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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2594
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1501.  ブエノスアイレス
地球の裏側で“正真正銘”に愛し合った彼らの想いの行き着いた先は、結局何だったのだろう。巨大な滝に流れ落ちる水のように、様々な想いが渦を巻き、説明を許さないままに靄の中に消えていく。正直なところ、消化不良な感もある。しかし、彼らにとって行き着く先の答えなど、もともと無かったのかもしれない。ただただ無性に愛し、無情に別れる。永遠にそれの繰り返しだったのではないか。 とにかく、ひたすらに愛し合う姿を見せつける俳優たちに圧倒される。実は、あまり同性愛映画は好きではないのだけれど、そこに映し出されたものは、軟弱な拒否反応など一蹴する、世界の果ての純粋すぎる愛の形だった。
7点(2004-11-13 21:52:23)(良:1票)
1502.  茄子 アンダルシアの夏
風のように過ぎていく自転車レースに、主人公の過ぎ去った記憶、過ぎ去った時間、そして今尚つづく葛藤が重なり、駆け巡る。短編の中に、自転車レースに身を捧げる一人の男を取り巻く、あらゆる人間のあらゆる感情を、疾走感と共にみせる構成力が素晴らしい。そして、その珠玉の短編漫画を、目立った脚色をせずに短編アニメ映画として完成させた製作側の志にも頭が下がる。そう、この物語に必要不可欠なのは、リアルタイムで展開される男の“勝負”と“感情”なのだ。そこに余計な説明はいらない。故郷の夏がすべてを解放してくれる。
8点(2004-11-12 21:34:02)
1503.  APPLESEED アップルシード
まさか感動するとは思わなかった。「攻殻機動隊」「イノセンス」などにどうしても面白味を感じることができないタイプなので、原作・士郎正宗という時点で一歩引いてしまい、映画としての力のみなぎる予告編を観ても、劇場に足を運ぶことができなかった。そのことを非常に後悔させる映画世界に対し、喜びと悔しさが入り混じる。何と言っても、ストーリー展開の潔さが素晴らしい。上記にあげた作品などと違い、あくまでストレートに人間、ロボット、新人類らの葛藤を自然な表現で描いたことが、感情の高ぶりに繋がったと思う。そうでなければ、3Dライブアニメという新しい映像世界に存在する、見慣れないビジュアルを携えたキャラクターたちにこれほど感情移入することは出来なかっただろう。価値観はもちろん様々だが、どう理屈をこねようとも、万人が理解してこその“映画”であり、そのことを充分に理解しているこの作品の価値は高い。 「戦いが終わったら、母になりたい」この映画コピーが、クライマックスにかけて実に心に染みる。 
9点(2004-11-12 17:54:40)(良:1票)
1504.  初恋のきた道
映画史において“女優”というものの持つ価値は絶大なものだと思う。映画の物語自体はぱっとしなくても、ただ一人、光を放つ女優がいたとしたら、それだけでその映画は良い映画になる。と言うとまるでこの映画が主演女優の力のみをもって成立しているように聞こえるが、そうではなく、それでも尚、女優の存在を強調したくなるほどに、この映画の主演女優は素晴らしい。女優の魅力そのものに対して、これほどまでに心が揺れ、涙が溢れ出しそうになったことはない。いまや“アジアのダイアモンド”と称され世界中にその魅力を放つ女優となったチャン・ツィイー。その秀麗な原石を生み出したこの映画の誕生と存在意義自体に、壮大な運命を感じ、またじわり涙が出る。
9点(2004-11-11 22:43:36)
1505.  花様年華 《ネタバレ》 
憂い、惑い、迷い、哀しみ……この映画の感情のすべては、マギー・チャンの“腰つき”に映し出される。悩ましげなその曲線美は、秀逸なる官能美と危険な恋の色香に溢れている。マギー・チャン自体ももちろんそうだが、映画全体の艶かしい空気感が圧倒的に美しい。「2046」を観た後に、それが「花様年華」の続編的作品であることを知り、慌てて観たのだけれど、なんだか今作を後に観たほうが、互いの作品の味わい深さをより感じることができるように思う。2作品に渡り、トニー・レオン演じるチャウは一人の女性を想い続けるわけだが、ついに二人は一線を越えることは無かった。そのことが、尚更に切なく、大人の“焦がれ”がじわりと染みわたる。
[DVD(字幕)] 9点(2004-11-10 23:29:07)
1506.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 
真っ当な神経が打ちのめされる。妥協の無い凄まじい映画だと思う。しかしこの物語の論理は成立しているとは思えない。どう考えても復讐の発端と復讐の結末を天秤にかけてつり合うはずがない。軟弱な正論かもしれないが、真の復讐者がある種満足して自ら終止符を打つ……これほど残忍で救いが無く、独りよがりも甚だしい行為はないのではないか。クライマックスにかけて、誰にも感情移入できなくなる。中盤までのライトなノリと台詞回しが懐かしい。それに対する“痛すぎる”結末が絶妙と言う人もいるかもしれないが、それはただアンバランスな心地悪さだと思う。確かに衝撃的だし、重い後味の悪さも作り手の狙い通りなのかもしれない。でも、これでは観客に対しあまりにアンフェアだ。
[映画館(字幕)] 1点(2004-11-08 20:58:37)(良:1票)
1507.  2046
目の前に広がる靄をひたすら掴んでいくような映画だった。散文的で分かりにくいと言えば確かにそうだろうし、誰もが納得のいく映画では決してないだろう。私自身、附に落ちない点は大いにある。しかし、脚本を持たない監督が描き出す映画世界が、真っ当な筋道を立てて展開されるわけは毛頭なく、それが劇中小説、前作からの続編的要素、SF的な世界観をもって成立させようとするのだから、そこに混沌が生じるのは至極当然のことだ。そして、その作品自体の混沌が、トニー・レオン演じる作家の記憶の渦へと巧い具合にリンクしているとも言える。中途半端に描かれる小説内の未来世界など、明らかに“完成”しているとは言い難い映画であるが、その“未完成さ”がウォン・カーウァイ独自の予定調和を完全に逸脱した映画づくりによる妙なのだろう。
7点(2004-11-07 05:20:29)
1508.  恋の門
得体の知れない恋愛模様にどうやったって笑いが止まらない。いや、元来、“恋”なんてものは可笑しさを多分に含んだものなのだ。それまで何の交わりも無かった2人が、ふとしたことで出会い、惹かれあう。なんだか当たり前のように言うけど、こんなに不思議で言葉にならない可笑しさを含んだ現象は他にないのではないか。たぶん、そのことを松尾スズキは誰よりもよく知っている。だって、そうでなければ、こんな最高に奇天烈で幸福で可笑しな映画作れるわけがない。
9点(2004-11-07 04:07:56)
1509.  地球で最後のふたり
正直、“足りないもの”は非常に多い映画だ。そのことがストーリーを展開していく上で、分かりにくさにつながる部分は確かにあり、曖昧な空気感が退屈に感じることも無いとは言えない。でも同時にその物足りなさが、なんだか心地よかったりする。日本人の男とタイ人の女の“片言の対話”が不思議だけれど、とても純粋な人と人との交わりに見えてくる。この監督の前作「シックスティナイン」の印象が強いので、日本ヤクザの登場による抑揚の強い展開を期待したところはあるが、期待を裏切り、美しい映像によってあくまで淡々と終始する映画世界は、洗練された世界の果てを想像させる。
7点(2004-11-06 18:22:23)
1510.  キャットウーマン
“女+猫+ヒーロー=キャットウーマン”この構図は映画の素材として非常にユニークで巧いと思う。 男のヒーロー映画が蔓延している中、「女のヒーロー映画を作ろう!」というのはとても正当な論理であろう。  しかし、そのヒーローをひたすらに正義に没頭させては何の意味もない。 言わせてもらえば、脇目もふらずに正義を貫けるのは、無邪気で幼稚な“男”しかできない発想であろう。 ムカつくヤツは叩きのめし(猫パンチ)、恋もすれば、泣きもする、 そして何よりも“自由”を求める。女がヒーローになるというのはそういうことだ。 この映画はその真理を徹底して表現している。  そして、艶かしいボディを惜し気もなく見せつけるアカデミー賞女優のヒーローっぷり。なんだか大げさだけど、この単純な娯楽映画の中に、荒れ狂う厳しい世の中を己の体ひとつでのし上がっていく強い女の現代像を見た気がする。
[映画館(字幕)] 8点(2004-11-05 00:03:53)(良:3票)
1511.  コラテラル
なにか描かれるストーリー以上のものを観客に伝える映画だったと思う。単純にストーリー展開だけを見たならば、なんだかクールというよりもあっさりし過ぎているように感じるかもしれない。しかし実際に生きている人間たちがみなそうであるように、“一夜の出来事”の終焉は決して夜明けともに来るわけではない。翌朝も、翌々朝もずっとその人間の中に残っていくものだ。それは映画の住人たちにとっても変わりなく、タクシー運転手の人生はその後も続いていくし、死んだ殺し屋の人生を一晩だけで完全に理解するのは無理だ。なんだか、上手く言えないけど、そういう彼らの“一夜の出来事”の前後の生き様を考えさせられる映画だった。そして、最後の最後まで続いた彼らの思想の対立が、心の中をぐるぐると駆け回って、苦しい。
[映画館(字幕)] 6点(2004-11-01 22:36:36)
1512.  笑の大学
もちろん笑える。それは間違いない。そしてそれと同時にこの映画もとい脚本には、喜劇作家三谷幸喜のプライドと意志がダイレクトに表現されている。「笑い」とは何なのか?必要なのか?不必要なのか?自分自身がそれを描き続ける意味は何なのか?三谷幸喜が日々思い悩んだ答えが、そのままこの話であり、喜劇作家椿一のキャラクターなのだと思う。得意の“密室コメディ”の形式だったので、映画的にもっと徹底して密室のみで描くことができれば、さらに面白さは凝縮されたのではないかと思う。しかしそれでも、喜劇作家と検閲官の対話によってのみ紡ぎだされる“笑い”には見応えがあったし、映画化されることによって更に力量が問われる役柄を主演の二人は見事に表現してみせたと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2004-11-01 22:19:58)
1513.  茶の味
この映画は奇妙だ。そしてそれと同時に、とても身近でとても深遠な“幸福”を備えたファンタジーだと思った。突飛なアイデアと抜群の色彩に彩られた映像世界もさることながら、この映画の成功は、何と言っても俳優たちが醸し出すユニークで自然な“鬱積”とそれに対する“解放感”の見事さによるところが大きい。その中でも特に幸子役を演じた若干6歳の女優・坂野真弥のたたずまいは、浅野忠信、三浦友和ら名だたる名優たちを抑えて抜群だったと思う。 “人の生”は「茶の味」だ。いろんな要素がごった返して混ざり合って、苦い旨さが、ほっとする。そしてそれは、宇宙の壮大な混沌とも類似するほど、深く、果てしない。
10点(2004-11-01 21:59:26)(良:1票)
1514.  SURVIVE STYLE5+
怒涛のごとく押し寄せてくる奇怪な人生の“スタイル”。冒頭の浅野忠信のモノローグの通り、彼らのスタイルは、この映画を呑気に映画館で観ている僕たちにはあまりにかけ離れた世界のように思う。しかし、彼ら自身は決して自分たちが奇妙な世界に生きているとは微塵も感じていない。奇奇怪怪な生活を送りながら、もちろん苦悩はするが、彼らの息遣いは実に普遍的なものだ。だから、そんな特異な人生であっても、彼らが日々に感じ取る事は、僕たちのそれと何も変わらない。家族愛、夫婦愛、同性愛…、ひたすらにその中心にあるものは“愛”なのだ。その至極シンプルなテーマをCMプランナーらしいアイデアの羅列の中に描き出す、その画期的な趣向に引き込まれる。 豪華すぎるキャスト陣が揃わなければ成立しなかったであろうこの映画。個人的には、大陸を越えてやってきたヴィニー・ジョーンズの怪演、そして橋本麗香の可愛すぎる“狂気”にぐうの音も出なかった。
[映画館(邦画)] 8点(2004-10-25 18:31:24)(良:1票)
1515.  ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS 《ネタバレ》 
東宝の「ゴジラ」シリーズは大好きで、1954年の第一作目をはじめとしてその殆どの作品を観てきた。  それを踏まえた上で、敢えて言っておかなければならないことは、この日本映画史に残る特撮映画シリーズは、その殆どの作品が「駄作」であるということだ。「ゴジラ」シリーズ全28作品中、「良い映画」だと呼べる作品は、本当に一握りしかない。  そんな中で、第27作目である本作は、意外に良い映画だと思っている。  「ゴジラ」シリーズにおける“良い映画”に共通する特色が一つある。それは、"ゴジラ”と対峙する(闘う)のが、「人間」であるということ。  「駄作」と断言できるゴジラ映画の多くは、ゴジラが登場し、そしてまた別の巨大怪獣が登場し、両者の対決ばかりを延々と繰り返す。 必然的にそこには人間ドラマなどなく、ストーリー性なんてあってないようなものになっている。当然ながら、映画として面白いわけがない。  娯楽映画であろうと、特撮映画であろうと、そこに確固とした人間模様が描かれるからこそ、観客は感情移入し、より一層にエンターテイメント性が際立つものだと思う。  そういった「ゴジラ映画」である前に「映画」として不可欠な要素を、本作はきちんと組み込んでいる。  人間が対ゴジラ用の最終兵器として生み出した“メカゴジラ”=「機龍」の整備士を主人公に配し、人間とマシーンの狭間に生まれる思いを軸に展開するストーリー性は、これまでのゴジラ映画にはない新しさだったと思う。 だからと言って、ストーリーの完成度が高いなんてことはないのだが、少なくともストーリー展開に整合性はあり、白けるようなことはない。  注文をつけるとすれば、成虫・幼虫(双子)と大サービスで登場する“モスラ”の存在性はあまりに無意味だったと思う。 モスラと、この怪獣とセットの“小美人”の存在のせいで、リアリティが大いに損なわれたと思う。(まあ、ゴジラ映画にリアリティなど求めること自体がナンセンスかもしれないが……)  あともう少しキャスティング力にパワーがあれば、更に人間ドラマが際立ったのになあとも思う。  エンドロール後の“バイオハザード”的な更なる続編への煽りも個人的には大好きで、次作にも期待したのだけれど、続いて公開された最終作は、本作とは全く繋がりのない超絶駄作となってしまったことは有名な話。
[DVD(邦画)] 8点(2004-10-25 02:47:09)
1516.  デビルマン 《ネタバレ》 
まったく……。一番目のレビューとして申し訳ないが、言わせてもらいます。  これほどまでに“胸糞が悪い”映画は観たことがない。 日本映画でヒーローものの娯楽映画だから“くだらない”だけならまだ許せるだろうが、娯楽映画としてこれほどの醜悪さはまさに憎むべきものだ。 もう何が悪いどこが悪いと指摘するのも虚しい。まともな神経で作ったとは思えないし、観る側もまともな神経では耐えられないものだ。  上映前の暗がりの中、一人の老人がおぼつかない足で劇場に入ってきた。 そして彼は、クライマックス前もっとも下劣なシーンのところでさらに足元をふらつかせながら途中退席していった。 もちろんぼくはこの映画に何の関係もないが、何だかその老人に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。  まあ、とにかく、映画としてのあらゆる罪を犯した今作を許すことはできない。 そして、もし「この映画は庇護るにたるべき存在か」と聞かれれば…そんな愚問には答える気にもならない。
[映画館(邦画)] 0点(2004-10-12 18:49:52)(良:7票)
1517.  ヘルボーイ
現役俳優の中では最も「怪優」という言葉が似合いそうな俳優=ロン・パールマンを主演に起用したことも含めて、“ヘルボーイ”というマンガ魂爆発のキャラクター自体は非常に良かったと思う。そのインパクトの高いキャラクター性のおかげで全体的に飽きのこないヒーロー映画には仕上がっている。がしかし、手放しで盛り上がれる映画かと言えばそうではないというのが正直なところだ。何と言っても、ヘルボーイ以外のキャラクター(敵キャラも含めて)がイマイチ立っていないのが致命的だ。多弁な半魚人や苦悩する人体発火ヒロインなど面白味の高いキャラがせっかく周りを固めているのに、彼らの活躍はいたって地味なまま終わってしまう。それはそのまま展開の地味さにも繋がっているように感じ、結果的にストーリーの粗が最大限に目立ってしまっている。なかなか憎めないキャラ、憎めない映画だけに、惜しいと思う。
6点(2004-10-10 21:55:22)(良:1票)
1518.  イノセンス
“モノ”を創り出す上で、「凝る」ということは非常に大切だし、作品の価値が高まるほどに不可欠になるものだろう。この映画も「凝る」ということに関しては、極限まで突き詰められている。細部にいたるまでその力の入れようには圧倒される。しかし、だからと言って今作が凄い映画かと聞かれると、そうだとは言えない。これはもはや価値観の違いなのかもしれないが、凝るというその方向性自体が逸脱しているように感じてならない。膨大な専門用語や造語、加えて古文や古い諺の引用によるセリフ回しは、物語を紡ぎ出すにはあまりに混沌としすぎているし、製作者の独りよがりとも言えるのではないかと思ってしまう。描かれるテーマ自体は、濃厚ではあるが実はとてもシンプルなものだ。圧倒的な映像世界の中にもっと単純にその秀逸なテーマを描き出すだけでもこの映画は見事に完成するのではないか。
5点(2004-10-08 14:35:39)
1519.  ダークシティ
前述の評価にもあるが、「マトリックス」三部作を物語の核を電子から精神に変えて100分というコンパクトな枠にまとめ上げたという印象が残る。それをそのまま好評へとすることもできるが、悪く言えばやはり、これほどまでに奥行きのあるアイデアをこの枠で留めるには説明不足な感も拭えない(かと言って、大風呂敷を広げた「マトリックス」がストーリー的に完成していたとは言えないが…)。まあとにもかくにも、期待以上の世界観の壮大さには驚きがあったし、それを描ききった圧倒的なヴィジュアルセンスにも舌を巻くことは間違いない。
[ビデオ(字幕)] 6点(2004-10-03 15:07:26)
1520.  太陽がいっぱい
周知の評価の通り、ラストが素晴らしい。主人公リプレーが一瞬の満足感の末得たものは何だったのか?思惑と異なりすべてが転覆してしまったことを知らないラストの笑顔が何とも愚かしく切ない。しかし、彼は決して何も失ってはいない。なぜなら彼には元々何も無かったからだ。そう思うと、「太陽がいっぱいだ」とつぶやいたあの一瞬こそ彼があらゆる罪を犯してでも得たかったものであり、その瞬間で彼の本望は遂げられたのかもしれない。 何と言ってもアラン・ドロンの美貌とその裏に垣間見せる屈折した感情を抱えた存在感がスゴイ。こういう俳優のことをスターと呼ぶのだとしみじみ思った。今の常識からするとサスペンスとしてのストーリーは安易であるが、偽り、交錯する人間の感情が実にサスペンスフルだ。名作の名にふさわしい傑作。
9点(2004-10-03 13:05:09)(良:1票)
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