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性別 男性

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1941.  仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z
仮面ライダーとスーパー戦隊の揃い踏みでも充分キツかったけど、さらに宇宙刑事と来た日には、もう好きにしてチョーダイ、と。さらにはキョーダインらしき2人やら(フォーゼの映画版でも見かけたが)、チョイ役登場も甚だしいイナズマンやら(外見はイナズマンより“せんとくん”に似てる気が)、果てはエンドクレジットの後には、あの泣き顔ロボットまで。いや何が来ても、もう驚きませんけれども。ただ、タイトルの極端な大風呂敷とは裏腹に、主な登場人物はかなーり限定され、小さくまとまってます。で、ラストでヤケクソのようにヒーローたちがウジャウジャ出てくるのですが、ここでも、全員登場させるのは見苦しいためか、はたまたスタントマンを集めきれなかったのか、ヒーローたちはお行儀よく、数回に分けて登場します。再度の組ともなると、もう夜になっちゃってます(ったって、ロケを一日でやった訳じゃないと思いますが)。夜なのに、ゴーバスターズの何たらいうマシンに召集をかけると、挿入される出動シーンの映像は使いまわしなもんで、ここだけ一瞬、昼間。このあたり、なかなか潔いですね。だからどうということもありませんが。さあ、洪水のように現れるヒーローたちの中に、あなたが昔お気に入りだったあのヒーローを、見つけることができるかどうか。ウォーリーを探せの要領で、どうぞ。
[DVD(邦画)] 3点(2014-01-05 16:17:02)
1942.  女王陛下のダイナマイト
リノ・ヴァンチュラ演じる元ギャングのコワモテ男、ひょんなことから、とある小心者の男と腐れ縁になり、彼を狙うイギリス金髪ギャング軍団と戦うオハナシ。ははは、意味不明ですね。隣国をここまでおちょくって許されるなんて、東アジアの某諸国間ではなかなかマネできません……。前半はそれなりにノワール調、とはいっても線が一本抜けちゃってる感じですが、後半に至るともう何本の線が抜けたのやら、ハチャメチャな脱調ぶり。敵味方、ひたすらダイナマイトの応酬、マンガのようなウソ臭いミサイルも登場し、(テレビ番組のコントみたいな)爆発また爆発。映画のストーリーまでもがどこかに吹き飛んじゃいます。それにしてもあの橋のシーンはビックリ。『TAXi』ってなツマラナイ映画があって、基本的には『フェラーリの鷹』のパクリだと思ってたのだけど、こういう映画にも元ネタがあったんだなあ、と。しかしバカバカしさへの徹底ぶりはこちらが数枚上。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-04 09:37:28)
1943.  腰抜け二挺拳銃
私がテレビでこの作品を観ていると、子供たちがやってきて、字幕が読めなくったって「ほんまアホやな~」とゲラゲラ笑いながら観ております。ちゃんと映像で笑わせてるんです。しかも笑いだけじゃない、ボブ・ホープ演じる主人公はアホな言動の末にアホな危機に何度も陥り、スリルある展開になってります。クライマックスの戦いなんて、ココだけ観たら“本格ウェスタン”かと思いますよね。何ともアホらしく何とも楽しい映画。ボブ・ホープが先住民の呪術医を投石で仕留めるワンカット、こういうバカバカしくも素敵な演出は、もう今の映画では見られませんね。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2014-01-03 21:06:23)
1944.  ジャックと天空の巨人
例えば昔、『グレムリン』ってな作品があって、何やら要領を得ない3つの約束をさせられる(約束ってのは当然ながら、後で破られるために存在する)のだけど。それに比べると本作の「豆を水に濡らすな」というのはヒネリが無いし、ましてや、床下に落とした一粒が雨に濡れちゃうなんて、これでは単なる不可抗力、あんまり平凡過ぎるのでは。という訳で、どうも大味な印象の本作。でも天空の巨人の国に辿り着いての探険、仕掛けられた謎のワナ、なんていう展開は、過去の怪獣映画、恐竜映画を彷彿とさせ、ワクワクさせます。それだけに、いきなり巨人が出てくるのは、これまた大味で残念。他にオモシロイ生物は、ここには居ないんでしょうか。と、手っ取り早く突っ走っていくのは、後半の地上でのバトルを描きたかったからですね。こんなバトルは付け足しでもいいから、途中をもっと膨らませてくれてもよかったんじゃないか、と。しかし、これはこれで楽しい展開。まさか、巨人と戦う描写として、綱引き合戦というシチュエーションを準備するとは、これは意表を突かれました。こんなに巨人をウジャウジャ出して、風呂敷広げ過ぎなんじゃないの、と思ってたら、最後にちゃんと(冒頭から繋がる)気の利いたオチも準備している。戦いにウェイトを置き過ぎて、ジャックも王女も魅力に乏しく、ユアン・マクレガーの役どころも何だか生煮えな印象ですが、童話を題材にアメコミ風味のアレンジ、素朴な楽しさがあります。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-01-03 18:03:03)
1945.  ピノキオ(1940)
揺れる物体や回転する物体の3次元的な動きが実に見事。そりゃま現代ならCGでもってお手の物、の描写なんでしょうけれども、手描きならではのファジーさが味わい深くって、「CGって無機的だなあ」と改めて感じさせられもします。そりゃま、当時としては、今でいうところのCG並みの完璧さを目指したのかも知れませんが。さて、ディスニー長編第2作の、この『ピノキオ』。ウチの幼稚園の息子が、最初は喜んで観てるけれど途中から「コワイ」と言うのは、悪役が、怪物とかじゃなくて「普通のオジサン」というリアルさでしょうか。しかしこの作品では、コオロギのジミニーというお守り役がピノキオを見守っていて、ホッとさせれらます(『ダンボ』におけるティモシーの存在にも繋がる役柄の設定ですね。ただし本作のジミニー、見た目がコオロギだか何だかよくわからないのが難点?)。あと、女神様。ってセリフでは言ってるけれど、見た目は妖精さん。登場シーンで光が飛んでくる描写が、今観るといかにも『未知との遭遇』で、あの作品にはやはり相当影響を与えているんだなあ。と思いつつも、いざ登場した妖精さんはいささかリアル過ぎ、なんかキャバレーのママみたいな俗っぽさがあって、ちと夢が無いかも。しかしピノキオに与える教訓「嘘はだんだん大きくなる」ってのは、何とも身につまされます。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2014-01-03 17:11:56)
1946.  大海原を行く渡り鳥
宍戸錠が、出演してないんです。出てたら出てたで、勘違いキザ男ぶりが何とも変なんですけれども、いないと寂しい、というか、彼の演技が作品にユーモラスな雰囲気を醸し出していたんですが(ただし、どこまで狙った効果なのかは不明)。今回滝信次が現れたのは、異国情緒あふれる(?)長崎、今回の彼の好敵手も、宍戸錠の代わりに、アヤシゲな中国人が登場。こういう間違った中国人像、どこか懐かしいですな。セリフ回しも北京語ならぬ、ゼンジー北京語。これであと、両袖突き合わして手を入れてたら完璧です。でまあ、とりあえず冒頭、地元民が暴漢に襲われているのを、たまたま通りかかった滝信次が助けに入り、彼がいきなり銃を持ち出しても誰も驚かず「助けてくれてありがとう」という、例によって例のごとくの展開な訳ですが、宍戸錠がいないことと関係あるのかないのか、滝と悪党どもとの抗争ばかり描かれて、やや単調。一応、銃撃戦なんぞでもって、盛り上げたりはするんですが。浅丘ルリ子も「え?いたの?」という感じのまま、映画が終わってしまいます。宍戸錠、やっぱり必要な人材ですね。出てらら出てたで変なんですけど。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-03 16:06:08)
1947.  男はつらいよ フーテンの寅
シリーズ中、山田洋次以外の監督がメガホンをとった2作品のうちの一本である、第3作。やはり雰囲気も異なります。長廻しもあれば、ごく短いカットの応酬もあり、特に江戸川べりでのさくらとの別れの場面の抒情性は、長いシリーズ中でもかなり異色のシーンですね。で、立ち去る寅さんは、駅に向う通勤者たちとは逆方向に歩いて行くのだけれど、一体どこに向ってるの?? 後半の舞台は湯の山温泉。ここでもまた、寅さんは例のごとくテキトーでいい加減なのだけれど、それでも、最後には実にいいトコロを見せる。そして見事に仁義を切って見せ、根なし草として生きる男の意地と孤独を、我々に見せつける。単なる失恋コメディに収まらず、寅さんの生き様をしっかり描いてみせた点、監督を交代しただけの価値ある異色かつ出色の作品となりました。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-12-31 11:55:58)(良:2票)
1948.  ダブル・ミッション
3人きょうだいのお母ちゃんの彼氏は、隣に住むダサい中国人。母は彼の平凡さに惹かれている一方、3人は彼のことが大嫌い。しかし彼の正体は何と何と、中国からCIAに出向中(んなアホな)の凄腕スパイなのであった、演じるはもちろん、我らがジャッキー・チェン。ストーリーはまったくツジツマがあっておらず、限り無くマンガ的、こういうデタラメな設定で、真面目に出鱈目を貫けばいいんだけど、ホノボノ路線に小さくまとまってしまって、一体何のために作ったのやらわからぬ作品(単に“ジャッキー・チェン主演”という看板をあげるためだけの作品)になっちゃってます。子供たちがジャッキーを見直す展開はお約束とは言え、見直すほど彼の動きにキレもなく、まさに「設定が先にありき」の頼りなさ。申し訳ないけど、これはジャッキーじゃなくって、ただのジジィです。しかし、最後のNG集を見ていると、あまりに皆楽しそうで、文句を言う気が失せてしまうんです。甘いとは思うけど、そうなんです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-12-31 11:26:00)(良:1票)
1949.  背徳の囁き
リチャード・ギア演じる悪徳警官と、内務調査官アンディ・ガルシアとの対決。という訳ですが、この悪役、やたら女性に手が早いジゴロ風、奥さんへの色仕掛けという心理戦を挑んでくるというのがギア様らしいところ。しかし、どうもあまり悪そうに見えなくって、迫力が無い……。私服刑事ではなく制服警官、これでもう少し年季の入ったベテラン風だったら、何やら訳アリな感じも出るのだけれど、何だか普通に優秀な警官に見えてしまい、都合でルールを捻じ曲げていく姿にも、凄みというよりはクールさを感じてしまう。もうちょっと、得体の知れない悪の象徴のような人物として描けなかったものか、と。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-12-31 10:37:18)
1950.  ロッタちゃんと赤いじてんしゃ
いやいやいやいや。子供だからって何でもかんでも微笑ましく見守らにゃならぬ、ってもんじゃないですよ。子供を相手にする時は、真剣勝負。この映画も、ロッタちゃんに容赦なくツッコミを入れながら観るべきです、「アンタいい加減に服を着なさいよ」とか「ほらもう、大事なカバンが無くなってるやんか」とか。とはいえあくまでこれはフィクション、子供たちの活き活きとした表情と、映画としての作り込みを、うまく両立させています。それに、子供たちに負けず劣らず、大人たちの表情が印象的。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-28 22:52:22)
1951.  ハンガー・ゲーム
これは予想以上にヒドい・・・。一体何のためにカメラを揺らし続けるのか、「だって今ドキの流行りだしぃ、こうしないとプロデューサー納得しないしぃ」とでも言いたげに、義務のようにカメラを揺らす。そしてブチブチと短く切り刻む。最初っから「とりあえず」の揺らしまくり切りまくりなもんで、暴動シーンともなるとこれがさらに加速して、もう何が何やら。子供たちが互いに殺し合うという悲惨な設定にも関わらず、まるで悲壮感も無し。サバイバルな要素も希薄で、まさに単なる“ゲーム”に過ぎない語り口。しかし、主人公が戦うべき相手は、競争仲間というよりも、自らの運命に対してであり、すなわち自分をとりまくルールであるはずのところ、このルールがまるで不明確、というか行きあたりばったりも甚だしく、およそ“ゲーム”にすらなり得ていない。この作品のどこを見所として捉えればいいのやら。 (この映画、特に前半がやたらとクドく、さんざん待たされた挙句にようやく戦いが始まるのだけど、そこで挿入される曲が意表をついていて、スティーヴ・ライヒの「18人の音楽家のための音楽」。だからどうっちゅうこともないけれど、ライヒ作品の禁欲的なまでの秩序を、少し見習ってはどうか。)
[CS・衛星(吹替)] 3点(2013-12-28 22:12:54)(良:1票)
1952.  ミヨちゃんのためなら全員集合!!
いかりや長さんの顔芸vsカトちゃんの顔芸。そういや長さんって、こんなスゴイ顔だったんだよなあ、とつくづく思います。って何に感心しているのやら。ミヨちゃんのためなら全員集合!!って言っても、ミヨちゃんを演じるのは美津子ボンバイェ、だいぶ貫禄がありますね、しかも「ミヨちゃんのため」どころかむしろ、いかりや氏の零細工場を地上げ屋から守るためにミヨちゃんが奔走するオハナシじゃないですかコレ、という点に一番笑ってしまったんですが。この時代に公害問題をこういうふうに茶化してよかったんだろうか、とも思えば、この時代ならではの節操の無い自由さよ、とも思えたり。「ゴリラを殺す」なんて日記に書いてるうちはいいとしても、本当に包丁を持ち出しちゃうブラックさがこれまた、やり過ぎといえばやり過ぎだし、表現が自由だった時代のユルさといえばユルさ。それにしても、いかりやさんの顔芸より、カトちゃんの顔芸より、仲本&高木コンビのあまりに似合っている芸者姿が、目に焼き付いてしまって・・・
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-12-28 10:25:31)
1953.  グレートレース
ニューヨークから西回りでパリへ、空前の自動車レース! って言っても、参加者がやたら少ない上に、早々に皆、脱落してしまい、永遠のライバル、レスリーとフェイト教授との一騎打ち。この時点で、スケールでかいのやら小さいのやら。しかも、レース途中に立ち寄る各地方でのエピソードが主で、基本的にこの映画、レースをしていませんね~。レース映画ではなく、『八十日間世界一周』のノリの映画です。トニー・カーチス演じる、カッチョ良過ぎるキザ男レスリーに対し、敵役のフェイト教授と助手マックスを、ジャック・レモンとピーター・フォークがヤケクソのように体を張って演じ、それを古き良き時代の懐かしきギャグが彩る、という趣向。特に、ジャック・レモンのハイテンションぶりに、ついていけるか否か。ギャグは色々と盛り込まれているのですが、正直、この映画で一番楽しいのが、映画冒頭からレースが始まるまでのショートコントの部分、後が続かないのが残念で、やや冗長に感じさせる一因にも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-28 09:40:01)
1954.  ヴェラクルス
馬車に隠された金貨をめぐる、二転三転するプロット。ラストの壮絶な銃撃戦。なーんて言うと、いかにも痛快娯楽時代劇といった感じで、実際そういう面もあるんですけれども、あまりその方面に単純に期待し過ぎると、ちょっと戸惑うかも。本作の魅力は何と言っても、正統派ヒーロー然としたゲーリー・クーパーに対して、曲者ぶりが際立つバート・ランカスターの存在感。何を考えているかわからぬ彼がまず居て、その彼を軸にストーリーが転がっていくので、お約束的な「意外な展開」には収まらぬ、変則的な物語運び。いや、表面的にストーリーをなぞって薄っぺらーいリメイク作品に仕立ててやれば、それはそれでオモシロ作品になりそうな気もするんですけれども、なかなかこの作品ほどのインパクトは残せないんじゃないか、と。バート・ランカスター演じるジョーの自由さが、映画自体を自由に開放している。豪快で魅力的な作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-12-22 09:04:57)
1955.  アウト・フォー・ジャスティス
セガールが例によって例のごとくセガールアクションを披露する一方で、監督はジョン・フリン。どこか70年代テイストを感じさせつつ、どこかインディーテイストを感じさせたりもします。セガール演じる主人公、いわゆる“ハミ出し刑事”なんでしょうけれど、ハミ出しなんていうレベルじゃなく、完全に軸足が外に出ちゃってます。刑事らしからぬ格好に(どうしてあんなイデタチなんだろうか?)、刑事らしからぬ乱暴極まる言動の数々。チンピラ育ちが、就職先を間違えて警察官になっちゃった、てな感じで、正義感などまるで感じさせず、ひたすら私怨から、容赦なく大暴れ。乱暴なのは彼自身だけじゃなくって、そもそも映画のノリ自体が乱暴、ストーリーなんてあって無きがごとし。ややもすると単なるパフォーマンスに終わりかねないセガールのアクションを、意味を削ぎ落しひたすら行動を描写することで、ダイナミックなものに仕上げた、これはさすがだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-12-18 23:44:09)
1956.  怒りのガンマン/銀山の大虐殺
ちょっとダサめのテーマ曲、どっかで聴いたと思ったら、『キル・ビル』で引用されておりましたと。という点以外にはこれといって特筆すべきこともない作品なのですが、リー・ヴァン・クリーフがいかにもリー・ヴァン・クリーフらしいアクの強い貫禄を見せてくれるので、彼のファンならば(いるとしてだが)、悪くないんじゃないでしょうか。例のややダサいテーマ曲に乗って始まる冒頭、馬車の行く手を阻む武装集団。脱獄犯を追いつめようとしているらしい。で、やおら馬車から降り立ち、彼らの中を闊歩するのが、我らがリー・ヴァン・クリーフ。一見シブいのだけど……物影に隠れ脱獄犯を待ち構える彼らに対し、横を通り過ぎるごとにいちいちしょーもないチョッカイをかけていくのが、シブいというよりまるでコメディ。と思ったら、逃亡犯の方が胸のすく小粋なアクションでその場を逃げ切り、ついにはBGMまで陽気な音楽と化し、本当にコメディ調になっちゃいます。でまあ、くだんの逃亡犯氏は、かつて町を牛耳る一家の親分を殺害したということで、その息子たちに狙われているのだけれど、本人いわく、それは濡れ衣だと。元保安官のリー・ヴァン・クリーフも、彼は無実だ、オレは真犯人を知っていると。一体真犯人は誰なのか。って、観てれば丸判りなんですけれど、勿論それでいいんです。むしろ、実は予想外の人間が犯人でした、なんていうオチだったら、みんな怒りまっせ。予想通りの展開に、予想通りの決闘シーンへ。黒ずくめの主人公に、白ずくめの敵役。ダサいテーマ曲が流れ、それなりに盛り上がるのに、ラストでコメディ調の音楽に戻ってしまうのは、本当にこれでいいんでしょうかね~~。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-12-18 22:54:16)
1957.  ゼロ・グラビティ ネタバレ 
登場人物を極端に切り詰め、寓話性が鮮明に出ている作品ですが、寓話という“理屈”に留まることなく、我々を圧倒的体験へと放り込む、映像の力。寓話性というのは、宇宙でのサバイバルという物語を借りて描く、人間の生死そのものであって、不安定極まらぬ生の不安、迎えねばならぬ死の不安。孤独と不安の中で生きる事に意味はあるのか。「大人に成長する前に事故で命を失うこと」だってありうる。だったらそもそも生まれることに意味はあるのか。サンドラ・ブロックが宇宙ステーションという胎内に留まるのか否か、臍の緒のようなチューブ、胎児のように体を丸めた姿勢、それはもう、ジョージ・クルーニーのセリフと一緒になって、暗喩(メタファー)というよりは直喩に近く、生を肯定するラストで、彼女は宇宙服から「生れ出でて」自らの足で大地を踏みしめるのだけど。しかし我々が感動するのは(我々、と言っていいでしょう、今現在、平均点9.5点)、そういう“理屈”に対してでは無くって、この、異常なまでの執念をもって描かれる圧倒的な無重力描写にあるのは確かでしょう。上も下も無い不安、細いロープ以外に頼るものの無い不安。3D映像は、無限の奥行きを強調する。はたまた長い長いワンショット描写は、『トゥモロー・ワールド』以上の執念で、不安な時間感覚を醸しだし、大音響のBGMは、(素朴なカントリーミュージックとともに)むしろ恐ろしい静寂を感じさせます。不安、不安、ひたすら不安(ちなみにウチの小学生の娘は耐えきれなくなり、中盤で一度、「外で一息ついてくる」と席を外しました)。そんな不安の中、自分の死を目前にしたサンドラ・ブロックが、地球との通信を捉える。相手は中国語、全く意味が通じない、最後の会話。いやそれこそ、会話の相手は人間でなくったっていい、犬だっていい、意味は通じなくてもよい、主人公が最後に得た他者とのギリギリの接点なのだから。すべてが極限の世界、驚くべき映像世界、それでいて、寓意性を孕みつつ、サバイバル映画としてのドラマ性にも事欠かぬ(火災→消火器→移動手段)。いやはや、スゴい映画を作ったものです。もう充分かも知れませんが、さらに平均点を上げさせてもらいます(笑)。
[映画館(吹替)] 10点(2013-12-15 09:07:22)(良:5票)
1958.  刑事ジョン・ブック/目撃者
初めて観たのは高校の頃、視聴覚教室にて。当時、聞いたこともない映画だったもんで、どマイナーな映画なんだろう、それにしても静かでのどかな映画だわい、と思ってたら、突然殺人事件がおこりビックリ、続いてハリソン・フォードが登場し二度ビックリ。それはともかく、この映画って要するに「風と共に去りぬ」なんですね、いや実際には風と共に去りはしないのですが。強い女性のお話です。そりゃま、アーミッシュの村を舞台にしてることで、文明批判的な文脈で作品が捉えられたりもするかも知れないけれど、それ以上に、村の掟と都会から来た男性との間で揺れ動く、ケリー・マクギリス演じるおっかさんの姿に主眼が置かれてます。彼女を村の掟で縛ろうとする爺さんが暗闇に立つとき、彼女は家の灯を背景に光に包まれながら、それに対峙する。はたまた、彼女にオッパイに睨まれりゃ、さすがのハリソン氏もタジタジになっちゃう。田舎が良いとか都会がダメだとかじゃなくて、彼女の強さと揺らぎ、それがこの作品の魅力。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-12-11 22:52:05)
1959.  女と男の名誉
オトナ向けのちょいとシャレたブラックコメディ。ってことなんでしょう。きっといい映画なんでしょう。この映画を楽しめないのは私が悪いんでしょう。でも、なあ。どこに行きつくともわからぬ妙なストーリー展開、とってつけたような突然のラスト、これらは、観てて気分が乗ってくると楽しいんだろうけど、気分が乗らないと、いかにも狙ってます的な感じを受けてしまって。で、気分が乗らない理由ってのは、やっぱり、長廻しの中で好き放題やってるジャック・ニコルソンにあると思うのです(ジャック・ニコルソンとキャスリーン・ターナーの4分くらい続くツーショットとか)。彼のテンションが上がるほどには、なかなか映画自体のテンションは上がらない。そこがまあ、オトナ向けの映画ってことなんでしょうかね。しっとりとしたアホラシさ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-12-11 22:17:18)
1960.  続・次郎長富士
前作に続き、大映が満を持して送るオールスター次郎長映画。物語は前作からの続きで、出演者もかなり共通していますが、役柄は次郎長・石松を除き、ほぼシャッフルされちゃっております。前作で黒駒を破り、破竹の勢いの次郎長一家。勢力を伸ばせば伸ばすほど、敵対する各ファミリーの包囲網もきつくなる。そんな中で、前作にも勝り存在感を示すのは、やっぱり勝新演じる石松。本当にノリノリで楽しそうに演じており、この勝新を前にして、いったい雷蔵は何のために出てきたのかと(笑)。いや、チョイ役とは言え雷蔵様の顔もしっかりと拝める、これぞ大映大作映画。勝新が活き活きしているからこそ、どっしり構えた長谷川一夫次郎長の貫禄も増し、男気も光るというもの。クレーンを用いた俯瞰の殺陣など、見所も多く、昼のシーンと夜のシーンが混ざって時系列のよくワカランところもあるけれど、何しろ勢いです、勢い。勝新と中村玉緒のカラミ、妙にネチッこくって、正直ちょっと引いてしまう(笑)けど、これも勢いということで。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-12-10 22:51:50)
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