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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  愛すれど心さびしく 《ネタバレ》 
アラン・アーキン演じる聾唖の男シンガーは、精神病院に入れられた友人を追って南部の街に越してくる。そこで主に三人の人達と知り合います。一人はいつかピアニストとして立身したいと思っているが貧しさ故にその夢を諦めている少女ミック。一人は飲んだくれて自暴自棄になっている浮浪者ブラント、一人は医者という社会的地位の髙い職についている故に向上心の無い黒人を許せない老人コープランド。彼らがシンガーと触れ合うことで塞がっていた人生が開かれていく様は非常に感動的で、一種の人生賛歌となっています。私は特にお金が無いからコンサートを裏口でこっそり聞いていたミックがシンガーの部屋でレコードを夜遅くまで延々と聞いているシーンでびっくりする位泣いてしまいました。生まれがどうであれ音楽(芸術)は関係ないというシーンに自分を重ねてしまいました。 しかしそんな人生の素晴らしさを説いただけでこの映画は終わらない。そこから殆ど全ての人達が次々と不幸になっていく。ブラントは職を得るも喧嘩を起こし街を去り、コープランドは自尊心故に娘の恋人を助けず娘から憎まれ、ヒロインとも言えるミックは自分の夢の為にボーイフレンドに体を捧げるも裏切られピアニストの夢を捨てる。そしてシンガーも友人が急死し、ミックに拒絶されたことで自分が真に孤独になったと思い込み拳銃自殺でこの世を去る。 この映画で引き起こる不幸は全てが"すれ違い・相手を理解できない"ことによるものです。原作『The Heart Is a Lonely Hunter』の著者カーソン・マッカラーズも自らが孤独であると思う故に、この様な誰も分かり合えない人間の辛さを描いてきた作家でした。 私も所詮人間は相手の気持ちを100%は理解できない(実際は5%にも満たないと思う)と思いますが、だからこそ逆にシンガーの様に「僕は孤独なんだ!だからあなたと解り合いたいんだ!相手になって欲しいんだ!」という気持ちを持ちたいと思います。ヒロインであるミックが最後にシンガーの墓前で「I Loved You...」と呟くのと同じく手遅れにならないために。
[DVD(字幕)] 10点(2013-03-03 17:02:52)
2.  不意打ち
有名な映画評論家の方が紹介していたので、鑑賞してみました。二転三転するストーリーと映画全体を覆うビザールな雰囲気が非常に面白くもあり、恐ろしくもある。特に後半からの畳みかける様な、人間の神経を超えた怒涛の展開は素晴らしい。 映画の暴力、セックス等の描写が規制されていた時代に作られた作品らしいので、画面上に映っていない暴力やセックスを観客が音や登場人物の動きから想像してしまう様な演出が為されています。だから画面には直接的な行為は特に描かれていないのに恐ろしい。サスペンスホラー映画のお手本の様な作品だと思います。
[DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2010-01-27 20:23:23)
3.  ウエスト・サイド物語(1961) 《ネタバレ》 
誰にでも無条件に好きという映画はあると思いますが、わたしにとってこの映画。スコア、ダンス、役者、演出、撮影、全てが決まっていて最高だ。無論客観的に見てもミュージカルとしての完成度が高く、流石はミュージカル映画の巨匠ロバート・ワイズの手腕とも言いたくなるのだが、そんなこととは無条件で好きなのだ。初見から10年以上経った今でもどの曲を聴いてもテンションが滅茶苦茶上がっちゃう。特にダンスシーンとスコアの躍動感が見事に合った、"プロローグ"、"マンボ"、"アメリカ"はもう堪らない。"トゥナイト"や"ワンハンド、ワンハート"などの抒情的なスコアもアメリカの人種差別ゆえの悲劇と良く合いとってもしんみりした気持ちにさせてくれる。音楽的には矢張り5つものパートが同時に歌う"クインテット"が最高の出来だろう。現代クラシックの巨人バーンスタインは天才としか言えない。役者ではアニタを演じるリタ・モレノとベルナルドを演じるジョージ・チャキリスのダンス含めた演技が白眉だ。天才子役として知られるナタリー・ウッドの演技も素晴らしいものがあるが、どうしてもこの二人のダンス含めた演技のアンサンブルの前には霞んでしまう。特に"アメリカ"でのアメリカンドリームに憧れるアニタと故郷を愛するベルナルドの掛け合いは何度見ても楽しい。だからこそ一幕のハイライトとなる悲劇がああも悲しく、二幕のアニタは気丈で美しい。長々と語ってしまったがとどのつまりウエスト・サイド物語の一番の魅力は青春モノで全体に明るいムードを持ちつつも悲劇故に根底に流れる人種差別という暗いテーマが見事に調和している点だと思う。明るさと暗さの配分が僅かでも偏っていたら至極詰まらないラブストーリーか説教くさい作品に感じられただろう。
[映画館(字幕)] 10点(2008-08-10 10:55:31)
4.  アラビアのロレンス 《ネタバレ》 
「狂気が充満したような映画」、そう観終わりスクリーンを後にする時に思いました。この"狂気"とは、勿論、主人公であるロレンスが段々と狂気に染まっていくということでもあるのですが、それ以上に、この作品を評する一番の賛辞は"狂っている"と言うことだと強く思ったのです。つまり「素晴らしい」とか「美しい」とかのありきたりな美辞麗句を超えて、「こんな映画を撮れるなんてどうかしている!」という感覚こそが、この映画を評するのに最も相応しいかと。 主に前半部に見られる砂漠の映像美、合戦シーンのスペクタクル、作りこまれた巨大なセットや人間達、全てが古い映画なのに規格外で、それをコントロールし撮影しているのだと思うと、ついついため息と共に笑ってしまいました。だって、有名なシーンですが、広大な砂漠に映る蜃気楼からラクダを駆ってくる人間の姿が浮かび上がったりする。どんな忍耐力と集中力で撮影をしていたのか、想像できないです。唯々、驚愕するしかないシーンの連続。 また主人公・ロレンスの人物描写の巧みなこと。イギリスとアラブ、どちらにも属しきれない人間としての悲しさも非常に感じられましたが、その性格は、清廉であり残酷、勇敢であり臆病、理想家であり現実家、とあらゆる人間の側面を内包している。その上映時間の長さを活かし切った壮大な人間ドラマでした。
[映画館(字幕)] 9点(2015-10-28 15:31:49)(良:1票)
5.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
鬼才キューブリックによる核戦争を題材としたブラック・コメディ。キューブリック独特の意地の悪さが爆発しています。 訳の分からないデマを信じてソ連を先制攻撃しようと爆撃指示を出すリッパー将軍、徹底的な反コミュニズムであるためにソ連をなんとしても攻撃したくて堪らないタージンソン将軍、核弾頭に跨り狂喜乱舞して消し飛んだであろうコング少佐、そしてラストにDoomsday装置が作動した後の人類の存続方法についてナチズム視点から嬉々として捲し立てるストレンジラヴ博士(しかもその非人道的な構想についてタージンソン将軍がまんざらでも無い顔をしている 笑)。極めつけはエンディングの「また会いましょう」。 核への驚異について真面目に描くよりも(実際にそのアプローチで行く案もあったそうですが)馬鹿げた悪い冗談にしてしまった故、強烈に記憶に残ります。笑ってみるのが正しい映画、でも決して笑えない映画。米ソ冷戦が終結した現代でも今日性が感じられる映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-11-05 11:35:49)
6.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
私は結構テーマ主義な部分があって、良くも悪くも作品が持つテーマを意識して観ることが多いです。大体の映画というものは一つのテーマに沿っているもので、多くても二つまでが殆ど。しかし驚くべきことにこの映画にはテーマがいくつも混在している様に思えます。 まず恋愛が一つ。この映画を通して強く感じるのはシンプルな「恋は半端にするんじゃなく、本気でやれ」ということ。主人公の周りの上司達は火遊びとして女の子と遊んでいますが、主人公のバドは全く違います。だからフランについて茶化された時はムッとしましたし、フランもずっと一人一人の男を真剣に愛してきた。上司達と主人公(バドとフラン)を見るとどちらがメンチュ(立派な大人)かは明らかでしょう。上司達は社会的地位はあるかもれませんが子どもです。 次に自己犠牲が一つ。恋愛と少し被りますが、本当に愛してるってどういうことなのか?上司のシェルドレイクは家族を失うのは嫌だけれど若い女を取っ替え引っ替えしたいという自分の身を出来るだけ削らない人間でした。バドは惚れたフランを庇うために彼女の義兄に殴られますが、彼は彼女の役に立てて嬉しそうでした。つまり愛するということは相手のために自分を犠牲にするということです。そうじゃないと愛してるとは言えない。 その次に仕事が一つ。主人公は自分のアパートの一室を上司に貸し出すことで易々と出世しますが、彼の能力によってではありません(逢引の場を工面する要領の良さを私は能力の一つと思いたくない)。上司におべっか使うことが出世としての正しい道なのか?そうじゃないだろうということでしょう。その証拠に部長補佐に落ち着いたバドは空虚な人間としてカメラに映されています。 以上の様に、「愛・仕事・人生」と生きる上で重要なヒントが山程込められている大変に素晴らしい作品でした。
[DVD(字幕)] 9点(2013-02-24 23:37:46)
7.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
貧乏青年のトムが、羨望の為だけに兄貴分を殺し、完全犯罪を目論む。粗筋はこれだけ。それでも個人的に強烈な印象が残っている作品です。美しさと気だるさが同居した海、抜群の肉体美をさらけ出す主人公、兄貴分のフィリップを殺す時の刺すような緊張感。これ等に言い様も無い魅力があるんです。何というか、石原慎太郎の「太陽の季節」の様な、青春が溢れだしている、そんな感じ。
[DVD(字幕)] 9点(2011-07-18 14:42:13)
8.  椿三十郎(1962)
黒澤映画の中では限りなくエンターテイメントに寄った傑作。映画を構成する全ての要素が完璧と言うしかないですが、その中でも特に脚本の出来が素晴らしい。二転三転する内容を、90分という短い上映時間に纏めたのは、流石ですね。これを観ると如何にリメイク版が、贅肉だらけの脚本、演出だったのかが良くわかる。 エンターテイメント作品らしく、コミカルな部分がたくさんあるのも楽しめました。襖にずっと入っている男が特に好きです。 
[DVD(邦画)] 9点(2009-12-05 13:32:09)
9.  サイコ(1960) 《ネタバレ》 
サイコスリラーが量産される昨今でも十分に楽しめる映画です。スキの無い脚本、緊張感を煽る音楽、迫りくるようなカット、焦りや怒りや疑心を演じきる役者の演技、全て完璧。特にノーマン・ベイツ役のアンソニー・パーキンスの表情の変化が素晴らしく感じました。探偵に詰問されるシーンのちょっとした表情、ラストのサイコな笑い方が非常に印象的。 ただの会話でも緊張感が生まれるような映画を撮れるのは本当にすごいと思います。警官とのシーンなんて、ただ職質されてるだけなのにね。 間違い無くサスペンス映画の金字塔でしょう。傑作です。
[DVD(字幕)] 9点(2009-03-03 18:14:47)
10.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
宇宙空間でのルールを徹底的に遵守したHAL9000との殺し合いは今観ても驚きました。ロボットが反乱を起こすなんて使い古されたネタ(当時は新鮮だったのかな?)なのにHAL9000が停止するまで画面に釘付けになってしまいました。 これだけでも一本の映画が出来そうなのに、それで終わらないのが流石のキューブリック。見終わって頭を整理する内に、最後の赤ん坊と地球のワンカットの意味が分かった時は鳥肌が立ちました。ホントに。 でもやや難解すぎる気がせんでも無いので、この点数にさせて頂きます。
[DVD(字幕)] 9点(2008-12-31 14:47:37)
11.  猿の惑星 《ネタバレ》 
驚愕のラストシーンに関しては最早言い尽くされている為、そのラストに至るまでについて書きたいと思います。謂わばこの映画は人類の歴史の縮図。最後にザイアスは人間について如何に愚かだったか示しますが、猿たちも何ら変わる点は無い。 つまり私達人類が無意識に行っている愚行を、チャールトン・ヘストン演じる主人公を通して客観的に見つめることになる。それは家畜や奴隷への理不尽であり、宗教と科学の結びつきの醜悪さであり、論理を放棄した不学の滑稽さでもある。そして最後に主人公が叫ぶ呪詛、全く身につまされます。 古典SF映画としての演出も文句なしに素晴らしいです。背面から捉える案山子の様なオブジェの不気味さ、それを煽るジェリー・ゴールドスミスの現代音楽風のスコア、滑らかなパンショット。問答無用のSF映画の金字塔の一つ。
[映画館(字幕)] 9点(2008-10-10 10:07:38)(良:1票)
12.  ある戦慄 《ネタバレ》 
これは大変恐ろしい密室ホラー映画でした。舞台はニューヨークの電車の一車両から基本的には動かない。こういう密室の車両に閉じ込められるっていう設定自体は、例えばアクション映画等では良く出てくる設定ですが、そういった映画類の何倍もこの映画の方が怖かったです。列車に爆弾を積んだ政治犯が銃を突き付けてくるより、イカれた男が二人乗り込んでくる方が遥かに恐ろしいというのは何とも面白い。多分設定に現実に起き得る様なリアルさが感じられることと、基本的には人間の醜さを主眼に置いているからだと、個人的には思いました。 完全にイカれていると思いきや、極限状態における乗客たちに醜い振る舞いをさせたいだけに思える様な、トニー・ムサンテとマーティン・シーンのチンピラッ振りが大変に良いです。というか堂に入り過ぎていて、こいつらホントに普段からチンピラじゃねーのか?とも思ってしまったり……。まあ息子のチャーリー・シーンと違って、オヤジは真面目なリベラル左派らしいですが。俳優ってスゴイ。
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-04 23:39:45)
13.  網走番外地(1965) 《ネタバレ》 
素晴らしい。任侠映画の極北だと思います。母親の死に目に立ち会いたいと願う主人公。しかし一匹狼故にトラブルを周りから起こされてしまい、中々その機会に恵まれない。自分を良くしてくれるお偉いさんはいて、恩を感じているものの、自分のせいではないとはいえ、その奥さんを傷つけてしまう。さて、こんな絶望の主人公はどうなってしまうのか!?と思わせておいて、最後は人情の極を味あわせてくれる。繰り返しますが素晴らしいです。 ヤクザ映画では定番となっている田中邦衛の阿呆さや、錠を鉄道で切ろうとする時の一悶着等々、笑えるシーンが多々あり、刑務所ものでありながら清涼感があるのも面白いです。あと実は鬼寅だったおじいさんの迫力が凄いですね。演技の凄い説得力。
[映画館(邦画)] 8点(2015-01-11 21:50:40)
14.  マイ・フェア・レディ 《ネタバレ》 
この映画は二人の人間の成長を描いていますね。一人は当然ながら花売り娘のイライザ。訛りが酷く、上流階級にでても恥ずかしくない言葉を話すべく努力する姿は魅力的でかつ面白いです。彼女がスパルタ教育にイラついて「ア"ア"ー!!」って叫ぶだけで面白いからズルいですね。 んで彼女は結局ヒギンズ教授に賭けを勝たすだけの上達を見せるのですが、そこでチャンチャン♪と終わらないところが良かったです。キチンと上流階級の主役は男であり、女はそこで品評会に出されて娶られるのが唯一の役目ということを確りと描写し、そんな世界を疎ましく思うイライザも描く。こういう世界は今もあるでしょうし、当時のイギリスなら尚更でしょう。 もう一つはヒギンズ教授の成長。イライザの話が終わったと思ったら、ヒギンズ教授にもスポットライトが当たるので良い意味で驚きました。彼が序盤から利己的で独善的な男と描写されていた伏線が良く効いています。女心が分からない、いい年したオッサンがイライザを求めて右往左往する姿は笑えます。 そして今日ではスタンダード・ナンバーとして知られている「I Could Have danced All Night」を元気に唄う(吹き替えですが)このシーンがあるだけでミュージカルとしてはOK。オードリー・ヘプバーンの持つ少年性が活かされた名場面でした。 しかしちょっとばかし上映時間が長いことが気になりもしました。特にイライザの父親とピカリング大佐はストーリー上で絶対に必要な役柄ではないと思えるので、父親のダンスシーンや大佐が知古の友人に電話をするシーンなどは映画化に際し切っても差し支えなかったのではと思います。 とは言っても、老若男女問わず楽しめ、且つ味わい深いストーリーを内包した、ハリウッド映画の良さを存分に感じられる作品と思えました。
[DVD(字幕)] 8点(2014-09-19 23:24:53)
15.  メリー・ポピンズ 《ネタバレ》 
う~ん、素晴らしい!ミュージカル映画が好きなのにも関わらず今まで観てなかった自分を叱りたい。「チム・チム・チェリー」、「お砂糖ひとさじで」、「凧をあげよう」等々、一度聴くと忘れられない名曲達、ディック・ヴァン・ダイクのキレの抜群のダンス、ミュージカル映画として素晴らしいことは言うまでもありませんが、ストーリーも実に良いです。 ディズニーらしく夢を子どもに与えることの大切さ、それを知り変わっていくお父さん、ラストの「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス!」には笑いとともに感動してしまいました。 映像は今見ても新鮮で、コウモリ傘を差しながら空からフワフワ降りてくるメリー・ポピンズや、部屋に浮きながらのティータイム、画の中でのペンギン達とのダンス、煙突掃除たちのアクロバティックなダンス、どれも見ごたえ十分。ミュージカル好きなら観て絶対損は無いはずです。
[DVD(字幕)] 8点(2014-06-07 14:17:21)
16.  座頭市千両首 《ネタバレ》 
座頭市シリーズを構成する要素と言えば「アクション(殺陣)」「ユーモア」「ロマンス」ですが、本作はロマンスが限りなく薄めとなっており、その代わりにアクションのテンポが他作品に比べて抜群に良いです。 序盤の千両箱を巡る攻防、中盤の忠治親分の逃走劇、クライマックスの仙場十四郎との決闘まで、実にバランスよく配置されていると思いました。残酷描写として拷問部屋が描かれていたり、仙場十四郎のドスの利いた声の脅し文句「俺はミミズを見るとズタズタに引きちぎりたくなっちまう。奴ら中々死なねえが、それを見るのも面白い」といった台詞も実に良い。 ユーモアのセンスも個人的には良かったです。特にオバちゃんの商売女にまんまと金をせびられゲンナリする市の姿には爆笑。普段美人といい仲になるのが基本の市にしては考えられない間抜け振り。
[DVD(邦画)] 8点(2013-07-18 23:43:33)
17.  座頭市物語 《ネタバレ》 
記念すべき座頭市シリーズの第一作。作品としては一作目ながら実に洗練された出来となっており驚かされます。冒頭の丁半賭博で主人公である座頭市のキャラクターを的確に描き、敵側の用心棒との尊敬と友情の交差、ヒロインであるお胤とのそこはかとないロマンス、緊張感あふれる居合抜き、観客を惹きつける要素をこれ程入れて、特に物語に破綻もなく、上映時間もタイトに仕上げるとは恐れ入ります。非常に優れた脚本と演出力と言えると思います。 役者さんも総じて良く、勝新太郎は勿論、本質的には小心のくせに手下には大物に見せている座頭市側の親分を演じた柳永二郎、座頭市との死合に全てを賭けた用心棒を演じた天知茂は実に素晴らしいパフォーマンスでした。
[DVD(邦画)] 8点(2013-07-18 23:39:47)
18.  奇跡の人(1962) 《ネタバレ》 
"教育"について考え抜かれた映画だったと思います。甘やかし好き勝手にさせているのは勿論教育では無い、しかし「これをやってはいけない、あれをやってはいけない」と動物を躾ける様にしただけでも真の教育とは言えない。ヘレンの両親は彼女が2週間の躾の成果によって自制することを覚えた姿を見て満足するが、サリヴァン先生はそれでは満足しない。「彼女は言葉を覚えただけだ、世界を見せてあげないと」と主張し教育を続ける。最終的にヘレンは単なる言葉を覚えるだけでなく、世界との結びつきを覚える。このラストは本当に感動的でした。 その後、ヘレン・ケラーがあらゆる人権活動に人生を捧げたことを考えると感慨深いものがあります。両親が主張したような「獣の様に暴れなければそれで良し」という教育を続けていれば彼女はそのような人生を歩めなかったでしょう。世界に目を開けさせるまでが教育なのだということをこの映画は言っていたのだと思います。 また、ヘレンの成長物語であると同時に、幼い弟を守れなかったサリヴァン先生の成長物語であるという点も感動的でした。
[DVD(字幕)] 8点(2013-07-14 12:53:39)
19.  ワイルドバンチ 《ネタバレ》 
ほぼ全編に渡り漢!漢!漢!サム・ペキンパーの美学が堪能できるオス度100%のバイオレンス西部劇。しかし同時にそういう格好良い仁義を貫く男達の時代の終焉を表している映画とも思え寂しさも強く感じました。 超渋いストップモーションが繰り返されるオープニングからこの映画は始まりますが、そこで何度もカットインされるサソリが無数のアリに喰われているシーンは何かを象徴している様に見えます。それは恐らく主人公たちの最期でしょう。本作の世界は強い無敵のガンマンが活躍できる時代では無く、蟻ん子みたいな奴らに人海戦術で殺されてしまう残酷な世界なのです。足に古傷を負うパイクは何度も「俺も年だしそろそろ終わりにしないといけない、俺の時代はもう終わりだ」と言います。そしてエンジェルのフィアンセは金に目が眩んでクソたれ将軍に媚を売っている。終盤にパイクは自分が抱いた女に撃たれる。これらのエピソードは「最早男の美学が通用する時代じゃないんだ、世の中実益で動く世界なんだよ」と観客に突きつけている様に思えてなりません。 それでも最後に「俺たちは俺たちの筋を通すぜ!」とたった四人で大量の敵に立ち向かっていく。金のため、自分の命のためにワイルドバンチを仕留めようとしていたソーントンはパイクの銃を拾い上げ金を受け取らずに座り込む。もう観客に何が言いたいかは明確でしょう。 この映画の最後に熱くなれる人はまだ男の美学を信じている人なんだと思います。それが良いのか悪いのかは人それぞれでしょうが、私は仁義を通す彼らの姿に最高に熱くなりましたね。 それからつい終盤の大銃撃戦に目がいってしまうのですが、中盤の列車アクションも同様に出色の出来!ここまで面白い列車アクションを私は今まで観た事がありません。
[映画館(字幕)] 8点(2013-06-28 00:47:38)(良:1票)
20.  シャレード(1963) 《ネタバレ》 
早朝の郊外を通り過ぎる列車、そこから一つの死体が転がり落ちる。死体の顔がアップになった所で軽快なリズムに合わせオープニングクレジットが映し出される。実にインパクトのある幕開けです。オープニングのヘンリー・マンシーニによる名曲と、モーリス・ビンダーによるモダンなタイトルデザインも実に洒落ている。 ストーリーもやや強引さはあるものの、最後の最後まで犯人候補をミスリードし、この時代にありがちなものの観客がホッとできるハッピーエンドに落ち着かせてくれる辺りの脚本は秀逸です。 恐らく『麗しのサブリナ』や『ローマの休日』での純朴な少女の印象が強かったオードリー・ヘップバーンが新たなイメージに挑んだ作品でしょうが、彼女がどうしても未亡人に見えないのはまあご愛嬌。と言うかミセス(Mrs)にすら見えないぞ。最後にミス(Miss)と呼ばれて「ミセスって言ってんでしょ!」とセルフパロディまでかましたのには笑いました。
[DVD(字幕)] 8点(2013-06-11 23:09:36)
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