Michael Caine演じるアルフィー。女たらしでだらしなく、その気はないのにひどく人を傷つけてしまったり ... 。そんなアルフィーと、彼の数々のガールフレンドたちとの明るく、楽しく、そして切ない別れをコメディータッチで描きます。でもラストシーンはちょっぴり寂しい。雨上がりのロンドン。陽はすっかり落ちて。遠くに見えるビッグベン。アルフィーはひとり橋の上。彼に野良犬が寄って来て。なぜだか二人(一人と一匹)でテクテクと。はて、いったいどこへ帰って行くのでしょう。ラストシーンでAlfieはこう語りかけます: "I ain't got my peace of mind. And if you ain't got that, you ain't got nothing ... so what's the answer ? That's what I keep asking myself. What's all about ? Know what I mean ?(心に平穏がなければ何の意味もない。自分に問いかけ続けているんだよ。人生って?画面の前の君たち。わかってくれるかい?)。そして歌が流れる『♪生きるってどう言うこと?アルフィー。今だけ生きられればいいってこと?生きるって何なのかしら?アルフィー。いろんなことを選択していく中で、与えることよりも、より多くを得ることの方が大切?それとも人にやさしくすること? もし親切な人が損をすると言うのなら。じゃあ、残酷であることが賢いのかもしれないわね。そして強い者にしか人生は与えられないと言うのなら、アルフィー。昔からある黄金のルール(自分がしてほしいことは他人にもしてあげるというルール)をあなたはどう受け取るつもり?天国が確かにあることを私は信じている、アルフィー。けれどもっと大きな存在があるこを、私は知っているわ。神を信じない人たちですら、信じられる大きな存在を。アルフィー、それが愛なんだと私は確信している。真実の愛がなくても私たちは生きていけるけど、アルフィー。でもあなたが見逃してきた愛を見つけなければ。生きていても無意味なのよ...。自分の心に正直に生きることね。そうすればいつの日か、本当の愛を見つけることができるから。アルフィー ... 』(アルフィー歌詞、訳 東エミ)。
巨匠John Fowlesの代表作"The Magus"を読んで感動. ペーパーバックで700ページ近い長編でしたが3日で読めてしまうほど読み出したら止まらないあの面白さ. Michael Caine主演の映画バージョンがあると知って早速鑑賞.あの謎が謎を引き起こす不気味な"GOD GAME"の映像的再現は如何に ... と思いましたが, さすがに700ページ近い原作を2時間弱の映像に収めるには少し難ありという感じでした. 原作では恋人のAlison(映画ではAnn)と迎えるラストシーンの解釈をラテン語の詩に託し, 二つの解釈のうちどちらを取るかは読者自身に委ねられているのに対し, 映画では ... 単なる意味不明の終わり方になっており消化不良気味で残念なエンドロールを迎えてしまいます. また映画版では"GOD GAME"の意味もほとんどわからないままに終わってしまう後味の悪さ. ギリシャの美しい風景を主体にした映像は素晴らかったのですが. 有名小説を映画化して失敗する ... の典型のような映画でした. 事実, Woody Allenはこう述べたそうです, "If I had to live my life again, I'd do everything the same, except that I wouldn't see The Magus."