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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1.  決算!忠臣蔵 《ネタバレ》 
東映の任侠映画をいろいろ見ていると実は忠臣蔵に近いものがあるのではと思えてくるのだが、本作に出て来る大石内蔵助(堤真一)をはじめとする赤穂浪士たちは関西弁で喋り、ガラも良くないというのが、いよいよ任侠映画を思わせていて、それが変にリアリティーを感じさせているし、時々抱いていた、美談としての忠臣蔵に対する違和感も赤穂浪士をこういうふうに描いていれば、それに対する答えも出ているように思う。中村義洋監督の映画としては「殿、利息でござる」と同様に歴史学者(今回も磯田道史原作かと思ってしまうところだが、違うのね。)が原作で、経済的な面から見た忠臣蔵が描かれているが「殿、利息でござる」同様に軍資金を現代のお金に換算して表現しているので分かりやすいし、面白く、だんだん減っていく残金をちゃんと計算機のような形で表示して見せてくれるのも良い。吉本興業メインの映画ということもあって、吉本芸人が大量に出演していて、笑いの部分がちょっと濃いかなあとは思うものの、それほど気になるということもなかった。勘定方 矢頭長介を演じる岡村がなかなか良い味を出していて、浪士たちを「無駄遣いするなよ」と咎めるところなどちゃんと見ている観客側の立場に立ったキャラになっているのも良かった。この長介が死ぬところが中盤の山場となっているが、公開時の宣伝では堤真一とW主演のように言われていたので、けっこう早くに出番が終わってしまったように感じたのが意外で、それが残念と言えば残念。忠臣蔵といえばクライマックスは討ち入りと決まっているのだが、本作はあくまで赤穂浪士の予算のやり繰りを描くということを徹底していて、討ち入りが予算内に収まるか否かの会議をクライマックスに据えていて、討ち入り場面はシミュレーションだけという形をとっており、それも本作らしいところだが、本作は忠臣蔵でありながら吉良上野介(およびその周辺)が一切登場しないという異色さになっていて、これがかなり新鮮に感じた。大石の妻であるりくを中村監督作品では常連の竹内結子が演じているのだが、山科の別れのシーンでりくが大石に言う最後のセリフが今となっては何だかさびしく感じてしまう。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-18 00:21:46)(良:1票)
2.  花よりもなほ 《ネタバレ》 
是枝裕和監督の作品を最初から最後まで見たのはこれが初めて。(「万引き家族」が話題になっていた頃、連ドラの「ゴーイングマイホーム」を見始めて途中で屈折した経験あり。)是枝監督初の時代劇だそうだが、浅野内匠頭の辞世の句の一節をタイトルにしているとおり、赤穂事件を背景に、父の仇討ちを誓ったへっぴり腰の侍(岡田准一)を通して復讐や仇討ちのバカバカしさや無意味さを描くという発想と着眼点は良いし、主人公が住んでいる長屋の汚さなどリアリティのあるセットの素晴らしさなどはいかにも本格的な時代劇という感じがして良かった。また、その長屋の住人たちの人物造形、描写もしっかりとしていて、そのあたりも見ごたえのあるものになっている。それに桜の花が散るのはまた来年咲くためというセリフも心に残る。でもなにか全体的な印象としては弱く、そこそこ退屈せずに見られたものの、ちょっと散漫としていて冗長に感じる部分も多かったのはちょっと残念だったし、さきほど長屋住人の造形や描写がしっかりしていると書いたばかりだが、その中に吉本芸人を三人(上島竜兵、木村祐一、千原せいじ)も入れたのはいささか狙いすぎのような気がした。ラストにかけてももう一つなにか欲しかったところか。
[DVD(邦画)] 5点(2024-03-10 15:44:55)
3.  小早川家の秋 《ネタバレ》 
「秋日和」で司葉子を起用したお返しに小津安二郎監督が東宝系の宝塚映画で手掛けた作品。東宝にはプロデューサー陣に小津監督のファンが多かったらしく、その影響かキャスティングが東宝プチオールスター映画のようになっているのがなんだか不思議で、冒頭のバーで森繁久彌と加東大介が一緒にいるシーンなんかどう見ても社長シリーズのような雰囲気で、ここだけ見ると松林宗恵監督の映画なのではと思ってしまいそう。また話の中心が中村鴈治郎演じる小早川家の当主に置かれているため、東宝系映画でありながらどことなく大映っぽさも感じられる。その中にあっても小津監督らしさもちゃんとあり、やはり会話のテンポや様式化された映像はいかにも小津監督といったところで、大映の「浮草」でもそうだったが、その独特の世界観を松竹ではなく東宝の俳優陣が演じているのもなかなか楽しい。(原節子が出演した最後の小津作品でもあるのだが、小津作品への出演が有名な彼女も実は松竹ではなく、東宝所属だったんだなあとあらためて思った。)京都が舞台で主にセリフは関西弁なのだが、中でもやはり「彼岸花」と同じく浪花千栄子の京都弁の美しさは聞いていてやっぱりいいなあと感じることができる。喜劇映画としても面白く、当主がこの浪花千栄子にそそくさと会いに行くシーンは見ていてなにか笑える。中でも孫とのかくれんぼに飽きてしまい、鬼をやっている最中に着替えて脱走し、浪花千栄子のところへ行ってしまうシーンは思わず声をあげて笑ってしまった。でも、そんな当主が亡くなってからは映画の様相が一変するのには驚いた。あまり小津作品に似つかわしくないような黛敏郎(小津作品では「お早よう」でも音楽を担当。)のいかにもこの人らしい不穏で不気味な音楽(小津作品で作曲家の個性がここまで出るのはちょっと珍しい。)が鳴り響くラスト10分の当主の葬儀のシーンが小津作品としては明らかに異様で、小津監督自身がこの2年後に亡くなっていることもあってか、この時既に小津監督は自分の死期を悟っていたのではと思えるほど重々しさを感じた。火葬場の煙を見ている農作業中の夫婦(笠智衆、望月優子)の会話からも小津監督の死に対する考え方が見える気がする。個人的なことになるが、今年になって友人二人の訃報を耳にした。そういうこともあってか、最近、死について時々考えることもあったのでこのラストシーンはなおさら強烈に心に残る。最後のカラスがヒッチコックの「鳥」を彷彿させているのだが、あの映画は本作よりも後なんだよなあ。
[DVD(邦画)] 8点(2024-03-03 00:55:46)
4.  秋日和 《ネタバレ》 
小津安二郎監督が「晩春」で描いた父と娘の関係を母と娘に置き換え、改めて描いた作品で、母親役を原節子が演じているのもあって「晩春」の続編とも感じられるものになっていて、実際、司葉子演じる娘・アヤ子の態度や、ラスト付近の母子の宿屋でのふとんの上でのやりとり、いちばん最後のシーンのアパートの部屋に一人残された原節子演じる母・秋子の悲しげな表情などは「晩春」をそのままなぞっている感じで、小津監督も意識しているのが分かるのだが、「晩春」ほどの深みは感じられないのが少々残念ではある。でもその分、コメディー要素が強く、主人公である二人に要らぬお節介を焼く三人のおやじ(「彼岸花」と同じく佐分利信、中村伸郎、北竜二)の会話や調子よさが見ていて楽しく、(それにしても途中この三人の出番が多く、この三人が主人公でも違和感がないのでは思ってしまった。)映画全体もユーモラスな雰囲気がずっとあって安心して見ていられた。序盤から登場していたアヤ子の友人である百合子(岡田茉莉子)の存在が後半になって大きくなり、友人のためにひと肌脱いで三人と渡り合う展開が実に気持ちよく、かっこいいし、演じる岡田茉莉子もすごく魅力的。この百合子が寿司屋で北竜二演じる平山に言うセリフがとても好きだ。屋上でアヤ子が百合子に言う「みんなだんだん離れていっちゃうのよ。」というセリフも考えさせられるものがあり、とても良かった。小津監督独特の会話のテンポも見ていて楽しく、心地いい。それから小津監督と言えば笠智衆だが、「晩春」では父親役だった彼を今回は秋子の亡くなった夫の兄役に起用しているところにもなにか遊び心が感じられる。
[DVD(邦画)] 8点(2024-02-18 17:56:33)
5.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 
細田守監督が「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」、「サマーウォーズ」に続いて手掛けたネットをテーマにした映画で、登場する仮想空間である〈U〉は「サマーウォーズ」のオズに比べてより現実的であり、悪意あるネット上の書き込みにもリアリティがあるなど、先の2本とは対照的な印象を受けるのだが、なんか見ていてこの20年で細田監督のネットに対する考え方が変わってしまったのかなと思えてきて、そこは少々残念に思う。本作は現実世界では過去のトラウマから暗く、父との関係もうまくいっていない主人公であるすずが〈U〉の世界で歌姫になるという設定だが、歌うシーン自体はすずの声優をつとめるのが歌手ということもあってとても素晴らしかったものの、物語上ですずが実は〈U〉の世界でトップクラスの人気を誇るまでになるほど上手かったというのはイマイチ説得力に欠け、はっきり言って細田監督が演者の歌唱力に頼っているようにしか見えない。竜が出てきてからは「美女と野獣」っぽいなと思っていたら、そもそも本作のコンセプトが仮想空間を舞台にした「美女と野獣」だったとのことでちょっと納得するも、どこかで見覚えのあるような城のダンスホールでベルと竜が踊るシーンがあまりにもそのままとかの部分はさすがに気になり、「美女と野獣」好きなのは分かるけど、もう少し控えめにやってほしかった。(主人公の名前がすずで、〈U〉での主人公のアバターの名前がベルというのもそうと分かればあまりにも安直に感じる。)すずのしのぶくんに対する恋心や、恵の父親による我が子への児童虐待も描かれているが、それを描いたことでちょっと話が散漫になってしまった印象は拭えず、詰め込み過ぎた感じがしたし、必要とは分かるのだが、すずが〈U〉の世界で素顔を晒して歌うシーンでクライマックスを迎えてしまい、その後にすずが東京に行く件がちょっと蛇足に感じられた。ところで、すずの母親の声は島本須美が演じているが、だったら父親の声は役所広司ではなく、糸井重里でも良かったのではと見終わって思ってしまった。
[DVD(邦画)] 5点(2024-01-28 18:13:18)
6.  GHOSTBOOK おばけずかん 《ネタバレ》 
小学生に人気の児童書を映画化した山崎貴監督の映画。山崎監督は現在ではすっかり泣かせ映画の巨匠みたいになっているが、本作は紛れもない夏休みの子供向け映画になっていて安心して見ていられるし、山崎監督のデビュー作が同じく子供たちの冒険を描いた「ジュブナイル」であったこともあり、原点回帰の映画ともいえ、本来はこういう作品にこそ手腕を発揮する監督なのではと思えてくる。(本作でも「ジュブナイル」で主役を演じていた遠藤雄弥と鈴木杏が主人公の両親を演じていたり、主人公の家にテトラが置いてあったりして山崎監督の「ジュブナイル」への思い入れを感じられる。久しぶりにまた見たいなぁ。)主人公たち三人と新しく赴任してきた新米の代用教員(新垣結衣)が迷い込んだ異世界でクラスメイトの少女と出会う展開は「学校の怪談」の岡本綾を思い出してなんとなく結末が読めてしまうものの、その予想を外してくれたのは嬉しかった。図鑑の試練で主人公たちがおばけたちを図鑑に集めていくのはこの年になって見ると微笑ましくもあり、どこか懐かしさも感じることができた。最後のおばけであるジズリが最強というのも王道的で、最後はしっかり盛り上げていて本当に子供を飽きさせないつくりになっているのが良い。図鑑坊のキャラも可愛らしいが、この図鑑坊がカレーを食べるシーン(このカレーがおいしそう。)はやっぱり三丁目の夕日を意識してるんだろうなぁ。それにしても本作を見ると山崎監督が三丁目の夕日で変に評価されてしまったのは果たして良かったのかなとも思え、「ジュブナイル」、「リターナー」の後に同じ路線でもう一本やっていたら、映画監督として今とは違う道もあったのではと感じてしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2023-12-07 23:55:59)
7.  BALLAD 名もなき恋のうた 《ネタバレ》 
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を実写化した山崎貴監督の映画。アニメを実写化する場合、多くはそのアニメの最初からというパターンが多いと思うのだが、この映画はシリーズの中でも人気と評価の高い劇場版の作品を実写化しており、アニメの実写化の着眼点としてはけっこう悪くない感じはする(でも山崎監督なら鉄人兵団を実写化した方が向いてそう。やってほしくないけど。)のだが、あえてオリジナルを久しぶりに見返してから本作を見るとやっぱりかなり厳しいと言わざるを得ない出来になっていて、既に散々書かれているが、「クレヨンしんちゃん」のアニメだからの一言で済まされる部分がそのまま実写化されていて不自然な部分が多く、また本来子供向けであるはずが大人が見ても唸るようなリアリティと見ごたえのある作品になっていたオリジナルと比べても合戦シーンなどにリアリティがなく、子供向け、いや子供だまし感が強く、見ていて少し退屈。それにオリジナルで好きだったシーンがけっこうカットされてたのも残念。その中でも原恵一監督がタイトルにしようとまで拘ったという又兵衛の異名のひとつである「青空侍」が登場しないのが非常に残念で、これによってラストシーンが変更されているが、このラストが非常に弱く、余韻が残らない。せめて「青空侍」は残しておくべきだったのではと思う。オリジナルよりも又兵衛と廉姫の恋愛に重きを置いているためか、もう一つのドラマである少年と又兵衛の友情を描いた部分もすごく薄みに感じる。(恋愛部分も深みは感じないが。)と良いとこなしの映画のように書いているが、ひろしに相当する人物の職業をカメラマンに変えたのは正解で、敵陣にうって出る前の夜にみんなで写真を撮るシーンはけっこう良かったし、印象的で、又兵衛の「これで生きた証が残せた。」というセリフも心に残る。ここだけは本当にあざとさを感じず素直に良いシーンだと思った。それからもう少し書かせてもらうと、又兵衛に仕えることになる野武士ふたりはオリジナルで声を担当していた雨上がりをそのまま起用していても良かったような気がする。
[DVD(邦画)] 5点(2023-11-26 23:46:50)
8.  特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション 《ネタバレ》 
スーパー戦隊シリーズ「特捜戦隊デカレンジャー」の劇場版。テレビシリーズは全話見ているが、戦隊シリーズにMIBの要素を持ち込んだ刑事ものといった感じでこの年になって見てもけっこう面白かったのだが、劇場版である本作もそのテレビシリーズの雰囲気を壊すことなく見れたし、見せ場が派手なのも劇場版らしい。テレビシリーズでエンディングを歌う佐々木功が(テレビシリーズのエンディングのバックにも登場する)エイリアンバンドのボーカルの声を演じているが、登場シーンにエンディングと同じ構図の映像が使われているのは凝っているし、この映画でテレビシリーズでエンディングを歌っているのがこのバンドという設定になっていると分かるのも面白い。デカレンジャーではレギュラーで登場する刑事たちが全員変身できるという設定なのだが、本作のゲストであるマリーゴールド(新山千春)が回想シーンで変身しかけたのはやっぱりという感じ。でも攻撃を受けて変身直後に解除されるのはなにかもったいない気がした。今回の敵であるガスドリンカーズのリーダーを演じているのが遠藤憲一なのは劇場版ならではの豪華さだが、このガスドリンカーズの面々は過去の戦隊シリーズで悪役を演じていた俳優がキャスティングされており、「忍者戦隊カクレンジャー」で悪役を演じていた縁からの起用だと思うが、この頃は既にバイプレイヤーとして売れていたと思うのにこういう戦隊シリーズの悪役OB俳優を集めるオファーにも応じるところに仕事を断らないという姿勢が垣間見える。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-10-28 12:16:47)
9.  リトル・マーメイド(1989) 《ネタバレ》 
今年実写版も公開されたディズニーアニメの一編。子供の頃に一度は見ていそうだが、見るのはたぶん今回が初めて。アンデルセンの「人魚姫」が原作とのことだが、いかにもディズニーらしい作品になっていて最後まで何も考えず楽しく見る事ができたし、主題歌である「アンダー・ザ・シー」をはじめとした楽曲も素晴らしいのもディズニーらしさを感じる部分である。ストーリーとしては子供向けらしくやや予定調和に感じる部分(ラストなど。)もあるがさほど気にならなかった。前半はサメに追いかけられるシーンなどディズニーらしいドタバタした動きもあって楽しいが、アリエルがアースラと契約して声を失うかわりに人間になり、王子と出会う後半部分は今見ると声を失って自分の正体を王子に告げることのできないもどかしさや葛藤が見ていて伝わってこないのに物足りなさを感じてしまうのだが、やはりそれは仕方がないことかもしれない。知り合いにセバスチャンが好きという人がいるのだが、確かにキャラが立っていて愉快で面白く、間違いなく本作のMVPはこのセバスチャンだろうと思うし、その知り合いの意見にも納得。吹き替えで見たのだが、上條恒彦の吹き替えもハマっていて、とくにセバスチャンが「アンダー・ザ・シー」を歌うシーンは上條恒彦の歌手としての上手さも相まってとても良かった。
[DVD(吹替)] 6点(2023-09-14 23:21:41)
10.  爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中! 《ネタバレ》 
スーパー戦隊シリーズ2003年の作品である「爆竜戦隊アバレンジャー」の劇場版。テレビシリーズも見ているが、そちらは子供向けらしい作劇の中に時折かなりシリアスな話もあってわりと面白く見たのだが、その劇場版となる本作はテレビシリーズの明るい雰囲気そのままの感じで、けっこう安心して見れた。テレビシリーズに登場する怪人は三つを合成したものなのだが、今回は劇場版ならではの特別感を出すためか、六つを合成したものになっているのはめちゃくちゃ単純だし(その怪人の声を担当している高田由美が懐かしい。)倒されても巨大化しないのもなんかかませ犬的なギャグ要因っぽい。中盤でこの怪人を倒してしまい、どうするんだと思っているとゲストヒロインが新たなる敵の変身であったという展開だが、ここからの方が劇場版らしい派手な見せ場となるが、やはり見どころになるのは今までテレビシリーズに出てきた爆竜たちが全員登場するシーンだろう。また、この後半の敵であるガルヴィディの声を翌年の戦隊である「特捜戦隊デカレンジャー」でナレーターをやっている古川登志夫が演じているのも面白い。(「デカレンジャー」では遊馬のような落ち着いた柔らかな口調なのに対して本作ではピッコロのようなドスの利いた口調なのはさすがである。)テレビシリーズでは羽田健太郎を中心とした番組のためのユニットが音楽を担当しているが、本作は羽田健太郎が単独で担当している。おそらく本作は彼が劇伴音楽を担当した最後の映画作品ではないだろうか。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-08-31 18:47:54)
11.  幕末残酷物語 《ネタバレ》 
新撰組を描いた加藤泰監督の映画だが、その歴史を華々しくカッコよく描くものではなく、屯所のみを舞台に新撰組の暗部や非人間性、非情さといったものを描いている。これまでも新撰組ものは何本か見ていて、そのメンバーの確執や非情さにも触れられている作品もあったのだけど、いざそこをメインに描かれると本当に新撰組という組織がただの非道な集団にしか見えず、多くの作品で描かれてきた英雄然とした新撰組のイメージは打ち砕かれそうになる(イメージとしては大島渚監督の「御法度」が近いかなと思うのだが、やはり少し違うか。)のだが、同時にここまで新撰組の闇の部分を徹底して描いた作品も初めて見た感じで、興味深くて面白かった。その非道さを田舎から出てきた架空の新人隊士である主人公 江波(大川橋蔵)という第三者の目を通して描かれている分、より一層その非道さが際立っていてリアルで見ごたえのあるものになっているし、最初は言われるがまま怯えながら仲間の隊士の切腹の介錯をやっていた江波が三度目には自分からその役を買って出るあたりは江波の人間性の崩壊もちゃんと描かれていて、そういうところにもリアリティを感じさせるあたりは想像はつくものの、やはりドラマとしてよく出来ている。と、ここまではじゅうぶん傑作の域なのだが、江波の正体が判明するクライマックスがなんか唐突で、せめてそれまでに伏線が欲しかった。(一応、沖田(河原崎長一郎)が芹沢鴨暗殺について江波に語るシーンが伏線といえばそうなのだが。)別にこういうふうでなく普通に江波が規律違反を犯して粛清されるという結末のほうがこの映画にとっては良かった気がしてこのラストはなんかもったいなく感じたのがけっこう残念で、ここだけが不満。でも、見終わって満足できる時代劇映画だったのは間違いない。
[DVD(邦画)] 7点(2023-08-27 23:49:35)
12.  来る 《ネタバレ》 
久しぶりに見る中島哲也監督の映画、あまり期待してなかったけど、中島監督らしい映画になっていてけっこう楽しめた。ホラー映画でタイトルからして化け物系っぽいのだが、前半は子供を授かった夫婦(妻夫木聡、黒木華)の本性がだんだんと露わになっていくくだりがひたすら胸糞悪く描かれ、(周囲に対して良きイクメンパパを演じながら実は自己中でしかなく、自分が注目されたいために子育てブログの更新に夢中になり、実際は妻に子供の面倒を任せきりの夫、イライラを子供にぶつけるだけならまだしも、夫の死後に育児放棄して遊び呆ける妻。)実際にもこういう夫婦はいそうで、こうやって最初はなんでもない夫婦が徐々に我が子虐待に走るのねと思わず納得してしまう怖さがあり、もうこれだけでじゅうぶんな気さえしてくる。(特に下の方も書かれているが妻が夕食の支度をしているそばから夫が電話をかけてきて外食に誘い、オムライスが食べたいと言い出した子供に妻がキレてしまうシーンは本当に見るに堪えない。)一応、「アレ」と呼ばれる何か(原作小説(未読)にははっきりと名前が書かれている。)が文字通り「来る」のだが姿は見せないのでこの夫婦の心理的な幻覚か何かだと思ってしまえるほど「化け物よりも怖い人間」というものがよく描けていて非常に面白かった。だから妻が死んだ後、本当に「アレ」を除霊する展開になったのはこれはこれで退屈せずに見れたけど、この終盤はホラー映画らしいといえばそうなのだが、なにかこれまでの話とうまくつながっていないし、はっきり言って余分だったような気がしてならず、すごく惜しい。見た後で調べると原作にある「アレ」に関する部分は大幅にカットされたとか。だったらなおのことこの部分はない方が良かっただろうと思えてくる。でも、やっぱり前半部分が本当に面白かったので甘めに7点。(本当にここだけでも良かったような気もする。)最後の子供の見ているオムライスの国の夢のシーンがカラフルに描かれているのも中島監督らしく、つい「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」を思い出した。
[DVD(邦画)] 7点(2023-08-16 01:05:39)
13.  日本やくざ伝 総長への道 《ネタバレ》 
マキノ雅弘監督、高倉健主演の任侠映画。予告を見ると「シリーズ第1作」と銘打たれていてシリーズ化が予定されてたみたいだけど、これ一作で終わっている。それは時期が東映任侠映画最末期だったとかいろいろ事情を察することができるが、マキノ監督の映画としても引退作の一つ前の作品となるわけで、だからというわけではないが、マキノ監督の演出に彩が感じられず、至って普通の任侠映画という感じで確かにドラマとしては高倉健と若山富三郎の野川由美子をめぐる三角関係など面白くなくはないし、最後の殴り込みシーンは仕掛けるのがその高倉健と若山富三郎のコンビという珍しさはあるものの、全体的にマキノ監督らしい盛り上がりがあまり感じられずに、逆にマキノ監督、疲れてたんじゃないかと少し思ってしまったのがちょっと残念でなにか見ていて乗れない。冒頭に近衛十四郎が出ていたと思ったら、中盤あたりに松方弘樹が出てきて、一緒のシーンはないものの、この親子共演がけっこう印象に残った。調べると松方弘樹は本作で大映から東映に復帰したとのことで、近衛十四郎の出演はそれを祝うためだったのかもしれない。
[DVD(邦画)] 6点(2023-08-11 13:50:39)
14.  十一人の侍 《ネタバレ》 
「十三人の刺客」、「大殺陣」に続く工藤栄一監督の集団抗争時代劇。タイトルからどうしても「七人の侍」を連想してしまうのだが、それは製作陣も分かっているようでクライマックスの大雨の中での決闘をはじめ、ところどころで意識しているのが分かる作品となっているが、「七人の侍」のようにメンバーそれぞれに個性を持たせる描き方でなく、メインとなるのは主人公である仙石(夏八木勲)ら数名というのは「十三人の刺客」とほぼ同じ。暗殺の標的となるのが菅貫太郎演じる将軍の弟・松平であるなど話としては「十三人の刺客」の焼き直し感が強くなっている(音楽を担当しているのも同じ伊福部昭だが、オープニングの音楽がものすごく「十三人の刺客」っぽい。)が、この松平が「十三人の刺客」のような強烈なインパクトがなくなんか薄い感じがして物足りないし、少し無理やり感のある展開も多く、全体的には凡作の域を出ていないように思うものの、十一人のメンバーの中に女性がいるのが新鮮だったし、最終的にメンバーの中で生き残るのが西村晃演じる浪人ただ一人というのが先に「十三人の刺客」を見ているとまた最後の最後で死なないのかと疑ってしまったが、本作では本当に最後まで死ぬことなく終わって一安心。そして、森での待ち伏せ作戦が中止になったあとの馬の足音だけを聞かせるワンショットがものすごく印象に残り、ここだけでも本作を見た価値はあったと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2023-08-06 17:16:18)
15.  五人の賞金稼ぎ 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。今回も冒頭のタイトルバックからして時代劇というよりは西部劇のようなノリで、砦を守るために戦うという筋書きもいかにも西部劇を思わせるが、今回は工藤栄一監督が手掛けていることもあってか、前作よりはシリアスな感じになっていて、クライマックスの乱闘シーンはどうしても「十三人の刺客」を想起するし、決して爽快とは言えないラストシーンも工藤監督らしいところ。今回は表の顔である医者としての市兵衛(若山富三郎)の姿も描かれているが、見ていて「必殺仕掛人」をつい思い浮かべてしまい、この数年後に参加する必殺シリーズがテレビでの代表作となる工藤監督が手掛けているのはなにか縁を感じる。(音楽は津島利章が担当しているが、オープニングでタイトルが画面に出たときの音楽がなぜかどうしても必殺っぽく聞こえてしまった。)前作同様に荒唐無稽さも健在で、ガトリング銃を市兵衛が撃ちまくるのはどう見ても漫画チックだし、さっき書いたクライマックスの乱闘も刀ではなく、銃がメインで、見ていて本当に西部劇を見ているという錯覚を覚える。キャストに目をやると伊吹吾郎は本作で東映初出演だったようだけど、東映作品でよく見ているからかあまりそういう感じは受けなかった。それと、前作にも登場していた陽炎が野川由美子ではなく、前作に別の役で出ていた真山知子に代わっているのは残念というよりなんか紛らわしい。
[DVD(邦画)] 6点(2023-07-29 23:55:47)
16.  賞金稼ぎ 《ネタバレ》 
のちにテレビドラマ化もされたという若山富三郎主演のアクション時代劇シリーズ第1作。冒頭のテロップからして「柳生一族の陰謀」や「真田幸村の謀略」のような荒唐無稽な時代劇である事が伝わって来そうな雰囲気だったが、実際その通りの荒唐無稽な娯楽時代劇でツッコミどころも多いが、何も考えずに見る分には安心して見ていられる。時代劇だけでなく、西部劇的な雰囲気もあって無国籍風なのだが、それに主演の若山富三郎がよく馴染んでいるし、主人公である市兵衛が刀はもちろんのこと、銃を撃ちまくるというのもこの雰囲気で若山富三郎だと全く違和感を感じさせないのがすごい。それに本作では按摩のふりをするシーンがあるのだが、それがどう見ても座頭市にしか見えないのはやっぱり笑ってしまう(主人公の名前からして「市兵衛」だし。)し、それと同時に若山富三郎と勝新はとてもよく似た兄弟なのだということを感じられたのが楽しい。(「影武者」で最初は主演の勝新だけでなく、共演者として若山富三郎にもオファーがあったというエピソードにも納得。)市兵衛と陽炎(野川由美子)が最初に出会うシーンでストップモーションが使われているのも凝った強烈な演出で印象に残り、良かった。
[DVD(邦画)] 6点(2023-07-23 15:20:11)
17.  眠狂四郎 悪女狩り 《ネタバレ》 
眠狂四郎シリーズ最終作となる第12作で、雷蔵にとっても遺作の一つ前の出演作となる。とはいえシリーズを半分ほどしか見ていない目から見ても最終作っぽい雰囲気はなく、これで終わるとは思えないほど普通な印象で、おそらく大映はこの後もシリーズ続行の意思だったことがうかがえる(実際この後も東映から借りてきた松方弘樹を主演に2本作っている。)のだが、狂四郎の出番が少なく、ストーリーの中心である世継ぎ問題に狂四郎がほとんど絡まないなどやはり既に病魔に侵され、いったん退院後に一時復帰していた雷蔵の体調は思わしくなかったことが察しできる脚本になっているのが分かるし、ニセ狂四郎というありがちな感じのする設定もこれが影響しているのではと勘ぐってしまう。隠れ切支丹も絡んでいるあたりはこのシリーズらしいところだが、全体的に散漫で大味な脚本になってしまったことは否めず、それでいてストーリー的にはけっこう暗めなのでなにか見ていて気が滅入ってしまうのが事実で、出来としては少しイマイチに感じる。でも、狂四郎の前で仮面の集団が舞うシーンはなかなかインパクトがある(見ているときは下の方と同じく夢の中の描写だと思っていたし。)し、狂四郎の最後のセリフがこの後雷蔵が亡くなってしまうことを思えばとても意味深に聞こえてしまい、なんだか切ない。シリーズを全て見たというわけではないのだが、もし雷蔵が長生きしていたらこのシリーズは勝新の座頭市のように雷蔵のライフワークになっていたかもしれないし、それに個人的にもやっぱ座頭市との共演は見てみたかったなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2023-07-08 18:45:15)
18.  愛の渇き 《ネタバレ》 
蔵原惟繕監督と浅丘ルリ子主演コンビによる三島由紀夫原作の映画。冒頭からのヨーロッパ映画のような雰囲気には引き込まれるし、映像の美しさや、テーブルを囲んだ一家のやりとりを上から見下ろすような長回しのワンカットで見せるなど、印象に残る部分はあるが、主人公である悦子にもちょっと感情移入しづらいものがあり、(浅丘ルリ子は熱演していて良かったのだが。)その悦子に身を任せている舅(タイトルバックが流れる直前の悦子との絡みシーンがとてもエロチックに感じる。)を演じているのが中村伸郎というのはなんか違う気がする。それに三郎を演じる石立鉄男にも説得力が感じられずドラマとしてはなんかイマイチ。しかしさっきも書いたように映像的な演出面についてはなかなかよく、中でもパートカラーで時折出てくる赤い色が鮮やかで印象的。とくに完全に映像がカラーになり、悦子が赤い夕陽を背にして歩くラストカットが鮮烈だった。5点かとも思ったがやっぱり6点を。
[DVD(邦画)] 6点(2023-07-02 15:04:40)
19.  陸軍中野学校 開戦前夜 《ネタバレ》 
シリーズ最終作となる5作目。このシリーズでは唯一前作の監督が続投していてオープニングも前作のラストから始まるところなんかについそれを感じる。内容もタイトル通り太平洋戦争開戦をめぐる敵諜報組織との対決というスケールの大きなものだが、少し話の規模が大きくなりすぎていてこれを90分に収めているせいか全体的に散漫な印象が強く、面白くなくはないがはっきり言って凡作という感じ。中野学校女子部が登場するのもかなり唐突に感じる。でも、その中で次郎(市川雷蔵)今回のヒロインである秋子(小山明子)との関係や対決がそこそこ見ごたえのあるものになっていたのが救い。今回が最後なのは雷蔵の体調面もあってのことかもしれないが、秋子が次郎のこれまでの活動を羅列したり、開戦後のラストシーンなどちゃんと完結編を思わせる部分もあったのは良かったと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2023-06-08 19:12:07)
20.  陸軍中野学校 密命 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。今回は次郎(市川雷蔵)が冒頭いきなり逮捕され、憲兵に拷問されるという衝撃の展開によるいつもと違う幕開けだが、それは拘留されている今回の敵であるキャッツ・アイとつながりのある高倉(山形勲)と接触するための作戦だったのだが、その詳細を事前に次郎に伝えない草薙(加東大介)の敵を欺くには味方からと言わんばかりの巧みさに感心させられると同時に彼の次郎に対する絶対の信頼感というものも感じることができる。さて、そんな今回は国際スパイ(英国諜報部というのがなんか007を意識してるみたいだけど。)が敵ということでスケールも大きくなり、このシリーズではよく出来た脚本になっていて1作目に次いで面白かったし、失敗した後輩スパイ(山下恂一郎)に次郎が自決を迫るシーンの雷蔵の演技など鬼気迫るものがあり、思わずドキドキして見入ってしまう。でも、それだけにラストはちょっと急展開すぎてご都合主義的なものも感じてしまったのはちょっと残念。ヒロインを演じる高田美和の可憐さと野際陽子の若さ(でも野際陽子、見た目的にはそんなに変わってないような気がする。)が印象的。
[DVD(邦画)] 6点(2023-06-04 14:40:14)
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