] 6点(2013-05-06 20:19:23)
1455.  灰とダイヤモンド 《ネタバレ》 
第二次世界大戦での連合国戦勝日である1945年5月8日の出来事。NYやロンドンでは大群衆が繰り出してのお祭り騒ぎだったのに、このポーランドでの異様なまでの冷静さと静けさはいったい何なんだろう。まだ正式に共産主義政権が成立したわけではないが、人々が自分たちの国の運命になんの希望も持てなくなっているのが痛々しい。 刹那的に生きてきたマチェクが、恋に落ちて未来を考えようとした途端に悲惨な死を迎えることになるのはなんという皮肉なことか。廃墟の教会でマチェクとクリスチナが教会で話すシーン、カメラの前景にアンチ・クライストの象徴でもある逆さまになった十字架のキリスト像を映すことで、もうポーランドには神はいないんだというA・ワイダの叫びが聞こえる様な気がします。 厳しい検閲制度があった当時ですから、いろいろと意味深なメタファーが散りばめられているけど、そこには詩的なセンスを感じさせられるシーンが多々あります。夜が明けて朝日が室内に差し込んできますが、そのあまりに白っぽい光線は屋外の風景をまったく見えなくしています。ラスト・ダンスを終えてその光の中に入ってゆくカップルたちの虚ろな表情、これぞ戦後のポーランドがたどった歴史のカリカチュアです。 Z・チブルスキー、若死にしちゃったけれど素晴らしい俳優でまさにポーランドのJ・ディーンです。それにしても、J・ディーンをはじめJ・P・ベルモンドや石原裕次郎などこの当時各国にチブルスキーと同じ様なタイプのスターがいたというのは面白いですね。ベルモンド以外はみんな早死にしちゃいましたけど。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-05-04 22:23:37)
1456.  スティング
この後に撮られた同ジャンルの映画はすべて本作のアイデアをいじりまわしていると言っても過言ではないし、中にはそのまんま同じプロットという様なものまであるぐらいですから。 公開当時この映画を観て騙されなかった人はおそらく皆無でしょう。自分も初めて観た時は唖然呆然、ラストのどんでん返しでは観客から一斉にどよめきと拍手が沸き起こったぐらいでした。それはもう巧妙で完璧な出来の脚本のなせる技で、陽気なラグタイムに乗せてラストまでテンポ良く引っ張ってゆく奇跡のストーリー・テリングです。 たった二作しかないP・ニューマン、R・レッドフォード、G・ロイ・ヒルのゴールデントリオが揃った、“コン・ゲーム”ムーヴィーというジャンルを一作にして作り上げた傑作です。
[映画館(字幕)] 9点(2013-05-02 22:10:15)
1457.  キッズ・オールライト 《ネタバレ》 
こんなに本格的なレズビアンカップルのお話は初めて観た気がします、もう法的にも結婚しちゃってティーンエイジャーの子供までいる家庭を築いているんですから。ただねー、このカップルにはとうとう最後まで感情移入できなかったというか好感が持てなかったのですよ。二人の性格付けや子供たちの環境もリアルなんだけど、やや類型的過ぎるのもちょっと気に喰わないところかな。面白いもんで、映画って登場人物の存在にリアリティがあり過ぎると却って感情移入が出来ないものなんです。おそらくこの女性監督もレズなんだろうけど、M・ラファロと浮気をしてもA・ベニングと別れられないJ・ムーアを観ていると、ゲイとストレートという枠組みから抜け出せていない脚本だと思いました。 レズはホモビデオが好きだなんて知りませんでしたが、小ネタとしてはイイ笑いです。でも考えてみると、レズが両親だとその子供はセックスに関して意識することが普通の家庭より早くなってしまうんでしょうね。子は親を選べないというわけです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-29 22:11:12)
1458.  しゃべりすぎた女<TVM> 《ネタバレ》 
まず原題の文字数の多いことにはびっくり、『博士の異常な愛情』といい勝負ではないか。毎度のことですけど、現在進行形の事件を題材にしちゃうハリウッド(この映画はHBO製作のTVムーヴィーですが)のえげつなさには恐れ入ります。でも実際にはこの映画の元ネタとなった事件はテキサスの田舎街で起こったショボいお話しなので、あまりに大げさな原題は一種の皮肉なのかもしれません。そのシニカルな目線は存在感が希薄というか登場人物たちの薄っぺらい造形にも顕れているのかもしれません(これは役者の演技や脚本がヘボいという意味ではありません)。その中でも群を抜いているのがH・ハンターの驚異の演技。あまりにバカバカしくえげつないこの事件が、彼女の怪演すれすれの熱演のおかげでなんかとても教訓的な印象すら覚えてしまうぐらいです。でっかい蜘蛛を握りつぶすシーンには背筋がゾッとさせられますし、あんな目つきでガンつけられたら思わずチビってしまいそうです。B・ブリッジスと車の中で延々と殺人謀議を続けるシーンなんか、もうハンターの演技に釘付けでした。 ラストのこれまた皮肉たっぷりのテロップは爆笑必至です。
[ビデオ(字幕)] 6点(2013-04-28 00:06:20)
1459.  鏡の中にある如く 《ネタバレ》 
ベルイマンの“神の不在”三部作は、トップバッターからしてもう強烈。なんせ神を深く信じるH・アンデルセンは精神異常で、壁を突き抜けて現れた神は蜘蛛の姿をしていたというんですから凄いものです。音楽の劇中での使用は最小限に抑えて、自然の物音を実に効果的に使っているのと、スウェーデンの白夜を美しく撮ったモノクロ映像がとても印象に残ります。重いテーマを扱った重苦しい映画ではありますが、ラストに明るい希望が感じられるところに救いが感じられます。
[ビデオ(字幕)] 7点(2013-04-24 22:34:54)
1460.  アルフレード アルフレード 《ネタバレ》 
D・ホフマンがイタリア映画に出てイタリア語を喋ってる(もちろん吹き替えですけど)というだけでも一見の価値ありです。違和感が最初にはありましたが、だんだん彼がイタリア人にしか見えなくなってくるのはやはり名優のなせる技でしょうか。 イタリア映画のお得意ジャンルである離婚騒動ものでありますが、このジャンルでは離婚するために男と女が奇想天外な手を使って笑わせるというのがお決まりなのに、苦労はするけど離婚自体は至極まともに成立しちゃいます。これは70年代になってイタリアでも次第に離婚がしやすくなってきたことが反映しているのかもしれません。劇中アルフレードは愛人と離婚合法化を要求するデモに参加したりしますしね。でも愛人とベッドに入っているところを警察に踏み込まれたりして驚かされますが、これは当時のイタリアでは男にも姦通罪が適用されたからでしょう。 この映画では離婚よりも結婚生活の苦しみのほうがツボで、悪妻S・サンドレッリとその両親の振る舞いはもう笑うに笑えないレベルです。C・グラヴィーナにしたって、ホフマンとの仲が深まるにしたがってやはり両親との関係や性格など、先が思いやられる展開です。そこら辺はコメディとしてカリカチュアしてるけど観る者にとって身につまされることが多いです。彼女らを笑い飛ばせるのはよほど出来た奥さんを持っている人で、羨ましい限りです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-23 00:13:26)
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