1. mid90s ミッドナインティーズ
ネタバレ めずらしいスケボー映画。 といっても、極める系ではない。 孤独な少年の、「青春」である。 ラストの病室の場面は、あの少年の母が仲間を怒らなかったということは、 あの少年の体の状態が悪くて、最後の挨拶ということか。 ぱっと燃えた花火のような少年の笑顔が、切ない・・ [DVD(字幕)] 7点(2025-06-03 18:02:01)《新規》 |
2. 路傍の石(1964)
ネタバレ 小学校の時、原作を読んだが、強烈に頭に残ったのは、 やはり前のレビュワーさんが書いてる「線路の枕木にぶらさがる」だった。 だから、本作はそのシーンがなかったので、物足りなさを感じた。 それでも、文部省推薦らしく、森信三の本を読んだような 鑑賞感を得た。 [DVD(邦画)] 7点(2025-05-25 19:17:35) |
3. 黒の超特急
ネタバレ 増村保造の黒シリーズ、2本目鑑賞。 全部で11本も創られたんかいな~!? それほど渡る世間は黒ばかり! 本作は、新幹線が通る土地をめぐる汚職ばなし。 胡散臭いところには、ゴロツキ達もかぎまわる。 そこに、女あり!お金あり!不倫あり!殺しあり! あ~あ、終身雇用の昭和ですら、これだ・・ AIに職を奪われる令和は、どんな黒世界なんだ~!! [ビデオ(邦画)] 7点(2025-05-20 23:23:02) |
4. 同胞
ネタバレ 倍賞千恵子のセールステクニックは、公演した演劇が良かったからいいようなものだが、 一歩間違えると、田舎の純朴な人たちをたらしこんでる様に見えて、仕方がない。 演劇が、地方の第一次産業のところに、流れていくのは、 近代演劇の流れでもある。 倍賞千恵子みたいな人が、日本の隅々まで、文化を浸透させていったのである。 その流れの中に、寅さんもあり、山田洋次を育てていった劇文化の歴史がある。 挿入劇をクライマックスに持って行くのは、後の「ダウンタウンヒーローズ」を 思い出させる。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-05-18 01:38:36) |
5. 黒の報告書
ネタバレ ポールニューマンの「評決」の日本版。 でもこっちの方が、20年早い。 敏腕弁護士により、正義派検察官が敗れる話。 「俺もまだまだ人間を信じすぎていかんいかん。」 宇津井健の最後の一言が重い。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-05-11 00:24:45) |
6. 浪華悲歌
ネタバレ 父の身上の立て方への苛立ちから、家出する長女。 しかし飛び出した先が、かつてから自分に色目を使っていた男の用意した部屋だった。 ここが間違いだった。 家出した子どもを迎えるところは、落とし穴ばかりだ。 かくして、少女は堕落していく。 まぁアレですね。 家に文句あるなら、就職して家から出ればいいので、 近道はないということですね。 溝口らしい、女の転落を描いた一本。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-05-09 22:25:40) |
7. 折鶴お千
ネタバレ 不浄の金で、勉強させてはなるまいと、宗吉を励ますお千。 しかし、世間は厳しかった。 ついには、宗吉に旨いものを食べさせたいとお千も捕まる。 果たして、数年を経て、偉くなった宗吉の前に・・ 泣ける話です。 どうにも厳しい世の中に吐き気がします。 [ビデオ(邦画)] 8点(2025-05-08 22:33:56) |
8. きみの色
ネタバレ 山田尚子監督は、「平家物語」からして、期待の人だった。 本作も良かった~♪ 映画を観てると、高野文子の「おともだち」を思い出した。 アニメ「平家物語」でキャラデザインした高野さんに触発されたのかな? これからも楽しみです♪ [DVD(邦画)] 9点(2025-05-06 23:23:43) |
9. アラン
ネタバレ 監督のフラハティは、ドキュメンタリー映画の父である。 彼の創った映画を観て、「これはドキュメンタリー映画だ」と評されたことに発する。 本作では、「老人と海」「白鯨」を地で行く、サメ取り映画のドキュメンタリーが観られる。 アイルランドといえば、不毛の地で、ジャガイモしか取れないという国だが、 その国らしく、生きていく過酷さを描いている。 製作年は、「或る夜の出来事」「街の灯」の頃である。 [ビデオ(字幕)] 7点(2025-05-06 00:12:45) |
10. カラオケ行こ!
ネタバレ 山下監督は「リンダリンダリンダ」が良かったので、歌の使い方が巧い監督というイメージがあります。 とにかく作品数が多い監督なので、その後は全部はフォローしきれなかったのですが、 やはり本作、見事な娯楽作に仕上がってます。 圧巻は、ラストの岡君のカラオケ。 それまで先生面してたけど、ホントに凄かった。 強面の人たちも、キュートな一面を見せて、魅力的でした。 でもエンドロール終わっての1カットは、正直、怖っ!って思いましたが・・(笑) [DVD(邦画)] 8点(2025-05-05 01:13:23) |
11. ソウルの春
ネタバレ 「タクシー運転手」「1987」、ともにキネ旬ベスト10に入ってたから、 観ましたが、隣の国にこんなことがあったんですね。 鑑賞当時は、韓国も社会派撮ると、ハードだなぁなんて、呑気なことを考えてただけでした。 ホント、知らないことばかりです。 最初のレビュワーさんの意見の、ここ何年かの韓国映画の位置づけに、 目から鱗です。 すると「シュリ」から始まる韓国エンタメの本質って・・う~む。 センスがいいとか悪いとか、そんな別次元で、彼らは戦ってたんですかね・・ [DVD(字幕)] 7点(2025-05-03 21:15:31) |
12. 関心領域
ネタバレ 壁一枚へだてて、向こうは地獄、こちらは楽園。 風刺画一枚で描けそうな話を深堀りしてる。 映画描写が際立って、我々の心に刺さるシーンは、白黒の反転ネガを、合成して、 死の匂いのする映像を作り出してること。 思い出したのは、「シンドラーのリスト」に出てくる白黒映画にピンクの女の子。 あの子は希望を意味していたのだが・・ 何よりアノ収容所が、町中にあったことが驚きだ。 そりゃ収容所の職員にも生活はあるのだから、それはそうだが・・ 関心領域というタイトルにも、衝撃。何をか言わんをや・・ でも、関心がマヒしていった結果の、この事実とも思えるから、 関心持続時間とでもいった映画も創られたら? ラストのエンドロールで流れる悲鳴のような曲。 自分のことに必死で他者に関心をいつまでも持てない現実に、発狂したような歌だった。 [DVD(字幕)] 7点(2025-05-03 16:45:01) |
13. 碁盤斬り
ネタバレ 緊張感がすごい。 碁友だちであっても、侍を怒らせたら、こんなに怖いのかというのが出てた。 考えてみれば、庶民の中で生きてる浪人の恐ろしさをこんなに描いた映画は知らない。 草なぎ君が見事にはまっていた。 ラストの小泉今日子のシラで、やっと息がつけた。 時代劇ってこんな緊張感があって、当たり前だよな、って気がした。 まぁ「弧狼の血」の監督ですからね。 なんか続編もできそうな感じしますね。 [DVD(邦画)] 9点(2025-05-02 00:22:44) |
14. Cloud クラウド
ネタバレ 黒沢さん、ホラーの名手だけど、銃撃戦って初めてじゃないですか? ネットの勝ち組は、意外と周りが見えてなかったりするって話ですか? ちょっと怖いんですけど・・ 僕は、純粋な映画ファンなので・・ 恐いって! 投稿するのも怖いじゃないですか!?黒沢さん!(汗) (誰もお前を狙ったりしないって・・笑) [DVD(邦画)] 7点(2025-05-01 00:12:38) |
15. あんのこと
ネタバレ 佐藤二朗って、いい俳優だなぁ・・ 西田敏行には絶対無理な役・・ いい人なんだけど、どこか踏ん張れない、そんな役・・ 杏ちゃんの絶望に、光は差さなかった・・ 光をしめせなかった社会の現実・・ 実話というのが、最初に示されてるから、ああ!って思ってしまうラスト。 サイタマノラッパー3で、絶望の中から奇跡のラップを歌わせた入江監督の、寂しい今の問題意識。 やはり、今はささやかな光も示せないんですか?入江監督! [DVD(邦画)] 7点(2025-04-26 23:24:10) |
16. ラストマイル
ネタバレ 面白い! 物流倉庫という画力がある舞台で、混乱に次ぐ混乱、 満島ひかりは何者なのか?一体何の目的で爆弾が?これらの疑問がスピーディに 展開する映画に、日本映画の本気を見た~! 東京が標的ともいえる設定で、ダイハード4を思い出したが、 ブルースウィリスみたいなヒーローいなくても、事件が解決していく様は、見事! え!?女性監督なの??汗! おそるべす・・ [DVD(邦画)] 10点(2025-04-26 00:59:34) |
17. 外人部隊(1933)
ネタバレ ジャック・フェデー監督作。この年のキネ旬2位。 外人部隊の集まるところは、空っぽ人間ばかり。まぁ幽霊みたいな人ばかり。 それでも、記憶のあの人は忘れられず、面影求めて、娼婦に恋をする。 女性をめぐるトラブルで、人を殺してまでして、奪った娼婦と、 実生活をやり直そうとするが、なんと記憶の女性が目の前に現れる。 その時、男はどうしたか? その結果、何が何だか分からなくなり、また外人部隊に戻るが・・・ これね~、昭和の漫画に「エリア88」っていうのがあり、傭兵のパイロットたちの話なんだが、 やっぱり外人部隊の虚しさを描いてた。 非正規社員も外人部隊と似てないか?虚しさがこの国を覆ったのは、外人部隊が増えたからではないか? などと閑話休題(笑) メモ)ジャックフェデー監督作に欠かせない肝の据わった女性、フランソワーズ・ロゼーは監督の妻でアリマス。 [ビデオ(字幕)] 7点(2025-04-23 02:34:07) |
18. ミモザ館
ネタバレ 堅実な経営の安ホテルの女将が主人公。 かつての客に置き去りにされた子どもを溺愛するが、 やはり世の中むつかしいもので、成人すると女性を見る目が怪しい大人に育つ。 かくして、その養子はボスの女に手を出し、生まれ故郷のミモザ館に逃げ帰る。 しかし、その女と女将の相性は悪く・・ 見せ場は、養子が借金をつくった時、女将のとった行動。 巧いなぁ・・ 旦那がカジノを経営していたことがうまく結びついてくる。 でもラストは・・ いや~見応えあった!名作です! ちなみにこの年のキネ旬外国映画1位の作品です。 この頃のキネ旬は、ジャックフェデー作品が高位置につけてます。 [ビデオ(字幕)] 7点(2025-04-22 17:27:49) |
19. 瞳をとじて(2023)
ネタバレ これはビクトルエリセの最後の作品ってことではないのか? エリセの代表作は、間違いなく「ミツバチのささやき」。 あの映画の最大のポイントは、あの少女の無垢なまなざしである。 それを本作の劇中劇で、王が無垢な目で私を見てくれるのは、 娘しかいないと言って、娘探しをさせる話が出てくる。 しかし、本作のメインストーリーは、この劇の俳優の記憶喪失を治すとこにある。 なにより「ミツバチ」の少女アナが、出演していることが驚きだ。 年相応のいい顔をしている。 そして、題の通り、皆、大事な場面で瞳を閉じるのだ。アナもだ。 記憶喪失の男は、自分の出演している映画を観終わったとき、どうなるか・・ まぁ出世作の少女の瞳が奇跡的な眼差しだったことが、 この監督の映画人生にかなり大きく影響したのだろう。 寡作の監督。 もう完成した作品は見られないだろう。 少女の瞳はとじられたのだ・・ [DVD(字幕)] 7点(2025-04-22 12:48:58) |
20. その夜の妻(1930)
ネタバレ 原作はアメリカのサスペンス小説らしい。 それを、小津が日本の人情噺に仕立ててる。 なるほど、刑事のキャラクターは、いかにもアメリカっぽい。 拳銃というとこもアメリカっぽい。 しかし、それでも小津さんは、この刑事の人柄に惚れたのだろう。 自分らは子供のころ、「おやこ刑事」という人情漫画があったが、 それは、こういうキャラの刑事像を描いてた。 自分は、そういうアメリカ的なキャラに知らず知らずに惹かれてたのだと思った。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-04-21 11:40:39) |