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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ノン、あるいは支配の空しい栄光 《ネタバレ》 
タイトルは凄くカッコイイ。 アンゲロプロスの某超大作同様、その国の歴史を知っているかどうかで印象が大きく変わる作品と言えるのではないでしょうか。 歴史を回想するシーンで出てきた太鼓の音が現代でも用いられていたり、現代のパートを演じている人と同じ人が回想シーンでも演じていたりするなど、過去と現在をシンクロさせる意図が見えたりして面白いと思いました。 ただ、回想シーンの戦闘の場面は、だだっ広い所で大人数かけてやっている割には疾走感や激しさを感じられず、やや物足りなさがあったように感じました。 自分としては、映画としての面白さはあまり感じられませんでしたが、人類史上繰り返されてきた戦争が無意味であるというメッセージを感じ取れた気がしました。
[映画館(字幕)] 6点(2016-05-08 01:56:34)
2.  コールド・フィーバー 《ネタバレ》 
両親の供養をするという旅の目的がいい。 永瀬の運転する車が危険地帯に入り込んでしまい、立ち往生してしまったところで不思議な力を持った少女が奇声を上げて車を直してしまったりするシーンを見るに、この映画は恐らくファンタジーなんだろうと思います。 ただ、ストーリーとしては非常に好感が持てるのだけど、画面作りやストーリー進行における演出が凄く下手。 ゴルフボールがリモコンに当たると両親のビデオレターがパッと流れるくだりなんか失笑モノだし、アイスランドの空港を出てスーツケースを他のツアー客と一緒に持って行かれたシーンなんかも、他のサスペンス映画などと比べてしまうと歴然とした差を感じてしまったりして、序盤では特にそういった不自然さのようなものが顕著に出ていたと思います。 中盤でも、アメリカ人カップルの男が売店の中で銃声を響かせた後でカウンターにいた女の子が外まで追いかけて来なかったりするのも見る側への配慮に欠ける感じがありますし(撃たれてしまったのかと気になってしまう)、その時に車内では女が永瀬の首元にナイフを突き付けていたのも当の本人は気が付いていない様子で、映画の至るところで不徹底さが垣間見れる作品という印象です。 また、1ショットの中で画面の色調が少しずつ変化していくのも、もし故意でやっているとすればセンスを疑うし、そうでなければ無頓着と言わざるを得ないでしょう。 ラストの川辺のシーンでも、遠くから永瀬の行動を見つめている人がいましたが(送ってくれたおじさん?追いかけてきた?何故?)、おじさんから永瀬を見ているカットが入っていないものだから二人の位置関係がわからず、最後まで素人が撮ったような映画を見せられていた感じでした。(て言うか、おじさんを登場させる意味ないし。)
[映画館(字幕)] 6点(2015-10-12 15:41:19)
3.  そして僕は恋をする 《ネタバレ》 
アルノー・デプレシャン監督作品3作目。 人物描写に卓越したものを持つ同氏の作品ということで期待して臨みましたが、まぁ確かにしっかりと描かれていたのかもしれませんが、話が進展せず大きな出来事もないままであれば、いくら丹念に描かれていたとしても面白さは見出しにくいです。 よく考えると、相性が悪いと分かっていながら10年も交際を続けていたり、論文を5年もかけて書いていたりという話ではストーリーが面白くなる訳もなく、3時間にも及ぶ長尺も無駄に長く感じられてしまうだけでした。 不思議と上映中は寝ないで最後まで観れたという事で、観たことを忘れてウッカリ再見しないよう記録としてレビューしますが、コメントを書くにも窮する作品でした。 ところで、家に帰ってこのページを見て初めて英語のタイトルを知りましたが、「私のセックスライフ または私は如何にして・・・」という邦題にした方が良かったんじゃぁ・・・
[映画館(字幕)] 5点(2015-02-01 02:38:48)
4.  ラヴィ・ド・ボエーム 《ネタバレ》 
モノクロ映像が抜群に格好良い。 特に、室内シーンの抑えの効いた雰囲気はどのショットも皆素晴らしく、自分が今まで観てきたモノクロ映像の中でも1位2位を争うほどだと思います。まさか、1992年の映画に絶賛すべきモノクロ映像が存在するなんて夢にも思いませんでした。 ストーリーは、残念ながら個人的にはあまり好きではないタイプのものでしたが、モノクロの映画らしく、貧しい芸術家たちの生き生きとした姿を時にユーモアを交えながら描くというクラシックな感じが出ていた気がしました。 自分の愛した女が病に倒れ、医療費を捻出すべく絵や車などを売る姿は特に印象深いシーンとして心に残ります。 映画の中で流れる音楽が、作曲家の奏でる曲も含め効果的に用いられていましたし、ラストの「雪の降る町を」も、とても良い雰囲気が出ていたと思うのですが、もし他の国の人が観たら、突然の日本語に違和感MAXなラストに感じられてしまうのでしょうか? しかし、我々としては日本を贔屓してくれる人に対してはどうしても好意的な感情が生まれてしまうので、より味わい深いラストに感じられるのです。
[映画館(字幕)] 6点(2012-11-16 22:40:06)
5.  こうのとり、たちずさんで 《ネタバレ》 
国境によって人間の運命が変えられてしまうという事は、島国日本に住む我々にとっては夢物語のようで、にわかに信じ難い出来事のように思えますが、映画の中で起きていることは紛れもなく実際に現実に起きている事なのでしょう。 男女が一つになるという生命の本質に関わることが、国同士の諍いの具現である国境によって妨げられてしまう。こんな事があっていいわけがなく、他にどんな不幸がこの世にあるのだろうかと考えてしまいます。 川を挟んだ結婚式は平和の来訪の諦観の念、新郎新婦が再び出会う事を絶望視してのものなのでしょうか? 互いに連絡を取れずにいるにもかかわらず、一年の同じ日にしかも時間まで合わせて川岸で再会するなんて、渡り鳥が海を渡るとか、魚が生まれた川に戻るとかのような、何か神秘的な印象さえ感じます。 このレビューを書いているのが7月8日。前日が七夕だったということもあり、織姫と彦星の物語を連想せずにはいられませんが、バルカン諸国で現実に起きているこの物語はロマンティックのロの字もないほどに厳しく切ないものでした。
[映画館(字幕)] 6点(2012-07-08 19:09:39)
6.  素敵な歌と舟はゆく 《ネタバレ》 
ここまで面白さが感じられない群像劇は初めてかも。 それぞれの登場人物に関するエピソードにおいて興味を引かれる事が皆無で、またそれらの接点に関しても決してそこから話を広げていこうという意思も感じられないため、ただひたすら退屈で冗長な印象しか受けなかったです。 まず、登場人物の行動に不可解な点が存在していたと思うのですが、カフェの女店員が森の中に連れ込まれて襲われた後、その男が元カノにビンタされて大爆笑していたにもかかわらずデートの誘いを受けてしまう所とか、仕事でミスをした黒人の男が食事に手を付けなかったりした所など、他にも行動の動機が理解し辛い所がいくつか出てきていたのは、敢えてストーリーを構築するのを避けながら作ったからなのかもしれませんが、あまり面白いとは言えないと思います。 ただ、それぞれのストーリーに共通しているのが、仕事でミスをした黒人、皿洗いがテキトーでクビになったり盗みを働いて捕まった青年、屋敷の主人とイチャついてクビにされた使用人など、生きる上で何かと躓いている人たちばかりでしたが、彼らを皆救済しようという意思はないのか、ワイングラスを傾けながら楽しそうに歌を唄う二人だけがハッピーエンドを迎えてしまっているため、彼らの乗ったヨットのロングショットを見ても最後まで救われない人たちの事が気がかりで上手に締めくくっているとも思えず、結局最後まで良い所が見当たらない映画でした。
[映画館(字幕)] 5点(2012-02-05 00:06:25)
7.  クリミナル・ラヴァーズ 《ネタバレ》 
ストーリーは典型的なバカップルの馬鹿話で、特にひねったところもなく最後はごく当たり前のように捕まって終わり。ちょっと変わったところがあるとすれば、小屋の主の性癖くらいなもんで、これもオゾン作品を観慣れている人なら「また、ここでも出てくるわけね。ご苦労様」と失笑混じりで一蹴するのみでしょう。オゾン作品のほとんどにこういうシーンが出てくるので、こいつはホモを世に認めさせようと企んでるんじゃねぇのかと勘繰ってしまいます。 全体的なストーリーは勿論、シーンや1ショット2ショットのレベルで考えても、興味を引かれる箇所はなかったですし、後半に入って過去と現在をクロスさせる手法も、特に斬新さも違和感も感じるところはなかったと思います。オゾンにとって初期の作品であることを考慮してみると、ややチャレンジ精神に欠けている感じで、少々物足りなさを感じました。 とまぁ、それには目を瞑るとして、最後に大きな落とし穴が・・・。 ラスト近く、やっとの思いで小屋を抜け出し、水辺で二人が結ばれたと思ったら・・・一体何を考えているのでしょうか? 最初は、野生動物が生息する自然の中で解放された喜びを表現しているのかと思いきや、イタチにウサギ、ハリネズミ、シカ、キツネ、鳥も二羽・・・と覚えているだけで6,7頭はいましたが、ここまで勢揃いでワンサカ出て来られたら猿とか熊が出てきても違和感を持てなくなりそうなほど。不自然極まりないとかのレベルではなく、それまでのシリアスな雰囲気が全て台無しで、もう明らかに何かのギャグでやっているとしか思えないおバカなシーンには愕然とさせられました。 それと、蛇足ではありますが、小屋から逃げ去る瞬間に男と目が合うカットで流れる音楽の使い方もダメ。 この2点はもうセンスの問題だから、ハッキリ言って救いようがないです。
[映画館(字幕)] 4点(2011-10-23 22:59:40)
8.  シザーハンズ 《ネタバレ》 
冒頭から、窓から見えるお城がミニチュアなのがバレバレで、あぁダメだこの映画と一瞬思ったのですが、ストーリーが誰が観ても明らかな作り話とわかるので、あれでいいんだなと思い直してからは、徐々に入り込んで観ることが出来ました。 ストーリーは、異形の主人公エドワードが一般社会に馴染めずに元の世界に戻ってしまうという話ですが、深く考えずにぼ~っと観ると、彩り豊かな家々やそこに住んでいる人々の洋服までもがカラフルで、一見すると楽しく愉快な話のようにも思えてきそうですが、実はなかなかに残酷な内容で、正直なところ、終わり方もあまり好みではない感じで幕を下ろされてしまい、評価はちょっと辛口になりそうです。 この映画のような、世の中に受け入れられ辛いキャラクターが最後には世を捨てて去っていくというストーリーは、実は様々なパターンで映画黎明期から作られているのですが、この作品においては、主人公が一旦世の中に受け入れられているときのハッピーな瞬間とのギャップが余りにも大きいのが何とも残酷で、パステルカラーで花開いた画面から一転してモノクロームのお城の内部にある暗闇に突如として突き落とされることに象徴される明から暗への落差が、自分自身にとって如何ともし難いわけなのです。
[映画館(字幕)] 6点(2011-10-10 22:19:34)
9.  悦楽共犯者 《ネタバレ》 
主ヴぁん九枚得る(直接変換したらこんなん出た)じゃなかった、シュヴァンクマイエルの作品は「アリス」に続いて2作目なのですが、まぁ~何と言うか、食べ物を不味く撮る天才だなと。頭の中を見てみたい。どんな環境に身を置き、どんなものにインスパイアされると、ああいう発想が生まれるんだろう?? さて、この映画はアレですよ。意識下にしろそうでないにしろ、人間誰でも行う心地良いと感じる行動を比喩的に表現した映画なんじゃないかというのが私の見解です。 例えて言うなら、映画を観てレビューをするという我々の行為は、それをしている自分たちにしてみれば楽しさを追求したり見聞を広めるとかストレスの解消だったりと、なんだかんだで好きでやっていることだと思いますが、一転、その行為を赤の他人が見ると、釘を打ち付けた棒を体じゅうに転がして悦に浸っているオッサンと何ら違いはないように見えているかもしれません。 ところで、「アリス」を観た時も思いましたが、パペットの動きが凄くスムーズで、カットが切り替わる前後に違和感がほとんど感じられず、非常に丁寧につないでいる印象を本作でも感じました。 画面の中の女子アナに夢中になっている時のロボットの手の動きなんかも、凄く丁寧でリアルに動かしているなと思ったら、男の後頭部をまさぐる時の手は・・・あれは本物ですね。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-11 13:47:48)
10.  階段通りの人々 《ネタバレ》 
盲目の老人が持つ箱なんて大した金が入っているわけでもないのに、周りの人は結構気になっているところがあの階段通りに住む人たちの貧しい暮らしを表しているのでしょう。 あの老人の娘はどうして優しく接してあげられないのだろう。周りの人もからかったり箱を奪ったりと、みんな心の貧しい人ばかり。箱の中身が多くなるにつれイジメがエスカレートするかのような感じでしょうか。 人を虐めるというのは、虐める人自身が弱かったり大人になり切れていないからだと自分は思うのだけど、娘を含めて老人を虐めていた人たちは、そのような要素が一人一人に存在していたからだという気がします。 ところが、あれだけ自分の親に辛くあたっていた彼女も、親を亡くした事が人生の糧となったに違いありません。戻ってきた彼女は、聖人となって現れ道行く人に施しをしていましたが、辛い経験が彼女を成長させたということなのでしょう。 最後、誰もいないであろう自宅に入り、一人過去を省みる彼女を想像すると、ちょっと心が痛くなるような気がしました。
[映画館(字幕)] 6点(2010-10-02 03:14:49)
11.  骨(1997) 《ネタバレ》 
冒頭から、極端なほど会話がなく、登場人物の顔を映して沈黙の表情をただ見せるだけといったシーンだったり、覇気のない様子を延々と映し出すだけのシーンが何度もあって、かなり退屈してしまった。 これら一連のシーンを、そこに生きている人の貧しさや暗さだったり絶望感が描かれているものとして捉えるべきなのかもしれないが、これはただ単に作り手の表現力の乏しさ故のものだと考えたい。 上記のシーンに意味合いが生じてくるのは、登場人物のその場での生活状況や心情がまずストーリーとして前もって描かれてからであり、映画の序盤からいきなりそのような淡々としたシーンを並べても全くと言っていいほど効果が現れないように思う。 ラストで見せた微かな笑いは、日常のささやかな喜びやこれからの一抹の希望を表現したものだったのだろうか。もし仮にそうだとしても、それまでのストーリーで特に面白い点もなかったこともあり、かえって虚しい笑いのように感じた。
[映画館(字幕)] 4点(2010-09-30 01:14:24)
12.  羊たちの沈黙 《ネタバレ》 
冒頭のオープニングクレジットのセンスのなさから、この映画ダメだなとすぐにわかってしまいます。 変な例えですが、人を見てお洒落かどうかを見るのは靴を見れば分かるといいますが、この映画でいえば、オープニングが靴にあたるわけで。 オープニングの出来の悪さが、ここまで素直に映画全体の印象に正直に反映されているのも珍しい。 何がセンスがないかといえば、登場人物の映し方。 正面からのアップ、カメラが徐々に近づいていってのズームイン・・・この監督は役者の表情だけで映画が撮れると勘違いしているのではないでしょうか。 人物に迫ったり、またアップで映すことでどのような効果を出すことが出来るのか、何故このアングルで撮るのかとか、まるで考えてもいないのでは。 ストーリーもまた何とも安っぽい感じで、FBIの捜査官が手に負えない捜査を学生に任せて解決に結び付けようとするストーリー設定もお前はコナンかよとか突っ込みたくなるし、最後クラリスが一人でビルの家に突入したりといった現実ではあり得ない展開もこれまた安っぽさ全開で、映画全体を見渡しても見どころはほぼ皆無と言いたい。 ただ、捜査官が囚人に逆質問され、クラリスの深い心の傷を少しずつ紐解いていくというパイオニア的プロットは多くの人に評価されているようですが、これもあくまで原作に因るものであって、決してこの監督の力量によるものではない。原作を凌駕するにはもうひとつ他の事で勝負してほしかったが、この監督のセンスのなさを見ると到底無理なんだろう。 例えば、予めペンを持たせると危険な目に遭うということを観る側の人間に植え付けておき、後半辺りでレクターのすぐ近くにペンが置かれている状況を4カットくらい見せているにもかかわらず、結局そのペンを使った恐怖は何も起こらずにレクターが搬送されてしまう。要するに、観ている側は肩透かしを食らった形になり、こういうところでも監督のセンスのなさが露呈されている。 何度も言いますが、原作と役者の演技だけの映画であり、このジョナサン・デミという人は映画監督としてのセンスがないと断言できてしまいます。 唯一、トイプードルが可愛かったというところだけが評価できるかなと。これなら「羊たちの沈没」といい勝負。
[映画館(字幕)] 4点(2010-05-03 14:51:38)(笑:1票)
13.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 
非常によく出来た映画という印象。 あちこちに転がっている伏線については他のレビュワーの方々が解説して下さっているのでカットさせて頂いて、自分が特に興味を持ったのが、要所要所の省略、詰まるところ、登場人物に真相を語らせなかったり、核心となる状況を敢えて画面に出さないその巧みなボカし方でしょう。 例えば、最初の殺害現場のシーンをハッキリと画面上に出さないのは勿論、前半はアンディに冤罪の事を一切語らせないままストーリーが進行するのですが、これは、序盤の時点で観る側にアンディ=犯罪者と思わせておき、観る側の感情移入を拒絶した矢先に、映画中盤、トミーの証言で真犯人の存在を提示する。それまでは犯罪者に共感できるはずもなく客観視する程度でしかなかったアンディの方に少しずつ同情を誘い、終いには脱獄をも成功させることで序盤とは一転、ガッチリと観客の心を掴みます。 ストーリー序盤から冤罪を主張させたり本当の殺害状況を画面に出したりしてもストーリーは繋がりはしますが、あえてそれをしなかったことでストーリーの前後半で全く異なるアンディ像を観客に抱かせ、ストーリーをより面白くメリハリのあるものにしています。 また、ロックハンマーの使途をレッドに聞かれた時も上手くはぐらかし、穴を掘っていたら服とか顔とか部屋が砂と泥まみれになるはずのところを、あえてストーリーに組み込まず、そういう画面を一切省いている。それよりも、アンディの部屋が一番奥だということを最後の点呼の時までずっと明かさない周到さ!極めつけとも言えるこの省略テクに完全にやられました。 最後、下水管を這って脱出するシーンが出てきましたが、その後に雨のシャワーを両手に受けるところに爽快感のようなものを感じる方が多かったようですが、自分としては川の水で汚水をシッカリ洗い流しておいて欲しかったなぁと。ここはお得意の省略技は用いずに、ちゃんと頭からザブンと洗い流した方がいいんじゃないッスかね?
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-11 02:31:51)
14.  ユリシーズの瞳 《ネタバレ》 
アンゲロプロスには申し訳ないですが、ストーリーの中での出来事、主人公がどんなことに出くわしたかとか、いつの時代にどこの国でどんなことが起こったかとかは、はっきり言ってどうでもいい事だと思う。 話の大筋、主人公が幻のフィルムを求めて国境を越え、戦禍をくぐり抜けながらフィルムにありつく。この程度のことが読み取れさえすれば、あとは主人公がフィルムを追い求める情熱を感じ取るのみ。 この映画は他のアンゲロプロスの作品同様、旅を描いた映画。東欧の実情を主に描いてストーリーは副次的なものにしたいのか、またはその逆なのかはわかりませんが、少なくとも自分は画面の中で起きていることを見ているだけでも十分入っていけました。 途中、夢だか回想だかのシーンが出てきますが、これが少々解り辛い。特に入り方。ワンシーンで一気に時代がジャンプすることが珍しくはないアンゲロプロスの映画の中では、何が起こっても全く不思議ではないから。 最後、幻のフィルムにありつけるわけだけど、フィルムの内容などどうでもよくなるくらいの救いようのない結末には絶望してしまいます。せめて、霧の中で音楽を奏でているシーンで締めて欲しかったと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2009-02-06 00:31:55)
15.  もののけ姫 《ネタバレ》 
自分が今まで観てきた宮崎アニメの中でダントツのナンバーワンです。 宮崎駿はついに神を描いた。非常に美しく荘厳な作品で、自分でもどう表現していいか正直言葉に迷います。 皆さんのレビューを見ると「ナウシカ」と比較したレビューが目立ちますが、ストーリー構成・人物描写・美術面・音楽etc.どれをとっても本作のほうがクオリティが高いと思います。 「ナウシカ」では一方的に人間からの視点で描いていますが、本作の場合、サンの他にモロや乙事主達にもキャラクター性を持たせることによって作品により一層の深みが出ており、それらの神々達のセリフ一つ一つが非常に重く(No.18のバカ王子さんのレビュー参照)、痛切に響くところに本作の傑作たる所以があります。 映像面についてですが、真正面からのカットが多くてややメリハリに欠けるのが残念でしたが、 それを考慮しても十分に素晴らしく見事な作品でした。
[DVD(邦画)] 9点(2004-11-29 14:48:44)
16.  リング(1998) 《ネタバレ》 
これ、マジでつまらないよ。この映画作った人って本当に映画が好きなのかどうか疑問に感じる。見せ方が凄く下手。カット割のタイミングとか対象とカメラとの距離感とかをほとんど考えていないと思う。 井戸の中の骸骨もモロ作り物だし、死に顔を見せた人も全然表情に恐怖が感じられないし、最後に貞子がテレビから出てくるシーンも全然怖くなかった。途中まで見てつまらないと感じた映画って、最後まで見てもやっぱりつまんないね。明らかにこの映画、過程の部分で手を抜きすぎ。 最後の“どうすれば助かるか”を明かしたところなんか笑いがこみ上げてきた。やっぱり、“不幸の手紙”って日本人はみんな知ってるからそれを最後のオチに使っちゃうのはダメだよ。日本人には絶対ウケないと思う。日付の表示もかなりウザかったし。それに、あの黒板に書いてあることも意味不明だし、書き直す作業も全然ストーリーとは結びつかないと思う。っていうか、あの黒板の存在意義って何なの?って感じ。 そんなことよりも、ビデオをダビングすればいいんだったら、洋一は死ぬ運命にあるはずだよね。 テレビで見てたら、20分おきにCMが流れたのが参った。日本のホラー映画は二度と見ません。
2点(2004-09-13 23:45:38)(良:1票)
17.  人間椅子(1997) 《ネタバレ》 
これも、「双生児」と同じ日に拝見しましたけど、こちらもなかなか面白かった。 この映画では、家具職人がふとしたことがきっかけでちょっと変わった性癖を持ってしまうのですが、まぁ、これはわからなくもないような気がしますよ。 最近の世の中は昔と違い、価値観が多様化してきてますから実にさまざまな要求や願望がいろんな場面で交わされるわけです。もちろん異性の好みや性癖についても同様のことが言えます。しかも、この多様化した好みというのはなかなかそれに合う人が見つかりにくいのもまた事実で、もし、それが偶然にもうまい具合に合う人がいれば、それはもう水を得た魚のように二人の絆は一昔前の今ほど価値観が多様化していない頃の異性の結ばれ方とは比べものにならないくらいの強い絆で結ばれるものではないかと思います。 この映画では結局、こんな風変わりな性癖がきっかけで夫婦間の仲を取り戻すことができ、ハッピーエンドとなったわけですが、これは現代人へのちょっとしたメッセージとしても取ることができます。 同じ性癖とまではいかなくても、同じことを考え、同じ趣味を持ち、同じ苦痛を共に感じるってすごく大切なことですよね。 ところで、佳子が手紙を読んでいるとき、「もうお気づきのことと思われますが・・・」の後、佳子と同じように後ろの椅子に気を向けてしまっている自分がいました(笑)。※
[映画館(邦画)] 7点(2004-09-10 00:00:56)
18.  双生児 《ネタバレ》 
面白かったです。今まで日本映画バカにしていました。 世界観というか雰囲気というか、映画全体に流れている独特な感じが妙に綺麗で怖かったです。井戸に落とされるシーンで「りん か?」って言った瞬間いきなりワッ!と来たときは、かなりビビッた。ケツが1センチ浮きました(笑)。来るぞ来るぞ~って思わせといて、ワッ!とビックリさせられるのも怖いけど、ああいう驚かせ方もいいですね。 もっくんも良かったけど、それ以上にりょうの演技がとても魅力的で印象に残りました。※
7点(2004-09-09 18:15:45)(良:1票)
19.  マトリックス
ストーリーがダメだなぁ~。ありきたり。一昔前のRPGみたい。高校の頃とかによくドラクエやFFをやっていたせいか、ストーリーに面白味が全くない。アメリカじゃ斬新なストーリーとして認められるかもしれないが、日本でこのストーリーが受け入れられるのは理解に苦しむ。まぁ、一応ストーリーはうまく繋がっていたから合格点あげます。 エントランスホールの銃撃戦は良かった。コンクリートの破片が飛び散るところとか、スローモーションで見せたのは正解ですね。音楽もハマってたし。ただ、最後の1人を蹴散らす時、蹴りがまともにヒットしてないように見えます。 このレビューを更新する前はカンフーシーンとかをボロクソに貶していたんですが、DVDのメイキング集でキアヌ・リーヴスらが1年以上も前から特訓を重ねていたという逸話を聞いてなんだか親しみを感じてしまいました(笑)。
6点(2004-07-01 20:44:08)
20.  倦怠 《ネタバレ》 
こういう女っていますよ実際。男がいくら真剣になっても女の方はそんなことお構いなしに別の男と寝たりする・・・。日本にもいますね、いくらでも、マジで。「二人が友達になってくれればいいのになぁ・・・」ってこれは極めつけのセリフですよ! この映画は、男の嫉妬心と女のしたたかさやそっけなさを描いた映画なんだと思いました。 一作品としての完成度の面から採点すると、この映画は電話をかけるシーンが何回も出てきますが携帯電話でもないのに電話に出るのがイヤに早かったのが不自然で気になってしまいました。最初のパーティ会場の中での音楽も必要ないのでは。キャバクラに入ったときも同様。セシリアが歳を訊かれて答える時セシリアの顔を映さないのは絶対おかしい。椅子の話も意味わかんなかったし。プロポーズするのもどうかと思いますね。一番不可解だったのはやはり、父親の存在でしょうか。あの父親が登場しなければならない意義がわからないですね。結局セシリアは、父親を心配することやマルタンの愛以上に一番モモが大事だったということでしょうか?(←たぶん、違うような気がする) あと、最後に手紙を読むソフィの手も。なんで怪我してたんだろ? しかし、フランス人はスゴイですねえ。一日何回やれば気が済むんだろ。 あと、フランスにはトイレットペーパーがないのかな?この映画98年だよね?
5点(2004-06-21 22:15:30)
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