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1.  モルグ 死霊病棟
「本当に、一ミリも、怖くない」映画でした(笑)  2019年制作というのが信じられません。30年前なら、丁寧に作ってあるし十分怖いと言えるのでしょうけど。 すべてがセオリー通りで、冒険部分はゼロです。100%意外性なしって、逆にすごいかもしれない。 観る側だけでなく、制作側もつまらなかったんじゃないでしょうか。  誰もが知っている教科書に載っているようなお話を、そのままオリジナリティゼロで丁寧に映画化した感じ? 誰も楽しくない。 ただ、破綻もなく丁寧に作ってあるので、0点ではない…という。  どなたかもおっしゃってましたが、短くてよかった。唯一の長所です。
[インターネット(字幕)] 3点(2022-07-05 14:21:40)
2.  ハロウィン(2018)
この作品、別の映画の続編だったんですね!な・る・ほ・ど…。  それを知って観ていたら、もう少し評価が上がったかもしれません。 序盤の殺人鬼の描写や殺人鬼を迎え撃つ気満々の女性等など、匂わせというか勿体ぶった設定だなぁ…と思ったエピソードは、制作側からの「その後の皆さんです」という紹介だったわけですね。なるほど。  まあそれでも、話の展開がすべてお約束通りで意外性はゼロ、しかもその「お約束を丁寧に丁寧に」作っているので、途中で退屈しました。それは続編であろうとなかろうと、この作品の最大の欠点だと思います。 お約束以外の部分がまったくなく、かろうじてクライマックスでヒロインの母(おばあちゃんの娘)が殺人鬼をだます部分だけは、「おっ」と思いました。でも本当にそれだけ。  料理とかと違って、定石を丁寧に作ったからって映画のクオリティは上がらないんですねぇ。そりゃそうか。  殺人鬼を迎え撃つおばあちゃん(というには若くて壮健)にもっと寄り添ったストーリー展開だったらよかったのかも。十代のヒロインはお約束通り泣き叫んで逃げるだけの役で、おばあちゃんを信じない母親は何もしないし、普通に殺人鬼に人が殺されていくだけでストーリーに工夫も意外性もないしさ、見るのが面倒くさくなっちゃいましたよ。  制作側は楽しく作ったのかもしれませんが、観客あっての映画ですから、もう少し観る側のことを考えた映画作りをしてほしかったです。
[インターネット(吹替)] 4点(2022-03-19 14:55:34)
3.  アフターショック 《ネタバレ》 
とても良く出来たパニック・ホラーもの。全体的にコメディタッチで味付け、前半で丁寧に人間と人間関係を描き、後半で一気に地獄絵図を描く。 地震後は、ラストまで、気持ちいいくらい容赦ない。この”人物描写の丁寧さ”と”容赦のなさ”が、ロス監督の個性?好み?なのかな。  巨大地震をなんとか生き延びると、そこには脱獄した凶悪犯たちが待っている。善人の振りした殺人犯もいるし、善人すら家族のために人を殺すオソロシイ世界に様変わりしている。まさに天国から地獄。 そんな中でも友人を大切にしたり他人を助けようとする、人間性を失わない、ごく普通に長所短所のある愛すべき主人公グループの面々が、必死で生き延びようと努力する。そりゃあ観る側は、なるべく死なないで欲しい、誰か助かってほしいと思うよね。 そこに、あくまでも丁寧に、情け容赦のないエピソードを次々と展開してみせるロス監督。かなり非道い。まあその非道さ容赦のなさが逆に気持ちいいくらいで、後味が悪くないのが不思議だ。  観てる側に、地震より人間の方が怖いよ!と思わせておいて、最後はやっぱり自然災害の方が怖いよね、というオチでした。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-07-18 08:24:21)(良:1票)
4.  昼顔(2017) 《ネタバレ》 
TVドラマを知らないで観ました。 不倫してバレて一度は別れた二人が、海辺の街で再会するのですね。 最初から、すでにラストはわかってしまう展開ですね。だって不倫モノですから、脚本的に「ふたりはようやく結ばれたのでした。めでたし」にするわけにはいかないですものね。 でも「二人の気持ちは変わらない」という根幹は変えられないわけで、そしたらもうどっちかが死ぬしかないですよねぇ(苦笑)。  そういうわけで北野先生はあっさり死んじゃうわけですが、「別れるくらいなら死ぬ」とマンションから飛び降りたり車で暴走して心中しようとした妻も、肝心の夫が死んじゃったらむしろスッキリしてフツーに生きていけそうな感じになってて、執着ってそーゆうもんなのかもしれませんね。 自分を捨てた人間が誰かと幸福になるのは自分が惨めすぎてつらいけど、死んじゃったらもういないから仕方がないもんね、みたいな。  ともあれ、配偶者の不倫を許して別れてあげるには、ものすごく器が大きいか、次の恋人がいないと無理なんじゃないでしょうか。 自分を騙していい人になろうとすると、北野妻みたいに精神的におかしくなって大暴走してしまいそう。 不倫男なんて最低、と見限れればいいけど、そうじゃなくて、夫の運命の人は自分じゃない人だった、みたいなのはつらいね。 ドラマは未視聴なので想像ですが、紗和の元夫は離婚してくれたみたいだし、家庭以外のよりどころ(仕事とか友人とか)をしっかり持っていれば、つらくても乗り切れるのかもしれませんね。 残念ながら、北野妻は業界が夫と同じなわけで、そーゆう意味でも気の毒だったなぁ。乗り切るには、やっぱ次の恋人を作るのが一番なのではないでしょうか。  なんで、やっぱり誰が一番つらいかって言えば北野妻だろうし、離婚後に元夫を愛称で呼ぶくらい許してやれよって紗和に対して思ったよ。 本音は嫌だろうけど、自分は北野先生を手に入れるんだから、許せよそれくらいって。元妻に対して本気で申し訳ないって思ってないなって気がしましたね。 まぁ、北野先生が怪しい行動をとりだしたら着の身着のまま飛び出して尾行するし、北野に対してはなにも譲れないってトコなのかな。  あと、海辺の街の人々が紗和の不倫を知ってすっごく冷たくなっていたけど、みんなまだ若いのに、なんでそんなスクエアに正義好きなの?そんなにみんな清廉潔白?ちょっと極端じゃない?って思ってしまったのは、田舎を知らないからかなぁ。海辺だから開放的に見えるけど、みんなあんな感じだとしたら、とっても怖いです…。  ラストで、実は紗和に新しい生命が…とゆーオチは、いらなかったでしょう。彼女はあの時生きることを決めたんだから、オマケというか後付けの理由はいらなかったと思う。 作品を希望的に終わらせるためにそうしたんでしょうけど、イマイチな感じがします。曖昧にしないで、スパッと紗和に一人で生きて行かせるべきでした。 でなければ、北野妻が妊娠していた方が、ストーリーとしてマシというか、面白かったと思います(笑)  彼は死んだけど赤ちゃんがいます…みたいなのは、キレイ事で依存的で、あまり好きになれないラストでした。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-07-03 20:38:32)
5.  10 クローバーフィールド・レーン 《ネタバレ》 
前作「クローバーフィールド/HAKAISHA」なる作品を知らないで観ました。 まったく予備知識なしだったため、ヒロインがシェルターで目覚めた時、「なんだ拉致監禁モノか」と思ってしまい、思わず斜め見。しかし後半、ヒロインがシェルターから脱出してからの展開では、口開けっ放しになってしまいました…。  こーやってたまに度肝を抜いてくれるから、映画ってやっぱりいいですね。  ヒロインのミッシェル役は、「ファイナル・デッドコースターのヒロインの子だ!」と、すぐにわかりました。 黒目だけでなく白目部分も含めて眼が大きくて、上背があるけど女性らしい体型で、すくすく育った感があって、強い生命力を感じる魅力的な女優さんですよね。  彼女なら異星人もやっつけちゃうかも?と思わせてくれるなぁ…と思いながら観ていたら、本当にやっつけちゃったし、ラストもやっつける気満々で人助けに向かうし、彼女ならできる!ヒロインならこうでなくちゃ!って感じがしました(笑) いや~楽しい映画体験でした。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-07-03 19:40:37)
6.  Virginia/ヴァージニア(2011)
最初のワンショットから、B級感がプンプン漂う作品。 B級が悪いという意味ではなく、肩の力を抜いて気軽に観られるという意味で、いい感じのB級感が漂っています。  とにかく、エル・ファニングがかわいい。 さえない売れない中年作家やアブない白髭の保安官なんかより、彼女をもっと映してほしかったです(笑)  監督がコッポラというのも知らないで観ましたが、映画館で観たら、かなりガッカリする作品かも。TVのスペシャル番組ぐらいのクオリティに感じます。 たとえばこの作品の続編が出るとしても、誰も観に行かないでしょう?それは映画としては失敗なわけで。 もっと脚本を練るべきでしょう…と思って確認したら、脚本もコッポラでしたか。ああ、もう年齢的にシンプルイズベストになっているのかもしれませんね…。  TVのスペシャル番組でこれの続編をやるというのなら、また観るかも。そのくらいの小品です。
[インターネット(吹替)] 5点(2020-06-29 16:38:52)
7.  リグレッション
テーマが「性的虐待」「悪魔教団がらみ」とくれば、興味を持つ人は多そう。 そこへ「実在の事件」とアピールしたら、作品の出来とは関係なく、そりゃあ興行的にはそこそこ成功するんじゃないか。  しっかりと取材したドキュメンタリーじゃないんだったら、実際の事件にインスパイアされて制作しよーとしまいと作品の出来不出来とは関係ないんだから、いちいち持ち出すのは止めてほしいな。  それにしても主役の刑事、どこかで見た顔だと思ったらイーサン・ホークだった。年取ったなぁ。 彼は、悪魔教団の存在を信じて調べていくうちにどんどん心理的に追い詰められていくのだが、なんでそんなに追い詰められていくのかが、さっぱりわからなかったです。 彼が受けた実際の被害って、無言電話だけじゃん。なにをそんなにビビッているのか。 実は神の存在を信じているから、ひっくり返って悪魔も信じているんだろう。だから頭っから疑わず、悪魔教団の存在も信じちゃうんだろう。それで「組織に狙われる!」と被害妄想に陥ったのかもしれない…が、タフネス刑事のくせに、ココロ弱すぎだろう。  単純すぎて、頭っから被害者の言うこと丸飲みしちゃうしね。 同僚が被疑者になったら、それもすぐ信じちゃう。ヒドイ…。まぁマッチョな刑事だから、可憐な美少女が泣いて助けを求めてくるのを、加害者だと疑ってかかるのは難しいのかな。しかし刑事のくせに…と思ってしまうのだが。 確かに現実には、そんな単純な手に引っかかるか???と、思う人ほど、引っかかっちゃうんだろうなぁ。オレオレ詐欺の電話が実際にかかってきたら引っかかっちゃうみたいに。  しかしつまらなかった。 虐待は本当だったのか、教団は本当に存在するのか、どちらが本当かわからない謎をミステリアスに描くこともできたはずなのに、主役の刑事さんのビビった妄想夢や仲間内の喧嘩ばかり披露されて、いまいちストーリーが盛り上がらなかったです。 ラストも、大して衝撃的でもないし。 最後にもっともらしく、催眠療法については現在こういわれている…とか字幕で出されるのも、カウンセリングが一般に流布されていない日本では、はあそうですが、という感じでしょう。  大きく振りかぶった割にはヒョロヒョロ球でした、という作品でした。残念。
[インターネット(吹替)] 4点(2020-06-29 16:03:43)
8.  アス
自分だけじゃなく、家族まるごとドッペルゲンガーという発想はよかった。家の外で、手をつないでじっと動かない影になっているドッペルたちのシーンが一番怖かった。動き出してからは、普通のホラーになってしまったが。  子どもみたいにはしゃいで緊急時もジョークを飛ばすばかりの父親には、かなーりイライラした。よく妻も子どもたちもつきあってやるもんだ…愛だね。 まあ強い妻がいるから、夫も子どもでいられるんだろう。子どもたちも反面教師でしっかりするし、観てるこっちはイラつくけど、いい父親なんだろう。  主役一家のドッペルたちは、他の家族のドッペルみたいにサクッと殺さないから反撃されて逆襲されてしまう。主役一家が助かるためには仕方がない演出だが、それも度を過ぎていて不自然だ。 そして、ドッペルさんが種明しをした時点で、あまりの荒唐無稽さに、苦笑。盛り上がりを前に、気持ちが冷めてしまったよ…。  色々と言いたい事があるのはわかる。テーマを打ち出したい気持ちもわかる。でも観客をしらけさせちゃあ、映画としては失敗じゃないのかな。 ここまでくると、ラストの捻りも、想定内だしどーでもいい感じがした。  主役一家たちのキャラクターは立っているし、それぞれの関係性もファミリーの会話もすごくしっかり描いている。細部は非常に凝っているけど、全体のバランスがかなり悪くなってしまった、という感じかな。脚本がもう少し自然だったらよかったのに、残念です。
[インターネット(吹替)] 4点(2020-06-29 14:01:28)
9.  映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
かっわいいなぁ! かわいいだけでなく、いろいろと刺さるなぁ。気が付いたら泣いてて、そんな自分にビックリしたよ。  若いころに観たら、たぶん「子ども向けで退屈」と思ったかもしれない。 いい年齢の大人になったから、人生や世の中は思うようにいかない事の方がずっとずーっと多くて、不条理も悲しい事もたくさんあって、それでも人はなんとか人とつながることで生きていくんだ、という事が骨身にしみてわかるようになったからかもしれない。  余計なものをそぎ落として、大事なものだけ描いた、この「すみっコぐらし」の世界が、こんなにも沁みる。  この映画は、子どもは何も考えずそのまんま、楽しんだり悲しんだりできるんだろうね。 大人は、イマイチと思うか、思いっきり刺さるか、どっちかだと思う。私は後者でした。  目が腫れるほど泣けた自分に驚いた、久々の映画でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-06-19 15:06:42)
10.  監禁/レディ・ベンジェンス 《ネタバレ》 
復讐というより、自分と同じように拉致&監禁されている被害女性たちを救い出そうとするストーリー。  女性たちを助けて回るうちに、犯人グループの男どもと遭遇して殺し合いになったりするが、まったくの不可抗力で問題を感じない。 むしろ、犯人がヒロインを脅したり憐れみを誘ったり取引を持ち掛けてくるのに対し、「もっと冷酷になれ!自分がされたことを忘れるな!殺されるぞ!」と、人間的なヒロインをもどかしく思ってしまった。  そうして、最初はいちいち動揺していたヒロインだが、徐々に殺しをためらわなくなっていく。というか、そうならないと犯人グループに殺されるのがわかっているので、強くならざるを得ないのだ。  それにしても、銃を突きつけられた犯人たちは、口をそろえて「悪気はなかった」と言うのだが、それが弁解になるとでも思っているのだろうか。 「悪気がなければ何をしてもいい」と、どこかで教わったのだろうか。 「お前らに悪気があろうとなかろうと、関係ない。自分のした事の結果を引き受けろ」と言って一発お見舞いしたいくらい、非常に耳障りだった。  ストーリーの要所要所に、拉致以前の、恋人とデートを楽しむヒロインの平穏な回想のムービーが挟まれる。これにはどういう意味があるのか、彼女の変わりようを描いているのか、何かを示唆しているのか考えていたら、オチはああやっぱり、でした。 まあそれは、大したオチじゃないので、いいとして。  ラスト、犯人の一人を殺さず、彼の家族のいる家に返し、去っていくヒロイン。 そこにまたフラッシュバックのような回想が入る。最後の回想。 彼の捨て台詞。ヒロインから大切な存在を奪い取り、言い放った決して許せない言葉。  その言葉を思い出し、ヒロインは彼の家に帰る。 彼を殺すために、だろう。 それは正解だ。野放しにしたら、また同じことをする男であることは、わかりきっているのだから。  ヒロインは、犯人を殺したらさっさと逃げるのだろうか。 それとも、彼の妻と娘をも殺してしまうだろうか。  それはわからないまま終わるのだが、そこでこの作品のタイトルを思い出す。 レディ・ベンジェンス、原題BOUND TO VENGEANCE、要するに『復讐』、『復讐への束縛』だ。  誰のための復讐だったのか、自分だけの復讐ではなかったことが、最後の回想からわかる。 復讐に縛られた彼女は、きっと彼の家族を彼の目の前で殺すのだろう。 そう予感させて、作品は終わる。  拉致されレイプされ監禁されるという残酷な描写もなかったし、無実の第三者の死もわざと描かない。 そういう抑えた表現が、この作品の持ち味だ。(犯人たちはいっぱい死ぬけど) 好みは別れると思うが、残酷描写を売りにした作品でない事は確かです。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-06-17 21:11:43)
11.  ババドック ~暗闇の魔物~ 《ネタバレ》 
すごい演技達者な女優さんと子役さんでした。 特に子役がすごく上手で、「乱暴で不安定で育てにくい子」になりきっているので、観客はみな「このガキ、うぜえ」と思ったのではないでしょうか。  そうやって「育てにくい子を虐待しかねない親の気持ち」がわかるようにしておいて、母親がどんどんおかしくなっていく描写を入れていきます。 ババドックに取り込まれ、愛していたはずの子に暴言を吐き、放置し、最後には存在を消そうとすらしようとします。 もし単純に虐待シーンを描いただけだったら、「虐待母か。最低だな」と思われて終わりですが、最初から丁寧に親子関係とその変化を描くことで、観客の気持ちをちゃんと引っ張っていきます。  そして、『ババドック』というのは、母親の心の影であり弱さであったようです。  『ババドック』の絵本を作ったのも母親自身です。いい母親でいようと努力し続け、本音(つらい、子どもが鬱陶しい、憎い、逃げたい)を抑圧し続けた結果、ババドックが生まれたのでしょう。  なぜそこまで子どもへの強い愛憎を持つに至ったかは、ラストでわかります。 子どもの誕生日と夫の命日が同じ日であること。夫は、出産した病院へ車を走らせている途中で事故にあい、死んだこと。夫への愛情と喪失が子どもへの愛情と憎しみを産んだのは、無理ない事と言えます。  一面的に「虐待は悪だ」「悪い母親は最低だ」と人間を断罪するのではなく、丁寧に子を虐待する母親の心を描いた作品ともいえますね。 どんな母親でも本当はいい母親でありたいのだ、と。自分の心の弱さと闘う母親もひどく苦しんでいるのだ、という事をちゃんと伝えようとしています。  そして、人の心の弱さは絶対に消えません。 それがわかっているから、ラストで母親は、弱さである『ババドック』を飼いならす努力をしているのです。 大人は大変ですね。 けれど、子どもは魔法が使えます。どんなタネなのかまったくわからないミラクルを持っていて、母親を幸せにしてくれるのです。それが最後の手品の場面なんだと思います。  サイコ・サスペンスかと思ってたら途中からホラーになって、「キャーこわい」と思ってたら、ラストですごく深いテーマだと気が付かされました。よかったです。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-06-17 10:46:59)
12.  アンセイン ~狂気の真実~ 《ネタバレ》 
ヒロインは本当に何年もストーカーにつけ狙われている被害者なのか、そういう妄想を持った狂人なのか、というのが一応キモだと思っていたのですが、ちょっと違っていたようです。  そもそもストーカーのモノローグから始まっているし、精神不安定なヒロインではあるけれどそれはストーカー被害にあっているから、という描写もあるし。裏読みせず素直に観れば、単純に「ヒロインがストーカーの罠に落ちていく話」です。 しかし、そんな単純なはずがない、わざと嘘の描写をして観客を騙す作品かもしれない。だとしたら最後にどんでん返しがあるはず……と、色々考えて観てしまったのですが、なんの騙しもないし伏線すら張っていませんでした。  そのまんまの、ただのストーカーに付きまとわれた女性を描いたサイコ・ホラーだったようです。しかもリアルにしようとしたのが仇になったのか、ストーカーがまったく怖くなかったです。  ストーリーをここまで単純にするなら、せめてストーカーの恐ろしさをちゃんと描くべきでした。 退屈だし怖くもないしで、製作者側が一体この作品で何を言いたかったのか、何を目指していたのか、なにも伝わってきませんでした。残念です。
[インターネット(字幕)] 3点(2020-06-16 20:47:30)
13.  午後8時の訪問者
そもそも医者になって人を助けようという人間だからなのか、現代日本人よりずっとずっと良心が強くて人道的なヒロインだと思った。  彼女と同じ立場に立った時、「ドアを開けなかったのは仕方がない」「殺したのは自分じゃないし」「運が悪かっただけさ」と、カケラも罪悪感を抱かない日本人の方が多いんじゃないか。 そこには移民への偏見が絶対にあると思うし、「他人のトラブルに関わりたくない」「責任をとりたくない」という事なかれ主義もあるだろう。「自分と自分の家族だけが無事ならそれでいい」という身も蓋もないエゴイズムも強いと思う。まぁそれは、登場する他のフランス人にも言える事なんだけど。  それに比べてこのヒロイン、自分のしたことの結果をしっかりと引き受け(必要以上に引き受け)、将来の選択まで変えてしまうのだから大したものだ。  しかし…頭がよく行動力もあるのはいいのだが、「そんなよくわからない人間を部屋へ入れるのか!」と、同じ女性として観ていて怖い場面が多々あった。 まあ自分の家ではなく診療所なんだから当然なのかもしれないんだが、それでも女性一人の部屋へ見ず知らずの人間を招き入れるというのは、かなり危険な行為なのではないか。…って、医者だから仕方がないのか…。せめて入口に警備員にいてほしい…。  序盤で若い男の研修医がプイっとムクれて診療所を出て行ってしまうのだが、フランス男は面子にこだわりすぎなのか、打たれ弱すぎなのか、なんかこじらせてて、面倒くさーって思ったら、別にちゃんと理由があったのですね。 まあその理由も、ヒロインが一生懸命謝って話しかけて何度もアプローチしてようやく話すのだが、そこまでしないと話もできないなんて、やっぱりフランス男は面倒くさーって思っちゃいました。  という感じで、観ていて色々と考えさせられる映画です。 地味です。でもだからこそリアル。  機会があったら、ぜひ観てもらいたいです。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-06-12 20:37:56)
14.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
いやあ、音楽がとにかくカッコよかった。  カーアクションは迫力あるけど、途中で飽きました。スミマセン。 たぶんカーキチの方たちは好きでたまらない魅力的な映像なんだと思いますが、フツーの人間が観ると、カーアクションだらけで「もうお腹いっぱい」です。もう少し他の何かが欲しいなぁ。  昔のマッドマックスを知ってるので、「今度のマックスはずいぶん弱いなぁ」「明らかにサブキャラだなぁ」「悪役たちの残酷さが薄まってて見やすいなぁ」「美女ばっか出てくるなぁ」「こんなに目の保養が多かったけかなぁ」等など、違和感…というほどでもないけど、意外性を感じました。  シャーリーズ・セロンあっての映画になってますが、確かに、男だらけでウジャウジャやられても、観る側はつまらないし古いし。 序盤のマックスの扱われ方を観てたら、このあと自由を取り戻したマックスに闘われてもイマイチ盛り上がらないな…と思っちゃったけれど、シャーリーズ・セロンが主役としてストーリーを力強く引っ張ってくれて、最後まで楽しめました。  ラストでマックスが去って行ったのも、「このストーリーはマックスが活躍したエピソードのひとつ」みたいな終わり方でよかった。続編出来そうね。  大迫力で音楽はいいし見やすいんだけど、なにしろカーアクションが好きじゃないとつらい映画でした。
[インターネット(吹替)] 6点(2020-06-12 20:07:47)
15.  ザ・ギフト 《ネタバレ》 
ストーリーが進むにつれ、登場人物への評価が変化していく作品です。 最初はいい奴だと思ってたけど実は悪人だった、怖い人かと思ってたら実はいい奴だった、とゆう逆転現象で、まぁよくある設定ですが。 ヒロインの旦那のゲスっぷりが徐々に際立っていくにつれて、精神不安定でお人好しなヒロインの腹が決まって強くなっていくのがいいですね。  それにしても、いじめっ子って、故郷に帰るのが怖くないんでしょうか。 だって、かつて自分がいじめたせいで人生を滅茶苦茶にされた同級生が、たぶんいまだに自分を恨んでいるんですよ。 「俺は勝ち組であいつは負け組だ」って奢っているけど、相手は失うものがないからこそ、全力で復讐しに来るかもしれないのに。 他人を平気で傷つけ踏みにじる人間は、世の中や他人を甘く見ているって事なんでしょうか。  ラストの、「子どもの父親は果たして誰なのか」という問題は、ヒロインにとってはまったく問題ではありません。 間違いなく自分の子である以上、生物学的な父親など、母親とのつながりの前では、とるに足りない事なのですから。 彼女の瞳がそう物語っていたのが、印象的でした。  派手ではありませんが、いじめ問題を扱った良作なサスペンスです。
[インターネット(吹替)] 5点(2020-06-10 15:41:41)
16.  ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷
有名なウィンチェスターミステリーハウスとその女主人サラ・ウィンチェスターを、まったくの捻りなしに映画にした作品。 しかし…映画なのだから、少しくらい捻りを入れた方がよかったのではないだろうか…と思ったほど、すべてが単純で面白くなかったです。  肝心の屋敷の、160の個室や47個の暖炉、17の煙突、地下室、エレベーター、蜘蛛の巣モチーフ等々がまったく魅力的に描かれていない! ストーリーがだめなら、せめてミステリアスな屋敷を堪能したかった。 これならS・キングの『ローズレッド』の方が、ストーリーもずっと面白い上、屋敷もよくできている。 映画というのは、舞台に本物を使えるかどうかではなく、どう描くかでまったく出来不出来が違ってくるのだから、この題材を扱うのなら、もっと表現を頑張ってほしかったです。
[インターネット(吹替)] 4点(2020-06-10 13:33:33)
17.  トランス・ワールド 《ネタバレ》 
冒頭のシーンはホラーな雰囲気をただよわせ、謎を提示し登場人物たちとともに観客を混乱させ、解決策が見えたら全速力で突っ走ってラストまで行くため、観ている側を飽きさせません。  謎が解けてからは、登場人物達の服装や言動、立ち居振る舞いすべてが「その時代」を彷彿させるようになっていたのに「なるほど!」と膝を打つ気持ち。 低予算だったと思われますが、丁寧な設定づくりをしており、粗さがなく、よく出来た作品になっています。  欲を言えば、ストーリーにもうひとひねり欲しかった。そのための「ミステリアス雑貨店とその店主」という存在を置いたのだと思いますが、もうひとひねりあったらもっと楽しめる作品になったと思う。 もしくは、登場人物同士がもっと激しくぶつかりあった方が、見ごたえのある人間ドラマになったのでは。せっかくの面白い設定なのに、肝心の人物同士のやり取りがあっさりしていて、少々物足りなかった。  人は時代や生まれた環境で大きく人生を変えられてしまう。虐待は三世代遡って原因を探れと言うが、まさに雑貨店主がそれをやってくれたというお話。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-06-04 11:48:45)(良:1票)
18.  イット・カムズ・アット・ナイト 《ネタバレ》 
「家族」は一番小さな社会で教会で、人が生きていくのにどうしても必要なものだ。  非常時ほど、そうだろう。平和な時は「一人が好き」とか言って勝手気ままに生きている人間も、世の中が非常事態になり自分の生命の不確かさを感じたら、家族に自分の存在の確かさを未来の共有を求めるのではないか。  そして「家族」の中で守るべきは、子ども。弱いから守るのではない。子どもは「未来」だからだ。希望と言ってもいい。 自分たちの未来(子ども)を守るためなら、ほかの社会(家族)を滅ぼし、追放することに迷いはない。それが非常事態なんだろう。そう認めつつ諦めつつ、やはりそれは人間として哀しい。  そして「未来」が、「希望」が、無垢のまま死んでいくラストは、とてつもなくつらかった。 テレワーク中に何気に観ていたのに、まさか涙するとは思わなかった。派手な見せ場も謎解きもなにもない、淡々とした、だが良質な作品だった。つらいけど、たくさんの人にぜひ一度観てほしい。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-06-01 19:52:47)
19.  ジグソウ:ソウ・レガシー 《ネタバレ》 
レガシー(遺産)でした…。悪くないけど、驚きはないです。  ちゃんとジグソウも出てきました。 彼が出ることで、それなりのクオリティを保った作品になりました。 もしジグソウが出てこなかったら、ひどいもんだったでしょう。それほどジグソウは代わりがきかない存在で、ジグソウが出ないソウに魅力はないのかも。  ということは、続編を作るのもこれが最後か…。 「ジグソウの後継者が処刑を続ける、ジグソウの信念は生き続けるだろう」というラストは今後も続編を作れる形になっているけれど、でも彼にジグソウほどのカリスマ性はないものなぁ。 だからって、毎回ジグソウを引っ張り出すわけにもいかないし。  有終の美を飾るにはイマイチの作品でした。
[DVD(吹替)] 5点(2018-07-18 16:44:52)
20.  ユリゴコロ 《ネタバレ》 
原作は未読、DVDパッケージの写真と吉高由里子に惹かれて鑑賞しました。  なかなかよくできた作品だと思いましたが、原作を読んでいる方は点が辛くなるようです。ずいぶん登場人物や謎をカットしてして、ミステリー要素が減ってしまったそうですし。 けれど、この映画の主役は吉高演ずる美沙子であり、松坂桃李演ずる亮介ではないことから、映画の主題がミステリーではなく一人の殺人者である女性の半生を描くことなのがわかります。なので原作とは全くの別モノ、として観た方が作品を楽しめるし、味わえると思います。  しかし、前半は確かにつらかった。 サイコパス美沙子がユリゴコロを求めて幼少期からずっと殺人を繰り返すさまを描くのですが、なんとゆーかグロいし画面はやたら暗いし淡々としていて、このテンポで最後まで観るのはキツイと、途中で休憩を入れたりしました。  また、松坂演ずる亮介に魅力がないんだ…。 婚約者が行方不明になったっつーのにたいして探しに行かず、他人まかせ。警察にも行かず探偵も雇わず、じゃー何しているかとゆうと、実家に謎のノートを読みにせっせと通うという…。何やっとんじゃ、オマエ(呆)。  後半は松山ケンイチ演ずる洋介が登場して、一気に画面に花が咲く感じ。いや違うか…。なんというか魅力的なキャラクターが登場した!という感じで、ストーリーは淡々としつつも濃度を増して、どんどん目が離せない感じになっていく。  役者の力ってすごい。 松山ケンイチは別にイケメンではないが、すごく魅力のある俳優さんだ。彼は常に作中人物になりきり、その人物がもつ独特の雰囲気まで演じ切ってちゃんと画面から放出してくれる。 妖艶さと清純さをあわせもち人を惹きつける演技をする吉高由里子といい、この二人のキャスティングのおかげで、この映画のクオリティが上がっているのは間違いない。  対して、松坂桃李はイケメンの部類に入るんだろうけど、いつも合格最低点スレスレの演技しかできない。 絶望して叫べと言われれば叫ぶ演技をするし、沈痛な表情をしろと言われればできる。殺気立って睨みつけろと言われたら、ちゃーんと白目がちに目をむいて睨みつけるんだけどねぇ。 でも「そういう演技」は出来ても、その人物になりきることはできない。だからどんな役をやってもみんな同じに見える。亮介と藤吉(byわろてんか)の違いがどこにあるのか、さっぱりわからん。  なので私にとって一番のクライマックスは、亮介と美沙子の再会ではなく、美沙子と洋介の別離のシーンだった。 この二人の素晴らしい演技に圧倒され、涙なくしては観られなかった…。  一番の難は、亮介の婚約者の千絵と美沙子が「偶然」仕事仲間で、「偶然」都心のホテルでばったり会った、という部分。 あまりにもご都合主義な設定で、ちょっと待てー!と、涙も乾いてしまいましたよ。 そこは子どもである亮介が心配で、正体を隠したまま側にいて彼の成長を見守っていた、という設定にしなければおかしいでしょ。原作もそうだったらしいのに、なぜわざわざ不自然な設定に変えたのか。 その部分をミステリーとして描くつもりがなかったからなんでしょうけど…。 もしや「殺人者の愛と生を描く」というテーマをゆるぎなくしたかったため、あえてそのミステリー部分を排除したのかも?ですね。  そう、この作品はミステリーでもサスペンスでもなく、殺人鬼である女性の人生と愛を描いた作品なのです。 これからご覧になる方は、ぜひ原作と切り離して観てください。 心を持てない殺人者だった彼女が、ユリゴコロを求めて罪を犯しさまよい、やがて愛情を手に入れ心を持つ人になり、そしてすべてを失くしても、かつて手にした愛をずっと慈しんでいる姿になんとも言えず胸を打たれると思います。
[DVD(邦画)] 6点(2018-07-14 01:26:50)
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