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1.  NO 《ネタバレ》 
■1988年のチリのピノチェト大統領の信任国民投票、独裁政権が国際社会の圧力に負けて形だけでも行うということでなされた国民投票だったが、当初の予想を覆して大統領が不信任(NO)されたという実話を、NOキャンペーンを担った広告マンを軸に描いた映画。本映画の3割ほどが当時の実際の映像だという。題材は非常に意義深いもので、この歴史的事実は多くの人に知られるにふさわしい出来事だと思う。  ■描かれている出来事そのものは劇的だし面白いもののはずなのだが、映画は非常に淡々と進む。最初の方では「不信任が勝ったら奇跡」と当の不信任の陣営が口をそろえて言っていたのに、いつのまにか不信任遊星の状況になりピノチェト他政府側が必死になっている。いくらドキュメンタリータッチだと言っても、何が間にあってこの逆転が起きたのか、ビデオ撮影している以上のことがほとんど描かれていない。  ■実際には、かなり入念な調査、準備、多くの人の協力とムーブメントがあったらしい。「「ピノチェト・ノー」の運動」(http://www.tufs.ac.jp/ts/society/masaaki/news/no.htm)のページには詳しく出ているが、こちらを読んでいる方が手に汗握ってしまったのはやや残念なところでもある。
[DVD(字幕)] 6点(2018-07-10 00:20:58)
2.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 
前評判で「火星版DASH村」という声を多数聞いていたが、実際見てみてなるほどそういう気はすると思った。状況設定は「アポロ13」を上回るような危機的な状況で、地球上の人々が全力支援して地球に帰還するという話の構造も「アポロ13」と同じなのだが、とりあえず主人公のノリが軽い、軽すぎる。いかにも楽しんでる風にビデオに語り掛け、「船長の音楽の趣味は最悪ですね」のようなしょうもないことを話すシーン多数。シリアスな危機として描く方法はいくらでもあっただろうに、そういう雰囲気はみじんも感じられず、ゆえに「どうせ助かるんでしょ」感も満載になっている。  ■ではつまらないのかというとそういうわけではなくて、暇つぶし的には非常に楽しめる。特に退屈することなく2時間半見れる映画ではある。深みがあるかと言われると微妙ではあるが。  ■ちなみに、言われているよりは科学考証はしっかりしていると思う。火星で突風が吹く可能性は近年の研究で指摘されてきている(まだ未解決)ことだし、ランニングマシンのあるエリアだけはちゃんと回転機構になっているので遠心力で疑似重力が作り出されるようになっている。通信の時間差も(もちろんラグ自体は映画中ではわざわざ描いていないが)、映像通信が地球付近のみになっているあたりちゃんと考慮されている。もっとも最後の噴射はあんな感じになるとは考えにくい気がするし、元ビニールハウスの建物の入り口をビニールで覆うだけで空気漏れが大丈夫なのかはかなり疑問ではあるが。
[DVD(字幕)] 8点(2016-02-14 05:23:25)
3.  プリデスティネーション 《ネタバレ》 
タイムパラドクスもののSFをいくつか見たことがある人なら「整形手術」や「孤児として捨てられて」のあたりでおおよそのストーリーの予測がつく人が多いのではないかと思う。むしろあらすじを聞いた段階で刑事と犯人が同一人物というのは、浮かぶ人には浮かぶアイデアだと思う。  ■ラストの爆弾魔になるところがほぼ全部カットされているので、深掘りしてほしいところがなくなっていきなりエンディングという印象であった。「これからどうするのか」は想像に委ねるにしても、あそこにいるもう一人の自分の変化過程はもう少し描いてほしかったところ。  ■「父であり母であり子」というのは徹底した設定で、まさに「尻尾を食らう蛇」のごとき初めも終わりもない円環である。これを支えているのがサラ・スヌークの脅威の演技力で、最初のバーのシーンでジョンが女性だとは全く見抜けなかった。ケヴィン・スペイシーもそうだったけど、こういう演技力が圧倒的に必要な映画での役柄をこなすことでこの女優さんも将来有名になるのではなかろうか。
[DVD(字幕)] 8点(2015-10-13 11:59:31)
4.  ローン・サバイバー 《ネタバレ》 
悪い映画ではないし、折角人助けしたのにそれが仇となって隊員の大半が死ぬという報われない辺りもリアルなのだが、戦闘シーンがひたすら似たような銃撃戦で、いささか単調さがぬぐえない。崖を転がり落ちる逃げ方も、救援のヘリコプターも、結局あまり役立たずに犠牲だけ出してしまった感あるし。特に4人を助けに行ったヘリが墜落して16人死んじゃったら何の意味もないでしょと。
[DVD(字幕)] 7点(2015-09-09 23:54:52)
5.  悪魔は誰だ 《ネタバレ》 
■15年前の誘拐殺人事件が時効を迎える。そして時を同じくして、嘲笑うかのように同じ手口の誘拐事件が発生する。当時の担当刑事は今度こそ犯人を捕まえるべく奔走するが・・・ 巧妙なミスリード、そして韓国映画らしい展開と重苦しい中身、すっきりとはしないラストの良サスペンス。  ■小説ではよくあるタイプの「時系列をずらして、同時と見せかけて違う時間帯に起きたことを見せる」という手法が巧妙に使われている。二度目の誘拐犯は何となく予想がついたが、その動機は・・・そうか、そういうことか・・・ しかしこれだったら1回目と2回目の事件が似ている必要性はないんじゃないのかなぁとか思ってしまう。偽犯人が捕まるところも、そんなにうまくやれるのか、とか思ってしまうし。  ■ラストは、「真犯人」が罰せられてひとまず勧善懲悪、という感じに見えるが、彼も病気の娘を救うための苦渋の行動だし、そして娘に幸せな生活を与えつつ自分は山の中で15年隠遁生活を送ってきており、かなり苦しんできていると思う。子供の死も意図的ではないし、一概に悪とは言い切れない。むしろ「悪を裁く正義」に酔っている主人公にこそ、もっとも危ない「悪魔」を見ることができるかもしれない。このあたり、韓国のオリジナルタイトルが「MONTAGE」と犯人当ての要素を押し出しており、ゆえにラストも「勧善懲悪」として見られていそうなのに対し、邦題が「悪魔は誰だ」と勧善懲悪の解釈を拒むようなものになっているのは対照的に見える。
[DVD(字幕)] 9点(2015-09-01 00:40:46)
6.  プリズナーズ 《ネタバレ》 
娘が失踪、明らかに娘を知っていると思しき発言をする知的障害の男が捕まるが証拠不十分で釈放、父親は彼を犯人と決め付け娘の居場所を白状させるために彼を捕えて拷問する・・・というヒューマン・サイコサスペンス。サスペンスよりヒューマン面が強いかと思いきや意外とサスペンス性もあり、また同時に宗教色も強い作品。  ■息子を癌で失ったため、信仰を失い逆に神への反逆として次々と子供を殺すホリーとその旦那。娘を殺されても信仰を失わずに、神に許しを請いながら許されざる道へと進むケリー。第三者的、理性的に行動するロキ刑事。三者は「悪魔」「神」「異教徒」と区分でき、そして本映画で重要な点は、神を排する理性的な異教徒は一見冷静でいながら核心に迫れず、謎の解決に到達できるのは半ば不合理にも見える行動をとる神(ケリー)の側だということであろう。その意味では、冒頭の聖書の一節が述べているように、信仰に基づいていれば、罪を犯そうとも救われる、すなわち半ば拷問が肯定されているとさえいえる。  ■冷静に考えれば、アレックスが犯人ではなく、しかし明らかに娘と接触していることと、20年以上前のバリー誘拐の際に同じキャンピングカーが目撃されたことを組み合わせると、ホリーが犯人としか考えようがない。このままだとあまりにストレートなので、大量のミスリードを仕込んでいることは半ば仕方がない気もする。ただ、細かいところを「薬」でどうにでもよくしてしまうのはちょっと都合よすぎではあるが・・・  ■落ち着いてみると、明らかに警察が怠慢。少なくともケリーの別邸を捜査しないのはありえないレベル。病院からケリーがホリーの家に向かった際に、誰もケリーの車を追ってないのもあまりに不自然。その他いろいろとあらはあるが、しかし真に迫る作品ではあったと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2015-07-10 00:46:41)
7.  インターステラー 《ネタバレ》 
SFの形態をとってはいるが、SFを用いた人間ドラマが主軸。その意味では、画的にきれいなシーンもいくつかあるが、全体としてみて2001と対比するのはいささかずれている気がする。  ■地球を救うために最後の開拓に飛び立つ、という展開は非常にオーソドックスだが盛り上がる展開で、またその中で残してきたものとの関係、家族と再会したい者と人類に賭ける者との対立など、いろいろよく描けている。小説だと『ゴールデン・フリース』が似ている気がした。あれだけの大志をもって飛び立ちながら、孤独に寄って心をむしばまれていく、という豹変も、あの残酷な世界に一人ぼっちの苦しさを考えると理解できる。  ■「解がない」ことを隠した展開は、バッドエンドならば某記憶喪失映画に近いが、この映画では最終的にはハッピーエンドにこぎつける。しかし、ブラックホールの中が時空を超えるヒントになるという設定まではいいが、あの部屋とだけダイレクトにつながるという設定はいかにもご都合主義というかもはやしらけるレベルだし、ブラックホール内の造形もいかにもただの人口施設という感じで、それまでの星の作り込みと比べると貧弱さを感じる。  ■「インセプション」と同様時間のずれをうまく使っており、その辺りは面白い。ただ「1時間が7年になる水の惑星」からの帰還で、ひげが生える程度であまり時間経過感を出せていなかったのは残念。
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-09 10:45:07)(良:1票)
8.  テロ,ライブ 《ネタバレ》 
テロリストが爆破予告をラジオ局生放送に電話してきて実際に爆破、というあたりはありそうな展開だが、視聴率や左遷されたキャスターの復帰を目論んでそのままテロリストとの対話を生放送、というのはなかなかひねっている。そして単純なサスペンスかと思いきや、後半の展開は予想の斜め上を行っている。ほとんど放送室だけというワンシチュエーションものだが全く間延びしないのはさすが。  ■長官が死ぬ辺りから平穏な終わり方は無理そうだという予感がする。視聴率のために人質を死なせるほうがよいという局長の命令はいかにもな感じだが、結果から見るとそれでよかったというあたりが非常に皮肉。そして最終的には多数の人命が失われたうえで、主人公自身がスイッチを入れてしまうのは、前半の人命をなるべく守ろうとする姿勢とは不整合な気もするが、その辺りも含めて「上層部の不誠実さと自己保身」に対する憤りがこの90分で犯人にも主人公にも充満したということなのだろうか。  ■しかし、上に使い捨てられるのも、抵抗において殺される(橋の上の人質や警察官)のも結局下っ端(長官だけは際どいが、主人公も犯人から見たら「上」のポストであることを考えると、上に上がってもさらに上から使い捨てられるリスクはいつでもあるということだろうか)で、局長や大統領といった上の身分の人間は安心して保身に走れるという構図がまざまざと見せつけられる。そういう徹頭徹尾の「下っ端の努力の無駄さ」をこの映画は暴き出している。  ■展開は強引なところもかなり多い。犯人が名前を挙げていながら彼が死んでいることを全然警察が突き止められなかったり、川に飛び込めば助かるくらいの高さの橋の上で助けを待ってたり。犯人の最後の方の行動も不可解だし、ビルが寄りかかるのとかはコメディかと思った。そういう粗さはあるものの、全体としては勢いをもって最後まで見せてくれる作品だとは思った。
[DVD(字幕)] 9点(2015-06-03 11:52:57)
9.  凶悪 《ネタバレ》 
これが実際にあったというのは恐ろしい。でかい態度でいて乱暴な言動を普段からする須藤ではなく、善人面で凶暴さを全く示さない「先生」の方がよほど凶悪だというのは嫌な感じを覚えさせられる。  ■原作は未読だが、こちらに年表形式で内容がまとまっている(http://subaru39.tripod.com/home/sagi/misizu.html)。これを見ると、殺人に関する部分はかなり事実そのままで描き出しているようである(五十嵐の死については須藤の手によるのではなく須藤逮捕後の自殺(?)らしく、ここだけ異なる)。  ■逆に原作になくて追加されているのは藤井の妻に関する部分。痴呆の母を邪魔だと思う息子夫婦の構図は、完全に三件目の保険金殺人とパラレルになっている。藤井は徹底して「自らの手を悪に汚さない」側に立ち、殺人を告発し、一方家庭では母親の問題を妻に押し付ける。しかしそうやって自分を汚れなき側に置いているつもりの心理が、じつは一番凶悪さに蝕まれていたりする。メッセージは非常に良いが、ただ付け加えられた家庭の描写がいかにもな感じの不自然さ全開だったので、そこはフィクションだからもう少し改善できたのに、と思った。
[DVD(邦画)] 9点(2014-04-11 01:03:29)(良:2票)
10.  キャプテン・フィリップス 《ネタバレ》 
シージャックものだけれど、アクションシーンがあるような作品でもなく、淡々と事実を描き出している良作。決して海賊を単なる悪者と描きわけでもないのは好感。  ■最初の方、一回ボートに襲われかけて何とか逃げ切ったのち、翌日になると再び襲われるという下りで、船員だったらすさまじい悪夢を見ているような感じになるだろうなぁと思った。見つかってはいけない船内避難も、終始ひやひやしていた。  ■しかし、あの土壇場で紙とペンとって遺書書くか?とは思った。変な動きするなと散々言われていながらあれは殺されに行くようなものでしょ、と。隙をついて海に飛び込んで逃げようとした人と同じとはどうも思えなかった。  ■ただしシージャックものだと、タイトルズバリの「シージャック(2010)」の方が緊迫感とリアリティは(こっちはフィクションなのに)上に感じてしまった。ので9点でもよかったのだがそれとの差別化のため8点にしておく。  ■ちなみに、ソマリア海域は外国企業の工場による汚染などで漁場がやられてしまい、漁師は海賊になるぐらいしか食っていく道がなくなってしまった、という背景事情はあるらしい。海賊の側も海賊なんてしないで済むならしたくない、という感じは常に出ていた
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-10 00:52:20)
11.  フッテージ 《ネタバレ》 
バイオレンス描写に頼らず、ストーリーと音だけで勝負している正攻法のホラー映画。次に起きることはかなり予想可能なのにもかかわらず、見て「ぎゃっ!」となるシーン多数(特に芝刈り機。あれはぞくっとした)  ■設定がそもそも強引(首つり事件の謎を解くために、事件の家に家族で引っ越してくるとか、家族のことなんだと思ってるの!?)なのだが、序盤の展開は不穏な空気が漂っていてよい。しつこすぎないけど不意に物音がしたり、テープが毎回勝手に動いていたりと、不安感だけが煽られる。  ■しかし、子供たちが現れ始めてからは、正直「現実的なオチはないんだ」と分かってしまい、かなり興ざめではある。超常現象なら「なんだってあり」なわけで、だとしたら超常現象と分かってからの展開が間延びしすぎ。途中から「元の家に戻って、そこで殺される」は見え見えなわけで、そうするとむしろ「早くしろよ」とじれったく思える。  ■途中までは非常に良かっただけに、後半の展開をもっとうまく工夫できればいい作品に仕上がったのに、と惜しく思う。
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-04 01:09:53)(良:1票)
12.  ベルリンファイル 《ネタバレ》 
雰囲気とあらすじを見ると裏切りと陰謀、騙しあいの駆け引きがメインの作品かなと思うけれど、実際はかなりアクションに重い比重の置かれたサスペンス映画。  ■ベルリンを舞台に、南北朝鮮のスパイ同士が駆け引き、権謀術策を繰り広げる。ただ、スパイ戦というよりは開幕から派手な肉弾戦、銃撃戦が繰り広げられており、一つ一つキレがあって楽しめる。カーアクションもあるが「殺人の告白」と比べれば現実的なアクションに仕上がっている。ラストの草原の銃撃戦は、ありそうでなかった設定という印象。  ■なお、舞台は現在という設定(金正日は死んだあとになっている)のようだが、実際にこんなに駆け引きをやっているのだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-02 00:04:01)
13.  ピラミッド 5000年の嘘 《ネタバレ》 
真面目に見るとどう考えても主張はおかしいし、フェイクドキュメンタリーとして見ると途中までは面白いが後半以降の落とし所があまり盛り上がらないし細部の詰めが悪すぎる。トピックスは悪くないが、作者が真面目ならトンデモだし、遊びならもう少しきちんと「遊んで」ほしいところ。結局どっちなのかよく分からない。  ■真面目に言えば、おかしな点は山のようにある。 ●「メキシコ、エジプト、中国で遺跡が一直線」と言っていたが、球面上の三点を通るように直線(円)は必ず取れる。 ●円周率と黄金比がたくさん出てくると言っていたが、一つ値を定めてしまえば、残りの「綺麗な関係式」はすべて数学的な恒等変形だけで得られるので、関係はただ一つしか存在しない。 ●そして、黄金比は代数的数だが円周率は超越数なので、円周率に何か計算を施すと黄金比が出てくるかのように言っていたが、あれはあくまでも近似の産物である(そして恐らく、黄金比の方が意図的に作られ、円周率は数学上の偶発的近似値だと思われる)。 ●メートル法を先取りと言いつつ、出てくる量が無次元量(どんな単位を用いても同じ結果が得られる)だったりする ●そして、仮に地球の大きさを正確にはかれても、それをいくつで割るかという任意性は残るので、メートルと同じ単位系が得られることはない ●黄道十二星座との関係性が語られていたが、そもそも星座はメソポタミア起源(エジプトより後)なのでそれに合わせようがない。 ●地磁気反転は数週間どころか数百年~数千年かかると言われている。  ■だから「カメレオンマン」のようなフェイクドキュメンタリーとしてのんびり見ていたのだが、それにしては妙に陰謀論めいて既存研究をやたら攻撃するし、出てくる結論が「地球規模の環境変動への警告」って、いかにも微妙。うーん。
[DVD(字幕)] 5点(2013-11-04 23:45:55)
14.  サイド・エフェクト 《ネタバレ》 
社会派的な雰囲気があるが、サスペンスのウェイトが高めな印象を受けた。ひねりの度合いは大したことないけれども、きちんと描き出していく正統派という感じ。  ■薬の副作用による殺人、がメインだけれども、前半は謎解きうんぬんよりも主人公周りの人間ドラマ・社会派が主という感じ。ジュード・ロウが誠実なんだけれどもなんか怪しげな感じもしていて、どういう風に転ぶのかなかなか読めない。巻き込まれて地位も家族も失っていく感じは悲劇的。  ■ただ、後半の謎解きは逆に一気に進み過ぎてしまったかもしれない。あんなにうまくいくかなぁ、というラストの決着だし、殺人の動機も「これだけ?」という気分も残る。  ■見せ方はヒッチコックばりで非常にうまいと思った。見ている時間は引き込まれていた。  
[映画館(字幕)] 9点(2013-10-03 00:01:56)(良:2票)
15.  オレンジと太陽 《ネタバレ》 
1970年代まで行われていた、イギリスからオーストラリアへの「児童棄民」の子供たちに、彼らの両親とつなぎ合わせようとする夫妻の苦闘を描いた作品。描写はかなりおさえ目ではあるが、だからこその重みを伴っているように思う。  ■責任追及にはほとんどウェイトを割かず、子供たちと両親を引き合わせることに注力していくのは、不満を持つ人もいるだろうが、個人的にはこちらの方がよいと思う。ビンドゥーンは異常だが、しかし子供たちにとっては、誰が悪かを追及することよりも、親に会うことの方がはるかに意味のあることなのだろうし。  ■ちなみに、そのため児童棄民の背景や目的もほとんど描かれていない。少し調べたところ、白豪主義の推進のため、オーストラリアに白人をとにかく送り込む必要があったというのは一つの要因らしい。しかしそうだとするとオーストラリア社会に白人を増やさねばならないので、ビンドゥーンのような僻地に閉じ込めて強制労働・性的虐待を行うのでは目的は果たされず、ビンドゥーンは児童棄民全体でみるとイレギュラーな事例なのかもしれない(子供たちがいい環境におかれたわけがないのは確かだが)。この辺はイマイチよく分からない。  ■本作では、最初の女性を除いて「母親ー息子」の再会の構図になっている。映像や写真を見る限り少女もいたと思うし、性的虐待が少年だけとも思えないが、それは描くと陰惨になり過ぎるからということだろうか。あと父親との再会が一切描かれていないのもよく分からない。  ■背景捜査にエネルギーを割かない分、描かれるのは棄民された子供たちの心境変化である。特にレンにフォーカスする形で描かれている。最初は非常に非協力的で挑発的だが、それは「泣き方を八才で忘れた」という苦境のためであり、次第にハンフリースに心を開いていく。最後ビンドゥーンに乗りこむのもそういう決算という意図だろう。しかし「過去に空いた穴」はいつまでも埋めれるものでもなく、それにこだわり過ぎるべきでもない。ラストは、恐怖を乗り越えつつ過去を振り切り、前向きに生きていくということを表しているのだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2013-09-21 23:48:18)
16.  キャビン 《ネタバレ》 
確かに終盤の展開は「予想は出来ない」けど、しかしそれは別に売り出しポイントでもないような、と言う印象。冒頭の段階で中盤までの展開(バリアーの存在等)や背景はあらかじめ出してしまっているし。  ■中盤までは、監視者の手の上で踊らされていたぶられるという、わりと「ありがちな展開」。終盤の怪物大暴れは面白いけど、だったらそこにもっとウェイトがかかるような構成にしたらよかったんじゃないかなあ。まあホラー好きならあんだけ過去の主役が出てくりゃそれだけで満足だろうけど。  ■設定もよく分からない。 ●「来年頑張れ」云々の話があったが、これを毎年やってるのか? ●だとすると、世界各地に何であんなに支部がありそしてあれほど強大な力を持っていながら失敗しているのか? ●ときどきセリフに出てくる「客」って何?生贄の儀式なら所定の死に方をすれば神々は満足なはずでは? ●怪物をランダムに選ぶのもよく分からない。ここまで儀式に含まれているのか? ●だとしても、これだけの組織なら誘拐してきて縛っておけば十分では? ●あの怪物はどうやって作ったの?まさか捕まえたの?  野暮だけど挙げていくときりがない。 それでもまあ見ている間はそこそこ面白かったとは思うが。
[DVD(字幕)] 7点(2013-09-21 00:23:15)
17.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 
見ていてつまらないわけでは全くないのだが、淡々とし過ぎていて何をしたいのかよく分からない映画だった。  ■エンターテインメントとして見た場合には、明らかに盛り上がりや緊迫感に欠ける。削るところをたくさん削り、緊迫するシーンに注力した方がいい。事実を並べただけではサスペンスは弱い。  ■マヤの人間ドラマとして見るには、彼女の心理描写があまりに少なすぎてよく分からない。それを描かないにしても最低限の描写がないと、彼女の執念が見えてこないと思うが、それが全然描かれない。これはさすがに問題。  ■社会派ドキュメンタリーとして見た場合。恐らくこれが最も正しい見方なのだろうが、そうだとすると最も問題となった「捕虜虐待の正当性の問題」及び「パキスタンの主権侵害の問題」がほとんど描かれていない。そここそが米軍のビンラディン追尾活動で最も苦労したところであろうし、その問題に取り組むことこそが「社会派」たる部分であろうが、それが全くない。パッケージに「アメリカが隠してきた事実」とあったが、アメリカが表に出したがらない理由はまさにこの問題があるためであろうが、謳い文句で使っておきながら結局ほとんど取り上げないのでは、何をやりたかったのか分からない。  ■結局、どこから見ても中途半端な作品になってしまった印象。素材はいろいろと料理出来ただけに残念
[DVD(字幕)] 6点(2013-09-09 23:51:27)
18.  殺人の告白 《ネタバレ》 
「時効が過ぎた連続殺人事件に、真犯人が現れて本を売り出す」という設定だけで面白そうと判断して見に行ったが、これは掘り出し物。エンターテインメントに徹したアクション・サスペンスで、個人的には韓国映画では私的ベストの「オールド・ボーイ」に匹敵する面白さであった。  ■あらすじと予告編ではサスペンスベースかと思えるが、ハリウッド顔負けの二回のカーアクションが入っていてアクションの比率は意外と大きい。ほとんど不可能ギリギリのラインの車上アクションは圧巻。カメラワークもいい臨場感を出している。ただし追跡劇における手ぶれカメラは合わない人には合わないかも。  ■ラストにあっと驚くどんでん返しが仕組まれており、展開が全く読めなかった。公開のテレビ討論会、遺族の襲撃など、息をつく暇も与えないノンストップなストーリー構成で楽しめる。細かいことを考えるといろいろ不自然さはあるが、それを気にかけさせないだけの勢いがこの映画にはある。  ■これ以上の予備知識はなしで見た方が楽しめると思う。
[映画館(字幕)] 10点(2013-09-03 20:23:13)(良:1票)
19.  マーサ、あるいはマーシー・メイ 《ネタバレ》 
うーん、主題や雰囲気は悪くないんだけれども、全体に説明不足かつ構成があまりよくない印象。残念  ■カルトで2年間過ごした妹の、その洗脳とそこからの離脱の困難さが主題。妄想に囚われるさま、歪んだ共同生活で殺人にまで及んでしまうさまなどはなかなか良いと思った。全体的に静かなのだが、テーマとしては過剰演出しない方がいいだろう。  ■しかし、第一にあまりに描かなさすぎる。主人公は過去何があったのか(なぜカルトに踏み入れたのか)、カルトはどのような組織なのか(少なくとも最初の主人公にはどう見えていたのか)、なぜ逃げた主人公を連れ戻さないのか(殺人の目撃者なのに)等。一線を踏み越えた後の葛藤等は別に描かなくてもよいが、主人公の生い立ちやカルトの性質はきちんと説明しないと意味が分からない。  ■カットバックという構成もあまりよくないように思う。幻覚と現実を混ぜるのはよくある手法だしそれはいいのだが、過去と現実を混ぜるのは単に観客が混乱するだけでさしたる意味があるように思えない。過去と現在はどちらが先でもいいがまとめてあげた方がよかったと思う。  ■ちなみに、姉夫婦の行動もよく分からない。裸で泳ぎ出した段階でどう見ても「おかしい」のであり、話したがらないからと言って妹を放ってはおかないだろう。2年間のブランクをもう少し探ろうとするだろう(どう考えてもそれが原因なんだし)というイライラが隠せなかった。
[DVD(字幕)] 5点(2013-09-02 00:05:23)
20.  その夜の侍 《ネタバレ》 
うーん、一言で言うと「理解不能」。登場人物がみんなおかしい。でもソドムとかイディオッツみたいに最初から変な世界を描いているわけでもなく、かといって発狂しておかしくなる様を描くでもなく、端的に「行動が理解しがたい」。  ■あえて言えば木島の傲慢さに対して周りがあまりに「ふがいない」ことは一本通っているが、しかしそこから何かを展開していくような話の構成でもない。頻繁に出てくる「なんとなく」「暇」「平凡」等は鍵のはずなのだが、それがメッセージとして昇華している印象もない。登場人物は皆シュールだが、シュールさはむしろ平凡の逆を行っていて、ストーリー的に不整合に思う。  ■結局、何をやりたいか分からないまま終わった作品であった。
[DVD(邦画)] 2点(2013-08-30 23:45:18)
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