1. この世界の(さらにいくつもの)片隅に
気持ちの整理がつかない。 あまりにも圧倒的すぎて、僕のキャパシティでは受け止めきれない。どれくらい凄い映画なのか計り知れない。(120キロまでしか計れない体重計に象が乗って踏み潰したかのような) 言葉にならない。どうしよう、どうしたらいいだろう。 映画開始直後から泣きっぱなし。 [映画館(邦画)] 10点(2020-03-23 15:51:36) |
2. カメラを止めるな!
映画を観終えて池袋から電車で職場に向かいがてら、宇多丸のこの映画の評論を聴く。そして別日の収録で、宇多丸と上田監督のインタビューも見つけて、それも聴く。このインタビューもまた、僕にとって大きなものとなった。 どうやら上田氏、かねてからの宇多丸ラジオのリスナーであって、宇多丸の映画観に多大な影響を受けていて、特に映画の勉強や専門学校に通っていたわけではないとのこと。子供のころから映画のようなものを撮って遊ぶことが大好きだったとのこと。影響を受けた日本人4人、松本人志、吉田戦車、三谷幸喜、そして宇多丸とのこと。なお、映画をみて僕は「三谷幸喜『ショーマストゴーオン』だ!」と思っていたので、合点。『カメラを止めるな!』には、上田氏にとっての宝物をとにかく詰め込んだとのこと。 ここまで聴いて僕は胸が打ち震えた。上田監督こそ、”こーゆーのにワーワーはしゃぐニンゲン”を最上級に拗らせちゃったまさにその人である(にすぎない)。すなわち、映画が好きで、録画して音楽付けて遊んでて、吉田戦車や三谷幸喜にはまって、おおいなる映画の世界に憧れて、宇多丸のラジオを聴いて映画の在り方を学び、ENBUゼミで人を集めて300万円も突っ込んで映画を撮り、自分の赤ちゃんまで出演させ(たぶん監督の実の赤ちゃんだと思う、名字が上田だし)ているそういう生きざま。 だから、とてもおこがましくて申し訳ないんだけれど、僕は我がことの様にうれしい。こうやってうれしい思いを抱いている人は僕以外にも沢山いるはずだ。『カメラを止めるな!』は、まさに僕らの映画なのだ。 ここまで来れば『桐島部活やめるってよ』に話が繋がるのは至極自然である。映画のほう。 僕はこう想像する。上田監督は、『桐島』の前田のその後なのではないか。 だとしたら前田よ、映画をあきらめないでありがとう。君があこがれていた、大いなる映画の世界は今、君のものだ。こうして『桐島』をも補完し、完成させることになった。もうこれ以上の感謝しようにも僕のスキルでは無理だ。 [映画館(邦画)] 10点(2018-12-27 23:01:17)(良:3票) |
3. この世界の片隅に(2016)
ネタバレ 世の中には「原爆は正しかった!」といまだに言ってる人がいるらしいけど、一方その頃我々japは、8月6日の呉で冗談言いあいながら草鞋を編む人々の映画を観て笑っている。我々japの勝ちだ。 [映画館(邦画)] 10点(2016-12-30 22:28:53)(良:1票) |
4. かぐや姫の物語
ネタバレ 牛車の客室の中にいるかぐや姫が目を覚まし外をのぞくシーンなんだが、そう言われないと、現代の女子大生(女子高生にも見える)が一人暮らしアパートの2階の窓から朝、帰っていく彼氏の背中を気付かれないように眺めているようにも見える。見えるように書いてるだろうし、象徴的なこのシーンを宣材に使ってる作為も見逃せない。おはぐろとか、眉毛抜いたりとかしたときのかぐや姫がかわいくないし抵抗する。こんな点からも、かぐや姫は現代を生きる女の子であることがわかる。この映画がリリースされた2013年の女の子が、悠久の時を越えて、昔話の世界に落とされた感じだ。昔と今とで野山や民俗は変化したが、ただひとつ変わらない風景、それは月。 声優が地井武男ってのも泣ける。地井武男の声で、あの翁が、かぐや姫が立ったり微笑んだりするだけで泣きじゃくって喜ぶ姿は、誰がどう我慢したって泣けてしまう。 月からのお迎えのシーンについて、僕はもう胸が締め付けられっぱなしだった。あれは、かぐや姫の“死”である、とするならば、これほど悲しい結末はない。普遍的なものを目の当たりにすると、人はおそれをなす。僕はこの映画におそれをなした。ここ最近のスタディオディブリ作品では傑出する。 [映画館(邦画)] 10点(2013-12-09 21:15:53) |
5. 桐島、部活やめるってよ
ネタバレ 「ロメロだよ!それくらい観とけ!」 もう最高! [DVD(邦画)] 10点(2013-08-27 01:39:03) |
6. トイ・ストーリー3
ネタバレ もうさ、この映画でPIXARは絶筆してもいいですよ。それくらい素晴らしい。 戸惑いを隠せない。PIXARが本気を出すと何が起こるのか、それを目の当たりにしてしまった。トグロ100%を見た時のような、腰の抜ける感覚。 アンディがおもちゃを一人ずつ紹介するあのシーン、おもちゃたちは表情を変えずに“おもちゃ”として紹介される。あの固定された表情の奥での彼らの感情は、3DとかCGとか関係ない、普遍的な愛を感じる。 まさに、このシーンは、この映画のカーテンコールなのだ。スタンディングオーベーション、本当はしたかった。だけど映画館で拍手は起こっていた。 アンディの優しさに、おもちゃたちのせつなさに、PIXARの偉業に、そして、俺自身が手放してきたかつてのおもちゃたちに、限りない感謝。ありがとう! [映画館(吹替)] 10点(2010-07-22 21:58:31)(良:1票) |
7. トウキョウソナタ
ネタバレ 10点連続投稿は久し振りだ。 これまたすばらしい映画だった。 すべてのシーンのすべての画面の中にこだわりと効果を感じるが、そのすべてを拾いきるにはまだ力が足りない。だけどもこの映画の素晴らしさはわかる。 夜の海岸の波の頭を白く光らせる明かりが印象的だったのだが、STING大好き様のおかげで、あれが「月の光」であることに気づけました。パーフェクト! [映画館(邦画)] 10点(2009-03-27 01:06:44) |
8. 愛のむきだし
ネタバレ ものすごい映画を観てきてしまった。つかこうへいや唐十郎の演劇を見ているかのような体力を消耗する映画。始まって200分くらいたったころの、満島の聖書を読み上げるシーンが至高。ベートーベンがいい。 [映画館(邦画)] 10点(2009-03-27 00:57:08) |
9. 僕らのミライへ逆回転
ネタバレ 今のところ今年度ナンバーワン。確かに著作権違反は悪いことだ。だが、「面白いものをつくる」というのは、映画屋すべてに当てはまる「初心」なのではないか。初心のみずみずしさ、若さ、勢い、向こう見ずさ、そういったものをとても感じる。そしてVHSへのノスタルジーと絡めた過去の名作へのリスペクト。まさに『ニューシネマパラダイス』を髣髴とさせる映画愛にあふれるエンディングに涙が止まらなかった。ありがとう。 [映画館(字幕)] 10点(2008-10-30 19:50:06) |
10. キサラギ
ネタバレ 本当は9.5点。マイナス0.5はラストの2008年のくだり。だけども四捨五入して10点です。すごく心に響いた。いまのところ今年ナンバー1。 死なれたことは不幸で、殺した犯人に対する憎悪というのをそれぞれ抱いている、その反面、自殺の原因に少し絡みたいと思っている。そういった野郎の本音というか、支配欲というか、共感できました。 [映画館(邦画)] 10点(2007-08-22 00:36:21) |
11. ストロベリーショートケイクス
原作コミックを買いたくなって、実際に購入した、唯一の映画。 ラスト15分は涙が止まらないです。 さりげないいつもの明かりが、こんなにもなけるなんてびっくりです。すばらしい。 ただ、ちょっとエロい。 でも本当に久々に心が打ち震えた。ので、10点! [DVD(邦画)] 10点(2006-11-07 23:26:24) |
12. ノロイ
ネタバレ 伏線がいくつもあって、それらが段々と収斂していくようすは面白かった。謎が謎を呼んでいき、しかもそれぞれが不気味で、好奇心が沸く。カグタバの露出が徐々に明るみにでていく流れは絶妙で、しっかりとおっかなくなっている。大学教授と民俗学者がよいですね。 ラスト、堀さんがなぜか我にかえっているが、あれはなんだ。カグタバは結局ウソ作り事だったということなのか。カグタバとは堀さんと石井潤子による一大茶番劇だったということだったのか。 僕はできれば、そうであってほしいと思う。結局カグタバの呪いといってしまった時点でしょせんそれまでのツクリモノフィクション映画で収まってしまう。だけれども堀や石井、はたまたかわいい女優さん(彼女は生き残っている!?)による、主役の作家への何か復讐だった!とか、そういうどんでん返しサスペンスをドキュメントタッチで描いた映画だったら、それはフィクション映画の中でのリアルになり、これはきっと傑作になったんじゃないかな。 ともかく、細部のもう一歩さきまで手が込められた、力作。 でもさ、アンガールズも死ぬんじゃないか? [DVD(邦画)] 10点(2006-07-20 00:56:42) |
13. キング・コング(2005)
ある男の、愛の物語。最高! [映画館(字幕)] 10点(2005-12-21 22:12:06) |
14. レクイエム・フォー・ドリーム
久々に10点。 これまで日本の教育のおかげで、麻薬はゼッタイ、ダメということは学んできました。でもこの映画一本見るだけで簡単に理解できます。 とにかくお母さんが酷い。孤独な老後の生活から、生きがいがテレビと食事になっていく。ある日やってきた息子に希望のかけらを感じ、ダイエットに挑む。・・・もう僕はこの辺で切なくてギブアップしたくなるんですが・・・食事制限するがうまくいかず。ついにドラッグ(本人は普通の薬だと信じているが、)に手を出してしまう。あとは加速度的に廃人になってゆくわけです。 レビューは点数で表現して、ここでは麻薬について考えてみる。ドラッグの怖さは、やめられないとかラリってしまうとか、そんな次元じゃなくて、「死にたくても死ねない」ということなんではないか。幻想にうなされ禁断症状に震えていると、もう死にたいとか死ぬべきだとか思うのではないか。でも、死ぬ前にもう一度しゃぶりたい!というのがでてくるんでしょう。「死にたい!」「自分は要らない物!」「廃人!」って思いこむんだが、やはりイキモノのサガとして、それでも生きたいと思っちゃうんですね。でも、生きる=ドラッグにいつのまにかなってるんでしょう。ドラッグは、イキモノのサガをのっとってしまう、悪魔の薬。うん、悪魔って表現しっくりくるね。 [DVD(字幕)] 10点(2005-07-29 01:41:04) |
15. スティング
世界一面白いです。 10点(2004-12-03 23:58:33) |
16. エレファント・マン
ネタバレ 心がキレイで姿がキケイの人、姿がキレイで心がキケイの人。心と姿が等価値あるいは心のほうが優位ならば、世の中にはキケイがなんと多いことか。サンシャイン通りの劇場ポスター見てキケイ監督デビッドリンチのキケイ映画エレファントマンを観てしまう僕も心はキケイなんだと思う。でも敢えて面白かったといいましょう。だって映画だもの。あ、でもエレファントマンは実在の人物なんだそうな。てことはあれか。僕も見世物小屋の前でワクワクしながらメリックさんの姿を見てるあいつらと同じということか。そしてメリックさんのもつドラマ性を利用して舞台化したり映画化するデビッドリンチも藤原竜也君も同じなのか。本当に心がキレイな人は我々の前には現れないのだろうか。 でもレビューを書こう。 無理やりCGとかでリアルに作ろうとしている現代の映像屋さんたちがエレファントマンを観たら「あんなんじゃ全然キケイじゃないよ」とか思うのかもしれないが、大きな間違いである。あれがいいのである。メリックの特殊メイクは本当にすばらしい。リアルすぎず、雑すぎず。内側の俳優さんの演技が良く現れ、感情移入がとてもしやすい。それでいてデビッドリンチのキケイっぷりも損なうことがない。最初は目を逸らしてしまうが慣れてくると表情が切なくて正視できなくなる(本当に心がキレイな人は我々の前には現れない、ということか?)。もし医師が嘘でも「キケイは治るよ」とメリックに言っていれば、彼は生きたかもしれない。ぜひそうであって欲しい。でなければ我々にとって、生きることはたいした事でなくなってしまいそうで怖い。とはいえ最期の表情は本当に安らかだった。僕も演劇をやっていたのですが、公演が成功した日の夜は幸せで「今なら死んでも構わない」と思うときがある。彼もあの時同じような心境だったのだろう。とにかくメリックさんに対する同情の気持ちで胸がいっぱいになっている。 という風に、この話はメリックの孤独な物語なのだが、それ以上に人間のキケイ性をむき出しにした、いわば映画を含めたショービジネスに対するオブジェクションともとれる不朽の名作。 10点(2004-12-01 02:30:56) |
17. ミトン
ステキな10分間を本当にありがとう。 10点(2004-08-01 01:14:01) |
18. 天使にラブ・ソングを・・・
もうさ、金曜ロードショーは年に一回はこれ放送すべきだね。シスターの自虐ネタが面白い。 [地上波(吹替)] 10点(2004-06-22 21:29:55) |
19. カッコーの巣の上で
この病院の最終目的はきっと、患者さんの治療、社会復帰であると思います。現代医療の見地からだと、精神医療はなんか画一的な方法があるのかも知れませんが、本作の婦長の行う管理療法では患者達は一生病院を出られないと思います。社会主義の是非は一概には言えません(cf:グッバイ!レーニン)が、その集団の目的やイズムが立派でなきゃ社会主義は駄目であり、むしろ実際にそのとおりにおこなわれていなければなおのこと駄目です。そこをしっかりしないからマクマーフィー主催パーティーが悲劇的に終わってしまうのです。映画の後半の方が患者さんたちが人間らしくみえます(もちろん監督の演出であることは事実)。でも僕はこれをすばらしいことだと感じます。よって10点 10点(2004-04-14 21:28:15) |
20. スチュアート・リトル2
ネタバレ 1を観てすっかりスチュアートのファンになり、2を観て僕はリトル家の一員になりました。スチュアートの、小鳥彼女への誠実さは本当に拍手を送りたい。鷲(鷹かな?)に向けて手作り弓矢でコチンと攻撃する姿が本当に涙をさそう。体が小さいから勝てっこないよ、でも、自分の出来ること全てを注いで戦う彼の勇気。全ては初恋の小鳥彼女のため。スチュアートは本当に僕の兄貴です。飛行機に二人で乗り最後特攻する時小鳥にいう、「君は飛んで逃げるんだ!」答えて「いいえ!私はあなたといっしょにいるわ!」・・・涙 10点(2004-02-27 02:24:04)(良:2票) |