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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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161.  鉄腕ジム 《ネタバレ》 
いくつものユーモア溢れるシーンと、ジムを演じるエロール・フリンの底抜けの爽やかさで楽しい感じの作品に仕上がっています。ジムが〝何故かボクシングが巧い〟と判明した後、自宅でジムとその兄たちが幼稚な喧嘩を始め〝表へ出ろ!〟となるわけですが、〝兄弟喧嘩が始まるぞ〟と声をあげれば大勢の野次馬が駆け込んで来ます。つまり地元ではすっかり名物になっていて、ジムのボクシングは兄弟喧嘩で鍛え上げられたものだと分かるのです。この意外性にして火事場のように集まって来る人々の面白さ(兄貴たちもプロになれば儲かるのに)。 ヴィクトリアとの痴話喧嘩にしても、兄弟喧嘩が日常のコーベット家にしてもとにかく賑やかですが清々しさがあります。  肝心のボクシングシーンはと言いますと、王者サリバンとの対決よりも水上の試合が一番の見所となっていまして、空から映されたリングの周りのキラキラ光る水面と大挙して押し寄せた興奮する観客たちのざわめきが、試合するリング内よりも明かに動きが激しく、〝内〟より〝外〟を動かすことによって臨場感をだすという工夫がなされています。  しかし、そんな賑やかな本作中で最も印象的なのは、唯一しんみりとさせてくれる王者サリバンの退場シーンだったりします。常に周りは人だかりのサリバンが正装して一人でやって来る姿が、ジムの見る鏡ごしに写ります。あれは敗れてしまった強くて孤独な王者の悲哀がよく出ていてホロリとさせられ、見逃せぬシーンとなっているのです。 
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-22 18:07:33)(良:1票)
162.  グッドナイト&グッドラック
報道の真の意味を問い闘うエド・マローがとことんカッコ良いです。それはたとえあのジョージ・クルーニーがダサめの眼鏡をかけていなくたって彼の方が格好良く見えたでしょう。というのはマローの鋭い眼光だけではなく、始終プカプカ吸い続けている指の間で今にも燃え尽きそうなあのタバコがキーアイテムになっているからです。クルーニーが白黒で撮ったのは当時の映像に合わせる為よりもタバコの煙の美しさを表現するためではないかと思えるくらいに、あるいはタバコ会社がスポンサーについているのではないかと思えるくらいにタバコが素晴らしいです。特にマローが登場するファーストショットがしびれます。横顔の影にタバコの白い煙が美しくまっています。この魅力的なショットから始まることによって、これから始まるマローの物語において彼がいかに立派に闘ったかという事に説得力を持たせ、英雄譚として成立させているのです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-19 18:13:23)
163.  地球の静止する日 《ネタバレ》 
異世界からの侵入者としてのクラトゥの浮いた描写が本作のキーになっているのは間違いありません。下宿先のみんながTVを見てるところにヌッと現われ表情が影に隠れて見えないところなど、いかにもですが不気味そのものです。またクラトゥは日本人のように微笑をたたえていますが、これはまったく仮面のようであって、その真意ははかりかねるものであり人間の形でありながらも彼を不可解な存在とすることに成功しています。さらにB級ながらも力学に従うように球形でまとめられた宇宙船やロボットの造型、完全無欠の着グルミなのに惹きつけられてしまうゴートの存在感なども良いです(特にクラトゥを救いに来るシーンなどはとても素晴らしい)。  一つ残念なのは、クラトゥたち宇宙人の力を見せるのに地球中の電力を停止させるという映画的には面白くもない何ともない大技で見事に?乗り切られてしまったことですが、逆転の発想であり平和的解決法と思うとこれまた見事です。 
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-14 18:29:11)(良:2票)
164.  廃墟の群盗 《ネタバレ》 
銀行を襲撃する前に酒場のカウンターに強盗一味がずらっと並び、端にいるグレゴリー・ペックがウイスキーグラスを滑らせ回すと、数人は手元を見ずにキャッチします。こういうのがカッコイイですし、彼らの強盗家業の長さがうかがえます。さらに騎兵隊に追われるシーンの迫力や砂漠を越えて行く過酷なシーンがしっかりと続き、始めの方は特に見せ場の連続となっています。しかし最も印象的なのはラストの3人の決闘シーンで、実際に撃ち合う映像はないものの、仕掛ける前の静けさのなかにある緊張感や、銃声、馬のいななき、ペックを心配して駆け込んで来た女が目にする見事な死体の演出などで素晴らしいシーンになっています。・・・ただ惜しむらくは、一貫して小ズルイ感じが良く出ているリチャード・ウィドマークに対して、グレゴリー・ペックは正義漢か無頼漢かよく分からないのはともかくとしても、まったく強そうに見えないのは残念です。
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-07 18:20:11)(良:1票)
165.  自由を我等に 《ネタバレ》 
機械に仕事をさせ人間たちは悠々自適という素敵なラストでしたが、現実世界では機械生産は雇用問題へと発展し残念な状況になってしまいました…。がしかし、そんなことはどうあれ本作は、〝人間味〟という大事なものを謳っているのです。合理性や利潤ばかりを追い求めていたら人間おかしくなっちゃうよと。それを体現しているのが脱獄し成功者となった男の〝ウィンク〟なのです。大金持ちになった男の前に昔の刑務所仲間が訪ねてきて、追い出そうとするもケガの治療をしてやると昔を思い出し友情を取り戻すシーンで、その合図はウィンクでなされます。これは最初の刑務所のシーンで二人が度々やっていた会話のようなものですが、このウィンクの優しく美しい事と言ったらないのです。これぞ人間味であって世知辛い世の中の救いなわけです。いやぁまさか男の、しかも髭のオッサンのウィンクに感動させられるとは…やられました。  ちなみにチャップリンの「モダン・タイムス」にも影響を与えたといわれる本作はトーキーですが、おそらく台詞が無くとも概ね意味が分かるのでサイレントに近い印象を受けます。でもだからこそ、シッカリした作りになっています。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-12-09 18:25:47)
166.  レッドクリフ Part I
私は「三国志」大好きで、演義・正史問わず小説、マンガ、ゲーム、人形劇…と見境なく何でも見るのですが、結局のところ何に惹かれているのかと言いますと、その人物たちの魅力、〝漢〟たちの格好良さなのです。その観点からすると本作はやっぱり面白いです。キャラクターの特徴がそれぞれ端的にとらえられていて、劉備は庶民派全開でワラジを編み、中国で神格化されている関羽は当然のように光の中から登場し、張飛は怒声をあげ超人的なパワーを発揮し、超雲は不言実行で主君に尽くし、孔明は聡明で物腰は柔らかありながら掴みどころがなく、悪役として描かれる曹操も重い空気を纏いながら微笑みをたたえ懐が深そうな感じが良く出ているのです。しかしながら本作では、何と言ってもトニー・レオン演じる周瑜が格好良くって、その殺陣は一番アクロバティックに決まっていますし、時折、孔明すら見失うようにスッと姿を消すその存在は特別な者として描かれています。  さらに軍旗が印象的に使われていて、関羽は馬に踏みつけられている劉備の軍旗を取り戻しハタめかせ忠義を表明し、周瑜は曹操の軍旗をたたみ敵を屈服させようとします。この他にも各々の一騎当千ぶりを見せる殺陣がなかなかユニークで面白いのです。  そしてまた、男たちだけではなく女たちも格好良いのです。パンチをかます男勝りの孫尚香は魅力的ですし、絶世の美女・小喬が凄く官能的で惚れてしまいます。それも決してラブシーンが良いのではなくて、負傷した夫の体に自分の体を巻きつけるように包帯を巻くシーンの扇情的なことといったらないのです。こういうのをロマンティックというのでしょう。こりゃパート2も見ずにはいられなくなりました。 
[映画館(字幕)] 8点(2008-12-02 18:34:05)(良:2票)
167.  地獄の英雄(1951) 《ネタバレ》 
何にも無い田舎町に車が一台やってきて、それを皮切りにあっという間にワンさと人が押し寄せ楽団や遊園地まで開かれお祭り騒ぎになり、事件が終結すれば蜘蛛の子を散らすようにまたまたあっという間に消えて行く野次馬の演出が見事です。最初にやって来た一組の野次馬以外の顔を見せないことで、この不特定多数の群衆が事件の当事者と無関係な人々であるいうことも強調されています。また、騒ぎを煽った張本人カーク・ダグラスが突如として良心に目覚めるところはキャラクターが違うのでは?と思いますが、改心したあたりから走り出す異様に暗く重々しい雰囲気が辛辣で、メディアや権威といったものを痛烈に皮肉っています。カーク・ダグラスがバッタリ倒れて〝The End〟の文字が出てくるラストも衝撃的です。
[DVD(字幕)] 8点(2008-11-11 18:32:40)
168.  ガンヒルの決斗 《ネタバレ》 
最初にちょこっとしか出てきませんがカーク・ダグラスの町と比べ、アンソニー・クインの仕切る町の張り詰めた空気はどうでしょう。見事なまでに緊張感に満ちておりカーク・ダグラスの孤立無援さが良く出ていますし、それによりカークの凄む、殴るなどのちょっとしたアクションも正義漢の潔癖的強さとして際立っているのです。それは辺りが暗くなってくるとさらに素晴らしくなり、アンソニーがカークの立て籠るホテルに話し合いに行くシーンなどは本作の最大の見せ場だと思います。欲を言えば最後に待っているだろうなと思っていた大銃撃戦が無かったのが残念ですが、ラスト〝漢〟二人の決闘から三人の別れのシーンも実に良いです。
[DVD(字幕)] 8点(2008-11-04 18:07:17)
169.  七月のクリスマス
このコメディは言葉によるところの方が大きいと思いますが、例えば主人公たちのアパートに品物を取り返しに来た時のドタバタシーンなどはとてもパワフルだと思います。あの狭さを感じさせる空間に詰めこまれたような住人たちの元気さ、それに仲の良さに何とも言えない温かさを感じます。しかし、何より忘れてはならないのは勘違いコメディが始まる前の冒頭の屋上シーンです。若い貧乏カップルが街の光が輝く屋上で語り合いケンカし、帰り際、階下の住人が〝うるさい〟と言えば植木鉢を落すお決まりのギャグをかまし、〝おやすみ、おやすみ〟言いながら二人の距離が近付き、ウサギ小屋のショットをはさんで二人が仲直りのキスをする…ちょっと甘過ぎるくらいですが、こんなにも愛らしく美しいシーンは他にはそうないと思います。この場面を見るだけでも価値ありと言いますか、この場面が全てと言っても過言ではないくらいのシーンなのです。
[DVD(字幕)] 8点(2008-10-15 18:18:15)
170.  Gメン 《ネタバレ》 
映画の中で〝Gメンの研修用フィルム〟として本作を鑑賞するかたちで始まるのは、いかにも映画を見る感じがして面白いです。内容に関しては裏切り行為なので本来ならもっとドロドロするはずなのですが、引退するマッケイ親分の完全無欠の気の抜けようとジェームズ・ギャグニーのコメディに通じる動きによりどこかさっぱりした作りになっています。特に良いと思いますのは個々の役者さんたちの顔で、裏世界とつながりのあったGマンのギャグニーの顔は一見ギャングっぽくありながらも、イタズラ小僧のように愛想があるので丁度その二重の感じが表われていますし、次第に打ち解けていく上司や殉職する同僚もまさに善玉の面持ちです。さらにクチナシを常に胸元にさすレゲットのニヒルな表情も素晴らしく、Gメンたちにしてもギャングたちにしても実にそれらしいです。そしてそれにもまして華を添える二人の女優さんがとっても綺麗なのです。殊にギャグニーがかつての恋人とお別れのキスをするシーンが感動的で、キスをし終わってギャグニーの顔が上がるとそこにはすでに事切れた彼女の表情が映るのですが、その顔がとても美しい。
[DVD(字幕)] 8点(2008-09-26 18:25:36)(良:1票)
171.  殺しの烙印 《ネタバレ》 
主人公が壁に寄りかかり謎の美女が階段の中腹あたりにいて、離れた場所でそれぞれ独りごちるように話すのにしっかり会話ができていたりと、現実世界よりも美的構図を優先したシーンが全編に渡って見られます。そういった意味では実験的な感じがするのですが、これがとても美しいのです。水と虫が象徴的な謎めいた美女のイメージは裸で駆けずり回る主人公の女房よりもずっと魅力的でエロティックで幻想的ですし、かと思えば飯の匂いをクンクン嗅ぎ興奮を覚える主人公は生活感に満ちていますし、そこに乗り込んでくるナンバー・ワンの殺し屋は、殺し道の極みだとばかりに目を開けたまま寝てズボンはいたまま小便垂れても、なおクールで強烈な存在感があります。車の下に隠れて前進していく埠頭での銃撃戦などとても工夫されていますし、ラストのナンバー・ワンとの決闘のシーンは暗い中に存在する四角いリングがとても印象的です。殺し屋に美女と巧みな演出、これだけで映画は十分に面白いのです。冒頭と最後に流れる殺し屋の歌も良い。
[DVD(邦画)] 8点(2008-09-05 18:06:42)
172.  デス・プルーフ in グラインドハウス 《ネタバレ》 
これはちょっと度肝抜かれちゃいました。脚先から導入し(この後も度々出てくる脚が良いんだなぁ)、「レザボア~」の女の子版のような無駄な会話がとことん楽しいです。そんな中に登場するカート・ラッセルのシーンもことごとく良い。不気味に現われる黒い車、ちらりと見せる顔のファースト・ショット、雨に打たれる車、ムシャムシャ飯を食うラッセル…、ラップダンスのくだりもとっても巧いし、前半と後半をつなぐ保安官親子の会話も面白い。こういうところにタランティーノ節〝炸裂〟なんですが、一番の見所はラストの躍動するカーチェイスでしょう。逃げるシーンの間に何度か「止まれよ」とか「逆走しろよ」とか「はいつくばるゾーイを車中にもどしてやれよ」とかとか、思うチャンスが訪れているのですが、〝カーチェイスってのはね、こうやってやるのよ〟とばかりに女の子たちはとことん真っ直ぐ猛スピードで逃げ続けます。そしてあっという間の反撃返し。警察の網をかいくぐり犯罪を続けるごっつい変態ラッセルを、能天気なお姉ちゃんたちが成敗してしまう凄まじさ。彼女たちの強さの証明とばかりにパンチの連打を浴びせ最後は踵落しで決め、そのカットで終幕させてしまうタラちゃんにもうカンパイです。それからチアリーダーのリーが可愛いのですが、車に颯爽と飛び乗るタフなゾーイがとってもかっこ良い!
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-28 18:43:12)(良:1票)
173.  過去のない男 《ネタバレ》 
本作にはいわゆるラブ・ストーリーがあるのですが、映画において主役にロマンスがおとずれる場合、美男美女もしくは片方がそれに値しないとはじまらないと思っていたのですが…、なっ、な~んと!そんな必要は全くないということを見事に証明してくれました。失礼ながら〝過去のない男〟もイルマも全く美男美女ではないうえに、もう枯れかけているオッサンとオバチャンときているのです。それなのに、身元が判明して女房のもとへ帰ることになった時、コンテナにイルマがやってきて男と抱き合うシーンが驚くほど感動的に見えてしまうのです。これは凄いことですぞ。さらに普通なら失礼ながら気持ちが悪くなってしまうキスシーンがなんと艶かしいのでしょうか。色使いにしてもそうですけど、普通は毒々しくなってしまうものを決してそうは感じさせないのがカウリスマキ監督の凄いところですね。それから忘れてはならぬのが、と言いますか、忘れられないのは救世軍の女ボスが歌うシーン。これが強烈です。
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-15 18:19:00)
174.  霧の波止場 《ネタバレ》 
ジャン・ギャバンが霧の立ち込める港町にやって来る始まりのシーンが、これから先の顛末を予見させて良いですし、登場するキャラクターたちもそれぞれが個性的で面白いです(僅かな登場では特にネリーに言い寄ってくるチンピラと一緒にいる冷静な男が印象的)。しかし本作はやっぱりジャン・ギャバンとミシェル・モルガンの映画でしょう。ミシェル・モルガンは当時なんと18歳!とは思えぬ色香がありますし、あのピカピカのコートの美しさったらないです。ジャン・ギャバンもこれが男だとばかり実に魅力的に映っていて、だからこそラストに路上で撃たれてしまうシーンではとても悲しくなってしまいます。・・・ただ一つ欲を言えば犬の使い方で、登場シーンとラストの余韻を残す部分は良いのですが、ずっとついて来るのですから中盤でも巧く使って欲しかったですね。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-07-08 18:28:52)(良:1票)
175.  裸の町(1948) 《ネタバレ》 
ドキュメンタリー調でいわゆる〝警察のお仕事〟を追うように描かれているのですが、セットを使わなかったという、この現実の街並みが大変効果的な作りになっています。街の人々をたびたび映したり、一人の刑事の家庭をちょっぴり垣間見せることによって生活感をプンプン漂わせ生き生きとしたものにしています。キビキビした演出で進みますし、最後の捕り物シーンがこれまた素晴らしいのです。ナレーションが犯人に話しかけたりするのも斬新で面白いですし、大都会の真ん中でドンドンドンドン高いところへ登って行く犯人の姿は「キングコング」さながらで、そこから映し出される徐々に小さくなっていく街の姿が印象的です。そしてラストは人々を賑わわせた事件の新聞記事が紙くずとして処理されるシーンで締め、大都会の時間の流れの早さと変わらぬ日常を感じさせます。
[DVD(字幕)] 8点(2008-06-27 18:33:18)
176.  けんかえれじい
痛々しい喧嘩のヤンチャ的暴力性、触れるのもおっかない男女の仲の赤面的純情さ、こんな使い方があったのか!ピアノのハレンチ的欲情、そして真っ直ぐな反抗的青春…。暴力に馬鹿さに悲哀と男の構成要素をものの見事に描ききった本作のパワーは凄まじいです。そんなアホな男どもに蹴散らされる清純なる道子さんが可哀相でたまらんですが、これぞ〝をのこ〟の映画。
[DVD(邦画)] 8点(2008-05-28 18:18:55)
177.  ゲッタウェイ(1972) 《ネタバレ》 
出所後、水に飛び込むシーンをスローモーションで幻想的に描いているところを見ると、これはファンタジーであり二人が自由を求めてひたすら getaway していくおとぎ話なんだと思います。しかし、単なるファンタジーではなく油断のならない現実世界をしっかり錯綜させているところが面白いです。はじめの刑務所暮らしの反復シーンなどは頭抱えたくなるほど酷ですし、仲間割れの銃撃戦でマックィーンは抜かったわけではなく執拗に頭を狙いトドメをさそうとしたにもかかわらず仕留められていない世界の不確かさがしっかり存在しているのです。こういったことが逃走劇を混沌としたものにしています。そして逃走のためにはゴミの中を通過して行かなければならない寓話的おかしさ。収集車が掃き溜めにゴミを捨てるシーンで車の扉が開いた時、ゴミは隙間なくつまっていて、どう考えても二人はオシズシ状態でペッチャンコなわけです。そこから解放されたスローモーション場面の爽快感がすばらしくギクシャクしていた両者があれで仲直りするのも納得です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-05-26 18:35:46)(良:4票)
178.  無頼の谷 《ネタバレ》 
いきなりキスシーンから導入しており甘いラブロマンスが始まるのかと思いきや、強盗暴行殺人がおき空気が一変します。幸せだった婚約者が倒れている姿が映り、手は力なく放り出され(ディートリッヒの事切れる瞬間の手も同じ)、物語の鍵となる送ったはずのブローチがなくなっていることが分かります。そして主人公の銃の装着を合図に復讐劇が開始されるのですが、この冒頭から復讐開始までの一連の演出と運びの巧さはまったくもって簡潔であり完璧です。 この主人公は情報のためなら投獄されることも辞さない復讐鬼と化しても、決して殺人鬼と化さない一本気な男で、ディートリッヒが仕切る犯罪者の隠れ家(このチャカラックの入り口が実に良い)へ潜入するのは通過儀礼のようなものであり、ディートリッヒの存在といい、挿入歌といい全編に伝説的な雰囲気が漂っています。カラー作品ですが、広大な自然や澄み切った空などは映し出されることなく澱んだ空気となっている暗さも印象的です。それからもう一つ忘れてはならぬのは床屋での大乱闘で、この過剰さが良いです。
[DVD(字幕)] 8点(2008-04-28 18:05:52)(良:2票)
179.  捜索者 《ネタバレ》 
もうすでにおっしゃっている方々もいますが、最初と最後のシーンが素晴らしいです。いかにも物語るという感じで本の表紙でも開くように始まり閉じるように終わる、真っ暗な家の中と戸口の向こうに広がる明るい景色、やって来るジョン・ウェインに去り行くジョン・ウェインが胸に染みます。そしてあのジョン・ウェインが人種差別主義の狂気じみたキャラクターを一貫して演じているところも凄いです。川向こうで逃げ惑うインディアンをさらに撃とうとする、食料を減らすんだと野牛も殺す、姪にも銃を向ける…などなど軽く悪寒がするぐらい怖さがあります。それでいて椅子コケを繰り返しするなどドタバタ喜劇の要素も加えていて巧い具合にまとめあげてしまっているのだから凄い。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-04-22 18:20:35)
180.  昼下りの決斗 《ネタバレ》 
ラストの爺様二人がズンズン対決に向かうシーンがかっこいいのですが、ビリー兄弟たちのいる金山の魔窟のようなまがまがしさが強い印象を残します。到着早々から兄弟たちのいかがわしさが滲み出ており、風呂に入りたがらないウォーレン・オーツを冗談で桶にぶっ込むと本気でナイフを取り出し睨みつける様からして危険な感じがプンプンします。さらにお決まりのように呑んベエ判事が登場し、花嫁にむりやり口付けをし取り合う下劣さを炸裂させるあたりが凄いです(しかもそんな彼らも最後は正々堂々とガンファイトする〝ワイルドバンチ〟!)。 そして最初の撃ち合いでやられる兄弟の一人が良いです。何せ彼だけ死に様が妙に生々しいですし、無造作に転がった死体は物語の上でも弟を埋葬しないビリーたちの性格づけになっているうえに、ギルが銃と馬を手に入れられる鍵にもになっています。  スローモーションなど使わなくともペキンパー監督は十分に凄いと証明しています。
[DVD(字幕)] 8点(2008-04-14 18:30:04)(良:1票)
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