1. 此の虫十万弗
「昔々、あるところに…」で始まる、おとぎ話のようなお話。 この物語を信じるかどうかは、今、この放送を聴いているあなた次第です――。 人気ラジオ番組で取り上げられた青虫カーリーは、 少年の吹くハーモニカのリズムに合わせて今日も踊ります。 そしてきっと、明日も明後日も永遠に……。 目先のことにとらわれて、当たり前の真実を見失ってしまう人間の愚かしさ。 それを大人たちに教えてくれたのは、純朴な少年と一匹の青虫でした。 どこからともなく熱いものがこみ上げてくるラストシーン。 僕たちは此の虫を、決して十万弗に代えることはできないでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-26 12:57:54) |
2. 幽霊と未亡人
『陽気な幽霊』で亡き妻の幽霊に翻弄されたレックス・ハリスンが、今度は自ら幽霊となって未亡人にちょっかいを出す――それだけでも一見の価値がありますが(笑)、実際どうしてなかなかの佳作でした。登場人物は少ないけれど、姑、小姑、女中をはじめ、それぞれの俳優が役にピタッとハマってとてもいい感じ。決して大作とはいえない本編のような映画においてもキャスティングに手を抜かないのは、当然とはいえさすがです。海岸の木片(?)の朽ち様で年月の経過を示したり、主人公の未亡人がイスで眠るたびに何かが起こったりというような、非常にオーソドックスな見せ方も僕好みでした。バーナード・ハーマンの不気味な音楽に乗せて窓が開くと、外を飛び交うカモメたち…なんていうのも実に映画的でイイですねぇ。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-18 11:12:36)(良:1票) |
3. 私を野球につれてって
本編に本格熱血スポ根野球映画を期待する人なんて、まずいないでしょう。しかしMGMだからと言って、あんまりナメ過ぎると反省させられます。一応、ベースボールを国技とするアメリカの映画会社なんですから……。 ♪飛んできた打球を華麗にさばいて二塁に投げるのは~? ♪ライアン! ♪二塁ベースを踏んでランナーのスライディングを交わし、一塁に転送するのは~? ♪オブライエン!! ♪送球をガッチリ受け取ってダブルプレーを完成させるのは~? ♪ゴォ~ルゥ~ドバァ~グ!!!(歌詞はイメージ和訳です 爆) ←こんな挿入歌が普通に入ります(むろん踊り付き)。つまり、ベースボールの最大の見せ場は6‐4‐3のダブルプレーだと言ってるわけです。さすが本場だけあって、こだわり方が並じゃないですね。 最近では日本のプロ野球でもセブンイニングストレッチで“私を野球に連れてって”を流す球場があるようですが、先の挿入歌も採用すれば、球場に足を運ぶ人はもっともっと増えるんじゃないでしょうか。例えば…… ♪みぃ~やもとぉ~ ♪しぃ~ろいしぃ~ ♪すぅずぅ~きけぇ~ん~ ……ほら、神宮に行きたくなったでしょ。 え? そうでもない? おっかしいなぁ……(汗)。 7点(2004-05-01 03:59:53)(笑:2票) |
4. 腰抜け二挺拳銃
ネタバレ いかにも強そうなカラミティ・ジェーン(ジェーン・ラッセル)と、いかにも頼りなさげな“ペインレス”ポッター(ボブ・ホープ)が、見た目通り&期待通りに大活躍(笑)! 倒したインディアンの数が話す度に増えていく、というようなベタベタギャグのオンパレードも、今あらためて見るとかえって新鮮だったりします。インディアンに捕まって拷問にかけられそうになっても、主人公はもちろん観てる僕らまでまったく危機感を感じないというのがスゴイ。そんでもって期待通りにまんまと逃れてるし(笑)。そしてエンディングは、誰もが予想した通りの結末。「やっぱ、そうくるよね~」と思った瞬間に!!! 「おいおい、マジかよ……(汗)」 5点(2003-12-22 02:45:24) |
5. 三十四丁目の奇蹟(1947)
先日『ペティコート作戦』のレビューを書いた流れで久々に『眼下の敵』を借りて観たところ、巻末に本作の予告編が入っていました。そのダイジェストを「そうそう、こんな映画だったよなぁ」とボーっと眺めていたら、なんと涙が……。考えてみれば季節はそろそろクリスマス――そして僕は、20数年前のクリスマスを思い出したのでした。 あの年、僕がサンタさんにお願いしたのは『大鉄人17(ワンセブン)』の超合金。ベッドの枕元には靴下ではなく、なぜか母のパンストがぶら下がっていました。翌朝目を覚ましてみると、そこにはまるでタマゴを飲み込んだヘビのようにサッカーボールではちきれそうになったパンストが。側に置かれたメッセージカードには「○○君はもっと身体を動かした方がいいよ」と走り書きされていました。それを見た僕は「そっか。サンタさんがそう言うなら、もっと運動しよう!」と素直に思ったものです。ところが次の瞬間、二人の姉がどかどかと部屋に入ってきて「これ、どう見てもお父さんの字だよね!」と爆弾発言したのです! なんて失礼な人たち!! おかげで翌年からサンタは我が家を避けるようになり、僕もついにサッカー選手にはなれませんでした。 ああ、サンタクロース様。僕は今でも貴方を待ち続けています。確かに姉たちはあのときあんな失礼なことを言いましたが、僕はあの人たちとは違って貴方が大好きです。だから今年のクリスマスには、ぜひ僕の家へ寄って行ってください。そしてプレゼントを――もう超合金が欲しいなんて言いません。「プレステ2」と「みんなのゴルフ4」のセットということで――何卒よろしくお願い申しあげます。m(_ _)mゼヒゼヒ ★追加:やはり今年もサンタさんは来てくれませんでした(涙)。 ★2004/12/23追加:今年は「プレステ2」と「ドラクエ8」のセットでお願いします。m(_ _)mヨロヨロ ★2004/12/31追加:そして今年も……(爆涙) 7点(2003-12-10 21:13:20)(笑:4票) |
6. 山羊座のもとに
ヒッチコック監督の意地悪(?)のせいで、『汚名』でも『白い恐怖』でもほとんど笑顔を見せることのなかったイングリッド・バーグマン。本作でも期待に違わず、なかなか笑ってくれません(笑)。何しろ、長いこと酒浸りの日々が続いてボロボロになった女性の役なのですから。ところが、社交舞踏会に行く段を迎えるとその美貌が一気に輝きを増します。美しいドレスと気品に溢れた優雅な顔立ち。このシーンでは、ヒッチコック映画の中で(あくまで限定 笑)最も美しいバーグマンを見ることができます。しかもカラーで(笑)。なお、この映画に関して言えばジョセフ・コットンはあまり魅力的ではありません。意地悪な家政婦も出てきますが、『レベッカ』のダンヴァース夫人ほどではないので、決して期待して観ないでください(爆)。 5点(2003-12-04 04:50:11) |
7. 第三の男
10点(2003-11-28 00:27:52) |
8. ガス燈(1944)
ネタバレ サスペンス映画の古典として知られる本作。大スターが競演してるしストーリーもまぁまぁなので、そこそこ楽しめる仕上がりになっています。ちょっと気になるのは、ヒッチコックの影響を過大に受けているところ。というか、本作のレベルまでくると、ほとんど“モノマネ”ですな(笑)。 まず、結婚や将来のことについてひとりで考えようと旅に出たバーグマンが汽車に乗ると、向かいに座った貴婦人が気さくに話しかけてきます。これは『バルカン超特急』(1938)ですね。女優さんも同じ人(メイ・ウィッティ)だし。思わず「ミス・フロイだ!」と叫んだアナタは正しいと思います。 話は進み、結婚したバーグマンですが、夜な夜な屋根裏部屋から聞こえる物音(幻聴?)に怯えるようになります。『下宿人』(1926)にも似たようなシーンがありましたね。もっとも天井は透けてないし(笑)、あっちは真犯人じゃなかったけど(ネタバレ?)。 夫の企みにより、徐々に精神的に追いつめられていくバーグマンですが、召使いにもかなりイジメられます。『レベッカ』(1940)のダンヴァース夫人と比べたら、さすがに失礼かな? バーグマンがあまりに具合悪そうなので、もう一人の使用人が心配して階段を登ってきます。牛乳の注がれたグラスをお盆に乗せて……(笑)。さすがに豆電球は入ってなさそうでしたが(爆)、『断崖』(1941)のパクリであることは明白ですね。モノマネもココまでやれば立派なもんです。ウンウン。 もっとも、本作で恐怖におののくバーグマンを観たヒッチコックが『白い恐怖』(1945)や『汚名』(1946)に バーグマンを起用した、という見方もできます。『汚名』で夫に毒を盛られる展開などは、本作を逆マネしたのかも知れません。この辺の裏話があれば、ぜひとも知りたいものですなぁ。 6点(2003-11-08 05:42:25)(良:1票) |