1481. 昨日・今日・明日
つっこみどころの多すぎな第1話、つっこむ所すら無い第2話、ときて3話目のどたばたが一番面白かった。とにかく3話通してソフィア・ローレンが素晴らしく美しい。この人を美人だと思ったのはこの映画が初めて。感情の起伏激しく、わがままなビーナス。ソフィアを堪能したければおすすめの一品。盟友たる彼女を引き立てるべく、だめだめで阿呆に徹するM・マストロヤンニの懐の深さにも胸が熱くなるわあ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-01 00:21:38) |
1482. エデンの東(1955)
《ネタバレ》 「愛を乞う人」カザンバージョン。キャルはさあ、ジミーが演ったから観られるんだよ。あの危なっかしげな佇まいと、物憂げな瞳。彼でなければ、あの年齢で親の愛情をああもストレートに渇望するとは気恥ずかしくて観てられないと思う。適正年齢は10~12才の子の心理だろう。他の人物の造形もちょっと極端だなあ。親父のスーパー謹厳実直ぶりもさることながら、兄貴もさあ、母親が水商売やってるからって泥酔して軍隊へ、ってそこまで捨て鉢になるかー。ホステスはバイキンか。登場人物の中では、自らの複雑な暗さを自覚している兄嫁が意外と一番好感が持てた。 [映画館(字幕)] 6点(2013-06-01 00:10:54) |
1483. 素晴らしき哉、人生!(1946)
《ネタバレ》 若いアメリカの道徳感がまっすぐに作品を貫いてる。人生に必要なのは家族愛と善行。これにて全てが報われる。あまりにまっとう過ぎて青臭いけど、それでもこの種の健全さは生きていくうえでやはり必要だとは思う。天からの計らいが“二級”天使だというのが可笑しいし、自分のいない世界というアイディアも斬新。作品の残り4分の一部分がこの映画のキモ。うまいこと乗せられて、検査役人までもが献金してしまう場面ではうっかり涙ぐんでたりもする。まあ私がもしも存在しなかったとしても世の中いっこうに変わりはないだろう、と心が冷え冷えする想像はしない方が吉ですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-31 00:27:39) |
1484. フォーチュン・クッキー
入れ替わることによって母娘が互いの心を理解する、そこらへんの描写が意外と?上手くて終盤の披露宴スピーチにはほんの少し泣かされました。リンジーのバンドの音楽、かっこいい。そしてジェイミー・リー・カーティスには惜しみない拍手を。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2013-05-31 00:13:11) |
1485. 戦火の勇気
タイトルとオープニングからしてベタなアメリカ万歳ものかと思ったら、ちょっと毛色が違って“湾岸戦争版藪の中”的なテイストだった。この当時は米軍人は本気で「合衆国の平和維持のため」「軍人の義務を果たすべく」戦地へと赴いたんだろうか。十数年後の“ハートロッカー”では軍務は生活の為の仕事であり、戦地での激務を麻薬のような中毒性にも例えていたけれど。それに比べりゃまだずっと牧歌的(?)なこの作品、同胞を誤射してうじうじ悩むデンゼル・ワシントン。同胞殺しなら心が痛むのか。イラク人ならなんともないのか。「間違って殺してしまいました。すいません」と米国人には謝罪に行く。しかし後に結局大量破壊兵器が見つからなくてもイラクには謝らないアメリカ。なんだ結局アメリカ万歳だったのか。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-30 00:33:57) |
1486. ヒトラー 最期の12日間
ブルーノ・ガンツの熱演といい、ナチ高官に激似の役者さんたちといい、崩壊してゆく大都市ベルリンの姿といい、この当時の再現力が凄い。自国の負の歴史を顧みるにあたってもきっちりと正確な仕事をするドイツ人気質を見る思い。際立って自虐に走るでなく、抗弁するわけでもなく、“史実”を淡々と描く。追い詰められる総統ヒトラーの精神崩壊ぶりが迫力ありすぎで150分間釘付けになった。ベルリンを襲う悪夢のような市街戦が凄まじく痛ましく、ドイツの人はこの映画をどう思って観るのだろう。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-30 00:05:43) |
1487. アパートメント(2006年/米国映画)
幽霊なのにこんなに物理的な力を発揮しちゃあ反則じゃないですか。強盗と変わんないよ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-05-29 00:38:05) |
1488. カリートの道
カリート・ブリガンテ、アル・パチーノの色気が最高潮に炸裂している男。女が待っている列車に間に合ったその時の、銃撃戦をくぐり抜けてきた直後の笑み。一発でオチるなこれは。意外と言ってはナンですが縦横無尽のデ・パルマカメラに合わせるパチーノの身体のキレも相当なもの。身のこなしがゼロコンマ速い。す、素敵だ~。パチーノも上手いけど、S・ペンも忘れてはいけないんだった。ぱっと見ペンとは分からなかったけど、器の小さい成り上がり弁護士を見事な卑怯っぷりで熱演。この上手さにたじろがず、一歩も引かないパチーノもやはりえらい。(←贔屓) [DVD(字幕)] 8点(2013-05-29 00:34:29) |
1489. 鳥(1963)
理不尽災害みたいな鳥アタックがやっぱり怖い。カラスなんかがごそーっと群れていると、真っ黒で画的にも不気味で迫力あるもんね。あいつら口ばし尖ってるから怖いんだ。カモノハシみたいな先っぽ丸いタイプだったらそれほど怖くないと思ったり。名作にはなり損なうだろうけど。 [ビデオ(字幕)] 6点(2013-05-29 00:10:08) |
1490. ポルターガイスト(1982)
最近初めてこの映画を観たのだけど、(封切当時はとても恐くて観られないと思っていた)なによりぎょっとしたのは母親が死んだ小鳥をトイレに流そうとしていたシーン。ウソだろー なんて怖くて酷いんだ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-24 22:56:05) |
1491. M★A★S★H/マッシュ
ストーリーが一本の流れでなくて、ぽつ、ぽつと点在しているのに困惑した。後で元TVシリーズなのだと知って納得。TVならば、“今週のどたばた話”として一話一話がすとんとおさまる。最後のアメフトの試合も戦争映画ジャンルとして観ると?だけどTVシリーズなら、なじみの登場人物たちが今週はアメフトやるんだってさ、でいいもんね。でもなんか、そんなに笑えなかった。ブラック・ユーモアというよりは悪ふざけに近い気がする。あの婦長が、最後まで生真面目キャラで押し通すとかしてくれないと。ボケがいないじゃないか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-10 01:06:46) |
1492. ファントム・オブ・パラダイス
悪意も悲劇もデ・パルマの悪趣味が炸裂してて大げさで毒々しい。ラストシーンなんかね、死をもってしても悲劇と受け止めてもらえない残酷さ。胸が悪くなります。残酷の谷に咲く原色のあだ花、かなり良く描けていると思うけどいかんせんあのプロデューサーがケチなチビ男(どこが美少年やねん)なのが説得力に欠けるというか納得いかないというか。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-10 00:40:54) |
1493. シカゴ(2002)
ミュージカルが苦手な向きには鬼門の映画。これ映画というよりもろにショーだった。私は物語が好きなのでやはり楽しめなかった。レニーをマリリンのオマージュに使うには役足らずすぎる。ちょっと怒った。キャサリンのことは初めて魅力的な女優さんだと思った。これだけかな収穫は。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-09 00:49:23) |
1494. フィラデルフィア
トム・ハンクスの演技が凄すぎて、ただただ胸が痛い。こういう話は、なんかもうぐうの音が出ないほど「ごもっとも」なので特に感想もわかない。バンデラスが立派に(?)ゲイに見える!大した役者魂だ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-09 00:33:28) |
1495. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
《ネタバレ》 ひぃー、これは“ミッシング”と並ぶ、“外国で捕まっちまったらエライことになるんだぞ”映画でした。これまた実話というのが恐怖二倍増し。主人公はたしかに馬鹿で愚かなアメリカ人の若者だけれども、当初の懲役で罪は償ったと思うよ。なにも見せしめに終身塀の中でいじめ続けられなきゃならないことはない。彼女との面会の場面は“囚われることの非情”がピークに達して印象強烈。アルバムに「実弾」、このくだりはおお、と思ったものです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-05-09 00:22:03) |
1496. マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
マイケル・ジャクソン最後の姿、最後のダンスシーン。バック・ダンサー達が筋肉隆々なのに比べて、彼はなんて華奢なのか。あの細い線の身体。だからこそマイケルの動きは他のダンサー達より優雅さもオーラもある。もの凄い才能を目にしている、という恍惚感をもたらしてくれる。巨大な才能を同時代に目にすることができて幸せだったなあ、とも思う。自らの芸術に埋没してゆくかのような後半生の彼に、傷ついた小さな男の子が見えて仕方なかったものだった。米国のマスコミが「マイケルは緩やかに自殺した」と表現したのが妙に心に残る。ご冥福を祈ります。きっと夜空に輝く巨大な一等星であってくれるでしょう。 [映画館(字幕)] 8点(2013-05-08 23:56:56)(良:1票) |
1497. スイミング・プール
ミステリアスで艶っぽくて雰囲気一流。シャーロット・ランブリングが年齢を重ねても謎めいたクール・ビューティなのはさすが。フォアグラの缶詰をこっそりくすねちゃう場面は可愛いし、買い出ししてもヨーグルトをボウルに空けてそのままスプーンで食す、ってどんだけイギリス人の調理下手を馬鹿にしてるやら。どうやら妄想に付き合わされてるのでは、と途中でおぼろげに分かってはくるのだけど、それにしても腑に落ちない描写が多かったなあ。考えすぎなのかなあ。まあ雰囲気を楽しむ映画なんだろうな。サニエさん乳出し全開ですし。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-02 00:40:38) |
1498. シャッター アイランド
《ネタバレ》 真実が明かされてからもやけに引っ張るなあ “エンゼルハート”ならとっくに終わってんのにな、と思ったらラスト2分でディカプリオがまさかの決断。ほう。この驚きと哀しみに1点プラスして差し上げます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-02 00:24:52) |
1499. チャンプ(1979)
お涙頂戴映画を作るぞー、とハリウッドが全力を傾注して作り上げた家族愛物語。わかってはいたけど、ここまでやるかと思うほどにべた。作中子供にやたらチャンプ、チャンプと呼ばせてラストなんざ絶叫だ。わかっちゃいるんだけど、それが上手いんですよ、ノセ方が。ノセられて何度も途中鼻すすってしまうんだ。この子役が初めの方で「アンは分かっていないんだ。賭けに負けたらあきらめないと」と気を揉んでいる。チキショー、上手いなあ。これ一発でもうこの子を嫌えない。でも散々泣いたわりに時間がたつとやっぱりそんなに“残らない”んですな こういうのは。あとこの当時のセレブ服であろうひらひらAラインドレスがF・ダナウェイに激しく似合ってなかった。 [地上波(字幕)] 5点(2013-04-27 00:55:27) |
1500. 永遠に美しく・・・
当時映像はここまでいじれるようになったんだぞー、とお披露目したいがために作ったみたいな映画だけど、無茶な話に大女優二人がきちんと乗ってお芝居してるし、翻弄されっぱなしのB・ウィリスのダメっぷりも好感度大。(?)わー腹に穴開いてるー、と気楽にびっくりしたり、イザベラ・ロッセリーニの変な格好に呆気にとられたりできる罪の無い娯楽作です。 [ビデオ(字幕)] 6点(2013-04-27 00:41:15) |