1. 名探偵コナン 緋色の不在証明
コナンの魅力の1つはは、あらゆるところにちょっとした伏線が落とされていて、それが一つとして矛盾なく、少しずつ回収していくところ。 その代表が、赤井さんの存在。その登場時点では、今の存在や家族の展開まではとても想像できなかったが、いろんな伏線を回収しまくって、いまや赤井さんはコナンを凌ぐ存在となっている。 この映画は、そういう巧妙な構造を上手に映画としてまとめて、「名探偵コナン 緋色の弾丸」の予習編と呼ぶにはもったいないくらいの出来となっている。 [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2023-12-31 16:01:15) |
2. Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼
《ネタバレ》 作品のプロットはとても面白いし、大きな筋書きもよくできているのに、脚本のつめの甘さと俳優陣の役どころへの理解の薄さで、だいなしになった作品。 脚本のつめの甘さは、例えば、「ミスタースミス」が現場でおしっこしたらトレイシー刑事の夫を殺すことが台無しになってるはずなのにトレイシーが逮捕されそうになってしまったり、「ミスタースミス」がアールブルックスを殺そうとする理由があまりにも脆弱(しばらく一緒に殺人を味わったり手口を学んだ方がメリット大なのに)すぎる、などなど トレイシー刑事が大富豪っていうのも、ちょっと無理やりすぎるし。 そして、なにより、ケビンコスナーがシリアルキラーの内面や苦悩をものすごく浅くしか理解せず演じているので、作品全体が薄っぺらになっていた。 別の人格と対話する手法も影響しているように思うが、デクスターやビューティフルマインドではそれが成功しているのだから、やっぱりケビンコスナーが大根なんだと思う。 シリアルキラーをアディクションの1つで遺伝するものとして単純化してるのも、この作品の浅いところ。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-12-30 12:20:38) |
3. ナイル殺人事件(1978)
生まれて初めて女の子とデートした時に観に行ったと記憶しているのですが、どうしても年齢が合わない。リバイバル?の時でも観たのだろうか? 当時観たときは、犯人は分かったが(この人が犯人にしないと、お話として成り立たないなという理由で)どうやったのかは分からなかったけれど、久々に観たら(内容は全て忘れていた)、犯人も手口も分かった。 年齢を重ねることの意味を見出した作品だった。 ただ、最初に観たときは、すごくきれいな映像で記憶があったのだが、アマプラで観た映像は決してキレイという感じではなかった。 これもまた、時間というものの意味のような気がした。 [映画館(字幕)] 6点(2023-12-29 15:13:50) |
4. 私がやりました
オゾン監督の、ひさしぶりにシンプルにメジャーっぽい造りになっていて、気楽に楽しめる作品。 何よりも、オデット役のイザベル・ユペールの、ヒステリックで大袈裟な感じの演技に魅せられた。このオデットの解釈は、イザベル自身のものらしいが、これがなければ、オゾン監督の他の作品のように内省的過ぎて凡庸な人々には凡庸にしかみえない作品にしあがったであろう。 それにしても、ピアニストのエリカから、このオデットまで演じるというのは、驚嘆の限りだ。 [映画館(字幕)] 7点(2023-12-24 15:57:09) |
5. アルゴ
作品自体はとてもスリリングで面白いのですが、そもそもアメリカの謀略でパーレビが残虐非道の限りを尽くしていたからこんなことになったとに、という気持ちがぬぐえず、しかも外交官の人々(彼らもパーレビに大なり小なり加担していたはず)が何らそれを内省していないというのは、今の時代の鑑賞にはとても耐えられない。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-12-13 09:34:53) |
6. 過去負う者
邦画でもメジャー作品でないと、こんなにいい役者さんがいるんだなあ、としみじみ思いました。 ただ残念ながら、低予算も原因なんだろうけど、脚本、監督、役者、みんなこの問題に対する現実の理解が浅すぎる。 被害者支援の観点からみても現実から離れすぎたことが描かれていて、愕然としました。 おかげで、「名優はレストランのメニューを読むだけで人を泣かせる」という話を思い出しました。 レストランのメニューを読まれただけで泣く人は少数なんだけどな、とも思いました。 とはいえ、最初から最後まで1秒も寝ないで見られた映画は久しぶりです。 [映画館(邦画)] 6点(2023-12-11 00:26:30) |
7. 月(2023)
磯村勇斗は、説得力のある演技をしていると思います。 宮沢りえもセリフ以外でみせる演技はすばらしいです。その分、セリフが入ると、もうなんだか浮ついてから回っていて残念です。 オダギリジョーと二階堂が下手くそなのは「ボランティア出演」だからなのでお愛想。まあもともとうまい俳優さんではないが。 俳優陣がそこそこ頑張ってるのに全体として全く評価すべきところがなくなっているのは、結局、この重いテーマを扱うには、原作と脚本が、力不足ということなんだと思う。 例えば、洋子がさとくんに「あなただって生命を選別しているじゃないか」(不正確)と指摘された場面で洋子は慌てふためいていたが、本来洋子はさとくんの言葉を否定し里君の気持ちを引き寄せることも可能だったはず。 うん、結局、この問題の本質を原作者も監督も1mmも理解することができず、「なんだかんだ難しいことあるよね~」的な感じでモヤモヤしたままで示せば、「映画」になると思った、、、というところにこの映画の駄作ぶりと、邦画のダメダメぶりが表現されているんでしょうね。 もうちょっとみんな考えようよ。 [映画館(邦画)] 4点(2023-12-03 14:39:24) |
8. アンダーカレント
《ネタバレ》 原作に丸乗っかりの製作委員会方式で、監督以下全員が原作を理解しようとしなかった結果出来上がる典型的駄作。 分かりやすいのは、脚本と脚色について:原作のほぼコピペで時間を短縮する意図もないのに、重要な場面がカットされているところ。重油のバーナーをもらいに行く帰途、原作では林の中に主人公が水面を見つけ、車をとめて水面を見つめるうちに何かがよみがえってくる場面が描かれている。この場面が重要な伏線になっているにもかかわらず、映画ではカットされている。 冒頭に銭湯の湯船に主人公自らが頭からつかる場面。原作では上半身だけが沈み脚は残っているところが、現在の主人公のメンタリティの重要な暗示になっているにもかかわらず、映画では水に全身がもぐってしまう絵をとっている。 ビル・エヴァンス&ジム・ホールのアルバムに影響されたのかもしれぬが、ちゃんと原作を読みこんでいれば、こんな絵を撮るはずがない。 俳優陣も、自分が演じている人物の内面をまったく理解できていないまま演じるから、単にぼーっと薄暗く演じているようにしかみえない。 こんな映画ばかりみせられる我々は本当に気の毒だ。 2023/12/24追記 ビル・エヴァンス&ジム・ホールのアルバムのジャケットは、もともとトニー・フリッセルという写真家がウィーキ・ワチーというフロリダ州の都市での名物である水中ダンスのワン・シーンなのだそうです(ほかにもクラシック等でジャケットでいくつか使われているそうです)。だとすれば、ますます、原作のアンダーカレントは、本来のアンダーカレントの意味に寄り添った内容なわけで、やはり完全い体を沈めていないところがポイントであると思います。 [映画館(邦画)] 3点(2023-10-12 20:26:20)(良:1票) |
9. 私たちの声
7つのストーリーがあるのだが、最初のほうはそれなりに考えさせられるものの、後ろに行けば行くほどわけわからなくなる。監督、脚本家やactorが短編の中で力を発揮することができなかったといえばそれまでなのだが・・・ [映画館(字幕)] 5点(2023-09-27 17:23:52) |
10. リファッション~アップサイクル・ヤーンでよみがえる服たち~
《ネタバレ》 3つの取組が紹介されます。①廃棄衣料から水・薬品を使用せず糸にし新たな服によみがえらせる、②子供服の古着を販売ネットワーク、③ペットボトルのリサイクル。 ①はともかく、②③は(その取り組みに敬意は払うものの)目新しいことはほとんどなく、いまや映画にするほどの内容なのかしら・・・これを映画にした意図はなんだろう???という感じでした。 [映画館(字幕)] 3点(2023-09-18 06:40:38) |
11. 雨月物語
10年以上前にDVDを借りて観たときも宮川一夫らしい映像だな、という以外何も残らなかった。 今回、甲斐荘楠音展を観て、甲斐荘楠音がアカデミー賞の衣装デザインでノミネートされていたということを知り、興味を持って再鑑賞。そうすると宮川一夫もそうだが甲斐荘楠音もいい仕事しているんだなあ、と初めて気が付かされた。 また、その気づきのおかげで、この時代の日本の俳優の所作がものすごく丁寧で美しいことにも気が付かされた。 とはいえ、やはり凡作は凡作としか感じられなかった。 私程度の感性の持ち主は、よほど色々な視点を獲得してからでないと、この映画を評することはできないのだと理解した。 [インターネット(邦画)] 5点(2023-08-13 11:04:16) |
12. X エックス(2022)
今の時代にこれを見ても普通過ぎる、という感想になってしまうのだが、三部作全部を見てからでないと評価できない気もしている。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-04 18:12:42) |
13. エニグマ
サスペンスの要素である,ストレスや駆け引きが,今一つうまく表現されていない映画.主人公の神経衰弱の原因やクレアの正体に焦点が行ってしまい,暗号が突然変わったことが問題になっているというのを理解しにくいまま進むので,最後の方で,「ああ,そういう映画だったのかあ」と肩すかしをくらう. 評価できるポイントは,ケイトウィンスレットがぱっとしない女性を演じる姿と,え,これがサフロン・バロウズなの,という驚きのみ. [DVD(字幕)] 4点(2017-03-21 11:09:35) |
14. スノーデン
久しぶりに途中で飽きないで,眠くらならないで一気に見られました.アメリカの彼女以外,全員本物の方が外見が魅力的なのは,ちょっと笑えました.リベラルってやっぱりお金持ちなんだなあ,という妙な感心をしました. [映画館(字幕)] 7点(2017-03-07 20:35:58) |
15. 現金に手を出すな
若い頃のジャンヌ・モロー見たさに観ました.古い映画にしては,なにか艶のようなものを感じましたが,やはり古い映画は古い映画でした. [DVD(字幕)] 6点(2017-03-07 20:19:25) |
16. ドクトル・ジバゴ(2002)<TVM>
キーラナイトレイの透明感は良かったのだが,ストーリーに対する説得力を与える演技力はないように思えた.これは短縮したためのせいもあるのだろうけれど.映画版を好きなので,それと比べながらみることで楽しめたというところでしょうか. [DVD(字幕)] 5点(2017-01-15 10:32:47) |
17. マドモアゼル
ジャンヌ・モローをだいたい見てきた私には,ジャンヌ・モローにジャンヌ・モローを演じさせた映画のように思えて,安定感はあるけれど,物足りなさも感じた. [DVD(字幕)] 7点(2017-01-15 10:01:46) |
18. ホリデイ
なにかのジャンルにはめ込もうとしたり,役者が無理に演技しようとしていないので,かえって素朴で素敵なつくりになっています.素敵な場面に何度かこみあげてくるものがありました. ケイトウィンスレットの演技目当てでみたので,少々物足りなった面はありますが. [DVD(字幕)] 6点(2017-01-02 00:27:36) |
19. ジャッジ 裁かれる判事
単調な脚本でも,役者がうまく演じれば,人に感動させる内容になるんだという代表的な映画.ロバート・デュヴァルとビリー・ボブ・ソーントンの二人がわきを固めているので安心感がありました. [DVD(字幕)] 7点(2017-01-01 21:41:16) |
20. エターナル・サンシャイン
ケイト・ウィンスレットを21世紀最大の女優だと信じている私にとって,彼女の一番の駄作だと思います. [DVD(字幕)] 4点(2016-12-29 10:56:06) |