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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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141.  ライアー ライアー 《ネタバレ》 
ジム・キャリーのデタラメ演技を軸に、最後はちょっと感動チックに綺麗にまとめた感のあるファミリー・コメディですね。ジム・キャリー以外の役者がこんな演技すれば巫山戯るなと言いたくなるが、彼なら何故か許せちゃうから不思議。 子どもの誕生日の願い事がホントに叶ってしまった!という荒唐無稽な話ではあるのですが、その結果主人公が嘘を付けなくなる現象を割と周囲の人間が簡単に信じてしまうので、ややリアリティ・ラインの設定に甘さを感じました。「ファミリー映画だから」という言い訳が立つ気もしますが、それにしては結構キワどいベッドシーンもあったりと、結局どの層をターゲットに作られたのか良く分からない映画ではありました。 あと主人公の奥さんとデキているジェリーが完全な所謂当て馬だったのも少し残念。特に彼に対してフォローもありませんでしたし。
[DVD(字幕)] 6点(2014-03-16 19:06:53)
142.  少女は自転車にのって 《ネタバレ》 
非常に優れたキッズ映画であり、女性映画。ある物(本作の場合は自転車)が欲しくて頑張る子どもの姿を描いた傑作は『運動靴と赤い金魚』など多々ありますが、本作の場合はその"自転車"に強い意味が込められており、近所で売られているちっぽけな一台の自転車に乗り少女・ワジダが駆けるシーンに爽快なカタルシスを感じられる作りになっていた思います。 サウジアラビアでは近年ではやっとこさ変わりつつあるとは言え、女性は車を運転出来ません(それだけの能力が女には欠如していると見なされている)。そんな環境の中でワジダは自転車に乗って、友達の少年と競争したいが為にあらゆる努力を尽くし、自転車に乗ろうとする。自転車に乗るワジダは見てわかるとおり女性解放のメタファーです。その対比として随所で女性の権利が失われているサウジアラビアの現状を映し出す。年頃になるとヒジャブ(体をスッポリと隠す真っ黒なスカーフ)の着用を強要され、結婚相手以外の男性に肌を見せてはならず、既婚女性は旦那を喜ばせることが至上命令であるかの様に振舞わなければならず、世継ぎを産めない体になるとお払い箱。そんな現状を淡々と描いてきた後に、ワジダが自転車に乗って駆ける姿がなんと爽快感に溢れていることか。 同時にこれからのサウジアラビアの女性の行く末も暗示させる。自転車に乗ったワジダは力強くペダルをこぐ。辿りついた先は大通り。車が猛スピードで行き交う。そこでワジダは立ち止まるがその目線は確りと前を見つめている。目線の先は暖かい光で満たされている。 今後、サウジアラビアの女性にはまだまだ困難が降りかかるでしょう。パキスタンで暗殺されかけた女性運動家、マララ・ユスフザイさんの例を取っても、イスラム教圏で長く続いてきた男性優位社会はまだ根深く息づいている。それでもワジダは自転車に乗って前を向く。その姿には茫とした不安も感じるが、それを上回る希望が見い出せる。全ての女性に贈りたい良作です。
[映画館(字幕)] 8点(2014-03-16 12:02:41)(良:1票)
143.  ホビット/竜に奪われた王国 《ネタバレ》 
正直言っちゃうと、結構ストーリーに問題がありますよね。一番気になってしまうのは、原作に登場しないタウリエルとレゴラスの二人。やっぱり二人が登場する意味合いは余り感じられず、特にレゴラスの方はLOTRのファンへのサービス&割と一本調子の原作へのスパイスの役割なのではないかと邪推してしまいます。急流下りとかアクションが必要だから仕方なく入れたシーンですよね……。 他には溜めがクドいのも考えものです。ピーター・ジャクソンの映画には今までも良く感じていましたが、「ドキドキするまで溜めといて→何もなかったorギリギリ大丈夫だった」という演出が多いですが、本作でもバッチリ健在。あと呪いで朦朧とした状態のキーリがタウリエルを見るシーンで、タウリエルに後光が差す演出はいくらなんでも陳腐だと思うぞ、ピーター・ジャクソン。 結構無理矢理な展開も多いですよね。あの無数の財宝に埋め尽くされたスマウグの巣からたった一つのアーケン石をビルボが見つけ出すのは迚も無理に思えます。文章なら何故アーケン石をビルボが見つけ出すことが出来たのか、それなりに説得力もありますが、映画だと偶然発見した様にしか思えません。 しかーし、このシリーズのファン(と言うか信者)からすれば、またしてもピーター・ジャクソンがあのハイ・ファンタジー世界を完璧な映像で見せてくれるだけでも正直なところ満足してしまいます。人間の想像力は無限で、誰だって目を瞑ればそこに自分の考えるファンタジー世界を描き出すことは出来ます。しかしそれを映像化することが如何に困難なことであるか!闇の森、ドル・グルドゥア、エスガロス、そしてエレボール。自分が思い描いていた世界そのものでした。 まあ実際映像が一番の魅力になってしまっている作品だと思うのですよね。でも私は満足しちゃいました!
[映画館(字幕)] 8点(2014-03-13 22:37:55)
144.  抱きしめたい ―真実の物語― 《ネタバレ》 
白状すると地雷臭がしていたので観るのを躊躇っていた作品でした。塩田明彦監督は優れた作品を沢山撮っていることは存じていましたが、個人的には『どろろ』の監督のイメージがどうしても払拭できず、また主演の北川景子と錦戸亮も取り立てて好きな役者でも無く、止めにストーリーはお涙頂戴映画にお馴染みの「障がい&病死」と来たもんだ。 でもある評論家がベタ褒めしていたのを見て、考えを改め鑑賞してみました。その結果、実に堂々とした恋愛映画だと思いました。万人にお勧めできる上質なラブロマンスです。 この映画、とっても主人公二人が自然体なんですよね。別にアドリブ演技が良いとかでは無くて監督の撮り方が上手なのだと思います。あらゆる場面で頻出するロングテイクはこのカップルが本当に普通に生活している、実在しているカップルだと信じ込ませてくれます。出会いから、二人の距離が縮まっていく過程、愛し合うようになってからの距離感がとても自然に写っていて、本当に只のカップルの生活をのぞき見している様な感じ。 「そんな普通のカップルの生活なんて面白いの?」と思いそうなものですが、要所要所で締めるところは締めている。特に誰もいないメリーゴーランドで初めてキスをする場面、事故後のリハビリに苦しむヒロイン・つかさの地獄の様な日々、は役者の演技を含め素晴らしかった。 どうでもいいですが、私が観た回の観客は私一人だったのですが、本当に良かった。上映後、おっさんになりかけの男が一人で泣いているのは流石に見られたくないぜ。何が言いたいかというと、女性だけでなく男性にもおすすめできる恋愛映画だってことです。こういう恋愛映画を今でもテレビ局が製作できるとはー。やっぱり映画は観るまで分からない。
[映画館(邦画)] 8点(2014-03-12 00:00:33)
145.  映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊 《ネタバレ》 
個人的に今回のドラ映画は安牌を切ってきたなという印象です。ファンも多いリメイク元の『のび太の大魔境』から殆どディテールを含め変更しないという徹底的な作り。「じゃあ今リメイクする意味ないだろ」と言うと、そう言う訳でもなく、ハッキリとオリジナル超えをしている点もあったと思います。 一つは美術について。この映画はジャングルやサバンナ、渓谷が舞台となるのですが、その背景が本当に綺麗です。そりゃジブリの『もののけ姫』とまではいかないものの、そんじゃそこらの劇場版アニメとは思えないレベルだと思います。特に終盤、火に包まれたジャングルは影の揺らぎも含めて凝っていたなぁと。これは絶対にオリジナルを超えている部分。勿論、それだけ時代が進んだってこともありますが。 もう一つは省略の演出が見事でした。物語の終盤、ジャングルが火に囲まれ一行が絶体絶命のピンチに陥り、ペコが敵にひとりで立ち向かおうとしますが、そこにジャイアンが居てもたってもいられなくなり助勢する。のび太、しずかちゃん、ドラえもんもそれに加わる。このシーンをキャラクターの声を抜きで動きだけで表現する。ベラベラ喋ってしまうより、遥かに映画的な場面でした。正直こういう演出を旧ドラの監督が出来るかというと私は出来ないんじゃないのかなと想像します。 反対に残念だったのは、予言が実現し未来からやってきた5人が戦いに加わるシーンで、とってもお気楽なテレビ主題歌を流しちゃうこと。ここはもっとテンションがアガるBGMを使って欲しかったなぁ。それから結構恰好いい敵役として登場したサベール(敵の近衛隊長)の相手が、剣の腕に覚えのあるペロではなくのび太になってしまうのもなんだかなー。ペロは正直この映画で決定的な活躍を見せてないんですよね、サベールを倒したのはのび太だし、敵の軍勢をやっつけたのはブルススと未来から来た5人と巨人像なんだもの。敢えて言えば雑魚っぽい二人組をやっつけた位でしょうか。そこはペロにも活躍の場をあげてやってもいいんじゃないの?折角、お忍びで剣の稽古までしてたのに格好つかないよ。
[映画館(邦画)] 7点(2014-03-10 21:32:28)
146.  リンガー! 替え玉★選手権 《ネタバレ》 
「主人公がスペシャルオリンピックス(知的発達障害の人達が参加するスポーツ大会。日本もよく各地で開催してます)にスポーツ賭博で勝つために障がい者のマネをして出場する」。あらすじだけ聞くと胸くそが悪くないような話ですが、どっこいこれが感動できる上質なコメディとなっています。 まず主人公の設定が上手く、彼に観客が不快感を抱かない作りになっています。主人公のやっていることは最低ですが、彼は最低であると初めから自覚しているし、そもそもそんな行為に及んだきっかけは職場でクビにされそうだった知的障がい者の男を自分で雇ったから。教会に懺悔しに行ってますし大抵の人が彼を好きになるのではないでしょうか。 そんな好意的な主人公の周りで、知的障がい者を食い物にするテレビ局?の奴ら、障がい者に優しいフリをして女の心を掴もうとする男(コイツが本当に最低)、一人前の人間として知的障がい者を扱おうとしない主人公の叔父(コイツも最低。Retardと呼んだりする。許せん)が登場し、世間に蔓延する差別を描写していく。この辺りのセンスは製作のファレリー兄弟の手法に近いですね。 キチンと主人公の成長物語ともなっているのが、基本を押さえた映画という感じで良いです。ギャグも洗練された感じで楽しく笑えるものばかり。これを制作のファレリー兄弟が監督していたら下品なギャグの釣瓶落としになっていたことは間違いないので、やや控えめなコメディ演出の監督にして大正解だったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-09 21:42:54)(良:1票)
147.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
メロドラマの傑作として名高い作品。観終わった感想は率直に言うと「フツ~」という感じでした。勿論、主役の二人が辿る悲劇には感動させられてしまいましたが。特にジョヴァンナがやっとのことでアントニオに会えたのに彼は既に結婚してて子どもまでいる、その現実に打ちのめされて列車に飛び乗るシーンは良かったです。 オープニングとエンディングの向日葵畑の映像は圧巻でした。
[映画館(字幕)] 7点(2014-03-03 20:23:33)
148.  ライラにお手あげ 《ネタバレ》 
おお……、これは酷い。いや非道い映画だ。こんな映画をあのファレリー兄弟が撮った(脚本まで!)とは思いたくないし、すごく悲しい。 とにかくこの主人公は今すぐメキシコの鮫の餌にするべき男です。結婚して発覚した奥さんの素顔や悪癖に嫌気が差して、ハネムーン先で他の女に乗り換え様とする辺りから可也イライラが溜まってきましたが、その後本当に乗り換えようとしてミシシッピまでストーキングする様子をまるで美談として演出しているのだから怒りは沸騰寸前に。ラストで「実はミランダもエディを愛していたから追いかけて来た」という展開は100歩譲ったとして、その場でもちゃっかり既に再婚していたエディが奥さんをライラと同じ手口でお払い箱にしようとして→END!ってふざけんじゃねー。久々に映画を見て怒り心頭しました。コメディだからって小粋に終わればなんでも許されると思うなよ! 結局、エディの友人と親父さんの言葉が全て正論に聞こえるんだよな。そりゃ結婚すれば相手の嫌な部分は見えるし、新婚(ハネムーンなら尚更)だったらパートナーを楽しませようと尊重することが大事でしょ。加えて言うならばライラは普通に真剣にエディを愛してただけですよね。普通に良い奥さんだろう(そりゃあの体位を強要されるのは40男はキツイかも知れんけどさ)。 賭けてもいいがこの主人公はミランダと結婚したとしても直ぐに愚痴を言い出すに違いない。ミランダも最後にこんな詐欺師男に引っかかって残念な限りだよ。 個人的にファレリー兄弟のコメディセンスは大好きなので笑えるところは笑えましたが、とてもじゃないけど良質な脚本とは思えない。と言うかとにかく不快。 あとファレリー兄弟には良くあることだけど、今回はロケ地の関係もあってか知らんが単調な空撮を多用し過ぎでは?殆ど意味ないんだもん。切れば上映時間90分で済みますよ。
[DVD(字幕)] 2点(2014-03-03 14:04:12)(笑:1票)
149.  惑星ソラリス 《ネタバレ》 
映画史という客観的な立場から考えれば紛れもないSF映画の金字塔ということになるのでしょうが、主観的ですと個人的にはコレ位の点数です。私の凡庸な頭では各シーンに織り交ぜられるイメージが何らかの"意味"を伴っていることは理解できるものの、それを特定するまでは迚も至らなかったです。しかしながら、あらゆる考察が可能であり、実際にこの作品に対する研究もされており、色々な評を読むに映画史にとって非常に重要な作品の一つであることは疑いようもないと理解している事は明記しておきたいと思います。 また、ソラリスの海の表現や、オープニング・エンディングに共通する水滴の描写、その捉え方の美しさに見入ってしまった場面も多々ありました。 但し、簡単に断じてしまうならば、観ている最中と観終わった時の気分は唯々只管に「眠い」としか言い様がなく、どれだけ偉大な作品であっても私にとっては観続けるのが辛かったと言わざるを得ません。 しばしば引き合いに出されることも多いらしいので気が引けますが、この辺りの感覚はキューブリックの『2001年宇宙の旅』を思い出します。 どうでもいい余談ですが、所見時、焼酎をやりながら鑑賞したら、ものの10分で夢の中でした。眠れぬ夜のためのお供になりそうです。
[DVD(字幕)] 5点(2014-03-02 16:02:13)
150.  ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定> 《ネタバレ》 
「久々に独身生活をしてみたけど、結局元鞘が一番だったよ」という、結論自体は実に凡庸な作品。但しファレリー兄弟お得意の下品&シチュエーションギャグが入っているので最後まで飽きません。嘗てのファレリー兄弟の色んな団体から怒られそうなギャグのキレからは程遠い作品ですが、真っ当なロマコメに仕上がっていると思います。 アメリカンコメディのファンとしては、オーウェン・ウィルソンとジェイソン・サダイキスの安定したバカ演技も見所の一つ。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-23 14:37:18)
151.  戦争のはらわた 《ネタバレ》 
戦争で最も男らしくない行為として、"身の保身"や"出世欲"が描かれます。 主人公・シュタイナーは心の底から出世を望んで戦争をやっている輩を憎んでいる。それはシュタイナーが昇進を辞退する場面や、全ての将校を嫌いとする言動等から容易に推測できます。確かにこの映画の中で描かれる悪役(ストランスキーとその取り巻き)はサイテーだ。危険な状況になると尻に火が付いたように逃げ回り、たかが勲章や身の保身の為に友軍を見捨て裏切る。責任を問われれば「上官の命令に従ったまでだ」「彼は数時間私の指揮外だった」と宣う。そんな輩をシュタイナーが最後笑い飛ばすシーンは痛快でした。弾丸の装填すらままならない程に現場を知らない傲慢で臆病で無能な上官。そういう奴、現代にも実際にもいるわ! 名匠・ペキンパーらしい迫力のある銃撃戦は圧巻。異なるシーンでは戦友同士のバカ騒ぎ(本当に楽しそうな男社会の様子)が描かれ、ラストの悲劇により悲壮感を惹き立てる。76年当時にこれだけの戦争シーンを描けていたことに驚嘆します。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-22 05:47:25)
152.  小さいおうち 《ネタバレ》 
基本的なミステリーが上手く機能していて、タキが晩年まで何故あれだけ苦しみ続けたかが氷解する手紙のエピソードは良かったです。その胸中を想像すると「私は長く生き過ぎた……」の言葉がとても重い台詞に思えます。一種の愛憎劇はとても良く出来ていたかと。 でも其処此処に山田洋次独特の演出に驚いてしまった部分もあります。特に驚きすぎてちょっと笑っちゃった場面は、雨の日に時子が板倉にキスをした時に雷が「ピシャーン!!」と轟いた所です。その演出はギャグだろう。 それから終盤の妻夫木演じる若者のエピソードは蛇足と思えました。タキの遺品から細長い手紙が出てきた時点で、観客はタキが時子の手紙を渡さなかったことは明確な筈ですが、その後に妻夫木君に「おばあちゃんは手紙を渡さなかったんだよ!」と驚かせる。多分大多数の人は「もう判っとるわ(笑)」となったんじゃないかなぁ。手紙をチラと見せてエピローグでも十分だったと思います。
[映画館(邦画)] 6点(2014-02-20 23:11:31)(良:2票)
153.  建築学概論 《ネタバレ》 
かなり評判の良い恋愛映画だったので気合を入れて観ましたが、これが全く自分のストライクゾーンに入らず。韓国でもかなりの男性観客が「これは俺の映画だ!」とシンパシーを感じて大ヒットしたとのことですので、どれだけ主人公の心情にオーバーラップ出来るのかが大事になってくる作品なのだと思います。 どうしても大学時代の主人公の行動に納得できなかったです。ヘタレて独りでに失恋したと思い込んで、終いには「もうボクの目の前から消えてくれ」と宣う様には勝手ながら激怒。彼女も彼女で初恋の相手をいつまでも想い続けていて、主人公を訪ね建築を依頼する行動にも「なんだこの女?」としか思えませんでした。個人的に初恋の相手とか昔の恋愛に全く執着しないタイプの人間なので、感情移入できなかったのかも知れません。昔の付き合っていた相手が自分を訪ねてくるとか想像するだに勘弁してくれと思うし。 後は画作りがかなり苦手なタイプでした。運良く監督の舞台挨拶を見れたのですが、監督は岩井俊二の映画にかなり影響を受けて映画の勉強をしたそうです。言われてみれば納得で、淡い光のライティングや、屋上から捉える都市の風景、等は実に岩井俊二の映像美に近いものを感じます。構図も非常に凝っていて、あらゆるモノを画面の端と端に配置してシネマスコープ的に対象を捉えます。但し、そういう凝った映像のせいで、余計に主人公が等身大のキャラ、自分の分身には見えず、全く違う世界の映画の住人なんだと思ってしまいました。
[映画館(字幕)] 4点(2014-02-20 22:25:32)
154.  クルードさんちのはじめての冒険 《ネタバレ》 
とても冒険的で意欲的な作品ですよね。なんたって主人公たちは原始人、ここでキャラデザを短絡的に可愛い今風の顔にしなかったところが素晴らしい試みだと思います。クルード一家はネアンデルタール人、ガイはクロマニヨン人がモデルなのでしょうが、やっぱり彼らはヒロインを筆頭に愛くるしさは殆ど無いんですよね。奴らが肉を貪り食ってるシーンとかちょっとしたホラーだし。子ども映画でもそこから逃げないのは凄いことだと思います。色彩豊かな世界観も魅力的でした。 また物語が王道とは言えしっかりした内容ですし、父親の成長を主に最後まで楽しんで観ることが出来ました。厳然とした家父長制を強いていた父親から家族が段々と離れていく展開は父親の心理も含めてとても丁寧に描写されていたことが印象的でした。 但し、終盤の展開には物凄いご都合主義を感じてしまってかなり興ざめ。監督が『ヒックとドラゴン』のクリス・サンダースだからでしょう、他者との交流・理解を無理矢理にでも入れたかったのでしょうが、サーベルタイガーがグラグ(父親)に懐くのはちょっとやり過ぎではないでしょうか。一家はガイと合流してからというもの何回もサーベルタイガーに襲われて食われかけているのにさぁ。なんで急に懐くんだよ。『ヒックとドラゴン』では人間がドラゴンと対話する試みをせずに攻撃してたから「実は仲良くなれるんだよ」って事で問題なかったと思うのですが、サーベルタイガーと人間の関係性ってこの映画の中では所詮捕食者と餌でしかない筈でしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-17 21:06:08)
155.  新宿区歌舞伎町保育園 《ネタバレ》 
タイトルに惹かれ鑑賞。その奇天烈なタイトルに反して結構キチンとした映画になっています。オープニングの長回しなど画作りに対する拘りも感じます(但し、その演出が必要不可欠かと言われると疑問)。 やや残念なのが、社会派ドラマになり得たストーリーを単なるホンワカハートフルコメディにしてしまっていたことです。昨今指摘されている通り、保育園・保育士の不足は地域問わず問題視されています。この作品でも声高に「なんで俺たちみたいな保育園に子どもを預ける母親がいるか分かってんのか!?」と役所に訴える場面がありますが、その話は割とアッサリと流されてしまう。 あと「キラキラMOVIES」という企画により作られた作品なので、矢鱈とイケメンたちのホモソーシャル的なやり取りが挿入されます。まあ『テニスの王子様』のミュージカル版から立ち上げられた企画だから仕方ないよね……。
[DVD(邦画)] 6点(2014-02-08 22:08:37)
156.  虹を掴む男(1947) 《ネタバレ》 
空想と現実が織り成すコメディの良作。空想癖のある主人公の行動が、彼の現実での出来事なのか、単なるかれの妄想の産物なのかを曖昧にして、観客までも混乱させてクライマックスまで持っていく展開はお見事でした。 但し毎度毎度の空想シーンがやけに長く、本筋のテンポがやや悪いと感じてしまった部分もありました。あとは瑣末なツッコミどころ(都合よく目を覚ますヒロイン、数々の奇行を殆ど放置する周囲)に目を瞑れば十分楽しめるかなと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-08 13:13:01)
157.  ケーブル・ガイ 《ネタバレ》 
怖い!!この映画は怖い!コメディと言うよりホラーな気がします。 まずジム・キャリーの何時ものオーバーアクトが笑えるどころか逆に恐ろしい。どこからどう見ても頭のネジが全部すっ飛んで脳味噌どっか行っちゃった位のイカレ野郎。そんな奴が悪意では無く善意で迫ってくるのだから普通のホラー映画では味わえない怖さがあります。「友達になってよ」という善意の一言がここまで恐ろしい言葉に思えるとは……。なんかスティーヴン・キングの『ミザリー』を思い出しました。 この映画は冷静に私たち(映画ファン)を分析している映画でもあると思います。ケーブル・ガイはテレビや映画のことしか頭に無い。なんでも映画に結びつけて考える根っからのメディア中毒人間。そんな彼のたった一つの願望は"友達が欲しい"こと。これはどう考えても彼のコミュニケーションの仕方の問題でもあって、劇中でもスティーヴンに忠告されます。でも彼は度の過ぎたプレゼントや明らかに違法な方法、捻じ曲がった愛情表現でそれを成し遂げようとする。テレビや映画に縛られて本当のコミュニケーションを忘れてしまう恐怖を観客に提示している映画なのだと思います。ここら辺、監督のベン・スティラーは映画の作り手サイドなのに本当に鋭い視点を備えているなぁと思います。 ただ要所要所のコメディならではの適当さもあるのが難点とも言えます。特にラストの電波塔での戦いの場面ですが、ロビンと態々親密な関係を築いたにも関わらずその関係をあっという間に崩壊させる理由がありません。しかもスティーヴンがケーブル・ガイに逆転する方法も取ってつけたようなもので、かなり納得し辛い展開でした。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-07 22:30:52)
158.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 
「天才肌と努力型」、「軽薄さと不器用さ」、「対照的なレーサー同士の戦いと友情」……こう書くと如何にもありきたりな展開に終始し凡庸な作品になりそうなものですが、そこをクリアして堂々たる良作に仕上げてしまう辺りの手腕が、流石はハリウッド派の巨匠、ロン・ハワード。 実際に観終わって考えてみると、なんら奇をてらった展開は無いんですよね。張られた伏線を余すところなく回収し、人物描写の丁寧かつ的確でキャラクターの行動一つ一つに納得がいく。そして観客がアガるレースの場面を適度なテンポで挿入する。しかしこれだけの丁寧な演出、脚本は普通の監督には出来ません。正にお手本の様な映画。その模範解答の様な出来をありきたりと取るか、優秀と取るかは人それぞれですが、私は良い映画だと思います。 また、私は車輪がついているモノには基本的に興味がない男らしくない人間なのですが、そんな私でもレースの場面には結構テンション上がりました。やっぱりアクションの魅せ方が上手いのでしょうね。普段は「全部おんなじやん」と思ってしまうハンス・ジマーの音楽も、F1カーの唸り声を上げるエンジン音と同期している様な感じで、素晴らしかったです。 主人公二人の人生はどちらも恰好いいのですが、やっぱりニッキー・ラウダの生き様に惹かれますね。鑑賞後に調べてみたのですが、ウィペディアに載っている彼のストイック&非名声欲な姿勢からの数々の武勇伝が凄く面白いです。地元のガソリン・スタンドで代金の代わりに優勝トロフィーあげたとかイケメン過ぎる。
[映画館(字幕)] 8点(2014-02-07 18:32:12)(良:1票)
159.  鬼が来た! 《ネタバレ》 
普通とは違う意味でもう見返したくない、見直せない映画。あのカタストロフィとラストカットの後で、もう一度序盤から中盤にかけての牧歌的なコメディを観るのは辛すぎます。 題名は『鬼が来た!(英題:DEVILS ON THE DOORSTEP)』。何者かに捉えられた花屋が村人に拷問の末に殺されると思って吐いた台詞ですが、鬼は玄関にやってくるのではなく、心にやってくるのでしょう。日本兵による村人への虐殺の引き金を引いた花屋、飴を村の子ども達に配るなど優しい軍人としての姿も見せていたが最終的にその子どもを刺殺する野々村、憎しみを抑えきれず俘虜となった日本兵を斧で殺して回るマー、統治のために自国民を粛清する国民党、そして最後にマーの眼差しを受けつつも絶叫と共に刀を振り下ろす花屋。誰の心にも鬼が住んでいることを忘れてはいけない。それは世界中の国籍を問わず全ての民族に対して言えることです。だから監督は態々国民党による処刑の場面も挿入したのでしょう。 意地が悪いのは、態々剣の達人のシーンを入れていることですね。何故か達人の一太刀によって死ななかった花屋を見て達人は「彼等はここで死ぬ運命ではない」という。彼等がそこで死んでいれば最後の虐殺による悲劇も起こらなかった。彼等があそこで死ななかったのはメタ的にいえば観客にあの虐殺と映画のメッセージを観客に伝える為に外ならない。 チアン・ウェン監督は本当にセンスがある方なのだと思います。中国映画の名画で良く見る山村の長閑な雰囲気、イタリアの名画のような心暖まるコメディ演出、迫力ある映像で見せ付けられる虐殺シーン。優しさと絶望が混じり合い描かれる人間の業。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-03 09:35:50)
160.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 
とにかく最高に楽しくて楽しくて仕方がありませんでした!レオナルド・ディカプリオとジョナ・ヒルのアッパー系のドラッグをやってる時のラリラリ演技は超面白いし、オネエちゃんのオッパイもバンバン映るし(下品で済みません)、軽快な音楽に合わせてテンポも抜群、所々「どうやって撮ったの?」っていうシーンも多くて画的にも全然飽きない。以前に『ヒューゴ』と作品賞を争った『アーティスト』のジャン・デュジャルダンを起用するなんて全く粋なことしますねぇ。 ストーリーも個人的には申し分無い物だったと思います。この映画の肝は意図した物かは解りませんが、ニーチェの「超人思想」なのではないでしょうか。キリスト教が存在する以前、世の中は"強者こそ正義、弱者こそ悪"でした。強いマッチョメンが人体の理想型だし、金は無いより有る方が正しい。古代ギリシャ時代やルネサンス期なんか見ると正にその通りです。生物学的には疑いもなく正しい理屈です。でもキリスト教の出現でヨーロッパ圏は逆に"弱き者を助けるのが正義。金儲けばっかり考えてる奴は悪!"となってしまいました。その思想が今も続いている。 本作のウォール街の証券マン、特に主人公ジョーダンは弱者から金を吸い取ってでも金儲けがしたい、今の価値観ではクソの様な連中として描かれます。如何にゴミ株式に投資させるかを嗅ぎ回る正に狼(ウルフ)共。実際の証券マンがどうかは知りませんが(個人的にはそう違いは無いと思ってますけど)、とにかくこの映画ではそういう人種として描かれている。彼等はニーチェが言うところの超人そのものです。「金儲けして何が悪いの?自分が底辺から這い上がる為に弱者を踏みにじるのが悪い事なの?」と。嘗て証券マンを夢見ながらFBIにいるデナム捜査官は観客が投影されているキャラクターなのでしょう。彼は金儲けの世界に一瞬惹かれている様な素振りを見せるし、ジョーダンの逮捕が確定した時も嬉しそうな表情を浮かべない。 最後に映されるデナムが地下鉄で茫と見つめる貧困に喘いでる人々、ジョーダンのセミナーに参加して何の価値もないペンの売り方を必死に考える人々。金持になる為に他者を騙し、蹴落とす事が間違いなのか。どちらの生き方が正しいかは観客が決めなければいけない事なのだ。 ……、いや私はそんな生き方は御免ですがね。
[映画館(字幕)] 9点(2014-02-01 22:46:20)(良:4票)
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