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1.  秒速5センチメートル
こういう作品に出会えると日本人に生まれて良かったと誇りを持てる。  背景美術や光、空気感の表現は極上・絶品。 東京、栃木、種子島が情緒たっぷりに描かれており、 絵の美しいアニメは数あれど、 これほどまでに描ける人を私は知らない。 各話ごとの色彩も素晴らしい。 これを実写でやるのはかなり難しいでしょうね。  作画のクオリティは前作「雲のむこう~」から格段に 跳ね上がっており、とてもなめらかに動いております。 人物の作画に不満があった人もこれで解消でしょう。  山崎まさよし氏の主題歌も天門氏の音楽と 絶妙にマッチしており全く違和感なし。 第三話の構成は反則ですよ(褒め言葉)  声優のキャスティングも前作同様 見事なハマリ役。バランスが取れています。  ストーリーに関してはこの現実世界が舞台なので 世界観のリアリティーが格段にアップしています。 また、これまでの作品と同様に現実のシビアな一面も逃げずに描いてますが、 それでいてラストシーンは清々しいのが良いですね。 最近のアニメ映画には少なくなってきた食事シーンがあるのもこれまた良い。  「月とキャベツ」が好きな人、 切ない過去を引きずっている(引きずっていた)人、 新海作品のテーマや語り口は好みだけど、 SF要素がどうも…という人にも自身を持っておすすめできる(私はどっちも好きです)  どちらかというとテーマ的にも大人向けですが、 ここはやはり国内外問わず色んな人に見てもらいたい作品です。
[DVD(邦画)] 10点(2007-07-21 08:15:15)
2.  雲のむこう、約束の場所
とても真っ直ぐな青春映画。 毎日映画コンクールのアニメ部門受賞作の名に恥じない作品だと思います。  基本的には前作「ほしのこえ」と同じく日常の情景表現&人間ドラマが主体で、 並行世界(←ありえないのは当たり前ですね)などのSF要素はあくまで引き立て役。 ヒロインの性格が萌え的、非現実的とよく言われますが、 これは中学生男子の女子に対するイメージ表現を狙った(ムックの監督インタビュー参照)そうで、 意図的にリアリティーを廃しているそうです。 主人公がヒロインにたじろぐシーンがあるのもそのため。 また、その主人公のキャラも前作同様、劇中で成長が描かれているので問題なし。 なのでそのあたりを踏まえた上で見る必要があります。  作画がしょぼいとの向きもありますが、 人物の作画は前作と比べるととても綺麗になっています。 また、大手スタジオの制作でもなく、もともとアクションを見せる作品じゃないので それほど問題でもないでしょう。  モノローグだけに頼らず、美麗な背景がしっかり語りかけてくるところも良い。 (背景は単なる写真加工では?と思う方は、ぜひロケハン写真と比較してみてください。) 一目みた瞬間に誰が作ったのかわかるということはもう、 この監督の立派な個性でありオリジナリティーと言えるでしょう。 声優のキャスティングもバランスがよくて好印象。  暗転の多用や、一部に分かりにくい伏線(ストーリーが破綻していると誤解を招いてる原因は多分これ)があるため、 総合的には6点くらいですが、酷評が多いのであえて満点を。
[DVD(邦画)] 10点(2007-07-01 07:09:12)
3.  彼女と彼女の猫
日常の中の切なさ、痛み、ぬくもりを描く新海監督のエッセンスが凝縮された原点の作品。総合的には5点といったところですが、その魅力的な世界観に+1点。
[DVD(邦画)] 6点(2007-07-01 07:07:54)
4.  ほしのこえ
この作品がヒットしたのは絵の美しさは勿論のこと、 人の心の繋がりや、日常の中の切なさ、痛み、ぬくもりを 叙情的な語り口で描いたところにあります。  一見よくあるいかにもなロボットアニメのスタイルを取っているので オタクっぽいとの向きもありますが、 巨大ロボットやエイリアン、宇宙戦艦などはスターウォーズなどの SF映画やSF小説にも出てきますし、 モノローグ主体の語り口やヒロインのキャラクターも リリカルな作風の少女漫画や実写の青春映画・TVドラマで 見られるものなので別に珍しくはありません。 主人公のキャラクターも劇中でしっかり成長が描かれているので問題なし。  ちなみに突っ込みの多いヒロインの制服についてですが、 あれは軍にフォーマルな服装が望ましいという規定があるのと、 主人公とヒロインの開いていく年齢差を強調するためだそうです(DVD特典参照) したがってこの作品のSF要素も決して無駄ではありません。  人物の作画に難があるのと、漫画版の完成度が高いことを踏まえると 総合的には6点くらいですが、酷評が多いので+3点。
[DVD(邦画)] 9点(2007-07-01 07:07:14)(良:1票)
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