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MAZEさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 105
性別
自己紹介 お久し振りの方、初めましての方、
こんにちは。

只今、写真家として水面下より目立たない所にいます。
新聞に載っても名が売れない写真家…最早、自力で行きます。
新レビューはまだ未定。

ハリポタ見るくらいなら、B級を選ぶ偏屈です!
新作は5年は寝かせます!!

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1.  月曜日に乾杯!
毎日…ほとんど数センチの違いだけの毎日。庭に停めた車の前で、ツッカケを脱ぎ…車に乗り込む。帰ってきては、庭に車を朝の様に停める。降り立つ足元には、朝脱いだツッカケ。翌日も、また… 好きな煙草は、禁止され、職場でも同じ繰り返し。この男にとっては、息苦しく堪え難い“平凡”それは、堪え難い“退屈”に変わって彼を“旅”と言う逃避行へ向かわせる。  愛する父親の後押しでヴェニスへ旅に出る男の、出会いや再会がイチイチ粋で、何よりこの作品で素晴らしかったのは、衒い無く、自然である事。まるで、彼と一緒にヴェニス旅行をしている様な気分になる。 派手さなんて、一切要らない。ドキュメンタリーの様で、実は詩の様に洗練された簡潔さが心地よかった。“出会いは「一期一会」だとしても、彼には戻るところがある。”なんだか、ささくれた心が潤いました。思いがけず、中年のオジさんに癒されてしまった…。
10点(2004-12-25 03:42:13)(良:1票)
2.  化粧師 《ネタバレ》 
大正初期、時代の狭間の混沌とした空間を生きる『化粧師』と言う名の魔法使いが人の心を癒し、変える物語。  春の瑞々しさが溢れる背景に、絢爛で虚飾な大正の風景を薄墨のように柔らかく..日本画の様に鮮やかに表現。冒頭からその映像美に眼を奪われる。日本映画の秀麗な場面ばかりを集約した、華のような作品。 絶妙な『間』と語り口や、薄紙を当ててなぞるかの様な展開は、明快さこそ無くとも観る側をそっと引き込む魅力がある。 ニヒルな雰囲気を持つ『化粧師』小三馬は、どこか異邦人の様に異質な色を持っている。それは、彼のある“秘密”の為。周囲が毀誉褒貶するのも“秘密”があっての事だろう。届かぬ想いと知りながら、彼に憧れる純江の姿は痛々しくも、健気で美しい。 聾唖の少年との交流も、仄かな温もりが心地よい。少年は彼の秘密を知っているのだろうか? 耳聾の小三馬と、囀ったメジロ……大空を目掛けて羽ばたいたメジロは、女性達の心。そして、小三馬の気持ちの様に感じられた..。  忙しい女性にこそ、是非観て貰いたい一作。
10点(2004-05-30 16:10:35)
3.  バベットの晩餐会
エンドクレジットが流れ出すまでに、一言でも「美味しかった…」と云う言葉を探していたが、それは“言葉”と言う形を取らずとも、晩餐の場に満ちた“気持”と云う形で表され。バベットの“誇り”は尚のこと輝き。テーブルを囲んだ人々の顔には“至福”が満ち。そして、観る人の心に淡色の感動をもたらした。   ゆるうり..と流れてゆく中盤には、まるで“色”を持たぬ様に静かに、彼らの村を支える北海の如く頑な空気を漂わす。それは、信仰心であり、己自身を縛る“想い”。姉妹の元に突然流れ着いたバベットは革命の糸。その一夜、人々の心に変化を織りなす為の…。    今まで観て来た「シェフ」が活躍する映画の中で、彼女ほど格好良いと思ったシェフはいなかった。それと同時に、彼女ほど厨房で美しく見えた人はいなかった。今後、私の中でこの作品を上回る作品を見付けるには時間を要するだろうと思う。
10点(2004-05-22 17:35:14)(良:1票)
4.  ベルリン・天使の詩
“言の葉”の流れのなんと美しいことか!「子供は子供だった頃……」まるで軽やかなステップを踏むような..まるで静かにハミングする様な詩の朗読。もう、その瞬間私は魅了されていた。  言葉が織りなす複雑なメッセージは哲学的であって、ストレートな訴えでもあると思う。それは、どんなに『壁』や人種、宗教などの隔たりがあったとしても、『愛』こそはそれらを越え、力になり得る。ヴェンダース監督の温かな、且つ非常に透明な“純愛”への思いがこの作品には満ち溢れている。  天使から観た地球<世界>はモノクロームであり、子供にしか天使の姿は見えない..それは万物の儚さを..、決して全能は存在しないと伝えたいのだろう。子供は大人になる過程で“純真”を代償にする。同じくダミエル<天使>は人間になる為に“永遠の命”を代償にした。その瞬間、天使は人に..そして“感覚(温もりや痛み)”と“色”を享受する。  「死の瀬に立つと云う事は、歴史を創ると云う事」この表現は豊かで美しいが、同時に何とも重さを孕んでいる。 ダミエルとマリオンは互いに欠けた部分を補い合いながら支え合ってゆく、それは『幻想の愛』ではない..そう伝えたいのだろう。 ゆるやかに静かに進むストーリーは、淀む事なく、そればかりか透明度を増してゆく『愛の叙情詩』かも知れない。  この作品の意味するところは、私が触れた以上に深遠なのかも知れない。だが、今の私はこう感じた..。
10点(2004-04-04 22:41:44)
5.  スティング
改めて私に、映画の素晴らしさと可能性を教えてくれた大きな存在。  こんな凄い映画をリアルタイムに観られた人達は幸運です。この作品きっての大詐欺師 故J・ロイ・ヒル監督!貴方こそEntertainer だ! 騙されてこんなに気持ちが良くて、嬉しくなるのは「スティング」とサプライズ・パーティーぐらいなもの。ああ...観て良かった!!
10点(2004-03-27 15:14:57)(良:1票)
6.  ストレイト・ストーリー
涙・涙・涙の感動作!ではなく、『ジン』と心に響く作品。老人の言葉や表情などにイチイチ感動している自分に可笑しくなってしまった。心労の多い方、最近忙しい方、是非オススメです。     D・リンチ監督作品-と云う観方ではなく、ただ観て下さい。それだけです。
10点(2004-02-01 14:57:01)(良:2票)
7.  デッドゾーン 《ネタバレ》 
昏睡状態から奇跡的に目覚めたのは、事故が起きてから5年後…。  望まぬ能力を授かり苦悩する、悲しく孤独な男を演じるのは、C・ウォーケン。普通ならば、超能力を持った主人公は華々しく、正に“ヒーロー”として描かれる事の方が多いでしょう。しかし、この作品は所謂“ヒーロー”的な人物ではなく、秘めた力によって苦しみ、周囲から孤立してゆく孤独な主人公と、事故によって引き裂かれた元恋人との悲恋を描いています。  私がウォーケンを知り、ファンになった切っ掛けがこの作品。感情の機微を僅かな表情で見事に表現している彼の演技は、とても賞賛に値します。 舞台が秋から冬に掛けてと寒々しさと、悲愴的な色調をもった作品ですが「クローネンバーグが苦手」と言う方はこの作品から挑戦されると良いでしょう。少々“キングらしさ”の方が際だっているかも知れませんが..ラスト、元婚約者の腕の中でジョニーがつぶやき、彼女が答える2人の場面は何度観ても、とても切なく感動します。
10点(2004-01-24 22:59:44)
8.  アメリカの友人
人の“あこがれ”と言うモノは、要は自分にないモノ(要素)への興味、羨望。 二人の相反する人物が互いに交流し、友情が生まれる。それは、“あこがれ”から派生した絆。 人は“あこがれ”に対し、得がたいものと知れば、強くなり、一方では簡単に諦める。そんな関係をこの作品は描いているように感じられる。  リプレーはその“対象”が友情を通わせる者に為ろうとは、四方や考えもしなかった筈。 ナヨタンとっても、その“対象”に一時でも強い信頼を持とうとは思いもしなかっただろう。  リプレーの“あこがれ”「幸せな家庭、平穏な日々」 奔放に闇を掻き分けながら歩いて来た彼にないモノ。  ナヨタンの“あこがれ”「自由(奔放)、冒険、陰を落とす危なさ」 平凡だが、愛する妻子と暖かい家庭を病を抱えながらも守ってきた彼にないモノ   二人の間に出来た絆は互いにの引き合っていれば、長年の友情(愛情)よりも硬く強い。其れも、情が他へ向けられない程の強さだ。一種のヒステリー状態なのかも知れない。 だが、一端に何らかの綻びが生じれば、その絆は脆く、あっ気無く切れてしまう。始めに綻んだのはナヨタンか……。愛する家族を振返った結果なのか...それとも、あまりにも違い過ぎる“対象”への諦めが生まれたか…。何れにせよ情が水の様に引いて行った。  リプレーは再び孤独に為った己を哀れ、ナヨタンは家族へ還る代わりに妻子に悲しみを残した… 寂しさが全面を覆う様な、灰色の印象が強い。そんな気分にさせられる。
9点(2004-12-24 02:32:08)(良:1票)
9.  8月のメモワール
ただ、触れるか触れないかの..そんな些細な出来事にカッとなった時の自分が恥ずかしくて耐えられない時がある。怒りが収まった後で、そんな自分に悲しくなる時がある。そしてこの作品を観て、父親が言った言葉が胸に突き刺さった。  人に優しくありたいと。自分の立つ瀬に拘るよりも、人を思いやろうと。その為に自分の命が危ぶまれ様と後悔しない生き方を送りたい。 そして、もし自分にこんな父親が居たら...自慢にしたい。「私の父はこんなに素晴らしい」と。 今の私には教訓になる作品だった。
9点(2004-11-17 01:50:10)
10.  コンタクト
人の描く果てない“お伽話”に現実を加味したスペースオペラには、宇宙という科学的且つ、カオスめいた存在とイデオロギーの末端にある儚く原始的な“夢”を観た気がする。 創世してからの地球上で明確に『人類』として確認された古代人によって、遙か昔から宇宙<ソラ>は、崇拝に似た畏怖の対象。今も根本的な所は変わりないだろう。主人公が一刹那の間に体験したモノは、True or False..可視か不可視か..信じるか信じないかのコレもまた、言い換えれば根元的なもの。この作品が「宗教」と「科学」の理想的体系を謳っているので有れば、既に具現されているのではないだろうか?そこに「証拠」を求めるのは極めてナンセンスで、違いを見出そうとするのはかえって愚蒙。  この作品は、ゼメキス監督による大がかりな嘲笑か..。 “夢”“希望”を追って、異端扱いされるのであれば、信仰が人類の発展に大きく貢献したか?そう詰問してみたい気持ちになる。人道としての信仰があって、生きる為、進んでいく為の科学があって然り。今の人間がこうしてのさばっているのも、これまでの“歩み”がそうだったからではないか。 突出した、「夢物語」を信仰で縛り上げて異端者の烙印を押すと云った風潮を、監督は何処かで笑っているような気がしてならない…
9点(2004-08-08 11:10:45)
11.  ディア・ハンター
私が本作のDVDを購入(ほぼ衝動的に)して帰ると、伯父がちょっと意外そうな顔をして私を見ていた。「お前そんなん観るの?」怪訝そうに「何故?」と聞くと「観りゃわかる…」其れが、妙に記憶に残っている。  チミノの描く流麗なダンスシーンは、その後展開する恐ろしい惨劇を全く予期させない。戦場へ向かう仲間達に些かの憂いがあったとしても、そんな物を表に出すことすらタブーの様に馬鹿騒ぎしてみせる。 戦場に立つまでの一時を過ごす彼らには、その生活が一変してしまうかも知れないと云う不安は薄かった…否、同じ様にこれからも皆仲良く連む事が出来る、其れが当たり前..と信じていたのかも知れない。 そう思いながら、あのシーンを回想すると一層悲しくなる。  戦争は全てを変えてしまう。其れが自然であったり、命であったり、友情であったり、形は様々だ。失ってしまうものの大きさは計り知れない。英雄となって街に戻ったマイケルは、親友を失し、ニックは心を失してしまう。再会して、マイケルを認識した瞬間、ニックのこめかみを貫く銃弾…ひたすらショックだった。 感動したか?そんな物ではない。衝撃だったと云うしかない。そして、この作品が米国映画であると云う事に些か驚き、更には腹立たしささえ覚える。観賞後の後味の悪さから言えば、No,1。 第2のベトナム戦争だのと揶揄されているイラクの一件。同じ悲しみを抱える人が少なからず存在する事を、米国大統領に言ってやりたい。言ったところであの偏屈が判るかは甚だ疑問だけど…  未だに「観りゃわかる…」と云った伯父の言葉の真意を確かめていない...。 私自身の中だけで補完してしまう事にする。
9点(2004-06-14 00:24:05)(良:2票)
12.  グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
これは、恋の物語。その対象は『海』。2人の男は『海』に恋をする。愛ではない、愛は分かち合えるが恋は違う...恋は支配される事。彼らは心を奪われ、精神の大部分を『海』に支配される。正に恋そのもの。 どんなに『人』に愛されようと、彼らの心は人魚に魅せられ、迎えてくれる事を夢見る。青い闇に親友を見送るジャックは更にその羨望を募らせる。精神を支配された彼の心を恋人は繋ぎとめることは出来ない。ただ、許してやることしか…。イルカに誘われて消えてゆくジャックの姿は神々しかった。
9点(2004-06-14 00:14:33)(良:1票)
13.  人狼 JIN-ROH
戦後の闇に溶け出した矛盾。力を正当化する為には正義、友情、愛情は邪魔なだけなのか。レジスタンスと警察の攻防は、まるで現在のイラクの市井をアニメの中に観ている様だった。  押井版『赤ずきん』は悲しく、残酷な香を湛えた綺麗な寓話だ。静かに語られる物語は、決して派手ではなく暗さを帯びても、かえってそれが物語のテーマを引き出す。 獣でいる事を選んだ男と、狼を愛してしまった少女との悲恋の物語。寓話の結末は変わることはなく、悲痛な少女の懇願は..彼に届いただろう、一生消えない深い心の傷となって...。  劇中の「男だったら男ビール」のCMに思わず吹き出してしまった人は、なかなかイイ箸休めになったのでは?
9点(2004-05-30 16:04:31)
14.  さすらい(1976)
先ず、この作品を創ってくれた事、出会えた事に感謝したい。 「さすらい」を観てから、自分の中の“映画を観るスタンス”を改めて軌道修正する切っ掛けになった。本来娯楽である『映画』をどこかで、堅苦しく考えがちだったから。理屈で映画を観るわけではなく、知識が無くては映画を楽しむ事が出来ないわけでもない。“頭で観る”のではなく、『感じる』..これが、この作品を観た事で、甦った。「さすらい」自体もまた、理知的に理解してゆく類の作品ではなく、人間の本来持った自然的な面を受け皿にするべき作品。   序盤から、徐々に身体に染みてくる情景の素晴らしさ。過ぎるミラー越しの風景は不安も希望もモノクロームの色合いに柔らかに織り込まれている様だ。  ブルーノの旅は紙に書かれたコースを巡回すること…最後の映画館を後にすれば、また振り出しへもどる。変化のない歪な円を描く旅路。ロベルトの旅は元いた場所から離れる..逃げること…どんなに離れようとしても、気持ちは足の向く方向とは逆に向いている。 2人は前進しながら、それぞれ前に進もうとはしていない。まるでゴールのない双六だ。 やがて、道は行き止まり..『分岐点』の出現。そして、再び動き始める。糸は一刹那一つに縒り合わさっただけ、元に戻るには程無い。旅は終わることなく、2人の軌跡は交差点を残して伸びてゆく…それは、あてどない行き道のほんの一部でしかない。
9点(2004-05-28 00:35:43)(良:2票)
15.  都会のアリス
彼の望む『風景』はファインダーを覗き込んだ瞬間に逃げてゆく。其れは、彼自身の現状から逃げ出したい、離れたいと云う願望の現れか..。或いは、自己の存在を確認する術か..。迷うペン先が触れるのは、アメリカの現況ではなく消えかけた足跡なのかも知れない。「キレイな写真ね、空っぽで」少女の無垢な瞳が裏付ける。そして、その言葉の主もまた、“何か”が欠落している。  故郷に帰る事を決心し向かう空港、そこで出逢った母子。此処で波線は徐々に繋がりを求めて伸び始める ― どこかに忘れてきたのか、それとも完全に壊してしまったのか…空っぽ同士(“LOST SOUL”)の自分を修復する、あてどない旅路の始まり。 少女と青年は、お互いを『他人』の枠で囲い、根無し草の如く彷徨い始める。やがて、紡がれ始める絆は綻んだ傷口を覆うものとなり、2人に変化が訪れる。露出オーバーの背景に彼らの影は一層薄く..だが、確実に繋がった絆は切れる事無く存在し。孤独もまた密かに付き従う。そして、突如訪れる旅の終わり…“自分探しの旅”は彼らの中では、終演を迎えることはない…。 アンチ・クライマックスを感じさせる俯瞰の映像に、観る側は平穏と不安を同時に憶える。其の線上に、予定させる結末を霞ませる程に。
9点(2004-05-23 21:04:26)
16.  パリ、テキサス
砂漠と群青の空…鮮やかなコントラストにひたすらと歩き続ける男があった。その不器用さ故、ただ歩き続け、「パリ」と言う名の目的地を漠然と追う。そして、男は眠らない..何も得られない現の夢を彼は彷徨う。 塀の上に整然と並んだ靴…一つ、また一つと“家族”が持ってゆく。出来た隙間を詰める姿は、必死に記憶と時間の空白を埋め合わせようと藻掻いている様にも感じられる。  …再び近づく親子の心..それは、嵌める事の出来ないパズルの1ピース。スペースを見付けても、周囲と交わる事は叶わない..それこそ4年の歳月が彼に気付かせた新しいピース。 弟夫婦の哀しみは、灯りが鏤められたLAの宵闇の様に重く、胸を刺す。 彼にとっては、約束の地「パリ」は架空の安息でしかないだろう。母子が映る窓をひっそりと眺めて、再び向かうのはやはり、砂漠にポツリと存在する『夢』だろうか..。
9点(2004-05-22 17:52:13)(良:1票)
17.  WATARIDORI
一概に、この作品を『映画』と云うジャンルで一括りにするのは少々難しい。  製作に20億円、撮影に3年、述べ300時間分の映像が94分に見事に集約されている。  ちょっとした長尺の感動巨編なんかを観た後に残る余韻と、この作品の観賞後に来る重量感は似ている。 映像の美しさはとても素晴らしい。鳥たちと平行飛行して撮られた画は、翼が風を切る羽音までが聞こえ、圧巻です。懸命に“生きる”鳥たちの果てしない旅路を、何の邪念も持たずに観る事をお願いしたいです。ただ、ちょっと制作秘話はいただけない感があるので、お勧め致しません。本編のみの評価として。
9点(2004-03-27 15:08:26)
18.  マーサの幸せレシピ
料理法はまあまあ。味付けはちょっと薄味かな?でも、ダシが利いている(って京料理じゃないんだから・笑)ただ薄味ではなく、女性監督らしい上品なテイストなのです。  ワーカホリックで偏屈な女性シェフ・マーサの元へやって来たものは、彼女自身を映し出す『鏡』。固く閉じた貝の様に心を開かない“小さな自分(リナ)”を困惑しながらも、守ってあげようとするが、マーサには心を解く術が判らない。互いにギクシャクしてゆく過程は何とも苦味が滲んでいます。そんな、マーサの前に現れた彼女とは正反対のシェフ・マリオ。始めは目障りだった彼の存在も、リナに起こるある出来事によって次第に変わって行く。    精神不安定で、頻繁にパントリー(食料庫の事。冷蔵庫ではない)へ逃げ込み必死に感情をコントロールする不器用な彼女に「あ~、わかる」と共感出来た自分は終始マーサの視点で物語を観ていた。 リナが拒んでいた“物”をマリオの演出で受け入れた瞬間は本当に「ありがとう」でしたね(^^)  料理を食べて貰い「おいしい」と云って貰う事が“無上の喜び”となっている私にとって、本作はそれを具現化させた作品。    【プチみかん♪】様にちょっと賛同→マリオとの生活は彼女にとってかなりショッキングな出来事の目白押しでしょうね。嵐(マリオ)が去った後のキッチン見て、ショックのあまり過呼吸発作を起こすくらいの几帳面なマーサですから(笑)    ラストは些か、甘すぎるかも知れませんが、女性的ロマンティシズムが溶け込んだスウィーツと云う事で。  料理は調理~後片付けまでが一括りです。旦那さん(彼氏さん)、サービスデイに奥様(彼女さん)に愛情こもった手料理を作ったら、最後、片付けまでしっかりやりましょうね(^^)  さて、今夜はバジルの薫りが利いた“ニョッキ”でも作ろうか...。
9点(2004-03-22 01:02:55)(良:1票)
19.  レ・ミゼラブル(1998)
この作品は実に強く宗教観(キリスト教的な)が反映されています。聖書を読んでいても、私の様な俗物的な人間には不条理とまで思ってしまう様な“教え”が詰め込まれています。  キリスト教で教え説かれる無償の大きな愛<アガペー>が、作中では一人の人間を変えてゆく。罪を犯していながらも、与えられた「愛」と「許し」によって真人間になったジャン・バルジャンはやがて、人々が尊敬する人物になります。それは、かつて受けた温情をその人に返すのではなく、助けを必要とする人々へ奉仕する事で…。    ただ「無償の愛」に忠実に生き抜く主人公と、職務と自身の正義に忠実に生きるジャベールとの対比に於いても“追う者・追われる者”以上の象徴的表現を感じます。            この作品に触れ『感動』する事が出来ても、果たして自分は人にそう出来るか…?と考えさせられました。何故か、私に聖書の物語を話して下さった牧師夫妻を思い出します。
9点(2004-02-11 16:52:14)
20.  迷宮物語
この作品を初めて観たのが、小学生の頃だったかと…。その頃の私には非常に強烈で、印象深い『オムニバス・アニメ』でした。 りんたろう監督、大友監督…今思えば豪華です。質の高さは、現在の物に引けを取りません。むしろ、今より素晴らしいかも。 何処かくすんで、見落とせば過ぎて行く様な暗黒を含んでいる映像は、当時小学生の私にはかなりのインパクトと一緒に不安も抱かせました。 果てのない暗闇を抜けるのは、観賞後数時間経ってから…   飲み込まれぬ様ご注意下さい。『猫』の名前が暫く耳から離れないと云う後遺症を覚悟の上ご覧下さいませ(笑)
9点(2004-02-05 22:29:26)
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91413.33%
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