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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1501.  イントゥ・ザ・サン 《ネタバレ》 
アメリカ映画にしては日本描写に違和感が少なく、流石日本通セガールの面目躍如といったところでしょうか。お話の方は日本刀+復讐劇という『キル・ビル』の影響を伺わせるもの。ただ、単純バカに徹しているかの作品に比べると、幾分中途半端で物足りない。日本人キャストは意外なほど豪華でしたが、有難味は薄いです。
[DVD(字幕)] 4点(2008-02-23 18:46:09)
1502.  UDON 《ネタバレ》 
香川県民のソウルフード「讃岐うどん」賛歌の映画。弱小タウン誌が讃岐うどんブームを巻き起こす前半と、ユースケが家業のうどん屋を再興させる後半との、実質2部構成になっています。まず前半パートについて。うどん屋巡りに多くの時間が費やされます。地元の素人さんの素朴な受答えは微笑ましいものの、そればかりで単調。タウン誌がみんなに受け入れられていく過程を丁寧に描いたほうが良かったかと。うどんをテーマに選ぶことも、どんな体裁の記事にするかも、営業努力も、サラリと流してしまったのはもったいない。一方、後半のうどん屋復興編では、試行錯誤の過程がきちんと描かれていて良かったと思います。ただ、足し算料理のラーメンなどと比べると、どうしても地味に見えてしまうのが難点。シンプルであるが故に、経験と地道な努力がモノを言う。レシピが分かっても、味を再現できない料理。その奥深さを伝え切れていないように感じました。ユースケと小西の恋物語についても、ドラマが無いので物足りないです。ただ、感心した点もあります。それはうどんを食すシーン。みんなもくもくと食べていました。「おいしい」「ウマい」なんて滅多に言わない。でもそれがソウルフード。特別でないことに価値がある。
[DVD(邦画)] 5点(2008-02-22 19:03:55)
1503.  NOTHING ナッシング
着想は素晴らしいです。哲学的な要素を孕むテーマも悪くないです。ただ、残念なことに面白くないのです。何故でしょう。代わり映えしない単調な画もさることながら、一番の理由はメッセージをダイレクトに表現してしまったことにあると考えます。何もない人生はツマラナイということを、ツマラナく伝えたのでは価値がありません。ツマラナイことを如何に面白く表現するか。そこが監督の腕の見せどころだと思います。主役2人に頼っていたら埒が明かないのはハッキリしています。カンフル剤を打つなり、第3者を投入するなり、エンターテイメントとして成立させるための方策が欲しいと思いました。
[DVD(字幕)] 4点(2008-02-21 18:44:14)
1504.  楢山節考(1983) 《ネタバレ》 
何時から“死”は、忌み嫌われる遠い存在になったのでしょう。核家族化が進み、親族の死に立ち会う機会は失われました。食卓に並ぶ食材も予め手が施されたものばかり。命を奪っている感覚は薄い。ニュースで事件や事故を見聞きしても、所詮は他人事。5分と経たずに忘れてしまう。まだ子供の頃のほうが、死は身近だったかもしれない。昆虫をいたずらに殺したし、ザリガニなんか胴体をへし折ってザリガニのエサにしていた。今となっては、随分可哀想なことをしたなと後悔しています。でも命の尊さを知る経験だったとも思う。忘れてしまった死の感覚は、恐怖に繋がります。分からないから怖い。なるべく遠い存在であって欲しい。カワイイ子猫は抱きしめたいけど、死んだ瞬間から見たくもないということ。でも多分間違っている。生と死は隣り合っているはず。本作を観て気付きました。子殺しに姥捨て。村人にとって死は日常です。死産や幼子を亡くすことは珍しくなかったし、姥捨てだって、いつか自分にも番が回ってくる。村人は死に鈍感なのではなくて、不可避なものとして受け入れているのだと感じました。もちろん自分は今の日本が好きです。自分と他人の命を尊重できる社会がいい。でも「人の命は地球よりも重い」なんてスローガンがもてはやされるのも違う気がする。逃げずに、真摯に死と向き合うこと。それが生を尊ぶことだと思いました。ときに可笑しく、ときに辛くやるせない、村人たちの生と性。自分の歯を打ち砕いた婆さんの想いも、倍賞にとばされて狂ったとん平の気持ちもよく分かる。日本人の文化風俗とその根底にある想いを通じて、生について考えさせられました。
[DVD(邦画)] 9点(2008-02-20 18:08:06)
1505.  コラテラル 《ネタバレ》 
タクシー運転手はこう言います。今の仕事は“つなぎ”だと。将来、会社を経営するための資金集めをしているだけ。殺し屋は言います。人口60億のうち、一人や二人消えたって影響ない。殺しを躊躇う理由はないと。2人の言い分は似ていると思いました。共に自分の心を偽るために、言い訳をしているように見えます。マックスは夢が適わないことに気付いています。ヴィンセントも人殺しに胸を痛めている気がします。現実から逃げているのです。でもそんな事、認めたくありません。今までの自分を否定することだから。自身を欺いてきた時間が長ければ長いほど、もう怖くて振返れないものです。一流の腕を持ちながら、仕事に誇りを持てない2人。不幸なことです。でも決して珍しいことではありません。双方、触れて欲しくない部分を罵倒し合います。それは刀を抜いたのと同じ。もう後戻りは出来ません。タクシー横転以降の展開は、2人の意地のぶつかり合いだったと思います。もはや理屈じゃなく。決着をつけなくては気が済まないのです。親友同士のケンカに似ているかもしれません。その結末が胸に沁みます。何故ヴィンセントはマックスを殺さなかったのでしょうか。スゴ腕のプロが、撃ち合いで遅れを取るはずがありません。そもそもタクシーから脱出した時に撃ち殺さなかったのはおかしな話。つまりヴィンセントは彼を殺したくなかったのだと感じます。共感か、リスペクトか、あるいはマックスの中に自身の姿を見つけたからでしょうか。胸中は分かりません。でも自分の心に正直だったから、ヴィンセントは負けたのだと思います。“殺したくないから殺さなかった”。自分に正直であることは、なんと難しいことでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-19 18:41:49)(良:1票)
1506.  それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ
アンパンマンのテーマ曲『アンパンマンマーチ』の歌詞ってなかなか凄い。とても幼児向けとは思えない味わいの深さです。本作はその歌詞を主題にしたお話。アンパンマンとドーリィの人生観を対比させながら観客へ問いかけます。“あなたは何をするために生まれてきたの?”アンパンマンは知っています。自分が生まれてきた訳を。自分の幸せが何なのかを。だから強い。だから負けない。アンパンマンの強さの秘密は、強いアンデンティティにあることが分かります。だからと言って、誰もがアンパンマンになれるわけではありません。普通の人はロールパンナのように迷えばいい。「分からないまま終わるのはイヤだ」そう思い続ければ、いつか答えは見つかるかもしれない。かく言う自分も未だに迷っていますけど(苦笑)。低年齢層をターゲットにした映画でありながら、大人も楽しめるという点では、劇場版『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』に迫るものがある。大人と子供が一緒に楽しめる貴重な映画だと思いました。
[DVD(邦画)] 7点(2008-02-18 19:15:57)(良:1票)
1507.  白い巨塔 《ネタバレ》 
2003年フジテレビのドラマ版が面白くて、遅ればせながら映画版を鑑賞することに。本作は原作正編の完全映画化。財前の医療過誤訴訟の1審結審までを描いています。続編を含めたテレビドラマを観ている身としては、いささか物足りなさはあるものの、よくぞこの長編を2時間半に収めたなと感心します。モノクロ映画ならではの強みか、オペのシーンがリアルに描かれていたことにも驚きました。
[DVD(邦画)] 7点(2008-02-17 19:14:26)
1508.  スキージャンプ・ペア ~Road to TORINO 2006~ 《ネタバレ》 
DVDで大ヒットしたコンテンツで、もう一儲けしようという思惑がありありと伺えます。多分、最も配慮したのは経費の側面。割安で尺を稼ぐために知恵を絞った結果、このような形態での映画化に踏み切ったものと推測します。だから“何がウケたのか”“観客が望んでいるものは何か”という大切なポイントが抜け落ちたのだと思う。お楽しみのペアジャンプシーンがたったコレだけでは物足りない。実写パートとCGの遊離具合も気になります。それでもこの手法を取るのであれば、↓mkz811さんやsayzinさんがおっしゃるように、後世の人が「本当にあったのかも」と勘違いするくらい徹底したフェイクドキュメンタリーを目指せば良かったと思います。パピコの件はヤリ過ぎです。
[DVD(邦画)] 3点(2008-02-16 19:19:47)
1509.  リンガー! 替え玉★選手権
健常者である主人公が、知的障害者に成り済ましてスペシャルオリンピックスに出場します。目的はスポーツ賭博で大金を得ようというもの。これをコメディにしようというのだから、鑑賞前はかなり不安でした。不謹慎極まりない。笑うに笑えないのではないかと。しかし疑念はすぐに吹き飛びました。丁寧で配慮のある脚本。観客を納得させる術を心得ていました。オチの付け方もいい。その分、障害の描き方はヌルく、ネタの毒を期待する方には物足りないかもしれません。でも自分はこのアプローチで満足しました。素直に笑えました。主人公がみんなに受け入れられた理由。そこに健常者と知的障害者の付き合い方、というより、人と人との繋がり方のヒントがあると思います。大切なのは関心を持つこと。相手を知ろうとすること。そして会話を交わして一緒に行動すること。すべて対人関係の基本です。でも簡単なようでなかなか出来ないこと。先入観や無知ゆえの思い込みで判断してしまうことって意外と多い。あらゆる偏見や差別、いがみ合いの根っこは、そこにある気がする。違いはあって当たり前。そこからどう行動するかで人間の価値が決まる。こんなおバカコメディにだって、自分や世界を変える手掛かりが隠されています。
[DVD(字幕)] 9点(2008-02-15 19:04:47)(良:1票)
1510.  ツォツィ 《ネタバレ》 
ツォツィの表情に惹き込まれました。『3年B組金八先生』第2シーズンの最強キャラ、加藤優(直江喜一)を彷彿とさせる風貌。瞳の奥に、諦めと深い悲しみが見えるよう。人を傷つけたときに一瞬だけ見せる不安気な顔。赤ん坊を眺めているときの温かな眼差し。彼がどういう人物なのかよく分かる。ツォツィは赤ん坊に自身を重ねることで、長い間おざなりにしてきた自らの心と向き合うことが出来ました。本当の自分は何を欲しているのか、何が必要なのか。赤子を両親の元に返す時に流れた涙。それは心の扉が開いたしるしだと思います。自分も一緒に泣きました。本作で素晴らしいのは、主役に限らず役者の技量が総じて高いこと。乳飲み子の母、太っちょの親友に“先生”、赤子の両親。みな台詞に頼ることなく、その心情を観客へ届けることに成功しています。外国人の自分にも伝わってくるのだから本物だと思う。シンプルでコンパクトな構成ながら、大満足の作品でした。一つ引っかかるとすればラストカット。尻切れトンボで、もう1センテンス欲しいと感じます。DVD特典の解説によれば、別のエンディング案もあったとのこと。確かに他の結末に比べれば後味はいいです。自分も監督の選択を支持します。ただ、意図して創り出した余白ではなく、結果的に余白が出てしまったような稚拙さも感じます。編集で尻を切るのではなく、このエンディングのためにもう一手間かけたら、もっと素晴らしかった。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-14 19:48:14)(良:3票)
1511.  NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE 《ネタバレ》 
原作やTVアニメ版との比較はせず、本作単独で感じたことを述べます。まず気になったのが、ハットリくんとケンイチの関係。2人の出会いで一つドラマが欲しいと思いました。ケンイチが主君に相応しい人物と見定めてから主従関係を結んでも遅くない。イジメられっ子だけど心優しい。彼の性格は、後付ではなく最初に押さえておきたい重要ポイントと考えます。次に田中麗奈。キャラ設定、役割、共に粗いと感じます。盲目ゆえハットリくんの姿が見えないという存在価値しか見出せません。(注:触っていない悪党の顔をスケッチしていたことから、実はハットリ君の顔も見えていた?)彼女はキーパーソンと成り得る人物。大切に扱って欲しいと思いました。缶蹴りエピソード。空蝉の術を使ってケンイチは一躍ヒーローになります。チャレンジの重要性を説く感動的なシーン。でも待って欲しい。ブリーフ一丁で走るなんて、ちょっとやり過ぎでは。周りがドン引く可能性も高い。ケレンミのある演出は望むところですが、極端でもいけない。上半身裸くらいで丁度いいと思いました。友情物語として真摯に取り組んでいる姿勢が見えるだけに、ツメの甘さが惜しまれます。
[DVD(邦画)] 5点(2008-02-13 20:08:26)
1512.  さくらん 《ネタバレ》 
さすが写真家監督。原色使いが美しく、一枚一枚の画が実に鮮やかでした。ただ「艶やか」とまでは行かなかったのが残念。本作の狙いが其処に無かったとしても、もう少し生々しさやエロが欲しかったと思います。でないと、主人公をはじめとする遊女たちの心情が伝わり難い。彼女らが抱く切なさや苦しみ、痛みは、心の底に在る想い。同じく生の基礎に位置する性と相まってこそ、強く観客の心に届けることが出来たと思います。オッパイはいっぱいでも全然エロくない。ドロドロに描く必要はありませんが、キレイ過ぎても物足りないです。ビードロの中で泳ぐ金魚は遊女の象徴。囲いの中でしか生きられない。意味は伝わってきますが、画を差し込む頻度が多くて煩わしい。このような表現は、少なく効果的に使ったほうがイキだと思います。ラストは恋する男と逃避行する主人公。お花畑の中を駆ける2人は美しい。でも着の身着のままでは、この先が危ぶまれます。所詮廓を出ては生きていけない身。自暴自棄なのか?いやそうではないはず。本作のメッセージはあくまで前向きだと思う。世俗に捕らわれずに“生きる”ことを選んだのだと感じます。それを印象付けるためには、旅支度くらいさせても良かったと思いました。金魚ではなく鮒。桜ではなく野に咲く花。どちらも美しい。表層の美しさと共に、内面の美しさも描いて欲しかったと思います。
[DVD(邦画)] 5点(2008-02-12 19:01:57)
1513.  実録!?ドキュメント その時… 上島が動いた
上島竜兵は、その存在自体が「芸」なのだと思います。計算では生み出せない、神の与え賜うた“間”を持つ男。笑わせる技術を持った芸人はゴマンといます。でも、笑われる才能を持った芸人はほとんどいません。そういう意味で、上島は間違いなく天才だと思います。そんな上島竜兵の全てが本作には詰まっていました。イチイチ会話に入るテロップ。ただ言いたいだけの「暴走田んぼ」に「38ダッチ」。体を張っているようで、実は全く張っていないのも上島スタイルでしょう。予想を裏切らないグダグダぶりを存分に味わいました。好きな人にはたまらない、そうでない人には1銭の価値もない「上島竜兵の真髄」を見せつけられました。スタッフクレジットは上島竜兵の文字ばかり。まさしく竜ちゃんの、竜ちゃんによる、竜ちゃんのためのロングコント。暇を持て余している上島竜兵ファンなら必見!そうでない方は完全スルーで問題ありません。4点満点で4点。これ、結構マジにホメてます。 竜ちゃん、またね!
[DVD(邦画)] 5点(2008-02-11 18:56:49)(良:2票)
1514.  アルティメット 《ネタバレ》 
もうコレは序盤のアクションに尽きます。駆け登る壁。ビルからビルの飛び移り。マフィアから逃げる裸男の“想像を超えたムーブ”に心が躍りました。アニメやCGと違って生身のアクションには制約があります。だからこそ、その既成概念を打ち破ったときに快感が生まれる。ずっと追いかけっこを観ていたいと思いました。ツカミは完璧。ただ肝心の物語がいけない。結構な復讐物語のはずなのに悲壮感はゼロ。復讐相手の悪の親玉も自滅する始末。盛り上がりません。アクションのスピード感を活かして、物語のアクセルも踏み込めば良かったのではないか。冒頭のエピソードから6ヶ月経過の設定は不要と感じました。妹が悪者に乱暴されるまでの時間的制約を活かさないのは勿体無いと思う。復讐は苦味です。本作が目指す娯楽映画には要らないと思いました。(余談)舞台となるスラム地区の入り口には大きく「B13」の文字が。直訳なら「B13地区」かな。んっ?「ビー13チク」!!こんなところにエロワードが潜んでいるなんて!だからこんな邦題にしたのかと勝手に納得したところ…Bはバンリュー(郊外)の意味だったんですね。
[DVD(字幕)] 6点(2008-02-10 18:26:50)(良:1票)
1515.  ウール100% 《ネタバレ》 
年老いた姉妹の日課は、捨てられたゴミを拾ってくること。ただ世間一般でいう“ゴミ屋敷”の主人とは違います。家内はよく整頓されていますし、無差別にガラクタを拾ってくるような真似はしない。ちゃんと感性にヒットした“可愛らしいもの”のみをセレクト。温かみのある懐かしい物で家は溢れています。序盤で提示される世界観は、まるでおとぎ話。岸田と吉行の透明感もイイ。最初はほのぼの系ファンタジーを予想しました。例えるなら、晴れた日のお散歩。楽しい気分で物語の終点を目指せばいいと考えていました。ところが青天の霹靂。「あみなおしじゃ~」。一人の少女の登場で、様相は一変します。災害必至の集中豪雨。何処を歩いているのかサッパリ分かりません。どうにかゴールまで辿り着けたのは、水彩アニメ等の魅力で気力を養えたから。もし天候の回復がもう少し遅かったら挫折していたと思う。雨水が引いて露になる大地。しかし何処が道なのか分からない。何故姉妹がゴミを集めていたのか?あの少女の正体は?「あみなおし」が示唆するものとは?疑問に対する自分なりの解答は出たものの、それが正しいのかは分からない。でもそれでいいのだと思う。そういう楽しみ方の映画だと感じました。ちなみに自分の解釈は、物語序盤ドライブ中のカップルの会話どおり。編みなおし=産み直し。ハッピーエンドだと思います。それにしても娯楽性が高いのか低いのか判断がつかない。いろんな意味で難しい映画でした。
[DVD(邦画)] 6点(2008-02-09 19:41:59)
1516.  ケータイ刑事 THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森 《ネタバレ》 
(TVシリーズ未見。前作の劇場版は鑑賞済みという立場での感想です。)前作にあった強度の“ゆるゆる感・グダグダ感”は鳴りを潜め、小気味良くなった印象です。堤幸彦監督の『TRICK』シリーズに近いリズムを感じます。TV版『ケータイ刑事』に思い入れのない自分としては、前作よりも本作の方が見易くてイイと思いました。ただしシリーズファンは、前作のようなアクの強い作品を好むのかもしれません。夏服の制服やくのいち風コスプレ等、主演2人の魅力を引き出すサービスカットは目白押し。彼女らのファンなら間違いなく楽しめると思います。個人的に嬉しかったのは、『噂の刑事トミーとマツ』の復活。松崎しげるの口から「トミ子~ッ」という台詞を聴けただけでもう大満足でした。そんな愛すべき2人のオッサンと、一人生真面目な演技を披露してくれた星野真里嬢に加点し、甘めの採点となっておりますことをご了承ください。
[DVD(邦画)] 6点(2008-02-08 19:14:55)
1517.  スパイダーマン3 《ネタバレ》 
回を重ねるごとにアクション性が増しているシリーズ。3作目となる本作は、もはやアトラクションと言っていい出来栄え。水平移動に垂直落下、空間の奥行を活かしたスピード感溢れる戦いにクラクラしました。敵もゴブリンジュニアに砂男、それに謎の寄生生物と盛り沢山。サービス精神旺盛です。アクションだけなら満点級です。ただその分、物語の粗が目立ちました。ご都合主義の展開や設定は目をつぶるにしても、ドラマが希薄になってしまったのは惜しい。テーマが良いだけに尚更そう思います。シリーズで一貫しているのは、根っからの悪人が居ないこと。みな弱い心が産んだ怪物たちです。主人公とて例外ではありません。誰もが悪人になってしまう可能性がある。そうならないために必要なのは何か。愛するMJに伯母さん、親友のハリー、大家のおじさんだって彼を気にかけている。多くの人たちの支えがあって、主人公はヒーローでいられるのだと思います。大切なことを忘れてしまったピーターが心を乗っ取られたのは必然だと思いました。堕ちるのは簡単。でも這い上がるのは容易ではありません。主人公やハリー復活のドラマを淡白に処理したのは勿体無いと感じました。前作には及ばないものの、採点は「十二分に満足」の8点です。続編を期待したいところですが、ハリーのような良キャラを失ったのはデカイなぁ。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-07 19:37:12)(良:2票)
1518.  時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 
音楽が素晴らしい。劇中で流れる情緒溢れる旋律が心を捉えます。エンディング『時をかける少女』も名曲。音楽の力がこれほど威力を発揮している映画もめずらしいと思う。印象を2割は良くしていると思います。そして原田知世。よくみれば結構地味な顔立ちです。でも何でこんなにカワイらしいのか。あの弓道着姿、そしてサービスブルマ。ピュアでノーブルな魅力にメロメロでした。彼女の存在で更に好印象です。ストーリーも切なくて好き。“時は過ぎていくものではなく、やってくるもの”。2人の“初めての再会”は必然の奇跡。情感が溢れてきます。モノクロとカラーの使い分けにコマ落し。突如出てくる書割の背景。どれも作品に懐かしくて柔らかな色を与えています。今まで自分が鑑賞したアイドル映画の中では、群を抜く出来栄えでした。とても好きです。ただ手放しで褒められる訳ではありません。ヒロインもその相手役の彼も、演技は芳しくありません。オチの付け方もいささか強引だと思う。深町くんの独白のみでの真相解明では味気ないです。それに和子のタイムリープの法則もよく分からない。長所も沢山あるけど、短所も目立つ。そんな作品でした。でも「色の白いは七難隠す」とは良く言ったものです。この場合の白はもちろん…。2006年のアニメ版しか観ていない方も、是非本作を鑑賞されることをお薦めします。どちらの作品も味わいが増すこと間違い無しです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-02-06 19:15:18)(良:2票)
1519.  悪夢探偵 《ネタバレ》 
女刑事が殺人鬼(正確には自殺幇助者)へ電話を掛けたのは、捜査協力を依頼した悪夢探偵とリスクを分かち合うため。私も命を賭けるから、あなたも命を賭けてという理屈です。最初から悪夢探偵の助けを期待しているから無茶が出来た。その心の余裕が、彼女から悲壮感を奪っていると感じました。本当に切羽詰っているなら、もっと様々な対策を講じたはず。何も無い部屋へ監禁してもらうとか、仲間に付き添ってもらうとか。限界まで眠らずに居ようと粘ったはず。仮にそれが無意味なことだったとしても、そうせずにはいられないのが人情。彼女の追い込まれ方が不十分だから、夢と現実の区別が容易につく。惑わされずに済みました。「悪夢」を扱った映画にしては物足りない。もっとも本作の致命傷は、女刑事の配役にあると思います。シリアス一辺倒は流石にキツイ。意外とあのそっけない感じは、コメディでイケるかも。
[DVD(邦画)] 5点(2008-02-05 18:54:15)
1520.  机のなかみ 《ネタバレ》 
(ちょっとした驚きでもあった方がお得。未見の皆様はご注意ください。)  男視点で描く前半は、クスクスの連続。下心丸見え男の生態が笑えます。そしてムズ痒い。「私ってそんなに魅力無いですか?」ピュアな瞳で見つめられたら勘違いしちゃう。そりゃする。しますとも。男ですもん。彼女を押し倒した時もそう。一度は涙にうろたえても、ヤッパリ頂けるものは頂きます。この情けなさ!ダメ人間っぶり!恥ずかしながらよく分かる。これが男という生物だと思う。ここで終われば、前作『なま夏』と同じ着地点。後味の悪さだけが残ったでしょう。でも長い前フリでしかなかった。女子高生の視点から描く、物語の裏面が本筋です。彼女が主人公。切ない片思いのお話でした。慕う相手は、親友の彼氏。進めず戻れずの心苦しさが胸を突きます。失意の中、好きでもない男に操を奪われそうになるだけでも十分最悪。オマケに事に及ぶ間際を父親に見られては、万事休すです。扉バーン!で世界は終わる。でもここで濁さないのが吉田監督らしい。更に泥沼に踏み込んでいきます。親友と憧れの彼にもバレて、オケツ丸出しの鼻血ブー。痛々しくて見ていられない。もう絶望するしかない。そんな状況で彼女が交わした口づけは、おそらくファーストキス。半分は錯乱状態のやけくそ。でももう半分は決意の表れだと思いました。彼女は強い。いや女性は強い。主人公も親友も同棲相手も、みんな強かだと思いました。人前で本心を曝け出すのは勇気が要ること。泣くこともまた強さの表れだと感じます。それに比べて男の弱いこと、情けないこと。憧れの彼が言う「今カノのことは好きだけど、君も気になる存在だ」も本心には違いない。でも退路を断った心の叫びと、保身の言い訳とでは値打ちが違う。痛みと惨めさを潜り抜けた主人公と、それを拒否した彼とでは、もはやレベルが違う。主人公は、この彼に見切りをつける時が来るでしょう。最悪の出来事を笑い話に変えられる日もそう遠くないと思う。“振らないバットに球は当たらない”ということを知った主人公。バッテイングセンターのホームラン賞で貰ったタオルで涙を拭きながら、少女は大人になっていく。
[DVD(邦画)] 9点(2008-02-04 19:59:06)(良:4票)
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