1901. 狂っちゃいないぜ!
航空管制官という題材は新しさがあり興味深かったが、物語の方向性にまとまりがなく、題材の持ち味を生かせずに終始してしまったように思う。もっと真摯に航空管制官という仕事を描けば、緊張感の高い秀作になったはずではと思う。 4点(2003-12-24 01:57:18) |
1902. イギリスから来た男
スティーブン・ソダバーグらしい質感のない無味乾燥な映像世界がこの映画には悪く作用してしまったように思う。抑揚の無いストーリーにも問題は大きいが、映画としてあまりに盛り上がりに欠ける印象を拭えない。主人公のキャラクターにも雰囲気ほどの深みがなく、すべてがあっさりとした感じに満足度も低い。 3点(2003-12-24 01:53:41)(良:1票) |
1903. バンディッツ(2001)
派手さは決してないが、娯楽アクション映画らしい痛快な展開が楽しめる。ブルース・ウィリスの脇にビリー・ボブ・ソーントン、ケイト・ブランシェットという実力派を配したことが映画に厚みを持たせている。ラストには小気味いい爽快感もあり満足度は高い。 7点(2003-12-24 01:49:55) |
1904. 殺し屋1
原作自体、あまりにグロくて救いようの無いストーリーが好きではないのだけれど、予告編と三池崇史×浅野忠信の組み合わせに引かれて観に行ったのが運の尽きだった。漫画のバイオレンス性だけを描き出す映像世界に吐き気と後味の醜悪さが付きまとい散々だった。 2点(2003-12-24 01:47:06) |
1905. ナインスゲート
導入部をはじめとする映画的な雰囲気は非常に味わい深い怪しさに包まれ引き込まれたけど、ストーリーが進むにつれどんどんシラけてゆき、どうしようもなく陳腐なラストの顛末には興ざめもいいところだった。一部ではあるが目を見張るところもあっただけに、あまりに弱い詰めに落胆する。 2点(2003-12-24 01:42:52) |
1906. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
こういう監督のこういう映画を観ると、映画はまだまだ物凄い可能性を秘めているのだということを痛感し、幸せな気分になる。ストーリー展開の斬新性、繰り広げられる群像アクションの痛快性に没頭せずにはいられない。 8点(2003-12-24 01:39:18)(良:1票) |
1907. 秋刀魚の味(1962)
娘を嫁にやるという本当にどこにでもある普通の物語でも、これほどまでに丁寧に描き連ねれば上質な映画に成り得るという非常に味わい深い映画だと思う。小津作品はまだ今作しか見ていないが、この映画監督がこれほどまでに伝説的に崇められるのも、この何とも言えない味わいを前にすると分かるような気がする。 7点(2003-12-24 01:34:07) |
1908. バニラ・スカイ
「結局はすべて夢」と言ってしまえる話かもしれないが、それもこれほどまでに上質な難解さをもって描けば映画としての深みがでることは必至であり、決して明瞭な映画ではないがそこに面白味を感じることは確実である。スペイン映画「オープン・ユア・アイズ」の完全なリメイクでストーリー的にはまったく同じだが、今作の方が映像的なクオリティには優れているので物語の世界に没頭しやすいと思う。 8点(2003-12-24 01:30:21) |
1909. サイダーハウス・ルール
ラッセ・ハルストレム作品は例外なくそのテーマ性の奥深さにいつも感服させられる。一見感動作に見える今作も、そのテーマは非常に痛烈で重厚なものだ。映画の真理だけを見ればとても生々しくなるところを、非常に上質なオブラートに包み上げ映画として美しく完成させる。その手腕にこの監督は優れ、結果として秀逸作を量産している。 [ビデオ(字幕)] 9点(2003-12-24 01:25:12) |
1910. スコア
ロバート・デ・ニーロ、エドワード・ノートンにマーロン・ブランド。この組み合わせで期待しないわけにもいかず劇場まで足を運んだが、映画としては盛り上がりと完成度に欠けるという感じを拭えない。ひとりひとりの演技は当然ながら巧いが、ストーリーがあまりにチープなため演技が浮いた印象を受ける。この程度の脚本でなぜこのキャストが実現したか不思議である。 5点(2003-12-24 01:19:34) |
1911. JSA
韓国映画界の熱情で、この国でしか描くことができない濃厚な題材を撮られては面白くないわけもなく、重厚な人間ドラマが染み渡る。切なく哀しすぎるラストシーンに韓国という国自体が抱える大いなる切望が伺えるようで、非常に感慨深かった。「シュリ」に引き続き出演しているソン・ガンホが深く無骨な存在感を見せる。 8点(2003-12-24 01:13:15) |
1912. スパイ・ゲーム(2001)
大雑把なアクション大作とは一線を画した、心理戦に優れたストーリー展開が非常に興味深く見応えも大きかった。ロバート・レッドフォードが挑むゲーム盤上の闘いのような手触りは、タイトルにふさわしく新感覚の緊迫感が楽しめる。映像的にも趣向が凝らされ集中が途切れない。完全に「殴られ役」に徹したブラッド・ピットの頑張りも評価したい。 8点(2003-12-24 01:07:21) |
1913. 遊星からの物体X
姿を見せない物体Xが人体を乗っ取って人間を襲い来る切り口が非常に斬新だった。緊張感とサスペンスフルに満ちた展開は、その後の多くの映画、漫画に使われたものだと思う。全編に溢れる異質な恐怖感が秀逸。 8点(2003-12-22 17:49:04) |
1914. ロスト・チルドレン
ジャン=ピエール・ジュネの悪趣味なファンタジー世界が何と言うか、素晴らしい。ドロドロとした映像世界の中で繰り広げられる童話のような物語に引き込まれる。等身大で怪人を演じたロン・パールマンの存在感が映像に映える。 8点(2003-12-22 17:44:06) |
1915. 冷静と情熱のあいだ
こういう映画が売れると非常に悲しくなる。ここまで感情移入がまったくできない恋愛映画は他にない。演技がダメなのか、脚本がダメなのか、演出がダメなのか。おそらくそのすべてであろう。原作を読んでいれば、不足分をある程度補足して観れるのだろうが、読んでいないので本当に何が良いのか分からなかった。いくら原作が売れたからって、惰性で作っちゃダメですよ。 1点(2003-12-22 17:39:36) |
1916. アクシデンタル・スパイ
ここ数年のジャッキー映画の中では実にジャッキー・チェンらしいアクションが楽しめる映画だったと思う。ストーリーのありがち感もジャッキー映画らしくて良い。ビビアン・スーが可愛かった。 7点(2003-12-22 17:35:07) |
1917. 新・猿の惑星
SF映画好きにとって「猿の惑星」という映画はやっぱり特別だと思う。 第一作の有名すぎるラストシーンはもちろん映画史に残る名シーンだ。駄作と酷評されがちな第二作も、少々破綻気味だけれど、ラストシーンの衝撃そのものは第一作にも劣らないものでとても印象深い。 少々強引だろうがこじつけだろうが、「科学的空想」の概念をもって貫き通す様こそが、SFの面白さであり醍醐味だろう。 映画的な善し悪しの前に、そういうSF的概念をしっかり貫いていることが、この映画シリーズの素晴らしさだと思う。 「続・猿の惑星」で爆発した地球からすんでのところで逃げ出した(らしい)チンパンジー種族の猿たちが、今度は過去の地球に降り立つ。 どうしてそうなるっ!と端から突っ込みたくもなりそうなものだが、チャールトン・ヘストンが過去の地球からやってきたのだから、その逆も当然ありだろうと当たり前のような強引なストーリー設定がまず良い。 一作目とまったく逆の構図で“未来人”の猿たちの様子を描くユニークさ、そしてそこから派生していく彼らの過酷な運命がテンポよくドラマティッックに描かれていく。 何より素晴らしいのは、猿たちが未来からやってきたことにより、地球が"猿の惑星”へと化した起源が生じるというパラドックスへと繋げていくこと。 そしてそのことにいち早く気づいた政府の科学者が、猿たちの存在を抹殺しようと画策する「汚れ役」として描かれることが興味深い。 最終的にはまるで悪役のように猿たちと相討って殺されてしまうわけだが、彼の言動は立場上つくづく正しく、「いずれ、いずれと言って何もしようとしない!」と人類が抱える問題に対して警鐘を鳴らす様、この映画がもっとも伝えるべきテーマだったように思う。 さて、また別の「創世」を描いた最新作公開も控えているので、この際旧シリーズ全作を観てみようと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2003-12-22 17:28:45) |
1918. PERFECT BLUE
ストーリー的には雰囲気のあるサスペンスだったと思うが、個人的に画風が受け付けられないことが致命的だった。不気味な人物描写には不快感がつきまとう。後味も極めて悪い。 2点(2003-12-21 18:15:16) |
1919. GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
ただ趣味に合わないというだけかもしれないが、この映画のどこにそれほどまでに世界的に評価される要因があるのか理解できなかった。この手の話に対する衝撃が薄れているのは、時の流れによるものだろうが、それにしても特筆するほどのインパクトと普遍性はないと思わざるをえない。この手の話はもう、白けますよ。 3点(2003-12-21 18:03:22) |
1920. ピストルオペラ
予告編で江角マキコの「ちゅうちゅうたこかいな」に強烈に引きつけられ、その特異な映像世界に浸透されて観に行ったが、映画としてはどうしようもない退屈に終始されたものだった。本編に予告編以上の内容が無かったのは当然ながら致命的だ。主人公を刺客が次々と殺しにくるというストーリーの単純さはそれでいいと思うけど、下手に難解っぽくしたことで面白さがなくなってしまった気がする。ビジュアル的にはやはり素晴らしかっただけに惜しいと思う。 1点(2003-12-21 17:59:17) |