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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  アマゾンの男 《ネタバレ》 
「リオの男」「カトマンズの男」でおなじみのフィリップ・ド・ブロカとベルモンドの名コンビが再び観られるということで観てきましたが、オープニングからして上記2作のようなアクションコメディーの雰囲気が・・・ない。 ストーリーはまるでかぐや姫のようなファンタジー映画。 特異な体質をもった少女は落ちてきたその地の者と交流を深め、やがて満月の夜に星に帰るという。 撮影当時のベルモンドは60を過ぎていたということで、アクションはさすがに往年の彼ほどのものは見られず、市街に入ってからのカーアクションや汽車でのシーンなどは全体的なファンタジーの雰囲気を邪魔しない節度ある演出と言えるでしょう。 アクションコメディーもファンタジーも、ストーリーが理にかなっていない所があったとしても許せてしまうという点においては根は同じなんだと考えると、ブロカの映画哲学は一貫していて気持ちがいいですね。
[映画館(字幕)] 7点(2021-06-11 11:09:24)
2.  父、帰る 《ネタバレ》 
今の日本のイクメン全盛(?)の時代に生きる自分としては、面白さが微塵も感じられなかった作品。 父親は言わずもがな、子供二人の方にも共感が出来ず。弟は我儘でイライラさせられるし、兄の方も冒頭から仲間と一緒になって弟を突き放す態度を取るし、最後も父親の遺体をボートに乗せて何をしたかったのかが不明だし、などなど、ストーリー全体を考えてみると苦痛と退屈さばかりといった内容でした。 終盤、兄弟が父の遺体をボートに残して車の中で母と二人が写った写真を見つけたシーンで、二人が父親に愛されていた事を知るというのは先に投稿されたレビューでわかりましたが、もしそうであるならば、父が子供を抱きしめている写真とかの方が良かったのではという気がします。 また、映像的にはそこそこなのですが、中盤辺りで画面の奥で電車が通っているシーンで、車両の上部が画面のフレームギリギリを通っていたりする構図にも疑問を感じますし、たまに出る青空ショットも雲を木の枝で隠すように撮られていたり、雲の配分が悪かったりして雨との対比を上手に表現し切れていなかったように思えてしまったりと、ストーリー同様、結構微妙な印象でした。 それよりも、一番驚いたのがラスト。 まさか、車を運転してその場を去るなんてポカ~ンですよ。 運転が出来ないからボートで出発しようとしたのかと思っていたので、だったらボートで何がやりたかったのか??? ここが一番理解不能なポイント。 その後でスチール写真の羅列で幕を閉じるのですが、特に幼少期の親子愛を強調したものばかりでもなく、旅行中に撮った写真だけという訳でもないために一貫性がなく、作り手の意図が読み辛かったところも自分にとってはイタい所でした。
[映画館(字幕)] 4点(2015-10-20 23:19:03)
3.  イントゥ・ザ・ワイルド 《ネタバレ》 
序盤の家族間の会話のシーンまで見てこの映画ダメだと思ったけど、大自然という良質な素材があれば誰が撮ってもそれなりの映画が出来てしまう、そんな一本。 冒頭で車を降りて雪原を歩くシーンの不可解な視点による奇妙な構図でハナっからセンスのなさが出てしまった上に、無駄にスローモーションを多用したかと思えば、家族間の会話のシーンではほぼ全てのショットがクローズアップという有様。 ただ、猟をして獣の肉をさばいたりするアドベンチャーっぽい場面や、革のベルトに自分の旅を一大絵巻のように描いたりするアイディアは面白いと思いましたし、最後のチャプターでの老人との交流は心温まるような一節になっており大自然の雄大さのみならず人間性を丁寧に描いていたところは凄く良かったと思いました。 旅の最終目的はアラスカに行く事だったようでしたが、最初に廃バスに辿り着いてそこを拠点にして生きているように見え、且つ、そこで最期を迎えていたことから移動感が感じられず“アラスカに向かう”という大局的なテーマが薄らいでしまっていた事がちょっと残念に感じました。
[映画館(字幕)] 6点(2015-10-17 13:32:10)
4.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
始まってすぐ、クラゲの柔らかさ、家の壁や柵などの質感からくる画の暖かさにちょっと感動しました。 風に揺れ動く葉の一枚一枚に至るまで丁寧に描き込まれた画のディティールには目を奪われます。 非常に精巧であるばかりでなく、魔法によって命を吹き込まれた波の妖しさなど、ものの動きの表現が非常に豊かで画面を見るだけでも十分満足させられる程です。 ストーリーの中ごろ、海が荒れて大災害になりましたが、とてもメルヘンチックな描き方だったのが特に印象的で、普通の大人ならニュースでよく目にする被害状況や救助の光景などに着目しがちですが、子供の視点で見る災害は何だかとても穏やかでふわふわした気分になれてしまいました。 また、リサの車の運転が荒いようにも見えますが、窓の外の景色が物凄く速く流れているように描かれていたのも、子供の目にはそう映るからかもしれません。 あらゆる場面で子供の目を意識した箇所が見受けられますが、宗助には海水と淡水の違いくらいはちゃんと分かっていてほしかったです。ポニョは鮭の一種か?(←大人目線でスイマセン)
[地上波(邦画)] 7点(2015-02-22 17:06:01)
5.  クリスマス・ストーリー 《ネタバレ》 
アルノー・デプレシャン監督の必殺家族物語。 この人の作品で出てくる家族の問題って、いつも一筋縄じゃいかない重ったるい話ばかり。 また例によってマチュー・アマルリックがキーパーソンとなっていて家族の元凶的な存在であるのだけど、親子間・兄弟間以外にもそれぞれの家族で何かと深い問題がありそうな人間たちがクリスマスに親元に戻ってくる。 ちょっとした群像劇にも捉えられそうなこの物語、主役級はもちろん、子役までも自然な演技が出来ているところが、人物描写から全体的なストーリーに及ぶまでのしっかりとしたベースとなっており、加えて重厚感のある映像もそれと同時に安定感をもたらしているように思えます。 また、手紙をモノローグ調で語る演出はとても効果的で、もはやデプレシャン映画の十八番と言えるでしょう。 手術前は周囲からは感情論のみでアンリを非難するような態度ばかりが見られた中、結局母親を救ったのは問題児のアンリでしたが、そこに人生とは如何なるものかという事が如実に描かれていた気がしました。 ラスト、晴れ渡るパリの空。 それまで夜のシーンばかりだった事もあり、とても清々しく気持ちの良いエンディングだったと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2015-02-01 22:47:28)
6.  キングス&クイーン 《ネタバレ》 
狂人扱いされていたイスマエルがエピローグでは“父親”となり、息子と同じ目線で語り合っていたのが凄く良かった。 彼の楽団員との諍いや、主人公である母親の男遍歴や家族問題など、まどろっこしいものが渦巻くような物語の中、彼の真摯な姿によってそういったものを全部消し去ってくれたような気がしました。 このエピローグの博物館の色々な場所で色々な話をする場面ですが、同じ場所のシーンでも細かくカットを割ることでリフレインの効果が出ていて、演出的にもここは大好きなシーンです。 しかし、カトリーヌ・ドヌーヴ扮する女医との問診のシーンやその他においても同様の細かなカット割りがあったりしてやや意図が見え辛い箇所が見られたり、また突然音量が大きくなったりとか、必要以上にカメラを揺らして撮っていたりとか、気になる所もいくつかあったと思います。 ところで、癌で死んだオヤジのモノローグ。 語り掛ける内容だったことから、とても独り言とは言い難く明らかに娘に向けてのものであった訳ですが、遺言というよりもはや戯言と言うべき内容でしょう。 自分の責任とハッキリ言っておきながら、代わりに死ねとのたまう偏屈さ。 生きてる間に話し合っていればある程度は解決に向かったかもしれないのにそれもせず、面と向かって直に言えずコソコソと影で言うことしか出来ない人間の小ささ。 同じ男として軽蔑の念しか出て来ず、当然あのような紙切れなど受け入れる必要は全くないし燃やして正解でしょう。 一方のイスマエルの父親と言えば、こちらもまた家族間でいざこざを抱えていたようでしたが、物凄い勢いでウエイトトレーニングをしていたりする姿(←ここ笑うとこ)を見てしまえば、全然微笑ましくすら感じてしまいました。 他にも「あなたは正常な狂人として認められました」とか、地味に面白くて好きです。
[映画館(字幕)] 7点(2015-01-26 23:39:31)
7.  ヒマラヤ 運命の山 《ネタバレ》 
どこまでCGなのかは分かりませんが、自分が今まで観てきた山岳映画の中で、山そのものが最も美しく尚且つ雄大に描かれている作品と言えると思います。 メスナーという人の名前は聞いたことがあるという程度でしたが、彼の偉業やその後の論争に興味がある人は勿論のこと、自分のようにそうでない人であっても山岳美を存分に堪能できるというエンターテイメント性は申し分はなく、その点においては良作と言えるでしょう。 自分は、メスナー兄弟の兄の人柄には全く共感できず、またベースキャンプの隊長とのやり取りもメスナー兄弟のいる現場のスリルを引き立てるといった効果も感じられませんでしたし、タイプを打って記録を作成していたのもストーリー的には省いても構わないシーンだったように感じられるので、手放しに称賛できる作品とまではいかないのではと思いました。 しかし、ビバークをしていた時の月明かりに照らされる雪山の幻想的な美しさであったり、ヘリ撮影で捉えたヒマラヤの幾重にも連なる山々の壮観なショットなど、山好きな人であれば一度は観ておいて損はない映画です。
[映画館(字幕)] 7点(2014-04-21 21:19:34)
8.  アメリ 《ネタバレ》 
アバウトに大分すると、この映画でやってることはカレル・ゼマンとかシュヴァンクマイエルの映画と何ら違いはなく、彼ら二人より後に生まれたジュネはCGという武器を使って彼の頭の中を表現しています。 全体的なストーリーは、余り面白くはないです。けど、おもちゃ箱を持ち主に届けようというストーリーだとか、最後の方で、アメリが妄想をしながら料理をしていると背後の縄暖簾(?)を猫がくぐり抜けて来るシーンとか色々とオシャレなシーンが数多くあり、部分部分のアイディアを見ると惹かれるものが多かったような気がします。 コメディが基本路線なので、CGが多用されていることは別に構わないのですが、あくまでも動物や物を描く事にのみ生かすべきであり、人間をありえない距離からズームインしたりカメラ目線の過度のクローズアップなど、CGで人物描写をするというのは余り好ましいとは思えません。
[映画館(字幕)] 6点(2011-11-05 13:27:54)
9.  夏時間の庭 《ネタバレ》 
映画の雰囲気は凄く好き。プロヴァンスを思わせる、緑が生い茂った木々に囲まれた母親の家の美しさは、もう素敵すぎて言葉が見つからないです。 けど、ストーリーの本筋はこれといった面白いところがあるわけでもないのが残念。 美術品が残る家の中を紹介し、母親が亡くなって弁護士を交えて遺産相続や実家の存続について話し合う。美術品の行方は、オルセーに寄贈されながらも多数の展示品の中に埋もれてしまい輝きを失ってしまったような物もあれば、美術的な価値がある事も気づかれないままに普通の道具として扱われてゆく物もある(それはそれで良いのだが)。また、家を含めた財産を引き継ぐ権利を放棄する彼女の子供たちや、ラスト近くで、家が持つ閑静な雰囲気など気にもかけずにけたたましく音楽をかき鳴らして騒ぎたてる若者たち・・・。 実際、美術館に展示されるような美術品の周辺では、このような皮肉めいた出来事は現実に起こりうるのでしょうけど、如何せんリアリズムを過度に追求している感が否めず、全てのプロットに面白味が感じられなかったです。 それと、母が亡くなった事を知る時の描写ですが、余りにもあっさりと描かれていたのも、もう少し工夫出来なかったのかという気がしました。
[映画館(字幕)] 6点(2011-11-04 23:32:17)
10.  隠された記憶 《ネタバレ》 
難解だとかじゃなくて、観終わって本当に何も感じるものはなかったです。 多分、創作意欲とかは恐らく全然ないままでこの映画を作ったんじゃないかな? まず、視点が定まらない感じがするのですが、ラスト3カットで主人公がベッドに入ると夢だか回顧だかのシーンに移行していますが、もしあれが幼い頃の夢だとすれば、あのような第三者的な位置からの映像は不自然なわけで、序盤に出てきたみたいに少年の目線で映すことによって描くべきだと思いますし、また、送られてきたビデオを再生する時の映像も、オープニングはいいとしても、物語の途中で再生する時はビデオを見ているシーンだと分からせるために画面を粗く処理するとかして物語を進めた方がいいのではという気がします。ラストの長回しも、何かしら強調したい部分があって、それを見てもらおうとする意思があるとすればもうちょっと分かるように撮る筈だから、たぶんあのラストショットでは特に注目して欲しい部分などはなく、何の意図も込めずに撮ったのでしょう。 脚本についてもよく練られていないような印象で、初めて昔の同居人を訪ねて部屋に入った時「よくここが分かったな」と言われれば、ビデオの送り主は彼ではない事が明らかになる筈であるにも拘わらず、それを無視してやり取りが続けられているのは勿論、あれっ?という素振りすらしない。最後の方のトイレの中での相手の息子との会話も、大声で呼び出しておきながらも何が言いたいのかハッキリしないし、奥さんを心配させまいとついていた嘘も疑問符がつくような内容。 他にも、本筋とは無関係なシーンが無駄に多いのもダメ。奥さんが夫婦愛を強調するような事を訴えていたにも拘らず他の男に寄り添って涙を見せたりするシーンとか、最初の方で自転車に接触しそうになるシーンに至っては、パーティーの時の作り話の伏線のためだけに挿入されたとしか思えないワンシーンで、サブプロットにも成り得ていない部分に更に無駄を付け加えるという実に馬鹿げたストーリー構成。 自殺のシーンを見たお陰で、息子とエレベーターに乗るシーンが凄く緊張感が出ていて、しかもそれが何の変哲もない撮り方だったのがかえって緊張感を増すように作用していた、と本来ならばそう書くところですが、何も考えずにこんな映画を作った人のことだから、気がついたら緊張感溢れちゃってました(笑)、みたいな事かもしれないですね。
[映画館(字幕)] 3点(2011-10-22 01:32:39)(笑:1票)
11.  DEMONLOVER デーモンラヴァー 《ネタバレ》 
ただ単純に自分が馬鹿なだけかもしれませんが、シーンの繋ぎが唐突というか、ストーリーの流れに違和感が感じられた事が多かったように感じました。 要するに、登場人物の行動の動機が明確になっていなかったり、突然場面がガラッと切り替わったりということが何度も出てきて、別に殺さなくたっていいじゃないかとか、何で急にそんな状況になっちゃうの?ということが多々あり、全体的にストーリーに入り込めなかったです(特に後半)。 あと、カメラワークで気になったところですが、対象物に近づいて撮っているかズームインした状態で撮っているのか分かりませんが、その状態でカメラをすばやく動かしているために、何となく落ち着きがない映像のように思えてしまいまったのと、後半のほうで、夜に忍び込んで女同士で取っ組み合いをするシーンは、夜のシーンだから暗い中で撮影するんじゃなく、もう少し光を当てて二人の体の動きがもっと分かるように撮った方が良かったのでは、と思いました。
[映画館(字幕)] 4点(2011-10-21 22:39:42)
12.  ブロンド少女は過激に美しく 《ネタバレ》 
いつの時代の話かはわからないのですが、この作品の背景にある文化というか思潮というか、とにかく登場人物の行動に理解し難い点が多々あり、その行動の動機などがほとんど謎のままで幕を下ろされたという感じです。 まず、冒頭の電車のシーン。男が隣に乗り合わせた女性に身の上話をする。「まずは、自己紹介をしなければいけませんね」と来たら、女は男の顔を見なければならないはずなのに、一度も顔を合わせる事もなく回顧が始まる。彼女は盲目で耳を傾けているのかと最初は思ったが、次に出てきた時は普通に目を合わせて喋っている。 また、回顧に入った中での叔父の言動。実の子でもないのに過度に干渉し、最初は結婚に口出ししてきたと思ったら、ストーリー後半になると一転して早く結婚しろとか言い出す始末。 最後も最後で、少女としては単純に魔が差して盗みを働いてしまい、婚約者からも消えろと罵られて茫然自失状態になり、正気を保つ事が出来ずにいたことで女としての身なり振る舞いを意識する事すら出来なくなってしまったと解釈したのですが、まぁここは、俺もまだまだ甘いということでしょうね。 その一方で主人公においては、ああいう時は女を庇うくらいの器量を見せたいところ。冒頭の電車の中で主人公が語り始める様子を振り返って考えてみると、あの男は彼女のとった行動にショックを受け相当に幻滅していたように思えますが、あの程度の事で誰かに話したくなるような衝動に駆られるなど、俺以上に甘ちゃんやなぁという印象(笑)。 主人公がパソコンで仕事をしていた事から現代のストーリーと考えられますが、叔父が権威を振りかざして結婚に干渉したり、主人公が万引きをしたフィアンセに幻滅したりと、貴族社会の話かと思わざるを得ないようなキャラクター設定やストーリーで、未だに消化不良が残る映画でした。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-22 00:18:41)
13.  コロンブス 永遠の海 《ネタバレ》 
自分にとって面白いと思える映画というのは、見ていてドキドキできるかどうかという一つの要素があるのですが、この映画もほぼ一貫してドキドキしながら観ることが出来て、とても充実した75分間を過ごさせていただきました。 どんなところにドキドキしたかは置いておくとして、自分の歴史の知識といえば、本当に義務教育レベルほどの知識しかないのですが、我々の知る歴史上の出来事というのは発見した人の解釈に委ねられる部分が大きいという事で、この映画の中のコロンブスの足跡を辿る人生を賭けた長い旅という大きなテーマには凄く魅了されました。 国によって歴史の解釈が異なるものだから、縁の地を訪ねて地元の人の話を聞こうとしても一蹴されてしまったり、また主張が食い違う事も当然のようにあって、それはそれで何だか凄く楽しそうにも見えたりと、非常に有意義で素敵な旅だなぁと羨ましく思えました。 まぁ、粗を探せば、もう少し盛り上がる場面があってもいいのではとか、ふとした時に出てくる赤と緑を纏った少女との接触があればとか、多少の願望はありましたが、やはり、40年以上に渡ってコロンブスを追い求めるマヌエルの情熱に対しては憧れや尊敬の念を抱きますし、海に向かって奥さんにコロンブスを語るマヌエルの後ろ姿がとても格好良く、まさに珠玉の映画でした。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-15 00:59:18)
14.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 
冒頭のピアノを弾くシーンで客席を映したショットがないことから、スタジオのような所なのか大勢の客が集まっているホールなのかがわからず、ちょっとした違和感を感じていたのですが、演奏を止めて客席が映し出され、逃げる時になって初めて全体が把握できるような演出になってしまっていたのが余り良くなかったように思えます。 いろいろと他のレビュワーの方のコメントを拝見しますと、過剰な演出が少なく真実に基づいて描かれているとの意見が大半だったのですが、自分にはそうは感じられませんでした。 適当に人を選び地面に伏せさせて頭を撃つシーンでは、画面の一番手前の人は本当に頭の禿げた人だったのか?血が流れる様を克明に見せるために頭の禿げた人を手前にもってきたのではないのか? また、女性が走って逃げているところを後ろから撃たれて背中を丸めるようにして倒れたシーンの後、シュピルマンが死人のふりをして追っ手をやり過ごしましたが、本当にその女性の傍を這って行ったのか?その二つの出来事は本当に一連の流れで起こったのか?バラバラのエピソードをひとまとめにしたのではないのか? 何故、こんな馬鹿げたような疑問をでっち上げるのかというと、この両者にカメラワークの問題があり、前者は明らかにシュピルマンの目線の映像ではなく血を流した頭のアップの映像ですし、後者はシュピルマンの這う姿と背中を丸めて倒れている女性を同じフレーム内に収めることで過剰な“生と死が隣り合わせ”な映像になってしまっていて、カメラの位置関係や編集などを考えると真実をありのままに捉えたような映像には見えませんでした。 いずれのシーンも、真実はその現場に居合わせた人にしかわからないですし、真実をそのまま描くべきか、それとも手を加えるべきかという議論になってしまいますが、少なくとも故意的な演出の意図をもって撮られているのは明らかだと思います。 それと余談ですが、部屋にかくまわれている時、音を出すなと言われた直後にピアノが姿を現すという、このストレートすぎる展開も面白いとは言えないと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-03-20 00:11:08)
15.  恋人たちの失われた革命 《ネタバレ》 
3時間はさすがに長すぎ。 舞台は1960年代後半のパリ。監督のフィリップ・ガレル自身の実体験なのですが、何もこんなに多くの出来事を詰め込まなくてもと思ってしまい、要所要所だけにしておけば2時間くらいでまとめられただろうなというのが観終っての率直な感想です。 ストーリーはタイトルから想像するに、主人公のラブストーリーが繰り広げられるような気がしましたが、むしろ人間ドラマ的な感じの中にスパイスとして恋物語を組み込んだようにも見えます。 主人公のフランソワがリリーという女性に出会い二人の間に恋が芽生える場面は、さほど時間もかからずに深い仲に進展してしまうので、お互いが惹かれ合うまでの過程があまり丁寧に描かれていないように思えるかもしれませんが、二人の仲が発展していくのが驚くほど自然で上手に描かれていて、ここはとても良かったと思いました。 ところで、この映画のモノクロ映像なのですが、光の匙加減の調整を一切行わずに撮られているように見えます。 昼の室内のシーンの時は、陽の光が強すぎて物の輪郭や凹凸がわからないほどの明るさの中で撮られている一方、夜のシーンでは、炎や月の光くらいしか光源がないんじゃないかと思わせるくらいの映像が続いていたのですが、こんな環境でもストーリーに関係する物や人は意外なまでもしっかりと捉えられていて、何の問題もないどころか、かえってリアリティーのある映像に仕上がっていたのが凄いと思いました。 蛇足ですが、字幕が見辛い時が多くあり、白地に白の文字で字幕が出ることがかなり多く、もう少し配慮が欲しかったです。
[映画館(字幕)] 6点(2011-02-21 01:50:29)
16.  エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 
主人公のキャラクター設定が普通すぎて、抜きん出た魅力らしい魅力もないごく一般的なヒーロー像(・・・じゃなくって、ヒロイン像)だったように思えます。 ジュリア扮するエリン・ブロコビッチは、大胆で細かいことなんぞ気にも留めない型破りで破天荒な性格。学もなければTPOもわきまえないような礼儀知らずなところもあるけれど、自分の信じた道をとことん貫く意志の強い持ち主で、まさに“大物”という言葉がピッタリな人物像。おまけに、ふとしたことでホロッと涙を流してしまうような弱い一面も兼ね備えていたりして、見る側の共感を得たりもする。 要するに、教科書通りのごくありきたりな主役という感じで、人物に深みのない非常に描きやすいキャラクター設定だなと思いました。 ストーリーもまた、1人の女性のサクセスストーリーというのは別に構わないのですが、実話を元に作ったところに甘んじている部分が感じられます。 例えば、水道調査の書類を自由に閲覧してコピーできるところなんか、もしフィクションだとしたら、ありえね~!となって一気に評価が下がりそうなところ、実話と言われてしまえば、観ている方としては噴出寸前だった不満を引っ込めるしかなく「これは実話なのだから仕方ないブツブツ・・・」と無理矢理自分をなだめるハメになってしまい(笑)、何とも情けない気持ちになってしまう。 また、最後にエリンが200万ドルの報酬を貰うシーンも、その直前にエドがニヤッと笑っているカットが挿入されているせいで、エリンと同じ驚きを共有できなくなってしまい、下手糞な演出だなぁと思ったりと、いろいろな部分でダメな映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-19 23:41:10)
17.  焼け石に水 《ネタバレ》 
こんなキモい映画、よく日本で公開する気になったもんですわ。 1,2章までは目を背けたくなるような映像ばかりで、しかも乾杯の後にグラスを洗ってコートを着て立っているところなんか、1章と2章で二人の立場が入れ替わるのが面白いと思って見せたつもりなのでしょうが、下らなさすぎ。 ここでは脚本がまた最悪で、冒頭で中年男に“その気”がある事をかなり早くから見る側に察知させてしまっているのですが、大抵の場合は、正体を明かすところまではそれらしき匂いを嗅がせる程度にし、「もしかしてこのオヤジって・・・」と疑わせるくらいに留めるのが効果的な演出なわけですが、この映画の場合、ハナっから“その気”がありありと出てしまっていて、見る側の好奇心などは一切無視したように会話が進んでいるように思えます。 後半のほうになって、4人が集結しアナ役のサニエが乗り気になってきたところから急激に面白くなってきそうでしたが、フランツが脱落したところで再びテンションダウン。一番最初にこういうアブノーマルなプレイに耐え切れなくなるのは若い男という、ごく普通の全く意外性もない展開になってしまったのはシナリオにも問題ありだと思います。 しかも、中年男が、フランツが死んでも悲しむどころかそれを嘲笑い、のけ者をあしらうような態度を見せたのも全く意味がわからない。結局、若い女に乗り替えたということか。これもまた、実に下らない展開。 興味を引いたのは、最初の寝室のシーンで、鏡が真正面にあるのにカメラの位置をわからないようにした映像くらい。小型カメラで撮影したのか?
[映画館(字幕)] 3点(2010-12-19 23:48:33)
18.  Ricky リッキー 《ネタバレ》 
あんなに愛くるしい赤ちゃんが大空を羽ばたいていなくなってしまい、もう二度と会えなくなってしまったようでさぞかし悲しいはずなのに、何でこんなハッピーな様相のエンディングなんだろうと不思議に思ったのですが、要するに、あの子はもう立派な大人になって巣立っていったという事なのでしょう。 我々が暮らす現実の世界でも、まだまだ子供だからと思っているとあっという間に大きくなって自立する年頃になり、親元を離れて出て行ってしまった後はカティーのように心にポッカリと大きな穴があいてしまうという事はよくあるのではないでしょうか。 見た目は幼くてまだまだ親の手が必要なように見えるかもしれませんが、あの羽根の大きさの通りたくましく立派に成長して戻ってきたと解釈すると、やっぱりこれはハッピーエンドでいいんだなと納得してスッキリとした気分になれたような気がしました。 この映画は、登場人物の人柄やそれらの人間が集まってできる暖かい空気感は好きなのですが、二人が出会ってから結婚までの過程が後半のファンタジーな展開にそぐわないところがあり、せっかく旦那さんも頼もしく誠実そうな感じなんだから、もう少しピュアな恋愛をして欲しかったというのが本音です。 最近は、オゾンは「女性を描くことに関して右に出る者はいない」だとか、「女性映画の名手」とまで言われているだけに、下劣な性描写が定番になりつつあるのが非常に残念なところですが、やはりハリウッド映画では到底味わえない抑えた演出、例えばラストの家族みんなの平凡な生活の幸福感の描き方だったり、リッキーが空を飛ぶときの大袈裟でダイナミックな演出とかもなく、カティーが入水自殺を試みた時に成長したリッキーと再会するシーンのクライマックスの落ち着いた感じなどは味わいがあって好きですので、トータルで考えるとやはり面白かったし、観て良かったなと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2010-12-03 00:10:34)
19.  バベル 《ネタバレ》 
この映画を観た聾唖者の人たちはどんな気持ちなんだろう。私は障害者ではないが、この映画に対してかなり不快に感じた。 愛情表現の方法は他にあったにもかかわらず敢えて低俗な方法を選択し、聾唖者をあそこまで惨めに撮ったこの監督を心から軽蔑する。言葉で気持ちを伝えることの出来ない人の愛情表現がこれである、とも受け取れよう。ハッキリ言って聾唖者を馬鹿にしているとしか思えない。 また、人間の隠すべき部分をわざわざ撮って映画をキタナイものにしているところにも言及しなければならない。 人が生きていく上で、排泄という行為は絶対に避けられない行為である。しかし、排泄というものはキレイなものではない。どちらかと言えば、キタナイもの、見たくないものであり、その行為を積極的に見たいと感じるものではないと思う。 考えてもみて欲しい。排泄行為をストーリーに組み込み、劇場で不特定多数の観客に見せることに一体どのような意味があるのだろうか。 他にもこの監督は、自慰やのぞきのような低俗なものまでも映画の中に組み込んでいるのだが、有能な監督ならば絶対にそのようなシーンは撮るはずもなく、そういう監督というのは、良く言えば、省くのが上手いのである(ここは私の「ショーシャンクの空に」レビュー参照)。 百歩譲って“排泄と同時にキス”というシーンを撮りたかったのかもしれない、と考えてみよう。もし仮にそうだとしてもやはりセンスに欠けていると感じるのが一般的な尺度だろう。アブノーマルすぎる。 このようなシーンの数々は、この映画の主題からフォーカスが遠ざかるという次元を超え、作品を壊すというくらいの次元にまで迫っているように思える。 また全体のストーリー構成を見ても、3つの場所で進んでいるそれぞれのストーリーの結びつきが非常に甘い。この類のオムニバス形式のストーリーが面白くなるためには、それぞれの登場人物全員が一つの場所に集結し、一つの物語を描いていかなければならない。または、モロッコ・メキシコ・日本の3つが全て繋がっていればまだ評価できたが、実際は、モロッコとメキシコ、モロッコと日本の2点でしか繋がっておらず、メキシコと日本では何の繋がりもないため、全体的なストーリーにおいても評価すべきポイントというのは、特にない。
[映画館(字幕)] 3点(2010-09-15 22:53:48)(良:4票)
20.  永遠<とわ>の語らい 《ネタバレ》 
オリヴェイラ監督の映画は初めてではなかったので、映像の美しさもストーリーの緩やかさもある程度予想していた通りでしたが、最後の予想外の結末に衝撃を受けました。 世界各地で人類の歴史に触れながら最後は父親に会いに行くなんて、何と素敵な話だろう、父親はどんな人なんだろうと思っていると、そんな空想やそれまで築き上げてきた展開を一瞬で壊してしまってそこで終了・・・。観終わった直後は何が言いたいのかサッパリ分からなかった。船長がプレゼントした人形のせいであの母娘がテロに巻き込まれる皮肉にどんなメッセージがあるのか詮索しましたが、そういうことだったのですね。 自分が観たのは某名画座でのオリヴェイラの特集上映だったのですが、2001年の911のテロからだいぶ月日が経っていることもあって、こんな社会派映画だったとは皆さんのレビューを拝見するまで気づきませんでした。 後半の4人の語りの中でのバベルの塔のくだりから、世界平和に触れられているなぁという程度しか意識してませんでした。 なるほど、船が爆破されたのもアラブの海でしたものね。 油断なりませんな、このオリヴェイラという人は。
[映画館(字幕)] 7点(2010-04-14 00:55:21)
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