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プロフィール
コメント数 50
性別 男性
自己紹介 人生半世紀を超えた。たいていのことは許す。

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1.  ドグマ 《ネタバレ》 
陰でコソコソ悪さをするヤツは殺してやる! オレたちだって見捨てられたらツラいんだ! あんまり不公平な仕打ちにはキレてやる! あらまあ、天使は人の似姿なんだ。カトリックは土俗的で人間くさい宗派ですね。ドタバタとしてまずまず切れがいいし、クリス・ロックのしゃべりも快調、アラニス・モリセットの丸ごとプッツンの雰囲気も得難い。神は自分の創った世界にあんまり関心持ってなくて、人は見捨てられてるようなもんだけれど、文句付けてもしょうがないんじゃないの、やりたいことをやりたいようにやって、後は野となれ山となれだぁな!という破れかぶれの心情を映像にした、という印象。キリスト教に浸って育てられたけれど、今では信仰を失ってしまった欧米のインテリが、複雑に爆笑する喜劇でしょう。
7点(2004-08-22 11:26:40)
2.  HANA-BI 《ネタバレ》 
この映画はホントの意味でのマザー・コンプレックスが作らせた映画ですね。ラストで「ありがとう、ごめんね」と言ってるのは、妻ではなくて母です。男を残して先に逝く女は、本質的に母なんです。職場の人間関係は狭いし、職場の外とは最初から切れてるし、コトバなんか無くても分かりあえるごく狭小な世界で、お母さんに「ありがとう、ごめんね」と言ってもらうためだけに男は生きる。映像はとても美しくて、日本の美景を自信を持って撮っている。桜、富士、白砂青松、雪、そして薄暮のレインボーブリッジ(?)まで。海外賞ねらいとは少し違う。この美景にオレは照れない、という覚悟を監督が打ち出してる感じ。それなら、文句をつけたいのはただ一点だけ。「これがオレたちの愛の劇なんだ、これが美しいんだ!」って照れずに言い切るのは立派だが、「これがそれだっ!」てこと自体が寸足らずの喜劇だぞ。優しいお母さんと、美しい自然と、殴り合うダチと。これってちょっと世界が狭すぎないか? お前は十代の不良なのか? たしかに今の日本のクリエイターが到達できる限界まで行ってる優れた映画だと思うけれど、これが優れた映画だっていうこと自体が「オレたち」の限界を示してる。
8点(2004-08-10 16:21:13)
3.  12人の優しい日本人 《ネタバレ》 
映画としては、元ネタがあるとはいえ、とっても出来がよい。面白かった。「フィーリングかなあ」の時間差2発には笑い転げた。ありがとう三谷幸喜。でも、良い子はこれが日本のオトナの現実の会議をえぐった風刺だ、なんて思ってはダメですよ。風刺じゃないんです、これは、まぎれもなく〈理想〉なんです。この陪審員協議みたいに意見のある人ばっかり集まった会議なんて……、うっそぉ! 私の半世紀を超える日本人生を振り返るとですね、この陪審員たちの協議は、まったく有り得ないほど理想的に充実した会議なのです。だって、全員とりあえず何か中身のある――有罪か無罪かどっちかの――意見を持ってて、それを表明するんだもんね。んなことあるかって。みんなくっきりキャラ立ってて魅力的じゃん。会議でキャラ出す勇気あるヤツなんて例外だよーん。それから、相手の意見に正面から反論してるでしょ。つまり、議論が立派にかみ合ってるってわけだ。それで、最後はみんなが納得する結論が出る、と。ありえない!ありえない!! あ り え な い!!! ま、取り乱してしまったが。ペーソス皆無で成功したセリフ喜劇。珍しいと思う。
8点(2004-08-09 23:46:02)(笑:1票)
4.  ゴースト・オブ・ミシシッピー 《ネタバレ》 
ジェイムズ・ウッズの怪演がみもの。一種の異常性格の表現なんだろうけれど、ガキみたいに落ち着きのない法廷での振る舞いなんか、本当にゾッとするような異様な雰囲気がよく出てた。ストーリーとして、たしかに一応これでスカッとする。でも、この事件は氷山の一角で、他に埋もれている事件が多数有るはずだ、と気づくから、むしろ暗澹としてもくる。アメリカだけじゃなく、意見のある個人を排除する社会的な仕掛けとしての暴力は、表現形態は違っても、日本にもいくらでもあるわけだし。ヒト社会が備えている本当に不快な特徴に気づかされる映画と言えるかも。
7点(2004-07-02 01:21:59)
5.  グリーンマイル 《ネタバレ》 
キングの原作をとても忠実に映画化してますね。長いけれど、意外に飽きない。驚くような展開を期待すると、外される。アメリカ先住民の死刑囚が、「死ぬと自分がいちばん楽しかった頃に戻れると聞く、自分は18歳で結婚して妻と一緒に毎日暮らすのがとても楽しかった、あのころに戻れるなら良い」というようなセリフを言います。これはなかなかいいセリフだな、と思ったことです。コフィーの超能力はキング+ハリウッドにふさわしいケレンなんだけれど、本筋は生きること、年をとることについての地味な人生の劇だと思う。トム・ハンクスは、尿道炎を熱演。すっごくうまい。時間がたっぷりあるときに、しみじみ観る映画。
7点(2004-07-02 00:32:15)
6.  デッドマン・ウォーキング 《ネタバレ》 
キリスト教の最も本質的な教えを取り上げた珍しい映画。ハリウッド左翼のティム・ロビンスも、やはり根っこはここなのかな。で、その教えとは、最悪の罪人の中にもなお神を求める魂の力(=神への愛)が潜んでいて、彼らが自らの罪を本当に見据えたとき、彼らの魂の中に神に向かう意志(=愛)が現れる、という教え。イエスもローマに反逆して死刑になった罪人だった。現世の罪人が本当は神の子だった、という大逆転がキリスト教の出発点に仕込んである。迫害され虐げられたものの中にこそ、神は宿る。イエスはさておき、普通、大逆転は罪を本当に悔いること(「どうやって?どのくらい?」まあまあ落ち着いて。)から生まれる。社会の下層を這いずって生きてきたマシューは、このパターンをなぞっている。顎の細いショーン・ペンの顔は、屑白人(white trash)そのもので(ゴ、ゴメン!)、まさに適役。最後近い場面、マシューは死刑の薬物注射のために十字架状の台に固定されて、観客に正対する。キリストのいた場所に彼はいる。死刑は不当だが、同時に、こうして十字架上で死ぬことによってのみ神の許へ行くことができる。この二重の意味が、あのシーンに込められている。神の許へ行けば、彼が強姦して殺した女性ともすでに和解している。って、やっぱり浮かばれないだろ被害者は、と思うヒトは、御霊と祟りの信仰の中にいて、それはそれで別の宗教世界だからなあ。感動できない、釈然としない、というご意見は、重々ごもっともとしか言いようがない。
8点(2004-06-29 15:07:56)(良:2票)
7.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 
筋立てに凝りに凝った映画なんだが、意外に記憶に残らない。1回ビデオで観たのにころっと忘れて、1~2年後にもう1度ビデオ屋で借りた。カイザーゾゼの名前が出てきたところで、一緒に観てた妻(妻は1回目)に「あれ、カイザーゾゼって別の映画にも出てきたよ。だって、前そういうヤツが出てくる映画観たもん。」 妻は不思議そうに「どういうこと。それこの映画なのよ。」 まだ気づかず「え、違うよ、カイザーゾゼってヤツが出てくる別の映画だよ」って大ボケかましてしまった。中ほどでうっすら見覚えのあるカットに愕然。あちゃーと思いながらも、ラスト直前で、画面上のケビン・スペイシーを指さして、「こいつすたすた歩くんじゃないかな。な、ほら、やっぱり」って気づくの遅すぎ! オイラのガッツ化が進んでいるのか、凝りすぎがかえって印象を薄めているのか。後者だと思いたい。
6点(2004-06-29 02:53:58)
8.  トゥルーマン・ショー 《ネタバレ》 
キリスト教的メタファーに満ちた映画。最後の場面で、トゥルーマンは、プロデューサーのクリストフの説得を振り切り、一礼してドームの外へ歩み去る。直前の場面では、一瞬、ドームの天井画、雲間から射す陽光と青空を描いた天井のショットが挿入される。そこに「聞いているよ」、「私は創り主だ“I’m the creator . . .”」というエコーのかかったクリストフの声がかぶさる。「クリストフ」は、聖クリストファー(原義「キリストを背負う者」)から来た名前。宗教画みたいなショット、空から響く声、クリエイター(創造主)という名乗り、クリストフという名前。すべてキリスト教の神と人の関係を連想させる。トゥルーマンは、神の支配下で管理されて生きるか、管理を逃れて立ち去るか、どちらかを選ばねばならない。これはアメリカ庶民には今でも切実なテーマだろうけれど、日本の観客には、なんだかなあ、という感じが残る。
8点(2004-06-27 11:11:54)(良:4票)
9.  シリアル・ママ
ハハハと笑って、その瞬間、嫌な気分になる珍しい映画。観たときの感触は、普通のブラックコメディ(「博士の異常な愛情」や「マーズアタック」みたいな)と違う。たぶん、普通の人(あなたやわたし)の悪意を、ことさら些細な理由でそのままぶちまけるから、ビミョーに嫌な感じがするのだと思う。これを観て、悪意の持ち主とその向かう対象の両方がごく普通の人、という映画は、意外に少ないかもしれないと気づいた。片方が異常者だったり(「ケープフィアー」)、普通の人同士なら状況に誘因があったり(「ファーゴ」)、どこかで観客自身と切り離せるようになっている。この映画は、そういう切り離しが効かない設定で人間の邪悪さを拡大して見せつけるから、笑っちゃうけど、変に嫌な感じが残る。ある意味、傑作。
8点(2004-06-27 10:50:36)(良:1票)
10.  ギター弾きの恋
甘くて苦い映画。身勝手な男が、ふと気づくと、いちばん大事だった人に捨てられている。こうなったらもう泣いてもわめいても遅い。これってこのまま人生終わることもあるくらいダメージ残るぞ。ショーン・ペンが、小物感の横溢する異能のギター弾きを名演してる。ピストルでネズミ撃ったり、小ネタが秀逸。
8点(2004-06-26 03:02:31)
11.  ストレイト・ストーリー 《ネタバレ》 
ものすごい頑固ジジイ兄弟の話。兄弟なのに、ちょっとしたことで仲違いしたまま十年以上っていうのは意固地そのもの。ちっこいトラクターで何百マイルも旅するってのも、相当の変わりもんだ。よたよたした爺さんだから、愛すべきっていう感じがするけれど、壮年の頃は扱いにくいヤツだったと思う。この爺さん兄弟は、二人とも、荒くれた個人主義者で、世間のヤツらにおかまいなく生きて行く独立独歩の偏屈者だ。それがこの映画のキモだと思う。最後の場面で、よぼよぼの兄貴が掘っ建て小屋から出てきて、仲違いしてた弟と、無言でベンチに腰掛ける。ああうれしいんだな、というのが伝わって来る。こうやって、いろいろなモノと最後に和解して死ぬんだな人は、っていう感慨が浮かんでくる。
9点(2004-06-26 01:28:57)
12.  テルマ&ルイーズ 《ネタバレ》 
二人が駆るオープンカーをロングで撮ったアリゾナ辺りの砂漠のショットが興味深かった。西部劇によく出てくるような奇岩の間をメタリックブルーのサンダーバード(?)が走り抜けて行く。いかにもアメリカ!な情景なんだけれど、でも、凄絶に美しかったことも確か。「ブレードランナー」でいかにもな近未来を見せてくれて、「ブラックレイン」でいかにもなJAPANを見せてくれたリドリー・スコットが、ここでいかにもなアメリカと女主義(←フェミニズムの訳です)をセットにして見せてくれる。観客の期待するステレオタイプの映像を、観客の期待以上に鮮やかに激しく描き出すこと「だけ」に成功したのだ、と考えれば、理念の底の浅さも説明はつくかも。それ「だけ」の映画だとしても、映像美の迫力には脱帽。
7点(2004-06-26 01:06:41)(良:1票)
13.  デッドマン(1995) 《ネタバレ》 
ジャームッシュは、いつも、当事者の予測や期待に反して思いがけない方向にものごとが転がってゆく、という状況にこだわってる。思ってたのとは全然違うトチ狂った就職先に転がり込んだり、オカシナ思いこみを固く抱いたインディアンが脈絡なしに出現したり。つじつまの合わない出来事が、つじつまの合わないままに支え合って、それなりに世界が出来てしまう構造になってる。そして、デップの人生はちょっとずつずれて行って、最後は黄泉の国に心静かに旅立ちましたとさ、というお話し。大変心地よく観られました。
8点(2004-06-16 10:32:56)
14.  パーフェクト・ワールド
追いかける方の描き方が中途半端。もっと削るか膨らますか、筋書きをツメてほしかった。逃げる方はとてもよく描かれてるので、かなり残念。ケビン・コスナーは好演だけど、顔立ちが整いすぎてて、正義感と粗暴さが同居する無教養でアブナイ頭脳明晰な男にはなりきれない。全編アメリカのほこりっぽい田舎の雰囲気が良く出ていた。救いのある透明な悲劇。
7点(2004-06-15 16:41:04)
15.  ミフネ 《ネタバレ》 
とても良い映画。ミフネは最後までけっしてあきらめない強いサムライなんだ、と言って、青年期後半に達した発達遅滞の弟が、誰彼かまわず身振り手振りで熱く語るシーンは、奇妙な感動を呼ぶ。そっかあ、ミフネってこういうヤツだったのかあ、差し迫った表情で大仰な演技をする大根さん、という俺らの印象は間違ってたのね、と思わされる。平べったい穏やかなデンマークの田園地帯の廃農園の片隅で、知恵遅れの青年が幼い頃に知った映画のサムライの志に感動している、というチグハグな異文化コミュニケーション状況には、ある種の強い「意味」はあらゆる解釈のズレを越えて力を及ぼしていく、という真実が現れているような気がする。しくじった娼婦も出世から落ちこぼれた兄貴も弟とミフネに励まされている。
9点(2004-06-15 12:47:12)
16.  イギリスから来た男 《ネタバレ》 
主人公が暴力的なジイサンという意表をつく設定のハードボイルド。失踪した実の娘を捜して寂れた倉庫街の怪しい会社であれこれ尋ねてフクロ叩きにされると、ちっこいピストル持ってとって返して全員撃ち殺す。キレたジイサンが年季の入ったプロの犯罪者だというコワさ。ピーター・フォンダは、1960年代70年代のカウンターカルチャーブームで偶然成り上がった安手の音楽プロデューサーにぴったり。ドンパチすれば勝負は見えてるんだが、そんなヤツに勝ったってむなしいというヤクザな老父の娘を思う気持ちが切ない。年寄りが観るべき渋い映画。
8点(2004-06-14 11:29:12)
17.  ゴースト・ドッグ
伝書鳩にしびれた。緊張と弛緩が、ぜーんぶ的外れに配分されているあたりが、ちょっと真似のできないジャームッシュの世界。ところどころに出てくる英語訳の葉隠れに一驚。ジイサン侍の狂信的うわごととは全然違う立派な箴言みたいに読めてしまう。呑み込めないと言って止めといてもいいはずのところを強引に消化すると、こういう創造的誤解が生まれるわけだ。人殺しを生業にするのは勧められないけれど。
8点(2004-06-14 10:11:00)(良:1票)
18.  リービング・ラスベガス 《ネタバレ》 
アメリカ枯れススキ。または、ラスベガス心中。女は死なないけど。自ら意志して酒を飲み続けてダメになっていく、っていうポジティブなダウンビート志向は、思想として興味深い。恨みとまったく無縁の破滅型っていうのは、有りそうで無いから。でも、映画としては、さほど面白くならなかった。俺はホントにこれでいいんだから、って消えていく人は、あっそう、つって送り出すしかないじゃない。本当は背後にあったかもしれない葛藤が、この世のストーリーにならなかった。合掌。
6点(2004-06-14 09:55:09)
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