1501. 裸のマハ
「裸のマハ」を描いたゴヤとアルバ公爵夫人カイエターナ、それに宰相ゴドイ、そのまた愛人のペピータ、カルロス4世と王妃マリア・ルイーサ、皇太子フェルナンド、この時代のスペイン王室を巡る人物関係は非常に複雑であり、興味がないとなかなかわかりにくい。この映画はまさにその中で起こった事件、カイエターナは自殺か毒殺か、毒殺ならば誰が殺したのか、それは未だに謎であり、仮説として描かれたものだ。 したがってミステリーとして見ても、歴史物として見てもわかりにくいのは仕方ないだろう。それをまたペピータ(現在はマハのモデルとして最有力)にペネロペを起用し、エロティックな要素を取り入れているため、ますますどこを中心に見ればよいのか、わかりにくくなっている。それがまた点数が低い原因かも。しかし、私は結構好きな映画である。ただ欠点はゴヤは画家に見えないし、ゴドイも宰相らしくない。それどころかペネロペはマハのモデルにはまったく見えない。(美しすぎる) [DVD(字幕)] 6点(2012-03-21 22:25:12) |
1502. いつでも夢を(1963)
橋幸夫と吉永小百合のデュエット「いつでも夢を」は、私の少年時代に大ヒットした曲である。そのヒットにあやかって翌年製作された映画だが、やはり橋幸夫を出演せざるを得なかったんだろ。歌はうまいが演技はライバルの浜田光夫と比べようもない。 しかし、この点をのぞいてもまずまずの映画だと思う。三角関係になるところを、平等の権利とやらのデモクラシーに立った青春映画となった。それに定時制高校に対する偏見克服についても・・・。 主題歌だから「いつでも夢を」のメロディーが音楽の主になるが、吉永小百合のデビュー曲「寒い朝」も随所に使われていて良かった。 なおこの後吉永小百合はスター家業の忙しい合間を縫って、大学の二部(定時制)に合格し見事に卒業する。文字通りの実践だった。 [映画館(邦画)] 6点(2012-03-20 12:32:09) |
1503. 花嫁はエイリアン
たしかにおもしいけど、最初は少々馬鹿らしくつまらなかった。本当におもしろくなったのはエイリアンだとわかってから。だけどあの結末は良いのだろうか、疑問に残る。 [DVD(字幕)] 6点(2012-03-15 08:41:56) |
1504. 夜の診察室
《ネタバレ》 オープニングにでかい唇が出てきて、SEX、SEXとささやいた時はどうなるかと思ったが、何のことはない、純然たる喜劇映画だ。性を扱っているから、分類はエロティックになるのかもしれないが、それよりは医学的でまじめである。とにかく変な想像はしないで、映画に集中すべきだろう。19歳松坂慶子の初主演で、峰岸徹がまだ峰岸隆之介と言っていた頃の映画。 軽い作りの映画のように思えるが、同時上映だった関根恵子の「遊び」よりは好きだった。ラストに原爆投下?があるが、見てのお楽しみ。 [映画館(邦画)] 6点(2012-03-12 22:40:34) |
1505. エアポート’75
《ネタバレ》 1970年代「大空港」「ポセイドン・アドベンチャー」からブームとなったパニック映画、その中でもパニックの度合いから考えると最高ではないかと思う。何せ飛行機衝突事故により、飛行士がいなくなるという異常事態だからだ。小説だからとはいえ、未経験のスチュワーデスが操縦したり、飛んでいる飛行機にロープで乗り移るなど、到底信じられない離れ業だからだ。映画を見てるときはスリル満点、大画面の迫力に圧倒された。 しかし映画そのものとしてはどうだろう。乗り合わせた人たちの豪華なキャストの割にはあまり印象に残らなかった。 [映画館(字幕)] 6点(2012-03-12 19:39:19) |
1506. 熱海殺人事件
はちゃめちゃなストーリーだが、いかにもつかこうへいらしい舞台劇。好き嫌いの好みは分かれるだろうが、教育上よろしくない言葉もあり私は減点。舞台の評判は良かったらしいが・・・。 なお70年から80年代の世相が知らないとわからないことがたくさんあるだろうなと思う。三億円事件、日航羽田空港沖墜落事故、三田明、大阪しぐれとか・・・。 [DVD(邦画)] 6点(2012-03-12 00:18:26) |
1507. 夢で逢いましょ
《ネタバレ》 園まり・伊東ゆかりらといっしょに一時代を築いた「3人娘」その中でもひときわ派手な性格で目立っていた中尾ミエ主演の映画だ。 映画の前半はとんとん拍子に話が進み、芸能界ってそんなに甘いものかなと疑いたくなるほどだ。中盤でライバル会社の引き抜きが始まって大騒動になるのだが、映画はとことんおもしろいし、ザ・ピーナッツ、梓みちよ、クレージーキャッツなど当時の歌手がたくさん出て興味深い。(クレージーキャッツで目立っていたのは植木等とハナ肇だけで、谷啓などはトロンボーンを吹いていただけだったけど・・・) 私が一番記憶に残ったのは、それらの歌手のバック演奏の指揮者だ。何とお客さんの方を向き、自ら踊りながら指揮をするスマイリー小原だった。 [映画館(邦画)] 6点(2012-03-10 06:54:42) |
1508. ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ
ストーリーは子ども向きだけどファンタジックで楽しさ満点、結構おもしろい。ラストにはちょっぴり感激。映像も良いが、音楽はもっと良かった。エンドクレジットなんか、本格的で文句のつけようがない。 [DVD(字幕)] 6点(2012-03-07 17:20:53) |
1509. ナニー・マクフィーの魔法のステッキ
《ネタバレ》 ストーリーは単純かもしれないけど、ファンタジックで結構好き。ナニーの顔に最初すごく抵抗あったけど、子どもたちがひとつ学ぶたびに顔が変わっていくというのがおもしろい。原作を思い切り変えて、脚本を書き、主演したエマ・トンプソンに拍手を送りたい。もう少し洗練されていればなお良いが・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2012-03-06 23:20:31) |
1510. 東京キッド
歌は前作の「悲しき口笛」にかなわないけれど、映画はこっちの「東京キッド」の方が好き。 花菱アチャコ、榎本健一という喜劇役者が加わっただけに、映画全体がコメディムード、特にエノケンのとぼけ具合が良い。花菱アチャコはラジオドラマ「お父さんはお人好し」でさかんに聴いただけあって、あの独特なしゃべりが懐かしかった。 [DVD(邦画)] 6点(2012-03-01 21:27:18) |
1511. ヒューゴの不思議な発明
《ネタバレ》 子どもの頃赤と青の色がついた眼鏡で見る立体映画というものもあったが、3Dと呼ばれるものは生まれて初めてで、画面に気をとられてストーリーがよくつかめなかった。 終盤、リュミエール兄弟の映画「ラ・シオタ駅への列車の到着」やメリエスの「月世界旅行」などが出てきて興味深かったが・・・。 [映画館(字幕)] 6点(2012-03-01 19:05:37) |
1512. 悲しき口笛
映画自体は決してすばらしいとは言えないが、戦後の天才歌手美空ひばりの映画とあっては貴重そのもの。大人顔負けの歌は、歌謡曲演歌が好きでなかった私の耳にもしっかり残っている。日本全国が美空ひばりのファンのようだった。 [DVD(邦画)] 6点(2012-02-29 17:40:58) |
1513. 小さな恋のメロディ
《ネタバレ》 初演の時、すでに教職に就いていたので、教師の目からのコメントですが・・・。 歴史の授業でウェリントンのイベリア作戦がテーマ、それを「STMTBMC」と覚えさせる試験のためだけの授業、それに対しオーンショーが「なぜスペインと戦ったのですか」と質問する。これはとても意味深なシーンだ。 子どもの純粋な疑問「なぜ」に正面からきちんと答えていかないと、大変なことになると思う。大人を信頼することなく、無知なままとんでもない方向へと発展してしまうのだ。 幼き少年少女の「結婚する」という宣言はまさにそれだった。結婚が何かを知らず、ただ一緒にいたいという願望だけだったのに・・・。 「オリバー」で主演したマーク・レスターだったが、3年たってもまだ幼さが残る。女の子メロディの方が年上に見えるくらいだった。 [映画館(字幕)] 6点(2012-02-28 21:35:11) |
1514. グリーン・カード
《ネタバレ》 男はグリーン・カード(外国人永住許可証)を得るため、女は大きな温室つきのアパートを借りるために偽装結婚をする。それでバイバイとなるはずが、移民局の入念な調査には参った。何でここまで調べるの?と思うくらい。それくらい移民問題は深刻なのだろうが、そこは映画、コメディ風に軽いタッチで進む。 でもやっぱり、奥さんの化粧品となると知るかっ、知らないのが普通だろう。知らないですませろよと応援。ラストの抱き合う姿にも温情なし(たぶん) ところであのピアノ演奏、前衛的なものかもしれないが、でたらめに弾いているようにしか思えないが・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-27 22:17:29)(笑:1票) |
1515. 小公子(1936)
先にリトル・プリンス(1980)も見ていたし、子どもの頃絵本や小説などで親しんだ物語だったので、すんなりと見れた。伯爵をオーブリー・スミスが演じているが、さすがにアレック・ギネスにはかなわない。しかし全体的にはよくまとまった映画であり、原作の雰囲気をよく表していると思う。 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-24 06:30:59) |
1516. 二都物語(1957)
《ネタバレ》 チャールズ・ディケンズの有名な小説で、サイレント時代より何度も映画化された物語である。しかし、1935年の米国映画「嵐の三色旗」とこの映画以外は見る機会がない。それで嵐の三色旗との比較になるわけだが、原作が同じだけに大筋同じとも言える。いやむしろ細部では三色旗では省かれていた部分も映像化されていて、こちらの方がより詳しいし、原作に近いのではないかと思う。それでは三色旗よりも優れた映画かというとそれはやや疑問。この映画の最大のテーマ「献身」ということでは一歩譲るような気がする。 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-23 18:58:54) |
1517. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 米ソ宇宙開発競争、アポロ計画の最中に作られた映画で大いに興味を持った映画である。しかし映画が始まって大変驚いた。音は鳴れど映像は出ず、ツァラトゥストラが演奏されたかと思うと猿の映画(猿の惑星ではない)、そして美しき青きドナウ、本当に映画はいつ始まるのだといらいらしてしまったのを覚えている。 映像は大変美しく目を見張るものがあったが、ストーリーはほとんど覚えていない。後半に大型コンピューターが出てきて、人間とコンピューターの闘いになってようやくおもしろくなった。 そのときは映画は半分の長さに縮められると思ったし、どうして高評価なのかもわからなかった。 [映画館(字幕)] 6点(2012-02-21 18:27:57) |
1518. ジェシカ・アルバの “しあわせの方程式”
予告編を見て興味を持ち、見た映画(日本では未公開)だが、いまいちピンと来なかった。原作を読めばもう少し親しめるかも・・・。 映画の中で、モナと子どもたちが数字遊びをするのがほほえましい。 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-19 09:54:29) |
1519. バグダッド・カフェ
砂漠の中のオアシスという感じで悪くない。夫に置き去りにされた女と夫に逃げられた女、やはり相通じるものがあったのだろう。最初はうまくいかなくても、手品という魔法で万事うまくいく。主題歌はもちろんすばらしい。蛇足ながら映画の完全版は108分 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-19 00:12:29) |
1520. 私のちいさなピアニスト
《ネタバレ》 べたな展開のヒューマンドラマだが、それでいて心に響くものがある。ヒロインの女の子もちいさな男の子も心に傷を持っている。だから男の子にいくら天分があっても一朝一夕にはいかない。このジグザクを繰り返しながらふれあっていく過程が実に良い。そしてピアノが弾ける(実際に賞をとったことのある)男の子が演じたので、音楽が生きている。(ドビッシーのアラベスクは見事) [DVD(字幕)] 6点(2012-02-16 00:11:20) |