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1.  海の若大将 《ネタバレ》 
若大将シリーズって監督が誰かによって違う印象を受ける。今作の監督は植木等の大ヒットシリーズやその他社長シリーズを幾つも撮ってる古澤憲吾監督だけあって、ひたすら明るい。主演の加山雄三は勿論だけど、ライバル的存在の田中邦衛が良い。サングラス姿で何とエレキギターまで弾いているのだが、それが凄く楽しそうで、見ていて楽しんでる様子が伝わってきます。田中邦衛と言えばあの北の国からが有名だけど五郎さんとは違う弾けた感じがこのシリーズの中でよい味を出している。映画の中での田中邦衛と言うと他の映画でも色々な顔を見せてくれており、脇役に徹しながら主人公と対照的な役で印象を残してくれている。亡くなったと聞いて何だかとても淋しい。そんな田中邦衛のご冥福を祈ると共に加山雄三には田中邦衛の分まで長生きして欲しい。加山雄三と田中邦衛が並び立つ場面における2人のやり取り、試験だと言いながらさっと居なくなる田中邦衛、試験中に友達に答えを教えてもらおうとしてる場面の可笑しさ、先生にカンニングがバレて怒られる田中邦衛とカンニングに協力して叱られる友人、加山雄三は何も罪が無いのにちょっと可哀想。所々で突っ込み所満載で、決して褒められる様な内容では無いが、これこそこのシリーズの一番の魅力かもしれない。加山雄三は勿論だけど、とにかく田中邦衛が良い。エレキギターを弾いてる姿が加山雄三をも食ってしまう程、かっこよかったです。北の国からの田中邦衛しか知らない方達に田中邦衛の面白さをこのシリーズを見て知ってもらいたいです。本当に亡くなった事が残念です。天国で星由里子とお幸せに!
[DVD(邦画)] 7点(2021-04-05 19:00:10)(良:1票)
2.  君も出世ができる 《ネタバレ》 
やっと見ること出来た。以前、CSで放送して録画してると言う親戚から借りて見たけど、フランキー堺が最初に筋トレしながら歌いながら出てくる所からノリノリで、そんなフランキー堺の魅力で通す映画て気がする。出世できる〜できる〜と歌うフランキー堺、フランキー堺に釣られる様に社長の見送り、お迎え、社長が戻ってからのミュージカルシーンで一斉に踊り出す会社の人達、良きハリウッド映画のミュージカル映画を見てるような気持ちになります。アメリカでは〜アメリカでは〜て、アメリカ人が見たらどう思うのか気になります。アメリカ人は本当にコカコーラで顔洗うのか?高島忠夫の歌も初めて聞いた気がする。アメリカ人を沢山乗せた観光バスでのやりとり、高島忠夫がアメリカの観光客2人に英語でサービスは無料と説明するも、社長の娘からは良い気にはされなかったり、何度も名前を間違えて言われたりとちょっと気の毒だけど、シャワー浴びてる最中に電話で呼び出されたり、しかも、そのままで良いからて言われた後のやり取りの楽しさや作品全体に漂うどうにでもなるみたいな雰囲気もこの映画の魅力です。最後までアメリカでは〜て頭から離れなくなってしまいます。日本ミュージカルながらハリウッド映画でも見てるんじゃないかて錯覚になるぐらい陽気です。フランキー堺の風邪引いた時の様な声の出し方がお相撲さんみたいで笑える。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-02-18 18:50:39)
3.  忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1962)
いやあー、長かったです。2日に分けて見ました。東宝時代劇ってあまりイメージにわかない。東宝って言うとどちらかと言えば現代劇の方がイメージ的に有ります。そんな中で見た今作、出演者の顔触れだけ見れば期待するなというのが無理です。今の映画では不可能なメンバー、顔触れだけ見ると森繁久彌、小林桂樹、加藤大介、三木のり平、フランキー堺って、社長シリーズか?またまた私の大好きな川島雄三監督の顔がちらついてきます。女優陣に眼を向けてみると、浜美枝、団令子、星由里子、淡路恵子、やっぱり社長シリーズ、川島雄三映画だよとなるわけです。他にも三橋達也に山茶花究と顔触れだけ見れば川島雄三作品にしか思えません。他の顔触れも挙げたらキリがないぐらい豪華です。岡本喜八?黒澤明?おっと、加山雄三の時代劇って赤ひげぐらいしか思い付かないぐらい時代劇には不向きな気がする。監督はあの大傑作、無法松の一生の稲垣浩だけに、期待したほどの出来にはない。とにかく俳優人があまりにも多すぎて、豪華すぎて、上手く演出できてない気がする。つまらなくはない。俳優人の顔触れ見てるだけで楽しめはするがテンポがイマイチの為、ただでさえ長い時間が更に長く感じてしまいました。駄作だとは思わないし、それなりに楽しめはしたから6点付けるとして、これやっぱりこの出演者の顔触れなら川島雄三監督で見たいです。
[DVD(邦画)] 6点(2021-02-15 18:35:30)(良:2票)
4.  骨までしゃぶる 《ネタバレ》 
骨までしゃぶる。いやあ!凄いタイトルだ!凄いと言えば何もタイトルだけではない凄さがこの映画にはある。人間の身勝手さ、表と裏の顔、郭の世界の怖さなど人間の怖い部分を思い切り見せ付けられる事になる。ヒロインのお絹を演じる桜町弘子が天国から地獄へと落とされる様子が見ていてやるせなくなり、切なくもあり、哀しくもあり、またこの映画、何と言っても三島雅夫と菅井きんの悪人夫婦ぶりが凄い。この2人による悪人夫婦の存在あるからこそ映画のラスト、お絹が幸せになって救われた思いで、泣けてきます。舞台が洲崎でしかも、郭話とくればどうしてもあの映画、私が大好きな監督、川島雄三監督の「洲崎パラダイス 赤信号」を思い出さずにはいられなくなります。加藤泰監督も私同様、川島雄三監督の「洲崎パラダイス 赤信号」が大好きなんだなあ!と思ったら嬉しくなってきました。
[DVD(邦画)] 9点(2020-11-04 18:17:42)(良:1票)
5.  五瓣の椿 《ネタバレ》 
女の恨みというものの怖さ、執念がよく描かれている。主役で1人、何役もの女を演じて見せた岩下志麻の美しさと美しさの中に秘めた恐るべき姿がとにかく凄い。愛する父親を死に追いやった連中への恨み、1人殺してはまた殺して行く。父親に見せる愛とは反対に母親に対しては愛など無く、許せない気持ちでしかない態度を取る。腹の立つ母親左幸子の演技も流石です。映画の中盤から出てくる加藤剛の武士の姿は大岡越前を彷彿させる。人間である以上、持っている愛の形、色んな意味でこの映画は考えさせられる。殺人は決して許されるものではないけれど、だからこそ恨みから始まった殺人により生まれる深い愛、岩下志麻の見せる表情がこの映画を物語っており、岩下志麻=悪女、そういうイメージだけど、単なる悪女を超える女の刹那さ、深さの様なものがひしひしと伝わってきました。
[DVD(邦画)] 8点(2018-11-03 00:48:47)(良:1票)
6.  黒蜥蜴(1962) 《ネタバレ》 
京マチ子が鞭を振るいながら踊るインパクト、騙し合いによる騙し合いの攻防、明智小五郎を葬ろうとして成功したと思い込む京マチ子演じる黒蜥蜴、本物の早苗、偽物の早苗、そして黒蜥蜴こそが本物の宝石だと死んだ彼女の美しい死顔、死体を運んで去っていく明智小五郎と色んな意味でこの映画は見所十分です。一見B級映画の様で中身はきちんとしている。嘘で固められる世界観、怪しげな江戸川乱歩の変わった雰囲気などもこの映画の魅力の一つである。そしてやはりこの映画は京マチ子の演技が醸し出す一人舞台、京マチ子を観るだけでも観るに値する映画だ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-08-26 17:32:11)(良:1票)
7.  江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間
狂っている。人間の狂気、石井輝男ワールド全開の何でも有りの世界観を見て楽しむ為だけの映画だ。だから他人に薦める映画ではないし、映画史に残る様な傑作でもない。カルトな世界で繰り広げられるエロスを楽しむ。あのラストの花火のシーンは本来なら美しい筈だがそうはならずに笑いで表現してしまっているこの変な世界、作品全体に漂う不気味な世界、好き嫌いハッキリと分かれる映画だからこそ好きな人は楽しめるし、そうで無い人には全く楽しめない映画です。昨今の映画には無い狂気に満ち溢れた石井ワールド!カルト映画という理由だけで埋もれてしまうには勿体無い映画として刺激が足りないと感じている人は観て見るのも良いそんな作品です。果たしてこれを女性が観て面白いと感じるかは微妙というよりもまずは楽しめない映画だろうけど、何故なら女性のおっぱいばかり出てくるわ、グロい場面もあったり、おそらく石井輝男監督は女性を全く意識せずに男の人が楽しめる世界を狙い撮ったのではないか?そう思ってしまいます。カルト映画ばかり撮ってる石井輝男監督ならではの映画です。
[DVD(邦画)] 8点(2018-07-14 19:00:37)(良:2票)
8.  キングコングの逆襲 《ネタバレ》 
キングコングが恐竜と戦ってるシーンの看護婦スーザンの眼差し、手の平に乗せられてるスーザンのねえ、離してよ!キングコングが手から離す気持ちは男なら解り過ぎる。揺らさないでと言われ、スーザンの願いを受け入れるキングコング、私を連れてかないで、やめてよ!ねえ!何だかエッチなビデオでも観ている様な不思議な気持ちにさせられる。キングコングが怪獣だけど人間的、しかも男らしい優しさにキングコングが好きになられずにはいられなくなる。あんな悩ましい姿の看護婦なら私も一度で良いから手の中で握り締めたくなります。マダムとドクターフーのやり取りも面白い。確かに昨今の怪獣映画に比べたらスケール感は無いかもしれない。それを補う俳優陣の魅力と会話を楽しむ作品として見る作品です。それにしてもやっぱり、あの看護婦ですよ。私がもしも、キングゴングだったら同じようなやめてよと言われたらやめるし、逃がしてよと言われたら逃がします。終盤の東京タワーでのゴング同士の攻防、ドクターフーを裏切るマダムピラニア、ドクターフーの仲間の一人にウルトラマンを演じる俳優も居て、ウルトラマンに変身して助けに来るのではないか?なんて想像してしまったり、色々楽しませる為の仕掛けがあちらこちらでもあります。がんばれ!スーザンの為にキングコング!最後までキングコングを応援して観ました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-06-23 17:38:45)(良:2票)
9.  大学の若大将
若大将シリーズ、真剣に観た事ありません。星由里子の死去を聞いて何となく借りてきたけど予想していたより面白い。先ずは何よりも加山雄三、かっこ良いです。若大将と言われる所以が解る。作品としてはこの時代の雰囲気が醸し出されている上に既に先を読んでいる様な学生の生活ぶりやら色々と見せてくれている。日本映画独特なシリーズ物としての始まりらしい雰囲気、加山雄三は勿論だけど田中邦衛が面白いし、新鮮、色々と突っ込みたくなるもののそこは無視して見るのが正しい。寅さんや社長シリーズとはまた違う面白さが感じられる。ヒロインの星由里子の可愛さは忘れられなくなる程、この映画での星由里子は可愛い。星由里子と言えば私にとっては大傑作朝ドラのあぐりのお母さん役が一番印象に残っているけど若い頃の星由里子の可愛さは加山雄三だけでなく、誰もが好きになるのもこの映画を見て納得です。星由里子のご冥福を御祈りすると共に加山雄三、田中邦衛、星由里子の分まで長生きしてください。このシリーズ他のも見てみようかな
[DVD(邦画)] 7点(2018-05-19 18:50:13)(良:1票)
10.  召使 《ネタバレ》 
召使いとは本来なら主人の為に尽くすはずだが、主人を誘惑しておき、それでいてどんどんと罠に嵌めて最後は立場を逆転させてしまう怖さをモノクロの映像で見せる映画として見応え十分です。色気を撒き散らしながら男を誘惑する女の怖さ、それに騙される男の愚かさ、バスルームでのやり取り、紳士は裸の女を好まない。嘘こけ!て言いたくなります。まともな男なら裸の女が好きなはずだ。少なくとも私は裸の女が嫌いではないし、むしろ大好きです。そんなこの映画、鏡の使い方、椅子での脚だけ見せる愛撫とか男心を刺激するシーン等、色んな意味でこの映画は刺激的だ。
[DVD(字幕)] 8点(2018-04-30 10:01:02)
11.  皆殺しの天使 《ネタバレ》 
パーティーが終わっても帰ろうとせず、抱き合ってる男女やら残りの食べ物に手を出している人達、突然の病に冒される人もいる。そうしてる間に部屋から出る事が出来なくなる。幾つもの部屋、扉、鍵があるのに出れない不条理な世界、助けを求める女の側から急に現われる誰のものかも分からない手首だけとか皆が見上げる階段を上る熊とかその他にも食べ物の中には何か毒物でも入っているのではないか?と思わずにはいられなくなる不気味な怖さ、鳴り響く鐘の音、ブニュエル監督ならではの変態性のある描写が健在で眼が離せなくなる。誰が何を考えているか分からない人ばかりな上に結局、最後の最後まで分からない事が多いのだがそれを想像させる映画としての魅力が感じられる不思議な映画だ。
[DVD(字幕)] 8点(2018-04-26 18:40:33)
12.  手討 《ネタバレ》 
この映画の題材となっている番町皿屋敷東京いうお話は落語でも何度か聴いたこともあれば見たこともある。あまり好きな話ではないが映画として見た場合、美しく悲しいドラマとして見応え十分で低い点は付けられない。愛する者同士、死をもって覚悟の上での決断する二人の姿が悲しい。殿様を信用出来ずに大事な皿を割り、自らの命と引き換えに殿様に対して、涙ながら殿様に対する気持ちを表すお菊の女の悲しみ、殿様もまた自分を愛し続けていたお菊を自らの手で手討ちにするしかない道を選んだ苦しさ、その両方が見事に描かれている。主演市川雷蔵の殿様としてのただずまい、お菊を演じた藤由紀子の美しい姿は桜の美しさにも負けないほどです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-03-13 19:53:58)
13.  あいつばかりが何故もてる
渥美清の映画初の主演作品です。渥美清が後に国民的作品となる寅さんシリーズの原点の様な話だけど舞台は下町ではなく、都会の中の都会と言える様な銀座です。スリに扮する渥美清、そんな渥美清が恋する相手がなんとさくら、いやいやここでは写真家の倍賞千恵子、渥美清を追いかける刑事には森川信、寅さんファンとして、贅沢な組合せ、他にも個性的な俳優勢揃いです。作品としての完成度、面白さでは寅さんシリーズ程ではないし、渥美清本来の笑いながらも泣ける要素もない。物足りなさも感じる。それでも出てくる俳優の顔ぶれだけで嬉しく思えてしまいます。渥美清と森川信の共演なんて寅さんでしか殆ど味わえない中でのこの二人の共演は本当に嬉しい。この二人の寅さん以外で見る事の出来る貴重な作品でもある。寅さんファン以外にはさほど強く勧められない作品かもしれないけど、寅さんファン、そして渥美清ファンで森川信のおいちゃんが好きな人には見て損のない作品です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-01-27 21:30:14)
14.  喜劇 初詣列車 《ネタバレ》 
私事ではありますが一年の最初に見る映画は寅さんと決めて長い事、実行している。今年も年明けからほぼ毎日寅さんきり見ている。そこで寅さん以外の渥美清作品を見ようという訳で選んだのがこの作品です。この渥美清主演による列車シリーズの最後の作品を見て感じた事は渥美清という俳優は存在そのものが喜劇的であり、しゃべり出した瞬間に咄家(落語家)の様な面白さで、これ程話しの面白い映画俳優は他にいない。渥美清の面白さという意味では面白い映画ではあるし、偶然、出会った(再会した)幼なじみの弟を探して、更正させるという何だか寅さんでも似た話があるものの何か違う。私の求めている渥美清作品とは異なるのだ。渥美清が可笑しく、微笑ましいものの違和感だらけのスーツ姿にカツラに長髪とそればかり気になって仕方ない。最後にもう少し言わせてもらうと寅さんきり見た後に見ると笑いという意味でも雑な感じもするし、渥美清という俳優にしかない粋な笑い、要するに笑いの中にも泣ける要素が無いのも寅さんと比べると弱い。その辺が寅さんシリーズの様な国民的作品にならなかった要因だと思う。このシリーズ三作品全てを見て、佐久間良子の美しさに寅さんシリーズでのマドンナが見たかったという想いが一層強くなり、この作品で写し出される列車が急行さくらというのも、寅さんを意識せずにはいられません。
[DVD(邦画)] 6点(2017-01-07 20:42:13)
15.  悪の紋章 《ネタバレ》 
冒頭、若い女の水死体が現れる。この若い女の水死体が後々、話の中で大きな影響、重要性として語られ、ある事がきっかけで冤罪となり、二年間刑務所に送り込まれた刑事が自分を罠にはめた奴らを一人、一人と復讐するのだが、浮かび上がってくる意外な人物像、それを原作者で脚本を書いてる橋本忍のスリリングな展開、人間の業を見せる作品で監督の堀川弘通もモノクロの映像で撮り、どの女も一癖、二癖もあって見応え十分です。山崎努の鬼の様な執念、新珠三千代の女の弱さ、幸薄そうな表情、岸田今日子の怖さが印象に残る。ヤクザの世界の裏の部分、人間の醜さも全て見せてしまう橋本忍という人のシナリオライターとしての上手さには毎度ながら感心させられる。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-12-04 10:41:59)
16.  少女ムシェット 《ネタバレ》 
いやあ、こんな映画はまずはアメリカ映画じゃ敬遠されるだろうし、描かれないだろう。とにかく暗い。残酷。ひたすら暗い。少女ムシェットの表情からしても暗く、殆ど笑わないし、教室で先生に首を押さえつけられて無理矢理歌わされ、一人だけ涙を流し、他のクラスの女の子には笑われ、そんなクラスの子に対して泥を投げつけて命中しても笑う事などしない。その後、遊園地で遊ぶ時も笑わないし、それどころか涙を流し、悲しそうにしている。父親と母親との間でもやはり悲しい顔しか見せない。一人で雨の降る森で鳥の音に反応し、隠れている時に二人の大人たちと出会い、雨でびしょびしょの中で、学校を抜けて来たことを話す。ここでも同じく表情を変えない。この少女の姿にはもう、誰も信用できないといった人を信用できない悲しさを感じずにはいられない。映画のラストでも自らの手で死を選択する事しか出来ずに死んでいったムシェットの事を思うと悲しいというより切なくなり、この作品から人は何故、人生の終わりは苦しい結末を迎えるのだろう?と言ってる様な作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-09-24 19:09:08)
17.  おかしな奴(1963)
おかしな奴とは、まさしく渥美清の事を指している。そう思わせるだけの魅力で多くの笑いを提供してくれた渥美清が話せば、本物の咄家にも負けない話芸で楽しませてくれてます。この作品の渥美清の演技には俳優、渥美清としても人間渥美清としての面白さを見せてくれていて、この作品を見ると、これ程の笑いを提供してくれた渥美清の凄さと日本映画界における渥美清の功績、そして、死は多くの映画関係者にとっても痛手である。一度で良いからチャップリンとの共演作品が見たかった。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2016-09-15 22:17:04)
18.  日本侠客伝 花と龍 《ネタバレ》 
マキノ映画で星由里子と二谷英明と珍しい二人が作品の中での大きなキーとして描かれている。どちらも、何となく東宝任侠映画での違和感を覚えなくはないがそれを打ち消してしまうマキノ雅弘監督の演出により、見応えのある作品になっている。いつものマキノ任侠映画組の魅力、主演の高倉健は勿論の事、脇役の魅力、特に山本麟一が素晴らしい。そして、もう一人、藤純子の美しく、格好良い振る舞いに眼を奪われる。自分の腕で刺青を入れ、その刺青を惚れた男(高倉健)の奥さん(星由里子)に見せるシーン、女にしか出来ない素晴らしさ、菊の花で締めくくるラストまでの流れも良い。マキノ映画ならではの迫力のある殴り込みのシーンなど如何にもこれこそマキノ映画というこのシリーズのラストを飾るに相応しい作品です。
[DVD(邦画)] 8点(2016-06-28 19:26:52)
19.  妖怪百物語
妖怪物で時代劇という組み合わせから駄作の匂い、B級映像的な物を本来なら感じずにはいられないものの、今作品の監督は座頭市シリーズを何本か撮ってたり、大魔神シリーズを撮ってる安田公義監督だけに単なる妖怪物にはしていない。誰もがよく知ってる妖怪を物語に取り入れ、怖さだけでなく、コミカルに描く事に成功している。当時の江戸の雰囲気、長屋の雰囲気、様子なども興味深く描いている点も単なる妖怪物とは違う面白さを感じる事が出来る。また、会談物としても楽しむ事も出来、不気味な音楽と声が聞こえたりと色んな意味で楽しむ事が出来るという意味でも贅沢な作品です。印象的なシーンが沢山、ある中でも障子に写し出される女の長い首と笑い声、池から現れる女の大きな顔と笑い声は一度、見たら忘れられなくなりそうなぐらいのインパクト
[DVD(邦画)] 8点(2016-06-09 17:52:20)(良:1票)
20.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 
怖い。女の怖さと醜さをここまでリアルに描くこの監督の怖さ、それに応える姉妹のドロドロした関係、自分の事故で姉を車椅子での生活へと追い込んでしまったと思っていた妹とそうではないと最後に事実を告白する姉、これ以上ない切なさが感じられる終わりにお互いの感情が物凄く伝わってきます。それにしても所々で出てくる人形が二人の怖さを更に大きく思わせる相乗効果を生み出しているし、電話のシーンの怖さもこの作品を更に恐ろしい作品としている。色んな意味で本当に怖い映画だ。
[DVD(字幕)] 8点(2016-06-02 21:15:57)(良:1票)
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