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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  草原の野獣 《ネタバレ》 
「何でこんなに性格違うのかしら・・・同じように育てたつもりなんだけどねぇ~」とは、同性の子を育てた母親のありがちなセリフ(笑) 普通は弟の方がやんちゃというのがよくある傾向だと思いますが、この映画は逆で、やんちゃなのは兄の方。 母親が登場せず、父親の子育ての寄与度が高いと逆転現象が起きるのでしょうか。 それはさておき、ストーリーは良く出来ているのは勿論、登場人物それぞれの演技も素晴らしく良い仕事をしていると感じられますが、どうしてもB級以上の映画には成り得ない悲劇の香りが漂う作品のように感じてしまいます。 主役の兄エドは観る側からも良い印象を持たれずに終いには撃たれて死んでしまうし、父親リーも弟ダーヴェイもその脇役に過ぎずということで、ストーリー展開を考えるとどうしても大物俳優を並べられない矛盾を抱えた作品に思えてしまいます。(邦題もかなりビミョー過ぎるw) そのエドですが、ストーリー序盤では親父の手元にある缶を撃ったり女性に対しても乱暴気味に接したりと何となく悪ぶれている感が出ている様子。終盤にかけては看守を欺き人に向けて銃を放つようになったりと、段階を踏むように悪役に成り進む人物描写をするところにストーリー構成の上手さが出ていたように思います。 個人的には、馬の仲買人と父親リーとの駆け引きのシーンが好きで、法廷での証言を盾に欲しい馬を取っていく仲買人と悔しそうな表情をするリーでしたが、その後に銃で撃たれて瀕死の状態になった仲買人に対しては一転強気に出たりするなど、主役以外のところでもなかなか見ごたえのあるプロットのように感じました。 また、ごく自然に撮られている白馬が走るシーンですが、大平原の中で乗り手がいない馬の動きをしっかりとコントロールする調教技術や、それを追うブレないカメラワークも見事。 ラストは、エドが銃で撃たれる直前のリーの手元についてやや分かりにくい感があったところが残念でしたが、ダメ親父なりの判断で後々の死者を増やさないよう先手を打ったと解釈し、ハッピーエンドと捉えることにしましょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-23 15:59:11)
2.  悪い種子 《ネタバレ》 
ん~、邦題は何とかならんかったのか・・・ 音声は原語での字幕鑑賞だったのですが、seedを字幕では血筋と訳しており、だったら邦題も「悪い血筋」とした方が・・・とも考えましたが、それも露骨でイマイチ過ぎる。 ストーリー前半はローダは殺人を犯したのかというテーマで話が進みますが、遠足の現場の状況が一切画面に提示されないこともあり、観る側としては推理小説を読み進めていくように誘導されている印象を受けました。 やがて、モニカの精神分析論や犯罪に詳しい友人、実父のエピソードなどが乗ることで単なるミステリーでは片付かない様相を示します。 シンプルにローダの疑惑を解き明かすストーリーだけでも十分に良作になりそうなところ、上記の血筋のエピソードやそれによる母親の苦悩を重ね合わせることで、より深みのある物語として仕上がったと言えるでしょう。 ストーリー以外においても、子供vs母親、子供vs庭師のやり取りも脚本が良く出来ているのが感じられましたし、また室内メインの物語の中でも画面に奥行きを持たせる意図を持った人物配置による構図が多用されていたりと、カメラワークにおいても良い仕事をしているという印象です。 映画のラストは、子供にも容赦なく天罰を与えてしまうというショッキングな締め方でしたが、ここは原作を忠実に映像化するよりも上手くアレンジした落としどころはなかったのかと悔やまれるところです。 蛇足ですが、監督のマーヴィン・ルロイという人はどこかで聞いたことのある名前だなと思い調べてみると「オズの魔法使い」を手掛けた監督。子供の演技指導などはお手のものという事なのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-21 17:54:23)
3.  フォート・ブロックの決斗 《ネタバレ》 
主人公ラット・エバンス扮するドン・マレーが如何せん役不足。 もう少し華のある役者をキャスティングできなかったのかと思いますし、街で幅を利かせていたイエフの方が存在感が出ているように感じました。 ついでに言えば、ヒロイン役の二人も顔つきが似ていて、途中でどっちがどっちだか分からなくなってきてしまったり。 ストーリー前半は、名を上げたいと夢見るラットが荒馬を手なずけ牧場を手に入れ、同時に酒場で出会った女とも仲を深めるという展開で、まぁここまでは良い。 共同経営者の仲間が結婚することに反対するくだり。失敗しても何度でも再チャレンジできるのがアメリカの良さと思っていた自分としてはここはやや引っかかる所ではあります。 ラットとしては牧場経営者から議員になるという階段を上がるとなれば、やはり酒場で知り合った女性よりも育ちの良い女性と結婚した方が有利になるでしょうが、悲劇のヒロインのキャリーの献身ぶりを考えるといたたまれない気持ちになってしまいます。 勧善懲悪を完遂して終わる物語ではあるものの、街の顔役のイエフの前半の出番が少ないことも気になってしまい、やや抑えめの6点。 序盤に出てきたレースの疾走感や牛の大移動シーンは、迫力があり良かったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-18 18:42:52)
4.  カラミティ・ジェーン 《ネタバレ》 
原題も主人公の名前のままだし、邦題もいじりなさすぎてセンスないなぁとか思っていましたが、調べてみるとこのタイトルで舞台やらアニメやらで多くの作品が作られているそうです。 主人公のカラミティ・ジェーンは絵に描いたような鉄火娘。 ホントにそんな奴いたのかよとかツッこみたくなりますが、こちらも調べてみると「平原児」でも同じ名前の役がいて、実在の人物とのこと。 序盤で大物女優を連れてくるくだりから若手女優(オードリー風で可愛かった)がストーリーに加わってラブストーリーに発展する流れは意外にも楽しく、カラミティの家に二人が行って女らしさを取り戻していく時のミュージカルのシークエンスが特に好きです。 誤解が解けるシーンも、観る側が実際の映像により真相を知っていたので素直に受け入れられるところも分かり易くて良いと思いました。 「違う、実は●●なんだよ」とか、セリフのみで誤解を解いてハッピーエンドに結び付けるというありがちな手法をやられてしまうと今ひとつピンと来ないまま終わってしまうのですが、本作はその点においてすっきりと締めてくれて良かったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-05 17:44:43)(良:1票)
5.  終着駅 《ネタバレ》 
話が冗長で散漫。観ていてイライラさせられます。 別れを題材に、それに特化した映画と割り切って観れば観れなくもないですが、彼らがそれまでにどんな恋愛をしてきたのかも知らされないままでの2時間弱は、やはりキツいのひと言。 演出も大味で、音の緩急(奥のテーブル席に着いた途端に完全に無音になるところなど)もかなり雑だし、線路を横切るモンゴメリー・クリフトと電車のニアミスのシーンの大音量の音楽や、その時のクリフト・ジェニファー・電車・周囲の人々のカット割りも何かイマイチな気がしました。 この時代の映画って、公共の場で何かあるとすぐに大勢が駆け寄ってきて一斉に注目するシーンがよく出てきますが、当時は本当にあのようにすぐに人だかりができたのでしょうか? それよりも何よりも、鉄道会社の車両管理がちゃんとしていなくて逮捕するとかの流れになって閉口させられるし(鍵くらい掛けとけっつうの!)、更に上役の判断待ちとかの話になった時点で、自分の中では即終了。 一応、惰性で最後まで観ましたが、エンディングも横移動するカメラが柱と交わった所でThe Endを出してしまうというセンスのなさ。 ていうか、別れのシーンだけでこれだけ最初から最後まで引っ張ってしまうと、落とし所に苦労するのも当然でしょう。
[映画館(字幕)] 4点(2016-07-06 21:32:23)
6.  地下水道 《ネタバレ》 
オープニングクレジットの背後で何気なく行われている建物の爆破シーンから早くもインパクト絶大で(というか、終盤のクライマックスで使えそうなくらいの迫力ある映像を冒頭から使うって、何とも贅沢!)、更に、そのすぐ後に出てくる長回しの移動撮影を見ても、力の入った作品だという事は容易に見てとれると思います。 タイトル通り、後半の地下水道のシーンが見どころで、薄暗い陰湿な雰囲気の中、疲弊し泥にまみれながら彷徨う人々、特に何かに憑りつかれたようにオカリナを吹きながら歩く音楽家が出てくるシーンでは戦慄を覚えました。 また音の表現が特徴的で、壁に文字が書いてあると思いきやただの落書きだったというシーンでの笑い声や、銃をカチャッとやる音、オカリナの音色などは遠くまで鳴り響かせている一方で、普通の会話の音などは響かせずに撮る手の込みようは唸らせるものがあります。 終盤の頃になると出口を見つけ出す者がいるのですが、ここで見えてくる光がダイレクトに希望の象徴として描かれるところに映画ならではの面白さが出ていると思います。 この映画の前半は地下水道に潜る前の話が展開されており、周囲の状況や人物描写などが描かれているのですが、どの人物も若干描き方が不十分であるため(特に、隊長はラストシーンで見せ場が用意されているだけにもう少し深く掘り下げてほしかった)、せっかくの後半の3つのグループの同時並列的なストーリー展開が上手く機能していないように感じてしまいました。 最後、隊長が再び地下に潜るシーンは、自分が今まで観てきた映画では感じられなかったような衝撃的でかつ余韻を残す締め方で、凄く印象に残るラストでした。
[映画館(字幕)] 8点(2015-11-17 23:37:44)
7.  誓いの休暇(1959) 《ネタバレ》 
ロシア映画ってズルいよね。あの大平原があれば開放的で心地良い感じに撮る事も出来るし、無常感が出て悲しく表現する事だって出来るわけだから。 ストーリーは、手柄を立てて特別休暇をもらった若い兵士が母の待つ故郷に帰る途中で色々な人と出会い交流するお話。 主人公は戦地に赴任している兵士たちの家族や恋人に会うわけですが、体が不自由な父親や、他の男を部屋に入れたりする女もいれば、すぐに動かなくなってしまう車で生活している人もいる。 貨物車の中で出会った女と恋仲になるものの、結局住所も分からないまま別れてしまったりして、親切心を出し過ぎる余りどんどん帰還までの時間が迫ってきてしまう。 まぁ、自分で言うのもなんですが、困っている人を見ると放っておけないタイプなので、何となく主人公の行動には共感できてしまうところもあり、主人公同様にさほど時間的な切迫感も感じられないまま観ていました。 気になったシーンをいくつか挙げるとすると、他人を部屋に入れていた女に石鹸を渡した後で階段を駆け上がってそれを取り返しに戻ったシーンがありましたが、主人公はまだ19歳と若くやはりどうしても兵隊側の気持ちのみで行動していましたが、残された家族や恋人にとっても同様に淋しくて堪らなかったのかもしれないとまでは考えが及ばなかったのでしょう。 あと、貨物車の番人をしていた男がなかなか良いキャラを出していたのと、怖いとされていた中尉が意外にも優しかったのが、この映画の中で一種のスパイス的な役割が出ていたと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2015-11-01 13:34:06)
8.  スリ(1959) 《ネタバレ》 
スリの手法は確かに非現実的で「そんなんで取れるわけねぇだろ!」とツッコミを入れたくなるものばかり。 新聞読みながら近づいたり、腕時計を片手で外したり、後ろから婦人のハンドバッグをすり替えたり・・・と、まぁ、映画だから引っかかってくれないと話が進まないから別に構わないですし、実際、序文でも犯罪映画ではないと述べられていたわけですから、そんなことで評価を下げるのはちょっと違う気がします。 で、何が大事なのかというと、(まぁ、どんな映画でもそうですが)主人公や彼を取り巻く人間模様とそれぞれの心理描写、そしてストーリー展開ではないかと思うのですが、特にラストの解釈が難しいように感じました。 上映後のトークショーで五所純子さんの解説によると、最後のあの面会で肌を寄せ合うシーンは彼にとって一筋の光が見えたシーンであり、良い終わり方だという話をされていたのですが、自分にはそのように解釈するのは難しかったです。 話が前後してしまいますが、序盤の競馬場でスリを働くシーンで、馬が駆け抜ける音が遠ざかっていく絶妙なタイミングで画面上の人間が皆揃って動き出していたのですが、ここで一瞬、現行犯でバレるのか又はレースが終わって単純に去っていくだけなのか、どっちにも取れるような凄くスリリングなシーンを作り上げていた所にブレッソンの天才的な感性を感じました。
[映画館(字幕)] 5点(2015-08-23 15:50:25)
9.  地上より永遠に(1953) 《ネタバレ》 
まず、タイトルと内容が合致しているようには思えない。 地上を「ここ」、永遠を「とわ」と2箇所も読み方をいじるのも如何なものかと思いますし、語呂も悪くなっている気がします。 本題ですが、バート・ランカスターが不倫をしていましたが、彼の上官が奥さんとの間に何かいろいろと出来事があったらしく、夫婦間の口論の時に「あれは事故だったんだ」とか言っていましたが、それを深く掘り下げることなく物語を進めてしまっていたのは良くなかったのではと思いました。 一方で、モンゴメリー・クリフトの方はというと、ラッパで見せ場はありましたが、いろいろと嫌がらせを浴びており、自分としては営倉という言葉に馴染みがなくそこがどんな状況なのかわからずにいたため、映像で少しでも描写があれば物語に入り込めたかもしれません。 どっちにしろ、軍隊での上下関係で繋がりはあったもののプライベートの話が並列して黙々と進むために映画全体での面白さはほとんどなかったのが残念に思えました。 終盤で真珠湾が攻撃を受けた辺りから物語が動き出すかと思いきやペースは全く変わることはなく、とうとうラストまで来て二人のヒロインが最後に顔を合わせた所でようやく接点ができますが、その瞬間に「The End」。これははかなりいただけません。 映像的にも、逢引のシーンでは逆光のまましばらく撮り続けていたし、路地裏での営倉主との格闘シーンでも敗者が先に画面に出てきちゃイカンですし、おまけに飲み屋の女の名前が源氏名だったとかハッキリ言ってどうでもいいです。
[映画館(字幕)] 5点(2015-02-21 19:33:31)
10.  ナイアガラ 《ネタバレ》 
ストーリーはハッキリ言ってかなり微妙。 オープニングからズレまくっていて、朝早くナイアガラの滝を一人で見に行くシーンで「この滝を見ていると自分が如何にちっぽけな存在かを思い知らされる」などと呟いていましたが、映画を最後まで観て振り返ってみると、ハァ?という感じにしか思えない一コマでしょう。 滝は確かに上手い撮り方をしていて、カメラを上へ向けて撮ったときに水飛沫がレンズに付かないように撮っていたりと工夫が見られるのですが、人物描写とストーリーの構築においては悪い部類に入るのではと思います。 滝から帰って来たジョセフ・コットンは戦争から帰ってきてPTSDに苦しんでいるとの事ですが、その苦悩の描き方がかなり雑で掘り下げが甘い。 マリリン・モンローが主役と思いきや中途半端にシリアスな殺され方でお役御免になってしまい、逆にマリリンの陰に隠れていた方の女がヒロイン役になってしまうというミスキャストぶり。 最後も、船で逃走して救出して終わりというだけで、事象を描くのみで片付けてしまっているために人間ドラマが希薄で物語に全く深みが出ていないように思えます。 ヘンリー・ハサウェイの作品は初めてで、ストーリーテラーとしては本作を観る限り三流であることは間違いないのですが、モノクロを経験している監督なだけに、部屋のブラインドを下げて光を遮り画面全体を光と影の二色にして人物をシャドーで見せるシーンなど、スタイリッシュなショットが見れたのは良かったですし、やはりお尻フリフリのモンローウォークとベッドの中でもシャワー中でも真っ赤な口紅をつけたマリリンの存在感は際立っていたと思います。
[映画館(字幕)] 5点(2015-01-31 01:02:07)
11.  氷壁 《ネタバレ》 
序盤から、不倫関係をもってしまったという二人の人物描写のシーンなどを見て、かなり熱の入った恋愛話だなぁと思っていたところ、突如として当時普及し始めたであろうナイロンザイルの信用度の話が入ってきてしまい、これが本題に水を差しストーリーそのものにブレを生じさせる形になってしまっているのが実に勿体ないと思いました。 人物を丁寧に描き彼らの心の動きを機敏に捉えているわけでありますから、単純に事故が起こったという事象のみを描いて話を進めれば良い作品に仕上がったと思えるだけに、ここは残念に感じました。 映画後半で魚津が単独で山に向かうシーンで、山を越えた先には小坂の妹、戻っても八代が待ってくれているというシーンがありましたが、どっちに転んでも美女の歓待を受けるという実に贅沢なシチュエーションで、男としては何とも羨ましい限り(笑)だなぁなどと思っていたところに悲劇が起きてしまう。不倫仲の仲裁に入ったりしながらも、何の因果だろうかと自然現象の無常さを描いていたところに、この映画を読み解く難しさがあったように思えます。 また、終盤で雑踏の中を一人歩く八代と魚津の遺影に花を手向ける小坂の妹の両者の姿がそれぞれ描かれていましたが、この場面から両ヒロインの微妙な心情をどう解釈するかといったところでもこれまた一筋縄ではいかないものがあり、再考が必要な映画だと感じました。
[映画館(邦画)] 6点(2014-04-28 00:50:08)
12.  カジノ・ド・パリ 《ネタバレ》 
映画のレビューは映画の中身のみで完結させるべきだと考えてきたこともあって、映画の外側、要は時代背景や映画史をレビューに書くのは自分の中では反則なのですが、やはり同年代に作られた「フレンチ・カンカン」と似ているという事もあり、どうしても比較対象として意識してしまいます。 「フレンチ~」の方は、一応ミュージカルにジャンル分けされてはいるもののストーリーの一部に歌の一部が部分的に出てくる程度で、むしろダンスの方がインパクトが強い印象なのですが、本作の方はよりミュージカル色が色濃く出ており、ストーリーの単純明快さも手伝って気楽かつストレートに楽しめる作品だと思います。 劇中に出てくるミュージカル音楽はどれも総じて出来が良く、個人的には秘書を演じていたジルベール・ベコーの歌がどれも好きです。 また、メイン3人のキャスティングが完璧で、特にヒロインのカテリーナ・ヴァランテの陽気で溌剌とした姿が実に良く、会話のシーンでの自然な笑みを浮かべた表情などを見ると、彼女の出演した作品が非常に少ないのが残念に思えてしまいます。 ヴィットリオ・デ・シーカも上記二人に比べると脇役に追いやられてしまいそうですが、彼もまた適役と呼ぶに相応しい存在感を感じさせ、シンプルな内容の作品の中において安定感をもたらしてくれているような感じです。 ハリウッド製のミュージカル映画で見られるような、ここが見せ場だと言わんばかりに大勢で大合唱をしたりといったシーンがなかったのも自分の好みの要因で、それでいてとても晴れやかで楽しさに溢れた雰囲気は随所で感じられ、フランス映画がますます好きになってしまう、そんな一本でした。
[映画館(字幕)] 7点(2014-03-28 23:31:18)
13.  西部は俺に任せろ 《ネタバレ》 
監督のアルフレッド・L・ワーカーという人は全く初めて聞く名前で、それどころかこのレビューを書いている現在も本サイトで人物登録すらされていないほどの無名な存在。おまけに「Three Hours to Kill」を「西部は俺に任せろ」って邦題をつけた奴は何ちゅうテキトーな仕事してんだと思い(ラングの「復讐は~」を意識したとしてもこれはいただけない)全く期待せずに臨みましたが、意外や意外予想に反してこれが面白かったです。 冒頭で、水辺で休んでいるところに馬に乗ってやって来た二人と顔を合わすシーン。主人公のジムが銃をやや手前に動かすほんのわずかな動作で、彼がどんな人物なのか大まかに想像できる(少なくとも慕われている人物ではない)と思うのですが、こういった細やかなアクションに意味を持たすことが出来る人はそれだけで無条件で好きになってしまい、最初の5分で早くも鑑賞前の予想を良い意味で裏切ってくれるという期待感を持つことができたと思います。 また、床屋の入り口に立った時の窓に映った人影の描写だったり、後半、町の酒場でジムを待っていた4人の背後で不自然に扉が開いてジムが現れるのかと思いきや、一旦扉が閉まってアレっと思っているとカウンターから頭が出てきて4人を睨みつける登場の仕方などのような面白い演出にも唸らされます。 一方で、上映時間がやや短めになっていたのがどういう意図なのかはわかりませんが、その4人との会話で保安官ベンに疑惑が向く流れになった場面がやや急ぎ足で分かり辛いところがあったのと、牧場を経営するマイルズとの取っ組み合いも会話がやや中途半端で終わってしまっていたところに若干の描写不足な印象を感じました。 しかし、何と言っても最後の幕の下ろし方が実に良く、保安官をしっかりと始末してそれまで着せられていた濡れ衣を拭い取り、牧場一家も元の生活に戻れてハッピーエンドですし、そして、最後にジムが格好良く町を去って行く後ろ姿で完結かなぁと思っていると、後ろから女が後を追いかけてくれるというこれまた素敵なラストに不覚にも感動してしまいました。 近づきつつある馬上の二人をロングで捉えたこの最後のワンショットを見て、この人の作品は是非他にも観ておかねばと心に誓ったのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2014-03-02 15:30:27)
14.  パンドラ 《ネタバレ》 
もう、お話がロマンティックすぎてどう書いていいのかわからず、新規登録してから時間だけが過ぎ去っていってしまった・・・というのは冗談。 ドラマはドラマなのですが凄くファンタジーな要素が満載な、とっても素敵なストーリーです。 主演女優の名前はパンドラ。決して名前負けしていないことは観ればおわかりで、自身に惚れた男に対し「何を犠牲にするかで愛の深さがわかる」と、愛車を崖から落とすよう迫ることができるのも、もちろん彼女の美貌があるからこそ言えた台詞ですし、夜更けの海岸で裸になって、泳いで船まで辿り着くなり帆を身に纏って男の前に参上・・・って、こちらもまた“水も滴るイイ女”を地で行く美しさを堪能できます。 対する男も男で、肖像画をダメにされると「怒りという感情はとうの昔に置いてきた」と、こちらも負けず劣らずのロマンティックな台詞で応戦したりと、何か今までに経験したことがないようなとっても神秘的な雰囲気が感じられます。 また、車のタイムアタックや闘牛のシーンもスリル満点で非常に見応えがありますし、ナイフで刺されて殺されるシーンや、船の帆が上がるシーンのような夢か現かを煙に巻く表現も、こちらもまた何ともミステリアスな印象があり、あらゆる場面においてぐいぐい引き込まれるような感覚を受けました。 そして忘れてはならないのが、ただでさえ素敵な物語を一層引き立てるジャック・カーディフのカメラ。 宵の場面の月明かりや明け方の赤みがかった光で照らされる海面のきらめきは言うまでもなく綺麗ですし、どのショットにおいても、時間の経過とともに色合いが少しずつ変化していく映像がとても魅惑的で、彼の色彩の世界は本作でも健在と言っていいでしょう。 邦題がやや物足りない気がしますが、このストーリーだけに、下手にいじって壊してしまうのも怖かったのではないかと容易に想像ができ、原題の「フライング・ダッチマン」は、今までてっきりクライフの事とばかり思っていましたが、それよりも前に元ネタがあり、ご本家に触れることができて嬉しかったです。
[映画館(字幕)] 8点(2014-02-15 16:46:49)
15.  泥棒成金 《ネタバレ》 
ストーリーは、繋がってはいるけども面白さという点においてはまずまずといった所でしょうか。 それよりも、フランセスを演じるグレース・ケリーの登場シーンに物申したい。 まず登場するまでが長く、だいぶ焦らされた後にやっと出てきたと思ったら母親のオマケのような人物設定に見えてしまっていることに失望させられてしまいました。 母親と一緒だから自然と必要以上に若々しさが前面に出てしまうだけでなく、主演女優らしく煌びやかに撮ろうとするカメラワークが見られることもないため、ここはちょっといただけないと思います。 しばらくして彼女が別れ際にキスをするシーンでようやく存在感が出てきた印象ですが、いきなりの唐突な行動にも辟易してしまい、やはり「裏窓」を観た事のある自分としてはここの一連の登場シーンはかなり微妙な所です。 また、男二人が市場の中を逃走しているとき、大量の花の中に飛び込んで花屋のおばちゃんにメチャクチャに怒られる場面がありますが、コメディなら良いシーンになりそうなところ、こういったシリアスな場面で見るとなると変な風に見えてしまうのは、やはり作り手のセンスの問題という気がします。 ビーチで懸垂をする怪しげな男も肩透かしに終わったし、花火とキスシーンのクロスもかえって興醒めな演出。最後も最後で、主犯が分かっても姿を現さないまま幕を下ろしてしまうシナリオも不備があると言えるでしょう。
[映画館(字幕)] 5点(2014-02-09 12:01:57)
16.  野いちご 《ネタバレ》 
この映画も、観た時の自分自身の境遇によって大きく感じ方が変わる作品で、ハッピーとまではいかないものの普段の生活に不満なく生きている時に観てしまうと、やはりこんな点数になってしまい、仕事や家庭のトラブルか何かで人生上手くいっていないという時の50%引きのお値段じゃなかった、点数という感じです。 で、本題。 ストーリーは、孤独な老人が義理の娘と自動車で表彰会場に向かう途中に自身の過去を振り返り、色々な人と交流し、また夢を見たりしながら今まで生きてきた人生の回想に耽るという話。 夢のシーンで面白いのは、出てくる人物のほとんどが白みがかった出で立ちをしているのに対し、傍から覗き見る主人公の老人は黒い格好をしているという所で、彼が自身を罪を背負った人間と自覚し、過去に対し負い目を感じている事の表れとして描いているところが興味深く感じました。 最後は、やや唐突な幕の引き方に思えたこともあり、老人が過去を咀嚼し消化できたのかそうでないのかの解釈が出来ず、再度鑑賞する必要がありそうな作品でした。
[映画館(字幕)] 5点(2014-01-19 23:16:10)
17.  幌馬車(1950) 《ネタバレ》 
ストーリーを考えると、まぁやむを得ない所ではあるのですが、馬の疾走するシーンが余りにも少なかったのがちょっと残念ではあります。 そういった楽しみにしていたシーンがない中でも、平穏で長閑な移動風景とその一方で何か良からぬことが起きるのではないかという緊迫感が充満した停泊時との対比が、西へ向かって進むたび、馬を休めるたびに幾度となく繰り返されるのが印象に残りました(ついでに、仲間内での賑やかなダンスシーンと足音のみのマホバ族のそれも対比が出ていて面白い)。 序盤の、馬の売値の話からモルモン教徒一行と仲間になるまでのくだりも若干繋ぎの弱さを感じますし、旅芸人の若い女を絡めた恋物語も希薄な印象ですし、角笛のおばさんに至っては角笛を吹くシーンでもマホバ族とのダンスのシーンでも全く台詞が与えられていなかったところを見るに、やはり傑作と呼ぶには難があると思います。 しかし、肩を怪我した盗賊の親玉が最後まで根っからの悪党でしっかりと息の根を止めてくれた所なんかは爽快感がありましたし、銃を撃ち合うアクションの一瞬のタイミングにもこだわって撮られていたのは、やはりジョン・フォードの仕事でしょう。
[映画館(字幕)] 6点(2014-01-04 23:07:15)
18.  ウィンチェスター銃'73(1950) 《ネタバレ》 
ショーウインドーの中のウインチェスター銃'73を捉えるカメラが、周りではやし立てる子供から大人へ、そして馬上の主人公の姿へと移動する。そのまま動き出す二人を追い続け、馬を世話する子供とのやりとりから女の話し声が聞こえてくるまでを長回しでワンショットに収めたオープニングショットに軽く痺れた。 更に画面が女の姿に切り替わり、話が核心に入ったところで周囲の雑音がスーッと消える。 アンソニー・マンという名前は聞いたことがあるという程度でしたが、この最初の2シーンを見て映像だけでなく音に関しても敏感さを持った作家なんだなと思い、最初の5分で早くも期待が膨らんできたような気がします。 特筆すべきは、縦構図のオンパレード。 銃を手前に画面奥からそれを羨望の眼差しで見つめる人物、平原を移動する馬車の後方を走るインディアン、コーヒーを持ってきたスティーヴが足を蹴飛ばされて画面手前に崩れ落ちるシーン、岩場へ逃げるダッチと追いかけるリンなどなど、あらゆる場面で縦を意識した映像が多く見られ、非常に見応えがあったと思います。 一方、車輪のぎこちない音にスリルを駆り立てる効果を与えたりする音の使い方も唸らされますし、ラストの銃撃戦も銃弾が空気を切り裂く音がストレートに臨場感を感じさせて、この音だけでメシ3杯はいける(笑)。 また、個人的な嗜好が続いてしまいますが、ラストで岩場に向かう二人の映像と「実はあの二人はだな・・・」という残った二人の会話をカットバックさせるのは凄く定番ではありますが、このセンスは大好きですし、「背後から撃つ」が単なる応酬ではなく最後に伏線である事が分かるのもこれまた面白い。おまけに、バーカウンターで牛乳が出てきて変な顔して飲むシーンも監督のユーモアが感じられて面白いです。 やはり、最後の銃撃戦は言わずもがな。最初のコンテストの時もインディアンとのバトルでもそうでしたが、ジェームス・スチュワートの銃捌きの鮮やかさがとにかく格好良く、岩の破片が弾け飛ぶ臨場感や無駄な弾を使った方が敗れるというセオリー通りの展開に加え、互いに撃ち合う二人の姿を1つの画面で捉えた縦構図の画面が出てきたりして、これはもう完全に自分好みの映画です。 ラストシーンで、銃をしっかりと中央に配置した画面を出すなど、最後まで抜かりない映像が続き、どこまでも良く出来た映画だなぁと思いました。
[映画館(字幕)] 9点(2013-04-25 22:31:25)(良:1票)
19.  カンサス大平原 《ネタバレ》 
オープニングで序文を出すことによる時代背景の解説あり、軍隊から派遣された新鋭技師とベテラン現場監督との衝突の後の結束あり、父と娘の親子愛あり、娘と技師とのロマンスあり、潜入者の破壊工作あり、悪役との銃撃戦あり・・・などなど、教科書のお手本通りな映画という印象であります。 鉄道建設を巡る南北間の争いは、実際にこの映画で語られているようなバトルが至る所であったと思われ、それを考慮し思いを馳せてみると、こういった先人たちの努力のおかげで鉄道列車の中で繰り広げられる様々なサスペンスドラマが作られているのだという事を改めて知ることができ、観終わってみて非常に感慨深く感じられる映画です。
[映画館(字幕)] 6点(2013-03-31 21:20:34)
20.  キング・ソロモン(1950) 《ネタバレ》 
ハッキリ言って、ストーリーは面白くない。 意地っ張りの勘違い女は見ていて腹が立つし、悪夢にうなされているもんだから彼女の中にきっと何か心配事や抱え込んでいるものがあるのだろうとか想像したりもしましたが、ザクッと髪を切ってササッと水を浴びたらケロッと治っちゃうし、おまけに彼女の心がアランに傾いていく過程の描写もハンパなもんだからラストの二人の後ろ姿を見てもスッキリしない。また、何処となく現れた土人が王になり彼に見送られてサヨウナラってのもご都合主義的にしか思えませんでした。 とか何とか言いながらもそこそこの合格点をあげちゃうのは、ロケーション撮影の素晴らしさ故に他ならないのですが、とにかくもう、サバンナの野生の動物たちとの絡みが凄く、実際にライオンなどの猛獣との鉢合わせシーンの多さに驚きました。 よくありがちなのが、動物と役者を別々に撮った映像を繋ぎ合わせ、あたかも本当に鉢合わせしているかのように見せる方法なのですが、この映画では俳優の身代わりを立てることがあるにしても、ほとんどのシーンで両者をワンショットの中に収め本当にニアミスの状況を撮っているのが凄い! 中でも特筆すべきは、山火事で慌てふためく動物たちが向かって来るシーンで、あれだけの大群が一斉に走り回る状況はほぼリテイクは不可能だと思われるので、一発勝負のワンテイクで撮ったと考えるのが妥当でしょう。という事は、藪の中に潜んでいた役者たちも影武者と交代する間もないとなれば、彼らも動物に踏まれながらの決死の撮影であったに違いありません。 また、話が進むごとに複数の部族が次々と出てきましたが、どの部族との絡みでも皆しっかりと演技をしていて、全員に撮影というものを理解させる努力を考えると非常に良い仕事をしているなという印象です。 これだけの作品なのだから、当然スタッフの中には動物に襲われて怪我をした者もいただろうし、病気で途中離脱した者もいた事でしょう。点数のほとんどは彼らの労力と苦労に対してと言っていいくらいです。 余談ですが、土人との通訳役の人はカメラが回っていない時にはスタッフとの橋渡し役をやっていただろうとか、また献上品として鹿と塩を持参していたやつも本当に撮影の謝礼としてプレゼントしたんだろうとか、いろいろ考えてみると楽しい映画ですね。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-13 18:36:06)
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